JP5613631B2 - 通信ノード装置及びパス割当方法 - Google Patents

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Description

本発明は、通信ノード装置及びパス割当方法に係り、特に、パスの継続時間が限定されたオンデマンドパスと一時的なパスの切断を許す品質のパスの通信資源の共用を図ることによって、パスの要求品質を満たしつつ、通信資源をより効率的に提供する通信ノード装置及びパス割当方法に関する。
クライアントに対して通信回線を提供するサービスプロバイダは、クライアントからの多様な転送要求に対応するとともに、回線を効率的に利用する必要性に迫られている。
例えば高品位ビデオ会議では、一時的に大容量かつ高品質のパスが必要になる。その一方で、電話トラフィックは、継続的かつ高品質なパスが必要であるが、帯域は比較的小さくてよい。その他、インターネットのトラフィックは品質が保証されないことが想定されている。このように、クライアントがパスを利用する用途は様々であり、またそれらの求める通信品質も異なっている。
それに対して、従来の通信網におけるパス多重には、主にパケットに付加されたラベルに基づいてスイッチングを行うMPLS(Multi Protocol Label Switching)やMPLS-TP(MPLS Transport Profile)によるパス多重、タイムスロットに基づく時分割多重方式(TDM: Time Division Multiplexing)によって多重・転送を行うSDH(Synchronous Digital Hierarchy)/SONET(Synchronous Optical NETwork)によるパス多重、さらに、それらを波長に収容して波長分割多重方式(WDM: Wavelength Division Multiplexing)によって多重・長距離伝送を行うためのOTN(Optical Transport Network)などによるパス多重が存在する。これらのパス多重ではパスは一般に高品質なパスとして品質が固定された形で運用されている。また、一度開通すると明示的な要求によって切断されることはまれであり、通常は静的なパスとして扱われる。
また一方で、パスを動的に運用する研究も行われている(例えば、非特許文献1参照)。当該非特許文献1では、需要に応じてパスをオンデマンドで設定することによって、同一の回線資源を複数のパスがタイムシェアする効率的なアーキテクチャが提案されている。
B. Mukherjee, "Architecture, Control, and Management of Optical Switching Networks", IEEE, Photonics in Switching , Aug. 2007
しかしながら、従来のような静的かつ品質が固定的であるパス多重を用いて前記のような多様な特性を持つトラフィックに対応するためには以下に示す二点の課題を解決する必要がある。
一点目は、パス設定要求に対して提供する品質が過剰になる場合がある点である。多様な品質のパスを提供する機能は、従来の高品質を前提としたパス多重では実現することができていない。LSP(Label Switched Path)等のパケットによるパケット多重では、パケットヘッダやルーティングテーブル等において定められた優先度に基づき、同一時刻に到達したパケットの出力順序を決定したり、バッファが溢れた際の廃棄順序を決定したりする優先制御機能を持つ。しかし、WDMやTDMによるパス多重では、一旦収容されたデータについては原理的にロスや衝突が発生せず、また伝送遅延も非常に低い。そのため、例えばTDMやWDMによって転送するパス多重において、要求品質の低いデータをできるだけ低コストで転送したい場合に、パケット多重のように転送品質を落としながら通信を維持することが困難である。非特許文献1の技術では、パスの継続時間および設定期限に基づいてパス設定の順序を決定するスケジューリング方法が述べられている。しかし、一度設定されたパスは転送が必ず保証されることが想定されており、パス設定後のパス変更を伴う資源共有による効率化については考えられていない。
二点目は、一時的な需要に対する回線リソースの配備量が多くなる点である。従来の通信網では、将来のパス設定需要を見越した設備設計がなされてきた。その結果として、パスを一時的に提供するオンデマンドサービスは、一時的でない通常のパスを提供する場合と同等の設備量が必要となってしまい、オンデマンドサービスの提供メリットである設備削減効果が得られない、という課題があった。
また、光パスの動的な追加削除によって通信資源利用の効率化をはかるための方法として、要求に応じて一定時間だけバックアップ資源を共有することによって信頼性を一時的に向上させる方法が提案されている(非特許文献1)。しかし、当該文献では単一のサービス同士のバックアップに関する効率化について考えられているものの、クライアントが利用するサービスの多様性を利用した資源共有方法については考えられていない。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、通信ノード装置において、特に、パスの継続時間が有限であるオンデマンドパスを一時的なパスの切断を許すパスの含まれる経路に割り当てることによって、多様な特性を有するパスを柔軟に提供するとともに、ネットワーク資源利用の効率化を図るための通信ノード装置、およびこのような多様なパスを単一の網で提供可能な通信網を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明(請求項1)は、通信路を介して通信網に接続し、主信号をパスによって運用管理することが可能な通信ノード装置であって、
クライアント主信号からパスを終端及び生成するパス終端・生成手段と、
前記通信網に対して構成されたパスに基づいて主信号を送受信する主信号送受信手段と、
パスを任意の出力先間で交換するパス交換手段と、
を備えるパス交換制御手段と、
パスの開始時刻および終了時刻を含む継続時間を管理するパス継続時間管理手段と、
前記パスの継続時間に基づいて、パスの経路の割当演算を行うパス割当演算手段と、
前記パスの設定および交換に関する指示を前記パス交換制御手段に対して行うパス交換制御指示手段と、
前記パスの入出力情報の管理を行うと共に、前記パス割当演算手段で求められた、割り込まれる側のパスである他の既設パスを含む経路に対して、終了時刻が明示的である新設パスを割り当てるパス情報管理手段と、
を備える装置制御手段と、を有し、
前記パス情報管理手段は、
前記他の既設パスを含む経路に対して、前記終了時刻が明示的である新設パスの割り当ての可否を、該既設パスに規定されている稼働率、平均復旧時間、平均故障間隔、のうち少なくとも1つの基準値を満たすか否かにより判断する手段を含む
また、本発明(請求項2)は、請求項1の前記パス情報管理手段に、
前記他の既設パスを含む経路に対して、前記終了時刻が明示的である新設パスの割り当の可否を、該既設パス及び該新設パスに割り当てられた優先度情報に基づいて判断する手段を含む。
また、本発明(請求項)は、請求項1または2の前記パス情報管理手段において、
単一のパスを複数のチャネルに分割して転送することが可能な場合に、
前記終了時刻が明示的である新設パスのチャネルの一部または全部を、経路上にある前記他の既設パスのチャネルの一部または全部を含むチャネル番号に対して割り当てる手段を含む。
本発明(請求項)は、パスの継続時間が限定された新設パスと一時的なパスの切断を許す品質の既設パスを割り当てるパス割当方法であって、
パス割当演算手段が、パスの開始時刻および終了時刻を含む継続時間に関する情報を含む前記新設パスの設定要求を受信すると、該設定要求に応じた適切なパスの経路および出力インタフェースを算出するパス割当演算ステップと、
パス情報管理手段が、前記パス割当演算ステップにおいて算出された前記経路の各ホップに空きチャネルが存在する場合は、該経路の空きチャネルに前記終了時刻が明示的な新設パスを設定し、該経路に空きチャネルが存在しないリンクが少なくとも一つ存在する場合は、該経路に既設パスが既に設定されているチャネルを含めて探索し、割当可能なチャネルが存在した場合は、該チャネルにある既設パスを無効にし、該新設パスを割り当てる割当判定ステップと、
を行い、
前記割当判定ステップにおいて、
前記他の既設パスを含む経路に対して、前記終了時刻が明示的である新設パスの割り当ての可否を、該既設パスに規定されている稼働率、平均復旧時間、平均故障間隔、のうち少なくとも1つの基準値を満たすか否かにより判断する
また、本発明(請求項)は、請求項の前記割当判定ステップにおいて、
前記新設パスの割り当ての可否を、前記既設パス及び該新設パスに割り当てられた優先度情報に基づいて判断する。
また、本発明(請求項)は、請求項4または5の前記割当判定ステップおいて、
単一のパスを複数のチャネルに分割して転送することが可能な場合に、
前記新設パスのチャネルの一部または全部を、経路上にある前記既設パスのチャネルの一部または全部を含むチャネル番号に対して割り当てる。
本発明によれば、継続時間が定められたオンデマンドパスを、一時的なパスの切断を許すパスと同一の通信資源を用いるように制御することにより、クライアントからの多様なパスを柔軟に収容し、より利用効率の高い通信網を実現することが可能になる。
本発明の通信ノード装置の構成図である。 本発明の第1の実施の形態における動作例である。 本発明の第1の実施の形態における通信ノードを装置を用いた通信網を示す図である。 本発明の第1の実施の形態におけるオンデマンドパス設定受付のフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態におけるオンデマンドパス終了時の静的パス復帰処理のフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態におけるパスの状態遷移を示す図である。 本発明の第1の実施の形態におけるパスが複数チャネルを有する場合のパス割当を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における異なるチャネルへ復帰動作を示す図である。 本発明の第1の実施の形態を適用した通信網の例である。 本発明の第2の実施の形態における転送方式毎のパス割当方法を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における光パスのオンデマンドパス設定受付のフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態におけるオンデマンドパス設定受付のフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態におけるオンデマンドパス設定受付のフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態における通信ノード装置の構成図である。 本発明の第5の実施の形態におけるパス切替の模式図である。 本発明の第5の実施の形態におけるテーブル変更を示す図である。 本発明の第5の実施の形態におけるオンデマンドパス設定のフローチャートである。
以下図面と共に、本発明の実施の形態を説明する。
最初に、装置構成とパス情報について説明する。
[装置構成]
図1は、本発明の通信ノード装置の構成を示す。
同図に示す通信ノード装置は、主信号の処理を行うパス交換部200と、パス情報の管理およびパス交換部200の制御を行う装置制御部200から構成される。さらに、パス交換部200は主信号送受信部210、パス終端・生成部220、パス交換部230を有し、装置制御部100はパス継続時間管理部110、パス割当演算部120、パス情報管理部130、パス交換指示部140、パス設定要求記憶部150を有する。
以下に各部の機能を説明する。
・パス交換制御部200:
主信号送受信部210は、本発明の通信ノード装置とクライアント装置3、及び当該通信ノード装置と通信網内の装置との間で主信号の送受信を行う。
パス終端・生成部220では、クライアント装置3から受信した主信号から転送に用いられるパスを構成し、逆に、通信網から受信したパスを終端する機能を持つ。また必要に応じてパスの多重を行う。
パス交換部230は、主信号を振り分けてパス単位で出力インタフェースを決定する機能を持つ。交単位はパケット、タイムスロット、波長、ファイバ等があり、適用される通信網によって異なる。なお、通信ノード装置間を結ぶリンクに備わる資源の単位をチャネルと称し、これは通信ノード装置の交換単位と対応している。例えば、交換単位がタイムスロットであるTDM網である場合、チャネルの単位もタイムスロットとなる。さらに、光パスによる通信網の場合など、特にチャネルの並びが意味を有する場合は、その並び順をチャネル番号と称する。
・装置制御部100:
パス継続時間管理部110は、パス設定要求に対して、パスの継続時間の管理を行う。
パス割当演算部120は、パス設定要求に基づき、適切な経路および出力インタフェースを算出する。パス割当演算部120の演算で用いる経路と出力インタフェースの算出アルゴリズムは任意であり、例えば、最短経路を用いたり、波長やタイムスロットのリソースの空きが最も大きい経路を用いたりしてもよい。いずれのアルゴリズムを用いるかは、ネットワークの管理ポリシーによって決定される。なお、上記のパス設定要求は、クライアント装置3から主信号送受信部210、パス交換指示部140を介して入力される、または、クライアント装置3が主信号の転送用とは別の制御用回線で装置制御部100に要求を送ることにより入力される、または、通信網の管理者がクライアントからのオフラインで受けた要求に対して通信ノード装置1に直接設定する、のいずれにより取得する。
パス情報管理部130は、パス設定要求情報をパス設定要求記憶部150に記憶する。また、各々のパスに対して入出力インタフェースを定めるパス交換テーブル131を保持する。このパス交換テーブル131は、パス交換制御部200においてパスの交換を行う際に参照される。
パス交換指示部140は、パス交換制御部200に対してパスの開通、切断、方路切替等に関する制御命令を発する。例えば、GMPLS(Generalized MPLS)のプロトコルを用いてパス交換部の制御を行うことができる。
[パス情報]
パス情報管理部130が記憶するパスの設定情報について説明する。設定情報には、少なくとも、パスの開始時刻および終了時刻を含む継続時間に関する情報が含まれる。継続時間とは、パス設定が維持される時間を示し、継続時間の終了後、パス設定が解除される。本説明では、継続時間が明示的に定められているパスを"オンデマンドパス"、オンデマンドパスに対して割り込まれる側のパスを"既設パス"と称する。既設パスは継続時間が明示的に定められている場合でもそうでない場合でも本発明を適用可能である。
その他のパス設定情報として、クライアントが要求する転送帯域が含まれる場合があり、この帯域情報をもとに割り当てる回線資源量を決定する。回線資源量とは、例えばTDMレイヤであればタイムスロット数、WDMであれば波長数や波長群数に相当する。クライアントトラフィックに対して割り当てるタイムスロット数や波長数が複数である場合、その一部に対して本発明を適用することが可能である。更に、その他のパス設定情報として、既設パスの優先度又は信頼性に関する基準値等の品質に関する情報が含まれる場合があり、これらの情報を用いた例は第3及び第4の実施の形態で示す。
[第1の実施形態]
図2は、本発明の第1の実施の形態における動作例を示す。また、本発明の通信ノード装置を用いた通信網の例を図3に示す。簡単のためチャネル数は1とし、また、図2に示す通信ノード装置が図3の通信ノード装置Aに対応しているものとする。
図2(A)は静的パス開通状態を示し、(B)はオンデマンドパス開通状態を示す。
図2において、通常時は入力インタフェースAから転送されている主信号が通信ノード装置においてパスを構成し、出力インタフェースCを介して通信網に接続している。このパスは図3の通信ノード装置Aと通信ノード装置Bとを接続している。
ここでオンデマンドパス設定要求の割込が生じ、パス割当演算部120によって割当可能な出力インタフェースが、既設パスに対して設定されている出力インタフェースCと、算出された場合、既設パスの設定を解除してオンデマンドパスの設定を行う。オンデマンドパス開通時は、図2(B)のパス交換テーブル131に示すように、既設パスのステータスを無効にすることにより、オンデマンドパスを同一の出力インタフェースに対して割り当てることができる。
そして、一定時間後にオンデマンドパスに設定されていた継続時間を超えると、オンデマンドパスの設定解除を行い、解除されていた既設パスを元の状態に復帰させる(図2(A))。
オンデマンドパスの設定受付フローについて、図4を用いて説明する。
まず、オンデマンドパス設定要求が発生すると(ステップ101)、パス割当演算部120は、要求情報に応じた適切なパスの経路および出力インタフェースを算出する。ここで、パスを割り当てる経路及び出力インタフェースの候補が複数存在する場合は、以下に示すパス割当条件について、候補から逐次的に照合して割当を行うことも、また、全ての候補について照合した後に最も適切であると判断された経路及びインタフェースに対して割り当てることも可能である(ステップ105)である。
算出された経路の各ホップに空きチャネルが存在する場合(ステップ102、Yes)、当該経路の空きチャネルにパスを設定して終了する(ステップ103)
前記経路に空きチャネルが存在しないリンクが少なくとも一つ存在する場合(ステップ102、No)、前記経路にパスが既に設定されているチャネルを含めて探索する。割当可能なチャネルが存在した場合(ステップ104、Yes)、当該チャネルにある既設パスを無効にし、その後オンデマンドパスを割り当てて終了する(ステップ105)。もし上記条件を満たす経路および出力インタフェースが存在しない場合(ステップ104、No)、パスの割当が不可である結果を返してパス設定処理を終了する(ステップ106)。パスの割当が成功すると、パス情報管理部130のパス交換テーブル131に当該パスのエントリを追加する。
図5に、オンデマンドパスの継続時間が終了した場合の既設パスの復帰処理のフローチャートを示す。
オンデマンドパスの継続時間が終了すると(ステップ201)、当該パスのエントリをパス交換テーブルから削除する(ステップ202)。次いで、経路上の一時的に停止していた既設パスのエントリを有効化する。この処理によって、オンデマンドパス設定要求が発生する前の状態に復帰することができる(ステップ203)。
パス交換テーブル131におけるエントリの有効性は、図2の「ステータス」の項目として示しており、これが無効である項目は、オンデマンドパス要求の割り込みによって一時的に待機状態になっていることを示している。この際、既設パスは帯域がゼロになった場合でも、管理上の設定状態が切断されず、次のデータ送信機会まで待機状態とすることができる。これにより、オンデマンドパスの割り込み時に、パス設定状態を更新する処理を省略することができる。この際の既設パスの有効または無効状態に関する状態遷移図を図6に示す。エントリが有効状態であるパスにおいて、オンデマンドパス設定要求の割り込みが発生すると、当該エントリを無効にしてオンデマンドパスを設定する。一定時間が経過し、オンデマンドパスが終了すると、オンデマンドパスの割り込みを解除してエントリを有効にし、トラフィックの送信が再開される。
なお、図2のパス交換テーブルに記載される入力IFおよび出力IFの接続先は、クライアントでも他の通信ノード装置でもよい。図3の通信ノード装置Bについては、オンデマンドパスの設定時に、入力インタフェースと出力インタフェースの双方が通信網側であるエントリが追加される。通信ノード装置Cについては、入力インタフェースが通信網、出力インタフェースがクライアントであるエントリが追加される。さらに、パスの接続方向に関する情報が不要である場合は、入力インタフェースと出力インタフェースは区別しなくてもよい。
また、SONET/SDHやOTNにおけるバーチャルコンカチネーション(Virtual Concatenation: VCAT)や、クライアントから受診したデータを複数のチャネルに分割して並列転送するインバースマックス技術、OTNにおけるODUのスロット数を変更するリサイジング技術等を用いると、単一のパスが複数のチャネルを持つことになる。この場合、オンデマンドパスの一部チャネルが、既設パスの一部チャネルに対して割り込むことが可能である。図7に複数チャネルによるパスに本発明を適用した場合の例を示す。通信ノード装置AとB間に、チャネル1と2を利用する静的パスaが設定されている。ここで、通信ノード装置AとC間に2チャネルを必要とするオンデマンドパス要求が発生する場合、空いているチャネル3と静的パスaのチャネル2またはチャネル1を用いて2チャネル分の割当を行う。
このように、既設パスのうち一部のみをオンデマンドパスに対して割込を許すことで、オンデマンドパスの要求を受け付けられる一方で、既設パスの品質が部分的に保証されるようなサービスクラスを構成することが可能になる。図7において、静的パスaは一部の帯域が削減されるが、TCPプロトコルを利用する場合はセッションを維持することが可能である。
また、静的パスの復帰時に、解除時と異なるチャネルを用いることが可能である。図8に、静的パスの異なるチャネルへの復帰動作を示す。静的パスaはオンデマンドパスcの割り込みによって解除されたが、オンデマンドパスcの解除時刻よりもオンデマンドパスbの解除時刻の方が早い場合、通信ノード装置Bと通信ノード装置C間では、空きチャネル1と解除状態にある静的パスaが共存することになる。この場合、静的パスaは、オンデマンドパスcの解除を待たずにチャネル1において復帰を行うことが可能である。
本発明の通信ノード装置を用いて通信網を構築した場合の図を図9に示す。通信網においてパスの管理を集中して行う場合、図1の装置制御部100は通信ノード装置から分離され、図9のようにネットワーク管理制御装置10に集約される一方、通信ノード装置はパス交換制御部200部だけが備わる。これにより、パス設定要求の受付、パス割当のための経路計算、パス管理等を単一のネットワーク管理制御装置で行うことができる。
一方、上記ネットワーク管理制御装置を用いない場合は、各通信ノード装置が図1のパス交換制御部200と装置制御部100の両方を備え、GMPLS(Generalized MPLS)等の制御プロトコルを用いて経路計算、パス管理等を分散して行うことができる。
[第2の実施形態]
特に、波長変換を行わない光パスによって通信網を構成する場合は、パスが割り当てられる経路の各リンクで波長のチャネル番号が同一でなければならず、これを考慮したパスの割当が必要となる。図10に、通信ノード装置AとC間にオンデマンドパス要求が発生した場合における、複数の転送方式毎の割当チャネルの差異を示す。経路のリンク間で波長変換を行なう光パスや、タイムスロットの入れ替えが可能なTDMパスや、リンク間でヘッダの付け替えが可能なLSPの場合は、図10左下のように、既設パスで用いられていないチャネルにパスを割り当てることが可能である。それに対し、図10の環境下で波長変換を行わない光パスを割り当てる場合は、図10右下のように、静的パスaまたはbのいずれかを一時的に無効にする必要がある。この制約を考慮したパス割当フローを図11に示す。図3と比較して、チャネル番号が同一である制約が加わっている。
つまり、図10左下の場合は、ノード間の各リンクでチャネル番号が付け替え容易な場合である。ここで、付け替え容易とは、例えば、チャネル番号と物理的な実態が一対一に対応しない場合である。物理的な実態とは、例えば、波長分割多重における波長、時分割多重におけるタイムスロット、符号分割多重における符号、キャリア周波数等である。リンク毎に物理的な実態が異なる場合は、ノードにて変更するチャネル番号に応じた物理的な実態を変更する処理、例えば波長変換、タイムスロット入替、符号変換、キャリア周波数の周波数変換が必要となり、処理負荷が増大する課題がある。そこで、本実施例では、図10右下に示すようにノード間の各リンクでチャネル番号を付け替えない処理とした。
なお、以下に示す第3から第5の実施形態においても、光パスにおける上記制約を考慮したパス割当を実施することが可能である。
[第3の実施形態]
既設パスがオンデマンドパス設定を無条件に受け付けるのではなく、受け付けるための制約条件として、パスに付与した優先度を用いることが可能である。
図12に、本発明の第3の実施の形態におけるオンデマンドパス設定受付のフローチャートを示す。
本実施の形態では、ステップ301において、受信するオンデマンドパス設定要求に優先度情報を含む。
オンデマンドパスを既設パスに対して割り込ませるための条件として、オンデマンドパスの経路上にある既設パスに定められた優先度が、オンデマンドパスに定められた優先度よりも低い場合に(ステップ404、Yes)、オンデマンドパスの割込を許可する(ステップ405)。オンデマンドパスの経路上に複数の既設パスがある場合はそれぞれに対して割込可否の判断を行う。
この処理を行うための条件として、パス情報管理部130にてパスの優先度情報の記憶を行うことが必要である。この実施形態は、例えば既設パスが転送期限の定められていないデータバックアップ用の通信として用いる一方、オンデマンドパスが一時的に高品質のパスを必要とする映像配信等の用途として用いられる場合などに有効である。
[第4の実施形態]
上記の第3の実施形態のような優先度ではなく、既設パスの信頼性に関するパラメータに基づいてオンデマンドパスの割当可否を判断することも可能である。
図13に、本発明の第4の実施の形態のおけるオンデマンドパス設定受付フローを示す。
本実施の形態では、オンデマンドパスを既設パスに対して割り込ませるための条件として、オンデマンドパスの経路上にある既設パスに定められた信頼性を示すパラメータが、オンデマンドパスを割り込ませた場合でも満たすことができる場合に(ステップ504、Yes)、オンデマンドパスの割込を許可する(ステップ505)。
信頼性を示すパラメータとしては、例えば稼働率、平均復旧時間(Mean Time To Repair: MTTR)、平均故障間隔(Mean Time Between Failure: MTBF)、等が挙げられる。稼働率は、ある期間においてパスが正常に設定されている時間の割合を示す。MTTRは、オンデマンドパスの割込によって既設パスが無効になってから、再び有効になるまでの平均時間を示す。MTBFは、パスの平均継続時間を示す。これらの値をパス情報管理部130において管理しておき、オンデマンドパスの設定要求が発生した際に、割込を行ったと仮定した場合における既設パスの上記パラメータの予測値が規定値を満たしているかどうかにより、パスの割当可否の判断を行う。
[第5の実施形態]
本発明は、複数の転送方式を有する通信ノード装置および通信網に対しても適用可能である。
上位レイヤパケットがパケット多重、下位レイヤがパス多重、例えばTDM(時分割多重)でのパス多重であり、各レイヤに対してクライアント主信号にパケットを用いて接続する場合における通信ノード装置の機能ブロック図を図14に示す。同図に示す通信ノード装置は、装置制御部300、上位レイヤパス交換部400、下位レイヤパス交換部500から構成される。装置制御部300は、マルチレイヤパス管理テーブル311、上位レイヤパス交換テーブル312、下位レイヤパス交換テーブル313を管理するパス情報管理部310を有する。
本形態は、例えば上位レイヤがLSPを用いたパケット多重、下位レイヤがOTNのODUを用いたパス多重に相当する。
上位レイヤパス交換部400では、クライアント側IF410から受信する主信号に対してフレーム処理部420にてラベルを付与してパケットをラベルとするLSP(Label Switched Path)を生成し、ラベルスイッチ部430にて下位レイヤへの出力ポートをラベルに従って選択してパケット多重する。ラベル付与に関する制御管理はLSP制御手段(図示せず)、ラベルスイッチ部430の制御をラベルスイッチ制御手段(図示せず)にて行う。
一方、下位レイヤパス交換部500では、フレーム処理/パス終端部520にてクライアント信号をTDMフレームにマッピングし、TDMパスを生成する。上位レイヤパス交換部400から転送されてきたパケットも同様の処理を行う。さらに、生成されたTDMパスの方路をTDMパスクロスコネクト部550にて決定し、パス多重/セクション終端部560にて多重した後に通信網に送出する。
本実施形態による動作例を、図15、16、17を用いて説明する。
実施の形態におけるパス切替の模式図を図15に示す。上位レイヤのインタフェースAに接続するクライアントが、下位レイヤの出力インタフェースCを経由したパスを設定している状態を図15(A)に、この状態から下位レイヤのインタフェースBから出力インタフェースCを経由したオンデマンドパスの設定要求が発生した際の状態を図15(B)に示す。
前記オンデマンドパスの設定要求が発生した場合における通信ノード装置のテーブル変更例について図16を用いて説明する。図15に示すインタフェースの記号は、図16のテーブルと対応している。
装置制御部300にはマルチレイヤパス管理テーブル311、上位レイヤパス交換テーブル312、下位レイヤパス交換テーブル313の3種類のテーブルからなるパス情報管理部310が備わっており、マルチレイヤのパス切替にはこれらのテーブルを装置制御部300において書き換える。
マルチレイヤパス管理テーブル311に固有の情報には、少なくともパスの識別子と継続時間がある。上位/下位レイヤパス交換テーブル312,313に固有の情報には、各レイヤの交換手段に応じたパケット情報やタイムスロット情報などがある。
オンデマンドパス設定要求発生前は、上位レイヤの既設パスに関するエントリのみが各テーブルに記載されている。即ち、上位レイヤパス交換テーブル312には上位レイヤの既設パス自身のエントリが、マルチレイヤパス管理テーブル311には上位レイヤの既設バスがどの下位レイヤに収容されているかのエントリが、下位レイヤ交換テーブル313には上位レイヤの既設パスを収容する下位レイヤパスのエントリが記載されている。この状態でオンデマンドパス設定要求が発生すると、既設パスに関するエントリが無効になり、オンデマンドパスに関するエントリが有効なパスとして追加される。即ち、上位レイヤパス交換テーブル312の上位レイヤの既設パス自身のエントリが削除または無効となり、マルチレイヤパス管理テーブル311の上位レイヤの既設バスがどの下位レイヤに収容されているかのエントリが削除または無効となり、下位レイヤ交換テーブル313の上位レイヤの既設パスを収容する下位レイヤパスのエントリが削除または無効となり、下位レイヤのオンデマンドパスに関するエントリのみが有効なエントリとして記載される。
オンデマンドパスの継続時間が終了すると、オンデマンドパスのエントリは削除されるかまたは無効になり、代わりに無効となっていた上位レイヤの既設パスが有効になる。即ち、上位レイヤパス交換テーブル312の上位レイヤの既設パス自身のエントリが有効となり、マルチレイヤパス管理テーブル311の上位レイヤの既設バスがどの下位レイヤに収容されているかのエントリが有効となり、下位レイヤ交換テーブル313の上位レイヤの既設パスを収容する下位レイヤパスのエントリが有効となり、下位レイヤのオンデマンドパスに関するエントリが削除または無効なエントリとして記載される。
図15において下位レイヤのオンデマンドパスの設定要求が到着した際のパス設定フローの一例に関して図17のフローチャートに沿って説明する。
オンデマンドパス設定要求が発生すると(ステップ601)、まず、他のパスが割り当てられていない経路及び出力インタフェースが存在した場合(ステップ602、Yes)、当該経路および出力インタフェースにてパスを設定して終了する(ステップ603)。もし前記経路および出力インタフェースが存在しない場合(ステップ602、No)、既に設定されている上位レイヤの既設パスを収容する下位レイヤの既設パスの経路および出力インタフェースのうち、オンデマンドパスによる割り込みが可能な経路が存在するかどうかを調べる(ステップ604)。割り込みが可能な経路の算出に用いる条件として、第3および第4の実施形態で示した既設パスの優先度や信頼性の基準値がある。もし割り込みが可能な経路が存在する場合(ステップ604、Yes)、既に設定されている上位レイヤの既設パスおよび上位レイヤの既設パスを収容する下位レイヤの既設パスを無効にした後に、下位レイヤのオンデマンドパスを出力インタフェース及び算出された経路に対して新たに設定する(ステップ605)。もし、上記オンデマンドパス設定要求を満たす経路が存在しない場合(ステップ604、No)、パスの割当が不可である結果を要求側に返してパス設定処理を終了する(ステップ606)。
また、上記フローにおいて、下位レイヤのオンデマンドパスの割り込みが発生して上位レイヤの既設パスおよび上位レイヤの既設パスを収容する下位レイヤの既設パスが無効になっている状態において、上位レイヤパスの代替経路および代替出力インタフェースを算出して移設することにより、上位レイヤパスの主信号を長時間切断することなく、下位レイヤのオンデマンドパスを収容することが可能である。
さらに、特に上位レイヤがパケット多重である場合は、上位レイヤのパスを他の上位レイヤの既設パスにパケット多重して収容することができる。また、上位レイヤが下位レイヤと階梯の異なるパス多重である場合は、上位レイヤのパスを他の上位レイヤの既設パスを収容する階梯が高位の下位レイヤのパスにODU単位等でパス多重して収容することができる。これにより、上位レイヤの設備量を増加させず、かつ既存のパスを無効にすることなく、下位レイヤのオンデマンドパスを収容することが可能になる。
なお、本実施形態で示したパケットのレイヤとTDMレイヤとの組み合わせだけでなく、上位レイヤとしてTDMパス、下位レイヤとして波長パスを用いる場合、また、上位レイヤとしてパケットベースのLSP、下位レイヤとして波長パスを用いる場合でも適用可能である。
なお、上記の実施の形態における通信ノード装置の構成要素の動作をプログラムとして構築し、通信ノード装置として利用されるコンピュータにインストールして実行させる、または、ネットワークを介して流通させることが可能である。
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において種々変更・応用が可能である。
1 通信ノード装置
3 クライアント装置
10 ネットワーク管理制御装置
100 装置制御部
110 パス継続時間管理部
120 パス割当演算部
130 パス情報管理部
131 パス交換テーブル
140 パス交換指示部
150 パス設定要求記憶部
200 パス交換制御部
210 主信号送受信部
220 パス終端・生成部
230 パス交換部
300 装置制御部
310 パス情報管理部
311 マルチレイヤパス管理テーブル
312 上位レイヤパス交換テーブル
313 下位レイヤパス変換テーブル
400 上位レイヤパス交換部
410 クライアント部
420 フレーム処理部
430 ラベルスイッチ部
440 フレーム処理部
500 下位レイヤパス交換部
510 クライアントインタフェース
520 フレーム処理/パス終端部
530 パス終端部
540 パス終端部
550 TDMパスクロスコネクト部
560 パス多重/セクション終端部
570 ネットワーク側インタフェース

Claims (6)

  1. 通信路を介して通信網に接続し、主信号をパスによって運用管理することが可能な通信ノード装置であって、
    クライアント主信号からパスを終端及び生成するパス終端・生成手段と、
    前記通信網に対して構成されたパスに基づいて主信号を送受信する主信号送受信手段と、
    パスを任意の出力先間で交換するパス交換手段と、
    を備えるパス交換制御手段と、
    パスの開始時刻および終了時刻を含む継続時間を管理するパス継続時間管理手段と、
    前記パスの継続時間に基づいて、パスの経路の割当演算を行うパス割当演算手段と、
    前記パスの設定および交換に関する指示を前記パス交換制御手段に対して行うパス交換制御指示手段と、
    前記パスの入出力情報の管理を行うと共に、前記パス割当演算手段で求められた、割り込まれる側のパスである他の既設パスを含む経路に対して、終了時刻が明示的である新設パスを割り当てるパス情報管理手段と、
    を備える装置制御手段と、
    を有し、
    前記パス情報管理手段は、
    前記他の既設パスを含む経路に対して、前記終了時刻が明示的である新設パスの割り当ての可否を、該既設パスに規定されている稼働率、平均復旧時間、平均故障間隔、のうち少なくとも1つの基準値を満たすか否かにより判断する手段を含む
    ことを特徴とする通信ノード装置。
  2. 前記パス情報管理手段は、
    前記他の既設パスを含む経路に対して、前記終了時刻が明示的である新設パスの割り当の可否を、該既設パス及び該新設パスに割り当てられた優先度情報に基づいて判断する手段を含む
    請求項1記載の通信ノード装置。
  3. 前記パス情報管理手段は、
    単一のパスを複数のチャネルに分割して転送することが可能な場合に、
    前記終了時刻が明示的である新設パスのチャネルの一部または全部を、経路上にある前記他の既設パスのチャネルの一部または全部を含むチャネル番号に対して割り当てる手段を含む
    請求項1または2に記載の通信ノード装置。
  4. パスの継続時間が限定された新設パスと一時的なパスの切断を許す品質の既設パスを割り当てるパス割当方法であって、
    パス割当演算手段が、パスの開始時刻および終了時刻を含む継続時間に関する情報を含む前記新設パスの設定要求を受信すると、該設定要求に応じた適切なパスの経路および出力インタフェースを算出するパス割当演算ステップと、
    パス情報管理手段が、前記パス割当演算ステップにおいて算出された前記経路の各ホップに空きチャネルが存在する場合は、該経路の空きチャネルに前記終了時刻が明示的な新設パスを設定し、該経路に空きチャネルが存在しないリンクが少なくとも一つ存在する場合は、該経路に既設パスが既に設定されているチャネルを含めて探索し、割当可能なチャネルが存在した場合は、該チャネルにある既設パスを無効にし、該新設パスを割り当てる割当判定ステップと、
    を行い、
    前記割当判定ステップにおいて、
    前記他の既設パスを含む経路に対して、前記終了時刻が明示的である新設パスの割り当ての可否を、該既設パスに規定されている稼働率、平均復旧時間、平均故障間隔、のうち少なくとも1つの基準値を満たすか否かにより判断する
    ことを特徴とするパス割当方法。
  5. 前記割当判定ステップにおいて、
    前記新設パスの割り当ての可否を、前記既設パス及び該新設パスに割り当てられた優先度情報に基づいて判断する
    請求項記載のパス割当方法。
  6. 前記割当判定ステップおいて、
    単一のパスを複数のチャネルに分割して転送することが可能な場合に、
    前記新設パスのチャネルの一部または全部を、経路上にある前記既設パスのチャネルの一部または全部を含むチャネル番号に対して割り当てる
    請求項4または5に記載のパス割当方法。
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