以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における画像処理装置の構成を示すブロック図である。画像処理装置は、画像処理装置本体100と、画像処理装置本体100に対し着脱可能に装着される記録媒体200及び210と、画像処理装置本体100に対し着脱可能に装着されるレンズユニット300を備えている。
レンズユニット300は、交換レンズタイプとして構成されている。レンズユニットにおいて、306はレンズユニット300を画像処理装置本体100と機械的に結合するレンズマウントである。レンズマウント306内には、レンズユニット300を画像処理装置本体100と電気的に接続する各種機能が含まれている。310は、被写体像を取り込む撮影レンズ群、312は、撮影レンズ310から入る光量を調節する絞り、320はインタフェースで、レンズマウント306内において、レンズユニット300を画像処理装置本体100と接続するためのインタフェースを司る。322はレンズユニット300を画像処理装置本体100と電気的に接続するコネクタで、画像処理装置本体100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号等を通信すると共に、各種電圧の電流の供給を受ける、或いは供給する機能も備えている。また、コネクタ322は、電気通信のみならず、光通信、音声通信等を伝達する構成としてもよい。
絞り制御部340は、画像処理装置本体100の測光部46からの測光情報に基づいて、シャッタ12を制御するシャッタ制御部40と連携しながら、絞り312を制御する。測距制御部342は、撮影レンズ群310のフォーカシングを制御する。ズーム制御部344は、撮影レンズ群310のズーミングを制御する。レンズシステム制御部350は、レンズユニット300全体を制御する。レンズシステム制御部350は、動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリや、レンズユニット300固有の番号等の識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離等の機能情報、現在や過去の各設定値などを保持する不揮発メモリの機能も備えている。
また、画像処理装置本体100において、106はレンズユニット300を画像処理装置本体100と機械的に結合するレンズマウントであり、レンズマウント106内には、レンズユニット300を画像処理装置本体100と電気的に接続する各種機能が含まれている。
14は光学像を電気信号に変換し、所望の増幅(設定されたISO感度等に伴う増幅)を行った電気信号を後述するA/D変換器16へと転送する撮像素子、12は撮像素子14への露光量を制御するシャッターである。レンズユニット300のレンズ群310に入射した光線は、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306及び106、シャッタ12を介して導かれ、光学像として撮像素子14上に結像することができる。
16は撮像素子14のアナログ信号出力をディジタル信号に変換するA/D変換器、18は撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御部22及びシステム制御部50により制御される。
20は画像処理部であり、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御部22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理、オフセット処理等を行う。また、画像処理部20においては、必要に応じて、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、システム制御部50は、得られた演算結果に基づいて、シャッタ制御部40および測距部42に対して、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理を行っている。さらに、画像処理部20は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
なお、本実施の形態においては、画像処理装置が測距部42及び測光部46を専用に備える構成としているため、測距部42及び測光部46を用いてAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行い、画像処理部20を用いたAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行わない構成としてもよい。或いは、測距部42及び測光部46を用いてAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行い、更に、上記画像処理部20を用いたAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行う構成としてもよい。
22はメモリ制御部であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理部20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。A/D変換器16のデータが、画像処理部20およびメモリ制御部22を介して、或いは直接メモリ制御部22を介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
24は画像表示メモリ、26はD/A変換器、28はTFT LCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26によりアナログ信号に変換されて、画像表示部28により表示される。この画像表示部28を用いて撮像した画像データを逐次表示すれば、電子ファインダー機能を実現することが可能である。また、画像表示部28は、システム制御部50の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合には画像処理装置本体100の電力消費を大幅に低減することができる。
30は撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連続撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。また、メモリ30はシステム制御部50の作業領域としても使用することが可能である。
32は適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長回路であり、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータを再びメモリ30に書き込む。
シャッタ制御部40は、測光部46からの測光情報に基づいて、絞り312を制御する絞り制御部340と連携しながら、シャッタ12を制御する。
測距部42はAF(オートフォーカス)処理を行うためのものであり、レンズユニット300のレンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130そして不図示の測距用サブミラーを介して、測距部42に入射させることにより、光学像として結像された画像の合焦状態を測定することができる。温度計44は、撮影環境の温度を検出することができる。温度計44が撮像素子14内にある場合は撮像素子14の暗電流をより正確に予想することが可能である。
測光部46は、AE(自動露出)処理を行うためのものであり、レンズユニット300のレンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130及び132そして不図示の測光用レンズを介して、測光部46に入射させることにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定することができる。また、測光部46は、フラッシュ48と連携することによりEF(フラッシュ調光)処理機能も有する。フラッシュ48は、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。
なお、撮像素子14によって撮像した画像データを画像処理部20によって演算した演算結果に基づき、システム制御部50がシャッタ制御部40、絞り制御部340、測距制御部342に対して制御を行う、ビデオTTL方式を用いて露出制御及びAF(オートフォーカス)制御をすることも可能である。更に、測距部42による測定結果と、撮像素子14によって撮像した画像データを画像処理部20によって演算した演算結果とを共に用いてAF(オートフォーカス)制御を行っても構わない。そして、測光部46による測定結果と、撮像素子14によって撮像した画像データを画像処理部20によって演算した演算結果とを共に用いて露出制御を行っても構わない。
50は画像処理装置本体100全体を制御するシステム制御部、52はシステム制御部50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。54はシステム制御部50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等をユーザに報知する、表示装置やスピーカー等の通知部であり、画像処理装置本体100の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数個所設置される。例えばLCDやLED、発音素子等の組み合わせにより構成されている。また、通知部54は、その一部の機能が光学ファインダー104内に設置されている。
通知部54の表示内容のうち、LCD等に表示するものとしては、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、ISO(International Organization for Standardization)感度表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタスピード表示、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200及び210の着脱状態表示、レンズユニット300の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付け・時刻表示、外部コンピュータとの接続状態を示す表示等がある。
また、通知部54の表示内容のうち、光学ファインダー104内に表示するものとしては、合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、記録媒体書き込み動作表示等がある。
更に、通知部54の表示内容のうち、LED等により表示するものとしては、例えば、合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、記録媒体書き込み動作表示、マクロ撮影設定通知表示、二次電池充電状態表示等がある。更に、通知部54の表示内容のうち、ランプ等に表示するものとしては、例えば、セルフタイマ通知ランプ等がある。このセルフタイマ通知ランプは、AF補助光と共用して用いてもよい。
56は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。この不揮発性メモリ56には、各種パラメータやISO感度、ISO感度に応じた後述するオフセット補正量(またはオフセット補正値)などの設定値、設定モードなどのデータが格納される。60、62、64、66、68、69及び70は、システム制御部50の各種の動作指示を入力するための操作手段であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
以下、操作手段について説明する。60はモードダイアルスイッチで、自動撮影モード、プログラム撮影モード、シャッタ速度優先撮影モード、絞り優先撮影モード、マニュアル撮影モード、焦点深度優先(デプス)撮影モード、ポートレート撮影モード、風景撮影モード、接写撮影モード、スポーツ撮影モード、夜景撮影モード、パノラマ撮影モード等の各機能モードを切り替え設定することができる。
62はシャッタースイッチSW1で、不図示のシャッターボタンの操作途中でONとなり、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作開始を指示する。
64はシャッタースイッチSW2で、不図示のシャッターボタンの操作完了でONとなり、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御部22を介してメモリ30に画像データを書き込む露光処理、画像処理部20やメモリ制御部22での演算を用いた現像処理、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体200或いは210に画像データを書き込む記録処理という一連の処理の動作開始を指示する。
66は再生スイッチで、撮影モード状態において、撮影した画像をメモリ30或いは記録媒体200或いは210から読み出して画像表示部28に表示する再生動作の開始を指示する。
68は単写/連写スイッチで、シャッタスイッチSW2(64)を押した場合に1コマの撮影を行って待機状態とする単写モードと、シャッタスイッチSW2(64)を押している間は連続して撮影を行い続ける連写モードとを設定することができる。
69はISO感度設定スイッチで、撮像素子14或いは画像処理部20におけるゲインの設定を変更することにより、ISO感度(撮影感度)を設定することができる。
70は各種ボタンやタッチパネル等からなる操作部で、メニューボタン、セットボタン、マクロ/非マクロ切り替えボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動−(マイナス)ボタン、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタン、パノラマモード等の撮影及び再生を実行する際に各種機能の選択及び切り替えを設定する選択/切り替えボタン、パノラマモード等の撮影及び再生を実行する際に各種機能の決定及び実行を設定する決定/実行ボタン、画像表示部28のON/OFFを設定する画像表示ON/OFFスイッチ、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定するクイックレビューON/OFFスイッチ等がある。なお、上記プラスボタン及びマイナスボタンの各機能は、回転ダイアルスイッチを備えることによって、より軽快に数値や機能を選択することが可能となる。
また、操作部70は、JPEG(Joint Photographic Expert Group)圧縮の圧縮率を選択するため、或いは撮像素子4の信号をそのままディジタル化して記録媒体に記録するCCDRAWモードを選択するためのスイッチである圧縮モードスイッチ、再生モード・マルチ画面再生・消去モード、PC(パーソナルコンピュータ)接続モード等の各機能モードを設定するための再生スイッチ、シャッタスイッチSW1(62)の押下に応じてオートフォーカス動作を開始し、一旦合焦するとその合焦状態を保ち続けるワンショットAFモードと、シャッタスイッチSW1を押している間は連続してオートフォーカス動作を続けるサーボAFモードとを設定するためのAFモード設定スイッチ等がある。
72は電源スイッチで、画像処理装置本体100の電源オン、電源オフの各モードを切り替え設定することができる。また、電源スイッチ72は、画像処理装置本体100に接続されたレンズユニット300、外部ストロボ、記録媒体200、210等の各種付属装置の電源オン、電源オフの設定も合わせて切り替え設定することができる。
80は電源制御部で、電池検出回路、DC−CDコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されており、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。
82、84はコネクタ、86はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる電源手段である。
90及び94はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェース、92及び96はメモリカードやハードディスク等の記録媒体と接続を行うコネクタ、98はコネクタ92及び或いは96に記録媒体200或いは210が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知回路である。
なお、本実施の形態では記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタを2系統持つものとして説明している。勿論、記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインターフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としてもよい。
インターフェース及びコネクタとしては、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成することが可能である。インタフェース90及び94、そしてコネクタ92及び96をPCMCIAカードやCF(登録商標)カード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、LANカードやモデムカード、USB(Universal Serial Bus)カード、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394カード、P1284カード、SCSISmall Computer System Interface)カード、PHS等の通信カード、等の各種通信カードを接続することにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことができる。
104は光学ファインダであり、レンズユニット300のレンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130及び132を介して導き、光学像として結像表示することができる。これにより、画像表示部28による電子ファインダー機能を使用すること無く、光学ファインダのみを用いて撮影を行うことが可能である。また、光学ファインダー104内には、通知部54の一部の機能、例えば、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示等が設置されている。
110は通信回路で、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信等の各種通信機能を有する。
112は通信回路110により画像処理装置本体100を他の機器と接続するコネクタ或いは無線通信の場合はアンテナである。
インタフェース120は、レンズマウント106内において、画像処理装置本体100をレンズユニット300と接続するためのインタフェースである。
コネクタ122は、画像処理装置本体100をレンズユニット300と電気的に接続する。レンズ着脱検知手段124は、レンズマウント106及び或いはコネクタ122にレンズユニット300が装着されているか否かを検知する。コネクタ122は、画像処理装置本体100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号等を伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給する機能も備えている。また、コネクタ122は、電気通信のみならず、光通信、音声通信等を伝達する構成としてもよい。ミラー130、132は、レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって光学ファインダ104に導くことができる。なお、ミラー132は、クイックリターンミラーの構成としても、ハーフミラーの構成としても、どちらでも構わない。
200および210はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体200および210は、それぞれ半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部202および212と、画像処理装置本体100とのインタフェース204および214と、画像処理装置本体100と接続を行うコネクタ206および216とを備えている。
記録媒体200及び210は、PCMCIAカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)等のメモリカード、ハードディスク等だけでなく、マイクロDAT、光磁気ディスク、CD−RやCD−WR等の光ディスク、DVD等の相変化型光ディスク等で構成されていても勿論構わない。
また、記録媒体200及び210がメモリカードとハードディスク等が一体となった複合媒体であってもよい。さらに、その複合媒体から一部が着脱可能な構成としてもよい。
(第1の実施形態)
次に、上記構成を有する本第1の実施形態に係る画像処理装置の動作を図2乃至図8を参照しながら詳細に説明する。
<画像処理装置本体100の主ルーチン>
図2及び図3は本第1の実施形態に係る画像処理装置本体100の主ルーチンのフローチャートである。
画像処理装置本体100に対する電池交換等の電源投入により、システム制御部50は、後述のフラッシュフラグ等のフラグや制御変数等を初期化し、画像処理装置本体100の各部において必要な所定の初期設定を行う(ステップS101)。次に、システム制御部50は、電源スイッチ72の設定位置を判断する(ステップS102)。
電源スイッチ72が電源OFFに設定されていたならば(ステップS102で「電源OFF」)、各表示部の表示を終了状態に変更し、フラグや制御変数等を含む必要なパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録し、電源制御部80により画像表示部28を含む画像処理装置本体100各部の不要な電源を遮断する等の所定の終了処理を行った後(ステップS103)、ステップS102に戻る。電源スイッチ72が電源ONに設定されていたならば(ステップS102で「電源ON」)、システム制御部50は、電源制御部80により、電池等により構成される電源86の残容量や動作情況が画像処理装置本体100の動作に問題があるか否かを判断する(ステップS104)。
電源86に問題があるならば(ステップS104でNO)、通知部54を用いて画像や音声により所定の警告表示出力や警告音声出力を行った後に(ステップS105)、ステップS102に戻る。電源86に問題が無いならば(ステップS104でYES)、システム制御部50は、モードダイアルスイッチ60の設定位置を判断する(ステップS106)。モードダイアルスイッチ60が撮影モードに設定されていたならば(ステップS106で「撮影モード」)、ステップS108に進む。モードダイアルスイッチ60がその他のモードに設定されていたならば(ステップS106で「その他のモード」)、システム制御部50は、選択されたモードに応じた処理を実行し(ステップS107)、処理を終えたならばステップS102に戻る。
モードダイアルスイッチ60が撮影モードに設定されていた場合、システム制御部50は、不揮発性メモリ56に記憶された各種パラメータやISO感度などの情報を読み出し(ステップS108)、画像処理装置本体100に記録媒体200或いは210が装着されているかどうかの判断、記録媒体200或いは210に記録された画像データの管理情報の取得、そして、記録媒体200或いは210の動作状態が画像処理装置本体100の動作、特に記録媒体に対する画像データの記録再生動作に問題があるか否かの判断を行う(ステップS109)。判断を行った結果、問題があるならば(ステップS109でNO)、通知部54を用いて画像や音声により所定の警告表示出力や警告音声出力を行った後に(ステップS105)、ステップS102に戻る。判断を行った結果、問題が無いならば(ステップS109でYES)、ステップS110に進む。ステップS110では、システム制御部50は、通知部54を用いて画像や音声により画像処理装置本体100の各種設定状態の表示出力や音声出力を行う。なお、画像表示部28の画像表示がONであったならば、画像表示部28も用いて画像や音声により画像処理装置本体100の各種設定状態の表示出力や音声出力を行い、図3のステップS121に進む。
ステップS121では、システム制御部50は、シャッタスイッチSW1(62)の状態を確認する。シャッタスイッチSW1(62)が押されていないならば(ステップS121で「OFF」)、ステップS102に戻る。シャッタスイッチSW1(62)が押されたならば(ステップS121で「ON」)、システム制御部50は、測距処理を行って撮影レンズ10の焦点を被写体に合わせ、測光処理を行って絞り値及びシャッタ時間を決定する測距・測光処理を行い(ステップS122)、ステップS123に進む。測光処理において、必要であればフラッシュの設定も行う。この測距・測光処理の詳細は図4を用いて後述する。
次に、システム制御部50は、シャッタスイッチSW2(64)の状態を確認する(ステップS132)。シャッタスイッチSW2(64)が押されていないならば(ステップS132で「OFF」)、システム制御部50は、シャッタスイッチSW1(62)の状態を確認し(ステップS133)、シャッタスイッチSW1(62)がオンであるならば、ステップS132に戻る。一方、シャッタスイッチSW1(62)がオフであるならば、ステップS102に戻る。シャッタスイッチSW2(64)が押されたならば(ステップS132で「ON」)、システム制御部50は、撮影した画像データを記憶可能な画像記憶バッファ領域がメモリ30にあるかどうかを判断する(ステップS134)。
メモリ30の画像記憶バッファ領域内に新たな画像データを記憶可能な領域が無いならば(ステップS134でNO)、システム制御部50は、通知部54を用いて画像や音声により所定の警告表示出力や警告音声出力を行った後に(ステップS135)、ステップS102に戻る。例えば、メモリ30の画像記憶バッファ領域内に記憶可能な最大枚数の連写撮影を行った直後で、メモリ30から読み出して記憶媒体200或いは210に書き込むべき最初の画像がまだ記録媒体200或いは210に未記録の状態であり、まだ1枚の空き領域もメモリ30の画像記憶バッファ領域上に確保できない状態である場合等が、この状態の一例である。
なお、撮影した画像データを圧縮処理してからメモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶する場合は、圧縮した後の画像データ量が圧縮モードの設定に応じて異なることを考慮して、記憶可能な領域がメモリ30の画像記憶バッファ領域上にあるかどうかを上記ステップS134において判断することになる。
メモリ30に撮影した画像データを記憶可能な画像記憶バッファ領域があるならば(ステップS134でYES)、システム制御部50は、撮像して所定時間電荷を蓄積して得た撮像信号を撮像素子14から読み出して、A/D変換器16、画像処理部20、メモリ制御部22を介して、或いはA/D変換器16から直接メモリ制御部22を介して、メモリ30の所定領域に撮影した画像データを書き込む撮影処理を実行する(ステップS136)。この撮影処理の詳細は図5及び図6を用いて後述する。撮影処理ステップS136を終えたならば、欠陥画素補正処理(キズ補正処理)ステップS139に進む。なお、欠陥画素補正に関しては本発明の主旨に関わるものではないため、詳細の説明は割愛する。
次に、システム制御部50は、メモリ30の所定領域へ書き込まれたキズ補正処理後の画像データの一部をメモリ制御部22を介して読み出して、現像処理を行うために必要なWB(ホワイトバランス)積分演算処理、OB(オプティカルブラック)積分演算処理を行い、演算結果をシステム制御部50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶する。次に、システム制御部50は、メモリ制御部22そして必要に応じて画像処理部20を用いて、メモリ30の所定領域に書き込まれたキズ補正後の撮影画像データを読み出して、システム制御部50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶した演算結果を用いて、AWB(オートホワイトバランス)処理、ガンマ変換処理、色変換処理を含む各種現像処理を行う(ステップS140)。
そして、システム制御部50は、メモリ30の所定領域に書き込まれた画像データを読み出して、設定したモードに応じた画像圧縮処理を圧縮・伸長回路32により行い(ステップS141)、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みを行う。一連の撮影の実行に伴い、システム制御部50は、メモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶した画像データを読み出して、インタフェース90或いは94、コネクタ92或いは96を介して、メモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の記録媒体200或いは210へ書き込みを行う記録処理を開始する(ステップS142)。
この記録媒体200或いは210に対する記録開始処理は、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みが新たに行われる度に、その画像データに対して実行される。なお、記録媒体200或いは210へ画像データの書き込みを行っている間、書き込み動作中であることを明示するために、通知部54において例えばLEDを点滅させる等の記録媒体書き込み動作表示を行う。
次に、システム制御部50は、シャッタスイッチSW1(62)の状態を確認し(ステップS143)、シャッタスイッチSW1(62)が押されている間は、シャッタスイッチSW1(62)が離されるのを待ち、シャッタスイッチSW1(62)が押されていない場合には、ステップS102へ戻る。
<測距・測光処理>
図4は図3のステップS122における測距・測光処理の詳細な動作を示すフローチャートである。なお、測距・測光処理においては、画像処理装置本体100のシステム制御部50とレンズユニット300の絞り制御部340或いは測距制御部342との間の各種信号の通信は、インタフェース120、コネクタ122、コネクタ322、インタフェース320、レンズ制御部350を介して行われる。システム制御部50は、撮像素子14、測距部42及び測距制御部342を用いて、AF(オートフォーカス)処理を開始する(ステップS201)。
次に、システム制御部50は、レンズユニット300の撮影レンズ群310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、及び画像処理装置本体100のレンズマウント106、ミラー130、不図示の測距用サブミラーを介して、測距部42に入射させることにより、光学像として結像された画像の合焦状態を判断し、合焦と判断されるまで(ステップS203で「YES」となるまで)、レンズユニット300の測距制御部342を用いてレンズ310を駆動しながら、画像処理装置本体100の測距部42を用いて合焦状態を検出するAF制御を実行する(ステップS202)。合焦と判断したならば(ステップS203でYES)、システム制御部50は、ステップS204において撮影画面内の複数の測距点の中から合焦した測距点を決定し、決定した測距点データと共に測距データ及び、または設定パラメータをシステム制御部50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶し、ステップS205に進む。
続いて、システム制御部50は、測光部46を用いて、AE(自動露出)処理を開始する(ステップS205)。システム制御部50は、レンズユニット300のレンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、及び画像処理装置本体100のレンズマウント106、ミラー130及び132そして不図示の測光用レンズを介して、測光部46に入射させることにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定し、ISO感度スイッチ69にて事前に設定され、ステップS108にて読み出したISO感度において、露出(AE)が適正と判断されるまで(ステップS207で「YES」となるまで)、レンズユニット300の絞り制御部340にを用いて絞り312を調整しながら、画像処理装置本体100の測光部46を用いて測光処理を行う(ステップS206)。露出(AE)が適正と判断したならば(ステップS207でYES)、システム制御部50は、測光データ及び、または設定パラメータをシステム制御部50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶し、ステップS208に進む。
なお、ステップS206の測光処理で検出した露出(AE)結果と、モードダイアルスイッチ60によって設定された撮影モードと、ISO感度スイッチ69によって設定されたISO感度とに応じて、システム制御部50は、絞り値(Av値)、シャッタ速度(Tv値)を決定する。そして、ここで決定したシャッタ速度(Tv値)に応じて、システム制御部50は、撮像素子14の電荷蓄積時間を決定し、等しい電荷蓄積時間で撮影処理を行う。
ステップS208では、ステップS206の測光処理で得られた測定データにより、システム制御部50は、フラッシュが必要か否かを判断する。フラッシュが必要ならば、フラッシュフラグをセットし、フラッシュ48の充電が完了するまで(ステップS210)、フラッシュ48を充電する(ステップS209)。フラッシュ48の充電が完了したならば(ステップS210でYES)、測距・測光処理ルーチンを終了する。
<撮影処理>
図5及び図6は、図3のステップS136における撮影処理の詳細な動作を示すフローチャートである。なお、撮影処理においては、測距・測光処理時と同様に、画像処理装置本体100のシステム制御部50とレンズユニット300の絞り制御部340或いは測距制御部342との間の各種信号の通信は、インタフェース120、コネクタ122、コネクタ322、インタフェース320、レンズ制御部350を介して行われる。システム制御部50は、ミラー130を不図示のミラー駆動手段によってミラーアップ位置に移動すると共に(ステップS301)、システム制御部50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶される測光データに従い、絞り制御部340によって絞り312を所定の絞り値まで駆動する(ステップS302)。
次に、システム制御部50は、撮像素子14の電荷クリア動作を行った後に(ステップS303)、撮像素子14の電荷蓄積を開始した後(ステップS304)、シャッタ制御部40によってシャッタ12を開き(ステップS305)、撮像素子14の露光を開始する(ステップS306)。ここで、システム制御部50は、フラッシュフラグによりフラッシュ48が必要か否かを判断し(ステップS307)、フラッシュ48が必要な場合はフラッシュ48を発光させてから(ステップS308)、必要が無い場合にはフラッシュ48を発光させずにそのまま図6のステップS309に進む。
次に、システム制御部50は、測光データに従って撮像素子14の露光終了を待ち(ステップS309)、シャッタ制御部40によってシャッタ12を閉じ(ステップS310)、撮像素子14の露光を終了する。
次に、システム制御部50は、レンズユニット300の絞り制御部340によって絞り312を開放の絞り値まで駆動すると共に(ステップS311)、ミラー130を不図示のミラー駆動手段によってミラーダウン位置に移動する(ステップS312)。設定した電荷蓄積時間が経過したならば(ステップS313でYES)、システム制御部50は、撮像素子14の電荷蓄積を終了した後(ステップS314)、撮像信号読み出し処理(ステップS315)に進む。ステップS315で行われる撮像信号読み出し処理の詳細は図7を用いて後述する。
一連の処理を終えたならば、撮影処理ルーチンを終了する。
<撮像信号読み出し処理>
図7は図6のステップS315における撮像信号読み出し処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
システム制御部50は、撮影処理時に設定されたISO感度を確認し(ステップS501)、メモリ56に予め記憶されているISO感度に対応したオフセット補正量のうち、確認されたISO感度に対応したオフセット補正量を画像処理部20に設定する(ステップS502)。なお、予め記憶されているISO感度に対応したオフセット補正量には、 ISO感度毎に電荷の不完全転送分に応じたオフセット量が設定されている。続いて、ステップS503において図6のステップS314で撮像素子14に蓄積した電荷を読み出し、A/D変換器16を介してディジタルデータ化し(ステップS504)、画像処理部20によりステップS502で設定したオフセット補正量を加算し(ステップS505)、メモリ制御部22を介して、メモリ30の所定領域への撮影画像データを書き込み(ステップS506)、撮像信号読み出し処理ルーチンを終了する。
図8A〜図8Cは、上述した図13A〜図13Cの色比となる撮像装置に対し、本発明の第1の実施形態のオフセット補正を加えた場合の低輝度リニアリティーの色比を示した一例である。図8A〜図8Cは、図13A〜図13Cと同様に適正露出(グラフのX軸:0)の緑(G)画素を基準とした赤(R)画素および青(B)画素の比率を1とした場合に、露出が変化した際の比率を表している。
図8AはISO100時を示し、ISO100(1倍)時の電荷の不完全転送分に伴った(例えば、不完全転送分の電荷が撮像素子14内の後段の増幅部を介してA/D変換された場合の値に相当する)オフセット補正量α1を加えたものである。未補正時(図13A)に比べ、低露出側(−2段乃至―3段)でR/G、B/Gはややプラス方向に変化しているが、ほぼ1を示しており、大きな影響はない。
図8BはISO800時を示し、ISO800(8倍)時の電荷の不完全転送分に伴ったオフセット補正量α8を加えたものである。未補正時(図13B)に−8%だった低露出側(―3段)でのR/Gの値が、−2%程度の差に落ち着いている。
図8CはISO1600時を示し、ISO1600(16倍)時の電荷の不完全転送分に伴ったオフセット補正量α16を加えたものである。未補正時(図13C)に−10%を超えていた低露出側(―3段)でのR/Gの値が、−2%程度の差に落ち着いている。
なお、本発明の第1の実施形態においては、オフセット補正量はα1<α8<α16となっている。また、ここで説明していない中間のISO感度でのオフセット補正量の設定は各々の感度(不完全転送電荷の増幅度)に伴った値となっている。
このように、本発明の第1の実施形態によれば、不完全転送による色再現性の悪化、特に高感度での色再現性の悪化を防ぐことができる。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、ISO感度毎にオフセット補正量のデータを不揮発性メモリ56に記憶しているため、相当のメモリ容量が必要である。
また、上記第1の実施形態は、すべてのISOについてオフセット補正を行うシーケンスであるため、色比の変化の少ない低感度(例えばISO100)時等においても実際の取得画像(実測電荷)に対して補正を加えてしまうという問題がある。
本発明の第2の実施形態では、上記問題を鑑み、撮影感度が所定より低い場合では補正を行わず、また、オフセット補正を行う場合でも、所定の基準撮影感度(例えばISO1600)に対してオフセット量を設定し、他の撮影感度が設定された場合は、該基準撮影感度との感度差の比率によってオフセット量を変更する。
なお、本実施例の構成および動作シーケンスについては、既に説明済みの本発明の第1の実施形態の図1乃至図6と同様であるため、説明を割愛する。
<撮像信号読み出し処理>
図9は第1の実施形態で説明済みの図6のステップS315で行われる、本第2の実施形態において行われる撮影処理の詳細な動作を示すフローチャートであり、図7に替えて実行される。
システム制御部50は、撮影処理時に設定されたISO感度(以下、「設定感度」と呼ぶ。)Xを確認し(ステップS601)、予め記憶されている所定のISO感度(以下、「所定感度」と呼ぶ。)Y(例えばISO800)より高い感度か低い感度かを判定し(ステップS602)、所定感度Yより低ければオフセット補正量を「0」に設定する(ステップS603)。設定感度Xが所定感度Yより高ければ、基準撮影感度β(例えばISO1600)であるか否かを判定し(ステップS604)、基準感度βが設定されていればオフセット補正量αを設定する(ステップS605)。基準感度βが設定されていなければオフセット補正量としてX÷β×αを設定する(ステップS606)。すなわち、所定感度Yよりも低い感度なら補正値「0」、基準感度βなら予め設定されているオフセット量αを補正値とし、基準感度βでない場合、設定感度Xと基準感度βの比率を基準オフセット補正量αにかけた値を補正値とする。
例えば、設定感度XがISO800、基準感度βがISO1600、基準感度設定時のオフセット量αが2LSBならば、ISO800÷ISO1600×2LSB=1LSBが補正量となる。また、所定感度YがISO800で、設定感度XがISO400ならオフセット補正量が0(=補正なし)となる。
続いて、ステップS607において図6のステップS314で撮像素子14に蓄積した電荷を読み出し、A/D変換器16を介してディジタルデータ化し(ステップS608)、画像処理部20によりステップS603、S605又はS606で設定したオフセット補正量を加算し(ステップS609)、メモリ制御部22を介して、メモリ30の所定領域への撮影画像データを書き込み(ステップS610)、撮像信号読み出し処理ルーチン)を終了する。
上記本発明の第2の実施形態では、オフセット補正を行わなくても、色比として問題のない低感度(例えばISO100)においては、オフセット処理を行わいため、図13Aに示すような色比結果になり、色比として差が出てくる高感度(例えばISO800,ISO1600)では、オフセット処理を行うことで図8B又は図8Cのように色比が改善され、画質向上につながる。
このように、本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に不完全転送による色再現性の悪化、特に高感度での色再現性の悪化を防ぐことができると共に、オフセット補正量を保持するメモリを節約することができる。
なお、本第2の実施形態では所定感度以上が設定されている場合、必ず設定感度と基準感度の比でオフセット補正量を決定しているが、本発明はそれに限定されるものではなく、例えば、感度分の増幅をかけるために、構成上、複数箇所に増幅部を備えている場合で、第1の増幅部(例えば撮像素子内部の増幅部)での感度増幅の変化に対してのみ比率を変化させ、第2の増幅部(例えば撮像素子外の後段増幅部)での感度増幅に対しては比率変化させない等、部分適用を行うことも本発明の主旨を逸脱するものではない。
<他の実施形態>
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェイス機器、カメラヘッドなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ装置など)に適用してもよい。
複数の機器から構成する場合、撮像素子を含むカメラヘッド側でオフセット補正量のデータを保持しておき、ホストコンピュータとの接続時にホストコンピュータに当該データを渡すようにしても、ホストコンピュータ側で複数のオフセット補正量のデータを保持しておき、接続された撮像素子に応じたデータを用いるようにしても良い。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。ここでプログラムコードを記憶する記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、CD−ROM、CD−R、DVD、光ディスク、光磁気ディスク、MOなどが考えられる。また、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)やWAN(ワイド・エリア・ネットワーク)などのコンピュータネットワークを、プログラムコードを供給するために用いることができる。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した図7又は図9に示すフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。