JP4687842B2 - 交流電動機駆動システムの制御装置 - Google Patents
交流電動機駆動システムの制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4687842B2 JP4687842B2 JP2000354494A JP2000354494A JP4687842B2 JP 4687842 B2 JP4687842 B2 JP 4687842B2 JP 2000354494 A JP2000354494 A JP 2000354494A JP 2000354494 A JP2000354494 A JP 2000354494A JP 4687842 B2 JP4687842 B2 JP 4687842B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- voltage
- inverter
- leg
- phase
- voltage command
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Control Of Ac Motors In General (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、多相電圧形インバータにより駆動される交流電動機の駆動システムの制御装置において、特に電源の高力率化や入力電流の高調波成分の抑制を可能にした制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の交流電動機の駆動システムを、多相電圧形インバータや多相交流電動機の中でも一般に使用されている三相電圧形インバータと三相交流電動機とを用いて説明する。
まず、第1の従来技術を図5に示す。図5に示す駆動システムは、三相電圧形インバータを構成するインバータ側レッグ23の交流出力端子u,v,wに、三相交流電動機(以下、電動機という)21の星形結線された電機子巻線の各一端を接続し、これらの電機子巻線の中性点(以下、電動機の中性点ともいう)に単相交流電源22の一端を接続するとともに、インバータ側レッグ23の直流リンク部に接続された半導体スイッチング素子及び逆並列ダイオードからなる電源側レッグ24の中性点Rに交流電源22の他端を接続して構成されている。
【0003】
この回路の動作は、「零相電力を利用した新型単相―三相変換回路」(平成9年電気学会産業応用部門全国大会53)により公知であるので、詳細な説明は省略してその概要を簡単に述べる。
まず、三相インバータの出力電圧がゼロになるスイッチングパターンは、インバータ側レッグ23の上側アームのスイッチング素子がすべてオンするパターンと、下側アームのスイッチング素子がすべてオンするパターンとの2通り存在するが、両パターンでは負荷中性点の電位が異なる。負荷中性点の電位vnは、インバータの直流リンク電圧edcの中点(1/2の電位点)を基準とすると、以下の数式1のようになる。
【0004】
【数1】
vn=(1/2)edc :上側アームすべてオン
vn=(−1/2)edc :下側アームすべてオン
【0005】
つまり、上記2つのスイッチングパターンを使い分けることによって中性点の電位を制御できるので、結果的に電動機21の中性点電流を制御することができる。ここで、上記2つのスイッチングパターンによる出力電圧ベクトルをゼロ電圧ベクトルという。
【0006】
上記駆動システムにおいて、電動機21の中性点電位は、インバータ側レッグ23を構成する3つのレッグを、零相分電圧を指令値とするあたかも1つのレッグ(仮想レッグ)と見なして制御することができる。図5では、この仮想レッグ(インバータ側レッグ23)と電源側レッグ24とによってフルブリッジ正弦波整流器が構成されている。この場合、電動機21の零相インダクタンス(主に漏れインダクタンス)を、フルブリッジ正弦波整流器の入力リアクトルとして代用することができる。
このように図5の従来技術ではインバータ側レッグ23を仮想レッグとして使用できることから、少ないスイッチング素子数で入力リアクトルを用いずに電源電流を正弦波にし、電源側力率を改善することができる。
【0007】
図5の下段に示すように、電源側レッグ24の電圧指令は次のようにして作られる。
まず、直流リンク電圧指令edc *と実際値edcとの偏差を自動電圧調節器(AVR)1に入力する。一方、電源電圧vsの位相を基準とした正弦波を位相検出手段3及びsinテーブル4を用いて作成し、この正弦波を自動電圧調節器1の出力信号に乗じて入力電流基準信号is *を作成する。
入力電流基準信号is *と電源電流の実際値isとの偏差を自動電流調節器(ACR)2に入力し、その出力信号vr *をPWM回路(図示せず)の電圧指令として零相分演算手段6に入力する。そして、この演算手段6により、後述のごとく電源側レッグ24に対する電圧指令vRs *を作成する。
【0008】
インバータ側レッグ23の電圧指令は、以下のようにして作られる。
インバータ出力電圧指令(実効値指令)vinv *と、インバータ出力角周波数指令ω*を積分手段7により積分して得た角度指令とをインバータ電圧指令発生器5に入力し、振幅が√2vinv *、角周波数がω*である三相対称交流電圧波形としての各相電圧指令vu *,vv *,vw *を作成する。インバータ電圧指令発生器5としては、回転座標変換器、三相発振器などを用いる。
上記電圧指令vu *,vv *,vw *に、電動機21の中性点電流を制御するためにインバータの零相分電圧(仮想レッグの電圧指令vn *)を重畳する。重畳する零相分電圧の大きさは、零相分演算手段6により計算される。
【0009】
零相分演算手段6は、電源側レッグ24と仮想レッグとの電圧分配比kを決め、電源側レッグ電圧指令vRs *と仮想レッグの電圧指令vn *とを演算する。この際の電圧分配比kは、スイッチング損失を低減し、かつスイッチング素子の電圧定格を下げるため、直流リンク電圧edcが最小となるように数式2を用いて求める。
なお、数式2において、vinvrms:最大インバータ出力線間電圧の実効値、vsrms:電源電圧実効値である。
【0010】
【数2】
【0011】
図5の零相分演算手段6では、自動電流調節器2の出力信号vr *に数式2で求めた電圧分配比kを乗じて仮想レッグの電圧指令vn *を演算し、上記出力信号vr *に−(1−k)を乗じて電源側レッグ24の電圧指令vRs *を演算する。このうち、仮想レッグの電圧指令vn *は、インバータ電圧指令発生器5の出力である各相電圧指令vu *,vv *,vw *に重畳されて各相電圧指令vus *,vvs *,vws *となる。
【0012】
演算された各レッグ23,24に対する電圧指令vRs *,vus *,vvs *,vws *は三角波比較方式PMWなどによりPWMパルスに変換され、主回路側の各半導体スイッチング素子(IGBT)のゲートのオンオフ指令となる。
なお、各レッグ23,24の上下アームに対するオンオフ指令はそれぞれ互いに反転されたものであり、電圧指令vRs *,vus *,vvs *,vws *に基づいて合計8個のスイッチング素子に対するオンオフ指令が作成されることになる。
【0013】
次に、他の従来技術を図6に示す。図6の回路は、「単相高力率零相コンバータ」(半導体電力変換研究会SPC-97-119/IEA-97-11, 1997)により公知であるので、その構成及び動作を簡単に説明する。
この従来技術の主回路部分は、電源側レッグ25として、図5の半導体スイッチング素子を有するレッグ24の代わりに、2個のダイオードを直列接続してなるダイオードレッグが用いられる。このように電源側レッグ25がダイオードにより構成されているため、入力電流制御はインバータ側レッグ23の零電圧ベクトルのみにより行われる。
すなわち、自動電流調節器2から出力される仮想レッグの電圧指令vn *がインバータ電圧指令発生器5からの各相電圧指令vu *,vv *,vw *に重畳されて、インバータ側レッグ23に対する各相電圧指令vus *,vvs *,vws *が作成される。
【0014】
更に別の従来技術を図7に示す。図7の回路は、「単相高力率零相コンバータ」(半導体電力変換研究会SPC-97-119/IEA-97-11, 1997)により公知であるので、その構成及び動作を簡単に説明する。
この従来技術の主回路部分は、電源側レッグ26として、図5のレッグ24の代わりに2個のコンデンサを直列接続してなるコンデンサレッグが用いられる。このように電源側レッグ26がコンデンサにより構成されているため、図6と同様に入力電流制御はインバータ側レッグ23のみにより行われる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
近年、システムの高効率化を目的とし、電動機として永久磁石形同期電動機が使用されている。そこで、駆動する電動機として永久磁石形同期電動機を用いた場合について、本発明の解決課題を説明する。
【0016】
例えば図5のシステムによって永久磁石形同期電動機(以下、同期電動機という)を駆動する場合、この同期電動機の電機子電流に誘起電圧基本波成分に対する相数の整数倍の周波数を有する高調波成分が含まれていると、この高調波電流が中性点を介して流れる。図5のシステムでは中性点に交流電源22が接続されているので、電源の運転周波数に対して整数倍の周波数を有する高調波電流が電源22に流れることになる。
【0017】
電源22に流れる高調波電流は、同一系統に接続されている他の電子機器に悪影響を与え、誤動作などを引き起こす。ここで、運転周波数に対する整数倍の高調波電流は、電源側レッグ24の電流制御系の応答が高速であれば抑制することができるが、この種の電流制御系には、通常、汎用性や経年変化に強い等の観点からソフトウエアによる制御が用いられるため、電流制御系の応答速度を上げるには高速な演算装置や電流検出器を必要とし、装置全体が高価になる。
【0018】
また、同期電動機の誘起電圧に相数の整数倍の高調波が含まれないように同期電動機の磁石を配置することは難しく、仮に誘起電圧に高調波が含まれないように磁石を配置できたとしてもコスト高になる。
【0019】
更に、図5の回路において必要最低限のインバータの直流リンク電圧edcminは、u相を例にとると、数式3によって表される。
なお、数式3において、vu;同期電動機のu相電圧、vs:電源電圧、max(f):関数fの最大値である。
【0020】
【数3】
edcmin=max(vu+vs)
【0021】
いま、電源電圧の実効値及び出力線間電圧の実効値が何れも200[V]であるとすると、上記数式3により、
となる。なお、ωsは電源電圧の角周波数、ωはインバータの出力電圧角周波数である。
このように直流リンク電圧が高くなると、インバータのスイッチング損失を増加させて変換効率を低下させたり、半導体スイッチング素子に耐圧の高いものを使用する必要が生じてくるので装置が全体として高価になる。従って、インバータの直流電圧利用率を高めて直流リンク電圧の低下を図り、スイッチング損失を低減させることが望まれる。
【0022】
そこで、請求項1に記載した発明は、高速の演算装置や電流検出器を用いることなく電動機中性点から電源に流れる高調波電流を抑制し、他の電子機器への悪影響を回避するとともにシステムの低価格化を実現した交流電動機駆動システムの制御装置を提供しようとするものである。
また、請求項2記載の発明は、インバータの直流電圧利用率を向上させ、半導体スイッチング素子の耐圧及びスイッチング損失を抑えることで、安価で高効率な制御装置を実現しようするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、半導体スイッチング素子を有するインバータ側レッグを相数分並列接続して多相電圧形インバータを構成し、前記インバータ側レッグの交流出力側に、星形結線された巻線を有する多相交流電動機を接続し、この電動機の中性点に交流電源の一端を接続するとともに、前記インバータ側レッグの直流リンク部に接続された半導体スイッチング素子の直列回路を有する電源側レッグの中性点に、前記交流電源の他端を接続してなる交流電動機駆動システムの制御装置であって、
前記インバータ側レッグを仮想的な一つのレッグと見なし、この仮想レッグに対する電圧指令をインバータ側レッグの各相電圧指令に重畳して得たインバータ側レッグ用電圧指令により前記インバータ側レッグの半導体スイッチング素子をオンオフ動作させ、かつ、前記電源側レッグに対する電源側レッグ用電圧指令により前記電源側レッグの半導体スイッチング素子をオンオフ動作させることにより、前記電動機の中性点に流れる電流を制御するようにした交流電動機駆動システムの制御装置において、
前記インバータに与えられる出力電圧指令及び前記交流電動機の回転子磁極位置を用いて、前記交流電動機の誘起電圧基本波成分に対する相数の整数倍の高調波電圧成分を求める手段と、
この高調波電圧成分を補償量として、前記インバータ側レッグ用電圧指令及び前記電源側レッグ用電圧指令のうち前記電源側レッグ用電圧指令のみに重畳する手段と、を備えたものである。
【0024】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の交流電動機駆動システムの制御装置において、
前記交流電動機の誘起電圧波形が、誘起電圧基本波成分に対する3の整数倍の高調波電圧成分を重畳させた波形であることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
まず、本発明による制御の概要を説明する。ここでは、交流電動機として、三相対称巻線を有し、誘起電圧波形の正の半波と負の半波とが対称である永久磁石形同期電動機を用い、この電動機を角周波数ωで駆動している場合について述べる。高調波成分を考慮した各相の誘起電圧eu,ev,ewを数式4に示す。この数式4において、e1,e3,e5,……は、それぞれ基本波成分、第3調波成分、第5調波成分,……の振幅である。
【0029】
【数4】
【0030】
同期電動機は、誘起電圧波形の正の半波と負の半波を対称に設計するのが一般的であるが、これらを完全に対称に製作するのは困難であり、実際には誘起電圧に偶数次調波成分の項が僅かではあるが存在してしまう。しかし、ここでは説明を簡単にするため、偶数次調波成分の項を省略して奇数次調波成分の項のみからなる数式4を用いることとする。
【0031】
インバータの直流リンク電圧edcの中点電位(1/2の電位)を基準とした同期電動機の中性点電位venを、数式5に示す。この数式5から、中性点には誘起電圧の基本波成分に対する3の整数倍の高調波成分しか現れないことが分かる。
【0032】
【数5】
ven=(eu+ev+ew)/3=e3sin3ωt+e9sin9ωt+……
【0033】
従来の制御方式では、インバータに与える各相の電圧指令を演算する際に誘起電圧の基本波成分しか考慮していないため、誘起電圧の基本波と同期電動機端子電圧との位相差(負荷角)をδとすると、各相電圧指令(各相基本波電圧指令)vu *,vv *,vw *は数式6により与えられる。
【0034】
【数6】
vu *=e1sin(ωt+δ)
vv *=e1sin(ωt+δ−2π/3)
vw *=e1sin(ωt+δ−4π/3)
【0035】
一方、同期電動機の中性点を流れる零相電流は、中性点電圧指令vn *,電動機1相当たりの巻線抵抗値をR,漏れインダクタンスをL,微分演算子をpとすると、数式7によって求められる。
【0036】
【数7】
【0037】
上記数式7の最右辺第2項の3ven/(R+pL)、及び数式5から、この零相電流inには、誘起電圧の基本波成分に対する3の整数倍の高調波電圧成分に起因した高調波電流が含まれることが分かる。
この高調波電流は、前述したように他の電子機器の誤動作等の悪影響を与えるものであり、電流制御系の応答速度を上げる等の対策によらずに抑制することが望まれる。
【0038】
そこで、第1〜第3参考形態では、下記の数式8に表されるごとく、前記数式6に示した各相電圧指令vu *,vv *,vw *に、数式5に示した基本波成分に対する相数(ここでは3)の整数倍の高調波電圧成分を補償量として重畳することにより、新たな各相電圧指令vu'*,vv'*,vw'*を求め、これらの電圧指令を用いることとした。
【0039】
【数8】
vu'*=e1sin(ωt+δ)+ven
vv'*=e1sin(ωt+δ−2π/3)+ven
vw'*=e1sin(ωt+δ−4π/3)+ven
【0040】
上記各相電圧指令vu'*,vv'*,vw'*を用いれば、数式7における(vu *+vv *+vw *)の項が(vu'*+vv'*+vw'*)に置き換わるため、数式7の最右辺の第2項の値がゼロになり、誘起電圧の基本波成分に対する相数の整数倍の高調波電圧成分に起因した高調波電流がキャンセルされることが分かる。
【0041】
次に、一般に磁極埋め込み構造の永久磁石形同期電動機(IPMモータ)では、着磁の際の磁石の配置により、誘起電圧の基本波成分に対する3の整数倍の高調波電圧成分を重畳した誘起電圧波形を得ることは容易である。誘起電圧波形として上記高調波電圧成分を重畳した同期電動機を用いて前記高調波電圧成分に起因する高調波電流をキャンセルするためには、インバータ側レッグの各相電圧指令を前記数式8により与えることになる。
【0042】
一方、インバータの電圧利用率を向上させるために、各相の信号波に線間電圧では相殺される同相の信号(例えば3倍調波)を重畳させる方式が、「半導体電力変換回路」の第6章 自励式インバータ、6.3.2非同期式PWMインバータ、6.三相PWMインバータの電圧利用率改善(電気学会編 オーム社発行)等により、広く知られている。
【0043】
数式8に示す各相電圧指令vu'*,vv'*,vw'*には、各相の信号波に線間電圧では相殺される同相の成分venが重畳されているため、インバータの直流電圧利用率を向上させ、変調度を高くすることができる。従って、所望のインバータ電圧を得るために誘起電圧の基本波成分の3の整数倍の高調波成分を重畳していない場合と比べて、直流リンク電圧を低下させることが可能であり、これにより、主回路構成部品の耐圧の低減や主回路素子のスイッチング損失の低減等の効果を得ることができる。
【0044】
よって、請求項2に記載した発明では、同期電動機の誘起電圧波形を誘起電圧の基本波成分に対する3の整数倍の高調波電圧成分を重畳した波形とすることにより、高調波電流を流すことなくインバータの直流電圧利用率を向上させるようにした。
【0045】
また、請求項1の発明では、半導体スイッチング素子により構成される電源側レッグの電圧指令として、従来の電源側レッグの電圧指令vRS *から数式5に示す誘起電圧の基本波成分に対する3の整数倍の高調波電圧成分venを減算した数式9のvRS'*を用いる。
【0046】
【数9】
vRS'*=vRS *−ven
【0047】
電源側レッグの電圧指令vRS'*は電動機に対して零相分電圧となるので、この電圧指令vRS'*を用いて電源側レッグを制御することで、数式7の最右辺第2項の値が零になり、誘起電圧の基本波成分に対する3倍調波成分に起因した高調波電流をキャンセルできることが分かる。
【0048】
前記同期電動機の誘起電圧波形を用い、誘起電圧の基本波成分に対する3の整数倍の高調波電圧成分に起因する高調波電流をキャンセルするためには、電源側レッグの電圧指令は前記数式9によって与えられる。零相分の電圧指令は、vRS *+vn *+Venであり、vRS *+vn *は、その大きさがほぼ電源電圧に等しく電圧極性は反対であるため、数式9を直流リンク電圧を求める数式3のvsに代入すると、vRS *+vR *=vr *であるから、数式10が得られる。
【0049】
【数10】
edcmin=max(vu+(−vr'*))=max(vu−vr *+ven)
【0050】
数式10は、電源側レッグの電圧指令として誘起電圧の基本波成分に対する3の整数倍の高調波成分を重畳していない電圧指令vr *と、インバータ側レッグの各相電圧指令として数式8のu相電圧指令vu'*とを用いた場合の直流リンク電圧と同じになる。
よって、請求項2を請求項1の発明に適用すれば、第1〜第3参考形態について適用した場合と同様な理由により、誘起電圧の基本波成分に対する3の整数倍の高調波成分に起因する電流を流すことなく、インバータの直流電圧利用率を向上させることができる。
【0051】
まず、図1は本発明の第1参考形態を示す構成図である。図5〜図7と同一の構成要素には同一の符号を付し、以下では異なる部分を中心に説明する。
図1において、第1参考形態では通常の工程で製作された同期電動機21を用い、請求項2の発明の実施形態では、電圧形インバータの直流電圧利用率を向上させるために、誘起電圧波形に誘起電圧の基本波成分に対する3の整数倍の高調波が重畳されるような同期電動機21を用いる。このような同期電動機は、前述したようにIPMモータによって実現可能である。
【0052】
本参考形態において、三相電圧形インバータの電源側レッグ24は、直列接続された2個の半導体スイッチング素子及びそれらの逆並列ダイオードから構成されている。また、電動機21には回転子の磁極位置を検出するレゾルバ、パルスエンコーダ、ホールセンサ等の磁極位置検出器8が設けられている。
更に、制御装置としては、図5の構成に3倍調波演算器10が付加されており、インバータ出力電圧値指令(実効値指令)Vinv *と磁極位置検出器8により検出された磁極位置θdとが3倍調波演算器10に入力され、その出力信号がインバータ電圧指令発生器5から出力される各相電圧指令vu *,vv *,vw *に加算されている。
【0053】
この参考形態における電源側レッグ24の電圧指令vRs *の作成動作は、図5の従来技術と同様である。すなわち、直流リンク電圧指令edc *と実際のedc *との偏差を自動電圧調節器1に入力し、他方、電源電圧と同位相の正弦波を位相検出手段3及びsinテーブル4により作成する。そして、自動電圧調節器1の出力信号と前記正弦波とを乗じて入力電流基準信号is *を作成し、このis *と実際値is *との偏差を自動電流調節器2に入力してその出力信号である電圧指令vr *を零相分演算手段6に入力する。零相分演算手段は、後述するように電圧指令vr *及び電圧分配比から電源側レッグ電圧指令vRs *を演算する。
【0054】
一方、インバータ側レッグ23の電圧指令は、以下のようにして作成される。
インバータ出力角周波数指令ω*の積分値により、電圧角度指令θ1を得る。次に、インバータ出力電圧指令Vinv *と電圧角度指令θ*とから、インバータ電圧指令発生器5により三相対称交流波形である各相電圧指令vu *,vv *,vw *が作成される。
【0055】
磁極位置検出器8により検出した磁極位置θdは、誘起電圧の角度情報として3倍調波演算器10に入力される。なお、磁極位置はインバータの電流、電圧から推定しても良い。磁極位置の推定方法としては、誘起電圧から推定する方法があり、例えば「速度起電力推定に基づくセンサレス突極形ブラシレスDCモータ制御」(電気学会論文誌D 産業応用部門誌 Vol117, No.1, 1997)に記載されている技術を用いることができる。
【0056】
インバータ電圧指令発生器5には、回転座標変換器、三相発振器などが用いられる。このインバータ電圧指令発生器5から出力される各相電圧指令vu *,vv *,vw *に、3倍調波演算器10によって得られた誘起電圧の基本波成分に対する3の整数倍の周波数をもつ高調波電圧成分を加算する。すなわち、前述した数式6に数式5を加算することにより、数式8の各相電圧指令vu'*,vv'*,vw'*を求める。
【0057】
加算する電圧の大きさ(3倍調波の大きさ)は次のように定める。あらかじめ、インバータ出力電圧指令vinv *を与えた状態で無負荷時の誘起電圧を測定して高調波解析を行い、磁極位置θdを微分して求めた角周波数ωを横軸、無負荷時の3倍調波電圧成分の大きさを縦軸として、データテーブルを作成する。実際の運転時に各相電圧指令vu *,vv *,vw *に加算する量は、磁極位置θdから求めた角周波数ωに応じてデータテーブルを参照し、決定すればよい。
【0058】
そして、同期電動機21の中性点電流を制御するために、各相電圧指令vu *,vv *,vw *に3倍調波演算器10の出力信号を加算した結果に対し、更にインバータの零相電圧指令(仮想レッグの電圧指令)vn *を重畳する。重畳する電圧指令の大きさは、零相分演算手段6により演算する。
【0059】
零相分演算手段6の動作は図5と同様であり、電圧指令vr *に数式2による電圧分配比kを乗じて仮想レッグの電圧指令vn *を演算し、電圧指令vr *に−(1−k)を乗じて電源側レッグ24の電圧指令vRs *を演算する。仮想レッグの電圧指令vn *は、各相電圧指令vu *,vv *,vw *に3倍調波演算器10の出力信号を加算した結果に重畳されて各相電圧指令vus *,vvs *,vws *となる。
【0060】
次に、図2は本発明の第2参考形態を示す構成図である。
この参考形態においても、インバータの直流電圧利用率を向上させるために、誘起電圧波形に誘起電圧の基本波成分に対する3の整数倍の高調波が重畳されるような同期電動機21を用いることができる。
【0061】
図2の主回路では、電源側レッグ25として2個のダイオードの直列回路が使用されている。このため、入力電流制御はインバータの零電圧ベクトルのみによって行われており、自動電流調節器2の出力信号を仮想レッグの電圧指令vn *として出力電圧指令に加算する。また、高調波電流を低減するために、3倍調波演算器10により演算した高調波電圧成分を出力電圧指令に加算する。
【0062】
図3は本発明の第3参考形態を示す構成図である。
この参考形態においても、インバータの直流電圧利用率を向上させるために、誘起電圧波形に誘起電圧の基本波成分に対する3の整数倍の高調波が重畳されるような同期電動機21を用いることができる。
【0063】
図3の主回路では、電源側レッグ26として2個のコンデンサの直列回路が使用され、入力電流制御はインバータの零電圧ベクトルのみによって行われており、自動電流調節器2から出力される仮想レッグの電圧指令vn *を出力電圧指令に加算する。また、高調波電流を低減するために、3倍調波演算器10により演算した高調波電圧成分を出力電圧指令に加算する。
【0064】
図4は本発明の第1実施形態を示す構成図であり、請求項1及び請求項2の発明の実施形態に相当する。前記同様に、同期電動機21には、誘起電圧波形に誘起電圧の基本波成分に対する3の整数倍の高調波が重畳される電動機を用いることができる。
図4における主回路部分は図1と同様であるが、この実施形態では、3倍高調波演算器10により求められた3倍調波電圧成分を零相分演算手段6の電源レッグ側電圧指令から減算してvRS'*を得ている。
【0065】
本実施形態における直流リンク電圧は前記数式10に示した値となり、電源側レッグ24の電圧指令としてvr *を用い、インバータ側レッグ23の電圧指令として前記数式8を用いた場合と等しくなるので、第1〜第3参考形態と同様に高調波電流をなくすことができる。
また、インバータ電圧指令発生器5の出力側の加算手段を少なくできるため、制御装置の全体的な構成も簡略になる。
なお、本発明は、三相以上の交流電動機をインバータにより駆動する駆動システムに適用可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、電動機の誘起電圧の基本波成分に対する相数の整数倍の高調波電圧成分を補償量としてインバータの電圧指令に重畳することにより、高速な電流制御系や演算装置等を用いることなく、中性点と電動機端子との間に現れる誘起電圧の同相成分によって流れる零相電流の高調波成分を抑制することができる。このように不必要な零相電流を減少させることで、他の電子機器に悪影響を与えるのを防ぐとともに電動機の銅損を低減させ、安価で高効率な駆動システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1参考形態を示す構成図である。
【図2】本発明の第2参考形態を示す構成図である。
【図3】本発明の第3参考形態を示す構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示す構成図である。
【図5】従来技術を示す構成図である。
【図6】従来技術を示す構成図である。
【図7】従来技術を示す構成図である。
【符号の説明】
1 自動電圧調節器(AVR)
2 自動電流調節器(ACR)
3 位相検出手段
4 sinテーブル
5 インバータ電圧指令発生器
6 零相分演算手段
7 積分手段
8 磁極位置検出器
10 3倍調波演算器
21 三相交流電動機
22 単相交流電源
23 インバータ側レッグ
24,25,26 電源側レッグ
Claims (2)
- 半導体スイッチング素子を有するインバータ側レッグを相数分並列接続して多相電圧形インバータを構成し、前記インバータ側レッグの交流出力側に、星形結線された巻線を有する多相交流電動機を接続し、この電動機の中性点に交流電源の一端を接続するとともに、前記インバータ側レッグの直流リンク部に接続された半導体スイッチング素子の直列回路を有する電源側レッグの中性点に、前記交流電源の他端を接続してなる交流電動機駆動システムの制御装置であって、
前記インバータ側レッグを仮想的な一つのレッグと見なし、この仮想レッグに対する電圧指令をインバータ側レッグの各相電圧指令に重畳して得たインバータ側レッグ用電圧指令により前記インバータ側レッグの半導体スイッチング素子をオンオフ動作させ、かつ、前記電源側レッグに対する電源側レッグ用電圧指令により前記電源側レッグの半導体スイッチング素子をオンオフ動作させることにより、前記電動機の中性点に流れる電流を制御するようにした交流電動機駆動システムの制御装置において、
前記インバータに与えられる出力電圧指令及び前記交流電動機の回転子磁極位置を用いて、前記交流電動機の誘起電圧基本波成分に対する相数の整数倍の高調波電圧成分を求める手段と、
この高調波電圧成分を補償量として、前記インバータ側レッグ用電圧指令及び前記電源側レッグ用電圧指令のうち前記電源側レッグ用電圧指令のみに重畳する手段と、
を備えたことを特徴とする交流電動機駆動システムの制御装置。 - 請求項1記載の交流電動機駆動システムの制御装置において、
前記交流電動機の誘起電圧波形が、誘起電圧基本波成分に対する3の整数倍の高調波電圧成分を重畳させた波形であることを特徴とする交流電動機駆動システムの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000354494A JP4687842B2 (ja) | 2000-11-21 | 2000-11-21 | 交流電動機駆動システムの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000354494A JP4687842B2 (ja) | 2000-11-21 | 2000-11-21 | 交流電動機駆動システムの制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002165488A JP2002165488A (ja) | 2002-06-07 |
JP4687842B2 true JP4687842B2 (ja) | 2011-05-25 |
Family
ID=18827068
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000354494A Expired - Lifetime JP4687842B2 (ja) | 2000-11-21 | 2000-11-21 | 交流電動機駆動システムの制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4687842B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0415153D0 (en) * | 2004-07-06 | 2004-08-11 | Newage Int Ltd | Electrical machine rotor position identification |
JP4752352B2 (ja) | 2005-06-24 | 2011-08-17 | トヨタ自動車株式会社 | 交流電圧出力装置およびそれを備えたハイブリッド自動車 |
CN105915136B (zh) * | 2016-05-29 | 2018-10-12 | 南京理工大学 | 基于模糊神经网络的电机电流谐波抑制控制系统及方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0454872A (ja) * | 1990-06-22 | 1992-02-21 | Hitachi Ltd | 電力変換装置 |
JPH10337047A (ja) * | 1997-06-03 | 1998-12-18 | Fuji Electric Co Ltd | 多相出力電力変換回路 |
JP2000308368A (ja) * | 1999-04-20 | 2000-11-02 | Fuji Electric Co Ltd | 電力変換回路 |
-
2000
- 2000-11-21 JP JP2000354494A patent/JP4687842B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0454872A (ja) * | 1990-06-22 | 1992-02-21 | Hitachi Ltd | 電力変換装置 |
JPH10337047A (ja) * | 1997-06-03 | 1998-12-18 | Fuji Electric Co Ltd | 多相出力電力変換回路 |
JP2000308368A (ja) * | 1999-04-20 | 2000-11-02 | Fuji Electric Co Ltd | 電力変換回路 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002165488A (ja) | 2002-06-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Foo et al. | Low-speed and standstill operation of a sensorless direct torque and flux controlled IPM synchronous motor drive | |
JP4961292B2 (ja) | モータ制御装置 | |
JP5862125B2 (ja) | 電力変換装置の制御装置 | |
JP4629659B2 (ja) | 1個の固定子と少なくとも1個の回転子を有する同期電機及び関連制御装置 | |
JP4019842B2 (ja) | モータ制御装置 | |
JP6194113B2 (ja) | モータ駆動装置 | |
JP2007300780A (ja) | 電力変換制御装置、電力変換制御方法、および電力変換制御用プログラム | |
JP2008199842A (ja) | モータ制御装置 | |
US9935568B2 (en) | Control apparatus of rotary electric machine | |
CN107947682A (zh) | 一种抑制共模噪声的三相交流电机驱动系统及方法 | |
CN111431453A (zh) | 基于逆变器单相故障的开绕组永磁同步电机容错控制方法 | |
CN104753279B (zh) | 交流变频感应无刷励磁的单电枢同步电机 | |
Lee et al. | Stator-flux-oriented sensorless induction motor drive for optimum low-speed performance | |
JP2012120297A (ja) | 回転電機制御装置 | |
WO2018008372A1 (ja) | 6線3相モータ、インバータ装置およびモータシステム | |
Toliyat et al. | Position-sensorless control of surface-mount permanent-magnet AC (PMAC) motors at low speeds | |
JP7092257B2 (ja) | 回転電機制御システム | |
JP6113651B2 (ja) | 多相電動機駆動装置 | |
JP2010068581A (ja) | 電動機駆動装置 | |
Popescu et al. | Torque behavior of one-PhasePermanent-magnet AC motor | |
JP2019146360A (ja) | インバータ制御装置 | |
JP5095134B2 (ja) | モータ制御装置およびモータ制御方法 | |
JP2012165585A (ja) | 同期電動機駆動システム | |
JP4687842B2 (ja) | 交流電動機駆動システムの制御装置 | |
WO2019150984A1 (ja) | 三相同期電動機の制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071016 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20080919 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20080919 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20080919 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100805 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100810 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101004 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110119 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110201 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4687842 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225 Year of fee payment: 3 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |