JP4681133B2 - 化粧材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境安全性と耐摩耗性に優れた化粧材に関し、更に詳しくは、水性樹脂からなるインキ層を有してなる耐摩耗性に優れた化粧材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、住宅建材や家具等の化粧材には、製造工程における作業環境上の問題および住居環境上の問題から、有機溶剤を使用しないインキの使用が要請されている。
【0003】
例えば、特開平11−227113号公報には、基材に水溶性インキからなるインキ層を設け、そのインキ層上に無溶剤型の電離放射線硬化性樹脂からなるトップコート層を設けてなる化粧材が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
こうした化粧材には、耐摩耗性が要求されているが、上述した水溶性インキからなるインキ層を設けた従来の化粧材においては、必ずしも十分な耐摩耗性を有しているとは言えなかった。
【0005】
本発明は、上述の問題を解決すべくなされたものであって、作業環境および住居環境等の環境安全性および耐摩耗性に優れた化粧材を提供する。
【0006】
請求項1の発明は、基材に水性樹脂からなるインキ層を設け、該インキ層に無溶剤型の活性エネルギー線硬化性樹脂からなるトップコート層を設けてなる化粧材であって、前記インキ層は少なくとも、前記基材上に設けられ水性樹脂を含むインキで形成されるベタ層と、該ベタ層上の少なくとも一部に設けられ水性樹脂を含むインキで形成される絵柄層と、前記ベタ層及び前記絵柄層を覆うように設けられ水性樹脂をバインダー成分として含有するプライマー層とからなり前記トップコート層は、前記プライマー層上に直接的に設けられ、前記プライマー層は、乾燥後の厚みが0.5〜5μmであり、且つ前記プライマー層をなすバインダー成分の引張弾性率が340MPa以下であることに特徴を有する。また、前記プライマー層をなすバインダー成分の引張弾性率が0.5MPa以上340MPa以下であってもよい。
【0007】
この発明によれば、引張弾性率が340MPa以下のバインダー成分で形成されたプライマー層は、トップコート層および絵柄層との密着性と追従性に優れている。こうしたプライマー層が形成された化粧材は、そのプライマー層の作用によって優れた耐摩耗性を有すると共に、作業環境および住居環境等の環境安全性に優れている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の化粧材において、前記プライマー層をなすバインダー成分は、活性エネルギー線硬化性樹脂成分および熱硬化性樹脂成分の少なくとも一方であることに特徴を有する。
【0009】
この発明によれば、プライマー層をなすバインダー成分は、活性エネルギー線硬化性樹脂成分および熱硬化性樹脂成分の少なくとも一方であるので、活性エネルギー線または/および熱によって、バインダー成分を硬化させてプライマー層を形成することができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の化粧材において、前記活性エネルギー線として、電子線が使用されることに特徴を有する。
【0011】
この発明によれば、電子線照射によって、その硬化性樹脂成分を硬化させて上述した物性の範囲にすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の化粧材1の層構成の一例を示す断面図である。図1に示した化粧材1は、基材2と、その基材2上に設けられたインキ層3と、そのインキ層3上に設けられたトップコート層7とから構成されている。このインキ層3は、基材2側から、ベタ層4、絵柄層5、プライマー層6の順で形成されている。以下に、化粧材1を構成する各層について詳細に説明しつつ、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
基材2は、化粧材1の必須の構成であり化粧材1のベースをなすものである。基材2としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、上質紙、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙等の紙、あるいは、そうした紙にポリ塩化ビニルをゾル塗工またはドライラミネートしたいわゆるビニル壁紙原反を用いることができる。また、硝子繊維、石綿、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維等の無機質繊維からなるシートまたはフィルムを用いることもできる。また、ポリエステルやビニロン等の有機樹脂等を用いた織布または不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、三酢酸セルロース、セロハン、ポリカーボネート等の樹脂からなるシートまたはフィルムを用いることもできる。また、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、銅等の金属箔等を用いることもできる。さらに、こうした各基材材料を複数積層させたものを、基材2として用いることもできる。
【0014】
次に、インキ層3について説明する。
【0015】
インキ層3は、ベタ層4と絵柄層5とプライマー層6とから構成されている。
【0016】
ベタ層4は、図1に示すように、基材2の地肌を隠蔽するために設けられ、通常、模様のない全ベタ状に形成される。絵柄層5は、図形、文字、色彩、それらの組み合わせ等からなる模様ないし色彩を有し、ベタ層4上に、平面状、凹凸状、凸状(図1を参照。)の層として形成される。なお、絵柄層5がベタ層4の作用を兼ねる場合には、ベタ層4を省略することもできる。こうして形成されたベタ層4と絵柄層5とによって、化粧材1に色彩や絵柄が形成される。
【0017】
ベタ層4と絵柄層5の形成に用いられるインキには、水性樹脂が使用される。そのため、好ましい作業環境や住居環境を保つことができる。水性樹脂は、大別して、水溶性樹脂、コロイダルディスパージョン、エマルジョンに分けられる。水溶性樹脂としては、デンプン、デキストリン、アルギン酸塩等の天然物、セルロースエステル、セルロースエーテル等の天然物誘導体及びポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアミン、アクリル硝化綿等の合成樹脂が挙げられる。コロイダルディスパージョンとしては、セラック、スチレン化セラック、カゼイン、スチレン−マレイン酸樹脂、ロジン−マレイン酸樹脂等が挙げられる。また、エマルジョンとしては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、合成ゴムラテックス、ポリウレタン、ポリエステル、アルキッド樹脂、エポキシエステル、ロジンエステル等が挙げられる。
【0018】
ベタ層4と絵柄層5に使用される水性樹脂には、着色顔料等の着色剤が必要に応じて配合される。着色顔料としては、通常使用される有機または無機系の顔料を使用することができる。こうした着色顔料のうち、黄色顔料としては、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン等の有機顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、アンチモン黄等の無機顔料を使用することができる。また、赤色顔料としては、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドン等の有機顔料、弁柄、朱、カドミウムレッド、クロムバーミリオン等の無機顔料を使用することができる。また、青色顔料としては、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー等の有機顔料、紺青、群青、コバルトブルー等の無機顔料を使用することができる。また、黒色顔料としては、アニリンブラック等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料を使用することができる。また、白色顔料としては、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の無機顔料を使用することができる。
【0019】
ベタ層4と絵柄層5は、上述した水性樹脂を塗工または印刷等によって設けた後、乾燥硬化させて形成される。更に詳しく説明すれば、通常、ベタ層4は塗工や印刷後、乾燥硬化させて形成され、絵柄層5は印刷後、乾燥硬化させて形成される。塗工方法としては、公知の各種方法、例えばロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムーズコート、コンマコート、スプレーコート、かけ流しコート、刷毛塗り等の方法を用いることができ、乾燥後の膜厚が1.0〜10μm程度になるように塗工される。また、印刷方法としては、クラビア、活版、フレキソ等の凸版印刷、平版オフセット、ダイリソ印刷等の平版印刷、シルクスクリーン等の孔版印刷、静電印刷、インキジェットプリント等の公知の各種方法を用いることができる。
【0020】
プライマー層6は、上述したベタ層4及び/又は絵柄層5の上に形成されてインキ層3の一部を構成する。このプライマー層6は、水性樹脂から形成されてなるものであり、図1に示すように、ベタ層4または絵柄層5とトップコート層7との両方に好ましく密着して、化粧材1の耐久性や長期に亘る外観維持性を向上させる作用がある。こうした作用は、形成された絵柄を長期間保持することができ、極めて有効である。
【0021】
プライマー層6を形成するのに用いられる水性樹脂は、引張弾性率が340MPa以下のバインダー成分を主として含有するものである。主として、としたのは、プライマー層6を形成する水性樹脂にはバインダー成分の他にシリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体積顔料、中和剤、界面活性剤等が含有する場合があるからである。なお、この水性樹脂は、活性エネルギー線硬化タイプでも熱硬化タイプでもその両方を備えるタイプでもよく、従って、水性樹脂には、その硬化タイプに応じたバインダー成分や、そのバインダー成分が紫外線硬化タイプである場合には硬化剤(光重合開始剤)が含まれることがある。
【0022】
従って、本発明において「バインダー成分」とは、本来的に水溶性のバインダー成分、水溶性処理されたバインダー成分、本来的に水分散性のバインダー成分、水分散性処理されたバインダー成分等をいう。さらに、紫外線硬化タイプのバインダー成分である場合には硬化剤が含まれているものを「バインダー成分」といい、フィラーや体積顔料が含まれている水性樹脂の場合にはそのフィラーや体積顔料を除いたものを「バインダー成分」という。
【0023】
引張弾性率は、製膜されたバインダー成分について、JIS−K−7113のプラスチックの引張試験方法にしたがって評価される。この引張弾性率とは、引張比例限度内における引張応力とこれに対応するひずみの比であり、引張応力−ひずみ曲線に直線部分がない場合には変形開始点における接線の傾斜によるものであり、JIS−K−7113のプラスチックの引張試験方法に定義されている。
【0024】
本発明においては、製膜されたバインダー成分の引張弾性率は、JIS−K−7113のプラスチックの引張試験方法に準じて、以下の条件で測定した値で評価される。その条件としては、全長60mm、幅10±0.5mm、厚さ0.5±0.2mmの長方形の試験片を用い、標点間距離20±0.5mm、引張速度10mm/分±20%、5回測定の平均値をJIS−Z−8401によって有効数字3桁に丸めたものとした。なお、硬化型のバインダー成分においては、硬化し製膜した後の試験片によって上述の引張弾性率を測定し、硬化型でないバインダー成分においては、製膜した後の試験片によって上述の引張弾性率を測定した。
【0025】
バインダー成分の引張弾性率が340MPaを超えると、形成されたプライマー層6の柔軟性が低下する傾向にある。そのため、プライマー層6は、ベタ層4または絵柄層5とトップコート層7とに対する追従性が低下し、化粧材全体の耐摩耗性を低下させることとなる。なお、バインダー成分の引張弾性率の下限については特に限定されず、かなり小さい値(例えば、0.5MPa程度)でも本発明の目的を達成できる。引張弾性率については、バインダー成分が電子線硬化型の場合には、電子線が照射されて硬化した後のそのバインダー成分の引張弾性率をいい、バインダー成分が紫外線硬化型の場合には、紫外線が照射されて硬化した後のそのバインダー成分と紫外線硬化剤とからなるものの引張弾性率をいう。
【0026】
こうしたバインダー成分を主として含有する水性樹脂によって形成されたプライマー層6は、その下に形成された絵柄層5またはベタ層4と、その上に形成されたトップコート層7との両方に追従しやすく、しかも、そのプライマー層6は、絵柄層5またはベタ層4とトップコート層7とに対する優れた密着性を本来的に有している。そのため、こうしたプライマー層6が形成されてなる化粧材1は、優れた耐摩耗性を有している。
【0027】
水性樹脂を主として構成するバインダー成分としては、上述したベタ層4や絵柄層5で例示したような各種の樹脂の中から、引張弾性率が340MPa以下になるバインダー成分を選定して採用することが好ましい。選定しうるバインダー成分としては、例えば、水溶性のバインダー成分として、デンプン、デキストリン、アルギン酸塩等の天然物、セルロースエステル、セルロースエーテル等の天然物誘導体及びポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアミン、アクリル硝化綿等の合成樹脂が挙げられ、コロイダルディスパージョン系のバインダー成分として、セラック、スチレン化セラック、カゼイン、スチレン−マレイン酸樹脂、ロジン−マレイン酸樹脂等が挙げられ、エマルジョン系のバインダー成分として、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、合成ゴムラテックス、ポリウレタン、ポリエステル、アルキッド樹脂、エポキシエステル、ロジンエステル等が挙げられる。
【0028】
本発明においては、引張弾性率が340MPa以下になるバインダー成分として、例えば、高弾性のポリエステル樹脂と不飽和ポリエステル樹脂の混合物、高極性のアクリル樹脂、高弾性のウレタン樹脂等を好ましく選定して採用することができる。
【0029】
プライマー層6は、絵柄層5またはベタ層4を覆うように、上述した水性樹脂を全面ベタ状に塗工することによって設けた後、活性エネルギー線照射または/および加熱によって硬化させて形成される。塗工方法は、上述したベタ層4と同様の方法で行うことができる。プライマー層6の厚さは、乾燥後に0.1〜50μm程度、好ましくは0.5〜5μm、になるように、およそ0.2〜250g/m2 で塗工される。
【0030】
次に、トップコート層7について説明する。
【0031】
トップコート層7は、擦れによって摩耗しにくいという耐擦性を付与するために、化粧材1の最外層として形成される必須の層である。このトップコート層7は、化粧材1の環境安全性等を考慮して、無溶剤型の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させることによって形成される。
【0032】
トップコート層7に用いられる無溶剤型の活性エネルギー線硬化性樹脂としては、分子を重合・架橋し得るエネルギー量子を有した紫外線や電子線等の活性エネルギー線により硬化する樹脂が使用される。具体的には、分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー及び/又は単量体を任意に混合した組成物であって無溶剤のものが用いられる。これらの組成物としては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート、シロキサン等の珪素樹脂、ポリエステル、エポキシ等が挙げられる。
【0033】
こうしたプレポリマー、オリゴマー及び/又は単量体は、必要に応じ1種または2種以上混合して用いられる。塗工適性を付与するため、また、硬化後のトップコート層7の可撓性や表面硬度等を調節するために、その配合比を調整したり、非硬化性樹脂を含有させたりすることが好ましい。なお、非硬化性樹脂としては、ウレタン系、繊維素系、ポリエステル系、アクリル系、ブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0034】
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合には、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類、及び/又は光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を配合させることが好ましい。
【0035】
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、マット剤を含有させてもよい。マット剤を含有した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物によって形成したトップコート層7は、艶消し効果も備えている。マット剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ガラスバルーン、ポリエチレン等の無機または有機のフィラーや微粉末が挙げられる。
【0036】
上述した無溶剤型の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、塗工等によってインキ層3のプライマー層6上に設けられ、その後、活性エネルギー線によって硬化される。トップコート層用の活性エネルギー線硬化性組成物は、前記したプライマー層6を形成するためのインキを塗工するのと同じ全ベタの塗布方法を採用することができる。トップコート層用の活性エネルギー線硬化性組成物は、形成されたトップコート層7の膜厚が0.1〜100μm程度となるように、8〜15g/m2 程度の塗布量で塗工する。
【0037】
本発明において、活性エネルギー線としては、電子線や紫外線を例示できる。紫外線源としては、超高圧水銀燈、高圧水銀燈、低圧水銀燈、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等を用いることができる。また、電子線源としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型等の各種電子線加速器を用い、50〜1000keV、好ましくは50〜300keVのエネルギーを持つ電子線を照射する。電子線の照射線量としては、通常、0.5〜30Mrad程度である。
【0038】
こうして形成された化粧材1は、家具、壁面などの表面保護性能が必要とされる部材等に好適に使用できる。
【0039】
【実施例】
以下に、実施例と比較例を挙げて、本発明について更に詳しく説明する。以下において、部とは質量部(重量部に同じ。)のことである。
【0040】
(実施例1)
基材2として一般紙(三興製紙プリント30g/m2 )を用い、その上に下記組成からなるベタ層用インキAおよび絵柄層用インキBをグラビアコーターを用いて順次塗布して絵柄を形成した。さらにその上に下記組成からなるプライマー層用インキCをバーコーターを用いて塗布して乾燥させた。さらにその上に、下記組成からなるトップコート層用インキDをバーコーターを用いて塗布した。その後、加速電圧175KVの電子線を吸収線量3Mradで照射して塗膜を硬化させた。さらにその後、70℃で24時間保持して、実施例1の化粧材を得た。
【0041】
(インキ組成A〜D)
ベタ層用インキA:ポリウレタン系白色水性インキ(42白、ザ・インクテック株式会社製)100部、水22部、IPA(イソプロピルアルコール)9部、エタノール9部、ポリイソシアネート化合物(アクアネート100、日本ポリウレタン株式会社製)7部;絵柄層用インキB:ポリウレタン系赤色水性インキ(42赤、ザ・インクテック株式会社製)100部、水8部、IPA(イソプロピルアルコール)6部、エタノール6部;プライマー層用インキC:水性ポリウレタン樹脂(TAP162、荒川化学工業株式会社製)100部、シリカ粉末(サイリシア380、富士シリシア株式会社製)1.2部、水10部、IPA(イソプロピルアルコール)10部;トップコート層用インキD:電子線硬化型インキ(C41、ザ・インクテック株式会社製)100部
【0042】
(実施例2)
実施例1で用いたプライマー層用インキCに代えて、下記組成のプライマー層用インキEを用いた。その他は、実施例1と同様にして実施例2の化粧材を得た。
【0043】
(インキ組成E)
プライマー層用インキE:水性ポリウレタン樹脂(TAP162、荒川化学工業株式会社製)100部、ポリイソシアネート化合物(アクアネート100、日本ポリウレタン株式会社製)5部、シリカ粉末(サイリシア380、富士シリシア株式会社製)1.2部、水10部、IPA(イソプロピルアルコール)10部
【0044】
(比較例1)
実施例1で用いたプライマー層用インキCに代えて、下記組成のプライマー層用インキFを用いた。その他は、実施例1と同様にして比較例1の化粧材を得た。
【0045】
(インキ組成F)
プライマー層用インキF:水性ポリウレタン樹脂(W−605、武田薬品製)100部、シリカ粉末(サイリシア380、富士シリシア株式会社製)2部、水15部、IPA(イソプロピルアルコール)15部
【0046】
(引張弾性率の評価)
引張弾性率は、JIS−K−7113のプラスチックの引張試験方法に従って評価した。試験片は、JIS−K−7113における試験片に準じたものとし、上述したプライマー層用インキにおいてシリカ粉末を除いたものを用い、キャスト法によって厚さ0.3〜0.5mmのシートを作製し、そのシートを長さ60mm、幅10mmに切断したものを用いた。引張弾性率は、得られた試験片をInstron5500型の材料試験機で測定することによって得た。このときの測定は、標点間距離20mm、引張速度10mm/分、5回測定の平均値、測定温度23±2℃、相対湿度50±5%で行った。得られた結果を表1に示した。
【0047】
(耐摩耗性の評価)
耐摩耗性は、JIS−K−7204の摩耗輪によるプラスチックの摩耗試験方法に従って評価した。まず、尿素−酢酸ビニル系の接着剤によって、得られた各化粧料24とパーチクルボード25とを張り合わせた。得られた測定試料22をテーパー摩耗試験機にセットし、摩耗輪はS42サンドペーパーを用いて荷重9.8Nの条件下で、測定試料22を回転させて摩耗試験を行った。評価は、化粧材24の絵柄が50%以上消失したと認識するまでの測定試料22の回転回数で評価し、その回数が50回未満を不合格、50回以上を合格とした。
【0048】
(評価結果)
【0049】
【表1】
Figure 0004681133
【0050】
実施例1、2の化粧材は、環境安全性に優れる水性樹脂からなり、何れも耐摩耗性に優れていた。一方、比較例1の化粧材は、環境安全性に優れる水性樹脂からなるものの、耐摩耗性に劣っていた。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の化粧材によれば、トップコート層および絵柄層との密着性と追従性に優れたプライマー層が形成されているので、そのプライマー層の作用によって優れた耐摩耗性を有して絵柄が保持され、長期にわたる外観維持特性を有すると共に、作業環境および住居環境等の環境安全性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の層構成の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の化粧材の耐摩耗性を評価したテーパー摩耗試験機の概略図である。
【符号の説明】
1、24 化粧材
2 基材
3 インキ層
4 ベタ層
5 絵柄層
6 プライマー層
7 トップコート層
22 測定試料
23 S42硬質摩耗輪
25 パーチクルボード

Claims (4)

  1. 基材に水性樹脂からなるインキ層を設け、該インキ層に無溶剤型の活性エネルギー線硬化性樹脂からなるトップコート層を設けてなる化粧材であって、
    前記インキ層は少なくとも、前記基材上に設けられ水性樹脂を含むインキで形成されるベタ層と、該ベタ層上の少なくとも一部に設けられ水性樹脂を含むインキで形成される絵柄層と、前記ベタ層及び前記絵柄層を覆うように設けられ水性樹脂をバインダー成分として含有するプライマー層とからなり
    前記トップコート層は、前記プライマー層上に直接的に設けられ、
    前記プライマー層は、乾燥後の厚みが0.5〜5μmであり、且つ前記プライマー層をなすバインダー成分の引張弾性率が340MPa以下であることを特徴とする化粧材。
  2. 前記プライマー層をなすバインダー成分は、活性エネルギー線硬化性樹脂成分および熱硬化性樹脂成分の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の化粧材。
  3. 前記活性エネルギー線として、電子線が使用されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧材。
  4. 前記プライマー層をなすバインダー成分の引張弾性率が0.5MPa以上340MPa以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の化粧材。
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