JP4682536B2 - ベルト式無段変速機を有する伝動装置 - Google Patents

ベルト式無段変速機を有する伝動装置 Download PDF

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Description

この発明は、構成部材同士の間欠的な噛み合いもしくは接触を伴ってトルクを伝達する間欠伝動機構と、構成部材同士が接触状態を継続してトルクを伝達し、もしくは流体を介してトルクを伝達する連続伝動機構とを備えたベルト式無段変速機を有する伝動装置に関するものである。
変速比を無段階(連続的)に制御することのできる無段変速機の一例として、ベルト式無段変速機が挙げられる。このベルト式無段変速機は、平行に配置された2つの回転部材と、各回転部材に別々に取り付けられたプライマリプーリおよびセカンダリプーリとを有している。このプライマリプーリおよびセカンダリプーリは、共に、固定シーブと可動シーブとを組み合わせて構成されており、固定シーブと可動シーブとの間にV字形状の溝が形成されている。
また、プライマリプーリの溝およびセカンダリプーリの溝にベルトが巻き掛けられているとともに、プライマリプーリのベルト支持部材およびセカンダリプーリのベルト支持部材に軸線方向の押圧力を作用させる油圧室が別個に設けられている。そして、各油圧室のいずれか一方の油圧を制御することによってそのいずれか一方のプーリの溝幅が調整されると、そのプーリの溝幅の変化により、各プーリに対するベルトの巻き掛け半径が変化する。すなわち、プライマリシャフトとセカンダリシャフトとの回転速度の比、すなわち変速比が制御される。また、このベルトの巻き掛け半径の制御により、ベルトの張力が変化し、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間で伝達されるトルクが調整される。
そして、上記のようなベルト式無段変速機を有する伝動装置において、ベルト式無段変速機以外の他の構成要素として、エンジンのトルクがベルト式無段変速機に伝達される際に、そのエンジントルクの変動に起因する振動および騒音を低減するためのダンパ機構が設けられる。また、エンジンのクランクシャフトとベルト式無段変速機のインプットシャフトすなわちプライマリシャフトとの間におけるトルク容量を制御し、滑らかな発進をおこなうための発進機構が設けられる。さらに、エンジンの回転方向が一方向に限られているため、そのエンジンの回転方向を、車両を前進させる方向の回転方向と車両を後進させる方向の回転方向とに選択的に切り換える前後進切り換え機構が設けられる。
このような構成要素に関して、発進機構としてのトルクコンバータと、ダブルピニオン形式の遊星歯車装置およびフォワードクラッチならびにリバースブレーキによって構成された前後進切り換え機構とを備えているベルト式無段変速機を有する伝動装置の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されているベルト式無段変速機を有する伝動装置は、プライマリシャフトの延長軸線上に、エンジン側から、エンジン、ダンパ機構、トルクコンバータ(発進機構)、前後進切り換え機構、プライマリプーリの順に各構成要素が配置されている。
また、特許文献2には、インプットシャフト(プライマリシャフト)の延長軸線上に、エンジン側から、エンジン、ダンパ、ドライブプーリ(プライマリプーリ)、前後進切り換え機構の順に各構成要素が配置され、アウトプットシャフト(セカンダリシャフト)の延長軸線上で、ドリブンプーリ(セカンダリプーリ)のエンジンに近い側に位置して、発進用クラッチ(発進機構)が配置されているベルト式無段変速機を有する伝動装置の例が記載されている。なお、特許文献3には、二次プーリ(セカンダリプーリ)のエンジンと反対側の軸端に、始動クラッチが配置されているベルト式無段変速機を有する伝動装置の例が記載されている。
特開2001−323978号公報 特許第2687041号公報 特開平5−196131号公報
一般に、ベルト式無段変速機の運転時に生じる振動あるいは音の主な発生源として、プーリとプーリに巻き掛けられるベルトや、前後進切り換え機構の構成要素である歯車などが挙げられる。プーリに巻き掛けられるベルトは、多数の金属製のベルトエレメントがフープにより環状に結束されていて、ベルトがプーリに巻き掛けられる際には、多数のベルトエレメントがプーリのベルト巻き掛け溝に順次接触し、その接触が間欠的におこなわれることによって振動や音が発生する。また、前後進切り換え機構を構成する歯車機構が駆動され、その各歯車が噛み合わされる際にも、噛み合い側歯面同士の接触が繰り返されることによって振動や音が発生する。
ところで、前述したように、上記の特許文献1あるいは特許文献2に記載されているベルト式無段変速機を有する伝動装置では、プライマリプーリあるいは前後進切り換え機構が、プライマリシャフトの延長軸線上のエンジンと反対側(すなわちエンジンに遠い側)のケース端部に配置されている。そのため、振動や音の発生源になり易いプーリあるいは前後進切り換え機構が、エンジンと反対側のケース端部に配置されることによって、それらが発する振動や音がケース端部を伝わって外部に洩れ易くなり、それが不快な振動や騒音になる場合があった。
この発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、前後進切り換え機構やプーリ、あるいは発進装置などのベルト式無段変速機を有する伝動装置の各構成要素を、プライマリシャフト側に、振動や騒音の発生要因を考慮して配置することによって、振動や騒音を低減することのできるベルト式無段変速機を有する伝動装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、ケーシングの内部に、ベルトが巻き掛けられた駆動プーリと従動プーリとが互いに平行に配置され、動力源の出力軸の延長軸線上に前記駆動プーリが配置されたベルト式無段変速機を有する伝動装置において、構成部材同士の間欠的な噛み合いもしくは接触を伴ってトルクを伝達する間欠伝動機構である遊星歯車装置および前記駆動プーリと、構成部材同士が接触状態を継続してトルクを伝達し、もしくは流体を介してトルクを伝達する連続伝動機構とを備え、かつ前記間欠伝動機構と前記連続伝動機構とが、前記ケーシングの内部であって前記駆動プーリの回転軸の延長軸線上に、前記動力源に近い側から、前記遊星歯車装置、前記駆動プーリ、前記連続伝動機構の順に配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ケーシングの内側の前記間欠伝動機構と前記連続伝動機構との間および/または前記出力軸の軸線方向において前記間欠伝動機構を挟み込む位置に、隔壁が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記動力源と前記間欠伝動機構との間にダンパ機構が設けられるとともに、前記間欠伝動機構が、互いに差動作用をおこなう第1の要素、および第2の要素、および第3の要素からなる遊星歯車装置と、これら三つの要素のうちのいずれか二つを選択的に連結する係合装置を有し、前記第1の要素が前記ダンパ機構に連結され、前記第2の要素と前記第3の要素とが前記係合装置に連結されていることを特徴とするものである。
そして、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記連続伝動機構が、前記出力軸の延長軸線上で前記動力源に遠い側の端部に配置されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、ベルト式無段変速機を有する伝動装置の各構成要素のうち、例えば歯車装置により構成される前後進切り換え機構や、ベルトが巻き掛けられる駆動プーリなどの、振動や騒音の発生源になり易い間欠伝動機構が、動力源の出力軸、すなわち駆動プーリ軸の延長軸線上で動力源に近い側に配置され、例えば発進クラッチやトルクコンバータあるいはオイルポンプなどの、振動や騒音を発生し難い連続伝動機構が、駆動プーリ軸の延長軸線上で動力源から遠い側に配置される。そのため、前後進切り換え機構やベルト式無段変速機によるギヤノイズやベルトノイズなどの漏洩を抑制して、静粛性が高く、また振動の小さい装置とすることができる。また、作用するトルクが従動プーリ側よりも小さい駆動プーリ側に、間欠伝動機構や連続伝動機構などの構成要素が配置されることによって、それらの構成要素の大型化を回避することができる
また、請求項2の発明によれば、ケーシングの内側に、間欠伝動機構を挟み込むように、隔壁が設けられることによって、間欠伝動機構から生じる騒音を遮音するとともに、ケーシング本体の剛性を高めて、この発明のベルト式無段変速機を有する伝動装置が運転される際に生じる振動を低減することができる。
また、請求項3の発明によれば、間欠伝動機構を構成する遊星歯車装置の、例えば入力要素である第1の要素にダンパ機構が連結され、入力要素以外の第2の要素および第3の要素にそれらを連結・解放する係合装置が設けられる。そのため、ダンパ機構に連結される分の遊星歯車装置の質量が低減され、ダンパ機構に大きな質量が付加されることにより動力源の常用回転域において共振が発生することを回避することができ、その結果、振動の小さい装置とすることができる。
そして、請求項4の発明によれば、連続伝動機構が、駆動プーリ軸の延長軸線上で動力源から遠い側の端部に配置される。すなわち、振動や音が外部に伝播され易い動力源から遠い側の端部に、振動や騒音を発生し難い連続伝動機構が配置されることになる。そのため、振動や音の漏洩を抑制して、静粛性が高く、また振動の小さい装置とすることができる。
つぎに、この発明を図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、この発明を適用したFF車(フロントエンジンフロントドライブ;エンジン前置き前輪駆動車)のスケルトン図である。図1において、1は車両の動力源であり、この動力源1としては、内燃機関、具体的にはガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどのエンジン、あるいは、モータやモータ・ジェネレータなどの電動機が用いられる。なお、以下の説明においては、動力源1をエンジン1として、便宜上、ガソリンエンジンを用いた場合について説明する。
エンジン1のクランクシャフト2が車両の幅方向に配置されている。また前記エンジン1の出力側には、トランスアクスル3が設けられている。このトランスアクスル3は、エンジン1の後端側に取り付けられたトランスアクスルハウジング4と、トランスアクスルハウジング4におけるエンジン1とは反対側の開口端に取り付けられたトランスアクスルケース5と、トランスアクスルケース5におけるトランスアクスルハウジング4とは反対側の開口端に取り付けられたトランスアクスルリヤカバー6とを有している。
トランスアクスルハウジング4の内部には、ダンパ機構7が設けられており、トランスアクスルケース5およびトランスアクスルリヤカバー6の内部には、前後進切り換え機構8、およびベルト式無段変速機9、および発進クラッチ10、ならびにデファレンシャル11などが設けられている。これらの各機構、装置について具体的に説明する。
先ず、エンジン1のクランクシャフト2から第1インプットシャフト12に至る経路にダンパ機構7が配置されている。このダンパ機構7は、エンジントルクの変動が第1インプットシャフト12に伝達されることを抑制し、そのエンジントルクの変動に起因する振動および騒音を低減するための機構である。
ダンパ機構7のエンジン1と反対側の位置であって、第1インプットシャフト12と、後述する第2インプットシャフト22および発進クラッチ10との間の動力伝達経路に、前後進切り換え機構8が配置されている。この前後進切り換え機構8は、エンジン1の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、入力されたトルクをそのまま出力し、あるいは反転して出力するように構成されている。そしてこの前後進切り換え機構8は、主に、ダブルピニオン形式の遊星歯車装置13およびフォワードクラッチ14ならびにリバースブレーキ15により構成されている。
この前後進切り換え機構8の構成の一例を説明すると、遊星歯車装置13は、第1インプットシャフト12のベルト式無段変速機9側の端部に設けられたサンギヤ16と、このサンギヤ16の外周側に、サンギヤ16と同心状に配置されたリングギヤ17と、サンギヤ16に噛み合わされたピニオンギヤ18と、このピニオンギヤ18およびリングギヤ17に噛み合わされたピニオンギヤ19と、ピニオンギヤ18,19を自転可能に保持し、かつ、ピニオンギヤ18,19を、サンギヤ16の周囲で一体的に公転可能な状態で保持したキャリヤ20とを有している。
そして、このキャリヤ20と、発進クラッチ10の入力側部材21に連結された第2インプットシャフト22とが連結され、サンギヤ16と、ダンパ機構7に連結された第1インプットシャフト12とが連結されている。また、リングギヤ17の回転・固定を制御するリバースブレーキ15が、トランスアクスルケース5に設けられている。さらに、リングギヤ17と、キャリヤ20すなわち第2インプットシャフト22との間の動力伝達経路を接続・遮断するフォワードクラッチ14が設けられている。そして、前記のリングギヤ17には、リバースブレーキ15によって固定・解放される固定部材とフォワードクラッチ14によって係合・解放される係合部材とが一体化された係合・固定部材23が設けられている。
ここで、フォワードクラッチ14とリバースブレーキ15とは、摩擦クラッチや摩擦ブレーキなどの摩擦係合装置によって構成することができるが、これ以外に噛み合い式の係合装置(すなわち、例えばドグクラッチやドグブレーキ)によって構成することもできる。例えば、リングギヤ17にスプライン嵌合する摺動部材をその軸線方向の一方に移動させることにより、キャリヤ20と一体の係合部に噛み合わせ、またこれと反対方向に移動させることにより、キャリヤ20と一体の係合から離脱する(クラッチを解放する)とともに、リバースブレーキ15の一部を構成している固定部分に噛み合わせるように構成したクラッチおよびブレーキであってもよい。
したがって、この遊星歯車装置13は、サンギヤ16およびリングギヤ17およびキャリヤ20の三つの回転要素を有し、上記の具体例においては、サンギヤ16が入力要素、キャリヤ20が出力要素、リングギヤ17が反力要素となっている。
この前後進切り換え機構8においては、前進ポジションが選択された場合は、フォワードクラッチ14が係合され、かつ、リバースブレーキ15が解放されて、リングギヤ17と、サンギヤ16すなわち第1インプットシャフト12とが一体回転する。リングギヤ17とサンギヤ16とが一体回転することによって、キャリヤ20すなわち第2インプットシャフト22も、それらリングギヤ17およびサンギヤ16と一体回転する。すなわち、第1インプットシャフト12と第2インプットシャフト22とが直結状態になる。
この状態においては、エンジン1のトルクが、ダンパ機構7を経由して第1インプットシャフト12に伝達されると、第1インプットシャフト12、リングギヤ17、キャリヤ20、サンギヤ16ならびに第2インプットシャフト22が一体回転する。第2インプットシャフト22に伝達されたトルクは、発進クラッチ10が係合された場合に、ベルト式無段変速機9のプライマリシャフト25に伝達され、プライマリプーリ27およびベルト35ならびにセカンダリプーリ28を経由してセカンダリシャフト26に伝達される。そして、セカンダリシャフト26に伝達されたトルクは、ギヤ対44およびデファレンシャル11を経由して駆動輪45に伝達される。
これに対して、後進ポジションが選択された場合は、フォワードクラッチ14が解放され、かつ、リバースブレーキ15が係合されて、リングギヤ17が固定される。すると、第1インプットシャフト12の回転に伴ってサンギヤ16が回転し、リングギヤ17を反力要素としてキャリヤ20が第1インプットシャフト12の回転方向とは逆の方向に回転する。その結果、後述するプライマリシャフト25およびセカンダリシャフト30などの回転部材が、前進ポジションの場合とは逆方向に回転して車両が後進する。
このように、前後進切り換え機構8は、入力要素(サンギヤ16)および出力要素(キャリヤ20)および反力要素(リングギヤ17)の三つの回転要素を有する遊星歯車装置13と、フォワードクラッチ14およびリバースブレーキ15の係合装置とにより構成されている。前後進切り換え機構8が駆動される場合、すなわち遊星歯車装置13が駆動される場合は、各歯車の噛み合いが順次繰り返されてトルクが伝達される。言い換えると、各歯車の噛み合い側歯面同士の間欠的な噛み合いもしくは接触を伴ってトルクが伝達される。したがって、この前後進切り換え機構8が、この発明における間欠伝動機構を構成している。
また、前後進切り換え機構8を構成する遊星歯車装置13は、その入力要素であるサンギヤ16とダンパ機構7とが第1インプットシャフト12を介して連結され、出力要素であるキャリヤ20と反力要素であるリングギヤ17とに、それらの差動を固定・解放するフォワードクラッチ14が設けられている。そのため、遊星歯車装置13におけるダンパ機構7と一体となって回転する回転要素の質量は、サンギヤ16の質量分だけとなり、ダンパ機構7が、大きな質量が付加された状態で回転する場合に生じ易い、エンジン1の常用回転域における共振の発生を回避し、あるいは振動を抑制することができる。
前後進切り換え機構8のダンパ機構7と反対側に配置される、ベルト式無段変速機9の前後進切り換え機構8と反対側の位置であって、第2インプットシャフト22と、ベルト式無段変速機9のプライマリシャフト25との間の動力伝達経路に、その動力伝達経路を接続・遮断する発進クラッチ10が設けられている。この発進クラッチ10は、例えば乾式の摩擦クラッチを適用することができ、入力側部材21および出力側部材24によって構成されている。そして、入力側部材21と第2インプットシャフト22とが連結され、出力側部材24と、第2インプットシャフト22と同軸でその円周方向に相対回転可能な中空軸であるベルト式無段変速機9のプライマリシャフト25とが連結されている。
この発進クラッチ10は、入力側部材21と出力側部材24とが連結されて、入力側部材21と出力側部材24との間、すなわち第2インプットシャフト22とプライマリシャフト25との間の動力伝達経路が完全に接続される「完全係合状態」と、入力側部材21と出力側部材24とが互いに滑りながら、第2インプットシャフト22とプライマリシャフト25との間の動力伝達経路が接続される「滑り係合状態」と、入力側部材21と出力側部材24との連結が解除されて、第2インプットシャフト22とプライマリシャフト25との間の動力伝達経路が完全に遮断される「完全解放状態」とに選択的に設定されるように制御される。
停止している車両が発進する場合は、発進クラッチ10の係合状態が、先ず「完全解放状態」から「滑り係合状態」に移行される。そして「滑り係合状態」においてその係合度合いが徐々に高められて、最終的に「完全係合状態」に移行される。そのため、遮断されていたエンジン1の動力が、徐々にその伝達容量を増大するようにプライマリシャフト25へ伝達され、車両の発進を滑らかにおこなうことができる。
このように、発進クラッチ10の作動は、「完全解放状態」に設定される場合は、入力側部材21と出力側部材24とが完全に解放され、それらが互いに空転する。そして「滑り係合状態」および「完全係合状態」に設定される場合には、入力側部材21と出力側部材24とが滑りながら接触させられ、あるいは完全に接触させられて連結されトルクが伝達される。すなわち、前述の前後進切り換え機構8においては、歯車の噛み合い側歯面同士の間欠的な噛み合いを伴ってトルクが伝達されるのに対して、この発進クラッチ10においては、「滑り係合状態」あるいは「完全係合状態」に設定されている限り、入力側部材21と出力側部材24との接触状態が継続されてトルクが伝達される。したがって、前述の前後進切り換え機構8がこの発明における間欠伝動機構を構成しているのに対して、この発進クラッチ10が、この発明における連続伝動機構を構成している。
発進クラッチ10と、前述した前後進切り換え機構8との間の位置に、出力側部材24と連結されるプライマリシャフト25を有するベルト式無段変速機9が配置されている。このベルト式無段変速機9は、前述した第2インプットシャフト22と同心状に配置され、軸受26,27で支持されたプライマリシャフト25と、プライマリシャフト25と相互に平行に配置され、軸受28,29で支持さたセカンダリシャフト30とを有している。このプライマリシャフト25にはプライマリプーリ31が設けられており、セカンダリシャフト30側にはセカンダリプーリ32が設けられている。プライマリプーリ31は、プライマリシャフト25の外周に一体的に形成された固定シーブ33と、プライマリシャフト25の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ34とを有している。そして、固定シーブ33と可動シーブ34との対向面間にV字形状のベルト巻き掛け溝35が形成されている。
また、この可動シーブ34をプライマリシャフト25の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ34と固定シーブ33とを接近・離隔させる油圧アクチュエータ(図示せず)が設けられている。一方、セカンダリプーリ32は、セカンダリシャフト30の外周に一体的に形成された固定シーブ36と、セカンダリシャフト30の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ37とを有している。そして、固定シーブ36と可動シーブ37との対向面間にV字形状のベルト巻き掛け溝38が形成されている。また、この可動シーブ37をセカンダリシャフト30の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ37と固定シーブ36とを接近・離隔させる油圧アクチュエータ(図示せず)が設けられている。さらに、上記構成のプライマリプーリ31のベルト巻き掛け溝35およびセカンダリプーリ32のベルト巻き掛け溝38に対して、ベルト39が巻き掛けられている。
このように、ベルト式無段変速機9は、互いに平行に配置された入力部材としてのプライマリプーリ31と出力部材としてのセカンダリプーリ32とのそれぞれが、固定シーブ33,36と、油圧アクチュエータによって軸線方向に前後動させられる可動シーブ34,37とによって構成されている。したがって各プーリ31,32の溝幅が、可動シーブ34,37を軸線方向に移動させることにより変化し、それに伴って各プーリ31,32に巻掛けた伝動部材としてのベルト39の巻掛け半径(プーリ31,32の有効径)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するようになっている。
また、ベルト39は、例えば、エレメントと称される多数の金属片が、互いに密着して環状に配置された状態で金属バンド(フープ)により結束されたものが用いられている。そのため、ベルト式無段変速機9が駆動される場合は、ベルト39の個々のエレメントと、各プーリ31,32のベルト巻き掛け溝35,38との接触が順次繰り返される。言い換えると、各プーリ31,32のベルト巻き掛け溝35,38との間欠的な接触を伴ってトルクが伝達される。したがって、前述の前後進切り換え機構8と同様に、ベルト式無段変速機9の各プーリ31,32およびベルト39が、この発明における間欠伝動機構を構成している。
なお、前記の前後進切り換え機構8とプライマリプーリ31との間のトランスアクスルケース5の内側には、隔壁40が、プライマリプーリ31と発進クラッチ10との間のトランスアクスルケース5の内側には、隔壁41が設けられている。また、セカンダリプーリ32と後述するギヤ対44との間のトランスアクスルケース5の内側には、隔壁42が、セカンダリプーリ32のトランスアクスルリヤカバー6側のトランスアクスルケース5の内側には、隔壁43が設けられている。
このように、トランスアクスルケース5の内側に、ベルト式無段変速機9の各プーリ31,32を挟み込むように、隔壁40,41,42,43が設けられていることによって、ベルト式無段変速機9の各プーリ31,32とベルト39とが接触する際に生じる騒音を遮音するとともに、トランスアクスルケース5本体の剛性を高めて、ベルト式無段変速機を有する伝動装置が運転される際に生じる振動を低減することができる。
そして、ベルト式無段変速機9の出力部材であるセカンダリシャフト26が、ギヤ対44およびデファレンシャル11に連結され、さらにそのデファレンシャル11が駆動輪45に連結されている。
以上のように、この発明におけるベルト式無段変速機を有する伝動装置は、その各構成要素、すなわち、この発明における間欠伝動機構を構成する前後進切り換え機構8およびプライマリプーリ31と、この発明における連続伝動機構を構成する発進クラッチ10とが、プライマリシャフト25の延長軸線上で、エンジン1に遠い側の端部から、発進クラッチ10、プライマリプーリ31、前後進切り換え機構8の順に配置されている。すなわち、プライマリシャフト25の延長軸線上で、エンジン1に遠い側の端部から、連続伝動機構、間欠伝動機構の順に配置されている。
したがって、内部からの振動や音が外部に伝播され易いエンジン1と反対側のトランスアクスルケース5の端部に、振動や音を発生し難い発進クラッチ10などの連続伝動機構が配置され、振動や音を発生し易い前後進切り換え機構8やプライマリプーリ25などの間欠伝動機構が、連続伝動機構よりもトランスアクスルケース5内部のエンジン1に近い側に配置されている。そのため、トランスアクスルケース5を伝って外部に洩れ出る振動や騒音を低減することができる。
また、この発明における連続伝動機構を構成する、発進クラッチ10などの発進装置が、減速比が大きい場合に大きなトルクが作用するセカンダリシャフト30よりも、作用するトルクが小さいプライマリシャフト25の延長軸線上に配置されることによって、セカンダリシャフト30側に配置された場合と比較して、発進装置に要求されるトルク容量を低減することができ、その結果、発進装置を小型化すること、もしくはその大型化を回避することができる。
なお、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、具体例では、この発明における連続伝動機構として、乾式の摩擦クラッチにより構成された発進クラッチの例を示しているが、例えば電磁クラッチにより構成されるものであってもよく、また、連続伝動機構としては、上記の発進クラッチ以外に、例えばトルクコンバータや流体クラッチ、あるいはオイルポンプなどを対象とすることができる。
また、上述した具体例では、この発明における間欠伝動機構として、サンギヤが入力要素となり、キャリヤが出力要素となり、リングギヤが反力要素となって、キャリヤとリングギヤとが係合装置により連結・解放される遊星歯車装置によって構成された前後進切り換え機構の例を示しているが、遊星歯車装置としてはこれに限定されるものではなく、例えば、キャリヤが入力要素となり、サンギヤが出力要素となり、リングギヤが反力要素となって、キャリヤとリングギヤとが係合装置により連結・解放される遊星歯車装置であってもよい。さらに、その遊星歯車装置は、具体例では、ダブルピニオン形式の遊星歯車装置の例を示しているが、シングルピニオン形式の遊星歯車装置であってもよい。
この発明を適用したFF車の動力伝達経路を示すスケルトン図である。
符号の説明
7…ダンパ機構、 8…前後進切り換え機構、 9…ベルト式無段変速機、 10…発進クラッチ、 25…プライマリシャフト、 30…セカンダリシャフト、 31…プライマリプーリ、 32…セカンダリプーリ、 39…ベルト。

Claims (4)

  1. ケーシングの内部に、ベルトが巻き掛けられた駆動プーリと従動プーリとが互いに平行に配置され、動力源の出力軸の延長軸線上に前記駆動プーリが配置されたベルト式無段変速機を有する伝動装置において、
    構成部材同士の間欠的な噛み合いもしくは接触を伴ってトルクを伝達する間欠伝動機構である遊星歯車装置および前記駆動プーリと、構成部材同士が接触状態を継続してトルクを伝達し、もしくは流体を介してトルクを伝達する連続伝動機構とを備え、
    かつ前記間欠伝動機構と前記連続伝動機構とが、前記ケーシングの内部であって前記駆動プーリの回転軸の延長軸線上に、前記動力源に近い側から、前記遊星歯車装置、前記駆動プーリ、前記連続伝動機構の順に配置されていることを特徴とするベルト式無段変速機を有する伝動装置。
  2. 記ケーシングの内側の前記間欠伝動機構と前記連続伝動機構との間および/または前記出力軸の軸線方向において前記間欠伝動機構を挟み込む位置に、隔壁が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速機を有する伝動装置。
  3. 記動力源と前記間欠伝動機構との間にダンパ機構が設けられるとともに、
    前記間欠伝動機構が、互いに差動作用をおこなう第1の要素、および第2の要素、および第3の要素からなる遊星歯車装置と、これら三つの要素のうちのいずれか二つを選択的に連結する係合装置を有し、前記第1の要素が前記ダンパ機構に連結され、前記第2の要素と前記第3の要素とが前記係合装置に連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載のベルト式無段変速機を有する伝動装置。
  4. 前記連続伝動機構が、前記出力軸の延長軸線上で前記動力源に遠い側の端部に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のベルト式無段変速機を有する伝動装置。
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