JP4688763B2

JP4688763B2 - 液晶表示装置

Info

Publication number: JP4688763B2
Application number: JP2006250448A
Authority: JP
Inventors: 良長見
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 2006-09-15
Filing date: 2006-09-15
Publication date: 2011-05-25
Anticipated expiration: 2026-09-15
Also published as: JP2008070701A

Description

本発明は、液晶パネルの対向電圧を自動補正できる液晶表示装置に関する。

近年、液晶パネルが、テレジョン受像機、パソコンのモニタ、携帯電話と、幅広く利用されている。液晶は周囲温度等の使用環境によって特性変化を起こして、一定周期でちらつきを生じるフリッカ等が発生し、表示品質を下げる場合もあった。これらの問題については以下に詳述する。

ＴＦＴによるアクティブマトリックス方式の液晶パネルにおいては、ドレイン電圧が、ＴＦＴのゲート・ドレイン間の重なりによる擬似容量の影響を受ける。ゲートオフ時に、この擬似容量の影響によって、絵素電極に保持される電圧が、変動する。また、ＴＦＴ基板と対向基板の各配向膜の膜厚差、ＴＦＴ基板と対向基板の各配向膜の材料の違い、さらに反射型の液晶表示装置のように、ＴＦＴ基板側の電極材料と対向基板側の電極材料との違い（例えば、ＴＦＴ側がアルミニウムの反射電極で、対向基板側がＩＴＯの透明電極）などの、液晶層を挟んで対向する各電極および配向膜の材料の差による非対称性によっても、ドレイン電圧は変動する。このため、液晶層に印加される実効電圧が一定周期で変わってしまい、透過光（反射型などでは反射光）が変化してフリッカが生ずる。

また、一般に知られているように、周囲環境の変化により、ＴＦＴの特性が変化するため、一度補正した実効電圧のバランスが崩れ、再度対向電圧を微調しなければならないという問題があった。しかし、実際に出荷後再補正を行うことは難しかった。また、フリッカは人間に不快感を与えるだけでなく、実効電圧のバランスが崩れることで、液晶層に直流成分が印加され続けることになり液晶の寿命が短くなったり、焼きつき現象などの不具合の原因にもなる。

そこで、特許文献１には、液晶パネルの周囲温度に応じて対向電圧を補正し、フリッカの発生や液晶劣化を抑える表示装置が開示されている。
特開２００５−２９２４９３号公報

しかし、テレビジョン受像機やパソコンのモニタのような長時間の使用が行われる製品においては、長時間の使用により液晶の特性変化が発生する。特に、表示輝度を上げるため、高輝度のバックライトを使用することで、長時間にわたり液晶周囲温度が高い状態となってしまい、液晶材料の電圧保持率の低下が起こる。こうして、液晶の特性自体が変化してしまうので、特許文献１のように、周囲温度に応じた対向電圧の初期設定値に従って補正しても、表示品位の低下（フリッカ起因）を抑えきれず、また、ＤＣ印加による液晶劣化の可能性も考えられる。

本発明は、斯かる実情に鑑み、表示時間に関係する液晶特性変化を考慮して、対向電圧の補正を行い、表示品位の低下を防ぐことができる液晶表示装置を提供することにある。

本発明は、液晶パネルに映像を表示する液晶表示部と、前記表示部の周囲温度を検出する温度検出部と、前記表示部の表示時間をカウントする表示時間カウント部と、所定温度以上の前記検出温度と該温度の表示時間の積算を行う積算処理部と、現検出温度と前記積算処理部で演算した積算値に基づいて、所定の表示品位に必要な値に対向電圧値を修正する表示制御部とを備えたことを特徴とする。

また、本発明は、検出温度と前記積算値とに対応する表示品位に必要な対向電圧値を記憶する記憶手段をさらに備え、前記表示制御部は、前記記憶手段に記憶した値に基づいて対向電圧値を修正することを特徴とする。

本発明によれば、液晶表示部の周囲温度を検出し、表示時間をカウントして温度と時間の積算値を算出し、それに基づいて液晶表示部の対向電圧値をフリッカ等が生じない値に修正するので、液晶の特性変化が起こっても表示品位を落とすことがなく、ユーザの視聴性を向上させることができる。

以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。

図１は、本発明に係る液晶表示装置を示すブロック図である。この液晶表示装置は、液晶パネルからなる液晶表示部１１、液晶表示部１１の周囲温度を検出する温度検出部１２、液晶表示部１１の表示時間をカウントする表示時間カウンタ部１３、検出温度と表示時間を積算処理する温度／時間演算部１４、液晶パネルの対向電圧設定のためのシミュレーションデータを格納しているデータ格納メモリ１５、液晶表示部１１に対して映像を表示させる制御を行う表示制御部１６とからなる構成である。

液晶は、温度により特性が変化して実効電圧が変化するので、表示品位を高く保つのに適する対向電圧に修正補正する必要がある。図２は液晶パネル周囲の温度毎に、表示時間と対向電圧のシフト量（補正量）を示すグラフである。図に示すように、常温環境下（２５℃）における対向電圧値を基準に温度が上がるに従って対向電圧値を上げていく。こうして、フリッカ等による表示品位の劣化を抑えていく。

また、液晶は長時間の使用により特性変化を起こすが、温度によって特性変化の度合いが異なる。特にテレビジョン受像機の液晶パネルにおいては高輝度を確保するため、高輝度バックライトを使用する関係で、温度が高くなる。液晶は表示時間が長くなるにつれて特性劣化（電圧保持率の低下）を起こしていくため、対向電圧のシフト量を増加していく必要がある。図３に対向電圧シフト量と各温度における液晶パネルの表示時間の関係を示す。

例えば、図３によれば、２５℃未満の場合はほとんど特性変化は進まず、対向電圧のシフトはほとんど必要ない。一方、温度が２５℃以上から液晶の特性変化が進み、対向電圧の補正が必要となる。そこで図３では２５℃常温を基準に対向電圧のシフト量を図の温度が６０℃の場合は、特性の変化が顕著に進行し、対向電圧のシフト量を表示時間とともに増加する必要がある。そして、所定の時間（３００時間程度）に達すると特性変化が進まず、対向電圧も一定で良い。

次に、表示時間と液晶の特性変化の関係に基づく、液晶表示装置の対向電圧補正処理について説明する。図４は、表示時間と液晶の特性変化の関係に基づく、液晶表示装置の対向電圧補正処理を示すフローチャート図である。

液晶表示装置の電源をＯＮすると（ステップＳ１）、表示時間カウンタ部１３がカウントを始め、温度検出部１２が液晶表示部１１の周囲温度の検出を始める（ステップＳ２）。温度／時間演算部１４は、検出温度が所定の温度を超えたものだけ、温度と表示時間の積算演算を行う。図５は、液晶表示部の周囲温度と表示時間を示すグラフである。前記所定温度は、液晶の特性変化を起こし始める２５℃に設定してあり、これを超える温度に対して、時間との積算処理を行う。図５では、表示時間約２００時間〜４５０時間まで、２５℃を超えている。この間の積算処理を行うわけであり、図５の斜線部分の面積が温度と時間の積算された値となる。

そこで、現在の液晶表示部１１の周囲温度と、温度／時間演算部１４が演算した積算値に基づいて、表示制御部１６が対向電圧値を求める。温度／時間演算部１４が演算した積算値に対応する対向電圧を、予めシミュレーションによって求めておき、このデータテーブルをデータ格納メモリ１５に記憶している。液晶表示部１６は、液晶表示部１１の温度と、温度／時間演算部１４が演算した積算値に対応する対向電圧値をデータ格納メモリが記憶しているデータテーブルから求めて、液晶表示部１１を求めた対向電圧値で駆動する（ステップＳ４）。

こうして、液晶表示部１６の表示時間に応じて液晶の対向電圧値を表示品位を低下させないよう補正することによって、フリッカ等やＤＣ印加による液晶特性の劣化を防ぐことできる。

本発明に係る液晶表示装置を示すブロック図である。液晶パネル周囲の温度毎に、表示時間と対向電圧のシフト量（補正量）を示すグラフである。対向電圧シフト量と各温度における液晶パネルの表示時間の関係を示すグラフである。表示時間と液晶の特性変化の関係に基づく、液晶表示装置の対向電圧補正処理を示すフローチャートである。液晶表示部の周囲温度と表示時間を示すグラフである。

符号の説明

１１液晶表示部
１２温度検出部
１３表示時間カウンタ部
１４温度／時間演算部
１５データ格納メモリ
１６表示制御部

Claims

液晶パネルに映像を表示する液晶表示部と、
前記表示部の周囲温度を検出する温度検出部と、
前記表示部の表示時間をカウントする表示時間カウント部と、
所定温度以上の前記検出温度と該温度の表示時間の積算を行う積算処理部と、
現検出温度と前記積算処理部で演算した積算値に基づいて、所定の表示品位に必要な値に対向電圧値を修正する表示制御部とを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
検出温度と前記積算値とに対応する表示品位に必要な対向電圧値を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記表示制御部は、前記記憶手段に記憶した値に基づいて対向電圧値を修正することを特徴とする請求項１に記載の液晶表示装置。