JP4676253B2 - ガス検知器 - Google Patents
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そして、このような問題は、移動平均処理に必要とされるデータ数が多くなるほど、顕著になる。
ガスセンサの起動時においては、最初に取得される初期サンプリングデータがすべてのバッファに記録されて平滑化処理が行われ、2回目以降の平滑化処理が行われるに際しては、バッファの総数に対する取得されたサンプリングデータの数の割合および前回の平滑化処理時において用いられた初期サンプリングデータの数に基づいて設定される特定の更新条件に応じてバッファに記録されているサンプリングデータが更新されて平滑化処理が行われることを特徴とする。
3回目以降の平滑化処理が行われるに際しては、時系列的に最も古いサンプリングデータが順次に一つずつ最新のサンプリングデータに更新される。
(イ)n/N<0.3である場合には、取得されているサンプリングデータの各々が、N/n以下の最大の整数個ずつ各バッファに記録されると共に、余剰のバッファが存在する場合には、初期サンプリングデータを除く他のサンプリングデータが時系列的に古いものから順に一つずつ当該余剰のバッファに記録されるよう、各バッファに記録されているサンプリングデータが更新され、
(ロ)n/N≧0.3であり、かつ、前回平滑化処理時において用いられた初期サンプリングデータの数が3つより多い場合には、取得されているサンプリングデータの各々が、N/n以下の最大の整数個ずつ各バッファに記録されると共に、余剰のバッファが存在する場合には、初期サンプリングデータを除く他のサンプリングデータが時系列的に古いものから順に一つずつ当該余剰のバッファに記録されるよう、各バッファに記録されているサンプリングデータが更新され、
(ハ)n/N≧0.3であり、かつ、前回平滑化処理時において用いられた初期サンプリングデータの数が3つ以下である場合には、時系列的に最も古いサンプリングデータが順次に一つずつ最新のサンプリングデータに更新される。
この赤外線ガス検知器は、導入される被検ガスに含まれる検知対象ガスの濃度に応じたガス検知信号を出力するガス検知部10と、赤外線式ガス検知器における各構成部に適宜の動作指令信号を発すると共にガス検知部10からのガス検知信号に対して信号処理を行う制御部20とを備えている。
本発明の赤外線ガス検知器においては、赤外線センサ13の起動時において、最初に取得される初期サンプリングデータ(以下、「初期データ」という。)がすべてのバッファに記録されて平滑化処理が行われた後、2回目以降の平滑化処理が行われるに際しては、バッファの総数に対する取得されたサンプリングデータ(以下、単に「データ」という。)の数の割合および前回の平滑化処理時において用いられた初期データの数に基づいて設定される特定の更新条件に応じてバッファに記録されているデータが更新されて平滑化処理が行われる。以下、平滑化処理に必要とされるデータの数、すなわちバッファの数に応じたデータの更新方法についての具体例を説明する。
この場合には、図2に示すように、先ず、赤外線センサ13が起動されて最初に取得された初期データA1がデータ書き込み手段(同図2において矢印で示す。)によって3つのバッファB1〜B3のすべてに対していわば強制的に順次に書き込まれて、これら3つのバッファB1〜B3に記録された3つのデータの平均値である初期データA1が出力される。ここに、データ書き込み手段は、例えば初期データA1をバッファB3に書き込んだ後に、所定の書き込み位置例えばバッファB1に対する書き込み位置に移動される。なお、以下においては、特に言及する場合を除いて、データ書き込み手段は、例えば、所定のバッファに記録されているデータを更新した後に、バッファB1に対する書き込み位置に移動されるものとする。
そして、3番目のデータA3が取得されて3回目の平滑化処理が行われるに際しては、書き込み手段によって、バッファB3に記録されている初期データA1が最新のデータA3に更新される。
4回目以降の平滑化処理が行われるに際しては、時系列的に最も古いデータが一つずつ順次に最新のデータに更新される。
この場合には、バッファの数をN〔個〕、取得されているデータの数をn〔個〕とするとき、下記特定の更新条件(イ)〜(ハ)に基づいて、バッファに記録されているデータが順次に更新されて平滑化処理が行われる。
(イ)n/N<0.3である場合には、取得されているデータの各々をN/n以下の最大の整数個ずつ各バッファに記録すると共に、余剰のバッファが存在する場合には、初期データA1を除くデータを時系列的に古いものから順に一つずつ当該余剰のバッファに記録した状態となるよう、バッファに記録されているデータを更新する。
(ロ)n/N≧0.3であり、かつ、前回の平滑化処理時において用いられた初期データA1の数が3個より多い場合には、取得されているデータの各々をN/n以下の最大の整数個ずつ各バッファに記録すると共に、余剰のバッファが存在する場合には、初期データA1を除くデータを時系列的に古いものから順に一つずつ当該余剰のバッファに記録した状態となるよう、バッファに記録されているデータを更新する。
(ハ)n/N≧0.3であり、かつ、前回の平滑化処理時において用いられた初期データA1の数が3個以下である場合には、バッファに記録されている時系列的に最も古いデータを順次に一つずつ最新のデータに更新する。
以下、具体例を挙げて説明する。
この場合には、図3に示すように、先ず、赤外線センサ13が起動されて最初に取得された初期データA1がデータ書き込み手段(同図3において矢印で示す。)によって8個のバッファB1〜B8のすべてに対していわば強制的に順次に書き込まれる。そして、これら8個のバッファB1〜B8に記録された8個のデータの平均値である初期データA1が出力される。
そして、5回目以降の平滑化処理が行われるに際しては、常に、n/Nの値が0.3以上であり、前回の平滑化処理において用いられた初期データA1の数が0個である状態となるので、上記更新条件(ハ)に基づいて、時系列的に最も古いデータが一つずつ順次に最新のデータに更新される。
この場合には、図4に示すように、先ず、赤外線センサ13が起動されて最初に取得された初期データA1がデータ書き込み手段(同図4において矢印で示す。)によって12個のバッファB1〜B12のすべてに対していわば強制的に順次に書き込まれる。そして、これら12個のバッファB1〜B12に記録された12個のデータの平均値である初期データA1が出力される。
6回目以降の平滑化処理が行われるに際しては、常に、n/Nの値が0.3以上であり、前回の平滑化処理において用いられた初期データA1の数が0個である状態となるので、上記更新条件(ハ)に基づいて、時系列的に最も古いデータが一つずつ順次に最新のデータに更新される。
従って、赤外線センサ13の出力が安定するまでに要する時間、すなわち赤外線センサ13の起動時間を大幅に短縮することができる。具体的には、例えば1sec間隔毎にデータを取得して、12個のデータの移動平均処理を行う場合において、図5に示すような従来におけるデータの更新方法であれば、センサの起動時間に例えば12sec以上もの時間を要するが、本発明に係るデータの更新方法(例えば図4参照。)によれば、センサの起動時間を例えば7sec以下とすることができる。
例えば、平滑化処理に必要とされるサンプリングデータの数換言すればバッファの数、およびサンプリング時間例えば上記実施形態においては赤外線光源の点滅周期は、目的に応じて適宜に設定することができるが、少なくとも8個以上のデータについて平滑化処理を行うことにより出力値(ガス濃度指示値)を取得する構成ものにおいて極めて有用である。
また、本発明に係る信号処理方法を赤外線式ガス検知器に適用する場合においては、ガス検知器の構成は上記構成のものに限定されるものではなく、例えば赤外線光源からの赤外線を反射鏡によって反射させて赤外線センサに入射させる構成、いわゆる「反射型」のものであってもよい。このような構成の赤外線ガス検知器によれば、赤外線ガス検知器を十分に小型のものとして構成することができ、しかも、赤外線センサを高速に起動させること(出力を安定化させること)が必要とされる場合に極めて有用なものとなる。
11 ガスセル
11A ガス流入出口
12 赤外線光源
13 焦電型赤外線センサ
20 制御部
21 光源駆動回路
22 増幅回路
23 A/D変換手段
24 マイコン
25 D/A変換手段
Claims (3)
- ガスセンサから所定時間間隔毎に順次に取得されるサンプリングデータを少なくとも3つ以上のサンプリングデータが記録されるよう順次に更新しながらバッファリングし、これらのバッファリングされた複数個のサンプリングデータについて平滑化処理を行うことにより出力値を取得する信号処理回路を有するガス検知器であって、
ガスセンサの起動時においては、最初に取得される初期サンプリングデータがすべてのバッファに記録されて平滑化処理が行われ、2回目以降の平滑化処理が行われるに際しては、バッファの総数に対する取得されたサンプリングデータの数の割合および前回の平滑化処理時において用いられた初期サンプリングデータの数に基づいて設定される特定の更新条件に応じてバッファに記録されているサンプリングデータが更新されて平滑化処理が行われることを特徴とするガス検知器。 - バッファリングされるサンプリングデータの数が3つであって、
2回目の平滑化処理が行われるに際しては、バッファに記録されている3つの初期サンプリングデータのうちの2つが最新のサンプリングデータに更新され、
3回目以降の平滑化処理が行われるに際しては、時系列的に最も古いサンプリングデータが順次に一つずつ最新のサンプリングデータに更新されることを特徴とする請求項1に記載のガス検知器。 - バッファリングされるサンプリングデータの数が4つ以上であって、
2回目以降の平滑化処理が行われるに際しては、バッファの数をN、取得されたサンプリングデータの数をnとするとき、
(イ)n/N<0.3である場合には、取得されているサンプリングデータの各々が、N/n以下の最大の整数個ずつ各バッファに記録されると共に、余剰のバッファが存在する場合には、初期サンプリングデータを除く他のサンプリングデータが時系列的に古いものから順に一つずつ当該余剰のバッファに記録されるよう、各バッファに記録されているサンプリングデータが更新され、
(ロ)n/N≧0.3であり、かつ、前回平滑化処理時において用いられた初期サンプリングデータの数が3つより多い場合には、取得されているサンプリングデータの各々が、N/n以下の最大の整数個ずつ各バッファに記録されると共に、余剰のバッファが存在する場合には、初期サンプリングデータを除く他のサンプリングデータが時系列的に古いものから順に一つずつ当該余剰のバッファに記録されるよう、各バッファに記録されているサンプリングデータが更新され、
(ハ)n/N≧0.3であり、かつ、前回平滑化処理時において用いられた初期サンプリングデータの数が3つ以下である場合には、時系列的に最も古いサンプリングデータが順次に一つずつ最新のサンプリングデータに更新される
ことを特徴とする請求項1に記載のガス検知器。
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