JP4683473B2 - コンクリート積ブロックおよびコンクリート積ブロックによる壁体の構築方法 - Google Patents

コンクリート積ブロックおよびコンクリート積ブロックによる壁体の構築方法 Download PDF

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Description

この発明は、切土や盛土などによって生じた法面を保護するのに用いられるコンクリート積ブロックと同ブロックによる壁体の構築方法に関する。
一般に、河川の浸食を防止するための護岸や切土などによって生じた法面を保護することを目的とした擁壁の構築には、コンクリート積ブロックが多用されるが、その積ブロックとして図8に示すような間知ブロックが一般に良く知られている。図8において、11は方形状の表面をもつ前頭部であり、その裏側には截頭角錐状の控部12が形成される。そして、このような間知ブロックによれば、図9に示すよう前頭部11の端面13(合口)を接し合わせつつ法面14に沿って谷積み状に積み上げることにより、所望の壁体を構築することができる。なお、各ブロックの胴尻(友面)と法面14との間には裏込割栗石15が詰め込まれ、控部12の相互間にはコンクリート16が充填される。
ところが、上記のような間知ブロックは一般に45度ずつ傾けながら交互に積み上げるため、その配列が非常に難しく、特に控部が先細りであるので積み上げに際しては控部の相互間に図9に示すよう小石18などを挟み込んで上段のブロックを支持する必要があった。然し、そのような調整は煩わしく時間がかかり、しかも支持が不適切であった場合にはコンクリート16が硬化するまでの間に控部の先端が下がって壁面が歪んでしまうという問題があった。
そのため、特開2002−146813公報(特許文献1参照)に示すように、表面が多角形状を成す前頭部の裏側に該前頭部より小さい断面と所定の長さを有する控部が形成されるとともに、その控部の先端に上記前頭部の端面を順に接し合わせて積み上げたとき少なくとも上下方向で端面同士が接し合うような後頭部が形成され、かつ上記後頭部が前頭部と平行な面内で該前頭部に対して45度の捩れを有しており、また後頭部の側面を成す両端面に噛み合わせ用の鍔が互い違いに形成されたコンクリート積ブロックが提案されている。
特開2002−146813公報
しかしながら上記コンクリート積ブロックは、後頭部の側面を成す両端面に噛み合わせ用の鍔が互い違いに形成されているので、積み上げに際して前後あるいは左右に位置ずれしやすく、その調整は煩わしく時間がかかり、しかも支持が不適切であった場合にはコンクリートが硬化するまでの間に位置ずれを起して壁面が歪んでしまうという問題があった。
またこの発明は、次のような課題の解決をも目的としている。
1)使用される場所の周囲の景観に配慮した製品とすること
2)従来の土木用コンクリート積みブロックは、そのほとんどが控えの長さが350mmであり、最近の地震による倒壊などによってその構造上の安全性が問題化しているので、それを解決すること
3)ブロックとブロックが背面土庄によって滑り出すのを防止できるように設計すること。4)控え尻が適切に形成するようなブロックの製造方法とすること。
5)ブロックの質量が一個当たり70kg以上と非常に重いので、人力では無く重機を使用しての施工となるため、自立型で嵌合付きの積みブロックという形状が必要となること。
6)廃棄物の最終処分量を大幅に減少させることもでき、埋め立て処分場の延命にも寄与できるようにすること。
この発明は以上のような課題を解決するためのものであり、その目的とするところはコンクリート積ブロックによる壁体の構築を適正かつ容易に行えるようにすることにある。
また、このコンクリート積ブロックを利用して壁体を構築する際の位置決めが容易で、しかも積み上げ後の位置ずれがなく、したがって壁面が歪んでしまうという問題の起きないコンクリート積ブロックおよびコンクリート積ブロックによる壁体の構築方法を提供しようとするものである。
この発明は上述の目的を達成するため、以下に記載するようなコンクリート積ブロックと同ブロックを用いた壁体の構築方法を提供する。
(1)前面に自然石状の所定形状を備えたほぼ長方形状の前頭部の裏側に、上記前頭部より小さい断面と所定の長さを有する控部が形成されるとともに、その控部の先端に上記前頭部とほぼ等しい大きさの控え尻が形成されており、控え尻の各辺には対向する一対の辺の一方に溝部を、他方に突条をそれぞれ設けるとともに、前記一対の辺に連結される他の対向する一対の辺の各辺にそれぞれ溝部と突条を形成し、この側辺部分の突条の長さを、上記対向する一対の辺の長さの1/2とほぼ等しく形成した互いにかみ合う嵌合構造を設け、また控え尻の隅部には控部位置のコンクリートと裏込めコンクリートとを連結させる切欠きを設けたことを特徴とするコンクリート積ブロック。
(2)前頭部と控部、控え尻からなるコンクリート積ブロックが、溶融炉で約1,400℃の高温で焼却灰等を溶融した結果、生成されるガラス質の溶融スラグを所定量配合されてなる請求項1記載のコンクリート積ブロック。
(3)請求項1または2に記載のコンクリート積ブロックを順次積み上げて壁体を構築するに際し、その1列目においては、隣接するブロックの控え尻の一対の対向辺に設けた溝部と突条を互いに組み付けて連結するとともに、2列目の各ブロックを、1列目の各ブロックに対して千鳥状をなすよう、ほぼ1/2ずらして配置し、隣接するブロックの控え尻の側辺部分に設けた溝部と突条を互いに組み付けて連結するようにしたことを特徴とするコンクリート積ブロックによる壁体の構築方法。
(4)請求項1または2に記載のコンクリート積ブロックを順次積み上げて壁体を構築するに際し、一対のブロックを直交させ、一方のブロックの控え尻の一対の対向辺に設けた溝部と他方のブロックの控え尻の側辺部分の突条を互いに組み付けてL字状のユニットを形成し、このL字状のユニットを同じ向きに組み付けて順次連結することにより、各ブロックの控え尻の4辺が溝部と突条を互いに組み付けて連結できるようにしたことを特徴とするコンクリート積ブロックによる壁体の構築方法。
この発明のコンクリート積ブロックによれば、このコンクリート積ブロックを利用した壁体の構築が適正かつ容易に行えるようになった。
また、このコンクリート積ブロックを利用して壁体を構築する際の位置決めが容易で、しかも積み上げ後の位置ずれがなく、したがって壁面が歪んでしまうという問題の起きないコンクリート積ブロックおよびコンクリート積ブロックによる壁体の構築方法を提供することが可能となった。
またこの発明によれば、次のような作用効果を奏することが可能となった。
1)ブロックの表面には天然玉石及び雑割石等を樹脂製型枠に模写し、コンクリートに顔料等を添加して製造することにより、使用される場所の周囲の景観に配慮した製品とすることができるようになった。
2)現行JIS−A−5371規格の6A(面寸法450×300)で控えの長さを最大の500mmとし、形状を自立型で、かつ一日の最大施工高さとして3m以上を確保できるようにし、胴込めコンクリートと一体化させることができるようにしたため、重力式コンクリートもたれ擁壁と比較しても遜色のない構造物として機能し、地震による倒壊などに対する構造上の安全性が大幅に向上した。
3)控え尻の4辺に嵌合構造を設け、また控え尻の4隅には裏込めコンクリートとも一体化させるための切欠きを設けてあるので、ブロックとブロックが背面土庄によって滑り出すのを防止できるようになった。
すなわち、控え尻の各辺には対向する一対の辺の一方に溝部を、他方に突条をそれぞれ設けるとともに、前記一対の辺に連結される他の対向する一対の辺の各辺にそれぞれ溝部と突条を形成し、この側辺部分の突条の長さを、上記対向する一対の辺の長さの1/2とほぼ等しく形成したので、非常に強固な嵌合構造を提供することができるようになった。
互いにかみ合う嵌合構造を設け、また控え尻の隅部には控部位置のコンクリートと裏込めコンクリートとを連結させる切欠きを設けたことを特徴とするコンクリート積ブロック。
4)あらかじめ決められた示方配合によって混練された流動化コンクリート(自己充填コンクリート)を型枠に投入し、必要な初期養生を適切に実施した後、型砕から脱型して完成するようにしたので、控え尻の強度が充分で、欠け等もない適切なブロックが製造できるようになった。
5)この発明においては、上記流動化コンクリート(自己充填コンクリート)を型枠に投入する際に各種のバイブレータを使用する必要がないので、工場の50db以上あった騒音を大幅に減少させることができ、職場の環境を飛躍的に改善することができた。
6)自立型で嵌合付きの積みブロックであるため、ブロックの質量が一個当たり70kg以上と非常に重いけれども、重機を使用して迅速に施工することが可能となり、作業性や施工性が向上するので、一日当たりの施工面積が増大し、工期の短縮にも十分寄与できる製品となった。
7)一般廃棄物から製造された水砕溶融スラグを、細骨材量の25%以上使用することによって、廃棄物の最終処分量を大幅に減少させることもでき、埋め立て処分場の延命にも寄与できるようにすること。
上記溶融スラグはJISA5031の基準を満たした品物であると同時に、山梨県溶融スラグ利用ガイドラインの、何れも満足した製品であることが望ましい。
以下、この発明の実施形態を図面に基いて詳細に説明する。先ず、図1から図5にこの発明に係るコンクリート積ブロックの好適な一例を示す。
図1は、本発明に係るコンクリート積ブロックの正面図である。図示したコンクリート積ブロックは、前頭部1を有し、前頭部の表面1Aは方形状をなす。この例においては、前頭部の表面1Aは長方形状とされ、その直交する二辺1−1,1−2の長さa1,a2の比は2:3とされる。
また、前頭部の表面1Aには、自然石用の表面を形成した玉石部1Bを備える。この自然石用の表面を形成した玉石部1Bは、天然玉石及び雑割石等を樹脂製型枠に模写し、コンクリートに顔料等を添加して製造することにより、得たコンクリート積ブロックを使用される場所の周囲の景観に配慮した製品とすることができる。
図2は、図1に示した積ブロックの背面図である。図示した積ブロックは、控え尻2を有し、控え尻2は、直交する二辺2−1,2−3の長さをそれぞれb1,b2とする方形状(本例において長方形)の表面を有し、控え尻2の隅部には胴込めコンクリートと裏込めコンクリートとを連結させる切欠き3が設けられている。また、控え尻2の各辺には、互いにかみ合う嵌合構造を設ける。この嵌合構造として、控え尻2は、対向する一対の辺2−1,2−2にそれぞれ溝部2Aと突条2Bを設けるとともに、その両側の側辺2−3,2−4にも同様の溝部2A'と突条2B'を形成する。また、この側面部分の突条2B'は、上記対向する一対の辺2−1,2−2の長さb1の1/2とほぼ等しく形成する。
特に、控え尻2は前頭部1と平行する面内において、その表面は直交する二辺2−1,2−3の長さb1,b2も、その比が2:3とされている。
したがって、直交する二辺2−1,2−3の長さb1,b2の比が2:3とされていることと、側面部分の突条2B'が対向する一対の辺2−1,2−2の長さb1の1/2とほぼ等しいこととが相まって、側辺部分の突条2B'の長さと溝部2A'の長さの比は、ほぼ1:3となっている。もちろん、1>3であってもよい。
図3は、図1に示した積ブロックの上面図である。図示した積ブロックは、前面に自然石からなる玉石部1Bを備えたほぼ長方形状の前頭部1と、この前頭部1の裏側より垂直な方向に延びる、前頭部1より小さい断面と所定の長さを有する控部4と、並びに前頭部1と対向して控部4の先端に形成される控え尻2とを有し、それら各部をコンクリートより一体成形して構成される。
なお、上記前頭部1と控部4、控え尻2からなるコンクリート積ブロックとして、溶融炉で約1,400℃の高温で焼却灰等を溶融した結果、生成されるガラス質の溶融スラグを所定量配合することが望ましく、その配合量は約25%が望ましい。
上記図3において、前頭部1は、前頭部の表面1Aに玉石部1Bを有し、前頭部1の裏側に控部4を形成する。控部4は、断面が長方形状となっており、前頭部1の表面に平行する断面(縦断面)が上記表面より小さくされるとともに、その長さLは前頭部1の長辺a2の長さに対してほぼ1〜3倍に設定される。また、その形成される位置も前頭部1表面の長方形状のいずれかの長辺側に寄って形成されている。控え尻2は、前頭部1とほぼ等しい大きさをなし、控部4の先端に形成され、各辺に互いにかみ合う嵌合構造を設ける。
図4は、図1に示した積ブロックの側面図である。図示した積ブロックは、前頭部1と、控部4と、控え尻2を有する。前頭部1は、前頭部の表面1Aに玉石部1Bを有し、前頭部1の裏側に控部4を形成する。控部4は、前頭部1の裏側に形成され、前頭部1より小さい断面と所定の長さを有し、その先端に控え尻2を形成する。控え尻2は、前頭部1とほぼ等しい大きさをなし、控部4の先端に形成される。
図5は、本発明に係るコンクリート積ブロックによる壁体の構築方法の1実施例を示す説明図である。図5に示すように、コンクリート積ブロックの長方形状を横長に配置して順次積み上げて壁体を構築する際は、その1列目(最下部)においては、隣接するブロック5Aの控え尻2の辺2−1,2−2に設けた溝部2Aと突条2Bを互いに組み付けて連結するとともに、2列目(2段目以降)の各ブロック5Bを、1列目の各ブロック5Aに対して千鳥状をなすよう、ほぼ1/2ずらして配置し、隣接するブロック5Bの控え尻2の側辺部分2−3,2−4に設けた溝部2A'と突条2B'を互いに組み付けて連結し、所望の壁体を構築することができる。
したがって、控え尻2の一対の対向辺2−1,2−2に設けた溝部2Aと突条2Bとが組み付けられるのと同時に、隣接するブロック5Bの控え尻2の側辺部分2−3,2−4に設けた溝部2A'と突条2B'も互いに組み付けられて順次連結され、構築された壁体は各ブロックが強固に連結されたものとなるのである。
なお、前頭部および/または控え尻2の表面において、その長辺の中央に目印を設けておけば、ブロックを千鳥状に積み上げる際に位置決めしやすく、作業性が大幅に向上することとなる。
図6は、本発明に係るコンクリート積ブロックによる壁体の構築方法の別の実施例を示す説明図である。図6に示すように、コンクリート積ブロックを谷積みにして順次積み上げて壁体を構築するに際し、一対のブロック5A,5Bを直交させ、一方のブロック5Aの控え尻2の、一対の対向辺の一方の辺2−1に設けた溝部2Aと他方のブロック5Bの控え尻2の側辺部分2−4の突条2B'を互いに組み付けてL字状のユニット6を形成し、このL字状のユニット6を同じ向きに組み付けて順次連結することにより、各ブロック5A,5Bの控え尻2の4辺が溝部2A,2A'と突条2B,2B'とを互いに組み付けて連結したものである。
その際、ブロック5A単独で見ると、ブロック5Aの控え尻2の、一対の対向辺の一方の辺2−2に設けた突条2Bは、これと直交する他方のブロック5Bの控え尻2の側辺部分2−3の溝部2A'に組み付けられている。上記側辺部分2−3の突条2B'は1/2b1でかつ1/3b2であり、また側辺部分2−3の溝部2A'はb1でかつ2/3b2であり、さらに上記辺2−2に設けた突条2Bはb1でかつ2/3b2であるので、辺2−2に設けた突条2Bは側辺部分2−3の溝部2A'に無理なく収まる。
側辺部分2−3の突条2B'は隣接するブロック5Bの一対の対向辺の一方の辺2−1の溝部2Aに、また側辺部分2−4の突条2B'は隣接するブロック5Aの側辺部分の溝部2A'に、それぞれ組み付けられる。
側辺部分2−3の溝部2A'には隣接するブロック5Aの側辺部分2−4の突条2B'がその端部の1/3b2位置に、また側辺部分2−4の溝部2A'全体には隣接するブロック5Bの辺2−2に設けた突条2Bが、それぞれ組み付けられる。
以上のように構成される本願コンクリート積ブロックを用いて壁体を構築する方法を説明する。図7は、本発明に係るコンクリート積ブロックを平積みにした壁体の構築状態を示す概略断面図である。図7において、104は切土などによって形成された法面であり、その下方には予めコンクリート基礎105が施される。而して、その基礎105上において、上記の如く構成される本願積ブロック110を法面104に沿って順に積み上げる。このとき、各コンクリート積ブロック110における前頭部1の端面同士および控え尻2の端面同士を目地形成用の金物を介して近接させるか、若しくはその種の金物を用いることなく接し合わせる。そして、一段積み上げるごとに前頭部1と控え尻2との間に胴込めコンクリート106を充填すると共に、控え尻2と法面104との間には裏込割栗石107を詰め込む。そして、以上のような作業を繰り返すことにより法面104を覆う壁体を構築することができる。特に、これに用いる本願ブロック110によれば、控え尻2が縦横に連なって一体的な面を形成するので前頭部1との間に胴込めコンクリート106を充填するときコンクリート打設用の型枠を必要としない。
もちろん、胴込めコンクリート106と裏込めコンクリート108は控え尻2に形成した切欠き3を介して連続し、一体化されているので、得た壁体の構築構造は非常に強固なものとなる。
以上の説明で明らかなように、この発明によれば河川の浸食を防止するための護岸や切土などによって生じた法面を保護することを目的とした擁壁の構築のみならず、同様の目的で使用される他の用途にも応用できることはいうまでもない。
本発明に係るコンクリート積ブロックの正面図である。 図1に示した積ブロックの背面図である。 図1に示した積ブロックの上面図である。 図1に示した積ブロックの側面図である。 本発明に係るコンクリート積ブロックによる壁体の構築方法の1実施例を示す説明図である。 本発明に係るコンクリート積ブロックによる壁体の構築方法の別の実施例を示す説明図である。 本発明に係るコンクリート積ブロックを平積みにした状態を示す壁体の構築構造を示す概略断面図である。 従来の間知ブロックの立体図である。 図8に示したブロックを谷積みにした状態を示す壁体の構築構造を示す概略断面図である。
1 前頭部
1A 前頭部の表面
1B 玉石部
1−1 辺
1−2 辺
a1 辺1−1の長さ
a2 辺1−2の長さ
2 控え尻
2−1 辺
2−2 辺
2−3 辺
2−4 辺
2A 溝部
2B 突条
2A' 溝部
2B' 突条
b1 辺2−1,2−2の長さ
b2 辺2−3,2−4の長さ
3 切欠き
4 控部
L 控部の長さ
5A ブロック
5B ブロック
6 ユニット
104 法面
105 基礎
106 胴込めコンクリート
107 裏込割栗石
108 裏込めコンクリート
110 積ブロック

Claims (4)

  1. 前面に自然石状の所定形状を備えたほぼ長方形状の前頭部の裏側に、上記前頭部より小さい断面と所定の長さを有する控部が形成されるとともに、その控部の先端に上記前頭部とほぼ等しい大きさの控え尻が形成されており、控え尻の各辺には対向する一対の辺の一方に溝部を、他方に突条をそれぞれ設けるとともに、前記一対の辺に連結される他の対向する一対の辺の各辺にそれぞれ溝部と突条を形成し、この側辺部分の突条の長さを、上記対向する一対の辺の長さの1/2とほぼ等しく形成した互いにかみ合う嵌合構造を設け、また控え尻の隅部には控部位置のコンクリートと裏込めコンクリートとを連結させる切欠きを設けたことを特徴とするコンクリート積ブロック。
  2. 前頭部と控部、控え尻からなるコンクリート積ブロックが、溶融炉で約1,400℃の高温で焼却灰等を溶融した結果、生成されるガラス質の溶融スラグを所定量配合されてなる請求項1記載のコンクリート積ブロック。
  3. 請求項1または2に記載のコンクリート積ブロックを順次積み上げて壁体を構築するに際し、その1列目においては、隣接するブロックの控え尻の一対の対向辺に設けた溝部と突条を互いに組み付けて連結するとともに、2列目の各ブロックを、1列目の各ブロックに対して千鳥状をなすよう、ほぼ1/2ずらして配置し、隣接するブロックの控え尻の側辺部分に設けた溝部と突条を互いに組み付けて連結するようにしたことを特徴とするコンクリート積ブロックによる壁体の構築方法。
  4. 請求項1または2に記載のコンクリート積ブロックを順次積み上げて壁体を構築するに際し、一対のブロックを直交させ、一方のブロックの控え尻の一対の対向辺に設けた溝部と他方のブロックの控え尻の側辺部分の突条を互いに組み付けてL字状のユニットを形成し、このL字状のユニットを同じ向きに組み付けて順次連結することにより、各ブロックの控え尻の4辺が溝部と突条を互いに組み付けて連結できるようにしたことを特徴とするコンクリート積ブロックによる壁体の構築方法。
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