JP4689413B2 - 超電導導体のクエンチ検出方法並びに装置 - Google Patents

超電導導体のクエンチ検出方法並びに装置 Download PDF

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Description

本発明は、超電導導体のクエンチ検出方法並びに装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、超電導導体を覆う超電導シールドを有する超電導ケーブルのクエンチ検出方法並びに装置に関する。
従来の超電導導体のクエンチ検出方法として、ブリッジ法と呼ばれるクエンチ検出回路を用いてクエンチ(常電導転移)に伴う発生電圧を計測することによってクエンチの発生の有無を検出する方法が知られている。この方法を用いた超電導コイルのクエンチ検出装置として、直列に接続された2つの超電導コイルに電圧を印加してクエンチを検出する超電導コイルクエンチ検出装置がある(特許文献1)。
この超電導コイルクエンチ検出装置100は、図5に示すように、第1及び第2の超電導コイル101a及び101bが直列に接続され、両超電導コイル101a及び101bにチョッパ回路102により断続的に電圧が印加され励磁されると共に、電圧が印加されてないときには循環ダイオード103により循環電流が流れるようになっている。また、第1及び第2の電圧測定増幅器104a及び104bにより超電導コイル101a及び101bの端子間の電圧をそれぞれ測定し、減算器105により両電圧測定増幅器104a及び104bの測定値の偏差を求めるようにしている。そして、減算器105の出力を基にカウンタ106及び信号発生器107により超電導コイル101a及び101bのクエンチの発生を検出するようにしている。
特開平9−84252号
クエンチの検出方法については、特許文献1記載の技術も含めて数百ボルト程度の電圧用の送電装置を対象としたものはあるが、下記に述べるような問題もあり、数十万ボルトの高電圧若しくは100万ボルト程度の超高電圧用の送電系統備を対象としたものはない。
実際の送電系統では、需要家による消費電力量は絶えず変動し、その中にクエンチに伴う電力変化は隠れてしまい検出することはできない。そのため、実際の送電系統においては、送電電力を測定してその変動から超電導ケーブル内の超電導導体のクエンチを検出することはできない。
更に、実際の送電系統では、送電電圧が例えば数十万ボルト若しくはそれ以上の場合もあって高過ぎるため、特許文献1記載のクエンチ検出装置のように超電導導体に電気的に接続する方法で電力を計測することは非常に困難である。また、事故防止の観点からも電気的接続を必要とする方法によりクエンチの検出を行うことは好ましくない。これらの点から、実際の送電系統においては、超電導ケーブル内の超電導導体に電気的に接続して送電電力を計測するクエンチ検出方法を用いることは適当でない。
本発明は、需要家の電力消費に伴う送電電力の変動に影響を受けることなくクエンチを検出することが可能であると共に超電導導体に電気的に接続することなくクエンチを検出することが可能な超電導導体のクエンチ検出方法並びに装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、超電導ケーブルの送電試験を行う中で、超電導ケーブルの超電導導体を覆う超電導シールドから漏れる磁界により生じる電流の位相と超電導導体を流れる電流の位相との間に生じる位相差が、クエンチが起こることにより変化し且つその位相差の変化がクエンチにより生じる送電電力の変化と同様の傾向を示すことを突き止めた。
本発明は係る知見に基づくもので、請求項1記載の超電導導体のクエンチ検出方法は、超電導導体を覆う超電導シールドを有する超電導ケーブルに送電する際に、超電導シールドから漏れる磁界により生じる電流の位相A及び超電導導体を流れる電流の位相Bを検出し、位相Aと位相Bの位相差を求め、位相差の変化分に基づいてクエンチの有無を判断するようにしている。
また、請求項2記載の超電導導体のクエンチ検出装置は、超電導導体を覆う超電導シールドを有する超電導ケーブルの前記超電導シールドから漏れる磁界により生じる電流の位相Aを検出する第一の位相検出器と、前記超電導導体を流れる電流の位相Bを検出する第二の位相検出器と、前記位相Aと前記位相Bの位相差を検出する位相差検出器と、前記位相差の変化分に基づいてクエンチの有無を判断する判定器とを有するようにしている。
したがって、この超電導導体のクエンチ検出方法並びに装置によると、超電導ケーブルの超電導導体を覆う超電導シールドから漏れる磁界により生じる電流の位相と超電導導体を流れる電流の位相とを検出し、それらの位相差を監視することにより超電導ケーブルにおけるクエンチの発生を判断することができる。
以上説明したように、本発明の超電導導体のクエンチ検出方法並びに装置によれば、超電導ケーブルの超電導導体を覆う超電導シールドから漏れる磁界により生じる電流の位相と超電導導体を流れる電流の位相との間の位相差の変化から超電導ケーブルのクエンチの発生の有無を判断することができるので、需要家の電力消費に伴う送電電力の変動に影響を受けることなくクエンチを検出することが可能である共に超電導導体に電気的に接続することなくクエンチを検出することが可能である。したがって、高圧から超々高圧あるいはUHVまでの送電系における電力ケーブルのクエンチの検出を実現できる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1から図4に、本発明の超電導導体のクエンチ検出方法並びに装置の一実施形態を示す。なお、本実施形態では、図2に示す断面を有する超電導ケーブル20内の超電導導体21のクエンチを検出する場合を例に挙げて説明する。
図1に、本実施形態の超電導導体のクエンチ検出装置10の構成を示す。このクエンチ検出装置10は、超電導導体21を覆う超電導シールド22を有する超電導ケーブル20の超電導シールド22から漏れる磁界により生じる電流の位相Aを検出する第一の位相検出器11と、超電導導体21を流れる電流の位相Bを検出する第二の位相検出器12と、位相Aと位相Bの位相差を検出する位相差検出器13と、位相差の変化分に基づいてクエンチの有無を判断する判定器14とから構成されている。
超電導ケーブル20は、図2に示すように、機械的構造を保つためと超電導状態喪失時の電流を分流するために銅撚り線で構成されて超電導ケーブル20の芯材として機能するフォーマ26を有し、その外側に超電導導体21を有する。フォーマ26は中空の構造で、その中空部分が液体窒素流路23aとなり液体窒素が流れるようになっている。ただし、フォーマ26は必ずしも中空である必要はない。また、超電導導体21を囲む電気絶縁層24及びその外側に超電導シールド22を有し、更にその外側に超電導状態喪失時の電流を分流するために銅編素線で構成された保護層27を有する。更に、保護層27の外側には、液体窒素流路23b、並びに断熱内管25a、真空断熱管25b、断熱外管25c及び防食層25dからなる断熱管25を有する。
超電導導体21はBi2223銀合金シーステープを軸芯であるフォーマ26に巻き付けて導体としたものである(Bi2223:Bi2Sr2Ca2Cu3O10+z)。電気絶縁層24は例えば半合成紙等の絶縁紙を巻き付けて形成した絶縁体である。超電導シールド22は超電導導体21と同様にBi2223銀合金シーステープを電気絶縁層24に巻き付けることにより形成される。
断熱管25は中空の構造で、その中空部分に前記の保護層27で覆われた超電導導体21及び超電導シールド22等を収容する。また、断熱管25の内壁を形成する断熱内管25aと保護層27の間の空間が液体窒素流路23bとなって液体窒素が流れるようになっている。断熱管25を構成する断熱内管25a及び断熱外管25cはステンレス鋼製である。また、断熱内管25aと断熱外管25cの間に真空層である真空断熱層25bを有する。更に、断熱外管25cの外側を覆う防食層25dは塩化ビニル等の高分子樹脂製のカバーである。
この超電導ケーブル20は、超電導状態とは言っても、超電導導体21に電流が流れると周辺に磁界が発生することから、磁界が断熱内管25a、断熱外管25c及び超電導ケーブル20の周辺の構造物等と鎖交することによるうず電流損を生じさせることになるので、超電導導体21の周りには超電導シールド22が配置され、超電導導体21から発生する磁界を封じ込めるように設けられている。超電導ケーブルのほとんどが超電導導体とそれを覆う超電導シールドを有する構造になっている。
しかしながら、実際は、超電導シールド22によっても超電導導体21から発生する磁界を完全に封じ込めることはできず、超電導ケーブル20の周辺に若干の漏れ磁界が生じている。
第一の位相検出器11は、交流磁界を検知してその交流磁界に応答した起電力による電流を検出する電流検出手段11aを有し、この電流検出手段11aにより検出した電流の位相Aを計測する。ここで、電流検出手段11aとしては、例えば変流器(カレントトランスとも呼ばれる)を用いることができる。
なお、電流検出手段11aは、超電導導体21が超電導シールド22により覆われている区間の超電導ケーブル20の外周に配置する。そして、超電導シールド22から漏れる磁界により生じる電流を検出する。なお、電流検出手段11aは、超電導シールド22からの漏れ磁界を検出可能な程度に近接して超電導ケーブル20の外周に配置されていれば良い。
これにより、第一の位相検出器11は、超電導導体21が超電導シールド22により覆われている区間で超電導シールド22から漏れる磁界により生じる電流の位相Aを計測する。
第二の位相検出器12は、交流磁界を検知してその交流磁界に応答した起電力による電流を検出する電流検出手段12aを有し、この電流検出手段12aにより検出した電流の位相Bを計測する。
電流検出手段12aとしては、電流検出手段11aと同様に例えば変流器を用いることができる。
電流検出手段12aは、超電導導体21が超電導シールド22で覆われていない状態で超電導導体21に流れる電流により発生する磁界を検出する。ここで、超電導導体21に流れる電流の位相と超電導導体21に接続している接続線(ケーブル)に流れる電流の位相は同じである。したがって、電流検出手段12aによる磁界の検出は、超電導導体21から発生する磁界を直接検出するようにしても良いし、又は超電導導体21に接続している接続線(ケーブル)から発生する磁界を検出するようにしても良い。具体的には、通常は、変電所内に引き込まれた超電導ケーブル20の端末部、あるいは超電導ケーブル20同士の接続箇所に、超電導ケーブル20内を冷却するための冷却システムや他の電力機器と超電導ケーブル20を接続するための端末部が設置される。したがって、電流検出手段12aをこの端末部に接続される接続線(ケーブル)の外周に設置することにより超電導導体21の磁界を検出することが可能である。
位相差検出器13には第一の位相検出器11と第二の位相検出器12が接続されている。この位相差検出器13は、第一の位相検出器11により計測された位相Aのデータ及び第二の位相検出器12により計測された位相Bのデータを入力して両者を比較し、これら二つの位相の間の位相差(以下適宜、単に位相差と呼ぶ)を検出する。
判定器14は、位相差検出器13により検出した位相差の変化分に基づいて超電導導体21のクエンチの有無を判断する。この判定器14には、クエンチの有無を判断する閾値としての基準位相差等を記憶するための記憶手段14aが備えられている。
ここで、クエンチの有無を判断する手法としては、位相差の変化分について相対的な基準位相差と比較する場合と絶対的な基準位相差と比較する場合とが考えられ、更に一定時間内に生じた位相差の変化をみる場合と持続的な位相差の変化をみる場合とが考えられ、それらを単独で用いてクエンチの有無を判断するようにしても良いし又はそれらを組み合わせて用いてクエンチの有無を判断するようにしても良い。
具体的には例えば、一定時間内に生じた位相差の変化分について相対的な基準位相差と比較する場合には、超電導ケーブル20に送電中の位相差を継続して監視して現時点から一定時間前、例えば30秒前の位相差を基準位相差とし、この値を常に更新しながら記憶手段14aに記憶して一定時間内に基準位相差と送電中の位相差の増加分が予め設定した閾値を超えた場合に超電導導体21にクエンチが発生したと判断する。具体的には例えば、30秒以内に位相差が0.2度以上増加した場合にクエンチが発生したと判断することが考えられる。しかしながら、判定のための一定時間並びに位相差の変化分の閾値はこれに限定されるものではなく、判定のための一定時間はこれより短くても長くても良いし、また位相差の変化分の閾値もこれより小さくても大きくても良い。
上記の場合で、更に持続的な位相差の変化をみる場合には、位相差の増加を検出した後に更に位相差が増加を続ける場合又は増加した状態で位相差が一定となった場合にクエンチが発生したと判断するようにする。この場合には、例えば一定時間内に閾値を超える位相差の増加が生じてその後元に戻るという突発的な位相差の変化が生じた場合には、クエンチが発生したと判断することがないためより正確な判断が可能となる。
また、持続的な位相差の変化について絶対的な基準位相差と比較する場合には、超電導導体21にクエンチが発生していない若しくは発生していないと仮定できる状態で送電したときの位相Aと位相Bの位相差を基準位相差とし、この値を記憶手段14aに予め記憶させておいて順次検出される送電中の位相差と比較する。そして、基準位相差と実際に送電中の位相差との間の差分が予め設定した閾値以上になっている場合にクエンチが発生していると判断する。この場合には、位相差の監視開始時点において既にクエンチが発生していて、クエンチが発生した状態で位相差が安定している場合であってもクエンチを検出することができ、クエンチをより確実に検出することが可能である。具体的には例えば、基準位相差と送電中の位相差との間の差分が0.2度以上になっている場合にクエンチが発生していると判断したり、基準位相差と送電中の位相差との間の差分が基準位相差の1%以上になっている場合にクエンチが発生していると判断したりするという閾値を用いることができる。しかしながら、閾値はこれに限定されるものではなく、これより小さい閾値であっても良いし又はこれより大きい閾値であっても良い。
上記の場合で、絶対的な基準位相差に代えて相対的な基準位相差と比較する場合には、例えば送電中の位相差の検出を開始した当初の位相差を記憶手段14aに記憶させておいて順次検出される送電中の位相差と比較するようにすれば良い。
本発明の超電導導体のクエンチ検出方法並びに装置を実際の試験線路に適用した実施例を図3及び4を用いて説明する。
本実施例は、財団法人電力中央研究所電力技術研究所内に敷設された超電導ケーブルフィールド試験線路(以下、試験線路と呼ぶ)を用いて行った。
この試験線路30は、図3に示すように、超電導ケーブル20、課電・通電設備31及び冷却システム36で構成されている。また、クエンチ検出装置10が配置されている。
超電導ケーブル20の断面構成は図2の通りであり、超電導導体21及び超電導シールド22等を有する。なお、超電導ケーブル20の全長は500mである。
課電・通電設備31は、課電装置32、通電装置33及び二つの端末部34で構成されている。そして、課電装置32及び二つの端末部34がCVケーブル35で結ばれ、二つの端末部34を結ぶCVケーブル35に通電装置33が設けられている(CVケーブル:Cross-linked polyethylene insulated polyvinyl-chloride sheathed cable)。
そして、超電導ケーブル20と端末部34が接続され、その端末部34と課電装置32がCVケーブル35により結ばれることにより、電圧77kV、電流1kAにて課電・通電が行われる。
冷却システム36は、超電導ケーブル20の液化窒素流路23a及び23bに液化窒素加圧循環方式により液化窒素を供給して超電導ケーブル20内を冷却するためのものであり、液化窒素タンク37、電動ポンプ38及び冷凍機39を備える。
本実施例では、超電導シールド22からの漏れ磁束を検出する第一の位相検出器11の電流検出手段11aとして変流器を用いた。電流検出手段11aを設置する位置は、超電導導体21が超電導シールド22で覆われている区間であれば超電導ケーブル20のいずれの位置であっても構わない。本実施例では、計測が容易に行えることを考慮して端末部34の近傍の超電導ケーブル20の外周に変流器を設置し、超電導シールド22からの漏れ磁界により生じる電流を検出するようにした(図3の符号11aの位置)。
また、超電導導体21の電流の位相を検出する第二の位相検出器12の電流検出手段12aにも変流器を用いた。ここで、前述の通り、電流検出手段12aは超電導導体21に流れる電流により発生する磁界を検出するものであるが、超電導導体21に流れる電流の位相と超電導導体21に接続している接続線(ケーブル)に流れる電流の位相は同じであるので、本実施例では、電流検出手段12aは課電装置32と端末部34との間のCVケーブル35の外周に設置した(図3の符号12aの位置)。
本実施例では、まず、超電導導体21にクエンチが発生していないと仮定できる状態で送電したときの電流検出手段11aで検出した位相Aと電流検出手段12aで検出した位相Bとの間の位相差を位相差検出器13により検出し、その位相差を基準位相差として判定器14の記憶手段14aに記憶した。
次に、超電導ケーブル20の中間付近(図3の符号20aの位置)で超電導ケーブル20に局所的な磁場を印加することにより人為的に超電導導体21にクエンチを発生させた。なお、クエンチを発生させた場所は実施上の便宜によるものであり、本実施例の場所に限定されるものではない。
超電導導体21に局所的な磁場を印加したときの、時間の進行に伴う超電導ケーブル20の送電電力の変化、並びに基準位相差とクエンチ状態の位相差との差分(以下、基準位相差との差分と呼ぶ)の変化として図4に示す結果が得られた。
図4の横軸は超電導ケーブル20に対して局所的な磁場の印加を開始した時点からの経過時間を表し、局所的な磁場の印加を開始した時点を0秒としている。また、図中の実線41は送電電力の変化を表し(数値軸は左軸、単位[W])、実線42は基準位相差との差分の変化を表す(数値軸は右軸、単位[度])。
図4に示すように、送電電力は、局所的な磁場を印加して人為的にクエンチを発生させてから約150秒を経過するまでは殆ど一定に保たれ、150秒を経過したあたりから増加が始まった。このように、局所的な磁場を印加してから約150秒経過後から送電電力の増加が始まったが、これは、局所的な磁場の印加を開始してから送電電力に影響が出る程度にまでクエンチが進行するのに要した時間である。
また、基準位相差との差分も、局所的な磁場を印加して人為的にクエンチを生起させてから約150秒経過するまでは殆ど一定に保たれ、150秒を経過したあたりから増加が始まった。
更に、約150秒経過後の、送電電力の変化並びに基準位相差との差分の変化が同様の漸増傾向を示した。
この結果から、超電導導体21におけるクエンチの生起に伴う送電電力の増加の傾向と基準位相差との差分の増加の傾向が殆ど一致していることが確認された。即ち、電圧を測定しなくとも、超電導シールド22からの漏れ磁界により生じる電流の位相Aと超電導導体21に流れる電流の位相Bを検出し、これら位相の位相差に基づいて超電導導体21のクエンチの有無を判断することが可能であることが確認された。
具体的には、局所的な磁場を故意に印加してクエンチを強制的に発生させることにより、これに伴って明らかに送電電力に変化が現れたと判断できるとき、例えば送電電力が約2800Wから約2900Wに変化(即ち送電電力が3%強増加)したときに検出位相差と基準位相差との差分は約0.2度増加した。したがって、例えば検出位相差と基準位相差との差分が0.2度以上となった場合に、超電導導体21にクエンチが発生していると判断することが可能であることが確認された。
なお、本実施例では、局所的な磁場の印加を開始してから500秒経過した時点で超電導導体21の概ね2mから3m程度の範囲でクエンチ状態となり、その時点の基準位相差との差分が約2.7度となった。したがって、基準位相差と0.2度の差をクエンチ有無の閾値とすると、長さ約20cm程度の範囲の超電導ケーブル20のクエンチを検知することが可能であることが確認された。
なお、本実施例の試験線路30の超電導ケーブル20の全長は500mであり、そのうちの0.1%に満たない範囲のクエンチを検知することが可能であり、クエンチ検出方法として十分な精度を有することが確認された。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施例では局所的な磁場を印加することにより超電導状態を破壊しているが、他の理由により超電導状態が破壊されてクエンチが生起された場合でも同様の結果が得られる。
本発明の超電導導体のクエンチ検出装置の実施形態の一例を示す構成図である。 本実施形態の超電導ケーブルの断面図である。 本実施例の試験線路の構成図である。 局所的な磁場の印加時間の経過に伴う送電電力と基準位相差との差分の変化を示す図である。 従来の超電導コイルのクエンチ検出装置の構成図である。
符号の説明
10 クエンチ検出装置
11 第一の位相検出器
12 第二の位相検出器
13 位相差検出器
14 判定器
20 超電導ケーブル
21 超電導導体
22 超電導シールド

Claims (2)

  1. 超電導導体を覆う超電導シールドを有する超電導ケーブルに送電する際に、前記超電導シールドから漏れる磁界により生じる電流の位相A及び前記超電導導体を流れる電流の位相Bを検出し、前記位相Aと前記位相Bの位相差を求め、該位相差の変化分に基づいてクエンチの有無を判断することを特徴とする超電導導体のクエンチ検出方法。
  2. 超電導導体を覆う超電導シールドを有する超電導ケーブルの前記超電導シールドから漏れる磁界により生じる電流の位相Aを検出する第一の位相検出器と、前記超電導導体を流れる電流の位相Bを検出する第二の位相検出器と、前記位相Aと前記位相Bの位相差を検出する位相差検出器と、前記位相差の変化分に基づいてクエンチの有無を判断する判定器とを有する超電導導体のクエンチ検出装置。
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