JP2016139537A - 超電導ケーブル用断熱管、及び超電導ケーブル - Google Patents

超電導ケーブル用断熱管、及び超電導ケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】超電導ケーブル自体に地絡などの事故が生じ、その事故に伴って断熱管に局所的な破損が生じた場合、その破損個所を特定できる超電導ケーブル用断熱管、及び超電導ケーブルを提供する。【解決手段】超電導導体層を有するケーブルコア及び前記ケーブルコアを冷却する冷媒の双方を収納する内管と、前記内管の外側に真空層を形成する外管と、前記真空層内で前記内管の長手方向に配置される光ファイバと、を備える超電導ケーブル用断熱管。さらに、前記内管と前記外管との間に配置される断熱材層を備えることが挙げられる。前記断熱材層は、複数の断熱材を積層した多層構造であり、前記光ファイバは、前記断熱材層の層間に配置されることが挙げられる。【選択図】図1

Description

本発明は、超電導ケーブル用断熱管、及びこの超電導ケーブル用断熱管を備える超電導ケーブルに関する。特に、超電導ケーブル自体に地絡などの事故が生じ、その事故に伴って断熱管に局所的な破損が生じた場合、その破損個所を特定できる超電導ケーブル用断熱管、及び超電導ケーブルに関する。
超電導ケーブルは、小型でありながら、大容量の電力を低損失で送電可能なことから、省エネルギー技術として期待されている。超電導ケーブルは、超電導導体層を有するケーブルコアと、ケーブルコアを収納し、超電導導体層を超電導状態に維持する液体窒素などの液体冷媒が充填される断熱管と、を備える構成が代表的である。上記ケーブルコアは、一般的に、内側から順に、フォーマと、超電導導体層と、電気絶縁層と、接地されてシールド層などに利用される外側超電導層と、外側超電導層を機械的に保護する保護層と、を備える。上記断熱管は、一般的に、内管及び外管を備える二重構造の真空断熱管である。内管及び外管には、ステンレス鋼管などの金属管が利用される。
超電導ケーブルを用いた実線路において、短絡事故や地絡事故が発生した場合、ケーブルコアに臨界電流を超える過電流が流れることがある。この過電流に対する対策として、ケーブルコアに沿って光ファイバを配置し、この光ファイバを温度センサとして、ケーブルコアに沿った温度分布を測定することがなされている(例えば、特許文献1や特許文献2)。
特許文献1には、超電導ケーブルの送電システムとして、ケーブルコアの温度を光ファイバによりリアルタイムに測定し、この温度に応じてケーブルコアに流れる送電電流を調整することが記載されている。特許文献2には、竣工試験や定期検査時に、一定の大きさの直流電流を超電導ケーブルに一定時間流し、この通電中における超電導ケーブルの長手方向の温度分布を光ファイバにより経時的に測定し、超電導ケーブルの健全性を検査する方法が記載されている。この超電導ケーブルの健全性検査方法は、光ファイバにより得られた温度分布から温度が上昇した箇所を検出し、この温度上昇箇所を超電導ケーブルの劣化箇所として特定している。
特開2010−200463号公報 特開2010−165551号公報
特許文献1や特許文献2では、超電導ケーブルと繋がって布設される架空送電線などの常電導ケーブルに短絡事故などが生じ、この事故に起因して超電導ケーブルに瞬間的に流れ得る過大な電流を想定している。即ち、特許文献1や特許文献2では、超電導ケーブル自体は健全であることを前提として、上記の過大な電流を検知するものである。一方で、超電導ケーブル自体にも地絡などの事故が生じ得ることから、その対策が望まれる。
超電導ケーブル自体に地絡などの事故が発生して、電気絶縁破壊が生じた場合、高電位である超電導導体層から、接地されてゼロ電位である外側超電導層などの接地層にアークが生じる可能性がある。このアークが内管にまで達すると、内管に孔が開く虞がある。内管に孔が開くと、内管と外管との間に形成される真空断熱層に液体冷媒が漏れて真空を維持できなくなったり、液体冷媒が気化し、この気化時の体積膨張によって断熱管が破損したりするなどの虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、超電導ケーブル自体に地絡などの事故が生じ、その事故に伴って断熱管に局所的な破損が生じた場合、その破損個所を特定できる超電導ケーブル用断熱管、及び超電導ケーブルを提供することにある。
本発明の一態様に係る超電導ケーブル用断熱管は、超電導導体層を有するケーブルコア及び前記ケーブルコアを冷却する冷媒の双方を収納する内管と、前記内管の外側に真空層を形成する外管と、前記真空層内で前記内管の長手方向に配置される光ファイバと、を備える。
本発明の一態様に係る超電導ケーブルは、上記超電導ケーブル用断熱管と、前記超電導ケーブル用断熱管の内部に収納されるケーブルコアと、を備え、前記ケーブルコアは、超電導導体層と、前記超電導導体層の外周に設けられる電気絶縁層と、を有する。
上記の超電導ケーブル用断熱管は、内部にケーブルコアを収納して超電導ケーブルを構築した場合、その超電導ケーブル自体に地絡などの事故が生じ、その事故に伴って断熱管に局所的な破損が生じたとき、その破損個所を特定できる。
上記の超電導ケーブルは、超電導ケーブル自体に地絡などの事故が生じ、その事故に伴って断熱管に局所的な破損が生じた場合、その破損個所を特定できる。
実施形態1の超電導ケーブルの概略を示す横断面図である。 実施形態2の超電導ケーブルの概略を示す横断面図である。 実施形態3の超電導ケーブルの概略を示し、上図は横断面図であり、下図は部分縦断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)実施形態に係る超電導ケーブル用断熱管は、超電導導体層を有するケーブルコア及び前記ケーブルコアを冷却する冷媒の双方を収納する内管と、前記内管の外側に真空層を形成する外管と、前記真空層内で前記内管の長手方向に配置される光ファイバと、を備える。
上記の超電導ケーブル用断熱管は、内部にケーブルコアを収納して構築された超電導ケーブルにおいて、超電導ケーブル自体に地絡などの事故が生じ、その事故に伴って断熱管(内管)に局所的な破損が生じた場合、その破損個所を光ファイバによって容易に特定することができる。内管に孔が開くといった破損が生じると、内管と外管との間に形成される真空層に冷媒が侵入する。上記の超電導ケーブル用断熱管は、光ファイバが真空層内に配置されていることで、この光ファイバが温度センサとして機能する場合、真空層内に侵入した冷媒による温度変化を光ファイバによって検出して、内管の破損個所を特定できる。他に、光ファイバが歪センサとして機能する場合、アークに起因して生じる内管の歪みを光ファイバによって検出して、内管の破損個所を特定できる。光ファイバによって内管の局所的な破損を容易に特定できるため、例えば内管の長手方向に設けた複数の区間ごとに検出する場合と比較して、より正確に破損個所を特定できる。
(2)上記の超電導ケーブル用断熱管の一例として、さらに、前記内管と前記外管との間に配置される断熱材層を備える形態が挙げられる。
上記構成によれば、断熱材層を光ファイバの下地層として光ファイバの配置のし易さの改善や光ファイバの損傷抑制に利用したり、断熱材層を光ファイバの押え層として光ファイバの位置ずれ抑制に利用したりできる。内管と外管との間に断熱材層を備える形態として、内管と光ファイバとの間に断熱材層を配置する形態や、光ファイバと外管との間に断熱材層を配置する形態や、光ファイバを多層の断熱材層で挟むように配置する形態が挙げられる。断熱材層を光ファイバの下地層として利用する場合、内管が長手方向に凹凸が形成されるコルゲート管などの波付け管であれば、内管の凹凸を断熱材層により平滑化できることで、断熱材層上に光ファイバを配置し易い。断熱材層を光ファイバの押え層として利用する場合、光ファイバ上に配置した断熱材層によって光ファイバを固定することができ、光ファイバの位置ずれを抑制できる。
(3)上記の超電導ケーブル用断熱管の一例として、断熱材層を備える場合、前記断熱材層は、複数の断熱材を積層した多層構造であり、前記光ファイバは、前記断熱材層の層間に配置される形態が挙げられる。
光ファイバが断熱材層の層間に配置されていることで、光ファイバが温度センサとして機能する場合、内管が破損して真空層内に侵入した冷媒による温度変化を光ファイバで検出し易く、内管の破損個所を特定し易い。内管は、内部に冷媒が充填されていることでその冷媒温度近傍の温度を有する。そのため、光ファイバが内管に接するもしくは近接した位置に配置されていると、光ファイバで検出する通常時の温度も冷媒温度近傍の温度となる。よって、光ファイバが内管に接するもしくは近接した位置に配置されている場合、内管が破損して真空層内に冷媒が侵入したとしても、温度変化を光ファイバで検知し難い。上記形態では、内管と光ファイバとの間に断熱材層が介在されていることで、光ファイバで検出する通常時の温度を冷媒温度よりも高くできるため、真空層内に侵入した冷媒に起因する温度変化を検知し易い。
また、断熱材層が多層構造であり、光ファイバを断熱材層の層間に配置する構成であれば、内管が長手方向に凹凸が形成されるコルゲート管などの波付け管の場合、内管の凹凸を一部の断熱材層により平滑化できるため、光ファイバを配置し易い。さらに、光ファイバ上に他部の断熱材層を配置することで、光ファイバの固定ができる。
(4)上記の超電導ケーブル用断熱管の一例として、断熱材層を備える場合、前記光ファイバは、前記断熱材層の外方に配置される形態が挙げられる。
光ファイバが断熱材層の外方に配置されている、つまり内管と光ファイバとの間に断熱材層が介在されていることで、光ファイバが温度センサとして機能する場合、内管が破損して真空層内に侵入した冷媒に起因する温度変化を光ファイバで検出し易く、内管の破損個所を特定し易い。また、内管が長手方向に凹凸が形成されるコルゲート管などの波付け管の場合、内管の凹凸を断熱材層により平滑化できるため、光ファイバを配置し易い。
(5)上記の超電導ケーブル用断熱管の一例として、前記光ファイバは、前記内管の直上に配置される形態が挙げられる。
光ファイバが内管の直上に配置されていることで、光ファイバが歪みセンサとして機能する場合、アークに起因して生じる内管の歪みを光ファイバによって検出し易く、内管の破損個所を特定し易い。また、内管が長手方向に凹凸が螺旋状に形成されるコルゲート管の場合、凹部分に沿って光ファイバを配置することで、光ファイバを配置し易い。
(6)実施形態に係る超電導ケーブルは、上記超電導ケーブル用断熱管と、前記超電導ケーブル用断熱管の内部に収納されるケーブルコアと、を備え、前記ケーブルコアは、超電導導体層と、前記超電導導体層の外周に設けられる電気絶縁層と、を有する。
上記の超電導ケーブルは、上述したように、超電導ケーブル自体に地絡などの事故が生じ、その事故に伴って断熱管に局所的な破損が生じた場合に、その破損個所を光ファイバによって容易に特定できる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態の詳細を、以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
図1を参照して、実施形態1の超電導ケーブル用断熱管20を備える超電導ケーブル1Aを説明する。
・全体構成
実施形態1の超電導ケーブル1Aは、図1に示すように、超電導導体層12を有するケーブルコア10と、ケーブルコア10を収納する超電導ケーブル用断熱管20と、を備える。超電導ケーブル1Aは、所定の経路に布設されて送電路を構築する。以下に、まず超電導ケーブル用断熱管20(以下、単に断熱管20と呼ぶことがある)について説明し、その後にケーブルコア10について説明する。
・超電導ケーブル用断熱管
超電導ケーブル用断熱管20は、後述するケーブルコア10及びケーブルコア10を冷却する液体冷媒Cの双方を収納する内管21と、内管21の外側に真空層23を形成する外管22と、真空層23内に配置される光ファイバ28と、を備える。本実施形態1では、さらに、内管21の外周に複数の断熱材を多層(ここでは二層)に積層してなる断熱材層26を備える。本実施形態1の超電導ケーブル用断熱管20(超電導ケーブル1A)の主たる特徴とするところは、光ファイバ28が、断熱材層26の層間に配置されていることにある。
・・内管及び外管
断熱管20は、ステンレス鋼製の内管21と外管22とを有する二重構造管であり、内管21と外管22との間の空間が真空引きされ、この空間に真空層23が形成された真空断熱管である。内管21の内部空間は、ケーブルコア10の収納空間であると共に、液体冷媒Cが充填されて流通される空間(冷媒流路)である。内管21及び外管22は、長手方向に凹凸が形成された波付け管や、長手方向に凹凸のないストレート管などが挙げられる。波付け管は、凹凸が螺旋状に形成されるコルゲート管や、凹凸が長手方向に交互に連続して形成されるベローズ管が挙げられる。内管21及び外管22は、コルゲート管やベローズ管とすると可撓性に優れ、ストレート管とすると表面積が小さく断熱性に優れる上に液体冷媒Cの圧力損失を小さくできる。ここでは、内管21及び外管22をコルゲート管で構成している。
外管22の外周には、ポリ塩化ビニルなどの防食材から構成される防食層24を備える。
・・断熱材層
断熱材層26は、内管21と外管22との間に配置され、内管21内への輻射熱の侵入を防ぎ、断熱管20の断熱性能の確保を主な目的として設けられる。断熱材層26は、帯状の断熱材を螺旋状に巻回する、あるいは縦添えすることで形成することができる。螺旋状に巻回することで、断熱管20が長尺の場合でも、多層構造の断熱材層26を容易に形成することができる。本実施形態1では、二層構造の断熱材層26としている。上記断熱材は、帯状の樹脂フィルムの一面又は両面にアルミニウムを蒸着した帯状材と、合成繊維からなるメッシュ構造材とを積層した積層材、代表的にはスーパーインシュレーションが挙げられる。断熱材は、公知の断熱材を適宜利用することができる。
断熱材層26は、内管21の外周に、その全周を覆うように巻回することが好ましい。断熱材層26の配置位置は、ここでは内管21の直上に配置しているが、内管21と外管22との間に配置されていれば特に問わない。例えば、内管21の直上にスペーサ(図示せず)などを配置して、そのスペーサと外管22との間に配置することもできる。
断熱材層26は、内管21の直上に配置することが挙げられる。この場合、内管21が長手方向に凹凸が形成されるコルゲート管などの波付け管であれば、内管21の凹凸を断熱材層26により平滑化できる。そうすると、後述する光ファイバ2を平滑な断熱材層26上に配置することができるため、配置し易い。他に、断熱材層26は、後述する光ファイバ28上に配置することが挙げられる。この場合、断熱材層26は、光ファイバ28の固定部材として機能することができる。
・・光ファイバ
光ファイバ28は、最小限の保護層を備える光ファイバ素線、光ファイバ素線の外周に二次被覆を備える光ファイバ心線などを利用できる。心線の場合、1心の光ファイバを備える単心線、複数心の光ファイバを被覆層で被覆してテープ状としたテープ心線などがある。特に、光ファイバ28として、光ファイバ(素線又は心線)の外周にステンレス鋼などの金属材料からなる金属被覆層を備えたものを利用すれば、光ファイバをより確実に保護できる。上記金属被覆層は、可撓性を有するものが好ましく、例えば、ステンレス鋼といった金属管を利用することが挙げられる。光ファイバ28として、金属管内に光ファイバ(素線又は心線)を収納したものを利用すれば、真空層23内に配置された場合であっても、光ファイバ28に起因して生じる真空層23内の真空度の低下を抑制し易い。金属管に収納される光ファイバは、1心でも多心でもよい。収納される光ファイバの数に応じて金属管の大きさを適宜選択するとよい。光ファイバ28として、光ファイバ心線を備える光ファイバケーブルを利用することができる。この光ファイバケーブルとして、市販の超高真空対応光ファイバケーブルを利用することができる。
光ファイバ28は、温度センサとして機能するものを利用することができる。このとき、内管21の長手方向の温度分布をリアルタイムに測定する温度測定手段には、分布型光ファイバ温度計測システム(DTS:Distributed Temperature Sensor)といった公知の技術を利用することができる。DTSは、光ファイバ28の端部から光パルスを入射し、光ファイバの途中から戻ってくるラマン散乱光の強度を測定するものである。ラマン散乱光の強度は、温度と相関関係があるため、これにより光ファイバ沿いの温度分布を測定することができる、また、光パルスを入射してからラマン散乱光が戻ってくるまでの時間を計測することで温度変化点の位置を特定することができる。従って、断熱管20の内部にケーブルコア10を収納して構築された超電導ケーブル1Aにおいて、超電導ケーブル1A自体に地絡などの事故が生じ、その事故に伴って内管21に孔が開くといった局所的な破損が生じた場合、その孔から真空層23内に侵入した液体冷媒Cによる温度変化を光ファイバ28によって検出することで、破損個所を特定することができる。
光ファイバ28が内管21の長手方向に配置されることで、内管21の全長に亘って損傷箇所を検出することができる。光ファイバ28を内管21の長手方向に配置するには、例えば、1本以上の光ファイバ28を内管21の外周に螺旋状に巻き付けることが挙げられる。この場合、光ファイバ28の巻回ピッチは、短過ぎると光ファイバ28の要尺が長くなる上、損傷する虞があるため、光ファイバ28が損傷しない程度のピッチとすることが好ましい。ただし、光ファイバ28の本数によっては、光ファイバ28の巻回ピッチは、長い(縦添えに近づく)と内管21の外周に光ファイバ28が配置されない領域が多くなり、内管21に破損が生じても、その破損個所から真空層23内に侵入した液体冷媒Cによる温度変化を感知し難くなる虞がある。そのため、光ファイバ28の巻回ピッチは、光ファイバ28が損傷せずに、内管21の全長に亘って破損個所を特定できる程度とする。その他、光ファイバ28を縦添えして配置することもできる。この場合、内管21の外周に光ファイバ28が配置されない領域が形成されるため、複数本の光ファイバ28を周方向に等間隔で並列に縦添えすることが好ましい。
光ファイバ28は、温度センサとして機能する場合、破損個所から真空層23内に侵入した液体冷媒Cによる温度変化を光ファイバ28によって検出できる位置に配置されることが好ましい。内管21は内部に液体冷媒Cが充填されていることでその冷媒温度近傍の温度を有するため、光ファイバ28が内管21に接するもしくは近接した位置に配置されていると、光ファイバ28で検出する通常時の温度も冷媒温度近傍の温度となる。よって、光ファイバ28が内管21に接するもしくは近接した位置に配置されている場合、内管21が破損して真空層23内に液体冷媒Cが侵入したとしても、温度変化を光ファイバ28で検知し難いからである。
本実施形態1では、光ファイバ28は、図1に示すように、内管21の外周に配置された二層構造の断熱材層26の層間に配置されている。光ファイバ28が断熱材層26を介して内管21の外周に配置されていることで、光ファイバ28で検出する通常時の温度を冷媒温度よりも高くできる。そのため、内管21が破損して真空層23内に液体冷媒Cが侵入した場合、その液体冷媒Cに起因する温度変化を検知し易い。また、内管21が長手方向に凹凸が形成されるコルゲート管などの波付け管の場合、内管21の凹凸を断熱材層26により平滑化できるため、光ファイバ28を配置し易い。内管21と光ファイバ28との間に介在される断熱材層26は、1層以上であればよく、層数が多いほど光ファイバ28で検出する通常時の温度を冷媒温度よりもより高くできるため、破損個所から侵入する液体冷媒Cに起因する温度変化をより検知し易い。
光ファイバ28の直上に断熱材層26が配置されていることで、断熱材層26が光ファイバ28の押さえの役割を果たすため、光ファイバ28の固定ができる。よって、複数本の光ファイバ28を並列に縦添えする場合であっても、光ファイバ28の押さえを別途用意しなくとも、容易に配置できる。
光ファイバ28として、金属管内に光ファイバ(素線又は心線)を収納したものを利用し、光ファイバ28が温度センサとして機能する場合、金属管の内周と光ファイバ(素線又は心線)の外周との間に設けられる空隙は小さい方が、光ファイバ28で液体冷媒Cの温度を検知し易い。
・ケーブルコア
ケーブルコア10は、中心から順にフォーマ11、超電導導体層12、電気絶縁層13、接地層14、保護層15を備える。これらの各構成部材には、公知の構成・材料を用いることができる。
・・フォーマ
フォーマ11は、超電導導体層12を支持する支持部材である。具体例として、管材などの中空体や、複数の金属の素線を撚り合わせた撚り線、複数の撚り線を更に撚り合わせた撚り合せ体などの中実体などが挙げられる。主たる構成材料は、銅やアルミニウム、その合金といった常電導材料が挙げられる。上記素線は、金属導体線が絶縁被覆で覆われた被覆線が挙げられる。
・・超電導導体層
超電導導体層12は、フォーマ11の外周に複数の超電導線材を螺旋状に巻回して形成された線材層が挙げられる。超電導線材は、Bi2223といったビスマスを含む酸化物系銀シース線材や、RE123といった希土類元素を含む酸化物系薄膜線材などのテープ状線材が挙げられる。線材層や線材の使用本数などは、所定の電力量に応じて選択できる。線材層は、多層、単層のいずれも利用できる。多層の場合、絶縁紙などを巻回した層間絶縁層(図示せず)を設けることができる。
・・電気絶縁層
電気絶縁層13は、超電導導体層12とその外側に配置された接地層14との間に介在し、両者の電気的絶縁を確保する。電気絶縁層13は、クラフト紙やPPLP(Polypropylene Laminated Paper)(登録商標)といった半合成紙などの絶縁紙を超電導導体層12の外周に螺旋状に巻回して形成された巻回層が挙げられる。電気絶縁層13内外に半導電層(図示せず)を設けることができる。
・・接地層
接地層14は、超電導導体層12の外周に電気絶縁層13を介して設けられ、接地電位をとるための導電部である。接地層14は、上述の超電導線材、銅などの常電導材料からなる線材やテープ材、編組材などを螺旋状に巻回して形成された巻回層が挙げられる。接地層14が超電導線材によって形成されている場合、交流送電では、接地層14を超電導シールド層に利用できる。
電気絶縁層13の外周に、超電導線材によって形成された外側超電導層を設け、別途、常電導材料によって形成された接地層14を設けることができる。この場合、外側超電導層は、交流送電では超電導シールド層、直流送電(バイポール送電)では正極導体又は負極導体に利用できる。外側超電導層と接地層14との間には層間絶縁層を設けることができる。
・・保護層
保護層15は、ケーブルコア10の最外周に配置され、その内側に配置された部材の機械的保護、接地層14と断熱管20との間の電気的絶縁の確保を主な目的として設けられる。保護層15は、クラフト紙などの絶縁紙テープや、クラフト紙とプラスチックとを複合した半合成絶縁紙、例えばPPLPをテープ状にして巻回した巻回層が挙げられる。
・製造方法
実施形態1の超電導ケーブル1Aは、代表的には、内管21の内部にケーブルコア10を収納⇒内管21の外周に断熱材層26を配置⇒その断熱材層26の外周に光ファイバ28を配置⇒光ファイバ28の外周に別の断熱材層26を配置⇒外管22を光ファイバ28及び断熱材層26が配置された内管21に外装、によって製造できる。光ファイバ28として、金属管内に光ファイバ(素線又は心線)を収納したものを利用する場合、金属管内に光ファイバ(素線又は心線)を収納した状態で断熱材層26の外周に配置してもよいし、金属管のみを断熱材層26の外周に配置しておき後から光ファイバ(素線又は心線)を金属管内に挿入して配置してもよい。
・効果
実施形態1の超電導ケーブル1Aは、超電導ケーブル自体に地絡などの事故が生じ、その事故に伴って断熱管(内管21)に局所的な破損が生じた場合に、その破損個所を光ファイバ28によって容易に特定できる。特に、実施形態1の超電導ケーブル用断熱管20は、光ファイバ28が温度センサとして機能し、光ファイバ28が多層構造の断熱材層26の層間に配置されていることで、以下の効果を奏する。(1)内管21と光ファイバ28との間に配置される断熱材層26によって、光ファイバ28で検出する通常時の温度を冷媒温度よりも高くでき、内管21が破損して真空層23内に液体冷媒Cが侵入した場合、その液体冷媒Cに起因する温度変化を検知し易い。(2)内管21と光ファイバ28との間に配置される断熱材層26によって、内管21が長手方向に凹凸が形成されるコルゲート管などの波付け管の場合、内管21の凹凸を断熱材層26により平滑化できるため、光ファイバ28を配置し易い。(3)光ファイバ28の直上に配置される断熱材層26によって、光ファイバ28が固定される。
他に、光ファイバ28が温度センサとして機能する場合、内管21に破損が生じていなくとも、例えば真空層23の断熱性能が低下することに起因する温度変化を検知することもできる。
<実施形態2>
実施形態2では、図2に示すように、超電導ケーブル用断熱管20において、光ファイバ28が断熱材層26の外方に配置されている超電導ケーブル1Bを説明する。実施形態2では、光ファイバ28の配置位置が異なるだけであり、他の構成は実施形態1と同様である。以下の説明では、相違点を中心に行う。
光ファイバ28は、断熱材層26の外方に螺旋状に巻き付けて配置されている。本実施形態2では、断熱材層26は単層構造で図示しているが、複数の断熱材を積層した多層構造であってもよい。光ファイバ28が断熱材層26を介して内管21の外周に配置されていることで、光ファイバ28で検出する通常時の温度を冷媒温度よりも高くできため、内管21が破損して真空層23内に液体冷媒Cが侵入した場合、その液体冷媒Cに起因する温度変化を検知し易い。内管21と光ファイバ28との間に介在される断熱材層26は、1層以上であればよく、層数が多いほど光ファイバ28で検出する通常時の温度を冷媒温度よりもより高くできるため、破損個所から侵入する液体冷媒Cに起因する温度変化をより検知し易い。
また、内管21が長手方向に凹凸が形成されるコルゲート管などの波付け管の場合、内管21の凹凸を断熱材層26により平滑化できるため、光ファイバ28を容易に配置することができる。光ファイバ28の外周には実施形態1のように断熱材層26は配置されていないため、光ファイバ28は螺旋状に巻き付けることが好ましい。
<実施形態3>
実施形態3では、図3に示すように、超電導ケーブル用断熱管20において、光ファイバ28が内管21の直上に配置されている超電導ケーブル1Cを説明する。実施形態3の光ファイバ28は、歪みセンサとして機能するものを利用する。実施形態3では、光ファイバ28の配置位置と、光ファイバ28の機能が異なるだけであり、他の構成は実施形態1と同様である。以下の説明では、相違点を中心に行う。
内管21は、長手方向に凹凸が螺旋状に形成されるコルゲート管である。光ファイバ28は、内管21の凹部分に沿って螺旋状に配置されている。断熱材層26は、内管21の凸部分に沿って配置されており、凹部分に配置された光ファイバ26を固定する役割も果たしている。実施形態3では、断熱材層26は単層構造で図示しているが、複数の断熱材を積層した多層構造であってもよい。
光ファイバ28は、歪みセンサとして機能するものを利用している。このとき、内管21の歪みを測定する歪測定手段には、光パルス試験器(OTDR:Optical Time Domain Reflectometer)といった公知の技術を利用することができる。OTDRは、光ファイバ28の端部から光パルスを入射し、光ファイバの途中から戻ってくる後方散乱光のうちブリルアン散乱光の発生波長を測定するものである。内管21に変動が生じると光ファイバ28に応力が加わり、その応力に応じたブリルアン散乱光が発生する。そのため、光ファイバによってブリルアン散乱光の発生波長を検知すれば、内管21に変動があったことを検知できる。また、光パルスを入射してからブリルアン散乱光が戻ってくるまでの時間を計測することで、歪み発生点の位置を特定することができる。従って、断熱管20の内部にケーブルコア10を収納して構築された超電導ケーブル1Cにおいて、超電導ケーブル1C自体に地絡などによってアークが生じた場合、そのアークに起因して生じる内管21の歪みを光ファイバ28によって検出することで、破損個所を特定することができる。
本発明の超電導ケーブルは、直流送電路、交流送電路に利用できる。本発明の超電導ケーブル用断熱管は、超電導ケーブルの構成部材に利用できる。
1A,1B,1C 超電導ケーブル
10 ケーブルコア
11 フォーマ 12 超電導導体層 13 電気絶縁層
14 接地層 15 保護層
20 超電導ケーブル用断熱管
21 内管 22 外管 23 真空層 24 防食層
26 断熱材層 28 光ファイバ
C 液体冷媒

Claims (6)

  1. 超電導導体層を有するケーブルコア及び前記ケーブルコアを冷却する冷媒の双方を収納する内管と、
    前記内管の外側に真空層を形成する外管と、
    前記真空層内で前記内管の長手方向に配置される光ファイバと、を備える超電導ケーブル用断熱管。
  2. さらに、前記内管と前記外管との間に配置される断熱材層を備える請求項1に記載の超電導ケーブル用断熱管。
  3. 前記断熱材層は、複数の断熱材を積層した多層構造であり、
    前記光ファイバは、前記断熱材層の層間に配置される請求項2に記載の超電導ケーブル用断熱管。
  4. 前記光ファイバは、前記断熱材層の外方に配置される請求項2又は請求項3に記載の超電導ケーブル用断熱管。
  5. 前記光ファイバは、前記内管の直上に配置される請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の超電導ケーブル用断熱管。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の超電導ケーブル用断熱管と、
    前記超電導ケーブル用断熱管の内部に収納されるケーブルコアと、を備え、
    前記ケーブルコアは、超電導導体層と、前記超電導導体層の外周に設けられる電気絶縁層と、を有する超電導ケーブル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018046006A (ja) * 2016-09-08 2018-03-22 古河電気工業株式会社 超電導送電ケーブル
CN108053925A (zh) * 2017-12-25 2018-05-18 扬州曙光电缆股份有限公司 一种水下用电缆

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