JP4678157B2 - アルミニウム製蓋 - Google Patents

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Description

本発明は、特定形状を有するアルミニウム製蓋に関し、より詳細には特定の水性塗料から成る塗膜を有するアルミニウム板を用いた耐圧性能及び耐食性に顕著に優れたアルミニウム製蓋に関する。
炭酸飲料、ビール等の自生圧力を有する内容物の缶詰や、内容物充填時に液体窒素を滴下した所謂窒素充填缶詰に対する缶蓋では、バックリング耐性を一定値以上に確保することが望まれる一方、材料コストの低減及び空き缶重量の軽減の要求から、蓋の板厚を可及的に薄くすることが行われている。
アルミニウムは、蓋材として加工性や風味保持性に優れているが、鋼材に比して強度に劣るため、板厚を薄くすると、蓋の耐圧性能、耐バックリング性能が低下するという問題があった。
このような問題を解決するために本出願人により、蓋に成形するアルミニウム板として、Mgが2.0〜6.0重量%、Mnが0.05〜1.0重量%、Crが0.02〜0.40重量%、Cuが0.02〜0.20重量%、Siが0.5重量%以下、Feが0.5重量%以下、Znが0.5重量%以下及び残部がAlと不可避不純物からなるアルミニウム合金を基体とし且つ被覆後の曲げ伸ばし引っ張り強度が5N/mm以上の被覆アルミニウム板を選択すると共に、強化環状溝のラジアス部の中央パネルからの深さ(H)が1.5乃至4.5mm及びラジアス部の曲率半径(R)が0.20乃至1.00mmの範囲となる形状に成形された高内圧時の破壊耐性に優れたアルミニウム製蓋が提案されている(特許文献1)。
上記アルミニウム製蓋は、アルミニウム合金基体に施す有機樹脂被覆として、エポキシ−フェノール系塗料やエポキシ−アミノ系塗料、ビニル塗料、ビニル−エポキシ−フェノール系塗料等の溶剤系塗料が用いられている。
しかしながら、上述したような有機溶剤を含有する塗料は、作業環境の悪化や大気汚染等の問題を有するため、水性塗料に変更されることが望まれているが、水性塗料による有機被覆を施したアルミニウム製蓋では満足する耐食性を発現することができなかった。すなわち、上述したような形状を有する缶蓋においては、自生圧力を有する内容物を充填した場合に、最も板厚の薄いセンターパネルラジアス部でクラックが発生してしまうという問題があった。
缶用素材に用いる水性塗料も種々提案されており、例えば、水性塗料ベース(A)の固形分100重量部に、(a)2−エチルヘキシルアクリレート及び/または2−エチルヘキシルメタクリレート:50重量%以上、(b)カルボキシル基を有する不飽和単量体:5〜30重量%、(c)(a)及び(b)と共重合可能なその他の不飽和単量体:45重量%からなる不飽和単量体を重合してなる共重合体(B)0.001〜0.5重量部をアミンで中和して水溶化せしめてなるものを配合したことを特徴とする水性塗料組成物が提案されている(特許文献2)。
特許第2739807号公報 特許第3175543号公報
しかしながら上記水性樹脂組成物から成る樹脂被覆を形成した場合には、ある程度の耐食性は得られるとしても、缶蓋として満足する開口性を得ることができず、未だ充分満足し得るものではなかった。すなわち、後述する比較例5の結果から明らかなように、この水性樹脂組成物からなる樹脂被覆を有する缶蓋は、本発明の蓋に比して、金属露出量が多少劣っていると共に、開口時にフェザリングが生じ、開口性の点において顕著に劣っている。
従って本発明の目的は、水性塗料から成る樹脂被膜を有すると共に、耐食性、開口性、成形性に優れ、高内圧時の破壊耐性にも優れたアルミニウム製蓋を提供することである。
本発明によれば、 塗装アルミニウム板を、中央パネルとその周縁の強化環状溝とから成り、強化環状溝のラジアス部の中央パネルからの深さ(H)が1.5乃至4.5mmの範囲及びラジアス部の曲率半径(R)が0.20乃至1.00mmの範囲に成形して成り、前記中央パネルのラジアス部の外周にコイニング加工が施されて成る陽圧缶用アルミニウム製蓋であって、前記塗装アルミニウム板の塗膜が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂から成り、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の重量比が95:5乃至75:25である共重合エポキシ樹脂、及び5乃至30重量%の量でエチルアクリレートを含有するエチルアクリレート含有アクリル樹脂から成り、前記エポキシ樹脂とアクリル樹脂の重量比が80:20乃至90:10であるエポキシアクリル系水性塗料を90乃至160mg/dmの塗膜量で形成した塗膜から成り、且つ被覆後の0℃氷水中での折り曲げ加工後の折り曲げ部の金属露出が0.50mA以下であり、前記塗膜表面の動摩擦係数が0.03乃至0.10であることを特徴とする陽圧缶用アルミニウム製蓋が提供される。
本発明においては、優れた耐圧性能を有すると共に、特定の形状を採用することに起因する耐食性の低下を有効に防止することができ、またフェザリングの発生が防止されて開口性にも優れたアルミニウム製蓋を提供することができる。
また本発明においては、溶剤系の塗料を使用していないため、作業環境の悪化等の問題がないという利点もある。
更に本発明においては、用いる塗装アルミニウム板の0℃氷水中での折り曲げ加工後の折り曲げ部の金属露出が0.50mA以下であることにより、内容物充填後に繰り返し変形に付された場合にも優れた耐食性を維持できるものであることが端的に表されるという利点をも有している。
本発明のアルミニウム製蓋においては、(1)その形状が、中央パネルとその周縁の強化環状溝とから成り、強化環状溝のラジアス部の中央パネルからの深さ(H)が1.5乃至4.5mmの範囲及びラジアス部の曲率半径(R)が0.20乃至1.00mmの範囲に成形して成る特定形状を有すること、(2)塗装アルミニウム板の塗膜が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂の共重合エポキシ樹脂、及び5乃至30重量%の量でエチルアクリレートを含有するエチルアクリレート含有アクリル樹脂から成るエポキシアクリル系水性塗料を90乃至160mg/dmの塗膜量で形成した塗膜から成ること、(3)塗装アルミニウム板の0℃氷水中での折り曲げ加工後の折り曲げ部の金属露出が0.50mA以下であること、が重要な特徴である。
本発明の第一の特徴であるアルミニウム製蓋の形状は、薄肉化されたアルミニウム材料のバックリング耐性を向上させるために採用された形状であり、図1及び図2にその一例(イージーオープン蓋)を示す。
この蓋1は中央パネル部2、強化環状溝3及び最外周の巻締部4から成っている。中央パネル部2には、スコア5で囲まれた開口予定部6が有り、また開封用タブ7がリベット8を介して固着されている。開封用タブ7は把持用リング9と押込用先端10と、リベット固定用舌片11を備えており、押込用先端10が開口予定部6と重なるように取り付けてある。強化環状溝3は、中央パネル部2から中央パネルラジアス部12を介して、内壁部13、ラジアス部14及び外壁部(チャックウォール)15からなっており、この外壁部15はシーミングパネル部16及びカール部17に接続されている。シーミングパネル部16及びカール部17の裏側は溝18になっており、この溝18には、密封用組成物(図示せず)がライニングされ、缶胴フランジ(図示せず)との間に二重巻締による密封が行なわれることになる。
本発明においては、上述した中央パネル部2から強化環状溝3のラジアス部14に至る深さ(H)を1.5乃至4.5mm、特に1.8乃至4.0mm、最も好適には2.0乃至3.5mmと比較的大きい範囲にすると共に、ラジアス部の曲率半径(R)を0.20乃至1.00mmm、特に0.20乃至0.90mm、最も好適には0.20乃至0.70mmの比較的小さい範囲にすることにより、0.15乃至0.40mm、特に0.20乃至0.30mmに薄肉化されたアルミニウム板を用いた場合にも7.0kgf/cm以上のバックリング耐性が得られるのである。
上述した特定の形状を有するアルミニウム製蓋においては、中央パネルラジアス部12でクラックが発生していたことから、この原因について鋭意研究した結果、中央パネルラジアス部12の外周が蓋への成形加工の際、コイニング加工により最も板厚が薄くなる箇所であり、図3に示すように、中央パネルラジアス部(CPR部)が内圧の変化などによる変形の起点となり、塗膜が繰り返しの変形によりダメージを受けるためクラックが発生していたことを見出すと共に、このような特定の形状を有するアルミニウム製蓋に固有の現象である繰り返し変形によるダメージにも耐え得る塗膜を形成可能な水性塗料として上記特定の水性塗料を見出したのである。
また本発明のアルミニウム製蓋においては、上述した水性塗料から成る塗膜が形成されていることにより、優れた開口性をも兼ね備えることが可能となり、開口予定部を区画するスコアが破断される際にカットエッジに有機被膜が残るフェザリング現象が有効に防止されるのである。
本発明のアルミニウム製蓋において、上述した特定の水性塗料を用いることにより、上述した耐食性、特に中央パネルラジアス部が繰り返し変形された場合にもクラックの発生が有効に防止されると共に、フェザリングの発生のない優れた開口性が発現されることは後述する実施例の結果からも明らかである。
すなわち、用いるエポキシアクリル系水性塗料として、エチルアクリレートの含有量が上記範囲よりも少ないアクリル樹脂を用いた場合や塗膜量が上記範囲よりも少ない場合には、中央パネルラジアス部で腐食を生じ(比較例1,3,5,7)、一方エチルアクリレートの含有量が上記範囲よりも多いアクリル樹脂を用いた場合やビスフェノールFを含有しないエポキシ樹脂を用いた場合、或いは塗膜量が上記範囲よりも多い場合には、開口性に劣りフェザリングが発生しているのに対して(比較例2,4,5,6,8)、本発明のアルミニウム製蓋においては、比較例よりも高いレベルで、優れた耐食性及び開口性を有しているのである。
本発明の特定形状を有するアルミニウム缶蓋においては、耐圧強度を向上させ、過度のドーミングを防止するために、中央パネルラジアス部外周にコイニング加工が施されている。このため、前述したように、中央パネルラジアス部の板厚が最も薄い部分が内圧による蓋変形の起点となって変形が繰り返されることにより、塗膜にクラックが発生し耐食性が損なわれていると考えられる。
本発明のアルミニウム缶蓋においては、このような変形が繰り返された場合にも塗膜表面にクラックが発生しない基準として、0℃氷水中での折り曲げ加工後の折り曲げ部の金属露出が0.50mA以下であることが重要である。
すなわち、0℃氷水中での折り曲げ加工後の折り曲げ部の金属露出が0.50mA以下であるアルミニウム板は、実際に上述した特定形状のアルミニウム製蓋を作成し内容物充填後当該蓋を適用した缶を成形する、実缶試験を行った場合においても中央パネルラジアス部にクラックの発生がなく、両者の間に相関関係があることを見出したのである。これにより、実際に製蓋して実缶試験を行うことなく、塗装アルミニウム板の状態で、優れた耐食性を有するアルミニウム製蓋を判別することが可能となるのである。
このことは後述する実施例の結果からも明らかである。すなわち、比較例をも含めて0℃氷水中での折り曲げ加工後の折り曲げ部の金属露出が0.50mA以下である場合には、中央パネルラジアス部に実用上問題となる腐食が生じていないのに対し(実施例1〜14及び比較例2,4,6,8,9)、0℃氷水中での折り曲げ加工後の折り曲げ部の金属露出が0.50mAよりも大きい場合には、腐食の程度が顕著に大きいことからも明らかである(比較例1,3,5,7)。
本発明のアルミニウム製蓋においては、塗膜表面の動摩擦係数が0.03乃至0.10であることが特に好適であり、これにより蓋を成形する際に蓋が工具から容易に離脱可能であると共にライン上で滑り性がよいため、生産性に優れているという利点をも発現することが可能となる。
(アルミニウム板)
本発明に用いるアルミニウム板としては、純アルミニウム或いはアルミニウム合金から成るアルミニウム板を使用することができるが、好適には、前述した特許2739807号で規定された、Mgが2.0〜6.0重量%、Mnが0.05〜1.0重量%、Crが0.02〜0.40重量%、Cuが0.02〜0.20重量%、Siが0.5重量%以下、Feが0.5重量%以下、Znが0.5重量%以下及び残部がAlと不可避不純物からなるアルミニウム合金からなるものを使用することが望ましい。
アルミニウム板の厚みは0.15乃至0.40mm、特に0.20乃至0.30mmの厚みのものを使用することが望ましく、上記範囲よりも厚い場合には、材料コスト的に不利であると共に、空き缶重量の軽減という要求を満たすことが困難となる。また上記範囲よりも薄い場合には、耐圧性や蓋の変形の点で不満足となる。またその引っ張り強度は330N/mm以上、耐力(永久伸び0.2%の時の強度)は260N/mm以上であることが、厚みを小さくしながら、耐圧力を大きくする点で好ましい。
(エポキシアクリル系水性塗料)
本発明において、アルミニウム板に塗装する水性塗料としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂から成る共重合エポキシ樹脂、及び5乃至30重量%の量でエチルアクリレートを含有するエチルアクリレート含有アクリル樹脂から成るエポキシアクリル系水性塗料であることが重要である。
このエポキシアクリル水性塗料においては、エポキシ樹脂とアクリル樹脂の重量比が80:20乃至90:10の範囲にあることが塗膜の密着性の点から好ましく、また共重合エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の重量比が95:5乃至75:25の範囲にあることが加工性や開口性の点から好ましい。
上記エポキシアクリル系水性塗料は、エポキシ樹脂成分としてビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂から成る共重合エポキシ樹脂を用いること、及びカルボキシル基含有アクリル樹脂成分として5乃至30重量%の量でエチルアクリレートを含有するエチルアクリレート含有アクリル樹脂を用いる以外は、従来公知の水性塗料の調製方法により調製することができる。
すなわち、エチルアクリレート含有アクリル樹脂中のカルボキシル基とビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂中のエポキシ基とを、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン等のエステル化触媒の存在下に部分的にエステル化させ、エポキシ樹脂中にカルボキシル基を導入し、かかるカルボキシル基をジメチルメタノールアミン等の塩基で中和することによってエポキシ樹脂を水性化して塗料ベースにすることができる。
かかる塗料ベースを、水、或いはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルキルアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のグリコールエーテルエステル類や、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等の親水性有機溶剤と水との混合物から成る水性媒体と組み合わせで水性塗料を調製することができる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂は、ビスフェノールA、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとをアルカリ触媒の存在下に縮合させて得られるものであるが、更に上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂のエポキシ基又は水酸基に脱水ヒマシ油脂肪酸等の植物油脂脂肪酸若しくはビスフェノールA等の変性剤を反応させた変性エポキシ樹脂やフェノキシ樹脂等も使用することができる。
共重合エポキシ樹脂は、3,000〜10,000のエポキシ当量を有することが好ましい。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸、或いはマレイン酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノn−ブチル等の各種のエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル類を重合して成るものであり、本発明においては特に、共重合成分としてエチルアクリレートを5乃至30重量%、特に15乃至25重量%の量で含有していることが重要である。
本発明に用いるエポキシアクリル系水性塗料には、従来公知の界面活性剤、滑剤、防錆剤、顔料、充填剤等の添加剤を従来公知の処方に従って添加することができる。
(塗装アルミニウム板の作成)
本発明のアルミニウム製蓋においては、前述したアルミニウム基板の少なくとも缶内面側となる面に上述したエポキシアクリル系水性塗料から成る塗膜を形成した塗装アルミニウム板を用いるが、塗膜の形成の際、前述したように塗膜量が90乃至160mg/dm2の範囲にあることが重要である。
エポキシアクリル系水性塗料のアルミニウム基板への塗装方法としては、特に制限はなく、従来公知の塗装方法、例えば、スプレー塗装、ロールコーター塗装、浸漬塗装、電着塗装等の何れの方法によっても塗装することができる。また塗膜の焼付条件としては、一般的には150〜300℃の温度で10秒〜15分間焼き付けることが望ましい。
(蓋形状)
本発明のアルミニウム製蓋は、前述した蓋素材を使用し、且つ強化環状溝の寸法を前記の範囲とする点を除けば、それ自体公知の成形法で成形することができる。すなわち、塗装アルミニウム板或いはコイルを所定の形状及び寸法に打ち抜き、次いで或いは同時にプレス型で蓋の形に成形することができる。
図1及び図2に示したステイオンタブタイプのイージーオープン蓋について説明すると、プレス型により蓋の形に成形された蓋材の密封用溝へのコンパウンドのライニング及び乾燥によるライニング工程を経て、スコア刻設工程で蓋の外面側から金属素材の途中に達するようにスコアの刻設を行い、次いでリベットの形成、リベットにタブを取付けた後、リベットを鋲打ちすることによるタブ取り付けを行うことによりイージーオープン蓋が作成される。
図1及び図2に示したアルミニウム製蓋の具体例は所謂パーシャルオープンタイプのイージーオープン蓋であるが、勿論、プルオープンタイプのイージーオープン蓋にも適用可能である。
(用途)
本発明のアルミニウム製蓋は、耐圧性能、耐食性、開口性に顕著に優れていることから、高炭酸飲料、ビール、チューハイ等のアルコール飲料等を内容物とする陽圧缶に有効に用いることができる。
本発明を次の実施例,比較例で更に説明する。
(実施例1)
(塗料C-1の調製)
<エポキシ樹脂溶液の調製>
窒素気流下において、混合溶剤(n−ブタノール、ブチルセロソルブ)に、表1の配合例で示したビスフェノールA型高分子量エポキシ樹脂(ZX1449-8もしくはEpikote1010)及びビスフェノールF型高分子量エポキシ樹脂(Epikote4010P)を溶解させて固形分62.5%のエポキシ樹脂溶液E-1乃至E-6を得た。
Figure 0004678157
<レゾール樹脂溶液の調製>
窒素気流下において、ビスフェノールA 132部、p-クレゾール 33部及び37%ホルマリン 88部を4つ口フラスコ中で80℃30分加熱撹拌して溶解させた。ついで、発熱に注意しながら、25%アンモニア水10部を30分で滴下した後、80℃を維持したまま3時間の反応を行った。反応終了後、酢酸ブチル118部とn−ブタノール118部を加え、撹拌し樹脂分を溶解させ、温度を90〜110℃で加熱還流させながら3時間で脱水し、不揮発分40.5重量%、重量平均分子量1500のレゾール樹脂溶液を得た。
<アクリル変性エポキシ樹脂水性分散体の調製>
E−1の62.5%共重合エポキシ樹脂溶液136部を窒素気流下、撹拌しながら120℃に加温した。これに表2に示した、A-1の組成となる混合溶液37部と75%過酸化ベンゾイル0.7部及びブチルカルビトール5部を60分かけて滴下した。
滴下終了後、更に120℃にて混合溶液を撹拌し、反応を継続した。その後、前記のレゾール樹脂溶液を4部加え、均一に溶解した後、ジメチルエタノールアミン5部を添加した。
アミン添加後加熱を停止して、5分間で110℃まで温度を下げて、ついで、蒸留水100部を60℃以下になるように撹拌しながら滴下し、更に蒸留水75部を添加し、不揮発分が28.0重量%となるアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体1(塗料C-1)を得た。
Figure 0004678157
(塗装アルミニウム板の製造)
板厚0.26mmのアルミニウム5182材のコイルに塗料C-1を内面側となる面には固形分として130mg/dmの塗布量となるように,外面側となる面には固形分として30乃至50mg/dm2の塗布量となるようにコイルコート後、アルミ基材のピーク温度が240〜270℃で全加熱時間が20〜30秒となるようにガスオーブンで塗膜を焼付け、塗装アルミニウムコイルを得た。
(塗装板での評価)
得られた塗装アルミニウムコイルから塗装アルミニウム板サンプルを切出し、下記評価を実施した。
(1) 折り曲げ後の金属露出評価
前記塗装アルミニウム板から圧延方向に長さ30mm、圧延と直角方向に長さ30mmの正方形の試験片を切出し、0℃以下の氷水中に10分間浸漬後、水中にて圧延と平行に先端の直径が2mmになるようにプリベンド治具(図4参照)を用い、180度折り曲げた。その後、曲げた試片を氷水中に30秒浸漬後、金属露出評価を実施した。
1%の食塩水を電解液として、測定試片を陰極、対極にステンレス板を用い、この間に6.3ボルトの電圧をかけ、5秒後に流れている電流値で金属露出程度を評価した。尚、対極のステンレスは15mmφ×厚さ2mmのものを使用し、電流値の測定は、電解液を浸透させた写真用スポンジ(厚さ9mm×幅20mm×長さ20mm)を測定試片と対極の間にセットし、スポンジに測定試片を電解液でカットエッジが通電しないように押付け、測定を実施した。
測定した電流値が0〜0.5mAであれば、製品化は可能であるが、電流値が0.51mA以上になると、内容物充填後、蓋のCPR部に腐食が発生し、Al溶存量が高くなり、製品化には問題となる。
(2) 動摩擦係数の測定
前記塗装アルミニウムコイルから幅180mm×長さ240mmの試験片を切出し、スリップテスター測定器(今回はテスター産業株式会社製スリップテスター使用)にて三点支持法(荷重1kg)で測定を実施した。
3点で接触する治具は各々先端形状が半径5/16インチの球面を持ち、材質はSKD11,炭化チタン処理で表面仕上げは0.4Sのものを用いた。
測定した動摩擦係数が0.03〜0.10の範囲であれば、製品化は可能であるが、測定値が0.03〜0.10範囲外の場合は成形工具とのシェル離れ不良、製蓋ラインでの搬送トラブルに起因するラインストップの増加,内面塗料の耐疵付き性低下等により製品化には問題となる。
(蓋の成形)
前記塗装アルミニウムコイルを使用し、シェル(開封用タブ取付け前の蓋をシェルと呼ぶ)成形機にて、強化環状溝のラジアス部の中央パネルからの深さ(H)が2.5mm、及びラジアス部の曲率半径(R)が0.50mmである206径のシェルを成形した。これに蓋外面側からスコア加工(スコア残存厚み95μm),リベット加工及び開封用タブの取付けを行い、イージーオープン蓋(SOT蓋と呼ぶ)を作製した。
(シェル成形時の不具合評価)
シェル成形機で発生する不具合要因として、成形工具からのシェル離れ不良,シェル搬送レールでのシェルすべり不良等に起因するライン停止がある。このラインストップが30分間で何回発生したかを数えた。
蓋製造時に材料に起因するラインストップが2回未満/30minであれば、製品化は可能であるが、2回以上/30minではラインでの不動時間も多くなり、製品化には問題となる。ライン停止が多発した材料については30分実施せずに途中で中止した。
(蓋での評価)
前記の方法で得られた塗装アルミニウム蓋について、下記評価を実施した。
(1) フェザリング(膜残り幅)評価
内容物コカコーラを350g TULC缶(東洋製罐(株)製ポリエステルフィルムラミネートスチール缶)にガスボリューム3.75の条件で充填後、室温(約25℃)に24時間経時後、手で開口し、蓋開口部の膜残り幅(高さ方向)をスケールで測定した。測定はn=20枚実施した。フェザリングが高さ2mm未満であれば製品化は可能であるが、高さ2mm以上では開口性能にも影響を及ぼし、製品化には問題がある。
(2) 蓋内面金属露出評価
1%食塩水を電解液として蓋内面を陽極、対極にステンレス板を用い、この間に6.3ボルトの電圧をかけ、4秒後に流れている電流値で金属露出の程度を評価した。測定はn=24枚実施した。
電流値が2.0mA未満であれば、製品化は可能であるが、電流値が2.0mA以上では、特にスコア,リベット起因の場合は穿孔の可能性,その他の部位では、Al溶存量が高くなり、製品化には問題となる。
(3) 耐食性評価
内容物コカコーラを350gTULC缶(スチール缶)にガスボリューム3.75,内容量345gの条件でコールドパック(液温10℃,缶内エアー量2ml以下にする)後、ウォーマー処理(40℃-10分)を実施した。得られたサンプルを37℃の恒温室に6ヶ月間倒立(蓋を下側にして保管)経時後、開缶し蓋内面を観察した。観察は実体顕微鏡及び金属顕微鏡を用いて行い、蓋内面の腐食点,穿孔部有無を評価した。(各n=10枚)
センターパネルラジアス(CPR)部の腐食に関しては、腐食程度はCPR部蓋1枚あたりの円周方向長さを1、腐食部長さをCとすると以下の方法で算出した。
腐食(%)=[(c1/1)+(c2/1)+(c3/1)+(c4/1)+…+(c10/1)]×100
腐食程度が100%未満であれば、製品化は可能であるが、100%以上ではAl溶存量が高くなり、製品化には問題となる。
(4) アルミ溶存量評価
内容物コカコーラを350gTULC缶(スチール缶)にガスボリューム3.75の条件で充填、37℃の恒温室に6ヶ月間経時後、開缶し、内容物コカコーラを原子吸光光度計で測定した。
測定はn=3枚実施した。
溶存量についてはこれまでの知見から2.0ppm未満では製品化は可能であるが、2.0ppm以上では製品化は不可とした。
結果を表3に示す。
十分な性能(成形性,耐圧及び耐食性)を保持した塗装アルミニウム板及びSOT蓋が得られた。
(実施例2)
(塗料C-2の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体1(塗料C-1)の調製において、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-2を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.5重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体2(塗料C-2)を得た。
塗料C-2を使用した以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。
(実施例3)
(塗料C-3の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体1(塗料C-1)の調製において、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-3を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.5重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体3(塗料C-3)を得た。
塗料C-3を使用した以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。
(実施例4)
(塗料C-4の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体2(塗料C-2)の調製において、E-1の62.5%共重合エポキシ樹脂溶液128部及び表2に示したA-2の組成となる混合溶液49部を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.0重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体4(塗料C-4)を得た。
塗料C-4を使用した以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。
(実施例5)
(塗料C-5の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体2(塗料C-2)の調製において、E-1の62.5%共重合エポキシ樹脂溶液144部及び表2に示したA-2の組成となる混合溶液25部を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.5重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体5(塗料C-5)を得た。
塗料C-5を使用した以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。
(実施例6)
(塗料C-6の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体2(塗料C-2)の調製において、エポキシ樹脂溶液にE-2を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.5重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体6(塗料C-6)を得た。
塗料C-6を使用した以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。
(実施例7)
(塗料C-7の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体3(塗料C-3)の調製において、エポキシ樹脂溶液にE-2を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.5重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体7(塗料C-7)を得た。
塗料C-7を使用した以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。
(実施例8)
(塗料C-8の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体4(塗料C-4)の調製において、エポキシ樹脂溶液にE-2、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-8を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体8(塗料C-8)を得た。
塗料C-8を使用し、内面の塗布量を160mg/dm2にした以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。
(実施例9)
(塗料C-9の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体5(塗料C-5)の調製において、エポキシ樹脂溶液にE-2、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-7を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.5重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体9(塗料C-9)を得た。
塗料C-9を使用し、内面の塗布量を90mg/dm2にした以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。
(実施例10)
(塗料C-10の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体6(塗料C-6)の調製において、エポキシ樹脂溶液にE-3、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-6を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.5重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体10(塗料C-10)を得た。
塗料C-10を使用し、蓋径を204径にした以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。
(実施例11)
(塗料C-11の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体5(塗料C-5)の調製において、エポキシ樹脂溶液にE-3、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-1を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.5重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体11(塗料C-11)を得た。
塗料C-11を使用し、蓋径を204径にした以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。
(実施例12)
(塗料C-12の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体4(塗料C-4)の調製において、エポキシ樹脂溶液にE-2、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-2を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.0重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体12(塗料C-12)を得た。
塗料C-12を使用し、蓋径を204径、内面の塗布量を160mg/dm2にした以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。
(実施例13)
塗料C-6を使用し、蓋径を204径、内面の塗布量を90mg/dm2にした以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。
(実施例14)
(塗料C-13の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体1(塗料C-1)の調製において、エポキシ樹脂溶液にE-6、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-6を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.0重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体13(塗料C-13)を得た。
塗料C-13を使用した以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。
(比較例1)
(塗料R-1の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体1(塗料C-1)の調製において、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-4を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.0重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体14(塗料R-1)を得た。
塗料R-1を使用した以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。蓋CPR部での腐食によりAl溶存量が高くなり、製品化には問題となった。
(比較例2)
(塗料R-2の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体4(塗料C-4)の調製において、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-5を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.0重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体15(塗料R-2)を得た。
塗料R-2を使用した以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。ラインストップが10回/30minと多発、フェザリングも大きく製品化には問題となった。
(比較例3)
(塗料R-3の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体11(塗料C-11)の調製において、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-11を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.5重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体16(塗料R-3)を得た。
塗料R-3を使用し、蓋径を204径にした以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。蓋CPR部での腐食によりAl溶存量が高くなり、製品化には問題となった。
(比較例4)
(塗料R-4の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体9(塗料C-9)の調製において、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-2を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.5重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体17(塗料R-4)を得た。
塗料R-4を使用し、蓋径を204径、内面の塗布量を170mg/dm2にした以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。フェザリングが大きく、製品化には問題となった。
(比較例5)
(塗料R-5の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体4(塗料C-4)の調製において、エポキシ樹脂溶液にE-4、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-4を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.0重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体18(塗料R-5)を得た。
塗料R-5を使用した以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。フェザリングが大きく、蓋CPR部での腐食によりAl溶存量も高くなり、製品化には問題となった。
(比較例6)
(塗料R-6の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体1(塗料C-1)の調製において、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-9を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.5重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体19(塗料R-6)を得た。
塗料R-6を使用し、蓋径を204径にした以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。フェザリングが大きく、製品化には問題となった。
(比較例7)
塗料R-1を使用し、蓋径を204径、内面の塗布量を80mg/dm2にした以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。蓋CPR部での腐食によりAl溶存量が高くなり、製品化には問題となった。
(比較例8)
(塗料R-7の調製)
アクリル変性エポキシ樹脂の水分散体1(塗料C-1)の調製において、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液にA-10を使用する他は、同様の方法により、不揮発分が28.0重量%のアクリル変性エポキシ樹脂の水分散体20(塗料R-7)を得た。
塗料R-7を使用した以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。ラインストップが25回/30minと多発、フェザリングも大きく製品化には問題となった。
(比較例9)
塗料C-2を使用し、内面の塗布量を80mg/dm2にした以外は実施例1と同様に蓋まで成形し、同様な評価を実施した。結果を表3に示す。スコアから腐食が発生し、穿孔の可能性もあり、製品化には問題となった。
Figure 0004678157
本発明のアルミニウム製蓋の一例の平面図である。 図1のA−A線断面図である。 図2のB部分の変形を説明する図である。 折り曲げ後の金属露出評価に用いるプリベンド治具を示す図である。

Claims (1)

  1. 塗装アルミニウム板を、中央パネルとその周縁の強化環状溝とから成り、強化環状溝のラジアス部の中央パネルからの深さ(H)が1.5乃至4.5mmの範囲及びラジアス部の曲率半径(R)が0.20乃至1.00mmの範囲に成形して成り、前記中央パネルのラジアス部の外周にコイニング加工が施されて成る陽圧缶用アルミニウム製蓋であって
    前記塗装アルミニウム板の塗膜が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂から成り、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の重量比が95:5乃至75:25である共重合エポキシ樹脂、及び5乃至30重量%の量でエチルアクリレートを含有するエチルアクリレート含有アクリル樹脂から成り、前記エポキシ樹脂とアクリル樹脂の重量比が80:20乃至90:10であるエポキシアクリル系水性塗料を90乃至160mg/dmの塗膜量で形成した塗膜から成り、且つ被覆後の0℃氷水中での折り曲げ加工後の折り曲げ部の金属露出が0.50mA以下であり、前記塗膜表面の動摩擦係数が0.03乃至0.10であることを特徴とする陽圧缶用アルミニウム製蓋。
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