JP4680893B2 - 複数の通信システムからの時間情報に基づくバーチャルリアルタイムクロック - Google Patents

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Description

本発明は、一般的には、通信に関するものである。本発明は、より具体的には、複数の通信システムから受け取った時間情報に基づいてバーチャルリアルタイムクロックを実装するための方法及び装置に関するものである。
無線端末が正確な時間を知ることが望ましいことがしばしばあり、ときには正確な時間を知ることが必要な場合もある。正確な時間を知ることが要求される1つの特定の用途は、非常によく知られた全地球測位システム(GPS)に基づく位置決定である。GPSは、地球の軌道を周回する24個の衛星群であり、これらの24個の衛星が互いに適切な間隔で配置されている。各GPS衛星は、地上のGPS受信機がある1つの任意の時点を基準にした受信信号の到着時間を測定することを可能にする情報によって符号化された信号を送信する。次に、該相対的到着時間測定値が「疑似距離」に変換される。GPS受信機の位置は、十分な数の衛星及びおよびその所在位置に関する疑似距離測定値に基づいて正確に推定することができる。
GPS衛星から送信された信号の到着時間は、該GPS信号自体を処理して必要な時間情報を入手することによって決定することができる。GPSの場合には、完全な時間情報は、3つの異なった時間成分、即ち、ビットオブウィーク(bit of week(BOW))、エポック(ビット)、及びサブコードフレームに分割することができる(これらの時間成分については以下において詳細に説明される)。各時間成分は、異なった時間範囲を網羅しており、異なった時間分解能を有する。各時間成分は、受信機による異なった信号処理に基づいてGPS信号から入手することができる。これらの時間成分を入手するための処理は、一般的には順次に実施され、さらに時間分解能が徐々に低くなる。このため、最初にサブコードフレーム(高時間分解能)タイミングが入手され、次にエポック(ビット)タイミングが入手され、最後にBOW(低時間分解能)タイミング情報が入手される。従って、ある1つの所定の時間成分をGPS信号から入手するための処理時間は、累積的である(即ち、該時間成分に関する処理時間及びそれよりも分解能が高いすべての時間成分に関する処理時間の合計になる)。GPS受信機が、これらの時間成分のうちのいずれかを先験的に既知である場合は、その時間成分を入手するための該当する処理を省略することができる。その結果、疑似距離測定値を入手するために必要な時間量、そして究極的には該当端末に関する位置座標計算値(position fix)を入手するために必要な時間量を減らすことになる。
端末は、位置座標計算結果のうちの1つとしてGPS時間を入手することができる。該GPS時間は、「真の時間」または絶対時間であるとみなすことができ、上述されている3つのすべての時間成分を含む。このGPS時間は、端末の内部タイミングを「タイムスタンプ」するために使用することができ、このため、特定の時刻における真の時間又は絶対時間を知ることができる。位置座標の計算と次の位置座標の計算の間は、端末は、可能な限り多くの回路の電力を低下させて電池を保存するアイドルモードで動作させることができる。アイドルモード状態の端末は、一般的には、内部クロックに基づいて動作されるカウンタを維持する。該カウンタは、有効なことに、端末がアイドル状態にあっていずれの送信機からも信号を受信中でないときに該端末に関するタイミング情報を提供するために使用されるタイマーである。
端末は、任意の時刻に新たな位置座標の計算を実施するように指令することができる。この場合においては、カウンタは、最後のGPS時間が入手された時刻以降の経過時間量(端末の内部クロックで測定した時間量)を推定するためのリアルタイムクロックとして使用することができる。さらに、この任意の時刻における絶対時間は、該経過時間推定値を該最後のGPS時間に加えることによって推定することができる。この絶対時間推定値の精度は、該経過時間推定値の精度に依存する。該経過時間を相対的に高い精度で推定することができれば、該絶対時間推定値も合理的に正確である。この場合には、新たな位置座標の計算のためにBOWタイミング及びエポック(ビット)タイミングを回復させる必要がない。従って、新たな位置座標計算値は、非常に望ましいことに、これまでよりもはるかに短時間で入手することができる。
残念なことに、端末の内部クロックは、十分に正確でないことがある。例えば、端末のリアルタイムクロックを実装するために用いられる内部クロックは、100ppmという大きな誤差を有する可能性がある。従って、経過時間推定値も同じppm量だけ誤差が生じることになり、該誤差の規模は、経過時間が長いほど大きくなる。例えば、経過時間50秒における100ppmの誤差は5msecであり、経過時間500秒の場合には同じ100ppmの誤差が50msecになる。従って、経過時間推定値の誤差が大きい場合は、新たな位置座標の計算のためのエポック(ビット)タイミングそして(おそらく)BOWタイミングを回復させることが必要になる可能性があり、このことは、非常に望ましくないことである。
従って、従来よりも高い精度を有しておりさらに位置決定等の様々な用途において使用することができるリアルタイムクロックを実装するための方法及び装置が必要である。
本出願明細書においては、複数の通信システムから伝送された時間情報に基づいて「バーチャルな」リアルタイムクロックを端末において実装するための方法及び装置が提供される。少なくとも1つのシステム(例えば、GPS)は、バーチャルリアルタイムクロックに関する「絶対」時間情報を提供し、さらに、少なくとも1つのその他のシステム(例えば、セルラーシステム、等)は、「相対」時間情報を提供する。バーチャルリアルタイムクロックは、第1のシステムから入手可能になった絶対時間を「タイムスタンプする」ことができる。相対時間(第2のシステム内の複数の非同期送信機から受け取ることができる)は、第2のシステムから受け取った時点でバーチャルリアルタイムクロックのタイムラインにマッピングすることができる。次に、該タイムラインのいずれかの任意の時刻における絶対時間を、該第1のシステムから受け取った絶対時間及び該第2のシステムから受け取った相対時間に基づいて推定することができる。さらに、該第1のシステムから受け取った2つ以上の時刻に関する絶対時間を用いて、該第2のシステムから受け取った相対時間を校正することも可能である。
本出願明細書において説明されている方法の1つの特定の実施形態は、複数の通信システムから受け取った時間情報に基づく絶対時間推定値を提供することができる。最初に、第1の時刻に関する絶対時間が第1のシステム(例えば、GPS)から入手される。次に、第2の時刻において第2のシステム(例えば、GSMシステム又はW−CDMAシステム)内の第1の送信機から第1のシグナリングメッセージ(例えば、同期化バースト)が受け取られる。次に、該第1の時刻と該第2の時刻との間の第1の時間オフセットが決定される。さらに、第3の時刻に(例えば、ハンドオフ状態において)第2のシステム内の第2の送信機から第2のシグナリングメッセージを受け取ることもできる。該第1の送信機及び該第2の送信機は、互いに非同期であることができ、その場合には、該第1の時刻と該第3の時刻との間の第2の時間オフセットが決定される。その後に、第4の時刻に該第1の送信機又は該第2の送信機から第3のシグナリングメッセージが受け取られる。これで、指定された時刻における絶対時間推定値を、(1)該第1の時刻に関する該絶対時間、(2)該第1の[又は第2の]時間オフセット、(3)該第2の[又は第3の]時刻と該第4の時刻の間の経過時間、及び(4)該第4の時刻と該指定時刻の間の時間差、に基づいて決定することができる([ ]内の用語は、該第2の送信機の相対時間を用いて該指定時刻における絶対時間を推定する場合に用いる)。
以下では、該方法及び装置の様々な側面及び実施形態がさらに詳細に説明されている。
本発明の特長、性質、及び利点は、下記の発明を実施するための最良の実施形態と図面を併用することでさらに明確になる。該図面においては、同一のものについては図面全体に渡って同一の参照符号を付けることとする。
発明を実施するための最良の実施形態
図1は、複数の通信システムから信号を受信することができる無線端末110を示した概略図である。1つの該通信システムは、よく知られた全地球測位システム(GPS)である。もう1つの該通信システムは、無線(例えば、セルラー)通信システムであり、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、又はその他の多元接続通信システムであることができる。CDMAシステムは、1つ以上の規格(例えば、IS−95、IS−2000、W−CDMA、等)を実装することができる。TDMAシステムは、1つ以上の規格(例えば、GSM、GPRS、等)を実装することができる。これらの各種規格は当業においては既知であり、本出願明細書において参照することによって本出願明細書に組み入れられている。一般的には、端末110は、あらゆる型のあらゆる数の通信システム(例えば、Bluetooth(登録商標)、WI−FI、又は時間情報を提供できるその他のあらゆるシステム)から信号を受信することができる。後述される特定の実施形態においては、端末110は、GPS及びGSMシステムから信号を受信することができる。
端末110は、いくつかのGPS衛星130から信号を受信することができ、さらに、これらのGPS信号を処理して自己の現在位置の推定値を導き出すことができる。該端末は、位置座標計算結果のうちの1つとしてGPS時間を入手する(又は、これらのGPS信号を処理してGPS時間のみを入手するように動作させることができる)。GPS衛星によって維持されているクロックは非常に正確であり、さらに地球上の原子時計を極めて正確に追跡するために必要に応じて追加調整することができるため、このGPS時間は、実際の時間を正確に示している。従って、GPS時間は、「真の時間」又は「絶対時間」とみなすことができる。端末は、GPS時間が提供されるごとに自己のタイミングを校正することができる。しかしながら、端末は、散発的な時刻に(例えば、ユーザー及び/又はセルラーシステムによって指示されるごとに)位置座標の計算を実施するため、GPS時間は、これらの散発的な時刻のみにおいて入手可能にすることができる。
端末110は、セルラーシステム内の1カ所以上の基地局120から信号を受信することもでき、これらの地上信号を処理して情報を受け取るか又は該セルラーシステムと通信することができる。該端末は、同期化・取得プロセスの一貫として、該端末がデータを受け取るか又は通信する各基地局のタイミングを決定することが要求される。GSMシステムにおいては、フレームレベルの同期化データを端末に提供するために同期化バーストが各基地局によって定期的に伝送される。各基地局のタイミングは、該基地局によって伝送された同期化バーストを処理することによって決定することができる。
いくつかのセルラーシステム(例えば、IS−95システム及びcdma2000システム)は、すべての基地局のタイミングが整合されるように同期で動作される。さらに、これらのセルラーシステム内の基地局のタイミングは、GPS時間と同期化される(即ち、GPS時間にロックされる)。この場合には、端末は、GPS衛星及び/又は基地局から受信した信号に基づいて入手することができるGPS時間を用いて自己の内部タイミングを連続的に更新することができる。
しかしながら、いくつかのセルラーシステム(例えば、GSMシステム及びW−CDMAシステム)は、非同期で動作させることができる。W−CDMAシステムにおいては、基地局は、すべての基地局が互いに同期になるような形で又はすべての基地局が互いに非同期になるような形で動作させることができる。さらに、これらの基地局は、いくつかの基地局が同期化され、その他の基地局が同期化されないような形で動作させることもできる。同期動作又は非同期動作のいずれを選択するかは、該システムがネットワークオペレータによってどのように運用されるかに依存する。GSMシステムにおいては、基地局は、互いに非同期である。
非同期セルラーシステム(例えば、GSMシステム又はW−CDMAシステム)の場合には、基地局のタイミングは整合されず、このため時間の経過に伴ってドリフトする可能性がある。このドリフトの長期的な平均値は、ゼロである場合とゼロ以外の値になる(即ち、基地局間の時間差が連続的に拡大又は縮小する)場合がある。また、タイミングが非同期であるため、(偶然である場合以外は)これらの基地局に関するフレームが同じ時刻に開始する可能性がない。さらに、非同期セルラーシステムにおける基地局のタイミングはGPS時間と同期でないのが一般的である。以上の理由により、端末は、これらの非同期基地局から受け取った時間情報に基づいて自己の内部タイミングを同期システムの場合と同じように更新することができない。
本出願明細書においては、複数の通信システムから受け取った時間情報に基づいて「バーチャルな」リアルタイムクロックを端末に実装するための方法及び装置が提供され、これらの複数の通信システムのうちの1つは、非同期システム(例えば、GSMシステム又はW−CDMAシステム)である。セルラーシステム内の基地局は非同期で動作させることができるが、各基地局のタイミングは、一般的には端末の内部クロックよりも正確であるクロックに基づいて導き出されるということを、発明者は認識している。例えば、端末の内部クロックは、ほぼ10ppm以下の精度を有しているが、基地局のクロックは、ほぼ±0.05ppm又はおそらくほぼ0.01ppmの精度を有している(即ち、端末よりも100乃至1000倍精度が高い)。従って、GPSから受け取ったGPS時間(入手可能な場合)及びセルラーシステム内の基地局の正確なタイミングに基づいて、正確なバーチャルリアルタイムクロックを端末によって実装することができる。
図2は、GPS及びセルラーシステムから受け取った時間情報に基づいてバーチャルリアルタイムクロックを端末に実装する例を示した概略図である。図2は、該端末、セルラーシステム内の基地局、及びGPSに関する3つの異なったタイムラインを示している。これらの3つの異なったタイムラインは、該端末、基地局及びGPSに関する(ロックされていない)3つの異なったクロックを使用した結果得られたタイムラインである。
図2において示されているように、GPSは、地球上の極めて正確な原子時計に基づいて実効的に決定される自己のタイムラインと関連づけられている。GPS衛星のクロックは、絶対GPS時間と個々の衛星クロックの間の関係をいずれの所定の時刻においても非常に詳細に知ることができるように制御及び補正される。
非同期セルラーシステムにおいては、各基地局のタイミングは、該非同期セルラーシステム内のその他の基地局のタイミングと異なる。各基地局のタイミングは、その基地局自体のクロックに基づいて決定され、該クロックは、その他の何らかの時間基準(例えば、GPS)にロックされている場合とされていない場合がある。しかしながら、基地局のクロック周波数は、一般的には、端末の内部クロック周波数よりもはるかに正確である。各基地局は、セルラーシステムによって実装された規格によって定義された特定の継続時間を有するフレームでデータを伝送する。図2においては、説明を単純化するため、1つの基地局のみのタイミングが示されている。この基地局のフレーム時間は、Tframeによって表されており、さらに、図2には各フレームの開始が示されている。
端末は、一般的には、該端末内のすべての処理素子に関する「システム時間を提供するために使用されるカウンタ又はタイマーを維持する。説明を単純化するため、以下の説明では、システム時間を提供するためにカウンタが維持されていると想定している。このカウンタは、一般的には3つのエンティティ(即ち、端末、基地局、及びGPS)内のすべてのクロックの中で精度が最も低い端末の内部クロックに基づいて動作される。該内部クロックは、別のクロック(例えば、基地局クロック)にロックされていないかぎり「自由に動作する」。端末におけるシステム時間の精度は、該内部クロックと直接結び付いている。
最初に、電力上昇時に(例えば何らかの任意の時刻に)カウンタをリセットすることができ、その後は、カウンタは、内部クロックに基づいて数字を増加させる。説明を明確化するため、示されているカウンタは、最大カウンタ値に達するまで各クロックサイクルとともに線形に増加する出力を有するラップアラウンドカウンタであり、最大カウンタ値に達すると最小カウンタ値にリセットされる。従って、該カウンタ出力は、のこぎり波として作図することができる。最大カウンタ値及び最小カウンタ値は、のこぎり波形の各周期が基地局からの1つのフレームとほぼ等しくなるような値を選択することができる。1つの典型的実装においては、このカウンタ内又は別のカウンタ内の追加ビットを用いてより長い時間的間隔を網羅することができる。例えば、第1のカウンタがラップアラウンドする回数(即ち、フレーム数)をカウントするための別のカウンタを維持することができる。
該カウンタは、端末に関するシステム時間を提供し、さらに該端末のタイムラインを定義する。特に、端末タイムラインにおけるいずれの所定の時刻も、該時刻における該端末に関するシステム時間として用いられる特定のカウンタ値に関連づけられている。その他の外部時間情報が存在しない場合は、該カウンタは、「相対」時間(即ち、2つの時刻間において経過した時間量)を提供することができるが、「絶対時間」(即ち、いずれかの所定の時刻における「真の時間」又は実時間)を提供することはできない。
バーチャルリアルタイムクロックは、次の方法で端末において実装することができる。最初に、端末タイムラインの時刻Tにおいて、該時刻に関する絶対時間tabs1が端末に提供される。この絶対時間tabs1は、(例えば位置座標計算値を入手するために)いくつかのGPS衛星から送信された信号を処理することによって入手されたGPS時間であることができ、又は、その他の何らかの手段によって入手することもできる。次に、端末は、時刻Tに関するカウンタ値Cを絶対時間tabs1と関連づける。該関連づけることは、端末のタイミングとGPSのタイミングとの間において関係を確立させる。
さらに、端末は、メッセージを受け取るために及び/又はセルラーシステムと通信するために、基地局から受信した信号を(連続的に又は定期的に)処理する。端末は、該信号処理の一貫として、該端末に関する同期化を提供するために基地局によって伝送されたいくつかのシグナリングメッセージ(例えば、同期化バースト)を検出することができる。図2において示されているように、端末は、フレームkの開始を時刻Tにおける開始として検出する。さらに、端末は、フレームkのシグナリングメッセージを処理してこのフレームのフレーム番号を抽出する。次に、端末は、時刻Tに関するカウンタ値Cをフレームkの開始と関連づけ、さらに、フレームkのフレーム番号を時刻Tと関連づける。この関連づけは、端末のタイミングと基地局のタイミングとの間において関係を確立させる。
次に、端末は、GPSのタイミングと基地局のタイミングとの間において関係を確立させる。特に、端末は、絶対時間tabs1が受け取られた時刻Tとフレームkの開始に関する時刻Tとの間の時間オフセットΔTBSを決定することができる。この時間オフセットは次式のように表すことができる。
Figure 0004680893
カウンタ値は、端末タイムラインに関する時間を示すために用いられるため、時間オフセットΔTBSは、ΔTBS=(C−C)/Fnomとして決定することができる(ここで、Fnomは公称クロック周波数であり、Cは、時刻T以降におけるカウンタ内でのラップアラウンドを考慮に入れるために調整される)。
その後は、端末は、一定の時間だけアイドル状態になる。端末タイムラインの任意の時刻Tにおいて、(例えば、新たな位置座標の計算のために)絶対時間が必要になることがある。時刻Tにおける
Figure 0004680893
は、次の方法で決定することができる。即ち、第1に、時刻Tよりも前(又は時刻Tの近く)におけるフレーム(例えば、フレームk+n)の開始が、時刻Tにおける開始として検出される。次に、絶対時間推定値が必要な場合におけるフレームk+nと時刻Tとの間の時間差ΔTを次式によって決定することができる。
Figure 0004680893
この場合も、時間差ΔTは、ΔT=(C−C)/Fnomとして決定することができる(ここで、C及びCは、それぞれの時刻T及びTにおけるカウンタ値である)。
時刻TとTとの間における全フレーム数も決定される。この数は、フレームk及びk+nで伝送されたシグナリングメッセージから抽出されたフレーム番号に基づいて、又は、端末がフレーム数をカウントするために維持するもう1つのカウンタに基づいて、入手することができる。次に、時刻Tにおける絶対時間tabs2を次式のように推定することができる。
Figure 0004680893
ここで、nは、時刻TとTの間の全フレーム数である。
式(3)において示されているように、絶対時間推定値t* abs2は、4つの項に基づいて導き出される。項tabs1は非常に正確であり、誤差なしとみなされる。例えば、GPS時間は、100nsecのオーダーの精度を与えることができる。項nTframeは、基地局のタイミングに基づいており、この場合のTframeは、0.1ppm又は0.01ppmの精度である。項nTframeは、一般的には、時刻TとTの間の経過時間のうちの大部分を網羅している。項ΔTBS及びΔTは、端末のタイミングに基づいており、一般的には、3つのすべてのエンティティの中で最も低い精度を有している。しかしながら、項ΔTBS及びΔTによって網羅されている時間は、一般的には、時刻TとTの間の経過時間と比較して短時間である。従って、(1)時刻TとTの間の経過時間のほとんど(即ち、nTframe)は、正確な基地局のタイミングに基づいて推定され、さらに、(2)それよりも精度が低い端末のタイミングに基づいて推定されるのは経過時間(即ち、ΔTBS+ΔT)のうちの相対的にほんのわずかな部分にすぎないため、絶対時間推定値t* abs2は、時刻Tにおける絶対時間tabs2の正確な推定値である。
図2において例示されているように、バーチャルリアルタイムクロックは、複数の通信システム(例えば、GPS及びセルラーシステム)から受け取った情報に基づいて実効的に実装される。1方の通信システム(例えば、GSP)からの時間情報は、特定の時刻における正確な絶対時間(例えば、tabs1)の形で提供される。他方の通信システム(例えば、セルラーシステム)からの時間情報は、正確な相対時間(例えば、正確なフレームレベルのタイミングに基づいたnTframe)の形で提供される。従って、バーチャルリアルタイムクロックは、1方の通信システムから受け取った絶対時間及び他方の通信システムから受け取った相対時間に基づいて、いずれかの任意の時刻における絶対時間の正確な推定値を提供することができる。上述されているように、これよりも精度が低いクロック(例えば、端末内の内部クロック)は、他方の通信システムから受け取った相対時間によって網羅されていない時間に関して使用することができる。
基地局のタイミングは、複数の時刻に関して入手された正確な絶対時間に基づいてさらに校正(又は補正)することができる。例えば、(上述されているように推定しなければならない代わりに)時刻TにおいてGPSから正確な絶対時間tabs2を入手可能である場合は、基地局からの各フレームによって網羅されている時間は、次式によって導き出すことができる。
Figure 0004680893
式(4)において示されているように、フレーム時間Tframeは、4つの項に基づいて導き出される。項tabs1及びtabs2は非常に正確であり、誤差がないとみなされる。項ΔTBS及びΔTは、端末のタイミングに基づく。(tabs2−tabs1)が(ΔTBS+ΔT)と比較して大きい場合には、端末のタイミング誤差がフレーム時間Tframeの導出に及ぼす影響が小さくなる。式(4)から導き出されたフレーム時間Tframeは保存することができ、さらに、のちに絶対時間を推定することが必要になるごとに該基地局に関するフレーム時間として使用することができる。さらに、フレーム時間Tframeは、新たな正確な絶対時間が入手可能になったときに更新することができる。上述されているタイミング校正は、基地局の周波数オフセットを計算することに相当する。
バーチャルリアルタイムクロックは、非同期通信システム(例えば、GSMシステム又はW−CDMAシステム、等)に関しても実装することができる。上述されているように、これらの非同期通信システムにおける基地局に関するタイミングは、整合させることはできないが正確である。端末は、アイドル状態中又はセルラーシステムと通信中に、該当する基地局のカバレッジエリアに入るとき又はこれらのカバレッジエリアから出るときに1つの基地局からもう1つの基地局にハンドオフされる(又は「再選択される」)。各基地局のタイミングは、入手可能になったときにバーチャルリアルタイムクロックを実装するために使用することができる。
図3は、GPS及びセルラーシステム内の2カ所の非同期基地局から受け取った時間情報に基づいたバーチャルリアルタイムクロックの実装を例示した概略図である。図3は、端末及び2つの基地局に関する3つの異なったタイムラインを示している。これらの3つの異なったタイムラインは、該端末及び該2つの基地局に関する(ロックされていない)3つの異なったクロックを使用した結果得られたタイムラインである。なお、説明を単純化するために、GPSに関するタイムラインは示されていない。
最初に、端末タイムラインの時刻Tにおいて、絶対時間値tabs1が端末に提供される。この絶対時間値tabs1は、該時刻に関するGPS時間であることができる。次に、端末は、時刻Tに関するカウンタ値Cを絶対時間tabs1と関連づける。該関連づけることは、端末のタイミングとGPSのタイミングとの間において関係を確立させる。
その後は、端末は、時刻Tにおいて行われた基地局1からのフレームkの開始を検出する。次に、端末は、時刻Tに関するカウンタ値Cを、基地局1からのフレームkの開始と関連づける。この関連づけることは、端末のタイミングと基地局1のタイミングとの間において関係を確立させる。上式(1)において示されているように、端末は、絶対時間tabs1が受け取られたときの時刻Tと基地局1からのフレームkの開始に関する時刻Tとの間の時間オフセットΔTBS1を決定することによって、GPSのタイミングと基地局1のタイミング間において関係を確立させることができる。
端末は、基地局2からも伝送を受け取る。端末は、基地局2とGPSとの間においてタイミング関係を確立させるため、最初に、基地局2からのフレームiの開始を時刻Tにおける開始として検出する。次に、端末は、時刻Tに関するカウンタ値Cを、基地局2からのフレームiの開始と関連づける。基地局1に関するフレームkの開始と基地局2に関するフレームiの開始との間の時間差ΔTBS12は、次式によって決定することができる。
Figure 0004680893
次に、端末は、次式のように、絶対時間tabs1が受け取られた時刻Tと基地局2からのフレームiの開始に関する時刻Tとの間の時間オフセットΔTBS2を決定することによって、GPSのタイミングと基地局2のタイミングとの間において関係を確立させることができる。
Figure 0004680893
端末タイムラインの任意の時刻Tにおいて、(例えば、新たな位置座標の計算のために)絶対時間が必要になることがある。時刻Tにおける絶対時間tabs2は、基地局1及び/又は基地局2のタイミングに基づいて推定することができ、該タイミングは、該端末が依然として時刻Tの近くにおいてフレームを受け取ることができる基地局に依存する。時刻Tにおける絶対時間tabs2を基地局1のタイミングに基づいて推定するプロセスは、図2に関して上述されている方法で達成させることができる。
時刻Tにおける絶対時間tabs2を基地局2のタイミングに基づいて推定するプロセスは、次のようにして達成させることができる。即ち、最初に、時刻Tの近くにおけるフレームi+nの開始が、時刻Tにおいて行われた開始として検出される。絶対時間推定値が必要な場合におけるフレームi+nの開始と時刻Tの間の時間差ΔTは、次式によって決定することができる。
Figure 0004680893
時刻TとTの間における全フレーム数も、(例えば、フレームi及びi+nで伝送されたシグナリングメッセージから抽出されたフレーム番号に基づいて、又は、端末がフレーム数をカウントするために維持するもう1つのカウンタに基づいて)決定される。次に、時刻Tにおける絶対時間tabs2を次式によって推定することができる。
Figure 0004680893
ここで、nは、時刻TとTの間における全フレーム数である。
式(8)において示されているように、絶対時間推定値t* abs2は、4つの項に基づいて導き出される。項tabs1は、非常に正確であり、項nTframeは、同じく正確である基地局2のタイミングに基づいている。基地局2に関する項ΔTBS2及びΔTは、端末のタイミングに基づいて導き出され、基地局1に関して導き出された項ΔTBS1及びΔTとほぼ同じ量の誤差を有する。従って、バーチャルリアルタイムクロックは、端末が非同期セルラーシステムにおいて1つの基地局から別の基地局にハンドオフされるときでも正確に維持することができる。
説明を単純化するために、図3は、時刻Tの1つのフレーム時間内において受け取られる2つのフレームk及びiに基づいた時間オフセットΔTBS1及びΔTBS2の導出を示した図である。一般的には、非同期基地局によっていずれかの時刻に伝送されたフレームは、相対時間情報を入手するために使用することができる。これらのフレームの位相(即ち、ビットレベルのタイミング)及びこれらのフレーム数は、(例えば、これらのフレームで伝送されたシグナリングメッセージから)決定することができ、さらに、時間オフセットΔTBS1及びΔTBS2を導き出すために使用することができる。各時間オフセットは、1フレーム時間よりも短い場合(即ち、ΔTBS<Tframe)、又は1フレーム時間よりも長い場合(即ち、ΔTBS>Tframe)がある。
基地局間のハンドオフも何時で発生する可能性があり、このため考慮することができる(例えば、各基地局に関する時間オフセットは、相対時間を入手できない時間のみを網羅するようにすることができる)。さらに、バーチャルリアルタイムクロックは、あらゆる数の非同期基地局からの相対時間情報を使用することができる。一般的には、各基地局から受け取った相対時間情報は、該基地局からフレームが受け取られたときのあらゆる該当時間に関して使用することができる。いずれかの2つの時刻間の経過時間は、次式のように、複数の基地局から受け取った相対時間を個々に組み合わせることによって推定することができる。
Figure 0004680893
ここで、niは、基地局iから受け取った相対時間によって網羅されているフレーム数、Tframe,iは、基地局iに関するフレーム時間、Nは、経過時間を推定するために用いられる基地局数である。
相対時間情報は、セルラーシステム内の基地局によって伝送されたシグナリングメッセージを処理することによって入手することができる。各規格は、使用すべき特定のシグナリングメッセージ、該シグナリングメッセージの伝送周波数、等を定めている。以下では、説明を明確化するため、相対時間情報を入手するために用いられるGSMに関するシグナリングメッセージについて説明されている。
図4は、GSMシステムに関するフレーム構造を例示した概略図である。このフレーム構造では、2048のスーパーフレームを含むハイパーフレームが定義されており、該ハイパーフレームは、3時間28分53秒760ミリ秒の時間を網羅している。各スーパーフレームは、1326のTDMAフレームを含み、各々が51フレームを具備するいくつかのマルチフレーム又は各々が26フレームを具備するいくつかのマルチフレームに分割することができる。各TDMAフレームは、8つのタイムスロットを含み、4.615msecを網羅している。各タイムスロットは、156.25ビットを含み、0.577msecを網羅している。さらに、各ビットは、3.69μsecの継続時間を有する。
各基地局は、端末が該基地局と同期化するため及びタイミングを導き出すために使用することができる同期化バーストを定期的に伝送する。各51フレームごとに5つの同期化バーストが伝送され、約21.2Hzの速度に相当する。図4において示されているように、148ビットを具備する同期化バーストを、TDMAフレームの第1のタイムスロットで伝送することができる。各同期化バーストは、78の暗号化されたビットを含み、これらのビットを復号することによって、19ビットの縮小TDMAフレーム番号(RFN)および6ビットの基地局トランシーバシステム識別コード(BSIC)を入手することができる。該19ビット縮小TDMAフレーム番号は、ハイパーフレーム内において、該当する同期化バーストが伝送された特定のTDMAフレームを識別する番号である。BSICは、該当する同期化バーストを伝送した特定の基地局を識別するコードであり、各基地局を一意で識別するために使用することができる。また、受信された各同期化バーストの開始を決定し、図2及び3に示されているフレーム開始として使用することができる。19ビット縮小TDMAフレーム番号は、いずれかの2つの同期化バースト間において伝送されたフレーム数を決定するために使用することができる。各ビットは、3.69μsecの継続時間を有しているため、相対時間は、同期化バーストから3.69μsecの分解能以内の精度で入手することができる。
図5は、複数の通信システムから受け取った時間情報に基づいて絶対時間推定値を提供するためのプロセス500の実施形態の流れ図である。該プロセスにおいては、絶対時間情報が第1の通信システム(例えば、GPS)から受け取られる(ステップ512)。該絶対時間情報は、特定の時刻に関する絶対時間の形態であることができる。さらに、第2の通信システム(例えば、セルラーシステム)内の第1の送信機から相対時間情報も入手される(ステップ514)。該相対時間情報は、該第1の送信機によって定期的に伝送されるシグナリングメッセージ(例えば、同期化バースト)の形態であることができる。相対時間情報は、該第2の通信システム内の第2の送信機からも受け取ることができる(ステップ516−該ステップはオプションであり、ダッシュ線で囲まれている)。該第1の送信機及び第2の送信機は、非同期で動作させることができる。該第1の通信システムから受け取った絶対時間情報及び該第2の通信システム内の該第1の送信機と(おそらく)第2の送信機から受け取った相対時間情報に基づいて、指定された時刻における絶対時間推定値が提供される(ステップ518)。
図6は、いくつかの通信システムから受け取った時間情報に基づいて絶対時間推定値を提供するためのプロセス600の実施形態の流れ図である。最初に、第1の時刻に関する絶対時間が第1の通信システム(例えば、GSP)から受け取られる(ステップ612)。又、第2の時刻において、第2の(例えばセルラー)通信システム内の第1の送信機から第1のシグナリングメッセージが受け取られる(ステップ614)。次に、該第1の時刻と該第2の時刻との間の第1の時間オフセットが決定される(ステップ616)。さらに、第3の時刻において、該第2の通信システム内の第2の送信機から第2のシグナリングメッセージを受け取ることもできる(ステップ618−該ステップはオプションであり、ダッシュ線で囲まれている)。次に、該第1の時刻と該第3の時刻との間の第2の時間オフセットが決定される(ステップ620−該ステップもオプションである)。その後、第4の時刻において、該第1の送信機又は該第2の送信機のいずれかから第3のシグナリングメッセージを受け取ることができる(ステップ622)。
該第3のシグナリングメッセージが該第1の送信機から伝送された場合は、指定された時刻における絶対時間推定値は、(1)該第1の時刻に関する絶対時間(例えば、図3におけるtabs1)、(2)該第1の時間オフセット(例えば、ΔTBS1)、(3)該第2の時刻と該第4の時刻の間の経過時間(例えば、nTframe1)、及び(4)該第4の時刻と該指定時刻の間の該時間差(例えば、ΔT)に基づいて決定することができる(ステップ624)。代替として、該第3のシグナリングメッセージが該第2の送信機から伝送された場合は、該指定時刻に関する絶対時間推定値は、(1)該第1の時刻に関する該絶対時間、(2)該第2の時間オフセット(例えば、ΔTBS2)、(3)該第3の時刻と該第4の時刻の間の経過時間(例えば、nTframe2)、及び(4)該第4の時刻と該指定時刻の間の該時間差(例えば、ΔT)に基づいて決定することができる。
一般的には、バーチャルリアルタイムクロックは、複数の通信システムから受け取った時間情報に基づいて実装することができる。一実施形態においては、少なくとも1つの通信システム(例えば、GPS)は、バーチャルリアルタイムクロックに関する絶対時間を提供し、少なくとも1つのその他の通信システム(例えば、セルラーシステム)は、バーチャルリアルタイムクロックに関する相対時間を提供する。
もう1つの実施形態においては、相対時間情報を提供する通信システムは、指定された時刻における絶対時間情報を(例えばメッセージ内に含めて)提供することもできる。例えば、セルラーシステム内の基地局は、絶対時間を含むメッセージを、メッセージ伝送時に(例えば、該メッセージを有するフレームの開始時に)(定期的に又は要請時に)伝送することができる。本出願明細書において参照することによって本出願明細書に組み入れられている、“Method and Apparatus for Determining Time for GPS Receivers”( GPS受信機に関する時間を決定するための方法及び装置)という題名の米国特許No.5,945,944(出願日:1999年8月31日)では、セルラーネットワークから伝送された情報から時間を受け取るための技術が説明されている。
バーチャルリアルタイムクロックは、入手可能になった絶対時間をタイムスタンプすることができる。さらに、2つ以上の時刻に関する絶対時間を用いて、他方の通信システムから受け取った相対時間を校正することもできる。
相対時間情報は、様々な手段によって提供することができる。1つの共通手段は、選択された時刻にシグナリングメッセージを伝送し、いずれか2つのシグナリングメッセージ間の時間差を確認できるようにする手段である。例えば、該シグナリングメッセージは、(1)GSMシステム内の各基地局によって伝送される同期化バースト(図4参照)、(2)W−CDMAシステム内の各基地局によって伝送されるシステムフレーム番号(SFN)、(3)既知の時間的間隔で伝送されるページング指標、等であることができる。さらに、様々な型のシグナリングメッセージを使用することができ、該使用は、本発明の適用範囲内である。
セルラーシステムから伝送された相対時間情報は、一般的には、端末において簡単に入手することができる。端末は、少なくとも1カ所の基地局と能動的に通信中に、フレームレベルのタイミングを決定し、この情報を用いてバーチャルリアルタイムクロックを更新することができる。端末は、アイドル中においても定期的にウェークアップし、ページングチャネルでのページメッセージの有無を確認して着呼の存在を知らせる。端末は、ページメッセージに関するページングチャネルの処理の一貫として、フレームレベルのタイミングを決定し、この情報を用いてバーチャルリアルタイムクロックを更新することができる。
バーチャルリアルタイムクロックは、あらゆる指定時刻における絶対時間の正確な推定値を提供するために使用することができる。この正確な時間推定値は、有利なことに、様々な用途において使用することができ、該用途のうちの1つは、位置決定である。特に、この正確な時間推定値は、(1)これまでよりも短時間で位置座標計算値を提供するために、及び/又は(2)該位置座標の計算に関して用いられる信号の処理においてより高い感度を提供するために使用することができる。以下では、GPS信号に基づいた位置座標の計算に関する正確な時間推定値によって達成できる便益について説明する。
端末の位置は、(1)基準点として用いられる十分な数の送信機までの距離、及び(2)これらの送信機の所在位置に基づいて決定することができる。GPSの場合には、端末は、信号が各GPS衛星から該端末まで伝播するのに要する時間を測定することによって該GPS衛星までの距離を推定することができる。該信号が該GPS衛星から伝送された時間が既知である(例えば、タイムスタンプされているか又は該信号内において符号化されている)場合には、該信号の伝播時間は、(該端末の内部クロックに基づいて)該信号が該端末において受信された時間を観測することによって決定することができる。しかしながら、一般的には、端末のクロックとGPS衛星のクロックとの間には時間オフセットが存在するため、送受信間における時間量を正確に決定することはできない。従って、ある1つの基準時間と信号の受信時間の間の時間差に基づいて「疑似距離」を導き出すのが一般的である。従って、該疑似距離は、端末と信号を送信したGPS衛星との間の相対距離を表している。
図7は、GPS信号に関するデータ伝送フォーマットを例示した概略図である。各GPS衛星は、エフェメリス衛星、GPSシステム時間(例えば、ビットオブウイーク(BOW)情報)、接続データ、等の様々な型の情報を含むナビゲーションデータを伝送する。該ナビゲーションデータは、1秒当たり50ビット(bps)の速度で提供され、各データビットは、20msecの時間を網羅している。X1時間は、75データビット(1.5sec)を網羅すると定義されている。
50bpsの該ナビゲーションデータは、1023ビットのゴールドコードシーケンスを繰り返すことによって生成された連続疑似乱数(PN)系列付きで該データを拡散(又はスクランブリング)することによって、1.023MHz帯域幅にわたってスペクトル拡散される。特に、各データビットは、20のコードフレームを具備しており、さらに、各コードフレームは、1つの1023ビットゴールドコードシーケンスを具備する。該ゴールドコードシーケンスは、1.023Mcpsのチップ速度を有しており、さらに、各PN又はゴールドコードビットは、0.977μsecのチップ時間を有している。
GPSにおいては、絶対時間は、3つの異なった時間成分、即ち、ビットオブウィーク(BOW)、エポック(ビット)、サブコードフレームに分割することができる。(これらの3つの時間成分は、時刻を表すために用いられる時分秒に類似しているとみなすことができる。)各時間成分は、異なった時間範囲を網羅しており、異なった時間分解能を有している。特に、サブコードフレームタイミングは、0乃至1msecの範囲を網羅しており、チップレベルの分解能を有している。エポック(ビット)タイミングは、1msec乃至20msecの範囲を網羅しており、コードフレーム(又は1msec)分解能を有している。BOW時間情報は、20msec以上の範囲を網羅しており、データビット(又は20msec)分解能を有している。絶対時間は、これらの3つの時間成分の組合せによって表すことができる。
上記の3つの時間成分の各々は、GPS受信機による異なった信号処理に基づいてGPS信号から入手することができる。特に、サブコードフレームタイミングは、受信されたGPS信号のマッチフィルタリングを行うことによって入手することができる。このマッチフィルタリングは、受信されたGPS信号と、評価対象となっている仮説に対応する特定位相においてローカルで生成されたPN系列とを相互に関連づけることによって達成させることができる。この相互関連づけは、ローカルで生成されたPN系列が、受信されたGPS信号内のナビゲーションデータを拡散させるために用いられたPN系列と時間的に整合している場合は高い出力値になり、時間的に整合していない場合は低い出力値になる。従って、該相互関連づけは、チップレベルのタイミングを提供することができる。
エポック(ビット)タイミングは、ナビゲーションデータビットのエッジ検出を行うことによって入手することができる。各データビットは、20のコードフレームを網羅する20msecの時間で伝送される。各データビットに関する20のコードフレームは、該データビットによって決定された極性を有している。チップレベルのタイミングがマッチフィルタリングによって決定された時点で、各コードフレームの1023チップがコヒーレントに累積されて対応するコードフレーム値を提供することができる。単一のデータビットに関する20のコードフレーム値がさらに累積された場合は、高いビット値が入手される。しかしながら、反対の極性を有する2つのデータビットに関する20のコードフレーム値が累積された場合は、単一のデータビットに関する場合よりも低いビット値が入手され、正確な値は、これらの2つのデータビットの各々と関連づけられているコードフレーム数によって決定される。従って、エッジ検出では、異なった複数の組の20コードフレームに関して累積することによって、各データビットの開始を決定することができ、該開始は、コードフレーム(1msec)レベルのタイミングを決定するために使用することができる。
BOW時間情報は、受け取ったデータビットを復調し、ナビゲーションデータ内に含まれている様々な型の情報を抽出することによって入手することができる。さらに、BOW時間情報は、受け取ったデータビットを予測されたデータビットと比較するパターンマッチング技術を用いて入手することもできる。該パターンマッチング技術については、本出願明細書において参照することによって本出願明細書に組み入れられている、米国特許No.5,812,087、6,052,081、及び6,239,742において説明されている。さらに、ナビゲーションデータに関するデータフォーマットについては、当業においては容易に入手可能でありさらに本出願明細書において参照することによって本出願明細書に組み入れられている、“Global Position System Standard Positioning Service Signal Specification”、2nd Edition, June 2,1995(全地球位置システム標準測位サービス信号仕様、第2版、1995年6月2日)という題名の文書において詳述されている。
以下の表1は、3つの時間成分、各時間成分と関連づけられている時間範囲と分解能、各時間成分を回復させるために用いられる処理技術、及び各時間成分を回復させるために必要な概算時間量を示した表である(各時間成分よりも高い分解能を有する時間成分が存在する場合は該時間成分は既に回復済みである想定している)。
Figure 0004680893
これらの3つの時間成分を入手するための処理は、一般的には順次に実施され、さらに時間分解能が徐々に低くなる。このため、最初にサブコードフレーム(チップレベル)タイミングが入手され、次にエポック(ビット)タイミングが入手され、最後にBOW時間情報が入手される。従って、各時間成分をGPS信号から入手するための処理時間は、累積的である(即ち、該時間成分に関する処理時間及びそれよりも分解能が高いすべての時間成分に関する処理時間の合計になる)。表1から明らかなように、BOW時間情報を回復させるための処理は、相対的に長時間になる可能性がある。
同じく図2において、端末は、ある一定の時間だけアイドル状態になることができ、その後に、時刻Tにおいて位置座標の計算を実施するように指令することができる。該位置座標を計算するに際しては、受信機は、先験的に既知である時間成分に関する処理を省略することができる。特に、時刻Tに関する絶対時間推定値t* abs2の不確実性が±0.5msec未満である場合は、GPS受信機は、位置座標を計算するためにはサブコードフレーム(チップレベル)のタイミングを決定するだけでよい。この絶対時間推定値t* abs2の不確実性が±10msec以下である場合は、GPS受信機は、位置座標を計算するためにサブコードフレームとエポック(ビット)の両方のタイミングを決定することが必要になる。さらに、絶対時間推定値t* abs2の不確実性が±10msecよりも高い場合は、GPS受信機は、位置座標を計算するためにサブコードフレーム、エポック(ビット)、及びBOWの各タイミングを決定することが必要になる。
バーチャルリアルタイムクロックは、正確な絶対時間推定値を提供するために使用することができる。特に、位置決定を行う場合は、バーチャルリアルタイムクロックを使用することによって、エポック(ビット)タイミング及びBOWタイミングを回復させる必要がない正確な絶対時間推定値を提供することができる。その結果、(3つの時間成分の中で処理時間が最も短い)サブコードフレーム(チップレベル)のタイミングのみを決定すればよいため、位置座標計算値を入手するために必要な時間量を低減させることになる。
バーチャルリアルタイムクロックによって提供された正確な絶対時間推定値は、さらに、GPS信号を処理する際の感度を向上させることも可能である。多くの事例において、GPS信号は、(1)GPS衛星と受信機との間の長い伝播路による信号減衰、(2)該伝播路における妨害、等に起因して信号の質が低下した状態又は不良状態で受信されることがある。エポック(ビット)及びBOWのタイミングが先験的に既知である場合は、受信されたGSP信号は、チップレベルのタイミングの回復を向上させるような形で処理することができる。
同じく図7において、エポック(ビット)のタイミングが既知である場合は、各データビットの開始を決定することができる。その場合には、(持続時間が1つのデータビットの持続時間のわずか1/20にすぎない)各コードフレーム全体にわたってではなく1つのデータビット全体にわたって(即ち、ビット同期統合)コヒーレントな累積(即ち、相互関連づけ)を行うことができる。この場合には、コヒーレントな累積の間隔が長いほど、劣化した受信GSP信号内におけるチップレベルのタイミングの検出を向上させることができる。このことは、GPS受信機が、より低い信号・雑音比(SNR)を有する受信GPS信号に基づいて位置座標計算値を提供することを可能にする。従って、エポック(ビット)タイミングが既知であることによってGPS受信機の感度を向上させることができ、このことは、GPS受信機がより厳しい環境において位置座標計算値を提供することを可能にする。
位置座標の計算のために用いられるGPS衛星の所在位置に関する正確な推定値を提供する場合も正確な時間が要求される。各衛星は、自己の軌道に関する高精度のモデル化された検出を含む“Ephemeris”(エフェメリス)情報を伝送し、該情報は、地球上の追跡局によって追跡及び報告される。該Ephemeris情報は、1つの入力変数として時間の関数の形態で提供される。各GPS衛星は、約3600m/秒の速度で移動するため、衛星の所在位置に関する正確な推定値を導き出すためには正確な(例えば、数μsec以内の)絶対時間推定値が必要である。バーチャルリアルタイムクロックから提供される絶対時間推定値は、衛星に関する最初の位置推定値を入手するための関数への入力時間として提供することができる。これで、端末から最初の衛星位置推定値までの疑似距離を求めることができる。端末は、該求められた疑似距離が正確であるという想定の下に、衛星によって伝送された信号を探すことができる。コード位相が入手された時点で、その他の2つの時間成分を分解することができる。本出願明細書において参照することによって本出願明細書に組み入れられている米国特許No.5,945、944、6,150,980、及び6,215,442では、GPS信号を処理するための最初の時間推定値の使用について説明されている。
図8は、バーチャルリアルタイムクロックから提供された正確な絶対時間に基づいて受信装置の位置を決定するプロセス800の実施形態の流れ図である。該受信装置は、無線通信システムにおける無線端末内に配置することができる。最初に、第1の時刻に関する絶対時間が第1の通信システム(例えば、GPS)から入手される(ステップ812)。この絶対時間は、該第1の時刻に関して実施された位置座標の計算結果のうちの1つとして入手することができる。次に、該受信装置は、バーチャルリアルタイムクロックに関する相対時間情報を提供するために使用される第2の通信システムのタイミング/周波数の安定度に基づいて決定することができるある時間だけスリープ状態になる(ステップ814−このステップはオプションである)。該受信装置がスリープ状態中に、該第2の通信システムから相対時間情報が入手される(ステップ816)。次に、該第1の時刻に関する該絶対時間及び該第2の通信システムから受け取った該相対時間情報に基づいて、第2の時刻における絶対時間を推定することができる(ステップ818)。次に、該第2の時刻に関する該絶対時間推定値に基づいた位置座標の計算が、該受信装置によって行われる(ステップ820)。
バーチャルリアルタイムクロックは、その他の用途に関する正確な絶対時間推定値を提供するためにも使用することができ、この使用は、本発明の適用範囲内である。例えば、これらの絶対時間推定値は、通信(例えば、同期システムと非同期システムとの間の転送)天文学、写真撮影、暗号手法(例えば、セキュリティシステム)、等のために使用することができる。
図1において、端末110は、複数の通信システムから送信された信号を受信及び処理して時間情報を入手することができるあらゆるデバイスであることができる。一実施形態においては、端末110は、いくつかの送信機から信号を受信できる携帯電話である。その他の実施形態においては、端末110は、無線モデム、衛星及び/又は基地局から信号を受信できる受信装置、又はその他のいずれかの型の受信機を有する電子機器(例えば、コンピュータ端末、パーソナルデジタルアシスタント(PDA))であることができる。
図9は、無線端末110の1つの構成要素となることができる受信装置900の実施形態を示したブロック図である。受信装置900は、GPS及びセルラーシステム等の複数の通信システムから受信した信号を処理できるように設計することができる。図9に示されている実施形態においては、受信装置900は、アンテナ910、GPS受信機912a、地上受信機912b、処理装置914、クロック/カウンタ(又はタイマー)装置916、メモリ装置918、及びコントローラ920を含む。
アンテナ910は、いくつかの送信機(GPS衛星の送信機及び/又は基地局の送信機のあらゆる組合せであることができる)から信号を受信し、GPS受信機912a及び地上受信機912bに該受信信号を提供する。GPS受信機912aは、GPS衛星から送信された信号を処理して位置決定に使用することができる情報を導き出すフロントエンド回路(例えば、RF回路及び/又はその他の処理回路)を含む。GPS受信機912aが該当情報をGPS信号から抽出するために行う処理は、当業においては既知であり、本出願明細書においては詳述されていない。GPS受信機912aは、様々な型の情報(例えば、時間情報(例えば、絶対時間)、受信された信号を送信した送信機のアイデンティティと所在位置、等)を処理装置914に提供する。地上受信機912bは、基地局から送信された信号を処理するフロントエンド回路を含んでおり、これらの信号から導き出された相対時間情報を提供することができる。例えば、地上受信機912bは、受け取ったフレームのフレームレベルのタイミングを決定することができる。さらに、GPS受信機912aから受け取った絶対時間情報及び地上受信機912bから受け取った相対時間情報は、バーチャルリアルタイムクロックを実装するために使用することができる。
処理装置914は、様々な機能を果たすように設計することができる。例えば、処理装置は、(例えば、指示されたときに)GPS及び/又はセルラーシステムに基づいて受信装置900に関する位置座標の計算を行うことができる。さらに、処理装置914は、GPSから入手した絶対時間情報及びセルラーシステムから入手した相対時間情報に基づいてバーチャルリアルタイムクロックを実装することができる。処理装置914は、要求されたときには、指定された時刻における絶対時間を推定すること及び該絶対時間推定値を要求中の装置(例えば、GPS受信機912a)に提供することができる。
クロック/カウンタ装置916は、受信装置900内の様々な要素が必要とするクロックを提供するタイマー装置である。さらに、クロック/カウンタ装置916は、該クロックに基づいて動作されるカウンタ又はタイマーを実装することもできる。従って、受信装置900に関するタイムラインは、カウンタ出力によって有効に決定される。
メモリ装置918は、処理装置914及び/又はコントローラ920によって使用される様々なデータを保存する。例えば、メモリ装置918は、タイミング関連情報(例えば、様々な時刻に関する絶対時間、計算された時間オフセット、等)を保存することができる。さらに、メモリ装置918は、処理装置914及び/又はコントローラ920に関するプログラムコード及びデータを保存することもできる。
コントローラ920は、処理装置914の動作を指示することができる。例えば、コントローラ920は、処理装置914によって実施すべき特定の型の動作を選択することができる。
本出願明細書において説明されている、バーチャルリアルタイムクロックを実装しさらに様々な用途のために使用する方法と装置は、様々な手段によって実装することができる(例えば、ハードウェア内、ソフトウェア内、又はその組合せの中に実装することができる)。ハードウェア内に実装する場合は、バーチャルリアルタイムクロックは、本出願明細書において説明されている機能を実行するように設計された1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、その他の電子装置、又はこれらの品目の組合せの中に実装することができる。
ソフトウェア内に実装する場合は、バーチャルリアルタイムクロックは、本出願明細書において説明されている機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能、等)とともに実装することができる。ソフトウェアコードは、メモリ装置(例えば、図9に示されているメモリ918)内に保存し、プロセッサ(例えば、処理装置914又はコントローラ920)によって実行することができる。該メモリ装置は、該プロセッサ内に実装すること又は該プロセッサの外部に実装することができる。該プロセッサの外部に実装する場合は、当業において既知である様々な手段を通じて該プロセッサに通信可能な形で結合させることができる。
本出願明細書において説明されているバーチャルリアルタイムクロックを実装する方法及び装置は、様々な無線通信システム及びネットワークにおいて使用することができる。例えば、該方法及び装置は、CDMAシステム、TDMAシステム、FDMAシステ、及びその他の無線通信システムに関して使用することができる。これらのシステムは、1つ以上の該当規格を実装することができる。例えば、CDMAシステムは、IS−95、cdma2000、IS−856、W−CDMA、等を実装することができる。TDMAシステムは、GSM、等を実装することができる。これらの様々な規格は、当業においては既知であり、本出願明細書において参照することによって本出願明細書に組み入れられている。
開示されている実施形態に関する上記の説明は、当業者が本発明を製造又は使用できるようにすることを目的とするものである。又、本実施形態に対する様々な修正及び変更が加えられた場合に当業者は該修正及び該変更を容易に理解することが可能である。さらに、本出願明細書において定められている一般原則は、本発明の精神及び適用範囲を逸脱することなしにその他の実施形態に対しても適用することができる。以上のように、本発明は、本出願明細書において示されている実施形態に限定することを意図するものではなく、本出願明細書において開示されている原則及び斬新な特長に一致する限りにおいて最も広範な適用範囲が認められることになることを意図するものである。
複数の通信システムから信号を受信することができる無線端末を示した概略図である。 GPS及びセルラーシステムから受け取った時間情報に基づくバーチャルリアルタイムクロックの実装を例示した概略図である。 GPS及びセルラーシステム内の2カ所の非同期基地局から受け取った時間情報に基づくバーチャルリアルタイムクロックの実装を例示した概略図である。 GSMシステムに関するフレーム構造を例示した概略図である。 複数の通信システムから受け取った時間情報に基づいた絶対時間推定値を提供するためのプロセスの実施形態の流れ図である(その1)。 複数の通信システムから受け取った時間情報に基づいた絶対時間推定値を提供するためのプロセスの実施形態の流れ図である(その2)。 GPS信号に関するデータ伝送フォーマットを例示した概略図である。 バーチャルリアルタイムクロックから提供された正確な絶対時間推定値に基づいて受信装置の位置を決定するプロセスの実施形態の流れ図である。 無線端末の1つの構成要素となることができる受信装置の実施形態のブロック図である。

Claims (39)

  1. 複数の通信システムから受け取った時間情報に基づいてバーチャルリアルタイムクロックを実装するための方法であって、
    第1の通信システムから絶対時間情報を受け取ることと、
    第2の通信システムから相対時間情報を受け取ることであって、前記相対時間情報は、複数のフレームを用いて伝送される複数のシグナリングメッセージを介して前記第2の通信システムから受信されることと、
    ローカルクロックから内部タイミング情報を取得することと、
    指定された時刻における絶対時間推定値を、前記第1の通信システムから受け取った前記絶対時間情報と前記第2の通信システムから受け取った前記相対時間情報と前記内部タイミング情報とに基づいて提供すること、とを具備する方法。
  2. 前記指定された時刻で前記絶対時間推定値を提供することは、
    前記絶対時間情報によって決定された第1の時刻での絶対時間と、前記相対時間情報によって決定される第1の時間間隔と、前記内部タイミング情報によって決定された第2の時間間隔とに基いて、前記指定された時刻で絶対時間の推定値を提供することを具備する請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の通信システムは、全地球測位システム(GPS)であり、前記絶対時間情報は、少なくとも1つの時刻に関するGPS時間を具備する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第2の通信システムは、セルラー通信システムである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記複数のシグナリングメッセージのいずれか2つのシグナリングメッセージ間における時間差は、確認可能である、請求項4に記載の方法。
  6. 複数の通信システムから受け取った時間情報に基づいてバーチャルリアルタイムクロックを実装するための方法であって、
    第1の通信システムから絶対時間情報を受け取ることと、
    第2の通信システムから相対時間情報を受け取ることと、
    指定された時刻における絶対時間推定値を、前記第1の通信システムから受け取った前記絶対時間情報と前記第2の通信システムから受け取った前記相対時間情報とに基いて提供することと、を具備し、
    前記絶対時間情報は、第1の時刻に関する絶対時間を具備し、前記相対時間情報は、第2の時刻に前記第2の通信システムからフレームの送信を介して受け取った第1のシグナリングメッセージ及び第3の時刻に前記第2の通信システムからフレームの送信を介して受け取った第2のシグナリングメッセージを具備し、前記指定時刻に関する前記絶対時間情報推定値は、少なくとも部分的には、前記第1の時刻に関する前記絶対時間及び前記第2の時刻と前記第3の時刻との間の決定された時間差に基づく方法。
  7. 前記第2の通信システムから受け取った前記相対時間情報を、前記第1の通信システムから受け取った前記絶対時間に基づいて校正することをさらに具備する、請求項1に記載の方法。
  8. 複数の通信システムから受け取った時間情報に基づいて絶対時間推定値を提供するための方法であって、
    第1の時刻に関する絶対時間を第1の通信システムから入手することと、
    第2の時刻において第2の通信システムからフレームの送信を介して第1のシグナリングメッセージを受け取ることと、
    前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の時間オフセットを決定することと、
    第3の時刻において前記第2の通信システムからフレームの送信を介して第2のシグナリングメッセージを受け取ることと、
    前記第2の時刻と前記第3の時刻の間の経過時間を決定することと、
    前記第3の時刻と第4の時刻の間の時間差を決定することと、
    前記第4の時刻における絶対時間推定値を、前記第1の時刻に関する前記絶対時間、前記時間オフセット、前記経過時間、及び前記時間差に基づいて提供すること、とを具備する方法。
  9. 前記時間オフセット及び前記時間差は、各々がローカルクロックに基づいて決定される、請求項8に記載の方法。
  10. 第5の時刻に関する絶対時間を前記第1の通信システムから入手することと、
    前記第1の時刻と前記第5の時刻の間の絶対時間差を決定すること、とをさらに具備し、前記経過時間は、少なくとも部分的には、前記絶対時間差に基づいて決定される、請求項8に記載の方法。
  11. 少なくとも部分的には前記絶対時間差に基づいて前記第2の通信システムに関するフレーム時間を決定することをさらに具備し、前記経過時間は、前記フレーム時間に基づいて決定される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第1のシグナリングメッセージ及び前記第2のシグナリングメッセージは、2つのフレーム内の既知の所在位置において伝送される、請求項8に記載の方法。
  13. 前記第1の通信システムは、全地球測位システムである、請求項8に記載の方法。
  14. 前記第2の通信システムは、セルラー通信システムである、請求項8に記載の方法。
  15. 前記セルラー通信システムは、非同期で動作される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記セルラー通信システムは、GSMシステムである、請求項14に記載の方法。
  17. 前記第1のシグナリングメッセージ及び前記第2のシグナリングメッセージは、前記GSMシステム内の同期化チャネルで伝送される同期化バーストである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記セルラー通信システムは、W−CDMAシステムである、請求項14に記載の方法。
  19. 複数の通信システムから受け取った時間情報に基づいて絶対時間推定値を提供するための方法であって、
    第1の通信システムから絶対時間情報を受け取ることと、
    第2の通信システム内の第1の送信機から相対時間情報を受け取ることであって、前記相対時間情報は、複数のフレームを用いて伝送される複数のシグナリングメッセージを介して前記第2の通信システムから受信されることと、
    前記第2の通信システム内の第2の送信機から相対時間情報を受け取ることであって、前記相対時間情報は、複数のフレームを用いて伝送される複数のシグナリングメッセージを介して前記第2の通信システムから受信されることと、
    指定された時刻における絶対時間推定値を、前記第1の通信システムから受け取った前記絶対時間情報及び前記第2の通信システム内の前記第1の送信機及び前記第2の送信機から受け取った前記相対時間情報に基づいて提供すること、とを具備する方法。
  20. 前記第1の送信機のタイミングと前記第2の送信機のタイミングの間の差を決定することをさらに具備し、前記指定時刻に関する前記絶対時間は、前記第1の送信機のタイミングと前記第2の送信機のタイミングの間の前記決定された差に基づく、請求項19に記載の方法。
  21. 前記第1の送信機及び前記第2の送信機は、非同期である、請求項19に記載の方法。
  22. 複数の通信システムから受け取った時間情報に基づいて絶対時間推定値を提供するための方法であって、
    第1の時刻に関する絶対時間を第1の通信システムから入手することと、
    第2の時刻において第2の通信システム内の第1の送信機からフレームの送信を介して第1のシグナリングメッセージを受け取ることと、
    前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の第1の時間オフセットを決定することと、
    第3の時刻において前記第2の通信システム内の第2の送信機からフレームの送信を介して第2のシグナリングメッセージを受け取ることと、
    前記第1の時刻と前記第3の時刻との間の第2の時間オフセットを決定することと、
    指定された時刻における絶対時間推定値を、少なくとも部分的には、前記第1の時刻に関する前記絶対時間及び前記第2の時間オフセットに基づいて提供すること、とを具備する方法。
  23. 第4の時刻において前記第2の送信機からフレームの送信を介して第3のシグナリングメッセージを受け取ることと、
    前記第4の時刻と前記指定時刻の間の時間差を決定することをさらに具備し、前記指定時刻に関する前記絶対時間推定値は、さらに前記時間差に基づく、請求項22に記載の方法。
  24. 前記第1の送信機及び前記第2の送信機は、非同期である、請求項22に記載の方法。
  25. 第1の通信システムから絶対時間情報を受け取り、第2の通信システムから複数のフレームを用いて伝送される複数のシグナリングメッセージを介して相対時間情報を受け取り、指定された時刻における絶対時間推定値を、前記第1の通信システムから受け取った前記絶対時間情報及び前記第2の通信システムから受け取った前記相対時間情報に基づいて提供するために、デジタル情報を翻訳可能なデジタル信号処理装置(DSPD)と通信を行うべく前記デジタル信号処理装置(DSPD)に結合されたメモリ。
  26. 複数の通信システムから受け取った時間情報に基づいて絶対時間推定値を提供するためのコンピュータプログラムであって、
    第1の時刻に関する絶対時間を第1の通信システムから受け取るためのコードと、
    第2の通信システムから複数のフレームを用いて伝送される複数のシグナリングメッセージを介して相対時間情報を受け取るためのコードと、
    ローカルブロックから内部タイミング情報を取得するためのコードと、
    指定された時刻における絶対時間推定値を、前記第1の時刻に関する前記絶対時間と前記第2の通信システムから受け取った前記相対時間情報と前記内部タイミング情報とに基づいて提供するためのコードと、
    前記コードを保存するための、コンピュータによって読取可能な媒体と、を具備するコンピュータプログラム。
  27. 複数の通信システムから受け取った時間情報に基づいてバーチャルリアルタイムクロックを実装するための装置であって、
    ローカルクロックからの内部タイミング情報によって決定されるタイムライン表示を受け取るための手段と、
    第1の通信システムから絶対時間情報を受け取るための手段と、
    前記絶対時間情報を前記タイムラインと関連づけるための手段と、
    第2の通信システムから複数のフレームを用いて伝送される複数のシグナリングメッセージを介して相対時間情報を受け取るための手段と、
    前記相対時間情報を前記タイムラインにマッピングするための手段と、
    前記タイムラインの指定された時刻における絶対時間推定値を、前記関連づけられた絶対時間情報と前記マッピングされた相対時間情報と前記内部タイミング情報とに基づいて提供するための手段と、を具備する装置。
  28. 前記タイムライン表示は、カウンタによって提供される、請求項27に記載の装置。
  29. 無線通信システムにおける受信ユニットであって、
    絶対時間情報を提供するために第1の通信システムから受信された信号を処理するように動作することができる第1の受信機と、
    複数のフレームを用いて伝送される複数のシグナリングメッセージを介して相対時間情報を提供するために第2の通信システムから受信される信号を処理するように動作することができる第2の受信機と、
    指定された時刻における絶対時間推定値を、前記第1の通信システムから受け取った前記絶対時間情報と、前記第2の通信システムから受け取った前記相対時間情報と、内部タイミング情報とに基づいて提供するために動作することができる処理装置と、を具備する受信ユニット。
  30. 前記絶対時間情報及び前記相対時間情報がマッピングされたタイムラインの表示を提供するために動作することができるタイマー装置をさらに具備する、請求項29に記載の受信ユニット。
  31. 前記第1の受信機は、GPS衛星から受信された信号を処理するために動作することができる、請求項29に記載の受信ユニット。
  32. 前記第2の受信機は、セルラー通信システムにおける1カ所以上の基地局から受信された信号を処理するために動作することができる、請求項29に記載の受信ユニット。
  33. 前記処理装置は、第1の時刻に関する絶対時間を前記第1の受信機から受け取りさらに前記第1の時刻と前記第2の受信機によって受け取られた少なくとも1つの各々の基地局のタイミングとの間の時間オフセットを決定するために動作することができる、請求項31に記載の受信ユニット。
  34. 無線通信システムにおける受信装置であって、
    絶対時間情報を提供するために第1の通信システムから受信された信号を処理するための手段と、
    複数のフレームを用いて伝送される複数のシグナリングメッセージを介して相対時間情報を提供するために第2の通信システムから受信された信号を処理するための手段と、
    ローカルクロックから内部タイミング情報を取得する手段と、
    指定された時刻における絶対時間推定値を、前記第1の通信システムから受け取った絶対時間情報と前記第2の通信システムから受け取った前記相対時間情報と前記内部タイミング情報とに基づいて提供するための手段と、を具備する受信装置。
  35. ローカルクロックに基いて内部タイミングを維持するように動作可能なカウンタと、
    第1の通信システムのタイミングに基いて第1の時刻に関する絶対時間を決定し、第2の通信システムのタイミングに基づいて前記第2の通信システムから複数のフレームを用いて伝送される複数のシグナリングメッセージを介して第1の時間間隔を決定し、前記カウンタによって維持される前記内部タイミングに基いて第2の時間間隔を決定し、前記第1の時刻に関する前記絶対時間と、前記第1の時間間隔と、前記第2の時間間隔とに基いて、第2の時刻に関する絶対時間の推定を決定する、ように動作可能な処理ユニットと、を具備する装置。
  36. 前記処理ユニットはさらに、前記第2の通信システムのタイミングを、前記第1の通信システムのタイミングに基づいて校正するように動作可能である、請求項35に記載の装置。
  37. 無線通信システムにおける受信ユニットの位置を決定するための方法であって、
    第1の時刻で第1の通信システムから絶対時間を取得することと、
    第2の通信システムから複数のフレームを用いて伝送される複数のシグナリングメッセージを介して相対時間情報を取得することと、
    前記第1の時刻に関する前記絶対時間と、前記第2の通信システムからの前記相対時間情報とに基いて第2の時刻での絶対時間を推定することと、
    少なくとも部分的に前記第2の時刻に関する前記絶対時間推定に基いて前記受信ユニットの位置を決定することと、を具備する方法。
  38. 前記第1の時刻に関する前記絶対時間は、前記第1の時刻に関して決定された固定位置から取得される請求項37に記載の方法。
  39. 前記第2の通信システムに関する時間推定の安定度に基いて決定された前記第1の時刻と第2の時刻間の時間間隔だけスリープ状態になることをさらに具備する請求項37に記載の方法。
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