JP4681168B2 - 漏水検出装置および食器洗浄機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯留部から漏れた水を貯留する漏水貯留部と、その漏水貯留部の貯留水に対して検出作用する電気式の漏水検出部と、その漏水検出部への通電状態を制御し、かつ、その漏水検出部による検出情報に基づいて、漏水異常を判別する制御手段とが設けられている漏水検出装置、および、その漏水検出装置を用いた食器洗浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような漏水検出装置は、食器洗浄機などに適応され、貯留部としての洗浄槽などから漏れた水を貯留する漏水貯留部としてのドレンパンが設けられ、漏水検出部にて漏水貯留部に水が貯留されている状態を検出すると、制御手段が漏水異常と判別するものであり、漏水異常と判別すると、排水ポンプなどにより貯留部の水を排水し、漏水異常であることを報知するものである。
そして、例えば、特開平10−160547号公報に示されているように、漏水検出部として一対の電極を備えて構成し、その一対の電極が貯留水にて導通されると、その一対の電極間には貯留水の抵抗が生じることを利用して、漏水貯留部に水が貯留されている状態を検出している。
また、この種の漏水検出装置は、漏水異常がいつ発生するかわからないことから、漏水検出部への通電は常時行い、食器洗浄機に適応した場合には、食器洗浄機の電源のON/OFFにかかわらず、漏水検出部への通電を常時行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の漏水検出装置では、漏水異常を常時判別できるように、漏水検出部への通電を常時行うようにしているが、漏水検出部への通電を常時行うと、それだけ消費電力も大きくなり、ランニングコストの上昇を招く虞がある。
また、このような漏水検出装置を食器洗浄機に適応した場合には、食器洗浄機の電源のON/OFFにかかわらず、漏水検出部への通電を常時行うようにしているので、運転中の消費電力だけでなく、待機電力も大きくなり、ランニングコストの上昇が顕著なものとなる虞がある。
【0004】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、ランニングコストの低減を図りながら、漏水異常を判別することが可能となる漏水検出装置、および、その漏水検出装置を用いた食器洗浄機を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、貯留部から漏れた水を貯留する漏水貯留部と、その漏水貯留部の貯留水に対して検出作用する電気式の漏水検出部と、その漏水検出部への通電状態を制御し、かつ、その漏水検出部による検出情報に基づいて、漏水異常を判別する制御手段とが設けられている漏水検出装置において、
前記制御手段が、前記漏水検出部へ通電する作用状態と前記漏水検出部への通電を停止する非作用状態とに周期的に繰り返し変更するように構成され
前記制御手段が、前記漏水貯留部の容積、前記貯留部に水を供給する給水手段による給水量、および、前記漏水検出部により前記貯留水を検出可能な前記漏水貯留部の貯留水量に基づいて、前記漏水検出部への通電状態を、前記漏水貯留部からの溢水を防止可能な通電周期にて、前記作用状態と前記非作用状態とに繰り返し変更するように構成されている。
【0006】
すなわち、制御手段が、漏水検出部への通電状態を、常時、漏水検出部へ通電する作用状態にするのではなく、その作用状態と漏水検出部への通電を停止する非作用状態とに周期的に繰り返し変更するように構成されているので、漏水検出部への通電状態を非作用状態に切り換えている間は漏水検出部への通電が停止されることになって、その分消費電力の低減を図ることが可能となる。
【0007】
そして、漏水検出部への通電状態を非作用状態に切り換えているときに、漏水異常が生じていると、漏水貯留部に水が貯留していくことになるので、漏水貯留部から水が溢れ出すまでに、漏水検出部への通電状態を作用状態に切り換えて、漏水検出部を漏水貯留部の貯留水に対して検出作用させなければ、漏水異常を判別できないことになる。
したがって、漏水検出部への通電状態を作用状態と非作用状態とに繰り返し変更する周期を、例えば、貯留部から水が溢れないような極短時間とすることによって、非作用状態に切り換えているときに、漏水異常が生じても、漏水貯留部から水が溢れ出す前に、漏水検出部への通電状態を作用状態に切り換えることが可能となり、漏水異常を判別することが可能となる。
【0008】
以上のことをまとめると、漏水検出部への通電状態を作用状態と非作用状態とに周期的に繰り返し変更しても、その周期を極短時間などにすることによって、漏水異常を判別することが可能となるので、ランニングコストの低減を図りながら、漏水異常を判別することが可能となる漏水検出装置を提供できるに到った。
【0010】
又、請求項1に記載の発明によれば、制御手段が、漏水貯留部の容積、給水手段による給水量、および、漏水検出部により貯留水を検出可能な漏水貯留部の貯留水量に基づいて、漏水異常が生じても、漏水貯留部から水が溢れ出すことを防止可能な通電周期を求めることが可能となり、その通電周期にて漏水検出部への通電状態を作用状態と非作用状態とに繰り返し変更させることが可能となる。
したがって、制御手段が、実際の使用状況に基づいて、極力消費電力を低減でき、しかも、漏水異常を的確に判別できるような通電周期を求めて、その通電周期にて漏水検出部への通電状態を作用状態と非作用状態とに繰り返し変更することが可能となるので、極力消費電力を低減でき、しかも、漏水異常を的確に判別することが可能となる。
【0011】
説明を加えると、漏水検出部への通電状態を作用状態と非作用状態とに繰り返し変更する周期を極力短くすれば、非作用状態に切り換えているときに、漏水異常が発生しても、漏水貯留部から水が溢れ出す前に作用状態に切り換えることができることとなるが、その周期を短くし過ぎると、消費電力をあまり低減できないことになる。
しかしながら、請求項に記載のものでは、制御手段が、漏水貯留部の容積、給水手段による給水量、および、漏水検出部により貯留水を検出可能な漏水貯留部の貯留水量に基づいて、実際の使用状況に合った通電周期を求めることが可能となるので、極力消費電力を低減でき、しかも、漏水異常を的確に判別するための最適な通電周期を求めることが可能となって、極力消費電力を低減でき、しかも漏水異常を的確に判別することが可能となる。
【0012】
請求項に記載の発明によれば、請求項1に記載の漏水検出装置を用いた食器洗浄機において、前記貯留部が、洗浄槽から構成され、前記漏水貯留部が、前記洗浄槽の下方に配設されるドレンパンから構成されている。
【0013】
すなわち、洗浄槽から漏れた水がドレンパンに貯留されることになり、そのドレンパンに貯留される水に対して漏水検出部が検出作用させるように漏水検出装置を食器洗浄機に備えさせることが可能となり、食器洗浄機における漏水異常を判別することが可能となる。
また、請求項1との協働作用により、漏水検出部への通電状態を作用状態と非作用状態とに周期的に繰り返し変更して、漏水検出装置に対する消費電力を低減し、ランニングコストの低減を図りながら、漏水異常を判別することが可能となるので、運転中の消費電力だけでなく、電源をOFF状態としたときの待機電力をも低減しながら、漏水異常を判別することが可能となる。
したがって、ランニングコストの低減を図りながら、漏水異常を判別することが可能となる食器洗浄機を提供できるに到った。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる漏水検出装置を食器洗浄機に適応した例を図面に基づいて説明する。
この食器洗浄機は、図1および図2に示すように、前面部が開口された本体部1と、その本体部1に対して収納移動可能でかつ本体部1から引き出し移動可能な洗浄槽2と、洗浄槽2を本体部1に収納した状態で洗浄槽2の上面部を閉塞し、かつ、洗浄槽2を本体部1から引き出した状態で洗浄槽2の上面部を開口させる内蓋部3と、食器洗浄機の運転を制御する制御部Hなどから構成されている。
【0015】
前記洗浄槽2には、洗浄槽2に水を供給する給水路4が接続され、その給水路4を開閉する給水弁4aが設けられ、この給水路4および給水弁4aが給水手段として作用するように構成されている。
そして、洗浄槽2の底部下方には、洗浄ポンプ5や、洗浄槽2内の湯水を排出路(図示せず)を通して排出する排水ポンプ14などが設けられ、洗浄槽2の内部には、洗浄ノズル6やヒータ7などが配置され、それら洗浄ポンプ5、洗浄ノズル6やヒータ7などが洗浄槽2に一体的に組み付けられている。
また、洗浄槽2の内部には、食器などを収納載置する洗浄かご8が取り出し自在に収納され、洗浄槽2の水位に応じて上下動するフロート12aを備えて洗浄槽2の水位が設定水位であるか否かを検出する接触式の水位センサ12が設けられている。
【0016】
前記水位センサ12は、洗浄槽2の底部と連通され、洗浄槽2の水位に応じて水位が変動するセンサ貯留部12bと、そのセンサ貯留部12bの水位に応じて上下動するフロート12aと、フロート12aの上下動によりON/OFFされる接触式のスイッチ部12cなどから構成されている。
説明を加えると、スイッチ部12cは、横軸芯回りで揺動するスイッチレバーと、そのスイッチレバーによりON/OFFされる接触式のマイクロスイッチとから構成され、フロート12aの上下動によりスイッチレバーが揺動してマイクロスイッチをON/OFFするように構成されている。
【0017】
そして、洗浄運転などの運転が開始されると、給水弁4aが開弁されて、給水路4を通して洗浄槽2に水が供給され、洗浄槽2の水位が設定水位以上になると、マイクロスイッチがOFFされて、給水弁4aが閉弁されるように構成されている。
【0018】
前記本体部1の内側には、洗浄槽2を本体部1に対して収納移動および本体部1から引き出し移動させるための左右一対のスライド機構9が設けられ、このスライド機構9によって、洗浄槽2が水平姿勢またはほぼ水平姿勢の維持した状態で、本体部1に対して収納移動したり、本体部1から引き出し移動されるように構成されている。
前記洗浄槽2の前面部には、本体部1を開閉する扉10が設けられ、その扉10には、洗浄槽2を本体部1から引き出すための把手部11が設けられ、洗浄槽2を本体部1に収納すると扉10にて本体部1の前面部を閉塞するように構成されている。
そして、洗浄槽2を本体部1から引き出した状態で、食器などを洗浄かご8に収納したり取り出し可能とし、洗浄槽2を本体部1に収納した状態で、洗浄ポンプ5、洗浄ノズル6やヒータ7などを作動させて、洗浄運転や乾燥運転などの各運転を行うように構成されている。
【0019】
前記内蓋部3は、図外のコイルスプリングやカム機構を利用して、洗浄槽2の収納方向への移動および引き出し方向への移動に連動して、収納方向および引き出し方向に移動させるとともに、洗浄槽2の上面部に対して上下動させて、洗浄槽2を収納位置まで移動させると、内蓋部3にて洗浄槽2の上面部を閉塞し、洗浄槽2を本体部1から引き出した状態で洗浄槽2の上面部を開口させるように構成されている。
なお、内蓋部3を、洗浄槽2の移動に連動して移動させるとともに、洗浄槽2の上面部に対して上下動させるための構成は、コイルスプリングやカム機構に限らず、例えば、リンク機構など、各種のものが適応可能である。
【0020】
この食器洗浄機は、上述の如く、洗浄槽2を本体部1に対して収納移動可能でかつ本体部1から引き出し移動可能に構成したスライド式のものであり、洗浄槽2が収納位置に収納されている状態で、洗浄運転や乾燥運転などの各運転を行うように構成されている。
そして、この食器洗浄機には、貯留部として構成された洗浄槽2から水が漏れたり、水位センサ12の異常などによりセンサ貯留部12bから水が漏れたりする漏水異常を判別する漏水検出装置が設けられている。
【0021】
以下、漏水検出装置について説明する。
この漏水検出装置は、洗浄槽2の下方に配設され、貯留部としての洗浄槽2や水位センサ12のセンサ貯留部12bなどから漏れる水を貯留する漏水貯留部としてのドレンパン15と、そのドレンパン15の貯留水に導通される一対の電極17,18を備えた電気式の漏水検出部16と、その漏水検出部16への通電状態を制御し、かつ、漏水検出部16による検出情報に基づいて、漏水異常を判別する制御部Hなどから構成されている。
【0022】
前記漏水検出部16は、図3に示すように、絶縁体を連結させて形成された合成樹脂製の基体部16aと、各絶縁体にインサート成形されたほぼV字状の一対の電極17,18などから構成されている。
そして、一対の電極17,18の下端部分が基体部16aから露出するように形成され、ドレンパン15に漏れた水が貯留されると、一対の電極17,18が貯留水にて導通されるように、基体部16aの端部などに形成されたネジ孔にネジを挿通させて基体部16aを固定するように構成されている。
【0023】
この漏水検出装置は、ドレンパン15に漏れた水が貯留されると、一対の電極17,18が貯留水にて導通され、その一対の電極17,18間には貯留水の抵抗が生じることになるので、一対の電極17,18が貯留水にて導通されることによる抵抗の変動を制御部Hにて検出することにより漏水異常を判別するように構成されている。
【0024】
前記漏水異常を検出するための制御部Hにおける検出回路Haについて説明する。
この検出回路Haは、図4に示すように、端子A、端子Bが、電線19を介して、第1電極17における接続部17a,17bの夫々に接続され、端子C、端子Dが、電線19を介して、第2電極18における接続部18a,18bの夫々に接続されている。
そして、端子Aは、第1抵抗R1を介して制御電圧Vccに接続され、端子Bは、第2抵抗R2を介してグランドGNDに接続されている。
また、端子Cは、グランドGNDに接続され、端子Dは、第3抵抗R3を介して制御電圧Vccに接続されている。
【0025】
そして、電線19が断線したり、コネクタが脱落するなど第1電極17の接続状態が異常であると、端子Bの電位が0Vとなり、また、電線19が断線したり、コネクタが脱落するなど第2電極18の接続状態が異常であると、端子Dの電位がVccとなるので、端子Bおよび端子Dの電位を検出することにより、第1電極17および第2電極18の接続状態が正常か否かを判別するように構成されている。
【0026】
また、端子Aの電位を検出することにより、ドレンパン15に漏れた水が貯留する漏水異常を判別するように構成されている。
説明を加えると、ドレンパン15に貯留水が存在せず、一対の電極17,18が導通されていない状態では、端子Aの電位はVcc×R2/(R1+R2)となる。
それに対して、ドレンパン15に貯留水が存在して、一対の電極17,18が導通された状態では、端子Aの電位はVcc×Rb/(R1+Rb)となる。ただし、Rb=Ra×R2/(Ra+R2)であり、Raは一対の電極17,18間の貯留水の抵抗である。
したがって、一対の電極17,18が貯留水により導通されると、一対の電極17,18間に貯留水の抵抗が生じて、端子Aの電位が変動するので、その端子Aの電位の変動を検出することによって、漏水異常を判別するように構成されている。
【0027】
前記制御部Hは、食器洗浄機の電源のON/OFFにかかわらず、常時、漏水検出部16への通電状態を、漏水検出部16へ通電する作用状態と漏水検出部16への通電を停止する非作用状態とに周期的に繰り返し変更するように構成されている。
そして、制御部Hは、ドレンパン15の容積、給水路4を通して供給される給水量、および、漏水検出部16による貯留水を検出可能なドレンパン15の貯留水量に基づいて、漏水検出部16への通電状態を、ドレンパン15からの溢水を防止可能な通電周期にて、作用状態と非作用状態とに繰り返し変更するように構成されている。
【0028】
具体的に説明すると、制御部Hは、ドレンパン15の容積をX、給水路4を通して供給される最大水量をYとし、漏水検出部16による貯留水を検出可能なドレンパン15の貯留水量が大きいほど大きくなるように設定される変数をαとして、下記の〔数1〕から通電周期Tを求めて、図5に示すように、漏水検出部16への通電状態を非作用状態とする時間が通電周期Tとなるようにして、作用状態と非作用状態とに周期的に繰り返し変更するように構成されている。
【0029】
【数1】
T=X/Y−α
【0030】
なお、この場合、漏水検出部16への通電状態を作用状態とする時間については、漏水検出部16に通電を開始してから、制御部Hがドレンパン15に水が貯留していることを検出できるまでの時間よりも長いものであればよく、通電周期Tやそれ以外の時間としてもよい。
すなわち、作用状態とする時間と非作用状態とする時間は、非作用状態とする時間が通電周期Tであれば、同じ時間でも、異なる時間でもよい。
【0031】
説明を加えると、制御部Hが、漏水検出部16への通電状態を、常時、漏水検出部へ通電する作用状態にするのではなく、その作用状態と漏水検出部16への通電を停止する非作用状態とに周期的に繰り返し変更することによって、消費電力の低減を図り、ランニングコストの低減を図るように構成されている。
そして、漏水検出部16への通電状態を非作用状態に切り換えているときに、漏水異常が生じていると、ドレンパン15に水が貯留していくことになるので、漏水異常を判別するためには、ドレンパン15から水が溢れ出すまでに、漏水検出部16への通電状態を作用状態に切り換えて、漏水検出部16をドレンパンの貯留水に対して検出作用させる必要があるので、ランニングコストの低減を図りながら、漏水異常を判別することが可能な通電周期Tを求めて、その通電周期Tにて漏水検出部16への通電状態を作用状態と非作用状態とに繰り返し変更するように構成されている。
【0032】
説明を加えると、漏水異常が発生すると、洗浄槽2に供給される水が漏れて、ドレンパン15に貯留していくことになるので、基本的には、ドレンパン15の容積と洗浄槽2に供給される最大給水量とから、ドレンパン15から水が漏れるまでの時間を求めることが可能であり、その時間を通電周期Tとすることが可能である。
【0033】
しかしながら、一対の電極16,17の設置位置によって、ドレンパン15に水が貯留している状態を漏水検出部16にて検出可能となるドレンパン15の貯留水量が異なることになり、それに伴って、ドレンパン15から水が漏れるまでの時間も変わってくることになるので、ドレンパン15に水が貯留している状態を漏水検出部16にて検出可能となるドレンパン15の貯留水量をも含めて、通電周期Tを求めるようにしている。
【0034】
このようにして、ドレンパン15から水が溢れ出すまでに、漏水検出部16への通電状態を作用状態に切り換えることが可能であり、かつ、極力消費電力を低減できるような通電周期Tを求めて、その通電周期Tにて漏水検出部16への通電状態を作用状態と非作用状態とに繰り返し変更することによって、ランニングコストを効果的に低減しながら、しかも、漏水異常も的確に判別することが可能となる。
【0035】
ちなみに、上記〔数1〕における変数αについては、漏水検出部16による貯留水を検出可能なドレンパン15の貯留水量に加えて、排水ポンプ14の能力をも含めて設定することもでき、排水ポンプ14の能力が大きいほど小さくなるように設定することが可能である。
【0036】
そして、制御部Hは、漏水検出部16への通電状態を作用状態に切り換えたときに、上述の如く、端子Aの電位の変動を検出することによって、漏水異常を判別するように構成され、漏水異常と判別すると、排水ポンプ14を作動させかつ漏水異常を報知する漏水異常報知を行うように構成されている。
【0037】
説明を加えると、漏水異常と判別されると、洗浄ポンプ5や洗浄ノズル6など排水ポンプ14以外の作動を停止させて、排水ポンプ14だけを作動させて、洗浄槽2に貯留している湯水を排出路を通して排出するとともに、扉10の前面部に設けられた操作部Sの異常ランプを点滅して漏水異常報知を行うように構成されている。
そして、排水ポンプ14の作動により洗浄槽2の水位が下降し、水位センサ4のスイッチ部12cがONされてから設定時間が経過すると、排水ポンプ14を停止させて、洗浄ポンプ5や洗浄ノズル6などの作動を停止させるロック状態を維持するように構成されている。
【0038】
また、ドレンパン15の貯留水を排出したり、食器洗浄機のメンテナンス作業などを行ったのち、制御部Hに対する電源のリセット操作が行われると、漏水異常を解除する解除操作が行われたとして、ロック状態を解除するように構成されている。
ちなみに、ドレンパン15の貯留水は、ドレンパン15に備えられた排出口の栓を抜くなどして、排出口を通して排出したり、ドレンパン15を取り外して排出することが可能である。
【0040】
〔別実施形態〕
)上記実施形態では、漏水検出装置における漏水検出部16への通電状態を、常時、作用状態と非作用状態とに周期的に繰り返し変更するように構成しているが、例えば、操作部Sに通常モードと省エネモードとを切り換え自在なスイッチを設けて、制御部Hは、省エネモードが指令されているときには、漏水検出部16への通電状態を作用状態と非作用状態とに周期的に繰り返し変更し、通常モードが指令されているときには、漏水検出部16への通電状態を作用状態に維持するように構成して実施することも可能である。
【0041】
)上記実施形態では、漏水異常報知として、操作部Sの異常ランプを点滅させるように構成されているが、設定時間が経過するごとに異常ランプの点滅を繰り返し行ったり、異常ランプの点滅に代えて、音声により漏水異常を報知するなど、各種の報知手段が適応可能である。
ちなみに、漏水異常報知は、その他の異常を報知する方法と異なる方法にて報知するのが好ましい。
【0042】
)上記実施形態では、漏水検出部16として、一対の電極17,18を備えて、その一対の電極17,18が導通されることによって、ドレンパン15に水が貯留していることを検出するように構成しているが、漏水検出部16としては、ドレンパン15に水が貯留していることを検出することができる電気式のものであればよく、一対の電極17,18を備えたものに限るものではない。
また、上記実施形態では、検出回路Haにて、第1電極17および第2電極18の接続状態が正常か否かを判別するとともに、漏水異常を判別するように構成されているが、漏水異常のみを判別するように構成して実施することも可能である。
【0043】
)上記実施形態では、本発明にかかる漏水検出装置をスライド式の食器洗浄機に適応した例を示したが、スライド式以外の食器洗浄機にも適応可能である。
また、本発明にかかる漏水検出装置は、食器洗浄機に限らず、洗濯機など漏水を検出する必要があるものであればよく、食器洗浄機以外の装置にも適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】食器洗浄機の全体斜視図
【図2】洗浄槽を収納位置に収納した状態における食器洗浄機の側面図
【図3】漏水検出部を示す図
【図4】漏水検出部および検出回路を示す図
【図5】漏水検出部への通電状態を示す図
【符号の説明】
2 貯留部としての洗浄槽
15 漏水貯留部としてのドレンパン
16 漏水検出部
H 制御手段

Claims (2)

  1. 貯留部から漏れた水を貯留する漏水貯留部と、その漏水貯留部の貯留水に対して検出作用する電気式の漏水検出部と、その漏水検出部への通電状態を制御し、かつ、その漏水検出部による検出情報に基づいて、漏水異常を判別する制御手段とが設けられている漏水検出装置であって、
    前記制御手段が、前記漏水検出部へ通電する作用状態と前記漏水検出部への通電を停止する非作用状態とに周期的に繰り返し変更するように構成され
    前記制御手段が、前記漏水貯留部の容積、前記貯留部に水を供給する給水手段による給水量、および、前記漏水検出部により前記貯留水を検出可能な前記漏水貯留部の貯留水量に基づいて、前記漏水検出部への通電状態を、前記漏水貯留部からの溢水を防止可能な通電周期にて、前記作用状態と前記非作用状態とに繰り返し変更するように構成されている漏水検出装置。
  2. 請求項1に記載の漏水検出装置を用いた食器洗浄機であって、
    前記貯留部が、洗浄槽から構成され、前記漏水貯留部が、前記洗浄槽の下方に配設されるドレンパンから構成されている食器洗浄機。
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