JP4682900B2 - データ転送装置、優先制御方法及び優先制御プログラム - Google Patents
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Description
しかし、このような優先制御方法を採用する場合、各ポートの通信状態によっては、バックプレーンの最大領域での動作は困難である。
したがって、優先ポートの性能(例えば、1Gbpsの転送速度)を保証しつつも、データ転送量の変動により利用効率が低下することを回避することが課題であった。
ここで、Forwarding Engine(C1,C2)は、2ポートごとで回線最大速度の1Gbpsを利用可能であり、Forwarding Engine(C1,C2)とControl Chip(D)の接続は1対1でのみ可能とする。したがって、ポート1を優先ポートとすると、各ポートの保証帯域幅は、ポート1で1Gbps、ポート2で0Gbps、ポート3から8でそれぞれ0.5Gbpsとなる。
この場合、回線側からの合計入力は4Gbpsとなるが、MAC(E1,E2)からControl Chip(D)を経由しForwarding Engine(C1,C2)への転送能力は、8回線を合計して3Gbpsとなる。このため、回線利用効率は75%となり、最大性能は得られないこととなる。
また、a-1側は通信無しで、a-2側にそれぞれ1Gbps、b側にそれぞれ0.5Gbpsずつ入力した場合も、回線利用効率は75%となり同様に最大性能は得られない。
このように、接続回線を静的に割り当てる方法では、各ポートの通信状態によりバックプレーン側(B)の帯域を最大限に利用できない場合がある。
この方法は、定常的に1Gbpsにて転送を行う場合には有効であるが、実際の運用環境においては優先ポートが常に1Gbpsで通信し続けるのではなく、未通信状態となる場合も存在するため、その際の不要なポーリング処理時間により、帯域を狭めてしまうという問題がある。
特に、加入者線が多くなるほど、制御にかかる負荷が増大し、かえって余計な処理時間等を要し、パフォーマンスが低下することとなる。
また、複数加入者線の接続の切換え等においては、物理的な回路切換を行うため、係る回路構成が複雑となり、装置の大型化やコスト増を招く結果となってしまう。
さらに、本技術は通信網(詳しくはフレームリレー網)における技術であり、従来のスイッチやルータ等のデータ転送装置にそのまま適用することは困難である。
各ポートから入力されるデータを格納するバッファと、
各ポートと前記バッファ間のパスの設定を行う入力パス設定手段と、
前記バッファと出力チャネル間のパスの設定を行う出力パス設定手段と、
各ポートにおける優先度に応じたパスの切換えを行うことにより、動的に回線を生成し、使用する帯域を制御する回線制御手段とを備えた構成としてある。
特に、本発明のデータ転送装置は、請求項2に記載するように、各ポートにおける入力データを検出するデータ検出手段をさらに備え、前記回線制御手段は、各ポートにおける入力データの有無に応じてパスの切換を行う構成としてある。
また、ポート毎に、動的に、回線を生成し、帯域を設定するようにしている。
このため、取り扱うデータの重要度、種類、サイズ等に応じた柔軟な回線設定ができると同時に、限られたバックプレーン帯域を、常に、最大限に、利用できる。
そして、優先バッファ領域の出力側では、予め所定のチャネルを割り当てることにより優先出力パスが設定され、係るデータはこの優先出力パスを介して出力されることとなっている。
したがって、利用者は優先ポートを指定することにより、一定の帯域幅をもつ回線を確保することができ、特に、プライオリティの高いトラフィックを利用する場合には効果的である。
また、本発明のデータ転送装置は、請求項5に記載するように、前記非優先出力パスにおける空き経路をラウンドロビン方式により選択し、所定のタイミングに応じてデータを出力する構成とすることもできる。
また、出力の際には、空き経路をラウンドロビン方式により選択することもできるようになっている。
このため、各非優先ポートから入力されるデータは、バックプレーン帯域を効率よく、かつ、平等に利用することが可能である。
また、ラウンドロビン方式を採用しているため、空き回線を有効に選択できるだけでなく、特定のチャネルにおいて障害が発生した場合でもこれを他のチャネルで補うことができる。さらに、制御方式が単純であるため装置の構成を簡素化することも可能である。
したがって、高効率で、信頼性が高く、発生費用の少ないデータ転送装置を提供することが可能である。
したがって、単に優先制御を可能とするだけでなく、装置全体としても限られた帯域を有効に利用できるため、回線利用効率が高く、利便性に優れたデータ転送装置を実現できる。
したがって、帯域の有効利用を図りつつも、優先ポートにおける通信に関しては、確実に帯域保証がされるため、より信頼性の高いデータ転送装置を実現することができる。
また、本発明のデータ転送装置は、請求項8に記載するように、前記ポートタグ取付手段により取り付けられたポートタグに記載された宛先ポート番号を記憶するタグアドレステーブルを備え、前記宛先特定手段は、前記タグアドレステーブルに記憶された宛先ポートを参照することにより、フレームの転送先を特定する構成とすることもできる。
このため、転送データに同期したポート番号情報の信号線及び回路を無くすことができるため、機器構成を簡素化し、又、小型化することが可能となる。
したがって、低コストで、可搬性に優れたデータ転送装置を実現することが可能である。
すなわち、従来と同じフレームフォーマットを用いてデータ転送を行うようにしている。
このため、既存のネットワークや通信機器をそのまま接続することが可能となり、汎用性・拡張性に優れたデータ転送装置を実現できる。
これにより、具体的な装置構成に限定されることなく、本発明を実施することができ、汎用性・拡張性の高いデータ転送方法を提供することができる。
これにより、既存のデータ転送装置にプログラムをインストールすることによって本発明を実現することができ、汎用性,拡張性に優れた優先制御プログラムとして提供することができる。
また、所定のポートタグを利用することにより、回路構成を簡素化することもできる。
このため、利用効率や信頼性の高い優先制御技術を実現するとともに、汎用性・拡張性に優れた低コストのデータ転送装置を提供することが可能である。
ここで、以下に示す本実施形態のデータ転送装置は、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示すような所定の処理・機能を行わせる。すなわち、本実施形態のデータ転送装置における各処理・手段は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
図1は、本発明の第一実施形態に係るデータ転送装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態のデータ転送装置(1)は、スロット数がN、スロット当たりのバックプレーン帯域が4Gbps、装置全体のバックプレーン帯域がN×4Gbpsであるスイッチ又はルータである。
データ転送装置(1)は、主にSwitch Fabric(11)、Forwarding Engine(121,122)、tag controller-A(131,132)、tag address table(14)、Control Chip(15)、バッファA(16)、バッファB(17)、tag controller-B(18)、MAC(191,192)、Int controller(20)、データ量カウンタ(21)及び物理ポート(22)によって構成されている。
Forwarding Engine(121,122)は、宛先のアドレス等を調べ、転送先を指定した上でSwitch Fabric(11)に対しデータを送り出すものである。
tag controller-A(131,132)は、tag controller-B(18)により取り付けられたポートタグをフレームから取り外すものである。
tag address table(14)は、転送データのフレームに含まれるポート番号を登録しておくものである。
なお、Control Chip(15)には、物理ポート(22)から入力されたデータを一旦格納させておくバッファが搭載されており、非優先ポートからのデータを記憶するものとしてバッファA(16)、優先ポートからのデータを記憶するものとしてバッファB(17)がある。
tag controller-B(18)は、各ポートに係る転送データのフレームに、宛先のポート番号が記載されたポートタグを付加するものである(図6参照)。
MAC(191,192)は、各物理ポート(22)を収容し、当該物理ポート(22)に入力されたデータの検出を行い(データ検出手段)、また、そのメディア部分を制御するものである。
データ量カウンタ(21)は、MAC(191,192)におけるポート毎に入力データのトラフィックの測定を行うものである。
物理ポート(22)は、通信主体となるホストや他の通信デバイスとのインターフェースである。
まず、非優先ポートのみが通信する場合の動作について図2及び図3を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係るデータ転送装置において、非優先ポートのみ通信を実施する場合の回線設定を示す接続図であり、図3は、処理手順を示す動作手順図である。
図2に示すとおり、各Forwarding Engine(121,122)とControl Chip(15)間の受信帯域は4Gbps(1Gbps×2×2)/スロットであり、物理回線数は8ポート/スロットである。
具体的には、ポート1に関して優先入力パスと優先出力パスがバッファB(17)を介して設定され、優先ポート以外の非優先ポートについては、非優先入力パスと非優先出力パスがバッファA(16)を介して設定される。
バッファA(16)に送られたデータ(フレーム)には、ポートタグ取付手段によりポートタグを取り付けた上で(ステップA5)、格納される(ステップA6)。
ポートタグとは、転送先のポート番号が記載されたものであり、図6に示すとおり、送信データのフレームに付加されるフォーマットとなっている。
なお、例えば、2Gbpsの実行速度を実現するには、ポートタグが付くことにより、実際の速度は制限されるため、Control Chip(15)とtag controller-A間において一定の速度増幅を施す必要がある。
なお、ステップA8と同時に、またはこれに先立ち、ポートタグに記入されていたポート番号をtag address table(14)に登録する(ステップA9)。
そして、Switch Fabric(11)は、所定のスロットに対し、このフレームデータを転送する(ステップA11)。
このように、非優先ポートのみの通信の場合には、4Gbpsのバックプレーン帯域(23)をポート2〜8が共有することになる。
したがって、バックプレーン帯域(23)を有効に、かつ、平等に使用することができるようになる。
図4は、本実施形態に係るデータ転送装置において、優先ポートと非優先ポートの通信を実施する場合の接続図であり、図5は、その処理手順を示すフローチャートである。
図4に示す各Forwarding Engine(121,122)とControl Chip(15)間の受信帯域は、1スロット当たり4Gbps(1Gbps×2×2)であり、物理回線数を8ポート/スロットとすることは、前述の図2と同様である。
また、優先ポート(ポート番号1)に係るパス、及び非優先ポート(ポート番号2〜8)に係るパスは予め設定されているものとする。
非優先ポートである場合(ステップB1 NO)には、非優先ポートに入力されたデータを所定の非優先パスを介してデータ転送を開始し(ステップB2)、データ転送の終了を確認することにより一の手順は完了する(ステップB3 YES)。
なお、ステップB5で、所定チャネルに係る非優先通信が確認されなかった場合(ステップB5 NO)には、上述のように通信中のデータを他のチャネルに振り分ける必要がないため、そのまま所定チャネルを使用して優先通信を行うこととなる(ステップB7)。
また、ここでは、非優先出力パスの空き経路をラウンドロビン方式により検索し、選択することにより、さらに、効率よく出力することも可能である(図10参照)。
特に、優先ポートに関しては、割込制御を用いて一定のチャネル及び帯域を確実に割り当てる一方で、優先ポートが使用されていない場合には、そのチャネル及び帯域を他のポートの使用に開放するようにしている。
これにより、転送データに同期したポート番号情報の信号線及び回路を無くすことができるため、機器構成を簡素化し、又、小型化することが可能となる。
したがって、低コストで、可搬性に優れたデータ転送装置を実現することが可能である。
このため、簡易な方法で、効率よく分散出力することができる。
また、tag address table(14)を設け、一度学習した転送先情報については、これを参照することにより容易に特定することも可能である。
次に、本発明の第二実施形態に係るデータ転送装置について図11を参照して説明する。
図11は、本発明の第二実施形態に係るデータ転送装置における回線設定を示す接続図である。
本実施形態のデータ転送装置(1)は、Forwarding Engine等の各構成部をN個搭載し、優先ポートもN個備える構成としている。
また、全体ポート数(N×4個)、バックプレーン帯域(N×2Gbps)等も比例するように構成されている。
このため、接続する機器の数や転送速度のバリエーションに対しより柔軟に対応し、また、様々な冗長構成を形成できるようになっている。
したがって、汎用性、拡張性及び可用性に優れたデータ転送装置を実現でき、利用態様に応じた最適なネットワークを構築することが可能である。
例えば、本発明のデータ転送装置は、スイッチやルータのみならず、他の伝送装置や通信制御装置であってもよい。
13(N)、18 tag controller
15 Control Chip
16、17 バッファ
19(N) MAC
20 Int controller
21 データ量カウンタ
Claims (11)
- バックプレーン帯域を超える帯域を一群のポートに割り当てるオーバーサブスクライブ機能を有するデータ転送装置であって、
各ポートから入力されるデータを格納するバッファと、
各ポートと前記バッファ間のパスの設定を行う入力パス設定手段と、
前記バッファと出力チャネル間のパスの設定を行う出力パス設定手段と、
各ポートにおける優先度に応じたパスの切換えを行うことにより、回線を設定し、使用する帯域を制御する回線制御手段とを、備えることを特徴とするデータ転送装置。 - 各ポートにおける入力データを検出するデータ検出手段をさらに備え、
前記回線制御手段は、各ポートにおける入力データの有無に応じてパスの切換を行うことを特徴とする請求項1に記載のデータ転送装置。 - 任意のポートに対し優先ポートを設定する優先ポート設定手段と、
優先ポートから入力されたデータを格納する優先バッファ領域と、
予め、前記優先ポートと前記優先バッファ領域間の優先入力パスを設定する優先入力パス設定手段と、
予め、前記優先バッファ領域に格納するデータの出力に係る出力チャネルを割り当てることによって、優先出力パスを設定する優先出力パス設定手段とを、備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ転送装置。 - 前記優先ポート以外のポートから入力されたデータを格納する共有バッファ領域と、
前記優先ポート以外のポートと前記共有バッファ領域間の非優先入力パスを設定する非優先入力パス設定手段と、
前記共有バッファ領域に格納するデータの出力に係る出力チャネルを割り当てることによって、非優先出力パスを設定する非優先出力パス設定手段とを備え、
前記データ検出手段によって、優先ポートにおける入力データが検出されない場合には、前記出力パスに対しラウンドロビン方式によりデータを出力することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のデータ転送装置。 - 前記非優先出力パスにおける空き経路をラウンドロビン方式により選択し、所定のタイミングに応じてデータを出力することを特徴とする請求項4に記載のデータ転送装置。
- 前記データ検出手段によって、優先ポートにおける入力データが検出された場合には、所定の非優先出力パスを解除すると同時に、所定の優先出力パスを設定する割込制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のデータ転送装置。
- 前記入力パスを介して送信するデータのフレームに宛先のポート番号を記載したポートタグを取り付けるポートタグ取付手段と、
少なくとも前記宛先ポート番号を参照してフレームの転送先を特定する宛先特定手段と、を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のデータ転送装置。 - 前記ポートタグ取付手段により取り付けられたポートタグに記載された宛先ポート番号を記憶するタグアドレステーブルを備え、
前記宛先特定手段は、
前記タグアドレステーブルに記憶された宛先ポートを参照することにより、フレームの転送先を特定することを特徴とする請求項7に記載のデータ転送装置。 - 前記ポートタグ取付手段により取り付けられたポートタグを除去するポートタグ除去手段を備え、
前記ポートタグ除去手段によりポートタグを除去した後に、フレームの転送を行うことを特徴とする請求項7又は8に記載のデータ転送装置。 - バックプレーン帯域を超える帯域を一群のポートに割り当てるオーバーサブスクライブ機能を有するデータ転送装置において行う優先制御方法であって、
任意のポートに対し、優先ポート及び/又は非優先ポートの設定を行うステップと、
各ポートとバッファ間のパスの設定を行うステップと、
各ポートから入力されるデータをバッファに格納するステップと、
前記バッファと出力チャネル間のパスの設定を行うステップと、
各ポートにおける優先度に応じたパスの切換を行うことにより、回線を設定し、使用する帯域を制御するステップと、を含むことを特徴とする優先制御方法。 - バックプレーン帯域を超える帯域を一群のポートに割り当てるオーバーサブスクライブ機能を有するデータ転送装置を構成するコンピュータを、
任意のポートに対し、優先ポート及び/又は非優先ポートの設定を行う手段、
各ポートから入力されるデータを格納する手段、各ポートと各ポートから入力されるデータを格納するバッファ間のパスの設定を行う手段、前記バッファと出力チャネル間のパスの設定を行う手段、各ポートにおける優先度に応じたパスの切換を行うことにより、回線を設定し、使用する帯域を制御する手段、として機能させることを特徴とする優先制御プログラム。
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