JP4673827B2 - 歩行型耕耘機に備えた線状部材の配設構造 - Google Patents
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Description
車体ボディ側とスライドドア側とに配設された線状部材は、スライドドアの移動により弛みが発生する。
以下、ループ状に巻いた線状部材を、「ループ状の線状部材」と称する。
このため、車体ボディ側に収納カバーを設ける空間を確保する必要があり、そのことが実用化を図る妨げになっていた。
さらに、車体ボディ側に収納カバーを新たに設けるために、部品点数が増え、そのことが簡素化を図る妨げになっていた。
そして、ドーナツ状の収納空間にループ状に巻いた線状部材を収納することで、ループ状に巻いた線状部材が収納空間内でズレることを防止することにした。
なお、ループ状に巻いた線状部材を拡縮させるとは、ループ状に巻いた線状部材の直径を変化させること(大きくしたり小さくしたりすること)をいう。
線状部材をループ状に巻くことで、フレーム部材の長さの変更に対応させて、ループ状に巻いた線状部材を拡縮させることができる。
これにより、線状部材が弛んでカバー部材の外側に露出することを防止できるという利点がある。
これにより、カバー部材を設けるために空間を新たに確保する必要がなく、実用化の容易化を図ることができるという利点がある。
また、カバー部材を新たに設ける必要がないので、部品点数の増加を抑えることができるという利点がある。
さらに、請求項1に係る発明では、フレーム部材を、ロアポストおよびアッパポストで構成し、アッパポストに操作ハンドルを設けた。
これにより、アッパポストを昇降させることで、操作ハンドルの高さを、操作者の体格や作業形態に合わせて自在に調整することができるという利点がある。
加えて、トランスミッションケース側部材および操作ハンドル側部材を結ぶ動力伝達ケーブルをループ状に巻き、ループ状の動力伝達ケーブルをカバー部材に収納した。
よって、アッパポストを昇降させる際に、ループ状に巻いた動力伝達ケーブルを拡縮させることで、動力伝達ケーブルに発生する弛みを吸収することができる。
これにより、動力伝達ケーブルが弛んでカバー部材の外側に露出することを防いで、外観性を好適に確保できるという利点がある。
よって、ループ状に巻いた線状部材が、カバー部材内でズレることを内周壁で規制することができる。
これにより、ループ状に巻いた線状部材を、収納空間内に安定的に収納できるので、ループ状に巻いた線状部材を良好に拡縮させることができるという利点がある。
これにより、フレーム部材の長さを変更させた際に、ループ状に巻いた線状部材をガイド部材で円滑に移動させて、ループ状の線状部材を良好に拡縮させることができるという利点がある。
よって、複数の線状部材を、それぞれ個別にガイド孔で案内することができる。これにより、ループ状に巻いた複数の線状部材をガイド部材で円滑に移動させて良好に拡縮させることができるという利点がある。
なお、本実施の形態では作業機として歩行型耕耘機を例示する。
作業機としての歩行型耕耘機10は、作業機本体を兼ねるトランスミッションケース12の上部12aに搭載されたエンジン13と、トランスミッションケース12内に設けられた変速機構(図示せず)と、トランスミッションケース12の後端部12bに設けられた左右の駆動輪15,15と、トランスミッションケース12の前端部12cに設けられたロータリ作業部17および補助輪18と、トランスミッションケース12の後端部12bに設けられたハンドル装置20と、ハンドル装置20側の部材およびトランスミッションケース12側の部材を連結/接続する線状部材の配設構造22とを備える。
このエンジン13は、始動用のスタータモータ32を備え、スロットル弁33の開度を調整するスロットルレバー(一方側部材)34を備える。
走行クラッチ35は、走行クラッチ35をオン状態とオフ状態とに切り換えるクラッチレバー(一方側部材)36を備える
これにより、左右の駆動輪15,15で走行しながら、ロータリ作業部17を回転させる。ロータリ作業部17が回転することで、耕耘爪37…が回転して土壌を耕耘する。
これにより、左右の駆動輪15,15を静止状態に保つとともに、ロータリ作業部17を静止状態に保つ。
ハンドル装置20は、トランスミッションケース12の後端部12bに設けられたハンドルポストユニット41と、ハンドルポストユニット41の上端部に揺動自在に設けられた操作ハンドルユニット42と、ハンドルポストユニット41を覆うとともに操作ハンドルユニット42の一部を覆うハンドルポストカバー(カバー部材)43とを備える。
ハンドルポスト45は、長手方向において複数個(2個)に分割されたロア固定ポスト(ロアポスト)51およびアッパ昇降ポスト(アッパポスト)52を有する。
左右のロアポスト部54,55は、それぞれパイプで形成され、トランスミッションケース12の後端部12bから後方に向けて上り勾配で延出されている。
右ロアポスト部55は、左ロアポスト部54に臨む壁部に右ロック孔55a…が所定の間隔をおいて複数個形成されている。
左アッパポスト部58は、右アッパポスト部59に臨む壁部に左保持孔58cが形成されている。
右アッパポスト部59は、左アッパポスト部58に臨む壁部に右保持孔59cが形成されている。
よって、ロア固定ポスト51に沿わせてアッパ昇降ポスト52を上下方向に昇降させることができる。
アッパ昇降ポスト52を所定位置に保持する場合には、切換ハンドル47から回動力を解除する。左右の復帰ばねで左右のロックピンがロック孔54a…,55a…に進入する。
よって、アッパ昇降ポスト52を所定位置に保持することができる。
この収納凹部は、操作ハンドル65のハンドル支軸部74を回動自在に支持するものである。
揺動切換手段66は、操作ハンドル65を揺動可能な揺動状態と、所定位置に保持する保持状態とに切り換えるものである。
この操作ハンドル65は、ハンドル支軸部74、左右のハンドル側部75,76およびハンドルグリップ部77で略矩形のループ状に形成されている。
クラッチ操作レバー68の右レバー側部86にケーブルブラケット91が設けられている。ケーブルブラケット91はクラッチケーブル(線状部材)92を介してクラッチレバー36(図1参照)に連結されている。
クラッチケーブル92は、クラッチ操作レバー68の動力をクラッチレバー36に伝達する動力伝達ケーブルである。
クラッチ操作レバー68の握りを解放することで、クラッチ操作レバー68が操作ハンドル65から離れる。クラッチケーブル92の引っ張り状態が解除され、走行クラッチ35がオフ状態になる。
上カバー部93は、略矩形状の外周壁95を備えるとともに、略矩形状の内周壁96を備えることで、中央に略矩形状の中央開口部97が形成され、上端部に操作パネル98が形成されている。
すなわち、上カバー部93は、少なくともハンドルポスト45の一部(アッパ昇降ポスト)52を覆うように構成されている。
上カバー部93の底部開口93aに下カバー部94がボルト止めされる。
中央開口部97にスライド切換手段46の切換ハンドル47が配置されている。
スタータスイッチ101は、ワイヤハーネス103を介してエンジン13のスタータモータ32(図1参照)に接続されている。
スタータスイッチ101を押すことにより、スイッチがオン状態になり、スタータモータ32が作動する。スタータモータ32が作動することでエンジン13が始動する。
スロットルケーブル107は、スロットル操作レバー102の動力をスロットルレバー34に伝達する動力伝達ケーブルである。
スロットル操作レバー102を前後方向に操作することで、スロットルレバー34を操作する。スロットルレバー34を操作することで、スロットル弁33の開度を調整する。
以下、線状部材の配設構造22を図4〜図8に基づいて詳しく説明する。
上カバー部93は、天井部99の外形が略矩形状に形成され、天井部99の外縁に沿って外周壁95が設けられ、天井部99の略中央に中央開口部97が形成され、この中央開口部の周縁に沿って内周壁96が設けられている。
天井部99、外周壁95および内周壁96で内部空間145がドーナツ状に形成される。
内部空間145には、アッパ昇降ポスト52、スライド切換手段46の本体部46aおよびハンドル支軸部74などを収納する。
アッパ昇降ポスト52は、左アッパポスト部58が左内部空間145aに収納され、右アッパポスト部59が右内部空間145bに収納され、支持梁部61が後内部空間145cに収納され、ポスト連結部材62が前内部空間145dに収納されている。
右アッパポスト部59の下端部59dは、外周壁95の前右側凹部95bを貫通して上カバー部93の右側から前方に向けて突出されている。
支持部材64およびハンドル支軸部74は、後内部空間145cに収納されている。
ハンドル支軸部74の左端部74aは、外周壁95の後左側凹部95cを貫通して上カバー部93の左側から左外部に向けて突出されている。
ハンドル支軸部74の右端部74bは、外周壁95の後右側凹部95dを貫通して上カバー部93の右側から右外部に向けて突出されている。
この既存のハンドルポストカバー43の内部空間145を利用して、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aやスロットルケーブル107aを収納する。
これにより、カバー部材を設けるために空間を新たに確保する必要がなく、実用化の容易化を図ることができる。
また、カバー部材を新たに設ける必要がないので、部品点数の増加を抑えることができる。
よって、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aおよびスロットルケーブル107aが、ハンドルポストカバー43内でズレることを内周壁96で規制することができる。
これにより、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aおよびスロットルケーブル107aを、収納空間145内に安定的に収納できる。
第1〜第7のガイド部材161〜167は、クラッチケーブル92およびスロットルケーブル107を円滑に移動させるように案内する部材である。
第4、第5のガイド部材164,165は、ポスト連結部材62の左端部に設けられている。第6、第7のガイド部材166,167は、ポスト連結部材62の右端部に設けられている。
第1ガイド部材161は、金属製の線材(一例として、軟鋼線材やピアノ線材)175を折り曲げることでガイド孔176を形成し、一端部175aを上方に延ばして左上コーナ部171に溶接したものである。
ガイド孔176は、左上コーナ部171に対して略直交する方向にL1の長さで延びた横長の孔である。
よって、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aやスロットルケーブル107aを円滑に拡縮させることができる。
第4ガイド部材164は、金属製の線材(一例として、軟鋼線材やピアノ線材)177を折り曲げることでガイド孔178を形成し、一端部177aを横幅方向に延ばしてポスト連結部材62の左端部62aに溶接したものである。
ガイド孔178は、図1に示すトランスミッションケース12の幅方向(以下、「作業機本体幅方向」という)にL2の長さで延びた横長の孔である。
よって、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aやスロットルケーブル107aを円滑に拡縮させることができる。
クラッチケーブル92は、ケーブルブラケット91に後端部92bが連結され、クラッチレバー36に前端部92cが連結されている。
このクラッチケーブル92は、クラッチ操作レバー68およびクラッチレバー36間において、クラッチケーブル92aがループ状に巻かれている。
ループ状に巻いたクラッチケーブル92aは、第1〜第7のガイド部材161〜167のガイド孔176…,178…に配置されている。
ループ状に巻いたクラッチケーブル92aは、ハンドルポストカバー43の内部空間145(図4参照)に収納されている。
スロットルケーブル107は、レバー106に後端部107bが連結され、スロットルレバー34に前端部107cが連結されている。
このスロットルケーブル107は、レバー106およびスロットルレバー34間において、スロットルケーブル107aがループ状に巻かれている。
ループ状に巻いたスロットルケーブル107aは、第1〜第7のガイド部材161〜167のガイド孔176…,178…に配置されている。
ループ状に巻いたスロットルケーブル107aは、ハンドルポストカバー43の内部空間145(図4参照)に収納されている。
このワイヤハーネス103は、スタータモータ32および位置P1間の部位を、相対的に硬いハーネス部111とし、位置P1およびスタータスイッチ101間の部位を、相対的に軟らかいハーネス部112としたものである。
図3に示すハンドルポスト45の長さを短くする際に、軟らかいハーネス部112が弛む。この状態で、軟らかいハーネス部112は、ハンドルポストカバー43に収納されているので外観性が損なわれることはない。
図9(a),(b)はハンドルポストが最小高さの場合の線状部材の配設構造を説明する図であり、図9(b)は図9(a)の9b部矢視図である。
(a)において、切換ハンドル47を手で握って矢印Aの如く回動することで、スライド切換手段46のロックピンをロック位置からスライド位置に退避させる。
ロア固定ポスト51に沿わせてアッパ昇降ポスト52が上下方向に昇降可能になる。
これにより、操作ハンドル65の高さを、操作者の体格や作業形態に合わせて調整することができる。
同様に、ループ状に巻いたスロットルケーブル107aが、上カバー部93の内部空間145内で拡張する。
これにより、クラッチケーブル92およびスロットルケーブル107が弛んで上カバー部93の内部空間145の外側に露出することを防いで、外観性を好適に確保することができる。
よって、ループ状に巻いたケーブル92a,107aが拡張する際に、第1〜第7のガイド部材161〜167で案内されて円滑に移動することができる。
これにより、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aおよびスロットルケーブル107aを、収納空間145内に安定的に収納できる。
よって、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aおよびスロットルケーブル107aを良好に拡張させることができる。
(a)において、切換ハンドル47を手で握って矢印Aの如く回動することで、スライド切換手段46のロックピンをロック位置からスライド位置に退避させる。
ロア固定ポスト51に沿わせてアッパ昇降ポスト52が上下方向に昇降可能になる。
これにより、操作ハンドル65の高さを、操作者の体格や作業形態に合わせて調整することができる。
同様に、ループ状に巻いたスロットルケーブル107aが、上カバー部93の内部空間145内で収縮する。
また、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aやスロットルケーブル107aが、上カバー部93の内部空間145内で収縮するので、それぞれのケーブル92a,107aが上カバー部93から外側に露出することを防いで、外観性を好適に確保することができる。
すなわち、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aやスロットルケーブル107aを拡縮させることで、ハンドルポスト45の伸縮量を大きく確保することが可能になる。
よって、ループ状に巻いたケーブル92a,107aが収縮する際に、第1〜第7のガイド部材161〜167で案内されて円滑に移動することができる。
これにより、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aおよびスロットルケーブル107aを、収納空間145内に安定的に収納できる。
よって、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aおよびスロットルケーブル107aを良好に収縮させることができる。
第2実施の形態の線状部材の配設構造180は、ガイド部材181に2個(複数)のガイド孔183,183を設け、それぞれのガイド孔183,183を横方向に並べたもので、その他の構成は第1実施の形態の線状部材の配設構造22と同じである。
ガイド部材181に2個(複数)のガイド孔183,183を設けることで、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aおよびスロットルケーブル107aをそれぞれ個別のガイド孔183,183に配置することができる。
これにより、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aおよびスロットルケーブル107aをガイド部材181で円滑に移動させて良好に拡縮させることができる。
第3実施の形態の線状部材の配設構造190は、ガイド部材191に2個(複数)のガイド孔193,193を設け、それぞれのガイド孔193,193を縦方向に並べたもので、その他の構成は第1実施の形態の線状部材の配設構造22と同じである。
2個のガイド孔193,193を縦方向に並べることで、それぞれのガイド孔193,193を、横方向にL3の長さで延びる横長の孔とすることができる。
よって、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aおよびスロットルケーブル107aを、それぞれ個別にガイド孔193,193で案内することができる。
よって、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aやスロットルケーブル107aを拡縮する方向に円滑に移動させることができる。
これにより、ループ状に巻いたクラッチケーブル92aおよびスロットルケーブル107aをガイド部材191で円滑に移動させて良好に拡縮させることができる。
Claims (4)
- フレーム部材の長さが可変可能に構成されるとともに、少なくとも前記フレーム部材の一部がカバー部材で覆われ、前記フレーム部材の一方側に備えた一方側部材と、前記フレーム部材の他方側に備えた他方側部材とを線状部材で連結/接続する歩行型耕耘機に備えた線状部材の配設構造において、
前記一方側部材および前記他方側部材間において、前記線状部材がループ状に巻かれ、前記ループ状に巻いた線状部材が前記カバー部材の内部空間に収納された歩行型耕耘機に備えた線状部材の配設構造であって、
前記フレーム部材は、トランスミッションケースに設けられたロアポストと、前記ロアポストにスライド自在に設けられたアッパポストとを有し、
前記アッパポストに、操作者が握る操作ハンドルが設けられ、
前記線状部材は、前記一方側部材であるトランスミッションケース側部材と、前記他方側部材である操作ハンドル側部材とを結ぶ動力伝達用の動力伝達ケーブルであることを特徴とする歩行型耕耘機に備えた線状部材の配設構造。 - 前記カバー部材は、
前記内部空間を形成するために外周に沿って設けられた外周壁と、
前記外周壁に沿って設けられた内周壁と、を有し、
前記外周壁および前記内周壁でドーナツ状の収納空間が形成され、
前記収納空間に前記ループ状に巻いた線状部材が収納されたことを特徴とする請求項1記載の歩行型耕耘機に備えた線状部材の配設構造。 - 前記フレーム部材に前記線状部材を案内するガイド部材を設け、
前記ガイド部材で、前記ループ状に巻いた線状部材を円滑に移動させるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の歩行型耕耘機に備えた線状部材の配設構造。 - 前記線状部材を複数本有し、
複数の線状部材をそれぞれ個別に案内するために、前記ガイド部材に複数のガイド孔が設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の歩行型耕耘機に備えた線状部材の配設構造。
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