JP4689463B2 - 無線通信装置および無線通信装置の無線通信制御方法 - Google Patents
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このようなアンテナの遮蔽に対応し、あるいは、受信感度を良くするために複数のアンテナを装備し、用いるアンテナを切り替る技術として、ダイバーシチ受信方式が知られている。
ダイバーシチ受信方式は、データ通信中にGPS受信を行えない方式が一般的であるが、データ通信とGPS信号受信とを同時にまたは個別に行う高速データ通信に適した方式も存在する。
このGPS対応無線通信装置は、指向性が異なる2つのアンテナとアンテナ切替モジュールとを装備し、アンテナ切替モジュールのアンテナ接続制御によって、2つのアンテナの一方が無線信号を受信しているときは他方がGPS信号を受信可能に構成されている。
この構成では、2つのアンテナのGPS受信特性を評価して、GPSモジュールを、GPSモジュールに最良の受信特性を提供できるアンテナに切替え可能である。
しかし、上記特許文献1のように受信特性(信号強度、明瞭度、ビット誤り率)に基づきアンテナを切替える構成では、たとえ受信特性が良好であっても、GPS衛星からの電波を観測できるGPS衛星の衛星数が3個以下である場合には、端末の位置を的確に求めることができないといった問題がある。
本発明では好適に、前記アンテナ接続切替手段は、前記複数のアンテナのうち前記衛星信号受信回路が接続されている前記アンテナにて衛星信号が受信される衛星数が所定値未満である場合、前記衛星信号受信回路が接続されている前記アンテナ以外のアンテナで前記衛星信号が受信される衛星数を検出し、この検出した衛星数が異なる場合には、当該衛星数が相対的に大きいアンテナに前記衛星信号受信回路の接続先を切り替えることを特徴とする。
本発明では好適に、前記衛星信号処理手段は、前記アンテナ接続切替手段にて検出される前記複数のアンテナの各衛星数が所定の閾値以下である場合に、前記信号処理を実施しないことを特徴とする。
本発明では好適に、前記複数のアンテナが、第1アンテナと第2アンテナを有し、前記無線信号受信回路が、前記第1アンテナに接続されて前記第1アンテナが受信した無線信号の受信処理を行う第1無線信号受信回路と、前記第1アンテナと前記第1無線信号受信回路が接続された状態で前記第2アンテナに接続されると共に前記第2アンテナが受信した無線信号の受信処理を行う第2無線信号受信回路とを備え、前記アンテナ接続切替手段は、前記衛星信号受信回路を前記第1アンテナと前記第2アンテナとの何れか一方に選択的に接続する接続手段と、当該接続手段による前記衛星信号受信回路と前記第1アンテナ又は前記第2アンテナとの接続を制御する接続制御手段とを有することを特徴とする。
また、無線通信装置の構成を簡単にし、処理負担を低減することができる無線通信制御方法を提供できる。
図1に示す無線通信装置(無線通信端末)1は、第1アンテナとしてのメインアンテナ2Aと、第2アンテナとしてのサブアンテナ2Bと、3つの分波回路3a1,3a2および3bと、(アンテナ接続)切替手段4と、送信回路5と、無線信号受信回路としての2つのCDMA受信回路6A,6Bと、衛星信号受信回路としてのGPS受信回路7と、制御・処理回路8とを有する。
CDMA受信回路6A,6Bの各々は、第1増幅器61と、フィルタ62と、第2増幅器63と、CDMAダウンコンバータ64と、局部発振器を含むローカル関連回路65Aまたは65Bとを含む。
GPS受信回路7は、第1増幅器(LNA:ローノイズアンプ)71と、フィルタ72と、第2増幅器73と、GPSダウンコンバータ74とを有する。
なお、この共用は任意であり、GPS受信回路7とCDMA受信回路6Bの各々にローカル関連回路を設けてもよい。その場合、サブアンテナ2Bが地上波無線信号とGPS信号とを同時に受信する可能性があり、取得した双方の信号を並列処理可能に制御・処理回路8が構成されている。
なお、本明細書でデータとは、携帯電話等の通話を含む音声データ、画像データ、テキストデータの少なくとも1つを含む。
この複数のアンテナの1つのアンテナ(メインアンテナ2A)でGPS受信とデータ受信の双方が可能な点は重要であり、以下、この点について説明する。
携帯端末の場合、たとえば図2に示すようなアンテナ配置が可能である。この図2では、図1のメインアンテナ2Aを、GPSアンテナ2Agとデータ通信用メインアンテナ2Amとに分けて構成し、サブアンテナ2Bを、GPSアンテナ2Bgとデータ通信用サブアンテナ2Bsとに分けて構成している場合がある。図2には他の主な構成として、分波回路3a2、送信回路5、CDMA受信回路6AおよびGPS受信回路7を図示し、図1の他の構成は省略している。
まず、GPS受信方式を、図3に4つ示す。このうち図3(C),(D)に示すSimultaneous方式が、上述したようにGPS受信時にもデータ受信処理を実施できる点で最も望ましい。そして、図1の構成は、これら図3(C),(D)に示す方式でのGPS受信が可能である。また、データ受信を適宜休止とし、あるいは、サーバを介した位置検出を行わないモードにすることで、図1の構成でも図3(A),(B)に示す方式をモード選択等によって実行可能である。
ここで「(タイム)スロット」とは、ある処理のために用いる一連のデータ群の大きさまたは処理時間を表す単位である。したがって処理に応じてスロット長(データ長または処理時間)も様々である。ただし、図3では見易さ向上の意味で、スロット長を一定にして示している。また、ここでの説明では図1を適宜参照する。なお、無線通信端末1は、位置検出サーバに対して、不図示の無線通信網(ネットワーク)を介して通信可能に接続できるようになっている。
ここで処理経路(Path)について定義する。以下「パス1」というとき、メインアンテナ2Aの信号処理経路(パス)を意味する。また、以下「パス2」というとき、サブアンテナ2Bの信号処理経路(パス)を意味する。したがって、GPS受信回路7は、ダイバーシチに伴い接続されるアンテナに応じて信号処理経路(パス)も変更される。つまり、図1のGPS受信回路7は、切替手段4の動作によって、メインアンテナ2A側の処理経路(パス1)に属することもできるし、サブアンテナ2B側の処理経路(パス2)に属することもできる。
具体的に、図1のGPS受信経路7は、切替手段4の動作によってメインアンテナ2Aに接続された状態にあり、図3(A)に示すように、スロットS1のタイミングにてパス1にてGPS受信回路7(図1)にて衛星からの衛星信号(GPS信号)を受信処理する。次のスロットS2のタイミングにて、取得した衛星データをサーバ(基地局)へ無線により送信し、位置算出をサーバに行わせ、算出された位置データを端末が基地局から無線により受信処理する。その後、つぎの位置検出タイミング(スロットS5の開始時)となるまでは、パス1のCDMA受信回路6Aを用いたデータ受信(たとえばEVDO(Evolution Data Only)受信)を行う(スロットS3,S4)。なお、図で「データ受信(EVDO受信)」とのみ記載しているが、このスロットでデータ送信(たとえばEVDO送信)を行ってもよい。このようにMS-Assisted方式のパス1は、GPS受信、位置検出のためのサーバとの通信、通常のデータ送受信を繰り返している。
一方、図3(A)のパス2では、パス1でのGPS受信期間(スロットS1,S5,S9,…)およびサーバとの送受信期間(スロットS2,S6,S10,…)は受信の休止状態に規定され、休止状態間の残りの期間で通常の、すなわち地上波無線によるデータ受信を行う。この休止状態の設定は、GPS受信回路7とCDMA受信回路6Bがローカル関連回路65Bを共用しているとの理由による。
ただし、その後は上記サーバを介する位置検出処理を繰り返すのではなく、当該無線通信装置内で簡易的な検出位置補正を行う。つまり、つぎにスロットS5のタイミングにてパス1にてGPS受信を行うと、その衛星データを基に当該端末内で位置を補正する処理を実行する。この簡易補正を数回行うと誤差が大きくなることから、本例ではスロットS5〜S10までに簡易補正を2回行った後(この回数は任意である)、最初のスロットS1〜S4と同様にしてサーバで位置計算を実行させることにより、誤差が小さい正確な位置を取得する。一方、パス1でのGPS受信と位置検出のためのサーバとの通信との両方のタイミングにおけるパス2でのデータ受信を休止状態とすることはMS-Assisted方式と同様である。
このMS-Based方式は上記MS-Assisted方式と比べて、サーバとの通信回数が減ることから、その分、地図などを取得するために通常の(すなわち地上波無線による)データ受信(およびデータ送信)が可能である。
Simultaneous方式がMS-Based方式と異なる点は、GPS受信(衛星データ受信)中にも同じタイミング(タイムスロット)にてデータ受信が可能なことである。つまり、図3(B)と同様にパス1側でGPS受信を行ってもよいし、図3(C)に示すようにパス1側でGPS受信を行ってもよく、かつ、どちらか一方側でGPS受信を行っても、そのどちらか他方側でデータ受信が行えることが、Simultaneous方式の大きな特徴である。そのためにはGPS受信処理とデータ送受信を並列処理可能な信号処理回路(制御・処理回路8)を備える必要がある。
具体的には、図1のGPS受信回路7は、切替手段4の動作によってサブアンテナ2Bに接続された状態にあり、図3(C)のパス2でGPS受信を行っているスロットS1,S5,S9,…の残りの期間に、同じパス2でデータ受信が可能となっている。このときGPS受信回路7は切替手段4の制御によってサブアンテナ2Bに接続され、パス2に属するように制御されている。
なお、本例のスロット構成例では、パス1にのみデータ送信機能を備える関係で、パス2でGPS受信して得られた衛星データはパス1の次のスロット、すなわち上記例ではスロットS2,S6,S10,…のタイミングでパス1を介してサーバに送信し、サーバによる位置計算の結果をパス1の信号受信回路で受信するようになっている。図3(C)中の矢印は、そのためのデータ転送を表している。このスロットS2,S6,S10,…の期間にパス2でデータ受信も可能であるが、データが地図等の場合を想定していることから、その期間は休止状態とし位置計算結果を見てデータ受信を開始するようにしている。
またSimultaneous方式は、休止回数期間が少ない分、よりデータ受信が可能な回数が増え、地図などのデータを高速受信することができる。
これに対し、図3(D)に示す方式は、衛星から取得したデータを端末にて処理し位置を端末内で算出するものである。この方式を「Stand Alone方式」と称する。
Stand Alone方式では、具体的に図3(D)に示すように、スロットS1,S4,S7,…の各々でGPS受信に続いて端末内で位置検出計算を実行し、それらのスロット間に存在する他のスロットではデータ受信が可能である。一方、パス1ではパス2のGPS処理とは無関係にデータ(GPS表示のためのデータ等でもよい)を受信(または送信)可能である。この方式では、他の方式でサーバにて行っていた位置算出処理を端末で行うものであることから、端末内での位置計算は正確な精度が要求される。
このStand Alone方式は、上記Simultaneous方式と比較すると、「サーバへ衛星データを送信する」ための通信が不要であることから、その分、さらに地図などのデータを受信可能な回数(スロット数)が増えているが、端末の処理負担は比較的大きい。
なお、4つのGPS受信方式を受信処理経路(パス)が2つの場合で説明したが、3以上でもよい。
また、図1の切替手段4およびこれを制御する制御・処理回路8内の制御部が行うアンテナ切り替え制御は、たとえば各アンテナでのGPS帯域の電界強度、各アンテナからのGPS信号を用いて実際に測位を行った結果(例えば位置検出精度等)などを用いてもよいが、各アンテナでの衛星数の捕捉数を制御部で求めて、これが大きい方のアンテナに切り替える方法が、より望ましい。衛星数の捕捉数算出に関し、たとえばC/Aコードと称される衛星ごとに独自なコードを制御部内でGPS信号に乗算し、その結果の差異、例えば当該乗算結果がハイレベルとなるGPS信号が何種類あるかによって衛星数を検出するとよい。その他、各衛星から各々送出される衛星信号の送出時間情報と衛星の現在位置情報とから衛星数を識別する方法も採用可能である。
判断基準が電界強度の場合、電界強度がより強いGPS信号が得られるアンテナをGPS受信回路7に接続するように切替手段4を制御する。また、判断基準が位置検出精度の場合、検出した位置精度がより高いほうのアンテナをGPS受信回路7に接続するように切替手段4を制御する。また、判断基準が衛星数の場合、捕捉衛星数がより多いアンテナをGPS受信回路7に接続するように切替手段4を制御する。
特に、捕捉衛星数を基に判断を行う場合は、初期状態の捕捉衛星数、すなわちサブアンテナ2Bの捕捉衛星数が予め決められた所定数以上ならアンテナ切換制御を行わないで、その数が上記所定数未満の場合のみアンテナ切り替えを行うようにすることが望ましい。この方法は、アンテナを一旦切り替えて両方の捕捉衛星数を確認する場合に比べると、必要以上にアンテナ切り替えを行わなくて済む場合があり、制御速度、処理負担の低減ができるため、より望ましい。普通に携帯端末を手で持っている場合、手で隠れる位置にはGPSアンテナを配置しないことから、ある程度見晴らしがよい場所では捕捉衛星数が上記所定数以上の条件を満たすことも多い。このため、この所定数を用いた比較の結果に応じてアンテナ切り替えの有無を判断する方法は有効で、効果が大きい。
本実施形態では、このような要請からアンテナ切り替えを、アンテナが捕捉する衛星数を基準として行う。以下、衛星数検出のための具体的な構成例と動作を説明する。
GPS受信回路7は、ノイズ除去あるいはバンドパスの機能を有する2つのフィルタ75,72と、ローノイズアンプ(LNA)71と、周波数を中間周波数(IF)に変換するためのミキサ76およびローカル信号発生器77とを備える。
各ユニット内では、C/Aコードの乗算器81と、デジタルフィルタ82と、検出器83とを備え、これらをベースバンド信号の入力側から、この順に縦続接続した構成となっている。
乗算器81A〜81Dから出力される、C/Aコード乗算後のベースバンド信号はデジタルフィルタ82を通って、対応する検出器83A〜83Dのいずれかに入力される。
検出器83A〜83Dの各々で、衛星からの信号をキャッチできたかを応答の有無で検出する。たとえば、応答がある場合は信号レベルが高くなり、衛星からの信号をキャッチできていることが検出される。
なお、C/Aコードは32種類あり、そのうちの1つCaに対して応答があれば、それを除く31種類のC/Aコードについて応答を調べ、そのうちのCbに対して応答があれば、それを除く30種類のC/Aコードについて応答を調べ、これを繰り返すことで衛星数の検出を行ってもよい。その場合、ユニットは1系統で乗算器81の他方入力に与えられるC/Aコードが32種類から順次スキャンされる構成となる。
ここでは図1を適宜参照しつつ、図5および図6に示すフローチャートに沿って説明する。
ステップST1では、第2アンテナで受信したGPS信号を、図1のGPS受信回路7で受信処理した後、制御・処理回路8に送る。制御・処理回路8は、図4を用いて前述した方法によって衛星数を取得する。取得した衛星数を“α”とする。
位置検出の場合は、制御・処理回路8から送信回路5に受信データを転送し、第1アンテナ(メインアンテナ2A)からサーバ(基地局)に無線通信で送る。そして、基地局からの位置検出データをメインアンテナ2Aで受信し、CDMA受信回路6Aで処理した後、制御・処理回路8の制御によって、例えば地図データを取得して、地図データ上に現在位置を表示する。
位置補正の場合は、図1の無線通信端末1内で制御・処理回路8によって位置補正を行い、表示位置を必要に応じて変化させる。
具体的には、制御・処理回路8の制御によって切替手段4がダイバーシチ(アンテナ切替動作)を実行し、これによってGPS受信回路7が第1アンテナ(メインアンテナ2A)に接続される。この状態で受信されるGPS信号をGPS受信回路7を介して制御・処理回路8が受け取り、その衛星数を同様な方法によって調べる。取得された衛星数を“β”とする。
そして、次のステップST7にて、制御・処理回路8が、第1アンテナで受信したGPS信号を用いて、上記と同様に位置検出または位置補正を行う。
なお、終了後はリターン状態となって、制御・処理回路8が測位終了の指示を出すまでスタートから始まる処理が繰り返されるため、ステップST7またはステップST3が、GPSデータを受信するたびに繰り返される。
図6において、ステップST11にて、制御・処理回路8が衛星数α,βの各々を所定値Aと比較し、その両方の衛星数が所定値A未満でない(少なくとも一方が所定値A以上の)場合は、GPS受信状態が極めて良好であると判断して、処理がステップST12に移行する。
ステップST12は、衛星データのみを使用した測位モードであり、図3(D)のSimultaneous方式に似た測位モードである。つまり、制御・処理回路8がGPSデータに基づく位置検出機能を備え、この機能によって無線通信端末1内で測位を実行する。
ステップST15の処理は、図5のステップST3における位置補正と、ステップST12の衛星データを用いた位置検出とを組み合わせた測位モードの場合である。
一方、ステップST16の判断が「Yes」、すなわち衛星数αが所定値C以上(C≦α<B)の場合、制御・処理回路8が次のステップST18にて図5のステップST3と同様な方法によって位置補正を行うモードにモード設定する。これにより、基地局からの測位データのみで簡易な位置検出が無線通信端末1内で実行される。
各モード実行後は処理が終了するが、終了後はリターン状態となって、制御・処理回路8が測位終了の指示を出すまでスタートから始まる処理が繰り返される。
図7は、同じタイミングでGPS受信を行う場合の処理をタイムスロットを用いて示した図である。図7(A)はダイバーシチ前、すなわちアンテナ切り替え前(初期状態)を示し、図7(B)はダイバーシチ後(アンテナ切り替え後)を示す。
図7(A)のダイバーシチ前において、パス1の時間T0以後のスロット群を符号“Sa1,Sb1,…,Sd1,…,Sh1,…”により示し、パス2の時間T0以後のスロット群を符号“Sa2,Sb2,…,Sd2,…,Sg2,Sh2,…”により示す。また、図7(B)のダイバーシチ後において、パス1の時間T0以後のスロット群を符号“SA1,…,SC1,SD1,…,SF1,SG1,SH1,…”により示し、パス2の時間T0以後のスロット群を符号“SA2,…,SD2,…,SG2,SH2,…”により示す。
なお、図7では便宜上、時間幅が同じスロットごとに処理内容を設定して、各処理の開始タイミングを合わせるようにしているが、CDMA通信方式のようにタイムスロットの概念がない通信方式でも、各処理の開始タイミングを合わせるように制御すればよい。
図7(B)の時間T0から時間T1の間にアンテナ切り替え動作(ダイバーシチ)の指示があると、スロットSA2でGPS受信した後は、図1の切替手段4がGPS受信回路7に接続するアンテナをサブアンテナ2Bからメインアンテナ2Aに切り替える。このためGPS受信処理機能がパス1側に変更され、以後、パス2ではGPS受信処理が行われなくなる。
本例ではパス1でどのタイミングで次のGPSを開始するかは、図7(A)のダイバーシチ前のGPS受信タイミングと同期して決められる(ただし、非同期とすることもできる)。したがって、矢印20に示すように、ダイバーシチ前のGPS受信スロットSd2と同じタイミングにて、ダイバーシチ後のGPS受信スロットSD1が設定されている。このGPS受信期間(スロットSD1)、パス2では図1のローカル関連回路65Bが共用されている関係上、データ受信が行えない(スロットSD2)。
その後、3スロットに1回の割合でGPS受信が繰り返される(スロットSG1,…)。その他のスロットに関しては、ダイバーシチ前後で同じタイミング(時間T3)にてサーバ・データ送受信(Server Tx/Rx)が行われ(スロットSH1)、残りのスロットでデータ受信が行われる。
このときパス2において、GPS受信タイミングに対応するスロットSD2,SG2,…では休止状態をとり、サーバ・データ送受信タイミングに対応するスロットSH2でもここでは休止状態となっている。ただし、後者の休止状態は任意であり、データ受信としてもよい。
本実施形態の無線通信端末1は、図1に示すように第1のアンテナ(メインアンテナ2A)に接続されているCDMA受信回路6Aと、第2のアンテナ(サブアンテナ2B)に接続されているCDMA受信回路6Bと、GPS受信回路7とを有し、GPS受信回路7に接続するアンテナを制御・処理回路8の制御により動作する切替手段4によって切替可能な構成を有することから、前述した図4〜図9に示すように、GPS受信回路7がメインアンテナ2Aに接続されている場合、サブアンテナ2Bに接続されている場合の双方で、衛星信号と無線信号(データ信号)の両方を受信可能である。また、ローカル関連回路65BがCDMA受信回路6BとGPS受信回路7で共用されていることから、その分回路面積、コストが節約できている。
換言すると、ダイバーシチ受信の判断基準を測位精度にも直結する「衛星数」としたため、複雑な処理が不要で容易で素早いダイバーシチ受信が可能である。
この「容易で素早い」ことはとても重要で、EZナビウォーク(商標)などを想定した場合、アンテナ決定に時間が掛かりすぎて地図上の現在位置の更新が遅れたりすることを防ぐことができる。また測位精度に直結する「衛星数」を判断基準としたことから、ダイバーシチ受信後のアンテナによるGPS受信は良好であり、測位精度が向上する。
さらに、衛星数が所定の条件になるまではダイバーシチ受信の検出作業(他方のアンテナの状況調査)すら行わないので、高速データ通信が維持できる。
これによって、より効率的で、柔軟かつ迅速な位置検出が可能である。
なお、本発明の無線通信装置は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上述した実施形態では、各アンテナにおける衛星数を対比して、捕捉している衛星数が多い方のアンテナをGPS受信回路に接続する構成としたが、各アンテナにおける衛星数が同一である場合には、各アンテナでのGPS信号の受信強度を検出し、この受信強度が比較して大きい方のアンテナをGPS受信回路に接続する構成としても良い。この場合にも上述した実施形態と同様の効果が得られる。
または、各アンテナにおける衛星数が同一である場合には、各アンテナで受信される無線信号の受信強度を検出し、この無線信号の受信強度に応じてGPS受信回路に接続するアンテナを切替えるように構成しても良い。具体的には、無線信号の受信強度が比較して小さい方のアンテナをGPS受信回路に接続し、無線信号の受信強度が比較して大きい方のアンテナをCDMA受信回路に接続するようにアンテナを切替えればよい。この場合、各アンテナの捕捉する衛星数は同一であり、何れのアンテナを用いてGPS受信を行っても問題は無いため、無線信号の受信強度が比較的に大であるアンテナをCDMA受信回路に接続することにより、無線信号の受信を好適に実施することができる。
Claims (6)
- 複数のアンテナと、
前記複数のアンテナのうちの何れかに接続可能に構成され、接続されたアンテナが受信した無線信号の受信処理を行う無線信号受信回路と、
前記複数のアンテナのうちの他のいずれかに接続可能に構成され、接続されたアンテナが受信した衛星からの衛星信号の受信処理を行う衛星信号受信回路と、
前記無線信号受信回路にて受信処理された無線信号が入力され、当該入力された無線信号に応じて信号処理を行う信号処理手段と、
前記衛星信号受信回路にて受信処理された衛星信号が入力され、当該入力された衛星信号に応じて信号処理を行う衛星信号処理手段と、
前記複数のアンテナにおいて各アンテナで前記衛星信号が受信される衛星数を検出し、当該検出される衛星数に応じて、前記複数のアンテナのうち前記衛星信号受信回路と接続されるアンテナを切り替えるアンテナ接続切替手段と、
を備え、
前記アンテナ接続切替手段は、各アンテナで検出される前記衛星数が同一数である場合は、各アンテナで受信される前記無線信号の受信強度を検出し、当該検出される前記無線信号の受信強度が相対的に大きいアンテナを前記無線信号受信回路に接続すると共に、前記無線信号受信回路に接続されるアンテナと異なるアンテナを前記衛星信号受信回路に接続する
ことを特徴とする無線通信装置。 - 前記アンテナ接続切替手段は、前記各アンテナでの前記衛星数を検出する際、前記複数のアンテナのうち前記衛星信号受信回路が接続されているアンテナにて衛星信号が受信される衛星数を検出し、この検出された衛星数が所定値未満である場合に、前記衛星信号受信回路を他のアンテナに接続して当該他のアンテナにて衛星信号が受信される衛星数を検出する
ことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。 - 前記アンテナ接続切替手段は、前記複数のアンテナのうち前記衛星信号受信回路が接続されている前記アンテナにて衛星信号が受信される衛星数が所定値未満である場合、前記衛星信号受信回路が接続されている前記アンテナ以外のアンテナで前記衛星信号が受信される衛星数を検出し、この検出した衛星数が異なる場合には、当該衛星数が相対的に大きいアンテナに前記衛星信号受信回路の接続先を切り替える
ことを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。 - 前記衛星信号処理手段は、前記アンテナ接続切替手段にて検出される前記複数のアンテナの各衛星数が所定の閾値以下である場合に、前記信号処理を実施しない
ことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。 - 前記複数のアンテナが、第1アンテナと第2アンテナを有し、
前記無線信号受信回路が、前記第1アンテナに接続されて前記第1アンテナが受信した無線信号の受信処理を行う第1無線信号受信回路と、前記第1アンテナと前記第1無線信号受信回路が接続された状態で前記第2アンテナに接続されると共に前記第2アンテナが受信した無線信号の受信処理を行う第2無線信号受信回路とを備え、
前記アンテナ接続切替手段は、前記衛星信号受信回路を前記第1アンテナと前記第2アンテナとの何れか一方に選択的に接続する接続手段と、当該接続手段による前記衛星信号受信回路と前記第1アンテナ又は前記第2アンテナとの接続を制御する接続制御手段とを有する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の無線通信装置。 - 複数のアンテナと、無線信号受信回路および衛星信号受信回路をそれぞれ少なくとも1つ含む複数の受信回路との接続を切替可能な無線通信装置の無線通信制御方法であって、
前記複数のアンテナのそれぞれが受信する衛星信号から各アンテナが捕捉する衛星の数を検出する衛星数検出ステップと、
前記衛星数検出ステップにおいて検出される各アンテナの衛星数が同一数である場合に、前記複数のアンテナのそれぞれで受信される無線信号の受信強度を検出する無線信号強度検出ステップと、
前記無線信号強度検出ステップにおいて検出された前記無線信号の受信強度が相対的に大きいアンテナを前記無線信号回路に接続すると共に前記無線信号受信回路に接続されるアンテナと異なるアンテナを前記衛星信号受信回路に接続し、前記無線信号または前記衛星信号に対する受信処理を実行する実行ステップと、
を含むことを特徴とする無線通信装置の無線通信制御方法。
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