JP4677107B2 - 高温高圧処理装置における収納物積載保持車の押出し装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレトルト殺菌機や医薬品滅菌機、その他の高温高圧処理装置で長手方向に長い処理槽に収納された収納物を、処理後容易に搬出させることができる収納物の押出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レトルト殺菌機等に収納された保持車を処理後に引き出すには、処理槽の前方から保持車4の先端にあるU金具20に引き出し棒17を引掛け一車毎に引き出していた。図5は保持車4を拡大して示したもので、保持車引き出し棒17の端部の引掛部18を、保持車4の先端にあるU金具20に引っ掛けている。
【0003】
また処理槽内に設けた駆動装置を用いて保持車を引き出す装置は、実開平6−38588号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の場合、保持車をレトルト殺菌機へ収納する場合は開閉蓋から一車づつ押し込んで収納してゆけばよいが、長手方向に長い処理槽で多数の保持車を収納していると、人が処理槽内に入り込んで一車毎引き出す必要があり、高温処理機では危険性があり冷却するまで待機しなければならない難点があった。
【0005】
また後者の場合、槽外からの駆動力を槽内に設備したチエーンとスプロケットにより保持車を前後に動かしているので、槽内の動作には優れているが、チエーンのトラブルが生じた場合の処置が大変困難であり、また金属の接触部分があるので、槽内に金属粉などの異物が混入する欠点等があった。
【0006】
本発明の目的は、上記のような難点を解消し、長手方向に長い処理槽を有する高温高圧処理装置において、処理槽の前方にある開閉蓋から保持車を出し入れする装置に適し、簡潔ながら確実に動作でき環境保持ができる収納物の押出し装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1発明は横置きに設置した高温高圧処理装置において、長手方向に長い処理槽の前方に設けた開閉蓋から出し入れできるようレールを介して保持車を多数収納し、処理槽の後方の閉止蓋に設けた短管軸封部を通してシールされ、槽外から槽内へ貫挿通したスライド軸を設け、このスライド軸の前方には槽内で前記保持車に当接する押出し金具を取り付け、後方には槽外で駆動源として押出し機構を連結し、この押出し機構は保持車の長さに応じたストロークにより押し出すようにした高温高圧処理装置における収納物積載保持車の押出し装置とした。
【0008】
第2発明は、押出し機構が槽外の架台に取り付けられたフローティング付きロッドレスシリンダーとこれに接続されたリニアシャフトとから構成され、フローティング付きロッドレスシリンダーの前後から供給される空気圧により内部部品が前後へ動き、その動きはマグネットによりリニアシャフトに沿って動く金具に伝えられ、この金具とスライド軸とを接続して駆動源とした高温高圧処理装置における収納物積載保持車の押出し装置とした。
【0009】
(作用)
第1発明では、処理槽の後方の閉止蓋に設けた短管軸封部を通してシールされ、槽外から槽内へ貫挿通したスライド軸を設けたので、前方の押出し金具が保持車と当接して保持車の長さに応じたストロークにより、一車毎押し出すことができるようになった。槽内にはこのスライド軸だけであるので、環境面でも安心でき、また駆動部分がないので、故障が生じることが殆どない。
【0010】
駆動源の押出し機構は、処理槽内に収納された保持車の台数に応じてストロークを調整しておけば安全に且つ簡潔に動作できる。開閉蓋まで押し出された保持車は、引き出し棒を用いて引き出し運搬車に乗せる作業は従来と同様である。
【0011】
なお長手方向に長い処理槽へ保持車を装填する場合は、順次一台づつ押し込むことで多数台でも問題にならない。
【0012】
第2発明では、押出し機構が槽外の架台に取り付けられたフローティング付きロッドレスシリンダーとこれに接続されたリニアシャフトとから構成されているので、作動が円滑で且つ静粛である。
【0013】
フローティング付きロッドレスシリンダーの前後から供給される空気圧により内部部品が前後へ動き、その動きはマグネットによりリニアシャフトに沿って動く金具に伝えられ、この金具とスライド軸とを接続しているので、ストロークは長く円滑に動作するので故障することがなく、スライド軸を介して槽内の保持車は確実に駆動できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明では従来の槽内に設備したチエーンとスプロケットにより保持車を前後に動かす機構を廃止し、槽内ではスライド軸により、一番奥に装填された保持車を押し出す操作により、順次槽内から排出できるようにした。
【0015】
従って、長手方向に長い処理槽でも開閉蓋から容易に押し出すことができ、スライド軸のシールは短管軸封部で確実になっている。
【0016】
またスライド軸の駆動には、保持車の台数に応じたストロークにより円滑に動作できる。
【0017】
【実施例】
以下、図面に示した実施例につき説明する。図1、図2において、1は高温高圧処理装置の処理槽で、レトルト殺菌機のような高温高圧処理装置で横置きに設置されている。2は開閉蓋で、処理槽1の前方に設けられている。3は閉止蓋である。4は保持車、5は車輪で、保持車4の下方に取り付けられ、処理槽1内に敷設されたレール6上を保持車4が走行できるようになっている。7はトレーで、被処理物を収納して保持車4の上にのせられ、処理槽1中に収納されている。8は運搬車で、トレー7を載置して処理槽へ搬入、搬出する。
【0018】
9は短管軸封部で、スライド軸10を軸支しシールする。11は押出し金具で、スライド軸10の先端に取り付けられ、保持車4の下方に当接して保持車4を押し出すようになっている。12は押出し機構で、スライド軸10を出し入れする駆動源である。13はスライド軸の受けロールを示す。
【0019】
押出し機構12は、フローティング付きロッドレスシリンダー14とリニアシャフト15とから構成され、フローティング付きロッドレスシリンダー14の前後から供給される空気圧により内部部品が前後へ動き、その動きはマグネットによりリニアシャフト15に沿って動く金具16に伝えられ、この金具16とスライド軸10とが接続されて、駆動される。
【0020】
保持車4の長さが一車当たり1mとすると、この長さに応じてスライド軸10を駆動すると、一車毎押し出すことができる。フローティング付きロッドレスシリンダー14によると、ストロークを約6mに設定することもできるので、6車分の押出しが可能である。
【0021】
【発明の効果】
本発明では、長手方向に長い処理槽を有する高温高圧処理装置において、処理槽の前方にある開閉蓋から保持車を出し入れする装置に適し、簡潔ながら確実に一車づつ押出し動作ができ、環境にもよい収納物の押出し装置を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 押出し装置の全体を示す平面図
【図2】 同側面図
【図3】 要部拡大断面図
【図4】 押出し機構の拡大平面図
【図5】 引き出し棒を使用して保持車を引き出す状態を示す平面図
【図6】 引き出し棒の側面図
【符号の説明】
1: 高温高圧処理装置
2: 開閉蓋
3: 閉止蓋
4: 保持車
6: レール
9: 短管軸封部
10: スライド軸
11: 押出し金具
12: 押出し機構
14: フローティング付きロッドレスシリンダー
15: リニアシャフト

Claims (2)

  1. 横置きに設置した高温高圧処理装置において、
    長手方向に長い処理槽の前方に設けた開閉蓋から出し入れできるようレールを介して保持車を多数収納し、
    処理槽の後方の閉止蓋に設けた短管軸封部を通してシールされ、槽外から槽内へ貫挿通したスライド軸を設け、
    このスライド軸の前方には槽内で前記保持車に当接する押出し金具を取り付け、後方には槽外で駆動源としての押出し機構を連結し、
    この押出し機構は保持車の長さに応じたストロークにより保持車を押し出すようにしたことを特徴とする高温高圧処理装置における収納物積載保持車の押出し装置。
  2. 押出し機構は槽外の架台に取り付けられたフローティング付きロッドレスシリンダーとこれに接続されたリニアシャフトとから構成され、
    フローティング付きロッドレスシリンダーの前後から供給される空気圧により内部部品が前後へ動き、その動きはマグネットによりリニアシャフトに沿って動く金具に伝えられ、この金具とスライド軸とを接続して駆動源とした請求項1記載の高温高圧処理装置における収納物積載保持車の押出し装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0461928A (ja) * 1990-06-27 1992-02-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 高圧処理装置の密封装置
JPH0638588U (ja) * 1992-10-29 1994-05-24 株式会社日阪製作所 レトルト殺菌装置のトレー搬入搬出装置

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