JP4686336B2 - 複合金型、被加工材の塑性加工装置、および、被加工材の塑性加工方法 - Google Patents

複合金型、被加工材の塑性加工装置、および、被加工材の塑性加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、いわゆるECAP(Equal Channel Angular Pressing)法等を行うための複合金型、被加工材の塑性加工装置、および、被加工材の塑性加工方法に関する。
材料に強烈に大きい圧縮力を加えて材料が屈曲するように材料を塑性変形させると(いわゆるECAP法を行うと)、材料の結晶粒径が微細化して、強度が飛躍的に向上する。例えば、材料が純チタンである場合、結晶粒径を1000分の1程度にまで細分化できて、強度が飛躍的に向上する。特に、このECAP法は、合金化しなくても強度が向上するので、価値があるものである。例えば、インプラント技術で使用される人工歯の材料として、上記塑性変形させた純チタン等の純金属を用いると、人体に害を及ぼすことが殆どなくて好ましい。
従来、ECAP法を実施する塑性加工方法としては、特開2003−1321号公報(特許文献1)に記載されている方法がある。この方法は、略U字形状の通路が形成された金型を使用して、被加工材を塑性加工するようにしている。詳しくは、この方法は、上記通路の断面形状に略等しい断面形状を有する棒状の被加工材の先頭を、上記通路の一方の開口から上記通路に挿入した後、上記棒状の被加工材の挿入側と反対側の端面を、プランジャ等で数百トン程度の強烈に高い圧力で押圧することによって、上記棒状の被加工材を、上記U字形状の通路の屈曲部を通過させるようになっている。そして、被加工材がその屈曲部を通過する時に、被加工材の延在する方向を強制的に変更して、被加工材の上記屈曲部の通過時に被加工材に強烈な剪断力およびこれに伴う強烈な歪みを発生させるようになっている。このようにして、被加工材に強烈な塑性変形を与えることにより、被加工材の結晶粒径を急激に微細化して、被加工材の材料特性を向上している。
しかしながら、上記従来の方法では、U字状通路の断面形状に略等しい断面形状を有する棒状の被加工材の端面に加圧力をかけて、上記被加工材を、上記U字状通路中を移動させるようになっているので、押圧力によって被加工材がポアソン比に応じて横に張って、すなわち、被加工材がその被加工材の延在する方向に垂直な方向に拡がって、被加工材と通路の壁面との動摩擦力がこの上なく大きなものになる。このことに起因して、金型がすぐに摩耗したり、又は破損したりし、金型の寿命が非常に短いという問題がある。
また、上述のように、被加工材と、通路の壁面との動摩擦力がこの上なく大きなものであるので、被加工材を、U字状通路内を移動させるのに必要な力が非常に大きなものになって、被加工材を塑性変形させるときの装置やこれを駆動するエネルギーコストが非常に大きいという問題がある。
また、ECAP法を実施する他の塑性加工方法としては、特開2004−167507号公報(特許文献2)に記載されている方法がある。この方法は、L字状に屈曲した材料通路が形成された金型を使用する。この金型は、L字状通路を形成するために、二つの部分を接合して一体化した1つの金型である。この方法は、上記L字状の材料通路の一方の開口から被加工材を挿入した後、被加工材の挿入側と反対側の端面を加圧装置で加圧して、被加工材を材料通路の他方の開口から押し出して、材料通路の屈曲部で被加工材の結晶粒径を微細化して被加工材の材料特性を向上させるようになっている。
しかしながら、この方法においても、一端から加圧するため、被加工材が横方向に張り出して、被加工材と、材料通路との動摩擦力がこの上なく大きなものになって、金型の寿命が短く、かつ、被加工材を塑性変形させるための押圧力が大きくてコストが非常に大きいという問題がある。
特開2003−1321号公報(第2図) 特開2004−167507号公報
そこで、本発明の課題は、被加工材の結晶粒径を微細化できると共に、従来と比較して寿命が格段に長い複合金型を提供することにある。また、本発明は、従来と比較して金型の寿命が格段に長くて、被加工材の結晶粒径を微細化するときのコストが格段に小さい被加工材の塑性加工装置および被加工材の塑性加工方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の複合金型は、
略直線状の被加工材を保持する略直線状の溝を有する第1金型と、
上記溝に相対移動可能に嵌合する第1案内部と、上記溝に交差するように連通する貫通穴を有する本体部とを有する第2金型と
を備え、
上記第1金型と上記第2金型とは、上記溝内に上記第1案内部を嵌合した状態で、上記溝の延在する方向に互いに相対移動可能であり、
上記第1案内部は、上記第1金型の上記第2金型に対する相対移動により上記第1金型の上記溝内に略移動不可に保持された上記被加工材を屈曲させて上記溝から上記貫通穴に案内し、
略直線状の被加工材を保持する略直線状の溝を有する第3金型を備え、
上記第2金型は、上記第3金型の上記溝に相対移動可能に嵌合する第2案内部を有し、
上記第3金型の上記溝は、上記貫通穴の上記第1金型側と反対側の開口に連通していることを特徴としている。
上記第1金型の上記略直線状の溝を、溝の略直線状の部分として定義する。したがって、上記略直線状の溝には、略直線状の溝部分のみからなる溝の溝全体が含まれるのは当然のこと、例えば、略L字形状の溝における略直線状の部分等も含まれるものとする。また、上記溝の延在する方向を、溝の略直線状の部分の延在する方向として定義する。
本発明によれば、上記第1案内部が、上記第1金型の上記第2金型に対する相対移動により上記第1金型の上記溝内に略移動不可に保持された上記被加工材を屈曲させて上記溝から上記貫通穴に案内するので、上記第1案内部周辺での屈曲により上記被加工材に強烈に大きな剪断力を与えることができて、被加工材の結晶粒径を微細化することができる。したがって、被加工材の加工後の材料特性(材料の強度や耐性等)を、飛躍的に向上させることができる。
また、本発明によれば、上記被加工材が第1金型に対して殆ど相対移動することがないので、上記第1金型が上記被加工材との相対移動に伴う摩擦接触に起因して損傷することを略完全に防止できる。
また、本発明によれば、上記第1金型の上記溝内に略移動不可に保持された上記被加工材を、上記第1金型の上記第2金型に対する相対移動により上記第1案内部で屈曲させて上記溝から上記貫通穴に案内するようになっているので、従来と比較して上記被加工材が相対移動する部分を、上記溝の寸法分だけ低減することができて略上記貫通穴部分だけに制限でき、かつ、大きな力が作用する部分を、略第2金型の上記第1案内部近傍および貫通穴周辺に制限できる。したがって、この発明の複合金型の破損の発生を、通路全体が被加工材と相対移動する従来品の金型と比較して格段に抑制できて、複合金型の寿命を従来の金型の寿命と比較して格段に長くすることができる。
また、本発明によれば、上記第1金型と第2金型の相対移動力の大部分を被加工材の粒子径を小さくする力の一部として利用できる。すなわち、本発明によれば、溝の壁面と上記被加工材の側面との摩擦力が諸悪の元凶となる従来の金型と異なり、溝の壁面と上記被加工材の側面との摩擦力を大幅に低減できる。したがって、被加工材の金型壁面への押付力に起因する被加工材と金型壁面の摩擦力に打ち勝つ加圧力が必要になる従来の金型と比較して、被加工材に加える加圧力を格段に小さくすることができて、被加工材を塑性変形させるコストを格段に小さくすることができる。
また、一実施形態の複合金型は、上記第1金型の上記溝と、上記第2金型の上記溝側の面と、上記第1案内部とが、上記略直線状の被加工材の幅方向および少なくとも長手方向の一端を閉じる閉鎖空間を形成し、上記第1案内部の上記閉鎖空間に面する面が、上記貫通穴の側面に連なるか、あるいは、上記側面の近傍に位置している。
上記実施形態によれば、上記第1案内部で屈曲させた上記被加工材を上記貫通穴の方に確実に導くことができる。
また、一実施形態の複合金型は、上記溝に上記第1案内部が嵌合している状態で、上記溝における上記貫通穴に連通している部分が、上記第2金型の上記溝側の面によって常に覆われた状態になっている。
上記実施形態によれば、上記溝に上記第1案内部が嵌合している状態で、上記被加工材を保持している溝部分を上記第2金型の上記溝側の面で隙間無く塞ぐことができる。したがって、上記被加工材が上記溝から抜け出ることを確実に防止できる。
また、一実施形態の複合金型は、上記第1案内部が、上記本体部から突出した突出部であり、上記第1案内部における上記被加工材を屈曲させる側面部分は、上記貫通穴の側面の一部の延長面である。
上記実施形態によれば、上記第1案内部における上記被加工材を屈曲させる側面部分が、上記貫通穴の側面の一部の延長面であるので、上記第1案内部で屈曲された上記被加工材を円滑に上記貫通穴内に押し込むことができる。
また、一実施形態の複合金型は、上記貫通穴が、略直線状に延在し、上記溝の延在する方向が、上記貫通穴の延在する方向に略垂直に交わっている。
上記実施形態によれば、上記溝の延在する方向が、上記貫通穴の延在する方向に略垂直に交わっているので、被加工材に略90度角の塑性変形を与えることができて、被加工材に最も効果的な塑性変形をかけることができる。したがって、被加工材の粒子径を最も効率良く小さくすることができる。そして、例えば、被加工材が純チタンである場合、塑性変形によって、強度を略2倍、耐性を略100倍に向上させることができる。
上記第3金型の上記略直線状の溝を、溝の略直線状の部分として定義する。したがって、上記第3金型の上記略直線状の溝には、略直線状の溝部分のみからなる溝の溝全体が含まれるのは当然のこと、例えば、略L字形状の溝における略直線状の部分等も含まれるものとする。また、上記第3金型の溝の延在する方向を、上記第3金型の溝の略直線状の部分の延在する方向として定義する。
本発明によれば、上記第1金型の溝に保持されていた被加工材を、上記貫通穴を介して上記第3金型の溝に押し込むことができる。また、上記第3金型の溝に押し込まれた被加工材を、再度、上記貫通穴を介して上記第1金型内に押し込むことができて、被加工材を第1金型と第3金型との間を所定回数往復させることにより、被加工材の加工後の材料特性を、所望の材料特性に簡単安価にすることができる。
また、一実施形態の複合金型は、上記第2案内部が、上記本体部から突出した突出部である。
また、一実施形態の複合金型は、上記第2案内部の側面の一部が、上記貫通穴の側面の一部の延長面である。
上記実施形態によれば、上記第2案内部の側面の一部が、上記貫通穴の側面の一部の延長面であるので、貫通穴を通過した被加工材を上記第2案内部の上記側面を沿わせるようにして、上記第3金型の上記溝に円滑に押し込むことができる。
また、一実施形態の複合金型は、上記貫通穴が、断面形状が略一定であると共に、略直線状に延在し、上記第2金型が、上記貫通穴の垂直二等分面に対して略面対称な形状を有し、上記第1金型と、上記第3金型とが、略同じ形状である。
上記実施形態によれば、上記貫通穴が略直線状に延在しているので、被加工材を、上記貫通穴内を円滑に通過させることができる。また、上記第1金型と上記第3金型が、略同じ形状であるので、第1金型および第3金型を量産することができて、複合金型の製造コストを低減することができる。
また、一実施形態の複合金型は、上記貫通穴が、略矩形の断面形状を有し、上記第1案内部における上記被加工材を屈曲させる側面部分、上記貫通穴の側面の一部、および、上記第2案内部の側面の一部が、略同一平面上に位置している。
上記実施形態によれば、上記第1金型の溝が保持している被加工材を、上記貫通穴を介して上記第3金型の溝内に容易に押し込むことができ、逆に、上記第3金型の溝が保持している被加工材を、上記貫通穴を介して上記第1金型の溝内に容易に押し込むことができる。
また、一実施形態の複合金型は、上記第1案内部が、略直方体形状であり、上記第1金型の上記溝におけるその溝の延在する方向に垂直な断面が、略長方形の断面形状を有している。
上記実施形態によれば、上記第1案内部が、単純な略直方体形状であり、上記第1金型の上記溝におけるその溝の延在する方向に垂直な断面が、単純な略長方形の断面形状を有しているので、第1案内部および上記第1金型の上記溝を簡単安価に製造できる。
また、一実施形態の複合金型は、上記第1金型が、上記溝が形成されている本体部と、上記本体部に上記溝の延在する方向に連なると共に、上記溝の一端を覆っている先端部とを有し、上記先端部における上記溝に面する端面で、上記被加工材を上記第1金型の上記溝内に略移動不可に保持するようになっている。
上記実施形態によれば、上記端面で上記被加工材を押圧することができて、このことによって、容易に上記被加工材を上記第1金型の上記溝内に略移動不可に保持することができる。
また、一実施形態の複合金型は、上記先端部が、上記第1金型の上記本体部に対して着脱自在である。
上記実施形態によれば、上記先端部が、上記第1金型の上記本体部に対して着脱自在であるので、上記先端部を取り外すことにより、塑性加工が施された完成品の加工材を複合金型から容易に取り出すことができる。
また、一実施形態の複合金型は、上記貫通穴が、略直線状に延在すると共に、略矩形の断面形状を有し、上記第1案内部における上記被加工材を屈曲させる側面部分と、上記貫通穴の側面の第1部分とが、略同一平面上に位置し、上記第2案内部の側面の一部と、上記貫通穴の側面における上記第1部分に略垂直な第2部分とが、略同一平面上に位置している。
上記実施形態によれば、上記第1金型の溝が保持している被加工材を、上記貫通穴を介して容易に上記第3金型の溝内に押し込むことができ、逆に、上記第3金型の溝が保持している被加工材を、上記貫通穴を介して容易に上記第1金型の溝内に押し込むことができる。
また、一実施形態の複合金型は、上記貫通穴が、略直線状に延在すると共に、略矩形の断面形状を有し、上記第1案内部における上記被加工材を屈曲させる側面部分と、上記貫通穴の側面の第1部分とは、略同一平面上に位置し、上記第2案内部の側面の一部と、上記貫通穴の側面における上記第1部分に略平行な第2部分とは、略同一平面上に位置している。
上記実施形態によれば、上記第1金型の溝が保持している被加工材を、上記貫通穴を介して容易に上記第3金型の溝内に押し込むことができ、逆に、上記第3金型の溝が保持している被加工材を、上記貫通穴を介して容易に上記第1金型の溝内に押し込むことができる。
また、一実施形態の複合金型は、上記貫通穴が、略直線状に延在し、上記第1金型の上記溝の断面形状と、上記貫通穴の断面形状と、上記第3金型の上記溝の断面形状とが、略同一である。
上記実施形態によれば、上記貫通穴が、略直線状に延在し、上記第1金型の上記溝の断面形状と、上記貫通穴の断面形状と、上記第3金型の上記溝の断面形状とが、略同一であるので、上記貫通穴と上記被加工材との摩擦力を低減できて、複合金型の寿命を更に長くすることができる。
また、一実施形態の複合金型は、上記第1金型の上記溝の延在する方向および上記第3金型の上記溝の延在する方向は、上記貫通穴の延在する方向と略垂直に交わっている。
上記実施形態によれば、上記第1金型の上記溝の延在する方向および上記第3金型の上記溝の延在する方向は、上記貫通穴の延在する方向と略垂直に交わっているので、被加工材に90度角の塑性変形を与えることができて、被加工材に最も効果的な塑性変形をかけることができる。したがって、被加工材の粒子径を最も効率良く小さくすることができる。例えば、被加工材が純チタンである場合、塑性変形によって、強度を略2倍、耐性を略100倍にまで格段に向上させることができる。
また、一実施形態の複合金型は、上記第2金型の上記溝側の面における上記溝の延在する方向の上記貫通穴側と反対側の先端の角は、面取りが施されている。
上記実施形態によれば、塑性加工の開始時において上記第2金型の上記溝側の面で覆われていない被加工材の部分を、塑性加工の開始後に第1金型の溝と上記第2金型の上記溝側の面で覆われている空間に円滑に押し込むことができる。
また、本発明の被加工材の塑性加工装置は、
被加工材を保持すると共に、略直線状の溝を有する第1金型と、
上記溝に相対移動可能に嵌合する第1案内部と、上記溝に交差するように連通する貫通穴を有する本体部とを有する第2金型と、
上記第1金型の上記溝内に略移動不可に保持された上記被加工材を上記溝から上記貫通穴に押し込むように、上記第1金型と上記第2金型とを相対移動させる第1相対移動装置と、
上記第1金型の上記溝に上記第1案内部が嵌合している状態を保持する保持装置と
を備え
被加工材を保持すると共に、上記貫通穴に交差するように連通する略直線状の溝を有する第3金型を備え、
上記第2金型は、上記第3金型の上記溝に相対移動可能に嵌合する第2案内部を有し、
上記第2金型と上記第3金型とを相対移動させる第2相対移動装置を備え、
上記保持装置は、上記第3金型の上記溝に上記第2案内部が嵌合している状態を保持することを特徴としている。
本発明によれば、第1相対移動装置により、上記第1金型を上記第2金型に対して相対移動させることができ、上記第1案内部で上記第1金型の上記溝内に略移動不可に保持された上記被加工材を屈曲させて上記溝から上記貫通穴に押し込むことができる。したがって、上記第1案内部周辺での上記屈曲の際に上記被加工材に強烈に大きな剪断力を与えることができるので、被加工材の結晶粒径を微細化することができる。したがって、被加工材の加工後の材料特性(材料の強度や耐性等)を、飛躍的に向上させることができる。
また、本発明によれば、上記被加工材が第1金型に対して殆ど相対移動することがないので、上記第1金型に上記被加工材に対する相対移動に起因する損傷が発生することを略完全に防止できる。
また、本発明によれば、従来と比して上記被加工材が相対移動する部分を略上記溝の寸法分だけ低減することができて略上記貫通穴部分だけに制限でき、かつ、大きな力が作用する部分を、略第2金型の第1案内部近傍および貫通穴周辺に制限できるので、第1および第2金型の破損の発生を、通路全体が被加工材と相対移動する従来の金型と比較して格段に抑制できて、第1および第2金型の寿命を従来の金型の寿命と比較して格段に長くすることができる。
また、本発明によれば、上記保持装置が、上記第3金型の上記溝に上記第2案内部が嵌合している状態を保持するので、被加工材の塑性加工装置の運転中に、第1金型の溝から第1案内部が抜け出ることを確実に防止できることに加えて、第3金型の溝から第2案内部が抜け出ることを確実に防止することができる。
また、本発明によれば、上記第2金型と上記第3金型とを相対移動させる第2相対移動装置を備えるので、第1金型の溝から第3金型の溝に貫通穴を介して押し込まれた被加工材を、再度、貫通穴を介して第1金型の溝に押し込むことができる。
また、一実施形態の被加工材の塑性加工装置は、上記第2金型が、静止しており、上記第1相対移動装置は、上記第1金型の上記溝に保持されている上記被加工材が上記第1案内部に押圧されるように、上記第1金型を押圧する押圧装置である。
また、一実施形態の被加工材の塑性加工装置は、上記第2金型が、静止しており、上記第1相対移動装置は、上記第1金型における上記貫通穴に連通している溝部分が小さくなるように上記第1金型を押圧すると共に、上記第2相対移動装置は、上記第3金型における上記貫通穴に連通している溝部分が小さくなるように上記第3金型を押圧するようになっており、上記第1相対移動装置が上記第1金型を押圧する押圧力を、上記第2相対移動装置が上記第3金型を押圧する押圧力よりも大きくすることにより、上記第1金型の上記溝に保持されている上記被加工材を、上記貫通穴を介して上記第3金型の上記溝に移動させる一方、上記第1相対移動装置が上記第1金型を押圧する押圧力を、上記第2相対移動装置が上記第3金型を押圧する押圧力よりも小さくすることにより、上記第3金型の上記溝に保持されている上記被加工材を、上記貫通穴を介して上記第1金型の上記溝に移動させるようになっている。
上記実施形態によれば、被加工材を略均一に塑性変形させることができて、被加工材の粒子径のばらつきを抑制することができる。
また、本発明の被加工材の塑性加工方法は、
被加工材を保持すると共に、略直線状の溝を有する第1金型と、
上記溝に相対移動可能に嵌合する第1案内部と、上記溝に交差するように連通する貫通穴を有する本体部とを有する第2金型と、
上記第1金型の上記溝内に略移動不可に保持された上記被加工材を上記溝から上記貫通穴に押し込むように、上記第1金型と上記第2金型とを相対移動させる第1相対移動装置と、
上記第1金型の上記溝に上記第1案内部が嵌合している状態を保持する保持装置と
を備え
被加工材を保持すると共に、上記貫通穴に交差するように連通する略直線状の溝を有する第3金型を備え、
上記第2金型は、上記第3金型の上記溝に相対移動可能に嵌合する第2案内部を有し、
上記第2金型と上記第3金型とを相対移動させる第2相対移動装置を備え、
上記保持装置は、上記第3金型の上記溝に上記第2案内部が嵌合している状態を保持することを特徴としている。
本発明によれば、上記第1金型を上記第2金型に対して相対移動させて、上記第1金型の上記溝内に略移動不可に保持された上記被加工材を上記第1案内部で屈曲させて上記溝から上記貫通穴に押し込むようになっているので、上記被加工材が第1金型に対して殆ど相対移動することがなくて、上記第1金型に上記被加工材に対する相対移動に起因する損傷が発生することを略完全に防止できる。
また、本発明によれば、大きな力が作用する部分を、略第2金型の上記第1案内部近傍および貫通穴周辺に制限できるので、上記被加工材が相対移動する部分を略上記溝の寸法分だけ低減することができて、略上記貫通穴部分だけに制限できる。したがって、この発明の装置の第1および第2金型の破損の発生を、通路全体が被加工材と相対移動する従来の金型と比較して格段に抑制できて、第1および第2金型の寿命を従来の金型の寿命と比較して格段に長くすることができる。
また、本発明によれば、上記第1案内部が上記第1金型の上記溝に嵌合していると共に、上記第2案内部が上記第3金型の上記溝に嵌合している状態を確実に保持することができる。また、第1金型の溝に保持されている被加工材を、第3金型の溝の押し込むことができ、被加工材を第3金型の溝の押し込むまで、被加工材を2回屈曲させることができる。
本発明の複合金型によれば、第1案内部周辺における屈曲の際に被加工材に非常に大きな剪断力を与えることができて、被加工材の結晶粒径を微細化することができる。したがって、被加工材の加工後の材料特性(材料の強度や耐性等)を、飛躍的に向上させることができる。
また、本発明の複合金型によれば、上記被加工材が第1金型に対して殆ど相対移動することがないので、上記第1金型に上記被加工材との相対移動に起因する損傷が発生することを略完全に防止できる。
また、本発明の複合金型によれば、上記第1金型の溝内に略移動不可に保持された上記被加工材を、上記第1金型の上記第2金型に対する相対移動により上記第1案内部で屈曲させて上記溝から上記貫通穴に押し込むようになっているので、上記被加工材が相対移動する部分を、上記溝の寸法分だけ低減することができて略上記貫通穴部分だけに制限でき、かつ、大きな力が作用する部分を、略第2金型の上記第1案内部近傍および貫通穴周辺に制限できる。したがって、この発明の複合金型の破損の発生を、通路全体が被加工材と相対移動する従来の金型と比較して格段に抑制できて、複合金型の寿命を従来の金型の寿命と比較して格段に長くすることができる。
また、本発明の複合金型によれば、上記第1金型と第2金属の相対移動力の大部分を被加工材の粒子径を小さくする力の一部として利用できる。すなわち、本発明によれば、溝の壁面と上記被加工材の側面との摩擦力が諸悪の元凶となる従来の金型と異なり、溝の壁面と上記被加工材の側面との摩擦力を大幅に低減できる。したがって、被加工材の金型壁面への押付力に起因する被加工材と金型壁面の摩擦力に打ち勝つ加圧力が必要になる従来の金型と比較して、被加工材に加える加圧力を格段に小さくすることができる。そして、上記被加工材の粒子径を小さくする力を、数百トンから数トン、あるいは、それ以下の力にまで格段に低減できる。したがって、貫通穴における摺動抵抗が小さくて金型の寿命を長くすることができると共に、被加工材を塑性変形させるコストを格段に小さくすることができる。
また、本発明の被加工材の塑性加工装置によれば、第1相対移動装置により、第1金型を第2金型に対して相対移動させることができ、第1案内部で上記第1金型の溝内に略移動不可に保持された上記被加工材を屈曲させて上記溝から上記貫通穴に押し込むことができる。したがって、上記第1案内部屈曲部周辺で上記被加工材に非常に大きな剪断力を与えることができるので、被加工材の結晶粒径を微細化することができて、被加工材の加工後の材料特性(材料の強度や耐性等)を、飛躍的に向上させることができる。
また、本発明の被加工材の塑性加工装置によれば、上記被加工材が第1金型に対して殆ど相対移動することがないので、上記第1金型に上記被加工材に対する相対移動に起因する損傷が発生することを略完全に防止できる。
また、本発明の被加工材の塑性加工装置によれば、上記被加工材が相対移動する部分を略上記溝の寸法分だけ低減することができて略上記貫通穴部分だけに制限でき、かつ、大きな力が作用する部分を、略第2金型の第1案内部近傍および貫通穴周辺に制限できるので、第1および第2金型の破損の発生を、通路全体が被加工材と相対移動する従来の金型と比較して格段に抑制できて、第1および第2金型の寿命を従来の金型の寿命と比較して格段に長くすることができる。
また、本発明の被加工材の塑性加工方法によれば、第1金型を第2金型に対して相対移動させて、上記第1金型の溝内に略移動不可に保持された被加工材を第1案内部で屈曲させて上記溝から貫通穴に押し込むようになっているので、上記被加工材が第1金型に対して殆ど相対移動することがなくて、上記第1金型に上記被加工材との相対移動に起因する損傷が発生することを略完全に防止できる。
また、本発明の被加工材の塑性加工方法によれば、大きな力が作用する部分を、略第2金型の第1案内部近傍および貫通穴周辺に制限できるので、上記被加工材が相対移動する部分を上記溝の寸法分だけ低減することができて略上記貫通穴部分だけに制限できる。したがって、第1および第2金型の破損の発生を、通路全体が被加工材と相対移動する従来の金型と比較して格段に抑制できて、第1および第2金型の寿命を従来の金型の寿命と比較して格段に長くすることができる。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1Aは、本発明の第1実施形態の被加工材の塑性加工装置(以下、塑性加工装置という)の断面図である。尚、図1Aにおいて、参照番号20は、被加工材の一例としての純チタンからなるチタン材を示しており、参照番号21は、チタン材20を容易に取り出すためのダミー材を示している。
図1Aに示すように、この塑性加工装置は、本発明の第1実施形態の複合金型1と、保持装置2と、第1相対移動装置の一例としての予圧プレス3と、第2相対移動装置の一例としての予圧プレス5とを備える。上記複合金型1は、第1金型7と、第2金型8と、第3金型9とを有する。上記第1金型7、第2金型8および第3金型9は、金型金属からなっている。
上記第1金型7は、本体部11と、先端部12とを有する。上記本体部11は、略直方体形状を有している。上記本体部11の側面の一つにおける幅方向の略中心には、長手方向の一端から他端にかけて略長手方向に伸びる略直線状の溝13が形成されている。上記溝13には、略直線状のチタン材20が収容されるようになっている。換言すると、溝13は、チタン材20を保持するようになっている。上記先端部12は、本体部11に溝13の延在する方向に連なると共に、溝13の一端を覆っている。
上記先端部12は、本体部11に対して着脱自在であり、塑性加工装置の運転中には、本体部11に取り付けられている一方、所望の塑性加工が施された完成品の加工材の取り出し時には、本体部11から取り外されるようになっている。上記先端部12は、先端部12における溝13に面する端面88で、チタン材20を溝13内に略移動不可に保持するようになっている。
図1Bは、先端部12を本体部11に接続している状態における接続部の周辺を示す斜視図である。図1Bに示すように、溝13におけるその溝13の延在する方向に垂直な断面は、略長方形の断面形状を有している。上記先端部12を本体部11に接続した状態において、本体部11における溝13が形成された端面31と、先端部12の一つの端面32とは、略同一平面上に位置している。本体部11と先端部12との接続は、例えば、本体部の上記延在する方向の端面に、この端面から上記延在する方向に突出する突出部を3箇所形成すると共に、先端部12の端面88の3箇所に上記突出部に対応する形状の凹部を形成し、3つの上記突出部を3つの上記凹部に嵌合させることにより行うようになっている。
再び、図1Aを参照すると、上記第3金型9は、本体部と先端部が一体である点と、ダミー部材21取り出し用の貫通穴18を有する点のみが、第1金型7と異なり、形状等の他の全ての点は、第1金型7と同一である。図1Aにおいて、参照番号23は、第3金型9の溝を示している。第3金型9の溝23は、貫通穴18と連通している。
図1Aに示すように、上記第2金型8は、略直方体形状の本体部14と、第1案内部15と、第2案内部16とを有する。上記第1案内部15は、本体部14の第1側面から突出している突出部であり、第2案内部16は、本体部14における上記第1側面に略平行な第2側面から突出している突出部である。
上記本体部14には、貫通穴24が形成されている。この貫通穴24は、本体部14の一つの側面の幅方向に略直線状に延在している。上記貫通穴24は、略矩形の断面形状を有している。この断面形状は、溝13,23におけるその溝13,23の延在する方向に垂直な方向の断面の断面形状と略一致している。
上記第1案内部15は、第1金型7の溝13に相対移動可能に嵌合するようになっている一方、第2案内部16は、第3金型9の溝23に相対移動可能に嵌合するようになっている。上記第1案内部15が溝13に嵌合すると共に、第2案内部16が溝23に嵌合している嵌合状態で、貫通穴24の一端が、溝13に連通するようになっていると共に、貫通穴24の他端が、溝23に連通するようになっている。上記嵌合状態において、溝13の延在する方向は、貫通穴24の延在する方向と略垂直に交わり、貫通穴24の延在する方向は、溝23の延在する方向と略垂直に交わっている。
また、上記嵌合状態において、第1金型7の溝13と、第2金型8の上記溝13側の面と、第1案内部15とは、チタン材20の幅方向および少なくとも長手方向の一端を閉じる閉鎖空間を形成している。また、上記嵌合状態において、溝13におけるチタン材20が収容されている部分は、第2金型8の本体部14によって完全に塞がれている。すなわち、上記嵌合状態において、貫通穴24の開口の一部に連なる本体部14の外面は、第1金型7の溝13が形成された面と密接する表面部分26を有している。そして、溝13の延在する方向の長さは、表面部分26の溝13を覆っている部分における溝13の延在する方向の長さに貫通穴24の上記延在する方向の長さと第1案内部15の上記延在する方向の長さとを加えた長さ以下になっている。
図1Cは、第2金型8の貫通穴24付近の部分を示す斜視図である。上記第1案内部15および第2案内部16は、略直方体形状を有している。上記第1案内部15は、本体部14の一側面41からこの側面41の法線方向に延在しており、第2案内部16は、本体部14の側面41に略平行な側面42からこの側面42の法線方向に延在している。上記本体部14は、貫通穴24を垂直二等分する垂直二等分面に対して略面対称の形状を有している。上記貫通穴24の4つの側面のうちの1つと、第1案内部15における被加工材を屈曲させる側面部分(第1案内部15の上記閉鎖空間に面する面)51とは、連続していると共に、略同一平面上に位置している。上記本体部14の貫通穴24よりも第1案内部15側の貫通穴24の延在する方向に垂直な方向の端面は、図示しない固定台に固定されている。このことから、第2金型8は、静止した状態になっている。
図1Dは、第1金型7と第2金型8が嵌合せずかつ第2金型8と第3金型9が嵌合していない状態における複合金型1の一部を示す斜視図である。また、図1Eは、その複合金型1の一部を違う方向から見たときの斜視図である。尚、図1Dおよび図1Eでは、簡単のため、第1金型7が、先端部が着脱式であることを示す線を省略することにする。
図1Dおよび図1Eに示すように、第1金型7の溝13における溝13の延在する方向に垂直な方向の断面形状と、第1案内部15における第1案内部15における被加工材を屈曲させる側面部分51に平行な断面の断面形状とは、略一致している。このことから、第1案内部15を溝13に嵌合させた状態で、第1金型7における溝13に面する端面52と、第1案内部15が突出している表面部分53とは、密接した状態で当接するようになっている。また、上記側面部分51は、貫通穴24の4つの平面状の側面のうちの一つの延長面になっており、側面部分51と、上記側面のうちの一つとは、略同一平面上に位置している。
再び、図1Aを参照すると、上記保持装置2は、第1バックアップローラ37と、第2バックアップローラ38、第1バックアップローラ37を一方向に押圧する第1電動シリンダ(図示せず)と、第2バックアップローラ38を一方向に押圧する第2電動シリンダ(図示せず)とを有している。上記保持装置2は、第1シリンダを作動させて、第1バックアップローラ37を第1金型7の溝13が形成されている側面に対向している側面に押し付けると共に、第2シリンダを作動させて、第2バックアップローラ38を第3金型9の溝23が形成されている側面に対向している側面に押し付けるようになっている。このようにして、第1バックアップローラ37と第2バックアップローラ38で第1乃至第3金型7,8,9に図1Aに矢印Bで示す押圧力を作用させて、第1案内部15が第1金型7の溝13に嵌合すると共に、第2案内部16が第3金型9の溝23に嵌合している嵌合状態を保持するようになっている。
上記予圧プレス3(例えば、コンクリート製品の加圧成型に使用されるものを利用できる。)は、最大数百トン程度の非常に高い圧力を加えることができるようになっており、上記予圧プレス3は、加圧力を自在に変動させることができるようになっている。上記予圧プレス3は、第1金型7の先端部12の端面35を、第1案内部15の方に、すなわち、図1Aに矢印Aで示す方向に押圧するようになっている。また、上記予圧プレス5は、予圧プレス3と同じものである。上記予圧プレス5は、貫通穴24を境にして先端部12と同じ側に位置する第3金型9における溝23の延在する方向の端面を、第2案内部16の方に、すなわち、矢印Aで示す方向に押圧するようになっている。
図2A〜図2Gは、本発明の被加工材の塑性加工方法(以下、塑性加工方法という)の一実施形態について説明する図である。この実施形態の塑性加工方法は、上記塑性加工装置を用いて被加工材の塑性加工を行なっている。次に、図2A〜図2Fを用いて、この実施形態の塑性加工装置を説明することにする。尚、簡単のため、図2A〜図2Gにおいて、予圧プレス3および予圧プレス5の図示を省略し、図2B〜図2Gにおいて、保持装置2の図示を省略することにする。
先ず、被加工材保持工程を行う。この被加工材保持工程では、図2Aに7で示す第1金型の略直線状の溝13の一部に、被加工材の一例である純チタン材料からなるチタン材20と、このチタン材20に当接するようにダミー材21を収容する。
次に、第1嵌合工程と第2嵌合工程を行う。この工程では、第1案内部15を第1金型7の溝13におけるチタン材20とダミー材21が配置されていない箇所に嵌合させると共に、第2案内部16を、第2金型9の溝23に嵌合させる。尚、この工程では、第1嵌合工程と第2嵌合工程とを同時に行っても良く、第1嵌合工程の後に第2嵌合工程を行っても良く、第1嵌合工程の前に第2嵌合工程を行っても良い。
続いて、保持工程を行う。この保持工程では、第1案内部15が第1金型7の溝13に嵌合していると共に、第2案内部16が第3金型9の溝23に嵌合している状態において、第1および第2電動シリンダを作動させて、第1バックアップローラ37と第2バックアップローラ38の間に一体となった第1乃至第3金型7,8,9を挟み込むようになっている。このようにして、第1バックアップローラ37と第2バックアップローラ38で第1乃至第3金型7,8,9に矢印Bで示す押圧力を作用させて、上記嵌合状態を保持するようになっている。
次に、被加工材押し込み工程を行う、この被加工材押し込み工程では、予圧プレス3で第1金型7の先端部12を図2Bに矢印Dで示す方向に押圧すると共に、予圧プレス5で第3金型9の端面36を押圧する。このとき、予圧プレス3の押圧力を予圧プレス5の押圧力よりも大きく設定して、先端部12を第1案内部15に近づけるように、第1金型7を、図示しない固定台に固定されて静止している第2金型8に対して移動させて、図2Bおよび図2Cに示すように、ダミー材21およびチタン材20を第1金型7の溝13から貫通穴24を介して第3金型9の溝23内に押圧する。別の言葉でいうと、第1金型7の溝13内に略移動不可に保持されたチタン材20を、第1金型7の第2金型8に対する相対移動により、第1案内部15により屈曲させて、溝13から貫通穴24に押し込み、更に、貫通穴24に押し込まれたチタン材20を、第3金型9の溝23の底面により屈曲させて、貫通穴24から溝23に押し込むようにする。
このようにして、図2Dに示すように、溝13に収容されているチタン材20の部分の溝13の延在する方向の長さが、貫通穴24における溝13の延在する方向の長さと略一致するまで、ダミー材21およびチタン材20を第1金型7の溝13から貫通穴24を介して第3金型9の溝23内に押し込む。図2Dに示す状態において、ダミー材に連なるチタン材20の大部分は、2回強烈な屈曲塑性変形が施され、チタン材20の略貫通穴24の長さに相当する部分は、1回強烈な屈曲塑性変形が施されている。
この後、さっきとは、逆に、図2Dおよび図2Eに矢印Fで示す予圧プレス5の押圧力を、図2Dおよび図2Eに矢印Gで示す予圧プレス3の押圧力よりも大きく設定して、第3金型9の端面36を第2案内部16に近づけるように、第3金型9を、第2金型8に対して移動させて、チタン材20およびダミー材21を第3金型9の溝23から貫通穴24を介して第1金型7の溝13内に押圧する。そして、図2Eに示すように、溝23に収容されているダミー材20の部分の溝13の延在する方向の長さが、貫通穴24における溝23の延在する方向の長さと略一致するまで、溝23内に収容されていたチタン材20およびダミー材21を、貫通穴24および第1金型7の溝13内に押し込むようにする。
この後、製品取り出し工程を行う。この製品取り出し工程では、第1および第2バックアップローラ37,38の押圧力を抜き、先端部12を本体部11から取り外し、更に、第1金型7を、チタン材20の全てが溝13外に位置するように、第2金型8に対して相対移動させる。また、その相対移動と同時に、第2金型8の貫通穴24と、第3金型9のダミー部材21取り出し用の貫通穴18とが、略一直線上に位置するように、第3金型9を第2金型8に対して相対移動させる。そして、その後、図2Gに示すように、塑性変形が施されることにより粒子径が格段に小さくなった完成品のチタン材20を、取り出すと共に、ダミー材21を、貫通穴24、貫通穴18を介して、取り出すようにする。取り出したダミー材21は、新たなチタン材を塑性変形するのに再使用することもできる。
上記第1実施形態の複合金型1によれば、第1案内部15が、第1金型7の第2金型8に対する相対移動により、第1金型7の溝13内に略移動不可に保持されたチタン材20を屈曲させて溝13から貫通穴24に押し込むので、第1案内部15周辺の屈曲部における屈曲の際にチタン材20に強烈に大きな剪断力を与えることができて、チタン材20の結晶粒径を微細化することができる。したがって、チタン材20の加工後の材料特性(材料の強度や耐性等)を、飛躍的に向上させることができる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、第1金型7の溝13内に略移動不可に保持されたチタン材20を、第1金型7の第2金型8に対する相対移動により第1案内部15で屈曲させて溝13から貫通穴24に押し込むようになっているので、従来の金型と比較して、チタン材20が第1金型7に対して相対移動する部分を、溝13の寸法分だけ低減することができて略貫通穴24部分だけに制限でき、かつ、大きな力が作用する部分を、略第2金型8の第1案内部15近傍および貫通穴24辺に制限できる。したがって、複合金型1の破損の発生を、通路全体が被加工材と相対移動する従来の金型と比較して格段に抑制できて、粒子径を非常に小さくするように材料を塑性変形するのに使用する金型の寿命を従来品と比較して格段に長くすることができる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、上記第1金型7と第2金型8の相対移動力の大部分を被加工材の粒子径を小さくする力の一部として利用できる。すなわち、本発明によれば、溝13の壁面と被加工材の側面との摩擦力が諸悪の元凶となる従来の金型と異なり、溝13の壁面と被加工材の側面との摩擦力を大幅に低減できる。したがって、被加工材の金型壁面への押付力に起因する被加工材と金型壁面の摩擦力に打ち勝つ加圧力が必要になる従来の金型と比較して、被加工材に加える加圧力を格段に小さくすることができて、被加工材(この実施形態ではチタン材20)に加える加圧力(押圧力)を、従来の数百トンから数トン、あるいは、それ以下にまで急激に低減することができる。したがって、第2金型8の破損防止に加えて、被加工材を塑性変形させるコストを格段に小さくすることができる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、第2金型8の本体部14が、貫通穴24の開口の一部に連なると共に、第1金型7の溝13に面する端面52と密接する表面部分53を有するので、第1案内部15で屈曲されたチタン材20を貫通穴24の方に確実に導くことができる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、第1案内部15におけるチタン材20を屈曲させる側面部分51が、貫通穴24の側面の一部の延長面であるので、第1案内部15で屈曲された(粒子径を小さくされた)チタン材20を貫通穴24内に円滑に押し込むことができる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、第2金型8の貫通穴24が、略直線状に延在し、第1金型7の溝13の延在する方向が、貫通穴24の延在する方向に略垂直に交わっているので、チタン材20に略90度角の塑性変形を与えることができて、チタン材20に最も強烈な剪断塑性変形をかけることができる。したがって、チタン材20の粒子径を1000分の1程度まで小さくできて、チタン材20の強度を略2倍、耐性を略100倍にまで格段に向上させることができる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、第1金型7の溝13に保持されていたチタン材20を、貫通穴24を介して第3金型9の溝23に押し込むことができる。また、上記第3金型9の溝23に押し込まれたチタン材20を、再度、貫通穴24を介して第1金型7内に押し込むことができて、チタン材20の加工後の材料特性を所望の材料特性にするコストを格段に低減できる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、第2案内部16の側面の一部が、貫通穴24の側面の一部の延長面であるので、貫通穴24を通過したチタン材20を第2案内部16の側面を沿わせるようにして、第3金型9の溝23に円滑に押し込むことができる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、貫通穴24が、略矩形の断面形状を有し、第1案内部15におけるチタン材20を屈曲させる側面部分51、貫通穴24の側面の一部、および、第2案内部16の一部が、略同一平面上に位置しているので、第1金型7の溝13が保持しているチタン材20を、貫通穴24を介して容易に第3金型9の溝23内に押し込むことができ、逆に、第3金型9の溝23が保持しているチタン材20を、貫通穴24を介して容易に第1金型7の溝13内に押し込むことができる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、第1案内部15が、単純な略直方体形状であり、第1金型7の溝13におけるその溝13の延在する方向に垂直な断面が、単純な略長方形の断面形状を有しているので、第1案内部15および第1金型7の溝13を簡単安価に製造できる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、第1金型7が、溝13が形成されている本体部11と、本体部11に溝13の延在する方向に連なると共に、溝13の一端を覆っている先端部12とを有し、先端部12における溝13に面する端面88で、チタン材20を第1金型7の溝13内に略移動不可に保持するようになっているので、上記端面88でチタン材20を押圧することができて、このことによって、チタン材20を第1金型7の溝13内に略移動不可に保持することができる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、上記先端部12が、第1金型7の本体部11に対して着脱可能であるので、先端部12を取り外すことにより、塑性加工が施された完成品のチタン材20を複合金型1から容易に取り出すことができる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、上記貫通穴24が、略直線状に延在し、第1金型7の溝13の断面形状と、貫通穴24の断面形状と、第3金型9の溝23の断面形状とが、略同一であるので、貫通穴24とチタン材20との摩擦力を低減できて、複合金型1の寿命を更に長くすることができる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、3つの金型7,8,9を備え、第1金型7の溝13の延在する方向および第3金型9の溝23の延在する方向は、貫通穴24の延在する方向と略垂直に交わっているので、チタン材20に複数回に亘って容易に90度角の剪断塑性変形を与えることができて、複数回に亘ってチタン材20に最も効果的な剪断塑性変形をかけることができる。したがって、チタン材20の粒子径を1000分の1程度まで急激に小さくすることができて、強度を略2倍、耐性を略100倍まで急激に上昇させることができる。
また、上記実施形態の塑性加工装置によれば、第1相対移動装置である予圧プレス3により、第1金型7を第2金型8に対して相対移動させることができ、第1案内部15で第1金型7の溝13内に略移動不可に保持されたチタン材20を屈曲させて溝13から貫通穴24に押し込むことができる。したがって、第1案内部15周辺屈曲部でチタン材20に非常に大きな剪断力を与えることができるので、チタン材20の結晶粒径を微細化することができる。したがって、チタン材20の加工後の材料特性(材料の強度や耐性等)を、飛躍的に向上させることができる。
また、上記実施形態の塑性加工装置によれば、チタン材20が第1金型7に対して殆ど相対移動することがないので、第1金型7にチタン材20に対する相対移動に起因する損傷が発生することを略完全に防止できる。
また、上記実施形態の塑性加工装置によれば、従来品の金型と比して、被加工材が通路に対して摺動する部分を、溝13の寸法分だけ低減することができて略貫通穴24部分だけに制限でき、かつ、大きな力が作用する部分を、略第2金型8の第1案内部15近傍および貫通穴24周辺に制限できるので、第1および第2金型7,8の破損の発生を、通路全体が被加工材と相対移動する従来品の金型と比較して格段に抑制できて、第1および第2金型7,8の寿命を従来品の金型の寿命と比較して格段に長くすることができる。
また、上記実施形態の塑性加工装置によれば、保持装置の一例としての保持装置2が、第1金型7の溝13に第1案内部15が嵌合すると共に、第3金型9の溝23に第2案内部16が嵌合している状態を保持するので、塑性加工装置の運転中に、第1金型7の溝13から第1案内部15が抜け出ることを確実に防止できると同時に、第3金型9の溝23から第2案内部16が抜け出ることを確実に防止することができる。
また、上記実施形態の塑性加工装置によれば、第2金型8と第3金型9とを相対移動させる予圧プレス5を備えるので、第1金型7の溝13から第3金型9の溝23に貫通穴24を介して押し込まれたチタン材20を、再度、貫通穴24を介して第1金型7の溝13に押し込むことができる。
また、上記実施形態の塑性加工装置によれば、第2金型8が、固定台に固定されており、予圧プレス3は、第1金型7における貫通穴24に連通している溝13部分が小さくなるように第1金型7を押圧すると共に、予圧プレス5は、第3金型9における貫通穴24に連通している溝23部分が小さくなるように第3金型9を押圧するようになっている。そして、予圧プレス3が第1金型7を押圧する押圧力を、予圧プレス5が第3金型9を押圧する押圧力よりも大きくすることにより、第1金型7の溝13に保持されているチタン材20を、貫通穴24を介して第3金型9の溝23に移動させる一方、予圧プレス3が第1金型7を押圧する押圧力を、予圧プレス5が第3金型9を押圧する押圧力よりも小さくすることにより、第3金型9の溝23に保持されているチタン材20を、貫通穴24を介して第1金型7の溝13に移動させるようになっている。したがって、チタン材20に複数回に亘って容易に強烈な塑性変形をかけることができて、このことから、チタン材の粒子径を略均一に細分化することができて、チタン材の強度および耐性を格段に向上させることができる。
また、上記実施形態の塑性加工方法によれば、第1金型7を第2金型8に対して相対移動させて、第1金型7の溝13内に略移動不可に保持されたチタン材20を第1案内部15で屈曲させて溝13から貫通穴24に押し込むようになっているので、チタン材20が第1金型7に対して殆ど相対移動することがなくて、第1金型7にチタン材20に対する相対移動に起因する損傷が発生することを略完全に防止できる。
また、上記実施形態の塑性加工方法によれば、大きな力が作用する部分を、略第2金型8の第1案内部15近傍および貫通穴24周辺に制限できるので、チタン材20が相対移動する部分を略溝13の寸法分だけ低減することができて、略貫通穴24部分だけに制限できる。したがって、金型の破損の発生を、通路全体が被加工材と相対移動する従来品の金型と比較して格段に抑制できて、第1および第2金型7,8の寿命を従来品の金型の寿命と比較して格段に長くすることができる。
また、上記実施形態の塑性加工方法によれば、第1案内部15が第1金型7の溝13に嵌合していると共に、第2案内部16が第3金型9の溝23に嵌合している状態を確実に保持することができる。また、第1金型7の溝13に保持されているチタン材20を、第3金型9の溝23の押し込むことができ、チタン材20を第3金型9の溝23に押し込むまで、チタン材20の大部分を2回屈曲させることができる。
また、上記第1実施形態の複合金型1によれば、溝13の延在する方向の長さが、上記表面部分53が覆うことができる溝13の最大部分の上記延在する方向の長さに、貫通穴24における溝13の延在する方向の長さと第1案内部15における溝13の延在する方向の長さとを加えた長さ以下に設定されているので、溝13に第1案内部15を嵌合した状態において、溝13における貫通穴24に連通している部分を、第2金型8の溝13側の面によって常に覆うことができる。したがって、チタン材20が溝13から抜け出ることを確実に防止できる。
尚、上記第1実施形態の複合金型1では、溝13に第1案内部15を嵌合した状態において、溝13における貫通穴24に連通している部分を、第2金型8の溝13側の面によって常に覆うようにしたが、この発明では、溝13に第1案内部15を嵌合した状態において、チタン材20を保持している溝13の一部のみを第2金型8の上記表面部分53で塞ぐようにしても良い。このようにすると、第2金型8とチタン材20の摺動面積を低減できるので、第2金型8とチタン材20の摺動抵抗を低減でき、第2金型8の寿命を更に長くすることができると共に、チタン材等の被加工材の粒子径を微細化するのに必要な加圧力を更に低減できる。また、この場合に、上記表面部分53における溝13の延在する方向の貫通穴24側と反対側の先端の角に面取りを施すと、塑性加工の開始時において上記表面部分53で覆われていないチタン材20の部分を、塑性加工の開始後に第1金型7の溝13と上記表面部分53で覆われている空間に円滑に押し込むことができて好ましい。
また、第1金型7の表面部分52と第2金型8の表面部分53は、この実施例図においては、同様の幅で等しく摺動しているが、図3Aに示すように、表面部分152の溝153を囲む部分を一定幅残し、他の表面部分152を少し低くすると、幅153内のチタン材およびそのまわりに残った表面部分152と、第2金型8の表面部分53との摺動面積が小さくなって、摺動抵抗を低減することができ、金型寿命を長くすることができる。同様の摺動面の低減は、第2金型の方に施しても当然良い。また、第2金型と第3金型間においても同様に実施できることは言うまでもない。
また、上記第1実施形態の複合金型1では、第3金型9は、本体部と先端部が一体である点と、ダミー部材21取り出し用の貫通穴18を有する点が、第1金型7と異なっていたが、第3金型を、第1金型7と同一にしても良い。このようにすると、第1金型7および第3金型9を量産することができて、複合金型の製造コストを低減することができる。また、上記第1実施形態では、第1金型7は、先端部12が本体部11に対して着脱自在であったが、第1金型は、図3Bに示すように、先端部62と本体部61とが、一体であっても良い。
また、上記第1実施形態の複合金型1では、第1金型7の溝13と第2金型8の溝23の断面形状が略矩形(長方形)であったが、第1金型の溝と第2金型の溝のうちの少なくとも一方の溝の断面形状は、略断面半円状や略断面台形状等の略断面矩形状以外の形状であっても良い。
また、上記第1実施形態の複合金型1では、第1金型7の溝13と第2金型8の貫通穴24とが、略直角に交わるようになっていたが、この発明では、第1金型の溝と第2金型の貫通穴とは、鈍角または鋭角に交わるようになっていても良い。その他、R形状等、適切な剪断塑性変形をさせることができればどのような交わり形状でも良い。
また、上記第2実施形態の複合金型1では、複合金型1を3つの金型7,8,9で構成したが、この発明では、金型を2つあるいは4つ以上で構成しても良い。例えば、上記第1実施形態の金型において、第2金型8の第2案内部16および第3金型9を省略して、第1金型7の溝13から第2金型8の貫通穴24に押し出されたチタン材等の被加工材を、貫通穴24の溝13側と反対側の開口から取り出すようにしても良い。この場合、被加工材には、一回の屈曲塑性変形が施されることは言うまでもない。
また、上記第1実施形態の複合金型1では、第2金型8が固定され、第1金型7を第2金型8に対して相対移動させるようにしたが、この発明では、溝を有する第1金型を固定し、貫通穴を有する第2金型を第1金型に対して相対移動させるようにしても良い。
また、上記第1実施形態の複合金型1では、第1乃至第3金型7,8,9がおおむね直方体の形状を有していたが、この発明では、第1金型、第2金型および第3金型のうちの少なくともひとつが、略円柱形状や略直方体形状以外の略角柱形状等、略直方体形状以外の形状であっても良い。
また、上記第1実施形態の複合金型1では、第1案内部15におけるチタン材20を屈曲させる側面部分は、貫通穴24の側面に連なっていたが、第1案内部における被加工材を屈曲させる側面部分は、段部を介して第2金型の貫通穴の側面に連なるようであっても良い。この場合、第1案内部における被加工材を屈曲させる側面部分を、第2金型の貫通穴の側面の近傍に位置させるようにすると、被加工材を、第1金型の溝から第2金型の貫通穴に円滑に押し込むことができて、好ましい。
また、上記第1実施形態の複合金型1では、貫通穴24が略直線状に延在していたが、この発明では、貫通穴24は、屈曲形状や湾曲形状等、略直線形状以外の形状であっても良い。また、上記第1実施形態の複合金型1では、貫通穴24の断面形状が略矩形状であったが、貫通穴の断面形状は、円形や4角形以外の多角形形状等、略矩形状以外の形状であっても良い。また、上記第1実施形態では、貫通穴24の断面形状は、貫通穴24の延在する方向にいくに従って一定であったが、貫通穴の断面形状は、貫通穴の延在する方向にいくに従って変動しても良い。
また、上記実施形態の塑性加工装置では、保持装置2は、バックアップローラ37,38を電動シリンダで押圧する構成であったが、バックアップローラと電動シリンダとの間にトグル装置を配置し、電動シリンダの押圧力を増幅するようにしても良い。また、上記実施形態の塑性加工装置では、バックアップローラ37,38で第1乃至第3金型7,8,9を挟み込む構成であったが、この発明では、保持装置は、バックアップローラを用いない構成であっても良く、例えば、2つの電動シリンダで直接第1金型と第3金型を挟み込んで、第1金型と第2金型の嵌合を保持すると同時に、第2金型と第3金型の嵌合を保持するような構成であっても良い。また、上記実施形態の塑性加工装置では、保持装置2が、第1および第2の電動シリンダを有していたが、電動シリンダの代わりに油圧シリンダを使用しても良い。保持装置は、第1金型の溝が形成されている側面に対向している第1金型の側面を第3金型の方に押圧できる共に、第3金型の溝が形成されている側面に対向している第3金型の側面を第1金型の方に押圧できる装置であれば、如何なる装置であっても良い。尚、複合金型が、金型2つで構成される場合は、保持装置は、第1金型と第2金型の嵌合を保持するような構成であれば如何なる構成であっても良いことは言うまでもない。
また、上記実施形態の塑性加工装置では、第1相対移動装置が予圧プレス3であると共に、第2相対移動装置が予圧プレス5であり、かつ、予圧プレス3,5として、コンクリート製品の加圧成型に使用されているものを採用したが、予圧プレスは、コンクリート製品の加圧成型に使用されるものに限らない。また、この発明で使用できる予圧プレスは、手動式(ハンドプレス、偏心プレス)であっても、動力式(水圧プレス、油圧プレス、機械プレス)であっても良く、例えば、予圧プレスとして、プランジャ等を使用できる。尚、第1相対移動装置および第2相対移動装置は、金型を加圧(押圧)できる装置であれば、如何なる装置であっても良いことは言うまでもない。
また、上記第1実施形態では、被加工材として純チタンからなるチタン材20を採用したが、この発明の複合金型で塑性加工される被加工材としては、純チタンからなる材料以外に、純鉄からなる材料、純銅からなる材料、純アルミからなる材料、純ニッケルからなる材料、純マグネシウムからなる材料、純銀からなる材料、純金かなる材料、純白金からなる材料等、純チタンからなる材料以外の純金属からなる材料がある。また、この発明の複合金型で塑性加工される別の被加工材としては、複数の金属で構成される合金があり、また、塩化ビニール、シリコン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ゴーセノール(登録商標)、ソアノール(登録商標)等の樹脂材料または合成樹脂材料がある。また、他には、セラミック材、練物食材等がある。この発明の複合金型で塑性加工できる被加工材としては、塑性変形ができる材料であれば如何なる材料であっても良いことは言うまでもない。
図4Aは、第2実施形態の複合金型の一部の斜視図であり、図4Bは、第2実施形態の複合金型の一部を、図4Aとは違う方向からみた斜視図である。第2実施形態の複合金型は、第2金型78の形状のみが、第1実施形態の複合金型1と異なる。尚、図4Aおよび図4Bは、構造が分かり易いように、第1〜第3金型7,78,9を互いに嵌合させて一体化する前の状態を示している。尚、図4Aおよび図4Bでは、簡単のため、第1金型7が、先端部が着脱式であることを示す線を省略することにする。
第2実施形態の複合金型では、第1実施形態の複合金型1の構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第2実施形態の複合金型および以下の第3、第4実施形態の複合金型では、第1実施形態の複合金型1と共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態の複合金型1と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行うことにする。
図4Aおよび図4Bに示すように、第2実施形態では、第2金型78は、貫通穴24の延在する方向に垂直な方向の幅が大きくなっている。また、第2実施形態では、第1金型7の第1案内部15における被加工材を屈曲させる側面部分51と、貫通穴24の側面の第1部分84とが、略同一平面上に位置していることは、第1実施形態と同一であるが、第2案内部86の側面の一部81と略同一平面上に位置する貫通穴24の側面部分が、第1実施形態のように上記第1部分84ではなくて、貫通穴24の側面における上記第1部分84に略垂直な2つの部分のうちの一方の第2部分81(第1案内部15側から見た平面図で第1部分84の右方側面部分)であることが、第1実施形態と異なっている。
上記第2実施形態の複合金型によれば、第1金型7の溝13が保持している被加工材を、第2金型78の貫通穴24を介して容易に第3金型9の溝23内に押し込むことができ、逆に、第3金型8の溝が保持している被加工材を、貫通穴24を介して容易に第1金型7の溝13内に押し込むことができる。
尚、上記第2実施形態の複合金型では、第1金型7の第1案内部15における被加工材を屈曲させる側面部分51と、貫通穴24の側面の第1部分84とを、略同一平面上に位置させると共に、第2案内部86の側面の一部81と、貫通穴24の側面における上記第1部分84に略垂直な第2部分81とを略同一平面上に位置させるようにした。しかしながら、第2金型の貫通穴の断面形状が略矩形状である場合、本発明の複合金型の第3実施形態として、第1案内部における被加工材を屈曲させる側面部分と、貫通穴の側面の第1部分とを、略同一平面上に位置させると共に、第2案内部の側面の一部と、貫通穴の側面における上記第1部分に略垂直な2つの部分のうちの他方の部分(第1案内部側から見た平面図で第1部分の左方側面部分)とを略同一平面上に位置させるようにしても良い。
また、第2金型の貫通穴の断面形状が略矩形状である場合、本発明の複合金型の第4実施形態として、第1案内部における被加工材を屈曲させる側面部分と、貫通穴の側面の第1部分とを、略同一平面上に位置させると共に、第2案内部の側面の一部と、貫通穴の側面における上記第1部分に略平行な第2部分とを略同一平面上に位置させるようにしても良い。
図5Aは、上記第1実施形態の複合金型1で、第1金型7の溝13から第3金型9の溝23に押し出されている途中の被加工材91の形状を示す斜視図であり、図5Bは、上記第2実施形態の複合金型で、第1金型7の溝13から第3金型9の溝23に押し出されている途中の被加工材92の形状を示す斜視図である。また、図5Cは、上記第3実施形態の複合金型で、第1金型の溝から第3金型の溝に押し出されている途中の被加工材93の形状を示す斜視図であり、図5Dは、上記第4実施形態の複合金型で、第1金型の溝から第3金型の溝に押し出されている途中の被加工材94の形状を示す斜視図である。
図5A〜図5Dに示すように、どの被加工材91,92,93,94も、2つの地点が略90度に屈曲しており、被加工材91,92,93,94が第1金型から第3金型に押し出された時、被加工材91,92,93,94の一端部を除く大部分に2回、強烈な塑性変形が与えられることがわかる。
尚、上で詳細に説明したように、第1〜第4実施形態の複合金型では、被加工材を、所望の回数、容易に、第1金型の溝と第3金型の溝を往復させることができて、往復回数をn(nは自然数)としたとき、被加工材91,92,93,94の両端部を除く大部分に4n回の強烈な塑性変形を与えることができる。したがって、用途に合わせて往復回数を適切に調整することによって、被加工材の強度、耐性を、用途に合わせて所望の値に容易に調節することができる。
尚、上記実施形態の塑性加工装置において、複合金型1を、上記第1実施形態の変形例の複合金型、上記第2実施形態の複合金型、上記第3実施形態の複合金型、または、上記第4実施形態の複合金型に取り替えることにより、第1実施形態の塑性加工装置と異なる実施形態の塑性加工装置を容易に作成できることは言うまでもないことである。尚、塑性加工装置は、ヒータ等の加熱装置を有していても良く、上記実施形態の塑性加工装置において、被加工材の性質にあわせて、剪断による結晶粒径の微細化効率を最適にする温度に被加工材及び金型部等を加熱するようにできることは言うまでもないことである。
本発明の第1実施形態の塑性加工装置の断面図である。 第1金型における本体部と先端部の接続部を示す斜視図である。 第2金型の貫通穴の周辺の部分を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態の複合金型の一部を示す斜視図である 本発明の第1実施形態の複合金型の一部を示す斜視図である 本発明の塑性加工方法の一実施形態について説明する図である。 本発明の塑性加工方法の一実施形態について説明する図である。 本発明の塑性加工方法の一実施形態について説明する図である。 本発明の塑性加工方法の一実施形態について説明する図である。 本発明の塑性加工方法の一実施形態について説明する図である。 本発明の塑性加工方法の一実施形態について説明する図である。 本発明の塑性加工方法の一実施形態について説明する図である。 第1金型の変形例の一部を示す斜視図である。 第1金型の変形例の一部を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の複合金型の一部の斜視図である。 本発明の第2実施形態の複合金型の一部の斜視図である。 本発明の第1実施形態の複合金型で、第1金型の溝から第3金型の溝に押し出されている途中の被加工材の形状を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の複合金型で、第1金型の溝から第3金型の溝に押し出されている途中の被加工材の形状を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態の複合金型で、第1金型の溝から第3金型の溝に押し出されている途中の被加工材の形状を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態の複合金型で、第1金型の溝から第3金型の溝に押し出されている途中の被加工材の形状を示す斜視図である。
1 複合金型
2 保持装置
3 予圧プレス
5 予圧プレス
7 第1金型
8,78 第2金型
9 第3金型
11 本体部
12 先端部
13,23 溝
14 本体部
15 第1案内部
16,86 第2案内部
20 チタン材
24 貫通穴
37 第1バックアップローラ
38 第2バックアップローラ

Claims (21)

  1. 略直線状の被加工材を保持する略直線状の溝を有する第1金型と、
    上記溝に相対移動可能に嵌合する第1案内部と、上記溝に交差するように連通する貫通穴を有する本体部とを有する第2金型と
    を備え、
    上記第1金型と上記第2金型とは、上記溝内に上記第1案内部を嵌合した状態で、上記溝の延在する方向に互いに相対移動可能であり、
    上記第1案内部は、上記第1金型の上記第2金型に対する相対移動により上記第1金型の上記溝内に略移動不可に保持された上記被加工材を屈曲させて上記溝から上記貫通穴に案内し、
    略直線状の被加工材を保持する略直線状の溝を有する第3金型を備え、
    上記第2金型は、上記第3金型の上記溝に相対移動可能に嵌合する第2案内部を有し、
    上記第3金型の上記溝は、上記貫通穴の上記第1金型側と反対側の開口に連通していることを特徴とする複合金型。
  2. 請求項1に記載の複合金型において、
    上記第1金型の上記溝と、上記第2金型の上記溝側の面と、上記第1案内部とは、上記略直線状の被加工材の幅方向および少なくとも長手方向の一端を閉じる閉鎖空間を形成し、
    上記第1案内部の上記閉鎖空間に面する面は、上記貫通穴の側面に連なるか、あるいは、上記側面の近傍に位置していることを特徴とする複合金型。
  3. 請求項1に記載の複合金型において、
    上記溝に上記第1案内部が嵌合している状態で、上記溝における上記貫通穴に連通している部分は、上記第2金型の上記溝側の面によって常に覆われた状態になっていることを特徴とする複合金型。
  4. 請求項1に記載の複合金型において、
    上記第1案内部は、上記本体部から突出した突出部であり、
    上記第1案内部における上記被加工材を屈曲させる側面部分は、上記貫通穴の側面の一部の延長面であることを特徴とする複合金型。
  5. 請求項4に記載の複合金型において、
    上記貫通穴は、略直線状に延在し、
    上記溝の延在する方向は、上記貫通穴の延在する方向に略垂直に交わっていることを特徴とする複合金型。
  6. 請求項1に記載の複合金型において、
    上記第2案内部は、上記本体部から突出した突出部であることを特徴とする複合金型。
  7. 請求項に記載の複合金型において、
    上記第2案内部の側面の一部は、上記貫通穴の側面の一部の延長面であることを特徴とする複合金型。
  8. 請求項に記載の複合金型において、
    上記貫通穴は、断面形状が略一定であると共に、略直線状に延在し、
    上記第2金型は、上記貫通穴の垂直二等分面に対して略面対称な形状を有し、
    上記第1金型と、上記第3金型とは、略同じ形状であることを特徴とする複合金型。
  9. 請求項に記載の複合金型において、
    上記貫通穴は、略矩形の断面形状を有し、
    上記第1案内部における上記被加工材を屈曲させる側面部分、上記貫通穴の側面の一部、および、上記第2案内部の側面の一部は、略同一平面上に位置していることを特徴とする複合金型。
  10. 請求項に記載の複合金型において、
    上記第1案内部は、略直方体形状であり、
    上記第1金型の上記溝におけるその溝の延在する方向に垂直な断面は、略長方形の断面形状を有していることを特徴とする複合金型。
  11. 請求項1に記載の複合金型において、
    上記第1金型は、上記溝が形成されている本体部と、上記本体部に上記溝の延在する方向に連なると共に、上記溝の一端を覆っている先端部とを有し、
    上記先端部における上記溝に面する端面で、上記被加工材を上記第1金型の上記溝内に略移動不可に保持するようになっていることを特徴とする複合金型。
  12. 請求項11に記載の複合金型において、
    上記先端部は、上記第1金型の上記本体部に対して着脱自在であることを特徴とする複合金型。
  13. 請求項に記載の複合金型において、
    上記貫通穴は、略直線状に延在すると共に、略矩形の断面形状を有し、
    上記第1案内部における上記被加工材を屈曲させる側面部分と、上記貫通穴の側面の第1部分とは、略同一平面上に位置し、上記第2案内部の側面の一部と、上記貫通穴の側面における上記第1部分に略垂直な第2部分とは、略同一平面上に位置していることを特徴とする複合金型。
  14. 請求項に記載の複合金型において、
    上記貫通穴は、略直線状に延在すると共に、略矩形の断面形状を有し、
    上記第1案内部における上記被加工材を屈曲させる側面部分と、上記貫通穴の側面の第1部分とは、略同一平面上に位置し、上記第2案内部の側面の一部と、上記貫通穴の側面における上記第1部分に略平行な第2部分とは、略同一平面上に位置することを特徴とする複合金型。
  15. 請求項に記載の複合金型において、
    上記貫通穴は、略直線状に延在し、
    上記第1金型の上記溝の断面形状と、上記貫通穴の断面形状と、上記第3金型の上記溝の断面形状とは、略同一であることを特徴とする複合金型。
  16. 請求項15に記載の複合金型において、
    上記第1金型の上記溝の延在する方向および上記第3金型の上記溝の延在する方向は、上記貫通穴の延在する方向と略垂直に交わっていることを特徴とする複合金型。
  17. 請求項2に記載の複合金型において、
    上記第2金型の上記溝側の面における上記溝の延在する方向の上記貫通穴側と反対側の先端の角は、面取りが施されていることを特徴とする複合金型。
  18. 被加工材を保持すると共に、略直線状の溝を有する第1金型と、
    上記溝に相対移動可能に嵌合する第1案内部と、上記溝に交差するように連通する貫通穴を有する本体部とを有する第2金型と、
    上記第1金型の上記溝内に略移動不可に保持された上記被加工材を上記溝から上記貫通穴に押し込むように、上記第1金型と上記第2金型とを相対移動させる第1相対移動装置と、
    上記第1金型の上記溝に上記第1案内部が嵌合している状態を保持する保持装置と
    を備え
    被加工材を保持すると共に、上記貫通穴に交差するように連通する略直線状の溝を有する第3金型を備え、
    上記第2金型は、上記第3金型の上記溝に相対移動可能に嵌合する第2案内部を有し、
    上記第2金型と上記第3金型とを相対移動させる第2相対移動装置を備え、
    上記保持装置は、上記第3金型の上記溝に上記第2案内部が嵌合している状態を保持することを特徴とする被加工材の塑性加工装置。
  19. 請求項18に記載の被加工材の塑性加工装置において、
    上記第2金型は、静止しており、
    上記第1相対移動装置は、上記第1金型の上記溝に保持されている上記被加工材が上記第1案内部に押圧されるように、上記第1金型を押圧する押圧装置であることを特徴とする被加工材の塑性加工装置。
  20. 請求項18に記載の被加工材の塑性加工装置において、
    上記第2金型は、静止しており、
    上記第1相対移動装置は、上記第1金型における上記貫通穴に連通している溝部分が小さくなるように上記第1金型を押圧すると共に、上記第2相対移動装置は、上記第3金型における上記貫通穴に連通している溝部分が小さくなるように上記第3金型を押圧するようになっており、
    上記第1相対移動装置が上記第1金型を押圧する押圧力を、上記第2相対移動装置が上記第3金型を押圧する押圧力よりも大きくすることにより、上記第1金型の上記溝に保持されている上記被加工材を、上記貫通穴を介して上記第3金型の上記溝に移動させる一方、上記第1相対移動装置が上記第1金型を押圧する押圧力を、上記第2相対移動装置が上記第3金型を押圧する押圧力よりも小さくすることにより、上記第3金型の上記溝に保持されている上記被加工材を、上記貫通穴を介して上記第1金型の上記溝に移動させることを特徴とする被加工材の塑性加工装置。
  21. 被加工材を保持する略直線状の溝を有する第1金型の上記溝の一部に、上記被加工材を保持する被加工材保持工程と、
    上記溝に相対移動可能に嵌合する第1案内部と、上記溝に上記第1案内部を嵌合した状態で上記溝に交差するように連通する貫通穴を有する本体部とを有する第2金型における上記第1案内部を、上記溝における上記被加工材が配置されていない箇所に嵌合させる第1嵌合工程と、
    上記第1案内部が上記溝に嵌合している状態で、上記第1金型を上記第2金型に対して相対移動させて、上記第1金型の上記溝内に略移動不可に保持された上記被加工材を上記第1案内部で屈曲させて上記溝から上記貫通穴に押し込む被加工材押し込み工程と
    を備え
    上記第2金型は、第2案内部を有し、
    上記第2案内部が嵌合するようになっていると共に、上記第2嵌合部が嵌合している状態で上記貫通穴と連通するようになっている略直線状の溝を有する第3金型の上記溝に、上記第2金型の第2案内部を嵌合させる第2嵌合工程と、
    上記第1案内部が上記第1金型の上記溝に嵌合していると共に、上記第2案内部が上記第3金型の上記溝に嵌合している状態を保持する保持工程と
    を備え、
    上記被加工材押し込み工程において、上記被加工材の少なくとも一部を、上記貫通穴を介して上記第3金型の上記溝に押し込むことを特徴とする被加工材の塑性加工方法。
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