JP4685933B2 - 鋳造用塩中子の製造方法及び鋳造用塩中子 - Google Patents

鋳造用塩中子の製造方法及び鋳造用塩中子 Download PDF

Info

Publication number
JP4685933B2
JP4685933B2 JP2008516667A JP2008516667A JP4685933B2 JP 4685933 B2 JP4685933 B2 JP 4685933B2 JP 2008516667 A JP2008516667 A JP 2008516667A JP 2008516667 A JP2008516667 A JP 2008516667A JP 4685933 B2 JP4685933 B2 JP 4685933B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
salt
casting
core
salt core
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008516667A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007135995A1 (ja
Inventor
盾 八百川
浩一 安斎
養司 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Tohoku University NUC
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2008516667A priority Critical patent/JP4685933B2/ja
Publication of JPWO2007135995A1 publication Critical patent/JPWO2007135995A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4685933B2 publication Critical patent/JP4685933B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22CFOUNDRY MOULDING
    • B22C9/00Moulds or cores; Moulding processes
    • B22C9/10Cores; Manufacture or installation of cores
    • B22C9/105Salt cores
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D29/00Removing castings from moulds, not restricted to casting processes covered by a single main group; Removing cores; Handling ingots
    • B22D29/001Removing cores
    • B22D29/002Removing cores by leaching, washing or dissolving

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Mold Materials And Core Materials (AREA)

Description

本発明は、水溶性を有する鋳造用塩中子の製造方法及び鋳造用塩中子に関するものである。
例えば、アルミニウムダイカスト等の鋳造は、よく知られているように、アルミニウム合金の溶湯を金型内に高速・高圧で射出し、所望とする形状の構造体を鋳造する技術である。このような鋳造において、例えば内燃機関のシリンダブロックのような水冷用のウォータージャケットなど中空構造を有する鋳造物を成形する場合、中子が用いられる。このようなときに用いられる中子は、ゲートから高速で射出される金属溶湯が衝突して大きな衝撃を受けやすく、また、凝固完了まで鋳造圧力も大きいために、高圧及び高温に耐えられる強度が要求される。また、中子は、鋳造後、鋳造物から除去することになるが、複雑な内部構造を有する鋳造物などの場合に、一般的なフェノールレジンで固めた砂中子を使用した場合、除去することが容易ではない。これに対し、高温の水などにより溶解することで除去が可能な水溶性の塩中子がある(文献1:特開昭48−039696号公報,文献2:特開昭50−136225号公報,文献3:特開昭52−010803号公報)。
上述のような塩中子は、例えば、炭酸ナトリウム(Na2CO3),塩化カリウム(KCl),及び塩化ナトリウム(NaCl)などよりなる混合塩を用い、これらを溶融させて成形し、高い耐圧強度を得るとともに、鋳造における作業性や安定性を向上させるようにしている。
しかしながら、塩を溶融して鋳造して塩中子を形成する場合、凝固の過程で起きる凝固収縮などの体積の変化により塩中子にひけ巣やミクロポロシティや微細な熱亀裂などが発生し、精確に型どおりに成形することが容易ではなかった。また、各成分の組成によっては、融点が700℃以上と溶融成形に適さない場合もある。このように、従来の技術では、溶融塩を用いた鋳造では、塩中子が容易に製造できないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、ナトリウム,カリウムなどの塩を溶融させて成形する塩の鋳造物よりなる水溶性を有する鋳造用塩中子が、より容易に製造できるようにすることを目的とする。
本発明に係る鋳造用塩中子の製造方法は、カリウムの塩及びナトリウムの塩を少なくとも含む混合塩を加熱して固相と液相とが共存する固液共存状態の溶湯を形成する第1工程と、固液共存状態の溶湯を中子成形用の型に入れる第2工程と、型の内部で溶湯を凝固させて鋳造用塩中子を成形する第3工程とを少なくとも備えるようにしたものである。したがって、型に充填された時点で、溶湯の一部は凝固している。
また、本発明に係る鋳造用塩中子は、カリウムの塩及びナトリウムの塩を少なくとも含む混合塩を加熱して固相と液相とが共存する固液共存状態の溶湯を形成し、固液共存状態の溶湯を中子成形用の型に入れ、型の内部で溶湯を凝固させることで成形されたものである。この鋳造用塩中子は、例えば、エンジン用シリンダの水冷用のウォータージャケットを成形するための中子である。
本発明によれば、固液共存の状態の溶湯を用いて鋳造するようにしたので、ナトリウム,カリウムなどの塩を溶融させて成形する塩の鋳造物よりなる水溶性を有する鋳造用塩中子が、より容易に製造できるようになる。
図1は、本発明に係る鋳造用塩中子を使用して鋳造した場合のシリンダブロックの斜視図である。 図2は、塩中子2の凝固組織の状態を示す金属顕微鏡(光学顕微鏡)写真である。 図3は、半凝固状態の溶湯の固相率の温度依存性を示す特性図である。 図4は、塩化物が多く含まれる組成の混合塩を溶融成形して撹拌なしで凝固させたときの凝固組織の走査型電子顕微鏡写真である。 図5は、炭酸塩が多く含まれる組成の混合塩を溶融成形して撹拌なしで凝固させたときの凝固組織の走査型電子顕微鏡写真である。 図6Aは、試料番号1〜9の抗折試験片の抗折強度を示すグラフである。 図6Bは、試料番号10〜12の抗折試験片の抗折強度を示すグラフである。 図6Cは、試料番号13〜17の抗折試験片の抗折強度を示すグラフである。 図7Aは、試料番号18〜23の抗折試験片の抗折強度を示すグラフである。 図7Bは、試料番号24〜27の抗折試験片の抗折強度を示すグラフである。 図8は、カリウムイオンの陽イオン比及び炭酸イオンの陰イオン比と、液相線温度との関係を示す特性図(状態図)である。 図9Aは、抗折強度測定に用いる試験片の状態を示す構成図である。 図9Bは、抗折強度測定に用いる試験片の一部示す断面図である。 図10は、抗折強度測定を説明するための説明図である。 図11は、塩中子の射出成形時のキャビティー内の圧力の測定箇所を説明するための写真である。 図12は、塩中子の射出成形時のキャビティー内の圧力の測定結果を示す説明図である。 図13は、本発明に係る鋳造用塩中子を使用して鋳造した場合の他のシリンダブロックの斜視図である。 図14は、図13に示す塩中子1302の写真である。
以下、本発明の実施例について図を参照して説明する。はじめに、本発明の実施例に係る鋳造用塩中子の使用形態について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る鋳造用塩中子を使用して鋳造した場合のシリンダブロックの斜視図で、同図は一部を破断した状態で描いてある。図1において、符号1で示すものは、本発明に係る鋳造用塩中子としての塩中子2を使用して鋳造されたアルミニウム合金よりなるエンジン用シリンダブロックである。このシリンダブロック1は、自動二輪車用水冷式4サイクル4気筒エンジンの一部であり、ダイカスト鋳造法によって所定の形状に成形されている。
図1に示すシリンダブロック1は、四箇所のシリンダボア3,シリンダボア3を有するシリンダボディ4,及びシリンダボディ4の下端から下方に延びる上部クランクケース5が一体に形成されている。上部クランクケース5は、下端部に下部クランクケース(図示せず)が取り付けられ、この下部クランクケースとともに軸受けを介してクランク軸(図示せず)を回転自在に軸支している。
シリンダボディ4は、いわゆるクローズドデッキ型のものであり、塩中子2を用いてウォータージャケット6が内部に形成されている。ウォータージャケット6は、冷却水通路形成部7,冷却水入口8,主冷却水通路9,連通路10を含んで構成されている。冷却水通路形成部7は、シリンダボディ4の一側部に突設されシリンダボア3の並設方向に延在している。また、冷却水入口8は、冷却水通路形成部7に形成されている。主冷却水通路9は、冷却水通路形成部7の内部に形成された冷却水分配通路(図示せず)に連通されるとともに全てのシリンダボア3の周囲を覆うように形成されている。また、連通路10は、主冷却水通路9から図1において上側へ延びてシリンダボディ4の上端の図示していないシリンダヘッドとの合わせ面4aに開口している。
上述したウォータージャケット6は、冷却水入口8から流入した冷却水を冷却水分配通路によってシリンダボアの周囲の主冷却水通路9に供給し、さらに、この冷却水を主冷却水通路9から連通路10を通してシリンダヘッド(図示せず)内の冷却水通路に導くように構成されている。このようにウォータージャケット6が形成されることにより、このシリンダボディ4は、シリンダヘッドが接続される上端の合わせ面4aにウォータージャケット6の連通路10が開口する他は、シリンダボディ4の天井壁(合わせ面4aを形成する壁)で覆われることになりクローズドデッキ型の構成となる。
ウォータージャケット6を形成するための塩中子2は、ウォータージャケット6の各部を一体に接続した形状に形成されている。図1においては、塩中子2の形状(ウォータージャケット6の形状)を理解し易いように、シリンダボディ4の一部を破断した状態で描いてある。
この実施例に係る塩中子(鋳造用塩中子)2は、炭酸ナトリウム,塩化ナトリウム,及び塩化カリウムなど複数の塩を使用し、半凝固などの固液共存の状態で、例えばダイカスト鋳造法によってウォータージャケット6の形状となるように形成されている。塩中子2は、カリウムの塩およびナトリウムの塩を少なくとも含む混合塩を加熱して固相と液相とが共存する固液共存状態の溶湯を形成し、この溶湯を中子成形用の型に入れ、型の内部で溶湯を凝固させて成形すればよい。塩中子2の製造方法については以下に詳述する。
なお、塩中子2は、ダイカスト鋳造法の他に、例えばグラビティ鋳造法など、他の鋳造法を用いることによっても形成することができる。ダイカスト鋳造法を用いる場合の塩中子2の形成では、先ず、後述する複数の塩からなる混合物を加熱して溶融させ溶湯を造る。次に、この溶湯の温度を低下させて半凝固(固液共存)の状態とし、半凝固の状態の溶湯を塩中子用の金型に高圧注入して凝固させ、凝固後に金型から取り出すことによって行う。
塩中子2は、図1に示すように、冷却水入口8と冷却水分配通路とを形成する通路形成部2aと、四箇所のシリンダボア3の周囲を囲む形状の環状部2bと、環状部2bから上方へ突出する複数の凸部2cとが全て一体に形成されている。これらの凸部2cによってウォータージャケット6の連通路10が形成される。塩中子2は、従来よく知られているように、鋳造時には幅木(図示せず)によって金型(図示せず)内の所定の位置に支持されており、鋳造後に温水または蒸気によって溶解させて除去する。
塩中子2を鋳造後に除去するためには、塩酸と温水などからなる溶解液が貯留された溶解槽(図示せず)にシリンダブロック1を浸漬させることによって行うことができる。シリンダブロック1を溶解液中に浸漬させることにより、塩中子2における通路形成部2aと、合わせ面4aに露出する凸部2cとが溶解液に接触して溶解する。この溶解部分は、徐々に拡がり、最終的に全ての部位が溶解する。このような中子除去工程では、ウォータージャケット6内に残存した塩中子2の溶解を促進するために、穴から圧力をもって温水または蒸気を吹き付けるようにしてもよい。塩中子2は、凸部2cが形成される部位に凸部2cの代わりに幅木を挿入することもできる。
また、塩中子2を鋳造物であるシリンダブロック1から除去する工程で、塩酸を用いれば、炭酸ガスが発泡するため、この発泡による撹拌作用が得られ、溶解の促進が効果的に行える。また、塩中子2は、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムを含むため、これが水に溶解するとアルカリ性を呈することになる。このようにアルカリ性の状態では、アルミニウムの鋳造物であるシリンダブロック1が腐食するなどの問題がある。この問題に対しても、塩酸を添加してpHを7近くに管理することでシリンダブロックの腐食を防止できる。
次に、塩中子2の製造方法について詳細に説明する。はじめに、ダイカスト鋳造法のように溶湯を高圧で注入(圧入)せずに、溶湯を金型に流し入れて(流し込んで)塩中子2を製造する場合について説明する(グラビティ鋳造法)。本実施例における塩中子2は、先ず、炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,塩化ナトリウム,及び塩化カリウムを混合し、これらが融解するまで加熱し、混合塩の溶湯を作製する。例えば、全陽イオン中のカリウムイオンのモル成分比XK+(=[K+]/([Na+]+[K+])×100)が33mol%、全陰イオン中の炭酸イオンのモル成分比YCO3 2-(=[CO3 2-]/([CO3 2-] +[Cl-])×100)が67mol%となるように、上記塩を混合した場合、647℃で溶解する。例えば、上述した混合塩をアルミナ製るつぼに入れて電気炉で溶解すればよい。
次に、るつぼに収容した混合塩の温度が液相線温度である647℃以上になったときに、るつぼを電気炉の外に出して空冷した。冷却速度は、毎秒0.3〜1.2℃であった。このとき、アルミナ製の撹拌子で毎秒3回転の回転数でるつぼ内の混合塩を撹拌し、混合塩の溶湯の温度が638℃のときに金型に流し込んだ。混合塩の溶湯が638℃のときには、固相と液相とが共存する半凝固の状態であり、この状態の溶湯を塩中子用の金型に入れて凝固させ、凝固後に金型から取り出す。なお、上述では、混合塩を加熱して液相のみの状態とした後、これを冷却することで、固液共存状態の溶湯を形成するようにしたが、これに限るものではない。混合塩を半凝固となる温度に加熱することで、半凝固の状態を得るようにしても良い。
こうして得られた塩中子2の強度(抗折強度)は、21.4〜24.6MPaと高い値であった。また、塩中子2の凝固組織は,図2の金属顕微鏡写真からわかるように微細な結晶粒から構成されていた。また、図3に示すように、上記組成とした混合塩においては、固液共存の温度範囲が約60℃と大きく、固相率0〜40%の範囲では固相率の温度依存性が小さいため、均一な固液共存状態の混合塩の溶湯が得やすい。このように、本実施例における製造方法によれば、厳密な温度管理や等温保持をしなくても塩中子2が製造可能である。なお、混合した塩の各成分の組成比により、溶湯全域が固相となる温度から全体が液相となる温度の範囲、言い換えると固液共存の状態が維持される温度範囲が変化する。
上述したように溶解した溶湯を冷却する過程において、溶湯の温度が液相線温度(融点)以下になると、複数個の固相粒子が生成し、これら複数個の固相粒子が残りの液相中に分散した状態となる。このとき、半凝固状態の溶湯を撹拌することで、液相中により均一に固相が分散した状態が得られる。ただし、撹拌は、必要なものではない。
例として、図4に、XK+(=[K+]/([Na+]+[K+])×100)が0mol%、YCO3 2-(=[CO3 2-]/([CO3 2-] +[Cl-])×100)が10mol%の組成の混合塩を溶融成形し、撹拌なしで凝固させたときの凝固組織の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。この組成では、初晶が樹枝状に成長しやすいので、撹拌した方がよい。また、別の例として、図5に、XK+(=[K+]/([Na+]+[K+])×100)が0mol%、YCO3 2-(=[CO3 2-]/([CO3 2-] +[Cl-])×100)が70mol%の組成の混合塩を溶融成形し、撹拌なしで凝固させたときの凝固組織のSEM写真を示す。この組成では、粒状の初晶が晶出しやすいので、撹拌なしでも良い。
上記の通り、撹拌は必要なものではないが、撹拌をしてもよい。なぜなら、撹拌により固液共存状態の混合塩内の温度分布を低下させることができ、均一な固相率の混合塩を得やすくなる。また、撹拌により固液共存状態の混合塩中の固相粒子を微細・球状化できるので成形性が向上する。高い固相率で中子を成形するときには、撹拌をした方が良い。なお、機械的撹拌をする場合、撹拌子には溶融塩に対する耐食性が良いセラミックスを用いると良い。
上述したような特徴を備える半凝固の状態から中子を成形すると、凝固の過程で起きる凝固収縮量を抑制できるので、塩中子に発生するひけ巣やミクロポロシティや微細な熱亀裂を抑制することが可能となる。また、凝固収縮量を抑制できるので、より精確に型どおりに成形することが可能となる。従来のように完全に溶融した状態より鋳造すると、凝固収縮量が大きいためにひけ巣やミクロポロシティや微細な熱亀裂が多く発生するが、半凝固法によればこれらの発生量を抑えられ、このため強度を向上できるようになる。
また、溶融成型法では、成形する中子の凝固収縮量が金型の収縮量より大きいため、シリンダのウォータージャケットのような円筒環状中子を成形しようとする場合、塩中子にひけ巣やミクロポロシティや微細な熱亀裂が発生することがあり、また場合によっては、塩中子が型内で割れてしまうことがある。これに対し、上述したように半凝固状態の溶湯を用いることで、凝固収縮率が小さくできるので、ウォータージャケットのような円筒環状の中子が形成可能となる。
また、溶融した溶湯を用いた射出成形では、マシンクランプ強度より大きな射出力で射出すると、型割面から溶湯が飛散するいわゆるフラッシングを起こす。これに対し、固液共存状態の溶湯を用いた射出成形では、溶湯先端部が直ちに凝固するため、型キャビティー投影面積より大きな射出力で射出してもフラッシングを起こさない。このため、溶湯の凝固収縮時に溶湯補給のため大きな射出圧力を加え、鋳巣をつぶすことが可能となる。また、固液共存状態の溶湯を用いることで、完全に溶融した状態より低い温度で鋳造ができるため、作業性の向上,鋳型への熱負荷の低減が可能である。
また、塩は、金属と異なり酸化することがなく、上述した撹拌を大気中で行っても、溶湯の中に酸化物が巻き込まれることがなく、溶湯の撹拌が容易に長時間行える。また、半凝固の状態で円環状の形状を成形する場合であっても、ゲートから周方向に二手に分かれた溶湯の反対側の合流接合部には、酸化被膜が形成されない。よって、コールドシャット(cold shut)を起こして成形した後に接合部で分離することがない。
なお、固液共存の状態を得るためには、溶融させた状態より半凝固域まで冷却して固液共存状態とするようにしたが、これに限るものではない。例えば、固相の混合塩を半溶融域まで加熱して固液共存状態にするようにしてもよい。また、溶融塩に固体粉末状の塩(混合塩)を添加して固液共存状態にするようにしてもよい。また、予熱した固体の塩(混合塩)に溶融塩を添加して固液共存状態にしてもよい。
ところで、上述では、全陽イオン中のカリウムイオンのモル成分比XK+(=[K+]/([Na+]+[K+])×100)が33mol%、全陰イオン中の炭酸イオンのモル成分比YCO3 2-(=[CO3 2-]/([CO3 2-] +[Cl-])×100)が67mol%となるように、炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,塩化ナトリウム,及び塩化カリウムを混合した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、以下の表1及び表2に示す組成とした場合についても、半凝固状態の溶湯を用いた鋳造が可能である。なお、いずれの場合においても、混合塩は、カリウムイオン,ナトリウムイオン,塩素イオン,および炭酸イオンのみから形成されたものである。
ところで、表1では、作製した試験片の抗折強度の測定結果(最大抗折荷重)も示し、表2では、作製した試験片の抗折強度の測定結果(最大抗折強度)も示している。表1及び表2は、測定結果の表し方を変えているだけで、他は同一である。これらの抗折荷重及び抗折強度の状態については、図6A〜図6C及び図7A,図7Bに、棒グラフにして示している。なお、各イオンの濃度は、JIS規格K0127のイオンクロマトグラフ分析通則に制定された分析方法により測定したものである。
Figure 0004685933
Figure 0004685933
また、図8に、カリウムイオンの陽イオン比及び炭酸イオンの陰イオン比と、溶融温度(液相線温度)との関係(Na-K-Cl-CO3系の状態図)を示し、図8中に、表1に示した各組成について、試料番号に対応させて示している。また、図8中に、K+0mol%,CO3 2-0mol%の場合のNaClの液相線温度、Na+0mol%,CO3 2-0mol%の場合のKClの液相線温度、K+0mol%,Cl-0mol%の場合のNa2CO3の液相線温度、Na+0mol%,Cl-0mol%の場合のK2CO3の液相線温度も示している。なお、図8において、太線で共晶線を示している。
ところで、表1,表2,及び図6A〜図6C,図7A,図7B,及び図8から明らかなように、XK+を、0〜50mol%とし、YCO3 2-を30〜80mol%とした領域内において、抗折試験の結果に高い抗折強度が得られている。また、XK+を、0〜40mol%とし、YCO3 2-を50〜70mol%とした領域内において、特に高い抗折強度が得られている。
次に、抗折強度の測定について説明する。抗折強度の測定は、所定の寸法とした角柱状の試験片を作製し、この試験片に荷重をかけ、破壊に要した最大荷重より抗折荷重を求める。先ず、試験片の作製について説明する。所定の金型を用い、図9A及び図9Bに示すような棒状の試験片901を形成する。使用した金型は、例えば、SCM440Hなどのクロームモリブデン鋼から構成されたものである。図9Aでは、金型に半凝固状態の溶湯を充填するにあたって用いた押し湯の部分902も示しているが、抗折強度の測定においては、部分902を切り取る。なお、図9Aは側面図,図9Bは図9Aのb−b位置での断面図を示し、図中に示している寸法は、金型における設計値である。
上述したようにして作製した棒状の試験片901の、抗折強度の測定は、図10に示すように、先ず、試験片901の中央部に間隔が50mm開いた状態で配置された2つの支持部1001で試験片901を支持する。このように支持された状態で、2つの支持部1001の中間箇所において、間隔が10mmとなる2箇所の荷重部1002により、試験片901に荷重をかける。試験片901に加える荷重を徐々に大きくしてゆき、試験片901が折れたときの荷重を表1に示す抗折荷重とした。
ここで、抗折強度σ(MPa)は、抗折荷重Pより「σ=3LP/BH2」の式により求めることができる。上記式において、Hは試験片の断面における荷重方向の長さを示し、Bは試験片の断面における荷重方向に垂直な長さを示し、Lは支点となる支持部1001から荷重が加わる荷重部1002までの間隔である。ところで、試験片901は、固液共存の状態の溶湯を上記金型に流し込むことで形成しているが、湯じわやひけ巣が全くなく、かつ型どおりの寸法に完全に一致した形状にはなりにくい。このため、抗折強度の算出は、試験片の断面が長方形であるものと近似し、H≒20mm,B≒18mm,L=20mmとして計算している。この近似をすることで,実際の強度より0〜20%程強度を低く見積もる状態になり、例えば、抗折荷重1200Nで破断した試験片は,抗折強度10MPaの強度をもつ理想的な試験片より強いものと考えることができる。
次に、本発明の実施例における他の塩中子の製造方法について説明する。以下では、溶湯を型(金型)の中に圧力をかけて充填して塩中子2を製造する場合について説明する(ダイカスト鋳造法)。るつぼは、タンマン管と同じ材質の稠密質アルミナるつぼを使用する。このるつぼに、炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,塩化ナトリウム,及び塩化カリウムからなる所定量の混合塩を入れて加熱炉中に収容して昇温する。昇温では、るつぼ保護のため、目標の温度にまで14時間程度かけて徐々に昇温する。
目標温度は、混合塩のモル成分比に応じた液相線温度より10〜30℃高い値とし、到達した後は、当該温度に保持しておく。また、金型及び射出スリーブの温度は、180〜220℃程度にしておく。なお、金型は、型温度を250℃位に加熱可能なものがよい。また、鋳造射出圧力を最高120MPa程度の高圧で、鋳巣をつぶすことが可能なものがよい。
次に、るつぼ内で溶融している混合塩の溶湯を、柄杓でくみ上げる。ただし、くみ上げる前に、柄杓は、バーナーなどの加熱手段により500〜600℃程度に加熱する。るつぼ内より溶湯を柄杓でくみ上げると、この時点より溶湯は柄杓に徐々に熱を奪われて温度が液相線温度より低くなり、固液共存状態となる。この際、移動中の柄杓内で溶湯が揺れて撹拌され、初晶が粒状に析出する。このようにしてるつぼから射出スリーブに溶湯を運搬注湯する工程の柄杓の中で、混合塩の溶湯は固液共存状態になる。
このようにして半凝固状態となった混合塩の溶湯を射出スリーブに注ぎ込むと、スリーブ内でも半凝固状態が進行し、続いて高圧でキャビティ内に射出する。溶湯を充填した後,鋳造圧力を型内に加え続ける。例えば、プランジャを前進させる油圧シリンダの圧力比率で120MPaの圧力を型内に加える。この過程では、凝固が進む中で起きる凝固収縮を補給するように、プランジャを前進させて120MPaの圧力の印加を継続する。凝固時間は、65〜75秒程度である。凝固の過程の中で、凝固収縮が補給できる間はプランジャを前進させ続けて120MPaの圧力を加え続ける。
以上のように、溶湯を型の中に圧力をかけて充填して凝固させた後、凝固した中子を型より取り出す。型が開くときに固定型から素材が上手に離れるように,固定型に押しピンとリターンピンを入れておくとよい。取り出した塩中子は、徐々に冷却し、冷却した塩中子は乾燥した容器内に収容すればよい。
このように、固液が共存する半凝固の状態とした混合塩の溶湯を、金型に高圧注入して製造した塩中子の製造条件と強度測定結果について一例を示す。
条件は次の通りである。
(1)この強度測定を行った試験片は、図9A及び図9Bと同様に、ほぼ直方体の形状とした。
(2)溶湯は、炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,塩化ナトリウム,及び塩化カリウムを混合し、これらを融解して作製し、全陽イオン中のカリウムイオンのモル成分比XK+(=[K+]/([Na+]+[K+])×100)が30mol%、全陰イオン中の炭酸イオンのモル成分比YCO3 2-(=[CO3 2-]/([CO3 2-] +[Cl-])×100)が54mol%となるように調整した。
(3)混合塩の液相線温度は、630℃である。
(4)るつぼに収容した混合塩を14時間かけて液相線温度の630℃を越えるまで徐々に昇温して溶解し、溶湯温度を640〜660℃の状態で保持した。なお、温度制御は自動制御で行った。
(5)柄杓を500〜600℃に加熱。
(6)柄杓で溶湯をくみ上げ、柄杓内で630°以下まで冷却。→半凝固状態にする。
(7)スリーブ温度及び金型温度は、180〜220℃とした。
(8)混合塩の溶湯の温度が射出スリーブ内で620℃のときに、この溶湯を後述する射出カーブのように金型に高圧注入した。混合塩の溶湯が620℃のときには、固液が共存する半凝固の状態である。
ここで、キャビティー内の圧力を、図11に示すゲート部の部分1101とこれより型の内部側の部分1102との2箇所に設けた押しピンに掛かる圧力で測定すると、図12の射出カーブに示すように、共に約60MPaであった。図12において、実線が部分1101における測定結果を示し、波線が部分1102における測定結果を示している。また、測定される圧力は、射出開始時点より型を開放する凝固終了時点の直前(約5秒前)にかけて、約60MPaとほぼ一定の状態が維持され、型開き時点において急激に低下した。なお、実際には、測定される圧力は図12のようにわずかずつ降下している。これは、塩中子が、表面から凝固して圧力が伝わりにくくなるためと考えられる。また、ゲート部より先に、型の内部側の圧力の方が先に圧力降下する指向性凝固の状態が示された。なお、前述したように、プランジャには約120MPaの圧力をかけたが、射出スリーブ内でジェル状に凝固した一部の溶湯がプランジャの駆動の妨げになり、実際にキャビティ内の溶湯に加わった圧力は60MPa程度であったものと考えられる。
アルミニウムなどの金属のダイカストの場合は、溶湯は熱伝導性がよく、凝固時間が短く、多くの場合は、型の末端部より先に中間部が先に凝固し、型の末端部にまで十分に溶湯が補給できないことがある。これに対し、塩の溶湯は、熱伝導性が低く、凝固にアルミニウムの3倍程度の時間がかかるため、図12に示すように、型開きまでキャビティ全体にほぼ一定圧力を加え続けることが可能である。このように、型開きまでキャビティーに対して常に同一の圧力を加え、又は、キャビティーに対して加える圧力を型開きまでの間に徐々に同一の変化量で変化させるなど、型を開くまでキャビティーに圧力を均一にかけることが、高い強度を得る条件である。
上述したように製造した試験片について、前述同様に抗折強度測定を行った結果、以下の表3,表4に示すように、40MPaを越える高い強度が得られた。一般に現状用いられているプレス成形した後で焼結して製造されている塩中子では、約20〜37MPaの抗折力が得られている(文献4:US3,963,818)。本実施例によれば、より高い抗折力が得られている。また、プレス成形した後で焼結して製造されている塩中子では、ウォータージャケットなどの複雑な形状は不可能であるが、本実施例によれば、複雑な形状の塩中子が容易に製造可能である。また、本実施例における塩中子は、溶融塩を凝固させて形成しているため、金型の表面状態が塩中子の表面状態に反映されるようになり、平滑な表面が得られる。このため、本実施例による塩中子を用いた鋳造物においては、塩中子が接する部分が、高い平滑性を備えた状態に形成されるようになる。
Figure 0004685933
Figure 0004685933
なお、上述では、炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,塩化ナトリウム,及び塩化カリウムの混合塩を用いるようにしたが、これに限るものではない。例えば、炭酸カリウム,塩化ナトリウム,及び塩化カリウムを混合してもよく、炭酸ナトリウム,塩化ナトリウム,及び塩化カリウムを混合してもよい。また、臭化ナトリウム,臭化カリウム,ヨウ化ナトリウム,ヨウ化カリウム,塩化カルシウム,硝酸カリウム,硝酸ナトリウム,硫酸カリウム,硫酸リチウム,硫酸マグネシウム,硫酸ナトリウム,炭酸バリウム,及び炭酸カルシウムなどの他の塩が混合されていてもよい。また、これらに、強化用のセラミックスや他の強化剤などが含まれていてもよい。
次に、本発明の実施例に係る鋳造用塩中子の他の使用形態について図13及び図14を用いて説明する。図13は、本発明に係る鋳造用塩中子を使用して鋳造した場合のシリンダブロックの斜視図で、同図は一部を破断した状態で描いてある。図13において、符号1301で示すものは、本発明に係る鋳造用塩中子としての塩中子1302を使用して鋳造されたアルミニウム合金よりなるエンジン用シリンダブロックである。塩中子1302は、図1に示す塩中子2と同様にして製造されたものである。このシリンダブロック1301は、自動二輪車用水冷式4サイクル単気筒エンジンの一部であり、ダイカスト鋳造法によって所定の形状に成形されている。
図13に示すシリンダブロック1301は、シリンダボア1303,シリンダボア1303を有するシリンダボディ1304から構成されている。なお、図示していないが、シリンダボディ1304の下部には、クランクケースが取り付けられ、軸受けを介してクランク軸を回転自在に軸支している。
シリンダボディ1304は、いわゆるクローズドデッキ型のものであり、塩中子1302を用いてウォータージャケット1306が内部に形成されている。ウォータージャケット1306は、冷却水通路形成部(図示せず),冷却水入口(図示せず),主冷却水通路1309,連通路1310を含んで構成されている。冷却水通路形成部は、シリンダボディ1304の一側部に突設されている。また、冷却水入口は、冷却水通路形成部に形成されている。主冷却水通路1309は、冷却水通路形成部の内部に形成された冷却水供給通路(図示せず)に連通されるとともにシリンダボア1303の周囲を覆うように形成されている。また、連通路1310は、主冷却水通路1309から図13において上側へ延びてシリンダボディ1304の上端の図示していないシリンダヘッドとの合わせ面1304aに開口している。
上述したウォータージャケット1306は、冷却水入口(図示せず)から流入した冷却水を冷却水供給通路によってシリンダボアの周囲の主冷却水通路1309に供給し、さらに、この冷却水を主冷却水通路1309から連通路1310を通してシリンダヘッド(図示せず)内の冷却水通路に導くように構成されている。このようにウォータージャケット1306が形成されることにより、このシリンダボディ1304は、シリンダヘッドが接続される上端の合わせ面1304aにウォータージャケット1306の連通路1310が開口する他は、シリンダボディ1304の天井壁(合わせ面1304aを形成する壁)で覆われることになりクローズドデッキ型の構成となる。
ウォータージャケット1306を形成するための塩中子1302は、図14の写真にも示すように、ウォータージャケット1306の各部を一体に接続した形状に形成されている。図13においては、塩中子1302の形状(ウォータージャケット1306の形状)を理解し易いように、シリンダボディ1304の一部を破断した状態で描いてある。なお、符号1311は、カム軸駆動チェーン用通路を示し、符号1312は、チェーンテンショナー取り付け穴を示している。
図13(図14)に示す塩中子1302は、前述した塩中子2と同様に、炭酸ナトリウム,塩化ナトリウム,及び塩化カリウムなど複数の塩を使用し、例えば半凝固などの固液共存の状態で鋳造を行うダイカスト鋳造法によってウォータージャケット1306の形状となるように形成されている。なお、塩中子1302は、ダイカスト鋳造法の他に、例えばグラビティ鋳造法など、他の鋳造法を用いることによっても形成することができる。ダイカスト鋳造法を用いる場合の塩中子1302の形成では、先ず、後述する複数の塩からなる混合物を加熱して溶融させ溶湯を造る。次に、この溶湯の温度を低下させて半凝固(固液共存)の状態とし、半凝固の状態の溶湯を塩中子用の金型に高圧注入して凝固させ、凝固後に金型から取り出すことによって行う。
塩中子1302は、図13に示すように、冷却水入口と冷却水供給通路とを形成する冷却水通路形成部(図示せず)と、シリンダボア1303の周囲を囲む形状の環状部1302bと、環状部1302bから上方へ突出する複数の凸部1302aとが全て一体に形成されている。これらの凸部1302aによってウォータージャケット1306の連通路1310が形成される。塩中子1302は、従来よく知られているように、鋳造時には幅木(図13には示さず)によって金型(図示せず)内の所定の位置に支持されており、鋳造後に温水または蒸気によって溶解させて除去する。
塩中子1302を鋳造後に除去するためには、塩酸と温水などからなる溶解液が貯留された溶解槽(図示せず)にシリンダブロック1301を浸漬させることによって行うことができる。シリンダブロック1301を溶解液中に浸漬させることにより、塩中子1302における冷却水通路形成部(図示せず)の冷却水入口と、合わせ面1304aに露出する凸部1302aとが溶解液に接触して溶解する。この溶解部分は、徐々に拡がり、最終的に全ての部位が溶解する。このような中子除去工程では、ウォータージャケット1306内に残存した塩中子1302の溶解を促進するために、穴から圧力をもって温水または蒸気を吹き付けるようにしてもよい。塩中子1302は、凸部1302aが形成される部位に凸部1302aの代わりに幅木を挿入することもできる。
上述したように、本発明によれば、円環状の塩中子1302が容易に形成可能である。なお、図14の写真に示す幅木の領域は、図13の合わせ面1304aより上部に突出する領域である。また、図14の写真に示すオーバーフロー,ゲート,ランナー,及びビスケットの部分は、塩中子1302を鋳造した段階では形成されているが、塩中子1302をシリンダブロック1301の鋳造に用いる段階では削除される。
本発明は、アルミニウムダイカスト等の鋳造における中子として、好適に用いられる。

Claims (13)

  1. カリウムの塩およびナトリウムの塩を少なくとも含む混合塩を加熱して固相と液相とが共存する固液共存状態の溶湯を形成する第1工程と、
    固液共存状態の前記溶湯を中子成形用の型に入れる第2工程と、
    前記型の内部で前記溶湯を凝固させて鋳造用塩中子を成形する第3工程と
    を少なくとも備えることを特徴とする鋳造用塩中子の製造方法。
  2. 請求項1記載の鋳造用塩中子の製造方法において、
    前記第1工程では、前記混合塩を加熱して液相のみの状態とした後、これを冷却することで、固液共存状態の前記溶湯を形成する
    ことを特徴とする鋳造用塩中子の製造方法。
  3. 請求項1記載の鋳造用塩中子の製造方法において、
    前記第2工程及び前記第3工程では、前記溶湯を前記型の中に圧力をかけて充填して凝固させる
    ことを特徴とする鋳造用塩中子の製造方法。
  4. 請求項3記載の鋳造用塩中子の製造方法において、
    前記圧力は、前記型を開くまで均一にかけることを特徴とする鋳造用塩中子の製造方法。
  5. 請求項1記載の鋳造用塩中子の製造方法において、
    前記混合塩は、
    カリウムイオン,ナトリウムイオン,塩素イオン,および炭酸イオンのみから形成され、
    全陽イオン中のカリウムイオンのモル成分比を最大で50mol%とし、全陰イオン中の炭酸イオンのモル成分比を30〜80mol%としたものである
    ことを特徴とする鋳造用塩中子の製造方法。
  6. 請求項5記載の鋳造用塩中子の製造方法において、
    前記混合塩は、全陽イオン中のカリウムイオンのモル成分比を最大で40mol%とし、全陰イオン中の炭酸イオンのモル成分比を50〜70mol%としたものである
    ことを特徴とする鋳造用塩中子の製造方法。
  7. カリウムの塩およびナトリウムの塩を少なくとも含む混合塩を加熱して固相と液相とが共存する固液共存状態の溶湯を形成し、固液共存状態の前記溶湯を中子成形用の型に入れ、前記型の内部で前記溶湯を凝固させることで成形されたことを特徴とする鋳造用塩中子。
  8. 請求項7記載の鋳造用塩中子において、
    固液共存状態の前記溶湯は、前記混合塩を加熱して液相のみの状態とした後、これを冷却することで形成されたものであることを特徴とする鋳造用塩中子。
  9. 請求項7記載の鋳造用塩中子において、
    前記鋳造用塩中子は、前記溶湯を前記型の中に圧力をかけて充填して凝固することで形成されたものであることを特徴とする鋳造用塩中子。
  10. 請求項9記載の鋳造用塩中子において、
    前記圧力は、前記型を開くまで均一にかけられたものであることを特徴とする鋳造用塩中子。
  11. 請求項7記載の鋳造用塩中子において、
    前記混合塩は、
    カリウムイオン,ナトリウムイオン,塩素イオン,および炭酸イオンのみから形成され、
    全陽イオン中のカリウムイオンのモル成分比を最大で50mol%とし、全陰イオン中の炭酸イオンのモル成分比を30〜80mol%としたものである
    ことを特徴とする鋳造用塩中子。
  12. 請求項11記載の鋳造用塩中子において、
    前記混合塩は、全陽イオン中のカリウムイオンのモル成分比を最大で40mol%とし、全陰イオン中の炭酸イオンのモル成分比を50〜70mol%としたものである
    ことを特徴とする鋳造用塩中子。
  13. 請求項7記載の鋳造用塩中子において、
    前記鋳造用塩中子は、エンジン用シリンダの水冷用のウォータージャケットを成形するための中子であることを特徴とする鋳造用塩中子。
JP2008516667A 2006-05-18 2007-05-18 鋳造用塩中子の製造方法及び鋳造用塩中子 Expired - Fee Related JP4685933B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008516667A JP4685933B2 (ja) 2006-05-18 2007-05-18 鋳造用塩中子の製造方法及び鋳造用塩中子

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006138879 2006-05-18
JP2006138879 2006-05-18
JP2008516667A JP4685933B2 (ja) 2006-05-18 2007-05-18 鋳造用塩中子の製造方法及び鋳造用塩中子
PCT/JP2007/060239 WO2007135995A1 (ja) 2006-05-18 2007-05-18 鋳造用塩中子の製造方法及び鋳造用塩中子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007135995A1 JPWO2007135995A1 (ja) 2009-10-01
JP4685933B2 true JP4685933B2 (ja) 2011-05-18

Family

ID=38723306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008516667A Expired - Fee Related JP4685933B2 (ja) 2006-05-18 2007-05-18 鋳造用塩中子の製造方法及び鋳造用塩中子

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20090205801A1 (ja)
EP (1) EP2022577A4 (ja)
JP (1) JP4685933B2 (ja)
WO (1) WO2007135995A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104841903A (zh) * 2014-02-18 2015-08-19 现代自动车株式会社 铸造产品及其制造方法
KR20200067444A (ko) * 2018-12-04 2020-06-12 한국생산기술연구원 용융형 중자를 이용하여 중공 구조를 갖는 중공 휠을 제조하는 방법

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009136650A1 (ja) * 2008-05-09 2009-11-12 ヤマハ発動機株式会社 鋳造用塩中子の製造方法
JP5419549B2 (ja) * 2009-05-01 2014-02-19 ビューラー・アクチエンゲゼルシャフト 鋳造用塩中子の製造方法
EP2586546A1 (de) * 2011-10-31 2013-05-01 Bühler AG Verfahren zur Herstellung von Salzkernen
EP2647451A1 (de) 2012-04-04 2013-10-09 Bühler AG Verfahren zur Herstellung von Salzkernen
ITMI20120950A1 (it) 2012-06-01 2013-12-02 Flavio Mancini Metodo e impianto per ottenere getti pressofusi in leghe leggere con anime non metalliche
DE102012022390B3 (de) * 2012-11-15 2014-04-03 Audi Ag Verfahren zur kalten Herstellung eines Salzkerns für das Druckgießen
CN108237206A (zh) * 2018-02-28 2018-07-03 厦门格欧博新材料科技有限公司 一种盐芯成型设备
CN114951556A (zh) * 2022-05-31 2022-08-30 西北橡胶塑料研究设计院有限公司 一种用于模压成型工艺的低成本水溶性芯材的制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4839696B1 (ja) * 1969-12-27 1973-11-26
JPS5210803B1 (ja) * 1968-01-20 1977-03-26
JPS5314618A (en) * 1976-07-28 1978-02-09 Hitachi Ltd Water soluble casting mould

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4839696A (ja) 1971-09-27 1973-06-11
US3963818A (en) 1971-10-29 1976-06-15 Toyo Kogyo Co., Ltd. Water soluble core for pressure die casting and process for making the same
JPS5215446B2 (ja) 1974-04-19 1977-04-30
JPS5210803A (en) 1975-07-12 1977-01-27 Inst Gorunogo Dera Akademii Na Device for retaining shank of cold chisel
US4446906A (en) * 1980-11-13 1984-05-08 Ford Motor Company Method of making a cast aluminum based engine block
US4694881A (en) * 1981-12-01 1987-09-22 The Dow Chemical Company Method for making thixotropic materials
US4840219A (en) * 1988-03-28 1989-06-20 Foreman Robert W Mixture and method for preparing casting cores and cores prepared thereby
JPH0815647B2 (ja) * 1990-06-28 1996-02-21 宇部興産株式会社 エンジンブロツクの鋳造装置
US5303761A (en) * 1993-03-05 1994-04-19 Puget Corporation Die casting using casting salt cores

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5210803B1 (ja) * 1968-01-20 1977-03-26
JPS4839696B1 (ja) * 1969-12-27 1973-11-26
JPS5314618A (en) * 1976-07-28 1978-02-09 Hitachi Ltd Water soluble casting mould

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104841903A (zh) * 2014-02-18 2015-08-19 现代自动车株式会社 铸造产品及其制造方法
KR20200067444A (ko) * 2018-12-04 2020-06-12 한국생산기술연구원 용융형 중자를 이용하여 중공 구조를 갖는 중공 휠을 제조하는 방법

Also Published As

Publication number Publication date
US20090205801A1 (en) 2009-08-20
JPWO2007135995A1 (ja) 2009-10-01
EP2022577A1 (en) 2009-02-11
EP2022577A4 (en) 2013-03-20
WO2007135995A1 (ja) 2007-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4685933B2 (ja) 鋳造用塩中子の製造方法及び鋳造用塩中子
JP5363468B2 (ja) 鋳造用塩中子の製造方法
JP4685934B2 (ja) 鋳造用塩中子
RU2551335C2 (ru) Стержень на солевой основе и способ его изготовления
KR101492786B1 (ko) 코어 및 코어 제조 방법
US7134478B2 (en) Method of die casting spheroidal graphite cast iron
CN111940694A (zh) 一种高压铸造用水溶性盐芯的制作方法
CA2461797A1 (en) Method for producing castings, molding sand and its use for carrying out said method
US20020005265A1 (en) Crystal selector pattern
JP4332793B2 (ja) 鋳造型及び鋳造方法
JP4403233B2 (ja) 鋳造用コアの製造方法
JP2008036702A (ja) 金属鋳物用鋳造型
JP4819567B2 (ja) 鋳造用中子
KR100400132B1 (ko) 주조용 용해성 코어의 제조방법과 코어 및 그 코어의추출방법
JP2000117415A (ja) 鋳型材の除去方法および網目構造金属体の製造方法
CN218487167U (zh) 一种前桥主减速器壳体铸造模具
RU2579841C2 (ru) Способ изготовления точных отливок
SU1155347A1 (ru) Способ выплавлени модельной композиции из многослойной оболочковой формы
JP4923265B2 (ja) 新規組成物からなる成形用型
Areo et al. Evaluation of some process parameters for production of investment bar castings
RU2291026C2 (ru) Способ изготовления отливок, формовочный материал и его применение для осуществления способа
SU53298A1 (ru) Металлический стержень дл кокильной отливки
JPH04123862A (ja) 鋳造方法
SE177426C1 (ja)
Savel'ev et al. Thermodynamic simulation of alloys

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110210

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees