JP4679893B2 - グリーンノートを有する香料を含有する化粧料 - Google Patents
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しかしながら、これまでに提案されてきた香料では基剤臭のマスキング効果が必ずしも充分ではなかった。また、最近では微香性や無香性の化粧料が嗜好されているという消費者のニーズも存在する。
一方、グリーンノートを有する香料は、他の香料の香りに較べて特徴が強く、シャープなところがあり、爽やかな特徴を出すために用いられる。また、最近ではナチュラル感を出す、香り立ちのアクセントとして調合香料に用いられている。
本発明はまた、化粧料基剤臭をマスキングする方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、(A)オレイン酸、その塩又は誘導体及びこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種に、(B)グリーンノートを有する香料を接触させることを特徴とする化粧料基剤臭のマスキング方法を提供する。
オレイン酸の塩としては、オレイン酸とナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩や置換又は無置換のアンモニウム塩があげられる。オレイン酸の誘導体としては、オレイン酸のエステル体、エーテル体、配糖体、多価アルコール付加体、アルキレンオキサイド付加体等、好ましくは多価アルコール付加体、アルキレンオキサイド付加体であるオレイン酸誘導体があげられる。詳しくは、炭素数1〜22の鎖式または脂環式アルコールとのエステル体;炭素数2〜22であって、ヒドロキシ基数2〜18の多価アルコールとの多価アルコール付加体;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等アルキレンオキサイドを2〜100モル付加したアルキレンオキサイド付加体を(A)成分として使用することができる。(A)成分としては、オレイン酸の誘導体が好ましく、特にアルキレンオキサイド付加体がより好ましい。
(A)成分は、皮膚用化粧料、毛髪用化粧料等、化粧料の種類により異なるが、効果的な保湿効果を発揮する観点から、本発明の化粧料を基準として、好ましくは0.0001%〜5%、より好ましくは0.01%〜3%配合することが望ましい。特に、毛髪用化粧料の場合、0.01〜5%、好ましくは0.05〜3%含有するのが好ましい。皮膚用化粧料の場合、0.01〜5%、より好ましくは0.05〜2%含有するのが好ましい。0.0001%より少ないと充分な保湿効果が発現せず、また、5%を超えて配合しても保湿効果は変わらず、ベタベタした触感となり好ましくない。
グリーンノートを有する香料とは、若葉の香り、青葉青草の香り、森林や苔むした庭園の香りなどといった草原を散策するときに感じる大自然の緑の香り、ないしはそれらを想起させるような香りをいう。
グリーンノートを有する香料としては、天然香料及び合成香料いずれも使用できるが、シス-3-ヘキセナール、シス-3-ヘキセニルアセテート、シス-3-ヘキセニルベンゾエート、トリプラール、リグストラール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、スチラリルアセテート、エチルアセトアセテート、リファローム、シクロガルバネート、メチルオクチンカーボネート、キャローン及びヘリオナールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するのが好ましい。特に、シス-3-ヘキセニルアセテートを0.0001質量%以上、好ましくは0.0003〜10質量%含有する香料が好ましい。
(B)成分は、(A)成分の臭気を効果的にマスキングするために、(A)成分の量に対し、(B)成分の量が好ましくは1/100,000〜1/1、さらに好ましくは1/10,000〜1/1(質量比)が望ましい。特に、毛髪用化粧料の場合、1/10,000〜1/2、好ましくは1/5,000〜1/5含有するのが好ましい。皮膚用化粧料の場合、1/10,000〜1/1、より好ましくは1/5,000〜1/1含有するのが好ましい。1/100,000より少ない比率だと、(A)成分のマスキングに十分な効果が出ず、また1/1を超えた比率ではコストがかかってしまう。
本発明の化粧料は、定法により製造することができる。
本発明の化粧料は、固形状、ペースト状、ムース状、液状、粉状等、その剤形は特に制限されず、化粧料の例としては、皮膚用化粧料として、クリーム、クリームジェル、乳液、化粧水、ボディローション、パック等の基礎化粧料、ハンドソープ、ボディソープ、シャンプー等の洗浄剤組成物等があげられ、毛髪用化粧料として、ヘアクリーム、リンス、整髪料等があげられる。
表1に示す化粧料用基本香料・ミュゲフローラルタイプとシトラスフルーティタイプをベースに(B)成分であるグリーンノートを配合した香料1,2と(B)成分を配合しない香料5を作成した。また、(B)成分単独で構成される香料3,4を併せて表2の通り作成した。
これらの香料を用い、下記に示す化粧料に配合したときの効果を確認した。
その結果を表4に示す。
5:非常にしっとり感が感じられる
4:かなりしっとり感が感じられる
3:ややしっとり感が感じられる
2:あまりしっとり感を感じられない
1:しっとり感をほとんど感じない
4点以上の性能であれば十分な仕上がり性能である。
5:非常にマスキングされている
4:かなりマスキングされている
3:ややマスキングされている
2:あまりマスキングされていない
1:ほとんどマスキングされていない
塗布直後の匂いが4点以上であれば、十分なマスキング効果である。さらに塗布後2時間後まで4点以上であればさらに好ましい。
また、組成10,11にあるシャンプー・リンスについては製剤のビン口の臭気について上記判定基準で評価した。
組成2)ディスペンサータイプのウォーター剤
下記処方のウォーター剤を調製し、紫外線吸収剤を練り込んだPET製ポンプディスペンサー容器に充填した。
下記処方のフォーム剤を調製し、紫外線吸収剤を練り込んだポリプロピレン製ポンプフォーム容器に充填した。なお、pHは4.5に調整した。
下記処方のヘアトリートメントを調製し、PET製トリガータイプ容器に充填した。なお、pHは4.3に調整した。
下記処方のジェルを調製し、紫外線吸収剤を練り込んだPET製ポンプタイプ容器に充填した。なお、pHは4.4に調整し、粘度は1500〜3000Pa・sに調整した。
下記処方のヘアミストを調製し、ポリエチレン製ポンプディスペンサー容器に充填した。なお、pHは5.0に調整した。
原液に香料を添加後、下記処方のエアゾールフォームを製造した。なお、容器はアルミニウム製の耐圧缶を用いた。
下記処方のヘアワックスを調製し、帯電防止剤および紫外線吸収剤を練り込んだポリプロピレン製のジャータイプ容器に充填した。
下記処方のジェルを調製し、帯電防止剤および紫外線吸収剤を練り込んだポリプロピレン製チューブ容器に充填した。
下記処方のシャンプーを調製し、帯電防止剤および紫外線吸収剤を練り込んだポリプロピレン製ポンプ容器に充填した。
下記処方のリンスを調製し、帯電防止剤および紫外線吸収剤を練り込んだポリプロピレン製ポンプ容器に充填した。
下記処方のクリームをA,Bを70℃でそれぞれ溶解し、BにAを加えて均一に乳化し、更に冷却しながら香料を加えて調製し、アルミラミネートチューブに充填した。
原液に香料を配合し、下記処方のエアゾールフォームを調製し、PET製耐圧容器に充填した。
さらに表17〜28にオレイン酸およびまたはその誘導体を配合した組成物の例を示す。
Claims (4)
- 下記(A)成分及び(B)成分を、質量比にして、(B)/(A)=1/10,000〜1/1の割合で含有する化粧料:
(A)0.0001〜5%のオレイン酸、その塩又は誘導体及びこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種、及び
(B)少なくともリグストラールを含有するか、又は少なくともシス-3-ヘキセニルアセテート及びリグストラールを含有し、
更に、シス-3-ヘキセナール、シス-3-ヘキセニルベンゾエート、トリプラール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、スチラリルアセテート、エチルアセトアセテート、リファローム、シクロガルバネート、メチルオクチンカーボネート、キャローン及びヘリオナールからなる群から選ばれる少なくとも1種であるグリーンノートを有する香料とを含有する香料組成物。 - 下記(A)成分及び(B)成分を、質量比にして、(B)/(A)=1/10,000〜1/1の割合で含有する化粧料:
(A)0.0001〜5%のオレイン酸、その塩又は誘導体及びこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種、及び
(B)少なくともシス-3-ヘキセニルアセテートを0.0001〜10質量%と、シス-3-ヘキセナール、シス-3-ヘキセニルベンゾエート、トリプラール、リグストラール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、スチラリルアセテート、エチルアセトアセテート、リファローム、シクロガルバネート、メチルオクチンカーボネート、キャローン及びヘリオナールからなる群から選ばれる少なくとも1種であるグリーンノートを有する香料とを含有する香料組成物。 - 下記(A)成分及び(B)成分を、質量比にして、(B)/(A)=1/10,000〜1/1の割合で含有する化粧料:
(A)0.0001〜5%のオレイン酸、その塩又は誘導体及びこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種、及び
(B)リグストラールであるグリーンノートを有する香料。 - 前記オレイン酸誘導体が、オレイン酸と、炭素数1〜22の鎖式または脂環式アルコールとのエステル体;オレイン酸と、炭素数2〜22、ヒドロキシ基数2〜18の多価アルコールとの多価アルコール付加体;又はオレイン酸と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを2〜100モル付加したアルキレンオキサイド付加体である請求項1〜3のいずれか1項記載の化粧料。
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