JP4677854B2 - 高周波焼入れ用炭素鋼材および機械構造用部品 - Google Patents

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Description

本発明は、主として疲労特性の向上を所期した高周波焼入れ処理に供する高周波焼入れ用炭素鋼材に関するものである。特に、本発明の高周波焼入れ用鋼材は、自動車のドライブシャフトや等速ジョイント等に適用される機械構造用鋼の素材として好適である。
従来、自動車のドライブシャフトや等速ジョイント等に適用される機械構造用鋼材の製造では、熱間圧延棒鋼に、熱間鍛造、あるいはさらに切削および冷間鍛造等を施して所定の形状に加工した後、高周波焼入れ−焼戻しを行って、機械構造用鋼材としての重要な特性である、ねじり疲労強度または回転曲げ疲労強度を確保するのが一般的である。
他方、近年の環境問題の観点から、自動車部品に対する軽量化の要求が益々高まっており、該部品の薄肉化を実現するために、その素材のさらなる高強度化が望まれている。
ここに、特許文献1には、周知のショットピーニングによる表面硬化法における材質のばらつきを課題とし、高周波焼入れ前に浸炭処理を施し、高周波焼入れ処理後に一定の表面研削を施すことによって、材質の均質化を図る技術が開示されているが、浸炭処理+高周波焼入れ処理+表面研削処理の多工程を要するために、その製造性が低いことが問題であった。
また、特許文献2には、高周波焼入れ処理前の製造工程において、未再結晶域で30%以上の大歪加工を2回以上実施することによって、高周波焼入れ硬化層の結晶粒度をJIS規定14番以上に制御し、強度および耐疲労性を改善する技術が開示されている。しかしながら、十分に熱間加工度を取れない製造工程には適用できない上、未再結晶域における大圧下は圧延荷重が大きくなり、製造ラインへの負担が極めて大きい。さらに、マルテンサイト組織の結晶粒度を評価することは一般に難しいため、製品管理が困難になるおそれがある。
さらに、特許文献3には、高周波焼入れ前の組織を制御することにより、高強度特性と低熱処理歪み特性に優れた鋼材を提供する技術が開示されている。すなわち、高周波焼入れ処理熱前の製造工程において、熱延加熱温度、仕上げ温度および熱延後の冷却速度を規定し、フェライトバンド評点と称される指標によりフェライトとパーライト組織を制御することにより、最終加熱処理前の冷間加工性を確保しつつ、高周波焼入れ処理後のマルテンサイト組織の均質化を図ることが示されている。しかしながら、高周波焼入れ処理前の組織がフェライトとパーライト組織では、最終組織の微細化が十分とは言えず、近年の高強度化志向に十分に耐えうる素材を提供するのは難しい。
さらにまた、特許文献4および5には、微細なTi系炭化物および炭窒化物の析出状態を制御することによって、高周波焼入れ処理後の微細な旧γ粒径と母相強度を確保し、疲労強度を高める技術が開示されている。具体的には、製造工程中に一度は1250℃以上に加熱することで再析出させる固溶Ti量を確保し、切削性と母相強度を両立するように熱間加工後のTi系微細析出量を制御する工夫がなされている。しかしながら、Ti系炭化物もしくは炭窒化物は、一般的に極めて析出駆動力が大きく、冷間加工性と母相強度を両立する微妙な析出制御は容易ではない。
特開平8−260125号公報 特開平11−71633号公報 特開平11−236644号公報 特開平11−71630号公報 特開2003−321712号公報
本発明の目的は、従来技術における、製造性、組織再現性および析出制御性等の問題を解決し、疲労特性に代表される機械的特性に優れる高周波焼入れ材を得るために好適の高周波焼入れ用炭素鋼材を提供しようとするものである。
発明者らは、短時間の高周波焼入れを行うことを前提とし、この高周波焼入れにより安定した疲労特性を実現するための高周波焼入れ用素材に関して、特に組織の均質化について鋭意検討を行った。その結果、以下に示す条件(i)および(ii)を満たすために、高周波焼入れ前組織を積極的に制御することにより、製造性の低下を招くことなく、しかも析出制御のための高精度熱処理等を実施せずとも、疲労特性に代表される機械的特性に優れる高周波焼入れ材を提供し得ることを見出した。
以下、本発明を導くに到った知見について、詳しく説明する。
(i)MoおよびWが固溶状態であること
耐疲労強度が要求される機械構造用部品用(特に、自動車部品用)の鋼種では、ショットピーニング、浸炭法および高周波焼入れ処理による表面硬化層の形成により、所望特性を達成している。特に、高周波焼入れ法は、短時間処理によって均質な表面硬化層が得られること、高い圧縮残留応力を付与できる等のメリットが多い。この高周波焼入れ法では、熱間圧延等で形成した素材を所定の形状に切削加工後、急速加熱次いで急速冷却によって微細なマルテンサイト組織を得るものである。特に、急速加熱工程では、熱間圧延後の組織から短時間でオーステナイト域へ逆変態させるために、適正な加熱温度の選択や、多段の加熱および冷却処理によって、極めて微細なオーステナイト粒径を有する焼入れマルテンサイト組織を得ることが可能である。
ここで、炭素鋼をオーステナイト域に急速加熱した場合の逆変態においては、主として体拡散係数の大きな炭素の拡散支配になる。このため、高周波焼入れ処理前組織がフェライト+パーライト組織である場合、炭素濃度の高いパーライト組織では、炭化物溶解に伴う炭素濃度上昇によりオーステナイトへの逆変態が速やかに進行する。一方、炭化物析出の少ないフェライト組織部分では相対的にオーステナイトへの逆変態が遅延し、短時間の急速加熱では未変態となることも考えられる。この結果、最終的に得られる高周波焼入れ処理後のマルテンサイト組織は、高周波焼入れ前組織を反映した不均一組織となりやすい。
これに対して高周波焼入れ前組織をフェライト+パーライト組織ではなく、ベイナイト組織にすることは、熱間加工後の部品成型のための切削加工性の点で若干不利になるものの、上述した逆変態現象の平均化という観点では利点がある。すなわち、ベイナイト組織においては、ラス間の炭化物が高周波焼入れ時に溶解し、オーステナイトへの逆変態が多量のラス界面から一気に発生する。また、未変態フェライト率が低下することにより、ほぼオーステナイト単相からの焼入れマルテンサイト組織を得ることが容易になる。すなわち、高周波焼入れ処理前組織を適切に制御することにより、微細で均質なマルテンサイト組織とすれば、結果的に均質な表面硬化層が得られ、安定した疲労特性を得る事ができる。これらのことから、高周波焼入れ前の組織をベイナイト組織とする必要があり、ベイナイト相が得られやすいMoやWの添加が極めて有効である。
ここで、本発明が対象とする高周波焼入れ処理によってマルテンサイト組織を得るような鋼種系では、極めて転位密度が高く、また変態時の拘束による圧倒的な圧縮残留応力の存在が表面硬度をほぼ支配している。従って、Ti、VおよびNb等のような微細な炭窒化析出物の形成によるオーステナイト粒の粗大化抑制や、これら微細析出物による析出強化の寄与は相対的に低いと考えられる。むしろ、耐疲労強度の観点からは、高周波焼入れ時に形成される逆変態オーステナイト粒を微細に維持することが肝要である。実際、発明者等が検討したMoまたはWを添加した鋼種では、1000℃以下の高周波焼入れ処理にて、多くの場合数μm以下のオーステナイト粒が得られることを確認している。
このオーステナイト粒径はMoもしくはWの添加量に反比例すること、そして添加されたMoおよびWは一部析出するが大半は固溶していることから、MoおよびWは、Ti、VおよびNbといった炭窒化物形成能が高い元素とは本質的に異なる働きによって、疲労強度に優位な微細な逆変態オーステナイト粒を実現すると考えられる。但し、MoやWを過剰に添加した場合、高周波焼入れ前組織内に炭化物や金属間化合物としての析出量が増加し、有効な固溶量を確保することが困難になるため、未固溶である析出物が抑制される範囲での添加が望ましい。
(ii)固溶MoあるいはWの濃度分布が均一であること
一方、素鋼溶製時には程度の差はあるが合金元素の偏析が(特に、析出物となっていない固溶状態の元素に対し)起っている。このため、拡散焼鈍あるいは熱間加工によって組成並びに組織の均一化をはかるのが一般的であるが、厚板や棒鋼等では熱間加工度が小さいために、一次素材成形過程での組織や組成の均質化が困難な場合がある。特に、発明者らが主として検討したMoおよびWの添加は、高周波焼入れ前組織としてベイナイト相を得ることが可能である反面、素鋼溶製時の元素偏析が著しく、1200℃程度の熱処理では凝固時の偏析が解消されないことが多かった。実際、高炭素鋼へMo添加を行った場合、添加するMo濃度が0.15質量%を超えると、素材溶製時に形成された固溶Moの偏析が熱間圧延によって圧延方向(L方向)断面において帯状に分布しやすいことを確認した。
この偏析の一例として、図1に、0.6質量%Mo添加鋼における高周波焼入れ前組織中のMo濃度不均一が明らかな場合の電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)のMoマッピング像を示す。このマッピング像は、L方向断面、かつ表面から深さ0.25mmの領域を測定したものである。なお、図示の鋼材は、上記範囲のMoの他、0.4質量%C, 0.35質量%Si, 0.7質量%Mn, 0.025質量%Al, 0.0045質量%Nを含む鋼スラブを出発材として、粗圧延後に1250℃×30分の鋳片加熱処理を実施した後、24mmφまでの棒鋼圧延工程を経た、高周波焼入れ直前の鋼材である。
同図(a)は2次元マッピングおよび(b)はその一部をラインプロファイルにて示したものである。
図1(a)において、明るく白い部分がMoのX線強度が強い(即ち、固溶Mo濃度が高い)領域であり、グレー部分がMoのX線強度が弱い(即ち、固溶Mo濃度が低い)領域である。又この例では、濃度不均一の幅は、最大100μm(B−B′)である。例えば、圧延方向に垂直な直線(A−A’)上のMoのX線強度プロファイルを描けば、図1(b)に示す結果が得られる。
この図1(b)において、直線(A−A’)上でのMo強度の最大値は、図1(a)における白い領域のある点(c)として存在する。一方、Mo強度の最小値は、図1(b)におけるグレー領域のある点(d)として存在する。こうしたラインプロファイルを全視野にわたって描くことで、視野中の最大値と最小値が抽出できる。但し、組織内には明らかなボイドや析出物(図1(b)における(e))により、固溶Moあるいは固溶Wの組成を反映しない場合があるため、これらの値は評価の対象から除外する。
ちなみに、本鋼種ではしばしば数100nmからミクロンオーダーの粗大なMo系析出物が存在するが、これらは母相の組成から大きく外れており、TiやMoを極端に多く含むことから容易に判断できる。また、組成の変化は、例えば図2(a)および(b)における2種の析出物(Ti、Mo)(C、N)と(Fe、Mo)236の分析結果が示すように、例えばエネルギー分散X線分光(EDX)スペクトルより判断できる。以後は特に断らなければ、Mo濃度およびW濃度は、固溶Mo濃度および固溶W濃度を夫々示すものとする。
前述のように、本発明の高周波焼入れ鋼の分野においては、最終組織が急速加熱および急速冷却による瞬時の変態現象に依存するため、初期の組成不均一性が最終組織の不均一性を助長することが懸念される。すなわち、高周波焼入れ前組織においてMo高濃度領域ではベイナイト組織主体であるのに対して、Mo低濃度領域ではフェライト+パーライト組織となる。Mo添加量が低い場合は初期濃度不均一も小さく、この不均一組成に起因する高周波焼入れ前組織の不均一化は回避されるが、Mo添加量の増加に伴い鋼材中の組成不均一が顕著になり、深刻な組織不均一化を引き起こすのである。
そこで、発明者らは、いくつかのMo添加鋼種(Mo:0.15〜0.8質量%を含有し、製造履歴は図1の場合と同様)に関して、高周波焼入れ処理によって得られる表面硬化層中のMoの濃度不均一と、対応する領域での旧オーステナイト粒の組織不均一(粒径の標準偏差にて評価)との関係を調査した。図3に、EPMA分析におけるMoの特性X線強度(以後、X線強度とする)の最大値(Imax)および最小値(Imin)の比(Imax)/(Imin)と、旧オーステナイト粒径の標準偏差値との関係を示す。この結果より、MoのX線強度の比(Imax)/(Imin)が3を超えると、標準偏差が大きく増加し、高い疲労強度が得難くなることが分かった。更に、MoのX線強度の比(Imax)/(Imin)が高い場合の濃度の低い領域では、旧オーステナイト粒径が大きくなる傾向があり、それを反映して、平均粒径も大きくなる傾向が見られた。この傾向は、W添加の場合も同様であった。
従って、素鋼溶製段階もしくは遅くとも最終の高周波焼入れ処理前までの段階において、MoもしくはW等の組織内での均一化を図り、熱延組織における任意の測定場所におけるMoもしくはWの特性X線強度の最大値(Imax)と最小値(Imin)の比(Imax)/(Imin)が3を超えない組織に制御することが重要である。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするところは次の通りである。
(1)質量%で、C:0.3〜0.6%Mo:0.15〜0.8%、S:0.05%以下、Mn:0.2〜2%、Si:1%以下、 P:0.02%以下、 Al:0.5%以下および N:0.01%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有する鋼材であって、任意の断面領域におけるMoのX線強度の最大値(Imax)と最小値(Imin)との比Imax / Imin が3以下であることを特徴とする疲労特性に優れた高周波焼入れ用炭素鋼材。
(2)質量%で、C:0.3〜0.6%W:0.25〜1.6%、S:0.05%以下、Mn:0.2〜2%、Si:1%以下、 P:0.02%以下、 Al:0.5%以下および N:0.01%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有する鋼材であって、任意の断面領域におけるWのX線強度の最大値(Imax)と最小値(Imin)との比Imax / Imin が3以下であることを特徴とする疲労特性に優れた高周波焼入れ用炭素鋼材。
)鋼材が、さらに質量%で、Ti:0.05%未満およびB:0.005%以下を含有することを特徴とする(または2)に記載の疲労特性に優れた高周波焼入れ用炭素鋼材。
)鋼材が、さらに質量%でCa:0.010%未満を含有することを特徴とする()ないし()のいずれか1項に記載の疲労特性に優れた高周波焼入れ用炭素鋼。
)(1)ないし()のいずれか1項に記載の高周波焼入れ用炭素鋼材からなることを特徴とする疲労特性に優れた機械構造用部品。
本発明の高周波焼入れ用鋼材は、鋼材における組成不均一性を高周波焼入れ処理前の段階で解消したことによって、この鋼材を高周波焼入れして得られる硬化層組織は微細かつ均質になるため、疲労特性に代表される機械的特性を改善した高周波焼入れ処理材の提供が可能となる。
以下、本発明の要件の各限定理由について詳しく説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り「質量%」を示すものとする。
C:0.3〜0.6%
Cは、焼入れ性への影響が大きい元素であり、焼入れ硬化層の硬さおよび深さを高めて、疲労強度を向上させる上で非常に有用である。しかしながら、C含有量が0.3%に満たないと、疲労強度を維持するための焼入れ深さを確保しにくくなることから、C含有量は0.3%以上とする。一方、C含有量が0.6%を超えると切削性や冷間鍛造性が低下する。さらに、高周波焼入れ前のノルマ処理後の組織が粗いフェライト+パーライト混相となるため、高周波焼入れ処理後の組織が不均一となる。したがって、C含有量は0.3〜0.6%の範囲とする。
Mo:0.15〜0.8%
Moは、本発明において極めて重要な元素である。MoはCおよびP等の粒界偏析を軽減して素材の粒界強度を高めることで疲労強度等の機械的特性を向上させる働きがある。また、一般的に焼入れ性向上に有用な元素であり、高周波焼入れ前のノルマ処理後の組織においてベイナイト相生成を促進し、セメンタイトの微細分散を実現する。さらに、Moはフェライト安定化元素として高周波焼入れ時の逆変態を遅延させる働きがあると考えられる。こうした効果を得るには、0.15%以上の添加が必要である。
一方、Moは素材溶製時のマクロ偏析傾向が極めて強い元素であり、圧延率の低い棒鋼や厚物素材では、後工程によって初期の偏析を解消することが困難である。すなわち、本発明では、高周波焼入れ処理前までの工程において、Moの偏析に起因する濃度不均一を抑制し、組織の均一化を図ることが肝要である。Moの添加量が0.8%を超えると、高周波焼入れ前組織におけるMoの不均一分布がほとんど解消できない上に、コスト上昇を招くことから、上限を0.8%とする。さらに好適には、Moの添加範囲は0.35〜0.65%とする。
また、本発明においてはMo添加の代わりにWを含有することができる。
W:0.25〜1.6%
Wは、Moとほぼ同様の効果が期待できる重要元素である。Wは、Moに対して質量数でほぼ約2倍弱となるため、Wの添加範囲は0.25〜1.6%とする。上下限の限定理由はMoの場合と同様である。さらに、好適にはWの添加範囲は0.5〜1.2%とする。
Mn:0.2〜2%
Mnは、焼入性を向上させて焼入れ硬化層を確保する上で有効な元素である。さらに、固溶強化により母相の強度上昇にも有効であるうえ、鋼中SをMnSとして固定し、切削性を向上させる役割も有する。0.2%以下の添加ではこうした効果が得られない。しかしながら、2%を超えて添加すると焼入れ後の残留オーステナイトが増加し、素材軟化による疲労強度低下につながることから、Mn含有量は0.2〜2.0%の範囲とする。
S:0.05%以下
Sは、鋼中でMnSを形成し切削性を向上させる働きが期待できるが、0.05%を超えて添加するとPと同様に粒界に偏析して疲労強度等の機械的特性の低下を招くため、Sの含有量は0.05%以下に制限する。
本発明においては、上記化学成分の他に必要に応じて以下の元素を含有することができる。
Si:1%以下
Siは、製鋼時の脱酸元素として有用である上に、フェライト中に固溶して鋼強度を向上させる効果を有する。さらには、高強度鋼の破壊形態が粒界破壊へ遷移することを抑制する効果も期待されることから、好ましくは0.01%以上で添加することができる。しかしながら、Si含有量が1%を超えると、硬度が上昇し切削性や冷間鍛造性の低下を招く。従って、Si含有量は1%以下とする。
P:0.02%以下
Pは、高温加熱時のオーステナイト粒界に偏析し、粒界強度を低下させることにより疲労強度等の機械的特性を著しく低下させるうえ、製造工程中の焼割れ等も助長することから0.02%以下に制限する。
Al:0.5%以下
Alは、製鋼時の脱酸元素として有用である上に、フェライト中に固溶して鋼強度を向上させることから添加することができる。これらの効果を得るには、好ましくは0.05%以上で添加する。しかしながらAl含有量が0.5%を超えると、粗大なAlN等が素材中に残存しやすくなり疲労強度の低下を招く。従って、Al含有量は0.5%以下とする。
N:0.01%以下
Nは、過剰に存在すると靭性の低下を招くことがあるため、上限を0.01%以下とする。なお、Ti等の窒化物形成能の大きな元素と共存すると、MN型析出物を形成してオーステナイト域での粒成長抑制に効果を発揮することから、0.01%以下であれば無添加にする必要はない。
Ti:0.05%未満
Tiは、MN型析出物を形成してオーステナイト域での粒成長抑制に効果を発揮することから、添加することができる。これらの効果を得るには、好ましくは0.01%以上で添加する。しかしながら、0.05%以上添加した場合、Moを含有する(Ti,Mo)(C,N)の析出量が増大し、固溶Moの効果が低減することから0.05%未満とする。
B:0.005%以下
Bは、焼入れ性向上と粒界強化のために有効な元素であるが、本効果はBが固溶状態で存在する場合に限られる。このため、BNの形成を回避するべくTi量がTi≧3.4Nの関係を満足する場合にのみ、0.001%以上で添加することが望ましい。なお、この条件が満足される場合でも、過剰な添加によってはオーステナイト域でのノルマ処理時等に粗大なM23(C,B)6が形成して、Mo等の有効元素の固溶量低下を引き起こすことから、上限を0.005%とする。
Ca:0.010%未満
Caは、鋼中Sを(Mn,Ca)Sの複合形態で固定し、切削性向上する働きがあり、好ましくは0.001%以上で添加する。しかし、0.010%以上添加しても、効果が飽和するため、0.010%未満とする。
次に、本発明における高周波焼入れ用鋼の製造方法の一例を説明する。
本発明において最も重要な制御ポイントは、Mo等の濃度不均一を上工程で解消し、短時間の高周波焼入れ処理前の組織を均質化することである。具体的には、MoまたはWについて、上記した比(Imax)/(Imin)を3以下とすることが肝要である。
かような鋼を得るためには、上記した化学成分組成を満足する鋼を溶製して得られた鋼素材について、熱間圧延や熱間鍛造等の熱間加工の前段、すなわちスラブ加熱工程から粗圧延工程において鋳片を例えば1200℃以上の温度域に加熱する熱処理を施すことが有効である。特に、Mo(またはW)濃度が高い場合は、鋼溶製時の凝固偏析が特に顕著となるため、1300℃以上の熱処理が望ましい。
また、鋼素材溶製の製鋼工程において電磁攪拌等を実施することにより、鋳造時の組成不均一性をある程度解消することも有効と考えられる。
さらに、熱間加工においては、二相域圧延を回避する850℃以上の仕上げ温度を確保し、加工後の冷却速度としては、5℃/s以下の冷却速度で冷却し、部ベイナイト(微細炭化物がラス間に析出している)主体の組織とすることが望ましい(一部、フェライト+パーライトを含んでも良い)。冷却速度が5℃/sを超える場合、熱延組織中に下部ベイナイト(微細炭化物がラス内に析出)あるいはマルテンサイトといった極めて硬質な変態相が生成し切削性の著しい低下を招く。熱間加工を経た鋼材は、所定の形状に成形後、必要に応じてA3点以上でのノルマライジング処理を施してから、高周波焼入れ処理に供する。このノルマライジング処理温度の上限は最終組織の粗大化を抑制するために900℃とするのが望ましい。
なお、本発明において、「任意の断面領域」とは基本的に、高周波焼入れ前組織のMoあるいはWの濃度不均一幅(例えば図1(a)におけるB−B´間の距離参照)に依存し、この濃度不均一幅の最大幅の5倍程度の長さを一辺とする領域を取るとよい。そうすれば、濃度不均一の平均的な情報が取り込める。
さらに本発明においては、高周波焼入れ後の表面硬化層にて粒度不均一を抑えたい事から、少なくとも高周波焼入れ後の表面硬化層となる深さまでにおいて、MoあるいはWのX線強度比が3以下であることが好ましい。
また、高周波焼入れ後組織のX線強度比を得る最も簡単な手法としては、前記測定対象となる断面領域における対象元素のマッピング像を取得し(図1(a)参照)、明らかな濃度不均一性が確認された場合には、X線強度の高い領域内で最も高い点と、低い領域内で低い点の強度比を求めれば良い。特に、EPMAやSEMのEDXにおけるX線強度は、対象とする元素の特性X線のピーク高さで評価する。このX線のピーク高さはバックグラウンドを含んでも、バックグラウンドを引いた正味の高さでも良い。
しかし、濃度不均一が僅かな場合は、マッピング像に明らかな強度の不均一を見出すことが出来ない。この場合は、前記測定断面領域中の任意点を選択し、これらの中からX線強度の最大値と最小値を抽出してその比を求めることとする。この場合は、経験的に50点以上測定した中から最大値と最小値を抽出すれば、ほぼ平均化された情報が入手できることがわかっている。
あるいは、前記測定領域中の任意の2点を測定して強度比を求め、それを任意の回数繰り返した際、その各強度比全てが、3以下を満たしていれば良いこととする。この強度比の組は、経験的に25組作ればほぼ平均化された情報が入手できることがわかっている。
何れの場合も、図1および図2で説明した析出物やボイド起因の強度は、強度比算出の為の対象データからは除く。
表1に示す化学組成の鋼を転炉にて溶製し、連続鋳造プロセスにより300mm×400mmの鋳片とし、次いでブレークダウン工程を経て150mm角のビレットに粗圧延した後、1000〜1350℃×0.5h保持の後、24mmφの棒鋼に熱間圧延した。熱間圧延時の仕上げ温度は900℃とし、0.5〜1℃/sの冷却速度で室温まで冷却した。かくして得られた棒鋼を所定の長さに切断し、各種評価用試験片を採取した。
ここで、高周波焼入れ前組織に関し、各試験片の圧延方向に平行なL断面についてEPMAによる濃度不均一の評価を実施した。具体的には、表面から1mmの深さで、かつ500×500μm2の断面領域でMoもしくはWの特性X線強度によるマッピング像の取得を行った。本実施例においては、高周波焼入れ前組織の濃度不均一幅が最大でも100μm程度であることと、高周波焼入れ後の表面硬化層が1〜2mmの深さまでとなることが経験的に分かっていることから、測定する断面領域の深さと面積とを、前述のとりに決定した。この後、測定視野中の任意の点(50点以上)におけるMoまたはWの特性X線強度の最大値(Imax)と最小値(Imin)とからその比を求めた。この時、スペクトルから判断される明らかな炭化物の測定結果は除外した。
また、素材棒鋼から、平行部:20mmΦ、応力集中係数α=1.5の切欠きを有するねじり試験片を作製し、周波数:15kHzの高周波焼入れ装置を用いて、昇温速度:600℃/s、加熱温度:880〜1000℃の範囲で1回の高周波焼入れ処理を施した。この試験片を170℃×30分の条件で焼き戻した後、ねじり疲労試験に供した。
ねじり疲労試験は、最大トルク:4900 N・m(=500kgf・m)のねじり疲労試験機を用いて、両振りで応力条件を変えて行い、1×105回の寿命となる応力を疲労強度として評価した。
さらに、高周波焼入れ処理材の硬化層における旧オーステナイト粒径の平均値を、1000倍の光学顕微鏡視野を5箇所撮影し、画像解析によって求めた。また、顕微鏡視野の全ての旧オーステナイト粒径から粒径の不均一の指標として標準偏差を求めた。なお、上記旧オーステナイト粒径の測定は、各試験片の圧延方向に平行なL方向かつ深さ1mmの断面について、水:500gに対しピクリン酸:50gを溶解させたピクリン酸水溶液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:11g、塩化第1鉄:1gおよびシュウ酸:1.5gを添加したものを腐食液として作用させ、旧オーステナイト粒界を現出させて行った。
これらの測定および評価結果を、表2に併記する。
表2に示すように、鋼材No.1−1, 10−1および 20−1は炭素濃度が成分規定をはずれており、高周波焼入れ処理後の疲労強度が不十分である。鋼材No.4−1, 5−1, 13−1および14−1はMoもしくはWが規定成分範囲に満たないため、高周波焼入れ前組織における濃度不均一は小さいものの、充分な疲労強度を確保できてない。鋼材No.8−1および19−1はMoもしくはWが過剰のため、鋳片加熱温度を1300℃としても高周波焼入れ前組織中の濃度不均一性が解消されず、高周波焼入れによる表面硬化層の旧オーステナイト粒径の不均一が大きく疲労強度が低下している。鋼材No.3−1,7−1,9−1および16−1では、鋼成分は規定範囲にあるものの鋳片加熱温度が充分でないため、高周波焼入れ前組織中の濃度不均一性が解消されず、やはり高周波焼入れによる表面硬化層の旧オーステナイト粒径の不均一が大きく疲労強度が低下している。
(a)は、高周波焼入れ処理前組織中のMo濃度分布を示すEPMAのMoマッピング像であり、(b)は(a)のA−A’線上のラインプロファイルである。 析出物の分析事例を示す図である。 高周波焼入れ処理後の表面硬化層におけるMoのX線強度比と表面硬化層における旧オーステナイト粒径の標準偏差との相関関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.3〜0.6%Mo:0.15〜0.8%、S:0.05%以下、Mn:0.2〜2%、Si:1%以下、 P:0.02%以下、 Al:0.5%以下および N:0.01%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有する鋼材であって、任意の断面領域におけるMoのX線強度の最大値(Imax)と最小値(Imin)との比Imax / Imin が3以下であることを特徴とする疲労特性に優れた高周波焼入れ用炭素鋼材。
  2. 質量%で、C:0.3〜0.6%W:0.25〜1.6%、S:0.05%以下、Mn:0.2〜2%、Si:1%以下、 P:0.02%以下、 Al:0.5%以下および N:0.01%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有する鋼材であって、任意の断面領域におけるWのX線強度の最大値(Imax)と最小値(Imin)との比Imax / Imin が3以下であることを特徴とする疲労特性に優れた高周波焼入れ用炭素鋼材。
  3. 鋼材が、さらに質量%で、Ti:0.05%未満およびB:0.005%以下を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の疲労特性に優れた高周波焼入れ用炭素鋼材。
  4. 鋼材が、さらに質量%でCa:0.010%未満を含有することを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の疲労特性に優れた高周波焼入れ用炭素鋼。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の高周波焼入れ用炭素鋼材からなることを特徴とする疲労特性に優れた機械構造用部品。
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