JP4680071B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

この発明はデジタル画像を解像度変換処理及び切り出し処理する画像処理装置に関するものである。
デジタルスチルカメラ等の画像処理装置において、内蔵メモリや記憶媒体等に記録されているデジタル画像の一部分を液晶等の表示装置に表示させる場合には、切り出し位置を上下左右の方向キーで選択し、ズーム倍率を拡大キー及び縮小キーにて選択する方法が一般的である。
図12は従来の画像処理装置においてデジタル画像の中央部分を拡大処理する場合の様子を示す図である。元となるデジタル画像を元画像11と呼び、また、元画像11からズーム倍率に応じて切り出し処理を行うための画像サイズ及び画像位置を切り出し画角12と呼ぶ。図12に示した状態から方向キーを操作すると、切り出し画角12が元画像11の中を平行移動し、拡大キーあるいは縮小キーを操作すると、切り出し画角12のサイズが変化する。切り出し画角12のサイズが変化する場合、一般的には切り出し画角12の中心を基準にしてサイズが変化する。切り出し画角12のサイズを変化させるときの基準点をズーム中心13と呼ぶ。
図13は図12の状態から拡大キーによりズーム拡大処理を実施した状態を示す図である。切り出し画角12はズーム拡大処理後にはサイズが小さくなり、図13中のズーム拡大後切り出し画角14に変化する。このときズーム拡大処理はズーム中心13を基準に行われるため、ズーム拡大処理の前後でズーム中心の位置は変化しない。
図14は従来の画像処理装置において元画像11の中心と切り出し画角の中心が一致していない場合のズーム拡大処理を実施した状態を示す図である。図14の例では切り出し画角12が元画像11の左上端に接している。このときのズーム中心13は一般的には切り出し画角12の中心である。この状態からズーム拡大処理を行った後の画角がズーム拡大後切り出し画角14である。このときズーム拡大処理の前後ではズーム中心13が一致している。
例えば、特許文献1に記載された画像データ表示処理方式では、利用者の参照したい画像を中心に拡大表示するために、ディスプレイ装置上の位置座標を画像データ記憶部の位置座標に変換処理を行うことが記載されている。
しかし、元画像11の左上端を表示させる際に、上記のようにズーム中心13が切り出し画角12の中心にある場合には、元画像11の左上端がズーム拡大後切り出し画角14から外れてしまうため、さらにズーム拡大後切り出し画角14に対する平行移動処理を必要としている。
特開平5−333847号公報(要約)
従来の画像処理装置は以上のように構成されているので、画像中の端部を容易に拡大することができないという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するもので、ズーム及び平行移動処理を併用した画像処理において、画像中の端部を容易に拡大することができる画像処理装置を得ることを目的とする。
この発明に係る画像処理装置は、切り出し処理が行われる元画像上の切り出し処理が行われる位置切り出し位置データとして出力する切り出し位置指定部と、指定されたズーム倍率によりズーム倍率データを出力するズーム倍率指定部と、上記切り出し位置指定部により出力された切り出し位置データ、上記ズーム倍率指定部により出力されたズーム倍率データ、入力された元画像サイズデータ及び保持している前切り出し画角データに基づき、次ズーム倍率、ズーム中心座標、次切り出し画角中心座標及び次切り出し画角サイズを次切り出し画角データとして算出する切り出し画角算出部と、該切り出し画角算出部により算出された次切り出し画角データに基づき、入力された元画像の画像データに対して切り出し処理を行う画像切り出し部とを備え、上記切り出し画角算出部は、当該切り出し画角算出部において前回算出された次切り出し画角データを上記前切り出し画角データとして保持する保持部を含み、上記切り出し処理が行われる位置が上記元画像の左上端である場合には、上記元画像の左上端を上記ズーム中心座標として算出し、上記切り出し処理が行われる位置が上記元画像の右下端である場合には、上記元画像の右下端を上記ズーム中心座標として算出することを特徴とするものである。

この発明により、ズーム及び平行移動処理を併用した画像処理において、従来より少ない手数で画像中の端部を容易に拡大することができるという効果が得られる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による画像処理装置の構成を示すブロック図である。この画像処理装置は、切り出し位置指定部1、ズーム倍率指定部2、切り出し画角算出部3及び画像切り出し部4を備えている。
切り出し位置指定部1は上下左右の方向キー等で構成され、ユーザが方向キーを操作することで切り出し処理を行う位置を指定する。切り出し位置指定部1からは切り出し位置データ101が切り出し画角算出部3に出力される。切り出し位置データ101は各方向へのステップ数で表され、例えば「上方向に1ステップ」等である。このように、切り出し位置指定部1は切り出し処理が行われる元画像の指定された位置により切り出し位置データ101を出力する。
ズーム倍率指定部2は拡大・縮小キー等で構成され、ユーザが拡大・縮小キーを操作することでズーム倍率を指定する。ズーム倍率指定部2からはズーム倍率データ102が切り出し画角算出部3に出力される。ズーム倍率データ102は拡大・縮小の各方向へのステップ数で表され、例えば「拡大1ステップ」等である。このように、ズーム倍率指定部2は指定されたズーム倍率によりズーム倍率データ102を出力する。
切り出し画角算出部3は、切り出し位置指定部1により出力された切り出し位置データ101、ズーム倍率指定部2により出力されたズーム倍率データ102、入力された元画像サイズデータ103及び保持している前切り出し画角データに基づき、次ズーム倍率、ズーム中心座標、次切り出し画角中心座標及び次切り出し画角サイズを次切り出し画角データ105として算出して画像切り出し部4に出力する。
ここで、切り出し画角算出部3は、保持している前切り出し画角データの前ズーム倍率及びズーム倍率データ102に基づき次ズーム倍率を算出し、元画像サイズデータ103、切り出し位置データ101及びズーム倍率データ102に基づきズーム中心座標を算出し、ズーム中心座標、保持している前切り出し画角データの前切り出し画角中心座標、前ズーム倍率及び次ズーム倍率に基づき次切り出し画角中心座標を算出し、前ズーム倍率、次ズーム倍率及び保持している前切り出し画角データの前切り出し画角サイズに基づき次切り出し画角サイズを算出する。
画像切り出し部4は切り出し画角算出部3により算出された次切り出し画角データ105に基づき、入力された画像データ106に対して切り出し処理を行い、切り出し処理された画像データ107を出力する。
図2はこの実施の形態1の主要な構成要素である切り出し画角算出部3の構成を示すブロック図であり、この切り出し画角算出部3は切り出し画角データ保持部31及び切り出し画角データ算出部32を備えている。
切り出し画角データ保持部31は切り出し画角データ算出部32により算出された前切り出し画角データ104を保持している。切り出し画角データ算出部32は、切り出し位置指定部1により出力された切り出し位置データ101、ズーム倍率指定部2により出力されたズーム倍率データ102、入力された元画像サイズデータ103及び切り出し画角データ保持部31に保持されている前切り出し画角データ104に基づき、次ズーム倍率、ズーム中心座標、次切り出し画角中心座標及び次切り出し画角サイズを次切り出し画角データ105として算出する。算出された次切り出し画角データ105は切り出し画角データ保持部31に保持される。
次に切り出し画角算出部3の動作について説明する。
初めに各データの構成について説明する。
図3は元画像サイズデータ103の内容を示す図であり、元画像サイズデータ103は図3に示すように元画像11の水平画素数LX及び垂直ライン数LYで表される。
図4は切り出し画角データの内容を示す図である。切り出し画角データは図4に示すように、切り出し画角水平画素数(切り出し画角サイズDX)、切り出し画角垂直ライン数(切り出し画角サイズDY)、切り出し画角中心座標(CX,CY)、ズーム中心座標(ZX,ZY)及びズーム倍率(ZR)から構成される。また、切り出し位置データ101は上記のとおり各方向へのステップ数で表される。また、ズーム倍率データ102は上記のとおり拡大方向あるいは縮小方向へのステップ数で表される。
切り出し画角算出部3は初めにズーム倍率データ102を参照し、拡大方向であるならば式(1)に従い、縮小方向であるならば式(2)に従い、切り出し画角データ保持部31に保持されている前ズーム倍率ZR0から次ズーム倍率ZR1を算出する。式(1)及び式(2)中のSTEPはズーム倍率データ102のステップ数であり、ZUNITは予め設定された所定のズーム倍率刻みである。
ZR1=ZR0+STEP×ZUNIT (1)
ZR1=ZR0−STEP×ZUNIT (2)
次に本実施の形態の特徴でもあるズーム中心座標(ZX,ZY)の算出方法について説明する。従来の方式ではズーム中心座標(ZX,ZY)は切り出し画角中心座標(CX,CY)と一致していたが、この実施の形態1ではズーム中心座標(ZX,ZY)と切り出し画角中心座標(CX,CY)が異なる点が特徴である。
切り出し画角算出部3は次の式(3)及び式(4)により線形補間法を用いてズーム中心座標(ZX,ZY)を算出する式の一例を示す。
ZX=LX×CX÷(LX−DX)−LX×DX÷2÷(LX−DX) (3)
ZY=LY×CY÷(LY−DY)−LY×DY÷2÷(LY−DY) (4)
ここで、元画像11の水平画素数LX及び垂直ライン数LYは元画像サイズデータ103として与えられ、切り出し画角中心座標(CX,CY)は切り出し位置指定部1からの切り出し位置データ101として与えられ、切り出し画角水平画素数(DX)及び切り出し画角垂直ライン数(DY)はズーム倍率指定部102からのズーム倍率データ102として与えられる。
図5は切り出し画角12が元画像11の中央にある状態を示す図である。上記式(3)及び式(4)によると、切り出し画角12が元画像11の中央にある場合には、切り出し画角中心座標(CX,CY)はCX=LX÷2、CY=LY÷2で、ズーム中心座標(ZX,ZY)はZX=LX÷2、ZY=LY÷2となり、図5に示すように切り出し画角中心座標(CX,CY)と次ズーム中心座標(ZX,ZY)が一致する。
図6は切り出し画角12が元画像11の左上端にある状態を示す図である。上記式(3)及び式(4)によると、切り出し画角12が元画像11の左上端にある場合には、切り出し画角中心座標(CX,CY)はCX=DX÷2、CY=DY÷2で、ズーム中心座標(ZX,ZY)はZX=0、ZY=0となり、図6に示すようにズーム中心座標は切り出し画角12の左上端になる。
図7は切り出し画角12が元画像11の右下端にある状態を示す図である。上記式(3)及び式(4)によると、切り出し画角12が元画像11の右下端にある場合には、切り出し画角中心座標(CX,CY)はCX=LX−DX÷2、CY=LY−DY÷2で、ズーム中心座標(ZX,ZY)はZX=LX、ZY=LYとなり、図7に示すようにズーム中心座標は切り出し画角12の右下端になる。
切り出し画角が元画像の中心にある場合のズーム中心座標が図5に示すような位置になり、切り出し画角が元画像の左上端にある場合のズーム中心座標が図6に示すような位置になり、切り出し画角が元画像の右下端にある場合の中心座標が図7に示すような位置になり、図5、図6及び図7の間をズーム中心座標が線形に変化するような関係を求めると、上記式(3)及び式(4)を得ることができる。
このように切り出し画角中心座標(CX,CY)の値によって、ズーム中心座標(ZX,ZY)は切り出し画角12内で動くことが、この実施の形態1の特徴である。
次に切り出し画角算出部3は算出した次ズーム中心座標(ZX,ZY)、前切り出し画角中心座標(CX0,CY0)、前ズーム倍率ZR0及び次ズーム倍率ZR1に基づき、次切り出し画角中心座標(CX1,CY1)を算出する。算出式は式(5)及び式(6)に示すとおりである。
CX1=(CX0−ZX)×ZR0÷ZR1+ZX (5)
CY1=(CY0−ZY)×ZR0÷ZR1+ZY (6)
ここで、上記式(5)及び式(6)の求め方について説明する。
あるフレームでの切り出し画角中心座標(CX0,CY0)は次の式(7)及び式(8)で表される。
CX0=(CX0−ZX)+ZX (7)
CY0=(CY0−ZY)+ZY (8)
また、ズーム倍率を変更した次フレームでの次切り出し画角中心座標(CX1,CY1)は次の式(9)及び式(10)で表される。
CX1=(CX1−ZX1)+ZX1 (9)
CY1=(CY1−ZY1)+ZY1 (10)
ズーム中心座標(ZX,ZY)はズーム倍率変更によって変化しないため、あるフレームでのズーム倍率をZR0、次フレームでの次ズーム倍率をZR1とすると、次の式(11)及び式(12)が成り立つ。
(CX1−ZX)×ZR1=(CX0−ZX)×ZR0 (11)
(CY1−ZY)×ZR1=(CY0−ZY)×ZR0 (12)
上記式(11)及び式(12)により上記式(5)及び式(6)が得られる。
最後に、切り出し画角算出部3は前ズーム倍率ZR0、次ズーム倍率ZR1及び前切り出し画角サイズ(DX0,DY0)から、次切り出し画角サイズ(DX1,DY1)を式(13)及び式(14)に従って算出する。これで次切り出し画角データ105が算出される。
DX1=DX0×ZR0÷ZR1 (13)
DY1=DY0×ZR0÷ZR1 (14)
ここで、上記式(13)及び式(14)の求め方について説明する。
前フレームでの前切り出し画角を(DX0,DY0)、ズーム倍率を変更した次フレームでの次切り出し画角を(DX1,DY1)、前フレームでのズーム倍率をZR0、次フレームでの次ズーム倍率をZR1とすると、次の式(15)及び式(16)が成り立つ。
DX1×ZR1=DX0×ZR0 (15)
DY1×ZR1=DY0×ZR0 (16)
上記式(15)及び式(16)により上記式(13)及び式(14)が算出される。
このようにして、切り出し画角算出部3は、上記式(1)及び式(2)により次ズーム倍率ZR1を算出し、上記式(3)及び式(4)によりズーム中心座標(ZX,ZY)を算出し、上記式(5)及び式(6)により次切り出し画角中心座標(CX1,CY1)を算出し、上記式(13)及び式(14)により次切り出し画角サイズ(DX1,DY1)を算出し、算出した次ズーム倍率ZR1、ズーム中心座標(ZX,ZY)、次切り出し画角中心座標(CX1,CY1)及び次切り出し画角サイズ(DX1,DY1)を、次切り出し画角データ105として画像切り出し部4に出力する。
画像切り出し部4は切り出し画角算出部3にて算出された次切り出し画角データ105に基づいて、入力された画像データ106に対して切り出し処理を行い、切り出し処理された画像データ107を出力する。
以上のように、この実施の形態1によれば、切り出し画角算出部3は、切り出し位置データ101、ズーム倍率データ102、元画像サイズデータ103及び前切り出し画角データ104に基づき、次ズーム倍率ZR1、ズーム中心座標(ZX,ZY)、次切り出し画角中心座標(CX1,CY1)及び次切り出し画角サイズ(DX1,DY1)を次切り出し画角データ105として算出し、ズーム中心座標(ZX,ZY)を次切り出し画角中心座標(CX1,CY1)と異なる位置とすることにより、ズーム拡大後でも画像端が画角から外れることがなく、ズーム及び平行移動処理を併用した画像処理において、従来より少ない手数で画像中の端部を容易に拡大することができるという効果が得られる。
この実施の形態1によれば、上記式(3)及び式(4)に示した例では、次ズーム中心座標(ZX1,ZY1)を、前切り出し画角中心座標(CX0,CY0)に対して線形補間法を用いて線形に変化させているが、これを任意の関数を用いて非線形に変化させてもかまわない。
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2による画像処理装置の構成を示すブロック図である。この画像処理装置は、切り出し位置指定部1、ズーム倍率指定部2、画像切り出し部4、ズーム中心位置指定部5、相対画角中心位置算出部6、指定データ保持部7、相対ズーム中心位置算出部8及び切り出し画角算出部9を備えている。
切り出し位置指定部1、ズーム倍率指定部2及び画像切り出し部4は、上記実施の形態1の図1に示す切り出し位置指定部1、ズーム倍率指定部2及び画像切り出し部4と同等の機能を有している。
ズーム中心位置指定部5は、上下左右の方向キー等で構成され、ユーザが方向キーを操作することでズーム中心位置を切り出し画角内で直接指定する。すなわち、切り出し画角内で直接指定されるズーム中心位置は、表示部(図示せず)に表示されている切り出し画角の画像上で、カーソル等を上下左右の方向キーで移動させることにより指定される。
図9はズーム中心位置を説明する図である。ズーム中心位置データ111は図9に示すように切り出し画角12の中心位置からの相対座標で表される。例えば、ズーム中心位置が切り出し画角12の中心位置に指定された場合には、ズーム中心位置データ111は(0.0,0.0)になり、ズーム中心位置が切り出し画角12の左上端に指定された場合には、ズーム中心位置データ111は(−1.0,−1.0)になり、ズーム中心位置が切り出し画角12の右下端に指定された場合には、ズーム中心位置データ111は(1.0,1.0)になる。
このように、ズーム中心位置指定部5は、ユーザから切り出し画角内で指定されたズーム中心位置を入力し、指定されたズーム中心位置が切り出し画角中のどの位置にあるかを相対的に示すズーム中心位置データ111、すなわち、ズーム中心位置を切り出し画角の中心位置からの相対座標で示したズーム中心位置データ111を指定データ保持部7に出力する。
相対画角中心位置算出部6は、入力された元画像サイズデータ103並びに切り出し画角算出部9により算出された前切り出し画角データの前切り出し画角中心座標及び前切り出し画角サイズに基づき、切り出し画角が元画像中のどの位置にあるかを相対的に示す相対画角中心位置データ112を算出する。
図10は相対画角中心位置を説明する図である。相対画角中心位置データ112は図10に示すように元画像11中の中心位置からの相対座標で表される。例えば、切り出し画角12が元画像11の中心位置にある場合には、相対画角中心位置データ112は(0.0,0.0)になり、切り出し画角12が元画像11の左上端の場合には、相対画角中心位置データ112は(−1.0,−1.0)になり、切り出し画角12が元画像11の右下端の場合には、相対画角中心位置データ112は(1.0,1.0)になる。
このように、相対画角中心位置算出部6は、入力された元画像サイズデータ103並びに切り出し画角算出部9により算出された前切り出し画角データの前切り出し画角中心座標及び前切り出し画角サイズに基づき、切り出し画角が元画像中のどの位置にあるかを相対的に示す相対画角中心位置データ112、すなわち、切り出し画角を元画像の中心位置からの相対座標で示した相対画角中心位置データ112を算出して、指定データ保持部7及び切り出し画角算出部9に出力する。
指定データ保持部7はズーム中心位置指定部5から出力されたズーム中心位置データ111及び相対画角中心位置算出部6から出力された相対画角中心位置データ112を保持し、指定データ保持部7に保持されているズーム中心位置保持データ113及び相対画角中心位置保持データ114は相対ズーム中心位置算出部8に出力される。ズーム中心位置保持データ113は、ユーザからズーム中心位置指定部5へのズーム中心位置の指定が行われた場合のみ更新される。
相対ズーム中心位置算出部8は、指定データ保持部7から出力されたズーム中心位置保持データ113及び相対画角中心位置保持データ114に基づき、ズーム中心位置指定部5でズーム中心位置が指定された時点におけるズーム中心位置と相対画角中心位置との比を示す相対ズーム中心位置データ115を算出する。算出された相対ズーム中心位置データ115は切り出し画角算出部9に出力され、切り出し画角の算出に使用される。
切り出し画角算出部9は、入力された元画像サイズデータ103、切り出し位置指定部1により出力された切り出し位置データ101、ズーム倍率指定部2により出力されたズーム倍率データ102、相対画角中心位置算出部6により出力された相対画角中心位置データ112及び相対ズーム中心位置算出部8により出力された相対ズーム中心位置データ115に基づき、次切り出し画角データ105を算出して画像切り出し部4及び相対画角中心算出部6に出力する。
ここで、切り出し画角算出部9は、上記実施の形態1の切り出し画角算出部3と同様に、保持している前切り出し画角データの前ズーム倍率及びズーム倍率指定部2により出力されたズーム倍率データ102に基づき次ズーム倍率を算出し、前ズーム倍率、次ズーム倍率及び保持している前切り出し画角データの前切り出し画角サイズに基づき次切り出し画角サイズを算出する。
また、切り出し画角算出部9は、相対画角中心位置算出部6により出力された相対画角中心位置データ112、相対ズーム中心位置算出部8により出力された相対ズーム中心位置データ115、保持している前切り出し画角データの前切り出し画角中心座標及び算出した次切り出し画角サイズに基づきズーム中心座標を算出し、上記実施の形態1の切り出し画角算出部3と同様に、算出したズーム中心座標、保持している前切り出し画角データの前切り出し画角中心座標、前ズーム倍率及び算出した次ズーム倍率に基づき次切り出し画角中心座標を算出する。
画像切り出し部4は、上記実施の形態1の画像切り出し部4と同様に、切り出し画角算出部9から出力された次切り出し画角データ105に基づき、入力された画像データ106に対して切り出し処理を行い、切り出し処理された画像データ107を出力する。
図11はこの実施の形態2の主要な構成要素である切り出し画角算出部9の構成を示すブロック図であり、この切り出し画角算出部9は切り出し画角データ保持部91及び切り出し画角データ算出部92を備えている。
切り出し画角データ保持部91は切り出し画角データ算出部92により算出された前切り出し画角データ104を保持している。切り出し画角データ算出部92は、切り出し位置指定部1により出力された切り出し位置データ101、ズーム倍率指定部2により出力されたズーム倍率データ102、入力された元画像サイズデータ103、切り出し画角データ保持部91に保持されている前切り出し画角データ104、相対画角中心位置算出部6により出力された相対画角中心位置データ112及び相対ズーム中心位置算出部8により出力された相対ズーム中心位置データ115に基づき、次ズーム倍率、次切り出し画角サイズ、ズーム中心座標及び次切り出し画角中心座標を次切り出し画角データ105として算出する。算出された次切り出し画角データ105は切り出し画角データ保持部91に保持される。
次にこの実施の形態2の主要な構成要素である相対ズーム中心位置算出部8及び切り出し画角算出部9の動作について説明する。
初めに各データの構成について説明する。
切り出し画角データの構成は、上記実施の形態1の図4に示すものと同じであり、切り出し画角データは、切り出し画角水平画素数(切り出し画角サイズDX)、切り出し画角垂直ライン数(切り出し画角サイズDY)、切り出し画角中心座標(CX,CY)、ズーム中心座標(ZX,ZY)及びズーム倍率(ZR)から構成される。
また、切り出し位置データ101は上記のとおり各方向へのステップ数で表され、ズーム倍率データ102は上記のとおり拡大方向あるいは縮小方向へのステップ数で表され、元画像データ103は元画像の水平画素数(LX)及び垂直ライン数(LY)で表せる。
相対ズーム中心位置算出部8は、ズーム中心位置保持データ113(GX,GY)、相対画角中心位置保持データ114(FX,FY)に基づき、次の式(17)及び式(18)に従って相対ズーム中心位置データ115(EX,EY)を算出する。
EX=GX÷FX(ただし、FX=0の場合はEX=1) (17)
EY=GY÷FY(ただし、FY=0の場合はEY=1) (18)
切り出し画角算出部9は、上記実施の形態1の切り出し画角算出部3と同様に、保持している前切り出し画角データの前ズーム倍率及びズーム倍率指定部2により出力されたズーム倍率データ102に基づき、上記式(1)及び式(2)に従って次ズーム倍率を算出し、保持している前切り出し画角データの前ズーム倍率、算出した次ズーム倍率及び保持している前切り出し画角データの前切り出し画角サイズに基づき、上記式(13)及び式(14)に従って次切り出し画角サイズを算出する。
また、切り出し画角算出部9は、相対画角中心位置データ112(FX,FY)(=相対画角中心位置保持データ114(FX,FY))、相対ズーム中心位置データ115(EX,EY)、保持している前切り出し画角データの前切り出し画角中心座標(CX,CY)及び算出した次切り出し画角サイズ(DX,DY)に基づき、次の式(19)及び式(20)に従ってズーム中心座標(ZX,ZY)を算出する。
ZX=CX+FX×EX×DX÷2 (19)
ZY=CY+FY×EY×DY÷2 (20)
このように、切り出し画角算出部9は、前切り出し画角中心座標(CX,CY)と、次切り出し画角サイズ(DX,DY)の半分に相対画角中心位置データ112(FX,FY)及び相対ズーム中心位置データ115(EX,EY)で指定された比率を乗算したものとを加算して、ズーム中心座標(ZX,ZY)を算出している。
さらに、切り出し画角算出部9は、上記実施の形態1の切り出し画角算出部3と同様に、算出したズーム中心座標、保持している前切り出し画角データの前切り出し画角中心座標、保持している前切り出し画角データの前ズーム倍率及び算出した次ズーム倍率に基づき、上記式(5)及び式(6)に従って次切り出し画角中心座標を算出する。
式(19)及び式(20)に示すように、ズーム中心座標(ZX,ZY)は相対画角中心位置データ112(FX,FY)及び相対ズーム中心位置データ115(EX,EY)に連動して変化する。相対画角中心位置データ112(FX,FY)は現在の切り出し画角に連動する値であるため、現在の切り出し画角に連動してズーム中心座標(ZX,ZY)が移動する。
また、相対ズーム中心位置データ115(EX,EY)はユーザ指定のズーム中心位置によって決まる値であるため、ユーザ指定のズーム中心位置によって、ズーム中心座標(ZX,ZY)が移動する。つまり、ユーザ指定によって、ズーム中心座標(ZX,ZY)の移動量を指定することができ、あるズーム倍率におけるユーザの所望の切り出し画角を得やすくすることができる。この点がこの実施の形態2の特徴である。ズーム中心位置は一旦ユーザが指定すれば、再指定するまで保持されるため、ズーム中心座標(ZX,ZY)の移動量は再指定までは同じ割合で変化する。
以上のように、この実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様の効果が得られると共に、ユーザ指定によるズーム中心位置に連動させてズーム中心座標(ZX,ZY)を変化させる構成にしたため、切り出し画角位置に連動したズーム中心の移動量をユーザの所望どおりに指定することができるという効果が得られる。
この発明の実施の形態1による画像処理装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による画像処理装置の切り出し画角算出部の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による画像処理装置における元画像サイズデータの内容を示す図である。 この発明の実施の形態1による画像処理装置における切り出し画角データの内容を示す図である。 この発明の実施の形態1による画像処理装置において切り出し画角が元画像の中央にある状態を示す図である。 この発明の実施の形態1による画像処理装置において切り出し画角が元画像の左上端にある状態を示す図である。 この発明の実施の形態1による画像処理装置において切り出し画角が元画像の右下端にある状態を示す図である。 この発明の実施の形態2による画像処理装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による画像処理装置におけるズーム中心位置を説明する図である。 この発明の実施の形態2による画像処理装置における相対画角中心位置を説明する図である。 この発明の実施の形態2による画像処理装置の切り出し画角算出部の構成を示すブロック図である。 従来の画像処理装置においてデジタル画像の中央部分を拡大処理する場合の様子を示す図である。 図12の状態から拡大キーによりズーム拡大処理を実施した状態を示す図である。 従来の画像処理装置において元画像の中心と切り出し画角の中心が一致していない場合のズーム拡大処理を実施した状態を示す図である。
符号の説明
1 切り出し位置指定部、2 ズーム倍率指定部、3 切り出し画角算出部、4 画像切り出し部、5 ズーム中心位置指定部、6 相対画角中心位置算出部、7 指定データ保持部、8 相対ズーム中心位置算出部、9 切り出し画角算出部、11 元画像、12 切り出し画角、13 ズーム中心、14 ズーム拡大後切り出し画角、31 切り出し画角データ保持部、32 切り出し画角データ算出部、101 切り出し位置データ、91 切り出し画角データ保持部、92 切り出し画角データ算出部、101 切り出し位置データ、102 ズーム倍率データ、103 元画像サイズデータ、104 前切り出し画角データ、105 次切り出し画角データ、106 画像データ、107 画像データ、111 ズーム中心位置データ、112 相対画角中心位置データ、113 ズーム中心位置保持データ、114 相対画角中心位置保持データ、115 相対ズーム中心位置データ。

Claims (4)

  1. 切り出し処理が行われる元画像上の切り出し処理が行われる位置切り出し位置データとして出力する切り出し位置指定部と、
    指定されたズーム倍率によりズーム倍率データを出力するズーム倍率指定部と、
    上記切り出し位置指定部により出力された切り出し位置データ、上記ズーム倍率指定部により出力されたズーム倍率データ、入力された元画像サイズデータ及び保持している前切り出し画角データに基づき、次ズーム倍率、ズーム中心座標、次切り出し画角中心座標及び次切り出し画角サイズを次切り出し画角データとして算出する切り出し画角算出部と、
    該切り出し画角算出部により算出された次切り出し画角データに基づき、入力された元画像の画像データに対して切り出し処理を行う画像切り出し部とを備え
    上記切り出し画角算出部は、
    当該切り出し画角算出部において前回算出された次切り出し画角データを上記前切り出し画角データとして保持する保持部を含み、
    上記切り出し処理が行われる位置が上記元画像の左上端である場合には、上記元画像の左上端を上記ズーム中心座標として算出し、上記切り出し処理が行われる位置が上記元画像の右下端である場合には、上記元画像の右下端を上記ズーム中心座標として算出する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 上記切り出し画角算出部は、
    保持している前切り出し画角データの前ズーム倍率及び上記ズーム倍率データに基づき次ズーム倍率を算出し、
    上記元画像サイズデータ、上記切り出し位置データ及び上記ズーム倍率データに基づきズーム中心座標を算出し、
    上記ズーム中心座標、保持している前切り出し画角データの前切り出し画角中心座標、上記前ズーム倍率及び上記次ズーム倍率に基づき次切り出し画角中心座標を算出し、
    上記前ズーム倍率、上記次ズーム倍率及び保持している前切り出し画角データの前切り出し画角サイズに基づき次切り出し画角サイズを算出することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 上記切り出し画角算出部は、上記元画像サイズデータ、上記切り出し位置データ及び上記ズーム倍率データに基づき、線形補間法を用いてズーム中心座標を算出することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 上記切り出し画角算出部は、上記元画像サイズデータ、上記切り出し位置データ及び上記ズーム倍率データに基づき、任意の関数を用いてズーム中心座標を算出することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
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