JP2013070608A - 超電導ケーブルを用いた送電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】超電導ケーブル用いた送電システムに関し、ケーブルコアの温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整する送電システムを提供する。
【解決手段】超電導ケーブル用いた送電システムは、ケーブルコアに沿って配置された光ファイバと、ケーブルコアの温度を測定する温度測定手段と、ケーブルコアに過電流が流れたことを検知する過電流検知手段と、ケーブルコアの温度に応じた臨界電流値データを格納する記憶手段と、測定されたケーブルコアの温度に応じた臨界電流を求める臨界電流算出手段と、ケーブルコアに過電流が流れたことを検知した後、ケーブルコアの臨界電流と過電流通過後にケーブルコアに流れる送電電流とを比較する第一比較手段と、比較の結果、送電電流が臨界電流を超える場合にケーブルコアに流れる送電電流を臨界電流以下に調整する電流調整手段とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、ケーブルコアと、このケーブルコアに沿って配置された光ファイバとを有する超電導ケーブルを用いた送電システムに関する。特に、ケーブルコアの温度をリアルタイムに測定し、その温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整する送電システムに関する。
超電導ケーブルは、大容量の電流を低損失で送電できることから、省エネルギー技術として期待されている。最近では、超電導ケーブルの短尺サンプル(100〜1000m程度)を用いて実線路を模擬した小規模な試験線路を構築し、実用化に向けた実証試験が実施されている。
超電導ケーブルは、超電導導体層を有するケーブルコアを二重管構造の断熱管内に収納し、この断熱管内に冷媒(例、液体窒素(LN2))を流通させることで、超電導導体層を冷却して超電導状態とする構造のものが代表的である。
図4は、超電導ケーブルの代表的な基本構造を示す図である。超電導ケーブルCは、3心のケーブルコア1を撚り合わせた状態で断熱管2内に一括に収納した構造である。断熱管2は、内管21と外管22とからなる二重管構造のコルゲート管であり、両管21、22の間に断熱材23が配置されている。また、断熱管2(外管22)の外側には防食層24が形成されている。
一方、ケーブルコア1は、中心から順にフォーマ11、超電導導体層12、絶縁層13、超電導シールド層14、常電導保護層15を配置した構造である。フォーマ11は、例えば絶縁被覆を施した銅素線を撚り合わせて形成されている。超電導導体層12及び超電導シールド層14は、例えばBi2223系超電導テープ線材10を螺旋状に多層に巻回することで構成されている。
また、ケーブルコア(超電導導体)の超電導状態は、温度、電流及び磁場に依存することが知られており、これらの臨界値を超えると超電導状態が維持されず、電気抵抗の発生により熱的な損失(温度上昇)を生じることが知られている。
ところで、超電導ケーブルを用いた実線路において、短絡事故や地絡事故(落雷など)が発生した場合、ケーブルコアに臨界電流を超える過電流が流れることがある。その際、ケーブルコアの温度が上昇し、臨界電流が低下することがあり、その状態でケーブルコアに送電電流を流し続けると、最悪の場合、クエンチや熱暴走が発生し、ケーブルコアが焼損するなど大事故を招く虞がある。そのため、過電流に対する対策を講じた送電システムを構築することが望まれる。
例えば特許文献1及び2には、超電導ケーブルに関し、温度センサとして機能する光ファイバをケーブルコアに沿って配置し、ケーブルコアの温度を監視する技術が開示されている。また、特許文献2には、ケーブルコア中の温度をモニタリングし、超電導導体層を構成する超電導線材を液体窒素温度以下に保持することが記載されている(特許文献2の段落0003,0013を参照)。
また、例えば特許文献3には、フォーマと超電導導体層との間に光ファイバからなるクエンチ検出コイルを配置し、超電導線材のクエンチをリアルタイムに検出する技術が開示されている。
特開2008‐26218号公報 特開2006‐59753号公報 特表2008‐527669号公報
しかし、いずれの文献に記載の技術でも、ケーブルコアの温度をリアルタイムに測定し、その温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整することができない。
また、送電システムの過電流対策として、例えば試験線路での過電流通電試験から得られたデータに基づいて、実線路におけるケーブルコアに過電流が流れた場合の運転手順を決定することも考えられる。具体的には、試験線路において過電流の大きさや発生時間のパラメータを変更してケーブルコアに過電流を流した後、ケーブルコアに流れる送電電流を遮断し、過電流通過後のケーブルコアの温度変化(上昇温度)データを求めておく。また、過電流通過後、ケーブルコアの温度が元の温度(過電流通過前の温度)に冷却されるまでの冷却時間データを求めておく。そして、実線路において、実際にケーブルコアに流れた過電流を測定し、測定した過電流に応じた試験線路でのデータに基づいて、実線路における例えば過電流通過後の送電電流を遮断する時間を算出し、この時間待機後、送電電流を復帰させる。
しかし、上記の送電システムでは、次の点で問題がある。
(1)実線路を構築するたびに、試験線路を構築し、過電流試験を実施する必要がある。
一般的に、実線路を構築する場合、ケーブルコアに流す送電電流に基づいて、ケーブルコアの定格電流を決定し、超電導ケーブルを製造することが行われる。そのため、実線路を構築するたびに、それに応じた試験線路の構築及び試験を実施する必要があり、多大な費用と時間を要する。
(2)試験線路と実線路とでは、線路の構成や運転条件などが異なり、試験線路から求められた予測性能と実線路における実性能に差が生じるため、実線路における実際のケーブルコアの温度に応じた厳密な送電電流の制御が不可能である。
実線路では、延長数kmに及ぶと考えられる。過電流通過後におけるケーブルコアの上昇温度及び冷却時間は、線路の構成や運転条件、例えば、使用されている超電導線材の種類、フォーマ及び常電導保護層や超電導線材のシース或いは基板といった常電導部材の抵抗、冷却機の性能(冷却条件)、経年変化など様々な要因の影響を受ける。そのため、試験線路から求められた予測性能と実線路における実性能には差が生じることから、実線路における実際のケーブルコアの温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整しているとはいえない。また、例えば、予測性能に比べて実性能が上の場合、即ち例えば試験線路におけるケーブルコアの上昇温度及び冷却時間が過大に評価されている場合では、不必要に送電電流を遮断したり、不必要に待機時間が長くなる。一方、予測性能に比べて実性能が下の場合、即ち例えば試験線路におけるケーブルコアの上昇温度及び冷却時間が過小に評価されている場合では、クエンチや熱暴走の発生を確実に防止することができない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、超電導ケーブル用いた送電システムに関し、ケーブルコアの温度をリアルタイムに測定し、その温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整する送電システムを提供することにある。
本発明の送電システムは、ケーブルコアと、このケーブルコアに沿って配置された光ファイバとを有する超電導ケーブルを用いた送電システムであり、温度測定手段と、過電流検知手段と、記憶手段と、臨界電流算出手段と、第一比較手段と、電流調整手段とを備えることを特徴とする。ここで、温度測定手段は、光ファイバに入射された光信号に基づいてケーブルコアの温度を測定する。過電流検知手段は、ケーブルコアに過電流が流れたことを検知する。記憶手段は、ケーブルコアの温度に応じた臨界電流値データを格納する。臨界電流算出手段は、温度測定手段により測定されたケーブルコアの温度に応じた臨界電流を、記憶手段を参照して求める。第一比較手段は、過電流検知手段によりケーブルコアに過電流が流れたことを検知した後、臨界電流算出手段で求めたケーブルコアの臨界電流と過電流通過後にケーブルコアに流れる送電電流とを比較する。電流調整手段は、第一比較手段により比較された結果、送電電流が臨界電流を超える場合に、ケーブルコアに流れる送電電流を臨界電流以下となるように調整する。
この送電システムによれば、ケーブルコアの温度をリアルタイムに測定し、その温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整することができる。そして、実線路を構築するたびに、それに応じた試験線路の構築及び試験を実施する必要がなく、また、実線路における実際のケーブルコアの温度に応じた厳密な送電電流の制御が可能である。
光ファイバを温度センサとし、ケーブルコアに沿った温度分布をリアルタイムに測定する温度測定手段には、分布型光ファイバ温度計測システム(DTS)といった公知の技術を利用することができる。
また、過電流検知手段としては、例えばCT(カレント・トランスフォーマ)などを利用して電流を測定し、過電流(ある閾値以上の電流)が流れたことを検知するトリガを設定しておくことが挙げられる。
記憶手段に格納されている臨界電流値データとは、実線路における臨界電流の温度依存性を示す例えば臨界電流‐温度曲線のことである。実線路における臨界電流‐温度曲線は、次のようにして取得することができる。
一般的に、実線路における超電導ケーブルの運転では、竣工試験や定期検査の際に直流電源に接続し、臨界電流値Icの測定を行うことが考えられている。また、定常運転時の冷却温度(例えば70K)も予め決められているため、竣工試験や定期検査において、定常運転時の冷却温度における臨界電流値Icが測定されている。この臨界電流値を基準点とする。一方、臨界電流の温度依存性は、使用されている超電導線材の特性によって決まっている(図1を参照)。そして、超電導線材の特性から求められた臨界電流‐温度曲線が基準点を通るように平行移動した曲線が、実線路における臨界電流‐温度曲線となる。なお、例示する図1では、77.3Kにおける臨界電流を1とし、各温度Tにおける臨界電流を77.3Kにおける臨界電流に対する比率で示している。
第一比較手段における送電電流と臨界電流との比較は、直流送電の場合は、直流電流と臨界電流とを直接比較すればよいが、交流送電の場合は、交流電流のピーク値と臨界電流とを比較する。
電流調整手段における送電電流の調整には、送電電流を遮断することも含まれ、遮断することにより、クエンチや熱暴走の発生をより確実に防止することができる。また、直流送電の場合は、直流電流が臨界電流を超える場合に直流電流を臨界電流以下となるように調整する。一方、交流送電の場合は、交流電流のピーク値が臨界電流を超える場合に交流電流のピーク値を臨界電流以下となるように調整する。
更に、本発明の送電システムにおいて、送電電流調整後、ケーブルコアの温度を前記温度測定手段により測定し、第二比較手段と電流復帰手段とを備えることが好ましい。ここで、第二比較手段は、臨界電流算出手段で求めたケーブルコアの臨界電流と送電電流調整前の元の送電電流とを比較する。電流復帰手段は、第二比較手段により比較された結果、臨界電流が元の送電電流以上の場合は、ケーブルコアに流れる送電電流を元の状態に復帰させる。
この構成によれば、ケーブルコアの実際の温度に応じた早急かつ安全な送電電流の復帰が可能である。なお、ここでいう「元の送電電流」或いは「送電電流を元の状態に」とは、一つは、過電流通過前と通過後においてケーブルコアに流す送電電流を同じとする場合にあっては、電流調整手段による送電電流調整前の送電電流のことであり、例えば定格電流と定義することもできる。他には、過電流通過前と通過後においてケーブルコアに流す送電電流を変更する場合にあっては、この変更後の送電電流のことである。
本発明の送電システムは、ケーブルコアの温度をリアルタイムに測定し、その温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整することができる。
超電導線材の臨界電流‐温度特性を示すグラフである。 超電導ケーブルの過電流通電試験に用いた実験線路を説明する概略図である。 フォーマに光ファイバを配置する一例を示す概略断面図である。 超電導ケーブルの代表的な基本構造を示す概略斜視図である。
まず、超電導ケーブルの過電流通電試験を実施して、この超電導ケーブル(ケーブルコア)の性能について確認を行った。
試験に用いた超電導ケーブルCは、図4に示した従来の構造と基本的に同一であり、ここでは長さを2mとした。超電導線材10には、DI‐BISCCO(登録商標)を使用した。また、この超電導線材10の臨界電流‐温度特性は、図1に示すほぼ直線で表されるものであった。なお、一般的に、超電導線材の臨界電流‐温度曲線は、温度が高くなるほど、例えば85Kを超えてくると傾きが緩やかになる傾向が見られる。
また、この超電導ケーブルCについて、ケーブルコアの77.3Kにおける臨界電流値Icを測定したところ、4600ADC(ADC:直流電流)であった。
試験は、超電導ケーブルCを用いて実験線路を構築し、この実験線路において実施した(図2を参照)。具体的には、一端側の超電導導体層12と同じ一端側の超電導シールド層14とに交流電源の端子をそれぞれ接続し、電流が折り返し導体31を経由して超電導導体層12と超電導シールド層14とを往復する実験線路とした(図2中、矢印は電流の流れを示す)。なお、一端側の超電導シールド層14には引き出し導体32が接続され、引き出し導体32を介して端子に接続されている。
この実験線路において、ケーブルコアを77.3Kに冷却し、交流電源から10kArms×2秒間の過電流をケーブルコアに通電した後、連続して1.6kArmsを通電することを行った(Arms:交流電流の実効値)。ここで、10kArmsの交流電流のピーク値は約14kAであり、1.6kArmsの交流電流のピーク値は約2.2kAである。
その結果、10kArms×2秒間の過電流通過後であっても、1.6kArmsの安定した連続通電が可能であることが確認された。ここで、10kArms×2秒間の過電流をケーブルコアに通電したときのケーブルコア(超電導導体層12)の上昇温度は7Kであることが確認されており、図1から、7k上昇時のケーブルコアの臨界電流は77.3Kにおける臨界電流に対して約50%低下することが分かる。つまり、10kArms×2秒間の過電流が通過した直後のケーブルコアの臨界電流は2300ADC(4600ADC×0.5)と求められ、この臨界電流値は1.6kArmsの交流電流のピーク値2.2kAより大きいことから、過電流通過後であっても安定した連続通電が可能であったと考えられる。
同様に、この実験線路において、ケーブルコアを77.3Kに冷却し、交流電源から10kArms×2秒間の過電流をケーブルコアに通電した後、連続して1.75kArmsを通電することを行った。ここで、1.75kArmsの交流電流のピーク値は約2.4kAである。
その結果、過電流通過後の1.75kArmsの連続通電中にケーブルコアの温度が上昇し続けることが確認された。つまり、10kArms×2秒間の過電流が通過した直後のケーブルコアの臨界電流は2300ADCであるのに対して、1.75kArmsの交流電流のピーク値2.4kAの方が大きいことから、過電流通過後において安定した連続通電が不可能であったと考えられる。
次に、本発明の実施に形態に係る送電システムについて説明する。
本発明の送電システムに用いる超電導ケーブルとしては、例えば図4に示す超電導ケーブルにおいて、ケーブルコアに沿って光ファイバを配置した構成のものであればよい。
ケーブルコアに沿って光ファイバを配置する具体的手段を説明する。図3は、フォーマに光ファイバを配置する一例を説明する図である。フォーマ11は絶縁被覆を有する銅素線11wを撚り合わせて形成された中実フォーマであり、このフォーマ11の中心にステンレス製パイプ11pを挿通すると共に、このパイプ11pの中に光ファイバ11oを挿通する。また、別の例としては、銅素線11wのうち一本を光ファイバ11oに置換してもよい。その他、フォーマと超電導導体層との間、或いは超電導導体層と絶縁層との間に光ファイバを這わせるようにして配置してもよい。
これらいずれの手段であってもケーブルコアに沿って光ファイバを配置することができるが、中実フォーマの場合では、図3に示すようにフォーマの中心に光ファイバを配置することが好ましい。これは、ケーブルコアは断熱管内に流通する冷媒により冷却されるため、ケーブルコアの外側ほど冷却され易く、一方で中側は冷却され難いという事情がある。そして、本発明のようなケーブルコアの温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整する送電システムにおいては、過電流の通過による温度上昇が現れ易い箇所を測定することで、ある程度の許容を持たせることができ、安全性の向上が見込まれる。
以上説明したような超電導ケーブルを用いて実線路を構築し、この実線路において本発明の送電システムを適用した場合の動作について、具体的に説明する。なお、ここでは、超電導線材にDI‐BISCCO(登録商標)を使用し、ケーブルコアの冷却温度を77.3Kとする。また、図1から、この超電導線材は、77.3Kにおける臨界電流(図中○印で示す)を1としたとき、7K上昇した84.3Kにおける臨界電流(図中×印)は、77.3Kにおける臨界電流に対して約50%低下することが分かる。
例えば、竣工試験の際に測定したこの実線路におけるケーブルコアの77.3Kにおける臨界電流値が5000ADCであったとする。
実線路において、事故時にケーブルコアに過電流が流れ、ケーブルコアの温度が7K上昇したとすると、ケーブルコアの臨界電流値が、5000ADC(77.3K)から約半分の2500ADC(84.3K)に低下する。このとき、過電流通過後にケーブルコアに流れる送電電流が2500ADC(交流送電の場合は、交流電流のピーク値が2500A(実効値換算1786Arms))を超える場合は、ケーブルコアに流れる送電電流を臨界電流以下(このケースでは2500ADC以下)に調整或いは遮断する。
次に、送電電流の調整或いは遮断後、仮にケーブルコアに流す送電電流を4000ADC(交流送電の場合は、交流電流のピーク値が4000A(実効値換算2857Arms))とするとき、77.3Kにおける臨界電流に対する比率が0.8以上となる約80K以下にケーブルコアが冷却されるまで待機する。待機後、ケーブルコアに流す送電電流を4000ADCに復帰させる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、超電導線材の種類や光ファイバの配置箇所、ケーブルコアに流す送電電流の大きさなどを適宜変更することができる。
本発明の送電システムは、超電導ケーブルを用いた実線路運転において特に好適に利用可能である。
C 超電導ケーブル 1 ケーブルコア 10 超電導線材
11 フォーマ 11w 銅素線 11p パイプ 11o 光ファイバ
12 超電導導体層 13 絶縁層
14 超電導シールド層 15 常電導保護層
2 断熱管
21 内管 22 外管 23 断熱材 24 防食層
31 折り返し導体 32 引き出し導体
本発明は、ケーブルコアと、このケーブルコアに沿って配置された光ファイバとを有する超電導ケーブルを用いた送電システムに関する。特に、ケーブルコアの温度をリアルタイムに測定し、その温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整する送電システムに関する。
超電導ケーブルは、大容量の電流を低損失で送電できることから、省エネルギー技術として期待されている。最近では、超電導ケーブルの短尺サンプル(100〜1000m程度)を用いて実線路を模擬した小規模な試験線路を構築し、実用化に向けた実証試験が実施されている。
超電導ケーブルは、超電導導体層を有するケーブルコアを二重管構造の断熱管内に収納し、この断熱管内に冷媒(例、液体窒素(LN2))を流通させることで、超電導導体層を冷却して超電導状態とする構造のものが代表的である。
図4は、超電導ケーブルの代表的な基本構造を示す図である。超電導ケーブルCは、3心のケーブルコア1を撚り合わせた状態で断熱管2内に一括に収納した構造である。断熱管2は、内管21と外管22とからなる二重管構造のコルゲート管であり、両管21、22の間に断熱材23が配置されている。また、断熱管2(外管22)の外側には防食層24が形成されている。
一方、ケーブルコア1は、中心から順にフォーマ11、超電導導体層12、絶縁層13、超電導シールド層14、常電導保護層15を配置した構造である。フォーマ11は、例えば絶縁被覆を施した銅素線を撚り合わせて形成されている。超電導導体層12及び超電導シールド層14は、例えばBi2223系超電導テープ線材10を螺旋状に多層に巻回することで構成されている。
また、ケーブルコア(超電導導体)の超電導状態は、温度、電流及び磁場に依存することが知られており、これらの臨界値を超えると超電導状態が維持されず、電気抵抗の発生により熱的な損失(温度上昇)を生じることが知られている。
ところで、超電導ケーブルを用いた実線路において、短絡事故や地絡事故(落雷など)が発生した場合、ケーブルコアに臨界電流を超える過電流が流れることがある。その際、ケーブルコアの温度が上昇し、臨界電流が低下することがあり、その状態でケーブルコアに送電電流を流し続けると、最悪の場合、クエンチや熱暴走が発生し、ケーブルコアが焼損するなど大事故を招く虞がある。そのため、過電流に対する対策を講じた送電システムを構築することが望まれる。
例えば特許文献1及び2には、超電導ケーブルに関し、温度センサとして機能する光ファイバをケーブルコアに沿って配置し、ケーブルコアの温度を監視する技術が開示されている。また、特許文献2には、ケーブルコア中の温度をモニタリングし、超電導導体層を構成する超電導線材を液体窒素温度以下に保持することが記載されている(特許文献2の段落0003,0013を参照)。
また、例えば特許文献3には、フォーマと超電導導体層との間に光ファイバからなるクエンチ検出コイルを配置し、超電導線材のクエンチをリアルタイムに検出する技術が開示されている。
特開2008‐26218号公報 特開2006‐59753号公報 特表2008‐527669号公報
しかし、いずれの文献に記載の技術でも、ケーブルコアの温度をリアルタイムに測定し、その温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整することができない。
また、送電システムの過電流対策として、例えば試験線路での過電流通電試験から得られたデータに基づいて、実線路におけるケーブルコアに過電流が流れた場合の運転手順を決定することも考えられる。具体的には、試験線路において過電流の大きさや発生時間のパラメータを変更してケーブルコアに過電流を流した後、ケーブルコアに流れる送電電流を遮断し、過電流通過後のケーブルコアの温度変化(上昇温度)データを求めておく。また、過電流通過後、ケーブルコアの温度が元の温度(過電流通過前の温度)に冷却されるまでの冷却時間データを求めておく。そして、実線路において、実際にケーブルコアに流れた過電流を測定し、測定した過電流に応じた試験線路でのデータに基づいて、実線路における例えば過電流通過後の送電電流を遮断する時間を算出し、この時間待機後、送電電流を復帰させる。
しかし、上記の送電システムでは、次の点で問題がある。
(1)実線路を構築するたびに、試験線路を構築し、過電流試験を実施する必要がある。
一般的に、実線路を構築する場合、ケーブルコアに流す送電電流に基づいて、ケーブルコアの定格電流を決定し、超電導ケーブルを製造することが行われる。そのため、実線路を構築するたびに、それに応じた試験線路の構築及び試験を実施する必要があり、多大な費用と時間を要する。
(2)試験線路と実線路とでは、線路の構成や運転条件などが異なり、試験線路から求められた予測性能と実線路における実性能に差が生じるため、実線路における実際のケーブルコアの温度に応じた厳密な送電電流の制御が不可能である。
実線路では、延長数kmに及ぶと考えられる。過電流通過後におけるケーブルコアの上昇温度及び冷却時間は、線路の構成や運転条件、例えば、使用されている超電導線材の種類、フォーマ及び常電導保護層や超電導線材のシース或いは基板といった常電導部材の抵抗、冷却機の性能(冷却条件)、経年変化など様々な要因の影響を受ける。そのため、試験線路から求められた予測性能と実線路における実性能には差が生じることから、実線路における実際のケーブルコアの温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整しているとはいえない。また、例えば、予測性能に比べて実性能が上の場合、即ち例えば試験線路におけるケーブルコアの上昇温度及び冷却時間が過大に評価されている場合では、不必要に送電電流を遮断したり、不必要に待機時間が長くなる。一方、予測性能に比べて実性能が下の場合、即ち例えば試験線路におけるケーブルコアの上昇温度及び冷却時間が過小に評価されている場合では、クエンチや熱暴走の発生を確実に防止することができない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、超電導ケーブル用いた送電システムに関し、ケーブルコアの温度をリアルタイムに測定し、その温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を復帰させることが可能な送電システムを提供することにある。
本発明の送電システムは、ケーブルコアと、このケーブルコアに沿って配置された光ファイバとを有する超電導ケーブルを用いた送電システムであり、温度測定手段と、記憶手段と、臨界電流算出手段と、電流復帰用比較手段とを備える。ここで、温度測定手段は、光ファイバに入射された光信号に基づいてケーブルコアの温度を測定する。記憶手段は、ケーブルコアの温度に応じた臨界電流値データを格納する。臨界電流算出手段は、温度測定手段により測定されたケーブルコアの温度に応じた臨界電流を、記憶手段を参照して求める。電流復帰用比較手段は、ケーブルコアに過電流が流れたことにより、ケーブルコアに流れる送電電流が調整又は遮断された後、ケーブルコアの温度を温度測定手段により測定して臨界電流算出手段で求めたケーブルコアの臨界電流と送電電流の調整又は遮断前における元の送電電流とを比較して、ケーブルコアに流れる送電電流を元の状態に復帰させるか否かを判定する。
この送電システムによれば、ケーブルコアの温度をリアルタイムに測定し、その温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を復帰させることができる。つまり、ケーブルコアへの過電流の通過による送電電流の調整・遮断後、ケーブルコアの実際の温度に応じた早急かつ安全な送電電流の復帰が可能である。そして、実線路を構築するたびに、それに応じた試験線路の構築及び試験を実施する必要がなく、また、実線路における実際のケーブルコアの温度に応じた厳密な送電電流の制御が可能である。加えて、電流復帰用比較手段により比較された結果、臨界電流が元の送電電流以上の場合は、ケーブルコアに流れる送電電流を元の状態に復帰させる電流復帰手段を備えてもよい。なお、ここでいう、「元の送電電流」或いは「送電電流を元の状態に」とは、一つは、過電流通過前と通過後においてケーブルコアに流す送電電流を同じとする場合にあっては、送電電流の調整又は遮断前の送電電流のことであり、例えば定格電流と定義することもできる。他には、過電流通過前と通過後においてケーブルコアに流す送電電流を変更する場合にあっては、この変更後の送電電流のことである。
光ファイバを温度センサとし、ケーブルコアに沿った温度分布をリアルタイムに測定する温度測定手段には、分布型光ファイバ温度計測システム(DTS)といった公知の技術を利用することができる。
記憶手段に格納されている臨界電流値データとは、実線路における臨界電流の温度依存性を示す例えば臨界電流‐温度曲線のことである。実線路における臨界電流‐温度曲線は、次のようにして取得することができる。
一般的に、実線路における超電導ケーブルの運転では、竣工試験や定期検査の際に直流電源に接続し、臨界電流値Icの測定を行うことが考えられている。また、定常運転時の冷却温度(例えば70K)も予め決められているため、竣工試験や定期検査において、定常運転時の冷却温度における臨界電流値Icが測定されている。この臨界電流値を基準点とする。一方、臨界電流の温度依存性は、使用されている超電導線材の特性によって決まっている(図1を参照)。そして、超電導線材の特性から求められた臨界電流‐温度曲線が基準点を通るように平行移動した曲線が、実線路における臨界電流‐温度曲線となる。なお、例示する図1では、77.3Kにおける臨界電流を1とし、各温度Tにおける臨界電流を77.3Kにおける臨界電流に対する比率で示している。
更に、本発明の送電システムにおいて、過電流検知手段と、電流調整用比較手段とを備えることが好ましい。ここで、過電流検知手段は、ケーブルコアに過電流が流れたことを検知する。電流調整用比較手段は、過電流検知手段によりケーブルコアに過電流が流れたことを検知した後、臨界電流算出手段で求めたケーブルコアの臨界電流と過電流通過後にケーブルコアに流れる送電電流とを比較して、ケーブルコアに流れる送電電流を前記臨界電流以下となるように調整するか否かを判定する。
この構成によれば、ケーブルコアの温度をリアルタイムに測定し、その温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整することができる。加えて、電流調整用比較手段により比較された結果、送電電流が臨界電流を超える場合に、ケーブルコアに流れる送電電流を臨界電流以下となるように調整する電流調整手段を備えてもよい。
過電流検知手段としては、例えばCT(カレント・トランスフォーマ)などを利用して電流を測定し、過電流(ある閾値以上の電流)が流れたことを検知するトリガを設定しておくことが挙げられる。
上記した両比較手段における送電電流と臨界電流との比較は、直流送電の場合は、直流電流と臨界電流とを直接比較すればよいが、交流送電の場合は、交流電流のピーク値と臨界電流とを比較する。
電流調整手段における送電電流の調整には、送電電流を遮断することも含まれ、遮断することにより、クエンチや熱暴走の発生をより確実に防止することができる。また、直流送電の場合は、直流電流が臨界電流を超える場合に直流電流を臨界電流以下となるように調整する。一方、交流送電の場合は、交流電流のピーク値が臨界電流を超える場合に交流電流のピーク値を臨界電流以下となるように調整する。
本発明の送電システムは、ケーブルコアの温度をリアルタイムに測定し、その温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を復帰させることが可能である
超電導線材の臨界電流‐温度特性を示すグラフである。 超電導ケーブルの過電流通電試験に用いた実験線路を説明する概略図である。 フォーマに光ファイバを配置する一例を示す概略断面図である。 超電導ケーブルの代表的な基本構造を示す概略斜視図である。
まず、超電導ケーブルの過電流通電試験を実施して、この超電導ケーブル(ケーブルコア)の性能について確認を行った。
試験に用いた超電導ケーブルCは、図4に示した従来の構造と基本的に同一であり、ここでは長さを2mとした。超電導線材10には、DI‐BISCCO(登録商標)を使用した。また、この超電導線材10の臨界電流‐温度特性は、図1に示すほぼ直線で表されるものであった。なお、一般的に、超電導線材の臨界電流‐温度曲線は、温度が高くなるほど、例えば85Kを超えてくると傾きが緩やかになる傾向が見られる。
また、この超電導ケーブルCについて、ケーブルコアの77.3Kにおける臨界電流値Icを測定したところ、4600ADC(ADC:直流電流)であった。
試験は、超電導ケーブルCを用いて実験線路を構築し、この実験線路において実施した(図2を参照)。具体的には、一端側の超電導導体層12と同じ一端側の超電導シールド層14とに交流電源の端子をそれぞれ接続し、電流が折り返し導体31を経由して超電導導体層12と超電導シールド層14とを往復する実験線路とした(図2中、矢印は電流の流れを示す)。なお、一端側の超電導シールド層14には引き出し導体32が接続され、引き出し導体32を介して端子に接続されている。
この実験線路において、ケーブルコアを77.3Kに冷却し、交流電源から10kArms×2秒間の過電流をケーブルコアに通電した後、連続して1.6kArmsを通電することを行った(Arms:交流電流の実効値)。ここで、10kArmsの交流電流のピーク値は約14kAであり、1.6kArmsの交流電流のピーク値は約2.2kAである。
その結果、10kArms×2秒間の過電流通過後であっても、1.6kArmsの安定した連続通電が可能であることが確認された。ここで、10kArms×2秒間の過電流をケーブルコアに通電したときのケーブルコア(超電導導体層12)の上昇温度は7Kであることが確認されており、図1から、7k上昇時のケーブルコアの臨界電流は77.3Kにおける臨界電流に対して約50%低下することが分かる。つまり、10kArms×2秒間の過電流が通過した直後のケーブルコアの臨界電流は2300ADC(4600ADC×0.5)と求められ、この臨界電流値は1.6kArmsの交流電流のピーク値2.2kAより大きいことから、過電流通過後であっても安定した連続通電が可能であったと考えられる。
同様に、この実験線路において、ケーブルコアを77.3Kに冷却し、交流電源から10kArms×2秒間の過電流をケーブルコアに通電した後、連続して1.75kArmsを通電することを行った。ここで、1.75kArmsの交流電流のピーク値は約2.4kAである。
その結果、過電流通過後の1.75kArmsの連続通電中にケーブルコアの温度が上昇し続けることが確認された。つまり、10kArms×2秒間の過電流が通過した直後のケーブルコアの臨界電流は2300ADCであるのに対して、1.75kArmsの交流電流のピーク値2.4kAの方が大きいことから、過電流通過後において安定した連続通電が不可能であったと考えられる。
次に、本発明の実施に形態に係る送電システムについて説明する。
本発明の送電システムに用いる超電導ケーブルとしては、例えば図4に示す超電導ケーブルにおいて、ケーブルコアに沿って光ファイバを配置した構成のものであればよい。
ケーブルコアに沿って光ファイバを配置する具体的手段を説明する。図3は、フォーマに光ファイバを配置する一例を説明する図である。フォーマ11は絶縁被覆を有する銅素線11wを撚り合わせて形成された中実フォーマであり、このフォーマ11の中心にステンレス製パイプ11pを挿通すると共に、このパイプ11pの中に光ファイバ11oを挿通する。また、別の例としては、銅素線11wのうち一本を光ファイバ11oに置換してもよい。その他、フォーマと超電導導体層との間、或いは超電導導体層と絶縁層との間に光ファイバを這わせるようにして配置してもよい。
これらいずれの手段であってもケーブルコアに沿って光ファイバを配置することができるが、中実フォーマの場合では、図3に示すようにフォーマの中心に光ファイバを配置することが好ましい。これは、ケーブルコアは断熱管内に流通する冷媒により冷却されるため、ケーブルコアの外側ほど冷却され易く、一方で中側は冷却され難いという事情がある。そして、本発明のようなケーブルコアの温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整する送電システムにおいては、過電流の通過による温度上昇が現れ易い箇所を測定することで、ある程度の許容を持たせることができ、安全性の向上が見込まれる。
以上説明したような超電導ケーブルを用いて実線路を構築し、この実線路において本発明の送電システムを適用した場合の動作について、具体的に説明する。なお、ここでは、超電導線材にDI‐BISCCO(登録商標)を使用し、ケーブルコアの冷却温度を77.3Kとする。また、図1から、この超電導線材は、77.3Kにおける臨界電流(図中○印で示す)を1としたとき、7K上昇した84.3Kにおける臨界電流(図中×印)は、77.3Kにおける臨界電流に対して約50%低下することが分かる。
例えば、竣工試験の際に測定したこの実線路におけるケーブルコアの77.3Kにおける臨界電流値が5000ADCであったとする。
実線路において、事故時にケーブルコアに過電流が流れ、ケーブルコアの温度が7K上昇したとすると、ケーブルコアの臨界電流値が、5000ADC(77.3K)から約半分の2500ADC(84.3K)に低下する。このとき、過電流通過後にケーブルコアに流れる送電電流が2500ADC(交流送電の場合は、交流電流のピーク値が2500A(実効値換算1786Arms))を超える場合は、ケーブルコアに流れる送電電流を臨界電流以下(このケースでは2500ADC以下)に調整或いは遮断する。
次に、送電電流の調整或いは遮断後、仮にケーブルコアに流す送電電流を4000ADC(交流送電の場合は、交流電流のピーク値が4000A(実効値換算2857Arms))とするとき、77.3Kにおける臨界電流に対する比率が0.8以上となる約80K以下にケーブルコアが冷却されるまで待機する。待機後、ケーブルコアに流す送電電流を4000ADCに復帰させる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、超電導線材の種類や光ファイバの配置箇所、ケーブルコアに流す送電電流の大きさなどを適宜変更することができる。
本発明の送電システムは、超電導ケーブルを用いた実線路運転において特に好適に利用可能である。
C 超電導ケーブル 1 ケーブルコア 10 超電導線材
11 フォーマ 11w 銅素線 11p パイプ 11o 光ファイバ
12 超電導導体層 13 絶縁層
14 超電導シールド層 15 常電導保護層
2 断熱管
21 内管 22 外管 23 断熱材 24 防食層
31 折り返し導体 32 引き出し導体

Claims (3)

  1. ケーブルコアと、このケーブルコアに沿って配置された光ファイバとを有する超電導ケーブルを用いた送電システムであって、
    前記光ファイバに入射された光信号に基づいて前記ケーブルコアの温度を測定する温度測定手段と、
    前記ケーブルコアに過電流が流れたことを検知する過電流検知手段と、
    前記ケーブルコアの温度に応じた臨界電流値データを格納する記憶手段と、
    前記温度測定手段により測定されたケーブルコアの温度に応じた臨界電流を、前記記憶手段を参照して求める臨界電流算出手段と、
    前記過電流検知手段によりケーブルコアに過電流が流れたことを検知した後、臨界電流算出手段で求めたケーブルコアの臨界電流と過電流通過後にケーブルコアに流れる送電電流とを比較する第一比較手段と、
    前記第一比較手段により比較された結果、前記送電電流が前記臨界電流を超える場合に、ケーブルコアに流れる送電電流を前記臨界電流以下となるように調整する電流調整手段とを備えることを特徴とする超電導ケーブルを用いた送電システム。
  2. 前記電流調整手段は、前記送電電流が前記臨界電流を超える場合に、ケーブルコアに流れる送電電流を遮断することを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルを用いた送電システム。
  3. 更に、送電電流調整後、ケーブルコアの温度を前記温度測定手段により測定し、
    前記臨界電流算出手段で求めたケーブルコアの臨界電流と送電電流調整前の元の送電電流とを比較する第二比較手段と、
    前記第二比較手段により比較された結果、前記臨界電流が前記元の送電電流以上の場合は、ケーブルコアに流れる送電電流を元の状態に復帰させる電流復帰手段とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導ケーブルを用いた送電システム。
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