JP2016105382A - 超電導ケーブル、冷媒管、及び超電導ケーブル線路 - Google Patents

超電導ケーブル、冷媒管、及び超電導ケーブル線路 Download PDF

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Abstract

【課題】冷媒を冷却する冷凍機の負荷が小さい超電導ケーブルを提供する。【解決手段】超電導導体層を有する導体部と、前記導体部を収納すると共に冷媒が充填される内管、及び前記内管の外側に配設されて前記内管との間に真空断熱層を形成する外管を有する断熱管と、前記真空断熱層内で前記内管を介した前記冷媒の熱伝導により超電導状態に維持される外側超電導導体層とを備える超電導ケーブル。【選択図】図1

Description

本発明は、超電導ケーブル、内部に冷媒が充填される冷媒管、及び、超電導ケーブルが布設された超電導ケーブル線路に関する。特に、冷媒を冷却する冷凍機の負荷が小さい超電導ケーブルに関する。
超電導ケーブルは、既存の常電導ケーブル(例、OFケーブルやCVケーブル)と比較して、大容量の電力を低損失で送電できることから、省エネルギー技術として期待されている。最近では、超電導ケーブルを布設し、実際に送電を行う実証試験が進められている。
超電導ケーブルは、中心から順にフォーマ、導体層(超電導導体層)、絶縁層(電気絶縁層)、シールド層(超電導シールド層)、保護層を備えるコア(導体部)と、コアを内部に収納する断熱管とを備える(特許文献1)。断熱管は、内管と外管とを有する二重構造管が代表的である。内管と外管との間の空間は、真空引きされて真空断熱層が形成されている。超電導ケーブルは、断熱管内に例えば液体窒素などの冷媒を流通させて超電導層(超電導導体層、超電導シールド層)を冷却することで運用される。超電導ケーブルの運転時、超電導シールド層には、超電導導体層に流れる電流と逆向きでほぼ同じ大きさの誘導電流が流れる。誘導電流から生じる磁場にて、超電導導体層から生じる磁場を打ち消し合うことで、磁場が外部に漏れる(漏れ磁場が生じる)ことを抑制している。
特開2006−59695号公報
超電導ケーブルを実用化する上で、すでに常電導ケーブルが布設されている既存の地中管路や洞道内に超電導ケーブルを増設することが検討されている。しかし、超電導ケーブルと常電導ケーブルとを近接配置した場合、超電導ケーブルは、常電導ケーブルからの磁場の影響を受ける虞がある。
また、常電導ケーブルの代替として超電導ケーブルを布設することが検討されている。このとき、超電導ケーブルのコスト削減のために、超電導シールド層を省くことが検討されている。しかし、超電導シールド層を備えない超電導ケーブルでは漏れ磁場が生じるため、複数の超電導ケーブルを近接配置するにあたり超電導シールド層を備えない超電導ケーブルが含まれると、他の超電導ケーブルがこの漏れ磁場の影響を受けることになる。
超電導ケーブルにおいて外部から磁場が印加されると、まず断熱管に磁場が印加される。断熱管は一般的に金属材料で構成されているため、断熱管に磁場が印加されると渦電流によってジュール熱が生じる。そうすると、断熱管の内部に充填される冷媒を冷却する冷凍機の負荷となる。そこで、外部からの磁場の影響を受けた場合にも、冷媒の冷凍機の負荷が小さい断熱管路、及び超電導ケーブル線路の開発が望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、冷媒を冷却する冷凍機の負荷が小さい超電導ケーブル線路を提供することにある。
本発明の別の目的は、冷媒を冷却する冷凍機の負荷が小さい冷媒管を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記超電導ケーブルを備える超電導ケーブル線路を提供することにある。
本発明の一態様に係る超電導ケーブルは、超電導導体層を有する導体部と、導体部を収納すると共に冷媒が充填される内管、及び内管の外側に配設されて内管との間に真空断熱層を形成する外管を有する断熱管と、真空断熱層内で内管を介した冷媒の熱伝導により超電導状態に維持される外側超電導導体層とを備える。
本発明の一態様に係る冷媒管は、冷媒が充填される内管と、内管の外側に配設され、内管との間に真空断熱層を形成する外管と、真空断熱層内で内管を介した冷媒の熱伝導により超電導状態に維持される超電導導体層とを備える。
本発明の一態様に係る超電導ケーブル線路は、上記超電導ケーブルと、超電導ケーブルの上記外側超電導導体層を一点接地している接地箇所とを備える。
上記超電導ケーブル、冷媒管、及び超電導ケーブル線路は、外部からの磁場の影響を受けた場合でも、冷媒を冷却する冷凍機の負荷が小さい。
実施形態1に係る超電導ケーブルを示す概略横断面図である。 実施形態2に係る超電導ケーブルを示す概略横断面図である。 実施形態3に係る超電導ケーブルを示し、上図は概略横断面図であり、下図は概略部分縦断面図である。 実施形態4に係る超電導ケーブルを示し、上図は概略横断面図であり、下図は概略部分縦断面図である。 実施形態5に係る超電導ケーブル線路を示す概略横断面図である。
《本発明の実施形態の説明》
本発明者は、超電導ケーブルへ外部からの磁場(以下、外部磁場と呼ぶことがある)が印加された場合に断熱管に生じる影響を検討した。超電導ケーブルの断熱管は、一般的に、ステンレスなどの金属材料から構成される。断熱管は、液体窒素などの冷媒が充填され、超電導ケーブルの運用温度に対する耐性に優れることが求められるからである。ステンレスなどの金属材料は、磁場が印加されると、渦電流によってジュール熱が生じる。このジュール熱は、断熱管の外管だけでなく内管でも発生する。外管で低減できなかった外部磁場が外管を透過して内管に印加されるからである。外管は外部環境(常温部)側に露出しており、渦電流によるジュール熱は常温部側に放熱するため、冷媒を冷却する冷却機構(冷凍機)の負荷には殆どならない。一方、内管は冷媒と接触する(低温部)側に位置し、渦電流によるジュール熱は冷媒側に放熱するため、冷凍機の負荷となる。そのため、冷凍機の負荷を低減するために内管に生じる渦電流を極力低減するべく、超電導ケーブルにおいて外部磁場を遮蔽することを検討し、本発明を完成するに至った。以下、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る超電導ケーブルは、超電導導体層を有する導体部と、導体部を収納すると共に冷媒が充填される内管、及び内管の外側に配設されて内管との間に真空断熱層を形成する外管を有する断熱管と、真空断熱層内で内管を介した冷媒の熱伝導により超電導状態に維持される外側超電導導体層とを備える。
上記構成によれば、外部からの磁場の影響を受けた場合でも、冷媒を冷却する冷凍機の負荷が小さい。この理由は、以下の(a),(b)が挙げられる。
(a)外側超電導導体層から内管への外部磁場の透過を防止できる。
内管の外周に外側超電導導体層を備えることで、外側超電導導体層で外部磁場(主に垂直磁場)に基づく電流が流れ、外部磁場を打ち消すように磁場を発生させることができる(マイスナー効果)。従って、外部磁場の内管への遮蔽により、外側超電導導体層の内側に位置する内管で渦電流が発生することを抑制でき、内管で渦電流に伴うジュール熱が発生することを抑制できる。外側超電導導体層は、内管を介して超電導状態に維持されているため、電気抵抗がゼロであり外部磁場に基づく電流による発熱(交流損失)は微小なので、外側超電導導体層から内管への伝熱は小さい。従って、内管の温度上昇を抑制できるため、冷媒の温度が上昇し難く冷媒を冷却する冷凍機の負荷を抑制できる。
(b)外側超電導導体層にシールド電流が流れることを防止できる。
外側超電導導体層を例えば一点接地すれば、内部磁場(超電導導体層が発生する磁場)に対する誘導電流(超電導導体層に流れる電流とは逆向きのシールド電流)が外側超電導導体層に流れないようにすることができる。大地を帰路とする循環電流が流れ難いためである。そのため、外側超電導導体層に大きなシールド電流が流れ難く、外側超電導導体層に必要な臨界電流値を抑制でき、外側超電導導体層で発生する交流損失も抑制できる。そのため、内管の温度上昇を抑制できるため、冷媒の温度が上昇し難く冷媒を冷却する冷凍機の負荷を抑制できる。
上記の構成によれば、超電導シールド層を有する導体部を備える従来の超電導ケーブルに比較して、超電導材料の使用量を低減し易い。外側超電導導体層には導体部の超電導導体層に流れる電流と逆向きでほぼ同じ大きさの誘導電流を流して、超電導導体層から生じる磁場を打ち消し合う必要がない。そのため、外側超電導導体層には、従来の超電導シールド層に使用する超電導材料の量ほど超電導材料を使用しなくても良いからである。
上記の構成によれば、外側超電導導体層を構成する超電導材料には、導体部の超電導導体層を構成する超電導材料に比較して、臨界電流の小さい超電導材料を用いることができる。例えば、超電導導体層を構成する超電導線材の切れ端や廃材や劣化材などを用いることもできる。外側超電導導体層には超電導導体層ほどの電流を流す必要がないからである。
(2)上記超電導ケーブルの一形態として、外側超電導導体層の外周に設けられ、外側超電導導体層を内管側へ押さえる押え部材を備えることが挙げられる。
上記の構成によれば、外側超電導導体層を内管に近接させ易いため、外側超電導導体層を超電導状態に維持し易い。
(3)上記超電導ケーブルの一形態として、内管は波付け管で構成され、波付け管の凹凸を平滑化する平滑層を備えることが挙げられる。この場合、外側超電導導体層は、平滑層の外周面に設けられていることが挙げられる。
上記の構成によれば、波付け管に直接外側超電導導体層を形成する場合に比較して、外側超電導導体層を形成し易い。平滑層により波付け管の凹凸を平滑化して波付け管の外周を円筒面に形成できるからである。また、平滑層と波付け管との接触面積を大きくすると共に、平滑層と外側超電導導体層との接触面積を大きくできるため、伝熱性を高められて冷媒により外側超電導導体層を超電導状態に維持し易い。
(4)上記超電導ケーブルの一形態として、外側超電導導体層は、基材の表面に薄膜の超電導層を備えるシート材を巻回して構成されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、シート材はテープ材よりも幅広であり同じ枚数で広範囲に亘って覆えるため、テープ材を巻回して構成する場合に比較して外側超電導導体層の形成が容易である。
(5)上記超電導ケーブルの一形態として、外側超電導導体層は、内管の表面に成膜された薄膜の超電導層を備えることが挙げられる。
上記の構成によれば、外側超電導導体層を内管に密着させられるため、超電導状態を維持し易い。特に、内管が波付け管であっても外側超電導導体層を内管に接触するように形成し易い。
(6)本発明の一態様に係る冷媒管は、冷媒が充填される内管と、内管の外側に配設され、内管との間に真空断熱層を形成する外管と、真空断熱層内で内管を介した冷媒の熱伝導により超電導状態に維持される超電導導体層とを備える。
上記の構成によれば、上述のように超電導導体層から内管への伝熱、及び磁場の透過を防止できるため、外部からの磁場の影響を受けた場合でも、冷媒を冷却する冷凍機の負荷が小さい。
(7)本発明の一態様に係る超電導ケーブル線路は、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の超電導ケーブルと、超電導ケーブルの上記外側超電導導体層を一点接地している接地箇所とを備える。
上記の構成によれば、上述のように超電導導体層から内管への伝熱、及び磁場の透過を防止できるため、外部からの磁場の影響を受けた場合でも、冷媒を冷却する冷凍機の負荷が小さい。
《本発明の実施形態の詳細》
本発明の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
〔実施形態1〕
図1を参照して、実施形態1の超電導ケーブル1Aを説明する。超電導ケーブル1Aは、超電導導体層12を有する導体部10と、内管21及び外管22を有する断熱管20とを備える。内管21の内側には導体部10が収納されると共に冷媒Cが充填され、内管21と外管22との間には、真空断熱層が形成されている。この超電導ケーブル1Aの主たる特徴とするところは、内管21の外周の真空断熱層内に形成され、内管21内の冷媒Cにより超電導状態に維持される外側超電導導体層30を備える点にある。以下、先に超電導ケーブル1Aの主たる特徴部分及び関連する部分の構成を説明し、その後、各構成を詳細に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
[断熱管]
断熱管20は、内管21と外管22とからなる二重構造であり、内管21と外管22との間が真空引きされた真空断熱管である。
内管21内には、上述のように導体部10(後述)が収納されると共に冷媒Cが充填される。冷媒Cの種類は、導体部10の超電導導体層12を超電導状態に維持することは勿論、真空断熱層内に設けられた外側超電導導体層30(後述)を内管21を介した熱伝導により超電導状態に維持する冷媒が挙げられる。例えば、超電導導体層12や外側超電導導体層30を構成する超電導材料にもよるが、液体窒素、液体水素、液体ヘリウムなどが挙げられる。
内管21と外管22との間には、外側超電導導体層30に加えて、スーパーインシュレーション(商品名)といった断熱材(図示略)や、両管21,22の間隔を保持するスペーサ(図示略)が配置される。
外管22の外周には、ポリ塩化ビニルといった耐食性に優れる材料を押出して形成した防食層23を備えることもできる。
内管21及び外管22の種類は、長手方向に凹凸が形成された波付け管や、長手に凹凸の無いストレート管などが挙げられる。波付け管は、凹凸が螺旋状に形成されるコルゲート管や、凹凸が長手に交互に連続して形成されるベローズ管が挙げられる。ここでは、内管21及び外管22をコルゲート管で構成している。
内管21及び外管22の構成材料は、耐食性や極低温でも機械的強度に優れる材料が好ましく、例えば、ステンレス鋼などの金属が挙げられる。
[外側超電導導体層]
外側超電導導体層30は、外部からの磁場(外部磁場)の内管21への印加を遮蔽する。外部磁場の内管21への遮蔽により、その内側に位置する内管21で渦電流が発生することを抑制でき、内管21で渦電流に伴うジュール熱が発生することを抑制できる。そのため、内管21の温度上昇による冷媒の温度上昇を抑制でき、冷媒を冷却する冷凍機の負荷を抑制できる。
外部磁場の内管21への遮蔽は、外部磁場の外側超電導導体層30への印加により外側超電導導体層30自体に外部磁場(主に垂直磁場)を打ち消すように流れる電流を発生させることで行う。外側超電導導体層30は、真空断熱層内(内管21と外管22の間)で、内管21を介した冷媒からの熱伝導により超電導状態に維持される。それにより、外側超電導導体層30の電気抵抗がゼロとなり、外部磁場を遮蔽する電流による発熱を抑制するので、外側超電導導体層30から内管21への伝熱を防止できる。そのため、内管21が加熱されることがなく、冷媒の温度上昇を抑制でき、冷媒を冷却する冷凍機の負荷を抑制できる。
外側超電導導体層30は、接地線(図示せず)を介して一点接地する。それにより、内部磁場(超電導導体層12が発生する磁場)に対する誘導電流が外側超電導導体層30に流れないようにする。大地を帰路とする循環電流が流れ難いためである。そのため、外側超電導導体層30に大きな交流損失が発生せず、外側超電導導体層30から内管21への伝熱を防止する。
外側超電導導体層30の真空断熱層内での内管21の径方向に沿った形成箇所は、外側超電導導体層30を超電導状態に維持できれば、特に限定されないが、内管21に近い箇所とすることが好ましい。そうすれば、外側超電導導体層30を超電導状態に維持し易い。例えば、上述のように真空断熱層内に断熱材やスペーサなどを設ける場合、これら断熱材及びスペーサと内管21との間とする。ここでは、外側超電導導体層30を内管21の外周面に接触するように形成している。
外側超電導導体層30の真空断熱層内での内管21の周方向に沿った形成箇所、及び軸方向に沿った形成箇所は、外部磁場、特に垂直磁場の印加される箇所とすることが挙げられる。即ち、内管21の外周全域に覆うように外側超電導導体層が形成されていなくてもよく、部分的に内管21が外側超電導導体層30から露出していてもよい。極論すれば、垂直磁場の印加されない箇所には、外側超電導導体層30を形成しなくてもよい。ここでは、外側超電導導体層30を上記周方向及び軸方向の全域に亘って形成している。
外側超電導導体層30の層数は、外部磁場の遮蔽に必要な層数であればよく、例えば超電導導体層12(後述)よりも少なくできる。具体的には外側超電導導体層30の層数は、1層(単層)とすることができる。
外側超電導導体層30は、以下の(1)〜(4)のいずれかで構成できる。
(1)超電導材料のシート材やテープ材を螺旋状に巻回する。
(2)超電導材料のシート材やテープ材を縦添えして貼り付ける。
(3)超電導材料からなる薄膜の超電導層を成膜する。
(4)超電導材料の片状材を貼り付ける。
超電導材料としては、例えばBi2223系超電導体や、RE123系超電導体(RE:希土類元素、例えばY(イットリウム)、Ho(ホルミウム)、Nd(ネオジム)、Sm(サマリウム)、Gd(ガドリニウム)など)などが挙げられる。
シート材は、基材の表面に、例えばRE123系超電導体からなる薄膜の超電導層を備える構成が挙げられる。基材の材質は、例えば、ステンレス、ニッケル、銅、銀、及びそれらの合金といった金属が挙げられる。シート材とは、幅が10mm以上をいう。シート材はテープ材よりも幅広であり同じ枚数で広範囲に亘って覆えるため、テープ材を巻回して構成する場合に比較して外側超電導導体層30の形成が容易である。
テープ材は、例えばBi2223系超電導体からなる複数の超電導フィラメントが銀シース及び銀合金シースで被覆された超電導線材や、上記基材の表面にRE123系超電導体からなる薄膜の超電導層を備える超電導線材で構成することが挙げられる。薄膜の超電導層を備える超電導線材のテープ材は、上記シート材を適当な所定の幅にカットすることで得られる。シート材とテープ材の長さは、同程度である。テープ材は、シート材よりも幅が狭いため、シート材に比較して内管21の外周に螺旋状に巻回し易い。
成膜とは、例えば、RE123系超電導体からなる薄膜の超電導層を直接内管21の外周面に形成することが挙げられる。
片状材は、テープ材と略同等の幅であるが、テープ材よりも長さの短いもの、例えばテープ材の切れ端など長手に一連に形成されていないものが挙げられる。長さが短いとは、例えば、100mm以下をいう。
上記シート材やテープ材を螺旋状に巻回して外側超電導導体層30を構成する場合、シート材やテープ材の数は適宜選択でき、一連のシート材やテープ材を巻回して構成してもよいし、複数のシート材やテープ材を巻回して構成してもよい。シート材やテープ材の巻き方は、突き合わせ巻き、重ね巻き、共巻き、ギャップ巻きなどが挙げられる。突き合わせ巻きとは、隣接するターンの側縁同士が突き合わされた状態となるようにシート材やテープ材を巻回することである。重ね巻きとは、隣接するターン同士が部分的に重なる状態となるようにシート材やテープ材を巻回することである。隣接するターン同士が連続して重なるように巻回してもよいが、一般的に重ね巻きする際は、曲げ特性を確保するために、以下のようにしてシート材やテープ材を巻回する。まず、ギャップ巻きをする。ギャップ巻きとは、隣接するターン同士の間にギャップが形成されるようにテープを巻回することである。次に、そのギャップを埋めるようにシート材やテープ材を重ねる(例えば1/2ラップ等)。共巻きとは、2枚のテープを相互に重ねて巻回することである。
上記シート材やテープ材を縦添えして外側超電導導体層30を構成する場合、シート材やテープ材の数は、そのサイズ(周方向に沿った長さ)と内管21の周方向を覆う領域とに応じて適宜選択するとよい。シート材やテープ材と内管21との固定は、例えば、はんだ付けにより行える。
成膜された薄膜の超電導層で外側超電導導体層30を構成する場合、成膜には、例えば、MOD(Metal Organic Deposition)法を用いることが挙げられる。MOD法は、超電導材料の原料を塗布して焼成することで超電導導体層を形成する手法である。この場合、外側超電導導体層30を内管に密着させられるため、超電導状態を維持し易い。特に、内管21が波付け管であっても外側超電導導体層30を内管21に接触するように形成し易い上に、波付け管の凹凸を平滑化する平滑層50(図3、4:実施形態3,4)を別途形成しなくてもよい。
ここでは、外側超電導導体層30は、超電導材料の一連のテープ材を隣接するターン同士の間に隙間が形成されないように螺旋状に巻回して形成している。
[導体部]
超電導ケーブル1Aは、超電導導体層12を有する一つの導体部10が断熱管20に収納された単心のケーブル構造である。導体部10は、交流送電用ケーブルや直流送電用ケーブルと同様の基本構造とすることができる。ここでは、導体部10は、中心からフォーマ11、超電導導体層12、電気絶縁層13、常電導接地層14、保護層15を備える超電導ケーブルコアであり、超電導シールド層を備えない。この超電導ケーブルは、所謂低温絶縁型超電導ケーブルであり、これら各構成部材には公知の構成・材料を用いることができる。
(フォーマ)
フォーマ11は、超電導導体層12の支持、ケーブルの抗張力材、その他、短絡や地絡などの事故時における事故電流を分流する通電路などに利用される。通電路にも利用する場合、フォーマ11は、銅やアルミニウムなどの常電導材料からなる中実体や中空体(管体)が好適に利用できる。中実体は、例えば、エナメルなどの絶縁被覆を備える銅線を複数本撚り合わせた撚り線材が挙げられる。
フォーマ11の外周にクッション層(図示略)を設けてもよい。クッション層は、例えば、クラフト紙といった絶縁紙や、クラフト紙とプラスチックとを複合した半合成絶縁紙(例えば、PPLP(住友電気工業株式会社 登録商標))からなる絶縁性テープの巻回により形成できる。
(超電導導体層)
超電導導体層12は、フォーマ11の外周に上述の超電導線材を螺旋状に巻回して形成された単層又は多層構造である。多層構造の場合、各層を構成する超電導線材同士の間には、例えば、クラフト紙などの絶縁材を巻回して層間絶縁層を形成し、電気的に絶縁する。超電導導体層12を構成する超電導線材の数や超電導線材層の数は、所望の使用電流値(電流容量)に応じて選択できる。
(電気絶縁層)
電気絶縁層13は、超電導導体層12を電気絶縁層13の外側に配置された部材と電気的に絶縁する。電気絶縁層13は、超電導導体層12の上に、上述のクッション層と同様のクラフト紙や半合成絶縁紙からなる絶縁性テープを巻回して形成される。
(常電導接地層)
常電導接地層14は、従来のOFケーブルやCVケーブルと同様に絶縁層の外側に設けられて、接地電位を形成する層であり、銅といった常電導材料からなる金属テープを巻回した構成が挙げられる。これにより、電気絶縁層13内の電界分布の均一化が図れ、安定した絶縁性能が得られるが、これは既存ケーブルも同じである。常電導接地層14は、接地線(図示せず)を介して接地されている。常電導接地層14は、例えば一点接地することで、超電導導体層12からの磁場に対する誘導電流が流れないようにすることができる。
(保護層)
保護層15は、導体部10の最外周に配置され、その内側に配置された部材を機械的に保護したり、常電導接地層14と断熱管20との間の電気的絶縁を確保したりする。保護層15は、上述のクッション層と同様のクラフト紙や半合成絶縁紙からなる絶縁性テープを巻回して形成される。
[超電導ケーブルの製造]
超電導ケーブル1Aの製造は、例えば、以下のようにして行われる。導体部10、内管21、外側超電導導体層30の構成材料(テープ材)、スーパーインシュレーションやスペーサ、外管22を準備する。次に、導体部10を内管21に収納する。導体部10を収納したら、その内管21の外周に超電導材料のテープ材を巻回して外側超電導導体層30を形成する。外側超電導導体層30の形成は、導体部10を内管21に収納する前に行ってもよい。次に、スーパーインシュレーションやスペーサを外側超電導導体層30の外周に配置する。このとき、スーパーインシュレーションを外側超電導導体層30を内管21側へ押さえる押え部材40(図2:実施形態2で詳述する)に利用してもよい。そして、外管22をスーパーインシュレーション及びスペーサの外周に被せる。
〔作用効果〕
上述の超電導ケーブル1Aによれば、以下の効果を奏することができる。
(1)外部からの磁場の影響を受けた場合でも、冷媒を冷却する冷凍機の負荷が小さい。超電導状態に維持されると共に一点接地される外側超電導導体層30を内管21の外周に設けることで、外部磁場の影響を受けた場合でも、外側超電導導体層30自体に外部磁場を遮蔽する電流を流すことができる。そのため、外部磁場の内管21への磁場の透過を抑制できる。また、外側超電導導体層30自体に外部磁場を遮蔽する電流が流れても、外側超電導導体層30は超電導状態に維持されていることで、その電流による発熱は微小なため、外側超電導導体層30から内管21への伝熱を防止できる。更に、外側超電導導体層30を一点接地することで、内部磁場に対する誘導電流が外側超電導導体層に流れないようにすることができる。そのため外側超電導導体層30に発生する交流損失を抑制できるので、外側超電導導体層30から内管21への伝熱を防止できる。
(2)超電導シールド層を有する導体部を備える従来の超電導ケーブルに比較して、超電導材料の使用量を低減し易い。外側超電導導体層30には導体部10の超電導導体層12に流れる電流と逆向きでほぼ同じ大きさの誘導電流を流して、超電導導体層12から生じる磁場を打ち消し合う必要がない。そのため、外側超電導導体層30には、従来の超電導シールド層に使用する超電導材料の量ほど超電導材料を使用しなくても良いからである。超電導材料の使用量の低減には、電流値の大きな超電導ケーブルほど効果的である。電流値が大きくなるに伴い、従来の超電導ケーブルでは超電導シールド層を形成する超電導材料の使用量も多くなり易いのに対して、外側超電導導体層30を構成する超電導材料の使用量は殆ど増加しないからである。それは、外側超電導導体層30の超電導材料の増減は超電導ケーブルの電流値には殆ど影響されないからである。
(3)外側超電導導体層30を構成する超電導材料には、超電導導体層12を構成する超電導材料に比較して、臨界電流の小さい超電導材料を用いることができる。例えば、超電導導体層12を構成する超電導線材の廃材や劣化材などを用いることもできる。超電導導体層12のような大電流を流す必要がないからである。
〔実施形態2〕
図2を参照して、実施形態2の超電導ケーブル1Bを説明する。超電導ケーブル1Bは、外側超電導導体層30の外周に設けられ、外側超電導導体層30を内管21側へ押さえる押え部材40を備える点が、実施形態1の超電導ケーブル1Aと相違し、その他の点は実施形態1の超電導ケーブル1Aと同様である。以下、この相違点を中心に説明し、その他の構成の説明は省略する。相違点を中心に説明し、その他の構成の説明を省略する点は、実施形態3以降も同様である。
[押え部材]
押え部材40は、外側超電導導体層30を内管側へ押さえることで、外側超電導導体層30を内管21へ近接させ易いため、外側超電導導体層30を超電導状態に維持し易い。
押え部材40には、例えば、クラフト紙やポリエチレンテレフタレート(PET)のテープ材を用いることが挙げられる。特に、押え部材40をPETのテープ材で構成することが好ましい。PETは、クラフト紙に比較して、水分を吸収し難いため、巻回する前に水分を含んだ状態になり難い。また、PETは、アウトガスの発生が少ない。そのため、真空断熱層に設けられる押え部材40をPETのテープ材で構成すれば、真空度の低下などが生じ難い。
押え部材40による外側超電導導体層30の押えは、外側超電導導体層30をシート材やテープ材を螺旋状に巻回して形成する場合、外側超電導導体層30の螺旋方向に沿って巻回することで行ったり、その螺旋方向と反対の螺旋方向に巻回することで行ったりすることが挙げられる。前者の場合、押え部材40の上記押えは、隣接するターン同士を跨ぐように巻回することで行うことが好ましい。また、押え部材40の上記押えは、外側超電導導体層30をシート材やテープ材を内管21に縦添えして貼り付ける場合、その外周に螺旋状に巻回して行う。
ここでは、押え部材40は、PETのテープ材を隣接するターン同士の間にギャップが形成されるように、外側超電導導体層30の螺旋方向に沿って巻回して形成している。
超電導ケーブル1Bによれば、外側超電導導体層30を内管21に接触させられるため、外側超電導導体層30を超電導状態に維持し易い。
〔実施形態3〕
図3を参照して、実施形態3の超電導ケーブル1Cを説明する。超電導ケーブル1Cは、波付け管(コルゲート管)で構成される内管21の凹凸を平滑化する平滑層50を備える点が実施形態1の超電導ケーブル1Aと相違する。超電導ケーブル1Cは、真空断熱層内で内管21の外周に、内側から順に、平滑層50、外側超電導導体層30が形成されている。
[平滑層]
平滑層50は、内管21の凹凸を平滑化して外周を円筒面に形成する。それにより、内管21に直接外側超電導導体層30を形成する場合に比較して、外側超電導導体層30を形成し易い。平滑層50による上記円筒面の形成は、内管21の凹凸の全域を覆うことで行ってもよいし、図3下図のように、波付け管の凹凸の凹部のみを埋設し、凸部の頂点を露出させて、この頂点が円筒面の一部を形成するように行ってもよい。後者の場合、内管21と外側超電導導体層30とを接触させられて、前者の場合に比較して外側超電導導体層30の超電導状態を維持し易い。また、内管21と外側超電導導体層30とを導通させられるため、外側超電導導体層30を一点接地する際、内管21を一点接地してもよい。更に、外側超電導導体層30をシート材やテープ材を内管21の外周に縦添えして形成する場合、外側超電導導体層30を凸部の頂点にはんだ付けなどで固定し易い。
平滑層50には、例えば、上述の押え部材40と同様、クラフト紙やポリエチレンテレフタレート(PET)のテープ材を用いることが挙げられ、押え部材40と同様の理由からPETのテープ材を用いることが特に好ましい。
超電導ケーブル1Cによれば、波付け管からなる内管21に直接外側超電導導体層30を形成する場合に比較して、外側超電導導体層30を形成し易い。平滑層50により内管21の凹凸を平滑化して内管21の外周を円筒面に形成できるからである。また、平滑層50と内管21との接触面積を大きくすると共に、平滑層50と外側超電導導体層30との接触面積を大きくできるため、伝熱性を高められて冷媒Cにより外側超電導導体層30を超電導状態に維持し易い。
〔実施形態4〕
図4を参照して、実施形態4の超電導ケーブル1Dを説明する。超電導ケーブル1Dは、実施形態2で説明した押え部材40と、実施形態3で説明した平滑層50との両方を備える形態とすることができる。即ち、内管21の外周に、内側から順に、平滑層50、外側超電導導体層30、押え部材40が形成されている。平滑層50は、内管21の凹部を埋設し、凸部の頂点が円筒面の一部を構成するように形成している。外側超電導導体層30は、超電導材料のテープ材を隣接するターン同士の間に隙間が形成されないように螺旋状に巻回して形成している。押え部材40は、PETのテープ材を隣接するターン同士の間にギャップが形成されるように外側超電導導体層30の螺旋方向に沿ってギャップ巻きして形成している。
超電導ケーブル1Dによれば、平滑層50を備えることで外側超電導導体層30を内管21の外周に形成し易く、押え部材40を備えることで外側超電導導体層30を内管21の凸部に接触させ易くて超電導状態を維持し易い。
〔実施形態5〕
図5を参照して、実施形態5の超電導ケーブル線路100を説明する。超電導ケーブル線路100は、実施形態2で説明した超電導ケーブル1Bと、超電導ケーブル1Bの外側超電導導体層30を一点接地している接地箇所とを備える。超電導ケーブル1Bの両端には、終端接続部(端末)101,102が接続されている。終端接続部101,102には、冷媒Cを循環する冷媒管320が接続され、その冷媒管320の途中には、超電導ケーブル1Bに冷媒Cを供給する供給機構200が設けられている。超電導ケーブルは実施形態2で説明した超電導ケーブル1Bを用いているが、実施形態1、3、4の超電導ケーブル1A、1C、1Dを用いることができる。図5では、説明の便宜上、断熱管20の外周の防食層は省略している。ここでは、常電導電力ケーブルが布設されている既存の地中管路に近接する管路に超電導ケーブル1Bを増設することを模擬しており、各管路に布設されたU相・V相・W相の常電導電力ケーブル(図示略)を2回線と、単心型の超電導ケーブル1Bと、冷媒管320とが並列して配置されている。
[終端接続部]
終端接続部101,102は、常電導ケーブルと超電導ケーブル1Bとの間で電力を受け渡すための端末であり、常電導機器と超電導導体層との接続部分が収納される。この終端接続部101,102は、上記接続部分を冷却する冷媒が充填される冷媒槽103と、冷媒槽103の外周を覆うように配置される真空槽104とを備える。冷媒槽103と真空槽104との間には、両者の間隔を保つ絶縁性の支持部105を離散的に設けている。
冷媒槽103は、接地部(接地線500)を介して接地されている。接地線500は真空槽104から引き出され、その引き出し箇所にはハーメチックシールなどで封止するとよい。終端接続部101は、超電導ケーブル1Bと電気的に導通して接続され、終端接続部102は、超電導ケーブル1Bと絶縁連結部400を介して電気的に絶縁して接続されている。この絶縁連結部400は、超電導ケーブル1Bの断熱管20(外側超電導導体層30)に流れる誘導電流のうち、大地との間に流れる非常に大きな循環電流を遮断する。
[供給機構]
供給機構200は、冷媒Cを貯留する冷却容器と、冷媒Cを所定温度に冷却する冷却機構(冷凍機)と、冷却機構で冷却した冷媒Cを超電導ケーブル1Bに圧送して循環させる圧送機構(ポンプ)とを備え(いずれも図示略)、冷凍機が接地部(接地線500)を介して接地されている。供給機構200は、冷媒管320の途中(往路管320oと復路管320rとの間)に設けられている。
[冷媒管]
冷媒管320は、上記冷凍機構で冷却された冷媒Cを超電導ケーブル1Bの断熱管20(終端接続部101)に流通させる往路管320oと、断熱管20の内部に流通された冷媒Cを供給機構200に戻す復路管320rとを備える。往路管320oは、供給機構200と終端接続部101との間に設けられ、復路管320rは、終端接続部102と供給機構200との間に設けられる。
往路管320o及び復路管320rは、上述した超電導ケーブル1A〜1Dに備わる断熱管20と同様、内管321と外管322とからなる二重構造であり、内管321と外管322との間が真空引きされた真空断熱管である。内管321内には、上述した冷媒Cが流通される。内管321と外管322との間には、上述の超電導ケーブル1Bの外側超電導導体層30及び押え部材40と同様の超電導導体層330及び押え部材340が形成されている。この押え部材40と外管322との間には、スーパーインシュレーション(図示略)やスペーサ(図示略)が配置される。内管321と外管322は共に、コルゲート管で構成されている。超電導導体層330は、内管321を介した冷媒Cの熱伝導により超電導状態に維持される。
往路管320oの一端は、供給機構200と電気的に導通して接続され、他端側は、終端接続部101と絶縁連結部400を介して電気的に絶縁して接続される。この往路管320oは、供給機構200と電気的に導通して接続されることから、供給機構200の接地線500を介して接地される。この絶縁連結部400は、冷媒管320の往路管320o(超電導導体層330)に流れる誘導電流のうち、大地との間に流れる非常に大きな循環電流を遮断する。
復路管320rの一端側は、終端接続部102と電気的に導通して接続され、他端側は、供給機構200と絶縁連結部400を介して電気的に絶縁して接続される。復路管320rは、終端接続部102と電気的に導通して接続されることから、終端接続部102の接地線500を介して接地される。この絶縁連結部400は、冷媒管320の復路管320r(超電導導体層330)に流れる誘導電流のうち、大地との間に流れる非常に大きな循環電流を遮断する。
これら超電導ケーブル1Bと終端接続部101,102と供給機構200と冷媒管320との電気的な接続関係及び絶縁関係により、断熱管20の内管21(外側超電導導体層30)と、往路管320o及び復路管320rの内管321(超電導導体層330)はいずれも一点接地されていることになる。一点接地された外側超電導導体層30及び超電導導体層330は、誘導電流のうち大地を帰路とする循環電流が流れ難いため、外側超電導導体層30や超電導導体層330が長手方向に電磁誘導を受けるような磁場環境下に布設されていても、非常に大きな上記循環電流が外側超電導導体層30や超電導導体層330に流れることを抑制できる。
超電導ケーブル線路100によれば、外側超電導導体層30や超電導導体層330が磁場を生成せず、外側超電導導体層30や超電導導体層330から内管21,321への磁場の印加を防止できる。従って、外部磁場の内管21,321への遮蔽により、その内側に位置する内管21、321で渦電流が発生することを抑制でき、内管21,321で渦電流に伴うジュール熱が発生することを抑制できる。その結果、内管21、321の温度上昇を抑制できるため、冷媒Cの温度が上昇し難く冷媒を冷却する冷凍機(供給機構200)の負荷を抑制できる。
なお、上述の実施形態では、超電導ケーブルは、超電導導体層の外周に電気絶縁層を設けた超電導ケーブルコアを断熱管内に収納し、断熱管内に冷媒を充填する低温絶縁型超電導ケーブルを例に説明した。超電導ケーブルは、超電導導体層を有する導体部を内部に収納する断熱管の外周面に電気絶縁層を形成する常温絶縁型超電導ケーブルで構成することもできる。
本発明の超電導ケーブルは、外部からの磁場が印加される可能性のある送電線路に配置される超電導ケーブルに好適に利用することができる。本発明の冷媒管は、極低温の冷媒を充填する冷媒管において外部からの磁場が印加される可能性のある冷媒管に好適に利用することができる。本発明の超電導ケーブル線路は、外部からの磁場が印加される可能性のある送電線路に好適に利用することができる。
1A,1B,1C,1D 超電導ケーブル C 冷媒
10 導体部
11 フォーマ 12 超電導導体層 13 電気絶縁層
14 常電導接地層 15 保護層
20 断熱管
21 内管 22 外管 23 防食層
30 外側超電導導体層
40押え部材
50平滑層
100 超電導ケーブル線路
101,102 終端接続部(端末)
103 冷媒槽 104 真空槽 105 支持部
200 供給機構
320 冷媒管 320o 往路管 320r 復路管
321 内管 322 外管
330 超電導導体層
340 押え部材
400 絶縁連結部
500 接地線

Claims (7)

  1. 超電導導体層を有する導体部と、
    前記導体部を収納すると共に冷媒が充填される内管、及び前記内管の外側に配設されて前記内管との間に真空断熱層を形成する外管を有する断熱管と、
    前記真空断熱層内で前記内管を介した前記冷媒の熱伝導により超電導状態に維持される外側超電導導体層とを備える超電導ケーブル。
  2. 前記外側超電導導体層の外周に設けられ、前記外側超電導導体層を前記内管側へ押さえる押え部材を備える請求項1に記載の超電導ケーブル。
  3. 前記内管は波付け管で構成され、
    前記波付け管の凹凸を平滑化する平滑層を備え、
    前記外側超電導導体層は、前記平滑層の外周面に設けられている請求項1又は請求項2に記載の超電導ケーブル。
  4. 前記外側超電導導体層は、基材の表面に薄膜の超電導層を備えるシート材を巻回して構成されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の超電導ケーブル。
  5. 前記外側超電導導体層は、前記内管の表面に成膜された薄膜の超電導層を備える請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の超電導ケーブル。
  6. 冷媒が充填される内管と、
    前記内管の外側に配設され、前記内管との間に真空断熱層を形成する外管と、
    前記真空断熱層内で前記内管を介した前記冷媒の熱伝導により超電導状態に維持される超電導導体層とを備える冷媒管。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の超電導ケーブルと、
    前記超電導ケーブルの前記外側超電導導体層を一点接地している接地箇所とを備える超電導ケーブル線路。
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