JP4674012B2 - チャック構造およびこのチャック構造を用いたリベッター - Google Patents

チャック構造およびこのチャック構造を用いたリベッター Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばリベットにかしめ処理を施すために用いられるリベッター等の工具のチャック構造およびこれを用いたリベッターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図5の(イ)〜(ハ)に示すようなリベッター100のジョーケースユニット110が知られている。因みに図5にはジョーケースユニット110が設けられたリベッター100の先端部分のみを示している。このリベッター100は、リベット200のシャフト204(図5の(ハ))の頭部206をリベット本体201に残した状態でシャフト204の軸部205のみを引き抜くための工具であり、かかる引き抜き操作によって当接された第一部品P1と第二部品P2とがリベット本体201によって互いに接合されるようになっている。軸部205の頭部206近傍には環状溝によって形成された括れ部207が形成され、軸部205が強く引かれることによりこの括れ部207への集中応力の発生でこの部分が破断するようになっている。
【0003】
リベット本体201は、円筒状の胴部202と、この胴部202の一方の端部に同心で形成された鍔部203とから構成され、リベッター100によって軸部205が胴部202から引き抜かれることにより、図5の(ハ)に示すように、第一および第二部品P1,P2がこれらを貫通したリベット本体201の鍔部203と、胴部202の鍔部203と反対側の端部に残留したシャフト204の頭部206とによって挟持された状態になり、これによって第一および第二部品P1,P2はリベット本体201を介して互いにかしめ止めされることになる。
【0004】
そして、ジョーケースユニット110は、リベッター100の先端側(図5の紙面の右側)に設けられて軸部205を括れ部207から引きちぎるために用いられるものであり、図5の(イ)に示すように、リベッター100の先端部から突設された軸心方向に往復動するねじ軸101に螺着されたジョーケース111と、このジョーケース111に順次外嵌される回り止めスプリング112および回り止めリング113と、ジョーケース111の中央位置から図5における若干右方位置に固定されたフランジ114と、上記ジョーケース111に同心で被せられて螺着される内部に先細りの環状テーパー面を備えたジョーケースヘッド115と、このジョーケースヘッド115に同心で周方向に複数個が内装される、それぞれが上記環状テーパー面に対応したテーパー面を有する雄型テーパー体116とを備えて構成されている。
【0005】
上記ジョーケース111の基端部(図5の左方)よりさらに基端側のねじ軸101には予めナット111aが螺着されており、これによってジョーケース111に外嵌された回り止めスプリング112はナット111aとフランジ114との間に挟持された状態になっている。また、ジョーケース111の先端部には雄ねじ111bが螺設され、ジョーケースヘッド115をこの雄ねじ111bに螺着することによって、図5の(ロ)に示すように、その基端部がフランジ114に当止するようになっている。
【0006】
そして、回り止めリング113の先端面の一個所には、係合突起113aが突設されているとともに、フランジ114にはこの係合突起113aに嵌り込む隙間114aが設けられている。フランジ114の厚み寸法は、係合突起113aの右方への突出量より薄めに寸法設定され、これによって係合突起113aは隙間114aから若干右方に突出するようになっている。
【0007】
また、ジョーケースヘッド115の左端部には、周方向に90°ピッチで上記係合突起113aに外嵌し得る嵌合溝115aが凹設されている。したがって、図5の(イ)に二点鎖線で示すように、一方の手で回り止めリング113を把持し、回り止めスプリング112の付勢力に抗して当該回り止めリング113を左方に向けて移動させた状態でジョーケースヘッド115を雄ねじ111bに螺着していくることにより、ジョーケースヘッド115は、図5の(ロ)に示すように、その左端面がフランジ114に当接した状態になる。
【0008】
この状態で回り止めリング113から手を離すことにより、当該回り止めリング113は回り止めスプリング112の付勢力で右方に移動して係合突起113aがフランジ114の隙間114aに嵌り込む。引き続き嵌合溝115aが係合突起113aに嵌り込むようにジョーケースヘッド115を所定角度(この角度は90°以下の角度である)ねじ戻し方向に回動することにより、図5の(ハ)に示すように、ジョーケースヘッド115は回り止め状態でジョーケース111に装着される。
【0009】
そして、ジョーケースヘッド115がジョーケース111に装着された後に、当該ジョーケースユニット110に円筒ケーシング102が外嵌されてリベッター100のハウジングに固定されることにより、リベッター100は使用可能状態になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来のジョーケースユニット110にあっては、ジョーケースヘッド115をジョーケース111に装着するに際し、図5の(イ)に示すように、一旦片方の手で回り止めリング113を把持し、回り止めスプリング112の付勢力に抗して当該回り止めリング113をジョーケース111の基端部側に向けて最大限移動させた状態を維持しなければならず、かかる操作は困難でかつ極めて煩雑であり、これによってジョーケースヘッド115のジョーケース111に対する装着作業の作業性および迅速性が損なわれるという問題点を有していた。
【0011】
また、嵌合溝115aを係合突起113aに嵌め込むためには、ジョーケースヘッド115を最大限で90°もねじ戻さなければならず、これによる回り止めリング113の抜け方向への戻りで回り止めスプリング112の付勢力が弱まり、ジョーケースヘッド115のジョーケース111への装着状態が不安定になるという問題点を有している。
【0012】
さらに、ジョーケースユニット110は、ジョーケース111に付設される部品点数が多く、部品コストが嵩むという問題点も存在する。
【0013】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、部品点数の削減を図った上でジョーケースへの装着操作の作業性を改善し得るとともに、ジョーケースの装着状態のさらなる安定性を確保することができるチャック構造およびこれを用いたリベッターを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、棒状の被チャック物を同心で掴んで保持するように構成された所定の工具に組み付けられてなるチャック構造であって、工具本体の前端部から突設された突設軸に同心で固定される先端側に雄ねじの螺設されたジョーケースと、このジョーケースに外嵌されるコイルスプリングおよびフランジと、上記雄ねじに螺着される筒状のジョーケースヘッドと、このジョーケースヘッドに同心で複数個内装され、かつ、当該ジョーケースヘッドのジョーケースへのねじ込みにより上記被チャック物を複数個で均等に掴むように立体形状が設定されたジョーとが備えられ、上記ジョーケースの基端側にはコイルスプリングを抜け止めするストッパーが設けられ、上記コイルスプリングの先端部にはジョーケースヘッドのねじ込み方向に対向した面に傾斜部が形成されるように折り曲げ処理されてなるラチェット突起が設けられているとともに、上記フランジには上記ラチェット突起を外方に向けて突出させる切欠き部が設けられている一方、上記ジョーケースヘッドの基端側の縁部には、上記ラチェット突起に対応した複数のラチェット溝が全周に亘って等ピッチで複数凹設されていることを特徴とするチャック構造である。
【0015】
このチャック構造によれば、ジョーケースヘッドをジョーケースへ装着するに際しては、当該ジョーケースヘッドをジョーケースに外嵌してその雄ねじに螺着し、最後までねじ込んでいけばよい。このようにすると、ジョーケースヘッドは、まず、最初にラチェット溝側の端部が、コイルスプリングの付勢によってジョーケースの先端側に位置したフランジに当接する。この当接状態でジョーケースヘッドをさらにねじ込んでいくと、ラチェット溝の傾斜部分がコイルスプリングのラチェット突起の傾斜部分と干渉してラチェット突起をフランジの切欠き部からジョーケースの基端側に向けて没入させるため、上記干渉に拘らずジョーケースヘッドのねじ込み操作を続けることができる。
【0016】
そして、ラチェット突起は、ラチェット溝の傾斜縁部が当該ラチェット突起の頂部を乗り越えるとコイルスプリングの付勢力で切欠き部から外方に向かって突出し、つぎのラチェット溝に嵌り込む。したがって、ジョーケースヘッドのねじ込み操作を続けることにより、ラチェット突起の切欠き部からの出没が繰り返されつつジョーケースヘッドはジョーケースにねじ込まれていき、最奥部にまでねじ込まれることによりラチェット突起はいずれかのラチェット溝に嵌り込んだ状態になるため、この係合によってジョーケースヘッドは回り止めされた状態になり、ジョーケースヘッドのジョーケースに対する装着状態が安定する。
【0017】
このように、ジョーケースヘッドのジョーケースへの装着に際しては、ジョーケースヘッドをジョーケースに対してねじ込んでいくという簡単な操作を行うだけでよく、従来のようなフランジをコイルスプリングの付勢力に抗して手で移動させてからジョーケースヘッドをねじ込むという困難な操作を行う必要がなくなり、その分ジョーケースヘッド装着の作業性が向上する。
【0018】
また、従来のようなジョーケースヘッドのねじ込み回転を円滑に行わせるための部材をジョーケースに外嵌する必要がなくなり、フランジを採用しない分部品点数が削減される。
【0019】
さらに、ジョーケースヘッドをジョーケースの略最奥部にまでねじ込んだ状態で回り止めすることができるため、従来のようにジョーケースヘッドを最大で90°ねじ戻さなければならず、その分コイルスプリングの付勢力が弱まってより確実なジョーケースヘッドの回り止め作用が得られなくなるような不都合が回避される。
【0020】
なお、一旦ジョーケースに装着されたジョーケースヘッドを取り外すときは、片方の手でフランジをジョーケースの基端側に向けて移動させればよい。こうすることによってコイルスプリングが圧縮弾性変形し、ラチェット突起のラチェット溝に対する係合が解除される。この状態でジョーケースヘッドをねじ戻すことにより、当該ジョーケースヘッドをジョーケースから外すことができる。
【0021】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のチャック構造を用いたリベッターであって、上記被チャック物は、一端に鍔部を有するリベット本体と、このリベットに摺接状態で鍔部と反対側の端部から嵌入される頭部を備えたシャフトとからなるリベットであり、複数の部材に貫通された上記リベットのシャフトを引き抜くことにより上記複数の部材にかしめ処理を施し得るように構成されていることを特徴とするものである。
【0022】
このリベッターによれば、請求項1のチャック構造が採用されているため、このチャック構造の作用が当該リベッターにも受け継がれ、リベッターの組み付け作業の作業性が改善されるとともに部品点数が減少し、ひいては製造コストの低減化に貢献する。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るチャック構造の一実施形態が適用されたリベッターを示す斜視図であり、図2は、その縦断面図である。この図に示すように、リベッター10は、第一および第二部品P1,P2(図5の(ハ))に貫設された接続孔P3に嵌挿されたリベット200のシャフト204を引き抜くために用いられる工具であり、リベット200のシャフト204を引き抜くシャフト引抜き部20と、シャフト引抜き部20を動作させる引抜き駆動部30と、引き抜いたシャフト204を機外に排出するシャフト排出部40と、上記引抜き駆動部30に駆動力を与える油圧供給部50と、この油圧供給部50を駆動するエアシリンダ部60と、空気圧を供給してエアシリンダ部60を駆動する空気圧供給部70と、これらのシャフト引抜き部20、引抜き駆動部30、油圧供給部50、エアシリンダ部60および空気圧供給部70の作動のオン・オフを司る操作部80とを備えた基本構成を有している。
【0024】
以下、このような基本構成を有するリベッター10の概要について図1および図2に基いて説明し、これに続いて本発明に係るチャック構造について詳細に説明することとする。
【0025】
上記シャフト引抜き部20は、先端面がリベット200に対向し得るように配設されたフレームヘッド21を備えている。このフレームヘッド21内には軸部205を把持して引っ張る、本発明に係るチャック構造22が内装されているとともに、フレームヘッド21の先端部の前端孔21bには円錐筒状の口金21aがチャック構造22と同心で設けられている。そして、この口金21aの先端面を、図5の(ハ)に示すように、リベット200のリベット本体201の鍔部203に当接させた状態でチャック構造22を動作させることにより、把持されたシャフト204がリベット本体201から引き抜かれてフレームヘッド21内に引き込まれるようになっている。
【0026】
上記引抜き駆動部30は、油圧供給部50からの油圧を得て上記チャック構造22に軸心方向に向かう往復動を与えるものであり、中央筒状ケーシング31に内装された当該チャック構造22に同心で連携される油圧シリンダ機構32を有しており、この油圧シリンダ機構32の後方(図2の左方)に向かう駆動によってチャック構造22が軸部205の引き抜き動作を行うようになっている。
【0027】
上記シャフト排出部40は、引抜き駆動部30の後端に同心で連接された引き抜き済みのシャフト204を機外に排出するフレームキャップ41を備えて構成されている。シャフト引抜き部20の駆動で引き抜かれたシャフト204は、このフレームキャップ41を通って機外に排出されるようになっている。
【0028】
上記油圧供給部50は、引抜き駆動部30の中央筒状ケーシング31の下面側に固定されたオイルスリーブ51と、オイルスリーブ51の下端開口から当該オイルスリーブ51に摺接状態で嵌入されたエアピストンロッド52とを備えている。
【0029】
そして、エアシリンダ部60の駆動によるエアピストンロッド52の上昇でオイルスリーブ51内の作動油が油圧シリンダ機構32に供給され、これによって油圧シリンダ機構32がチャック構造22を順動作させるとともに、エアシリンダ部60の逆駆動によるエアピストンロッド52の下降でオイルスリーブ51内の作動油が油圧シリンダ機構32から引き戻され、これによって油圧シリンダ機構32がチャック構造22を逆動作させるようになっている。シャフト204は、チャック構造22の順動作および逆動作の繰り返しでリベット本体201から引き抜かれることになる。
【0030】
このような油圧供給部50のオイルスリーブ51は、図4に示すように、一対のフレームカバー53によって左右から挟持されている。このフレームカバー53は、オペレータがリベッター10を操作するときに把持するためのものである。
【0031】
上記エアシリンダ部60は、油圧供給部50の下部でオイルスリーブ51と同心に設定されたカップ61と、このカップ61に摺接状態で嵌挿されたエアピストン62とを備えて構成されている。
【0032】
エアピストン62の上面中心位置には、上記エアピストンロッド52の下端部が同心で固定され、カップ61内のエアピストン62より下部の空間に高圧空気が導入されることによるエアピストン62の上昇でエアピストンロッド52が上昇し、油圧供給部50内の作動油に所定の油圧が付与される一方、上記下部空間の減圧によるエアピストン62を介したエアピストンロッド52の下降でオイルスリーブ51内の作動油が減圧されるようになっている。
【0033】
上記空気圧供給部70は、高圧空気を供給する空気源71からの高圧空気を送り込むために当該空気源71と空気圧供給部70の間に配設されたエアチューブ(エアホース)72と、このエアチューブ72の下流端に接続されたエア切替機構73とを備えている。エア切替機構73は、内部に所定の切替弁74を有し、操作部80の操作による切替弁74の所定の切り替え動作によりエアチューブ72からの高圧空気のカップ61内への供給および供給停止が切り替えられるようになっている。
【0034】
上記操作部80は、引抜き駆動部30の中央筒状ケーシング31の下部であってフレームカバー53に支持軸回りに回動自在に設けられたトリガー81と、このトリガー81の操作で開閉するバルブスリーブ82と、このバルブスリーブ82と上記エア切替機構73との間に配設された第一管路83と、上記中央筒状ケーシング31内とエア切替機構73との間に配設された第二管路86とを備えて構成されている。
【0035】
上記バルブスリーブ82は、トリガー81が操作されていない(すなわち、引き金(トリガー81)が引かれていない)オフのときに閉弁状態とされる一方、トリガー81が操作されたオンのときに開弁状態になるように構成されている。そして、バルブスリーブ82が閉止されている状態では、エア切替機構73内の圧力バランスによる切替弁74の開閉動作で高圧空気がカップ61内に供給されるようになっている一方、トリガー81の引き操作(オン操作)でバルブスリーブ82が開通されると、この状態でのエア切替機構73内の圧力バランスの変更による切替弁74の切り替わりで高圧空気がカップ61内のエアピストン62の下部に供給されるようになっている。
【0036】
したがって、トリガー81が引き操作されていないときには、切替弁74の所定の開閉状態で空気源71からの高圧空気がカップ61に供給されず、これによるエアピストン62の非作動で油圧供給部50が動作しないため、シャフト引抜き部20は、引抜き駆動部30を介した引き抜き動作を行わない状態になっている。
【0037】
この状態でトリガー81をオン操作(引き操作)すると、バルブスリーブ82が開通してエア切替機構73内の圧力バランスが変化し、この変化で切替弁74の開閉状態が切り替わって空気源71からの高圧空気がカップ61に供給されるため、エアピストン62の駆動でエアピストンロッド52が上動し、これによるオイルスリーブ51内の作動油の圧縮で油圧が発生し、この油圧によってシャフト引抜き部20のチャック構造22は引抜き駆動部30を介して引き抜き動作を行うことになる。
【0038】
そして、本実施形態のリベッター10においては、油圧供給部50とエアシリンダ部60との間に構造材としての先の被接続部材200に該当するシリンダトップ63が介設されているとともに、このシリンダトップ63の下部にはエアシリンダ部60およびエア切替機構73を内装する箱型のシリンダカバー66がねじ止めその他で固定されている。
【0039】
一方、上記第一管路83は、オイルスリーブ51の外面前方側に配管された第一チューブ管84と、シリンダカバー66の前方の一方の隅部(図1に示す例では左隅部)が外方に向けて膨出することによって形成された上下方向に延びる第一膨設管85とからなっている。また、上記第二管路86は、第一チューブ管84とクロスするように配管された該当する第二チューブ管87と、シリンダカバー66の前方の他方の隅部が外方に向けて膨出することによって形成された第二膨設管88とからなっている。
【0040】
そして、上記各チューブ管84,87の下端部と、上記各膨設管85,88の上端部との間に、シリンダトップ63の縁部から突設された第一突設縁部64および第二突設縁部65が介設されている。各突設縁部64,65には、先の接続孔201(図5)に該当する第一接続孔64aおよび第二接続孔65aが穿設され、これらの接続孔64a,64bに第一および第二チューブ管84,87の下端部が接続固定されている。
【0041】
第二チューブ管87の上端部は中央筒状ケーシング31に接続されている。そして、エアチューブ72を介して切替機構73に供給される空気源71からの高圧空気は、エアチューブ72、切替機構73および第二管路86(第二膨設管88および第二チューブ管87)を介して常に中央筒状ケーシング31内に供給されるように構成されており、この空気圧で油圧シリンダ機構32の所定の部品(後述するオイルピストン34)が常に押圧され、これによって普段はチャック構造22を前方(図2における右方)に向かわせるために必要な押圧力が助長されるようになっている。
【0042】
図3は、本発明に係るチャック構造22の一実施形態を示す図であり、(イ)は分解斜視図、(ロ)は組立て斜視図である。以下図3および必要に応じて図2を参照しながらチャック構造22について詳細に説明する。
【0043】
図3の(イ)に示すように、チャック構造22は、油圧シリンダ機構32の一部品である後述するバックピストン35の先端(図2の右端)に螺着して締結されるジョーケースロックナット(ストッパー)23と、このジョーケースロックナット23に続いてオイルピストン34に螺着・締結される先端(図3の右方)に雄ねじ24aの螺設された、外径がジョーケースロックナット23より小径のジョーケース24と、このジョーケース24に略摺接状態で外嵌される回り止めスプリング25と、ジョーケース24に一体に形成されたフランジ26と、上記ジョーケース24の雄ねじ24aに螺着される雌ねじ27aを備えた筒状のジョーケースヘッド27と、このジョーケースヘッド27に内装される、軸部205を掴むためのチャック用部材としての二つのジョー28と、上記ジョーケース24内でジョー28とバックピストン35との間に介設されるジョープッシャースプリング29とを備えて構成されている。
【0044】
上記ジョーケースロックナット23は、図2に示すように、外径寸法がフレームヘッド21の基端側(図2の左側)の内径寸法より若干小径に寸法設定されているとともに、上記回り止めスプリング25は外径寸法がフレームヘッド21の中央部の内径寸法より若干小径に寸法設定されている。したがって、フレームヘッド21の基端部が中央筒状ケーシング31の先端開口31aに螺着されることにより回り止めスプリング25は基端側がジョーケースロックナット23に当止した状態でジョーケース24の外周面とフレームヘッド21の内周面の間の環状隙間に装着されるようになっている。
【0045】
また、上記回り止めスプリング25には、その先端側の線材が前方(図3の右方)に向かって折り曲げられることによって形成したラチェット突起25aが設けられている一方、上記フランジ26の外周面にはこのラチェット突起25aに対応するように径方向の中心に向かって切り欠かれた切欠き部26aが設けられている。したがって、ジョーケース24に回り止めスプリング25外嵌してラチェット突起25aと切欠き部26aとの位置合わせを行うことにより、図3の(ロ)に示すように、ラチェット突起25aが切欠き部26aに嵌り込むことになる。
【0046】
上記ラチェット突起25aは、ジョーケース24の孔心方向に前方(図3の右方)に向かって延びる直状突起25bと、この直状突起25bの先端から反時計方向に所定角度折り曲げられて形成した傾斜突起25cとからなっている。直状突起25bは、フランジ26の厚み寸法より相当長めに長さ設定されている。したがって、ラチェット突起25aは、フランジ26の切欠き部26aに嵌め込まれた状態で当該切欠き部26aから前方に向けて突出するとともに、傾斜突起25cに向けて摺接状態で時計方向に向かう力が加えられることにより切欠き部26a内に没入することになる。
【0047】
上記ジョーケースヘッド27は、中央の円筒状のジョーケース本体27bと、このジョーケース本体27bの先端側に連接された円錐筒状の円錐筒部27cと、ジョーケース本体27bの基端側に形成されたラチェット部27dとを備えて構成されている。上記雌ねじ27aは、ジョーケース本体27bにのみ螺設されている。また、円錐筒部27cの内周面には、上記各ジョー28の径方向の外側の面が密着状態で当接する先細りの円錐径斜面27eが形成されている。
【0048】
上記ラチェット部27dは、周方向に等ピッチで後端縁から切り込まれて形成した複数のラチェット溝27fと、隣設するラチェット溝27f間に形成された複数のラチェット歯27gとからなっている。ラチェット溝27fは、上記回り止めスプリング25のラチェット突起25aに対応するように三角溝状に形成され、これによってジョーケースヘッド27がジョーケース24に螺着された状態で、図3の(ロ)に示すように、ラチェット突起25aが密着状態でラチェット溝27fに嵌り込むようになっている。
【0049】
上記ジョー28は、円錐台形状のものが中心線に沿うように二分割された状態で形成され、かつ、外面側がジョーケースヘッド27の円錐径斜面27eに密着し得るように先細りに形状設定された矢尻形状の一対の矢尻片28aによって形成されている。これら一対の矢尻片28aの対向面を合わせることによってシャフト204の軸部205をチャックして引き込むためのジョー28が形成されている。かかるジョー28とジョープッシャースプリング29との間には円柱状のジョープッシャー28bが介設される。したがって、ジョープッシャースプリング29の付勢力はジョープッシャー28bを介してジョー28に伝達されることになる。
【0050】
ジョー28の各矢尻片28aには、その内面側に曲率半径が軸部205の径寸法より僅かに小さめに径設定された中心角が180°の円弧溝28cが形成されている。この円弧溝28cには、鋸歯状に形成された円弧状の多数の戻止め突起28dが複数設けられている。そして、一対の矢尻片28aが合体されることによって各円弧溝28cによりシャフト204の軸部205を挿通するための円形通路28eが形成されるようにしている。
【0051】
上記各戻止め突起28dは、シャフト204の軸部205をチャック構造22の内部に引き込むためのものであり、軸部205を円形通路28eに嵌め込んだ状態でジョー28をジョーケースヘッド27と一体的に後動させることにより、軸部205は戻止め突起28dに引掛けられて後方に向かって移動するようになっている。
【0052】
上記ジョープッシャースプリング29は、ジョーケース24およびジョーケースヘッド27にまたがって内装された二個の矢尻片28aを前方に向けて押圧するためのものであり、かかる押圧によって各ジョー28は、その矢尻片28aの外面がジョーケースヘッド27の円錐径斜面27eに密着して二つの円弧溝28cによって形成された円形通路28eの径寸法が縮径されるようになされている。
【0053】
なお、引抜き駆動部30の油圧シリンダ機構32の動作によってチャック構造22がフレームヘッド21内で全体的に前方に向けて押圧されているとき(すなわちトリガー81が引き操作されていないとき)は、各矢尻片28aがフレームヘッド21の前端孔21bに螺着された口金21aの後端部と干渉し、これによる各矢尻片28aの円錐径斜面27eからの離間で円形通路28eは軸部205の径寸法より大きくなり得るようになされている。
【0054】
したがって、トリガー81が引き操作されていないときには、軸部205を口金21aを介してジョー28の円形通路28e内に容易に差し込むことができる一方、トリガー81の引き操作による油圧シリンダ機構32の駆動でチャック構造22が全体的に後方に引かれたときには、各ジョー28の口金21aからの離間によって矢尻片28aがジョープッシャースプリング29によって前方に向けて押圧された状態でジョーケースヘッド27の円錐径斜面27eに当接し、これによる円形通路28eの縮径で軸部205は戻止め突起28dにより二方から係止され、シャフト引抜き部20内に相対的に引き込まれるようになっている。
【0055】
つぎに、かかるチャック構造22を動作させる引抜き駆動部30の油圧シリンダ機構32について図2を基に説明する。油圧シリンダ機構32は、中央筒状ケーシング31の後方の筒体によって形成されたオイルシリンダ33と、このオイルシリンダ33に嵌挿されたオイルピストン34と、このオイルピストン34の後部(図2の左方)でオイルシリンダ33に内装されたバックピストン35と、このバックピストン35と上記フレームキャップ41の底板との間に介設されるリターニングスプリング36とを備えて構成されている。
【0056】
上記オイルピストン34は、オイルシリンダ33に摺接状態で嵌挿されるオイルピストン本体341と、このオイルピストン本体341から前方に向けて同心で突設されてオイルシリンダ33の中心孔33aを介してシャフト引抜き部20に到る前方筒部342とからなっている。オイルピストン本体341の後部側には、バックピストン35を嵌挿するための装着凹部34bが同心で凹設されている。前方筒部342の孔心位置には、シャフト204の軸部205を通過させるための中心孔34aが穿設されている。
【0057】
上記バックピストン35は、オイルピストン34の装着凹部34bに摺接状態で嵌挿されるピストンブロック35bと、このピストンブロック35bの中央部より若干後方寄りの部分に形成されたフランジ35cと、上記ピストンブロック35bの後端部から後方に向かって同心でフレームキャップ41の略中央部にまで延設された後端ロッド35dとからなっている。また、上記ピストンブロック35bのフランジ35cより前方部分は、オイルピストン34の後面から同心で凹設された装着凹部34bに摺接状態で内嵌されている。
【0058】
そして、このように構成されたバックピストン35には、軸心位置に穿設された軸部205を通過させるための円形通路32aが設けられ、シャフト引抜き部20の所定の動作で括れ部207が破断されることにより引き抜かれた軸部205がこの円形通路32aを通り、フレームキャップ41を介して機外に排出されるようになっている。
【0059】
一方、上記シャフト排出部40は、上記フレームキャップ41と、このフレームキャップ41の底板から後方に向かって突設されたフランジ部44とからなっている。フランジ部44は、シャフト排出部40の引抜き駆動部30に対する着脱操作を行い易くするためのものである。
【0060】
フレームキャップ41は、中央筒状ケーシング31の後端部に螺着される外筒42と、この外筒42の内側に同心で形成された上記後端ロッド35dを摺接状態で内嵌する内筒43とを備えている。かかるフレームキャップ41の底板およびフランジ部44には、中心位置に穿設された円形通路41aが穿設され、上記バックピストン35の円形通路32aを通った軸部205は、シャフト排出部40の円形通路41aを通って機外に排出されることになる。
【0061】
そして、上記リターニングスプリング36は、外筒42の内周面と内筒43の外周面との間に形成された環状隙間に嵌め込まれた状態で前端部がバックピストン35のフランジ35cに当止され、これによる圧縮弾性変形によってバックピストン35に前方に向かう付勢力を与えるようになっている。したがって、トリガー81が操作されていない状態では、図2に示すように、リターニングスプリング36の付勢力によってバックピストン35はオイルピストン34を介してオイルシリンダ33内の最右端に位置している。
【0062】
これに対しトリガー81が引き操作されると、この操作がバルブスリーブ82および第一管路83(図1)内の空気流の流通停止によって切替機構73内の切替弁74が切り替わり、これによるエアピストン62の上昇によるエアピストンロッド52の上昇でオイルスリーブ51内の作動油が、当該オイルスリーブ51の天井部に設けられた通孔51aを通ってオイルシリンダ33のオイルピストン34より前方(図2の右方)位置に供給され、これによるオイルピストン34の後動によってバックピストン35がリターニングスプリング36の付勢力に抗して後方(図2の左方)に向かって移動するようになっている。この移動でチャック構造22が全体的に後方に向かって移動し、先に説明したように、軸部205をシャフト引抜き部20内に引き入れることになる。
【0063】
トリガー81を元に戻すと、エアピストン62の下降でエアピストンロッド52が下降し、これによるオイルシリンダ33内の作動油の通孔51aを介した流出およびリターニングスプリング36の付勢力によってバックピストン35は元の位置に復帰することになる。
【0064】
そして、前記のように構成された本発明に係るチャック構造22は、ジョーケースヘッド27のジョーケース24に対する装着操作が極めて容易に行い得ることに特徴を有するものである。以下、ジョーケースヘッド27のジョーケース24に対する装着操作について図4を基に説明する。図4は、ジョーケースヘッド27のジョーケース24への装着操作を説明するための説明図であり、(イ)は、ジョーケースヘッド27がジョーケース24に装着される直前の状態、(ロ)は、ジョーケースヘッド27がジョーケース24に装着されつつある状態、(ハ)は、ジョーケースヘッド27がジョーケース24に装着された状態である。また、(イ)〜(ハ)のいずれについてもフレームヘッド21(図2)がリベッター10の中央筒状ケーシング31から取り外された状態を示している。
【0065】
ジョーケースヘッド27をジョーケース24に装着するに際しては、まず、図4の(イ)に示すように、ジョーケースヘッド27の基端側(図4の左方)の開口をジョーケース24の先端側にに対向させる。このときには回り止めスプリング25のラチェット突起25aは、フランジ26の切欠き部26aから先端に向けて突出した状態になっている。
【0066】
この状態でジョーケースヘッド27をジョーケース24の先端の雄ねじ24aに螺着し、順次ねじ込んでいくと、ジョーケースヘッド27のラチェット歯27gがフランジ26に当接するとともに、回り止めスプリング25のラチェット突起25が一部のラチェット溝27fに嵌り込んだ状態になる。この状態でさらにジョーケースヘッド27をねじ込んでいくと、図4の(ロ)に示すように、ラチェット歯27gの傾斜面がラチェット突起25aの傾斜突起25cと干渉してこのときに生じる軸心方向の基端側に向かう分力によってラチェット突起25aが回り止めスプリング25の付勢力に抗して切欠き部26aからジョーケース24の基端側に向けて没入する。
【0067】
引き続きジョーケースヘッド27をジョーケース24にねじ込んでいくと、ラチェット突起25aは、ラチェット歯27gの先端が当該ラチェット突起25aの先端を通過した直後に回り止めスプリング25の伸長によってつぎのラチェット溝27fに嵌り込む。したがって、ジョーケースヘッド27のねじ込み操作を継続することにより、ラチェット突起25aは、「カチカチ」という操作音を発しながら、先のものと入れ替わって次々と新たなラチェット溝27fに嵌り込んでいくことになる。
【0068】
そして、ジョーケースヘッド27の最大限のねじ込み操作が完了した時点で、当該ねじ込み操作を中止すると、図4の(ハ)に示すように、回り止めスプリング25のラチェット突起25aがジョーケースヘッド27のいずれかのラチェット溝27fに嵌り込んだ状態になる。ラチェット突起25aがラチェット溝27fに嵌り込んだ状態では、ジョーケース24の孔心と平行なラチェット歯27gの縁部が、同様の直状突起25bに当接した状態になるため、ジョーケースヘッド27のねじ戻し方向に向かう回転が阻止され、ジョーケースヘッド27は安定した抜け止め状態でジョーケース24に装着されることになる。
【0069】
以上詳述したように、本発明のチャック構造22は、被チャック物としてのリベット200を同心で掴んで保持するように構成された所定の工具(例えばリベッター10)に組み付けられるものであり、リベッター10の中央筒状ケーシング31から突出したオイルピストン34の前方筒部342に同心で固定される先端側に雄ねじ24aの螺設されたジョーケース24と、このジョーケース24に外嵌される回り止めスプリング25およびフランジ26と、上記雄ねじ24aに螺着される筒状のジョーケースヘッド27と、このジョーケースヘッド27に同心で複数個内装され、かつ、当該ジョーケースヘッド27のジョーケース24へのねじ込みにより上記リベット200のシャフト204の軸部205を複数個で均等に掴むように立体形状が設定されたジョー28とが備えられてなるものである。
【0070】
そして、上記ジョーケース24の基端側には回り止めスプリング25を抜け止めするストッパーとしてのジョーケースロックナット23が設けられ、上記回り止めスプリング25の先端部にはジョーケースヘッド27のねじ込み方向に対向した側に傾斜突起25cが形成されるように折り曲げ処理されてなるラチェット突起25aが設けられているとともに、上記フランジ26には上記ラチェット突起25aを外方に向けて突出させる切欠き部26aが設けられている一方、上記ジョーケースヘッド27の基端側の縁部には、上記ラチェット突起25aに対応した複数のラチェット溝27fが全周に亘って等ピッチで複数凹設されている。
【0071】
かかるチャック構造によれば、ジョーケースヘッド27をジョーケース24へ装着するに際しては、当該ジョーケースヘッド27をジョーケース24に外嵌してその雄ねじ24aに螺着し、最後までねじ込んでいけばよい。こうすることによってジョーケースヘッド27は、まず、最初にラチェット溝27fの側の端部が、回り止めスプリング25の付勢力によってジョーケース24の先端側に位置したフランジ26に当接し、この当接状態でジョーケースヘッド27をさらにねじ込んでいくことにより、ラチェット溝27fの傾斜部分が回り止めスプリング25のラチェット突起25aの傾斜突起25cと干渉してラチェット突起25aをフランジ26の切欠き部26aからジョーケース24の基端側(図の左方)に向けて没入させるため、上記干渉に拘らずジョーケースヘッド27のねじ込み操作を続けることができる。
【0072】
そして、ラチェット突起25aは、ラチェット溝27fの傾斜縁部が当該ラチェット突起25aの頂部を乗り越えると回り止めスプリング25の付勢力で切欠き部26aから外方に向かって突出し、つぎのラチェット溝27fに嵌り込む。
したがって、ジョーケースヘッド27のねじ込み操作を続けることにより、ラチェット突起25aの切欠き部26aからの出没が繰り返されつつジョーケースヘッド27はジョーケース24にねじ込まれていき、最奥部にまでねじ込まれることによりラチェット突起25aはいずれかのラチェット溝27fに嵌り込んだ状態になる。この嵌り込みによってジョーケースヘッド27は回り止めされた状態になり、ジョーケースヘッド27のジョーケース24に対する装着状態を安定させることができる。
【0073】
このように、ジョーケースヘッド27のジョーケース24への装着に際しては、ジョーケースヘッド27をジョーケース24に対してねじ込んでいくという簡単な操作を行うだけでよく、従来のようなフランジ114(図5)を回り止めスプリング112(図5)の付勢力に抗して手で移動させてからジョーケースヘッド115(図5)をねじ込むという困難な操作を行う必要がなくなり、その分ジョーケースヘッド27装着の作業性を向上させることができる。
【0074】
また、従来のようなジョーケースヘッド27のねじ込み回転を円滑に行わせるためのフランジをジョーケース24に外嵌する必要がなくなり、フランジを採用しない分部品点数の削減に貢献することができる。
【0075】
さらに、ジョーケースヘッド27をジョーケース24の略最奥部にまでねじ込んだ状態で回り止めすることができるため、従来のようにジョーケースヘッド27を最大で90°ねじ戻さなければならず、その分回り止めスプリング25の付勢力が弱まってより確実なジョーケースヘッド27の回り止め作用が得られなくなるような不都合を回避することができる。
【0076】
そして上記のように構成されたチャック構造22をリベッター10に適用することにより、このチャック構造22の作用効果が当該リベッター10にもそのまま受け継がれるため、リベッター10の組み付け作業の作業性が改善されるとともに部品点数が減少し、ひいては製造コストの低減化に貢献することができる。
【0077】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り以下の内容をも包含するものである。
【0078】
(1)上記の実施形態においては、工具としてリベッター10が適用されているが、本発明のチャック構造22は、それを適用するものがリベッター10であることに限定されるものではなく、ドリル等の各種の被装着物を装着するための各種の工具に適用することが可能である。
【0079】
(2)上記の実施形態においては、フランジ26は、切削加工その他によって当初からジョーケース24と一体に形成されているが、こうする代わりにフランジ26をジョーケース24と別体として形成し、ジョーケース24に嵌め込んだ後に溶接止め等で固定するようにしてもよい。
【0080】
(3)上記の実施形態においては、リベット200の軸部205には括れ部207が設けられ、リベッター10の操作で括れ部207を破断させてシャフト204を引き抜くように構成されているが、本発明は、リベッターの操作で軸部205を破断させることに限定されるものではなく、括れ部207が設けられていないシャフト204を用い、このシャフト204を破断しない状態で頭部206を伴って胴部202から引き抜くようにしてもよい。
【0081】
(4)上記の実施形態においては、回り止めスプリング25を止めるストッパーとしてバックピストン35の先端に螺着されるジョーケースロックナット23が採用されているが、本発明は、ストッパーとしてジョーケースロックナット23を用いることに限定されるものではなく、例えば、バックピストン35の先端部に一体に環状突起を設け、この環状突起をストッパーとしてもよいし、ジョーケース24の基端側に環状突起を一体に設け、この環状突起をストッパーとしてもよい。
【0082】
(5)上記の実施形態においては、ジョー28は、二個の矢尻片28aが合体されることによって形成されるようになされているが、矢尻片28aは二個であることに限定されるものではなく、三個以上であってもい。
【発明の効果】
【0083】
本発明の請求項1記載のチャック構造によれば、工具本体の前端部から突設された突設軸に同心で固定されるジョーケースの基端側には外嵌されたコイルスプリングを抜け止めするストッパーが設けられ、コイルスプリングの先端部にはジョーを内装するジョーケースヘッドのねじ込み方向に対向した面に傾斜部が形成されるように折り曲げ処理されてなるラチェット突起が設けられているとともに、ジョーケースに外嵌されるフランジにはラチェット突起を外方に向けて突出させる切欠き部が設けられている一方、ジョーケースヘッドの基端側の縁部には、ラチェット突起に対応した複数のラチェット溝が全周に亘って等ピッチで複数凹設されているため、ジョーケースヘッドのジョーケースへのねじ込み操作を続けることにより、ラチェット突起は、切欠き部から出没しながらジョーケースヘッドはジョーケースにねじ込まれていき、最奥部にまでねじ込まれることによりラチェット突起はいずれかのラチェット溝に嵌り込んだ状態になり、この係合によってジョーケースヘッドのジョーケースに対する装着状態が安定するとともに、ジョーケースヘッドのねじ戻しを確実に阻止することができる。
【0084】
このように、ジョーケースヘッドのジョーケースへの装着に際しては、ジョーケースヘッドをジョーケースに対してねじ込んでいくという簡単な操作を行うだけでよく、従来のようなフランジをコイルスプリングの付勢力に抗して手で移動させてからジョーケースヘッドをねじ込むという困難な操作を行う必要がなくなり、その分ジョーケースヘッド装着の作業性を向上させることができる。
【0085】
また、従来のようなジョーケースヘッドのねじ込み回転を円滑に行わせるための部材をジョーケースに外嵌する必要がなくなり、フランジを採用しない分部品点数を削減することができる。
【0086】
本発明の請求項2記載のリベッタ−によれば、請求項1のチャック構造が採用されているため、このチャック構造の作用が当該リベッターにも受け継がれ、リベッターの組み付け作業の作業性が改善されるとともに部品点数が減少し、ひいては製造コストの低減化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチャック構造の一実施形態が適用されたリベッターを示す斜視図である。
【図2】図1に示すリベッターの縦断面図である。
【図3】本発明に係るチャック構造の一実施形態を示す斜視図であり、(イ)は分解斜視図、(ロ)は組立て斜視図である。
【図4】ジョーケースヘッドのジョーケースへの装着操作を説明するための説明図であり、(イ)は、ジョーケースヘッドがジョーケースに装着される直前の状態、(ロ)は、ジョーケースヘッドがジョーケースに装着されつつある状態、(ハ)は、ジョーケースヘッドがジョーケースに装着された状態をそれぞれ示している。
【図5】(イ)〜(ハ)は、従来のチャック構造を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 リベッター 20 シャフト引抜き部
21 フレームヘッド 21a 口金
21b 前端孔 22 チャック構造
23 ジョーケースロックナット(ストッパー)
24 ジョーケース 24a 雄ねじ
25 回り止めスプリング
25a ラチェット突起 25b 直状突起
25c 傾斜突起 26 フランジ
26a 切欠き部 27 ジョーケースヘッド
27a 雌ねじ 27b ジョーケース本体
27c 円錐筒部 27d ラチェット部
27e 円錐径斜面 27f ラチェット溝
27g ラチェット歯
28 ジョー(チャック用部材)
28a 矢尻片 28b ジョープッシャー
28c 円弧溝 28d 戻止め突起
28e 円形通路
29 ジョープッシャースプリング
30 駆動部 31 中央筒状ケーシング
31a 先端開口 32 油圧シリンダ機構
32a 円形通路 33 オイルシリンダ
33a 中心孔 34 オイルピストン
341 オイルピストン本体
342 前方筒部
34a 中心孔 34b 装着凹部
35 バックピストン
35b ピストンブロック 35c フランジ
35d 後端ロッド
36 リターニングスプリング
40 シャフト排出部 41 フレームキャップ
41a 円形通路 42 外筒
43 内筒 44 フランジ部
50 油圧供給部 51a 通孔
51 オイルスリーブ
52 エアピストンロッド 53 フレームカバー
60 エアシリンダ部 61 カップ
62 エアピストン 63 シリンダトップ
64 第一突設縁部 64a 第一接続孔
65 第二突設縁部 65a 第二接続孔
66 シリンダカバー 70 空気圧供給部
71 空気源 72 エアチューブ(エアホース)
73 エア切替機構 73 切替機構
74 切替弁 80 操作部
81 トリガー 82 バルブスリーブ
83 第一管路 84 第一チューブ管
85 第一膨設管 86 第二管路
87 第二チューブ管 88 第二膨設管
200 被接続部材(被チャック物)
200 用部材 201 リベット本体
202 胴部 203 鍔部
204 シャフト 205 軸部
206 頭部 207 括れ部
P1 第一部品 P2 第二部品
P3 接続孔

Claims (2)

  1. 棒状の被チャック物を同心で掴んで保持するように構成された、所定の工具に組み付けられてなるチャック構造であって、工具本体の前端部から突設された突設軸に同心で固定される先端側に雄ねじの螺設されたジョーケースと、このジョーケースに外嵌されるコイルスプリングおよびフランジと、上記雄ねじに螺着される筒状のジョーケースヘッドと、このジョーケースヘッドに同心で複数個内装され、かつ、当該ジョーケースヘッドのジョーケースへのねじ込みにより上記被チャック物を複数個で均等に掴むように立体形状が設定されたジョーとが備えられ、上記ジョーケースの基端側にはコイルスプリングを抜け止めするストッパーが設けられ、上記コイルスプリングの先端部にはジョーケースヘッドのねじ込み方向に対向した面に傾斜部が形成されるように折り曲げ処理されてなるラチェット突起が設けられているとともに、上記フランジには上記ラチェット突起を外方に向けて突出させる切欠き部が設けられている一方、上記ジョーケースヘッドの基端側の縁部には、上記ラチェット突起に対応した複数のラチェット溝が全周に亘って等ピッチで複数凹設されていることを特徴とするチャック構造。
  2. 請求項1記載のチャック構造を用いたリベッターであって、上記被チャック物は、一端に鍔部を有するリベット本体と、このリベットに摺接状態で鍔部と反対側の端部から嵌入される頭部を備えたシャフトとからなるリベットであり、複数の部材に貫通された上記リベットのシャフトを引き抜くことにより上記複数の部材にかしめ処理を施し得るように構成されていることを特徴とするリベッター。
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