JP4670919B2 - 車々間通信装置、及び車々間通信装置による経路修復方法 - Google Patents

車々間通信装置、及び車々間通信装置による経路修復方法 Download PDF

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Description

本発明は、車々間通信装置、及び車々間通信装置による経路修復方法に関する。特に、安全性の向上等を目的に開発が進められている先進安全自動車(Advanced Safety Vehicle;ASV)等に適用可能な車々間通信(Inter−Vehicle Communication;IVC)システムに関する。
最近、自律分散制御型の無線通信技術を利用して路側装置等のインフラを介在することなく車両同士が直接通信を行う車々間通信(IVC)と呼ばれる技術に注目が集まっている。このIVCは、例えば、ASV等に適用され、車両の走行時における安全運転支援サービスや娯楽情報サービス等の提供を目的とするものである。これに関し、例えば、下記の非特許文献1には、DSRC(Dedicated Short Range Communications)型IVCシステムに関する記載がある。
同文献1には、DSRC型のIVCシステムに求められる通信特性への要求として、高速、大容量、高品質、広いサービスエリア、及び高いモビリティが挙げられている。また、DSRC型のIVCシステムでは、自車両周辺のサービスエリアに参入したり、或いは、当該サービスエリアから離脱する車両との間で速やかに情報交換を行うことが求められる。そのため、上記の通信特性には、高いリアルタイム性も求められる。
なお、DSRCとは、ETC(Electronic Toll Collection System)等で利用されている狭域短区間通信のことである。但し、IVCシステムには、DSRCの他にも、UHF(Ultra High Frequency)等の通信帯域が利用される可能性がある。そこで、こうした複数の通信帯域を効率良く利用して、所望する通信特性を実現することが可能な技術の開発も精力的に進められている。
徳田清仁,「DSRC型車々間通信システムによるユビキタスネットワーク環境下での安全アプリケーションの実現」,沖テクニカルレビュー,2004年10月/第200号,Vol.71,No.4(http://www.oki.com/jp/Home/JIS/Books/KENKAI/n200/pdf/200_R07.pdf)
上記の技術に関し、利用される周波数帯に依存して、サービスを同時に享受可能な車両数が限られるという問題が指摘されている。この問題に対し、例えば、所定の通信品質を維持しながら、サービスを提供する上で要求される通信特性を実現することが可能な方法が提案されている。この方法は、複数の車両により車群を形成し、車群間の通信(以下、車群間通信)と車群内の通信(以下、車群内通信)とを互いに異なる方式で行うというものである。また、各車群においては、車群間通信を行うための車両(以下、マスター)が設定され、マスターを通じて車群間通信が行われる。
このように、各車両の車両情報が交換される際、車両情報を常に送信元車両と送信先車両との間で直接通信するのではなく、車群間を跨ぐ通信に関しては、マスターを介して車群間通信に置き換えるのである。このような方法を用いると、車両間の通信が車群内通信と車群間通信とに分けて階層化されるため、周波数帯の利用効率が向上する。その結果、所定のサービスを同時に利用可能な車両数が増加する(大容量化)。
しかしながら、各車群に対する車両の参入頻度や離脱頻度が高い場合に、長時間、安定して車群を維持することが難しいという問題がある。また、構造物や他の車両の車体等により電波の遮蔽(所謂、シャドウイング)が発生してしまうことがある。そのため、車両の移動に伴って電波状況が変化してしまい、車群内通信、及び車群間通信において所定の通信品質が維持し難いという問題がある。こうした問題に対し、所定のサービスが提供されるサービスエリア内でのみ車群が形成されるようにし、車群内における車両の相対位置に応じてマスターを決定するという方法が提案されている。さらに、車群内の車両数を所定数以下に制限する技術も提案されている。これらの技術を用いることで、サービスエリア内で安定した車群が形成され、所定の通信品質が維持されるようになる。
しかしながら、車群内通信と車群間通信とを組み合わせて用いる上記の方法において、車両の移動等に伴い、車群内通信に対するシャドウイングの影響が無視できないことがある。特に深刻なのが、車両が移動して建造物や車両間の相対位置が変化し、ある時点で通信が可能であった同車群内の車両間においても、別の時点で通信できなくなってしまうことである。つまり、移動中に車群内通信の通信リンクが切断されてしまう場合である。この場合、マスターに車両情報が中継されず、車群間通信により車両情報を送信することができなくなってしまう。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、車群内通信の通信リンクが切断された場合でも、車群間通信を行えるように通信経路を修復することが可能な、新規かつ改良された車々間通信装置、及び車々間通信装置における経路修復方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、自車両と同じ車群に属する車両との間でフレームを送受信する車群内通信手段と、自車両とは異なる車群に属する車両との間でフレームを送受信する車群間通信手段と、自車両とは異なる車群に属する車両にフレームを中継する中継車両と、自車両との間の通信リンクが確立されているか否かを判断する通信リンク判断手段と、を備える車々間通信装置が提供される。当該車々間通信装置は、自車両とは異なる車群に属する車両に対してフレームを送信する際に、前記通信リンク判断手段により前記中継車両と自車両との間の通信リンクが確立されていると判断された場合に前記車群内通信手段を用いて前記中継車両にフレームを送信し、前記通信リンク判断手段により前記中継車両と自車両との間の通信リンクが確立されていないと判断された場合に前記車群間通信手段を用いて前記自車両とは異なる車群に属する車両にフレームを送信する。
また、上記の車々間通信装置は、前記車群内通信手段により前記中継車両からフレームが受信された時刻の情報を保持する受信時刻保持手段をさらに備えていてもよい。この場合、前記通信リンク判断手段は、前記自車両とは異なる車群に属する車両に対してフレームを送信する際に、前記受信時刻保持手段により保持されている時刻の情報を参照し、現時刻を基準にして所定時間内に前記中継車両からフレームが受信されている場合に前記通信リンクが確立されていると判断し、前記所定時間内に前記中継車両からフレームが受信されていない場合に前記通信リンクが確立されていないと判断する。
また、上記の車々間通信装置は、前記自車両とは異なる車群に属する車両に対してフレームを送信する際に、当該フレームの情報を保持しておき、前記通信リンク判断手段により前記通信リンクが確立されていないと判断された場合に前記車群間通信手段を用いて当該フレームを再送させる再送制御手段をさらに備えていてもよい。この場合、前記通信リンク判断手段は、前記車群内通信手段を用いて前記中継車両にフレームが送信された場合に、当該フレームが前記中継車両から送信されたか否かを検知し、当該フレームが送信された場合に前記通信リンクが確立されていると判断し、当該フレームが送信されていない場合に前記通信リンクが確立されていないと判断する。
また、前記車群内では、所定の指向性を有する第1通信方式に基づいてフレームが送受信される。さらに、前記車群間では、前記第1通信方式よりも回折損が少ない第2通信方式に基づいてフレームが送受信される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、自車両と同じ車群に属する車両との間でフレームを送受信する車群内通信手段と、自車両とは異なる車群に属する車両との間でフレームを送受信する車群間通信手段と、を有する車々間通信装置による車々間通信方法が提供される。当該車々間通信方法には、自車両とは異なる車群に属する車両に対してフレームが送信される際に、自車両とは異なる車群に属する車両にフレームを中継する中継車両と、自車両との間の通信リンクが確立されているか否かが判断される通信リンク判断ステップと、前記通信リンク判断ステップで前記中継車両と自車両との間の通信リンクが確立されていると判断された場合に、前記車群内通信手段を用いて前記中継車両にフレームが送信される第1送信ステップと、前記通信リンク判断ステップで前記中継車両と自車両との間の通信リンクが確立されていないと判断された場合に、前記車群間通信手段を用いて前記自車両とは異なる車群に属する車両にフレームが送信される第2送信ステップと、が含まれる。
また、上記の車々間通信方法には、前記車群内通信手段により前記中継車両からフレームが受信された時刻の情報が保持される受信時刻保持ステップがさらに含まれていてもよい。この場合、前記通信リンク判断ステップでは、前記受信時刻保持ステップで保持されている時刻の情報が参照され、現時刻を基準にして所定時間内に前記中継車両からフレームが受信されている場合に前記通信リンクが確立されていると判断され、前記所定時間内に前記中継車両からフレームが受信されていない場合に前記通信リンクが確立されていないと判断される。
また、上記の車々間通信方法には、前記自車両とは異なる車群に属する車両に対してフレームを送信する際に、当該フレームの情報が保持され、前記通信リンク判断ステップで前記通信リンクが確立されていないと判断された場合に前記車群間通信手段を用いて当該フレームが再送される再送制御ステップがさらに含まれていてもよい。この場合、前記通信リンク判断ステップでは、前記車群内通信手段を用いて前記中継車両にフレームが送信された場合に、当該フレームが前記中継車両から送信されたか否かが検知され、当該フレームが送信された場合に前記通信リンクが確立されていると判断され、当該フレームが送信されていない場合に前記通信リンクが確立されていないと判断される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記の車々間通信装置が備える各手段の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供されうる。さらに、当該プログラムが記録されたコンピュータにより読み取り可能な記録媒体が提供されうる。
以上説明したように本発明によれば、車群内通信の通信リンクが切断された場合でも、車群間通信を行えるように通信経路を修復することが可能になる。その結果、シャドウイング等が発生して車群内通信によるマスターへのフレーム伝送が不安定化又は断絶しても、安定的に車群間通信を行うことができるようになる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[従来の車々間通信装置10の機能構成]
まず、本発明の好適な実施形態について説明するに先立ち、当該実施形態に係る技術との対比関係を明確にするため、従来の車々間通信装置10の機能構成について簡単に説明する。図1は、従来の車々間通信装置10の機能構成例を示す説明図である。
図1に示すように、車々間通信装置10は、主に、サービス制御手段12と、車群制御手段14と、車々間通信手段16とにより構成される。
(サービス制御手段12)
サービス制御手段12は、所定のサービスを提供するために他車両に通知すべき情報(以下、通知情報)を生成する手段である。この通知情報には、自車両の位置や速度等に関する情報、所定のサービスに関する情報等が含まれる。所定のサービスとしては、例えば、他車両が自車両に接近していることをドライバーに警告するサービス(以下、接近車両通知サービス)がある。
一方で、サービス制御手段12は、他車両が生成した通知情報(即ち、他車両の位置や速度等に関する情報、所定のサービスに関する情報等(以下、他車情報))を取得する。この他車情報は、車々間通信手段16を介して取得され、データ処理手段22を経由してサービス制御手段12に入力される。上記の接近車両通知サービスを提供する場合、サービス制御手段12は、取得した他車情報に基づいて自車両と他車両との間が接近しているか否かを判断する。車両間の距離が接近している場合、サービス制御手段12は、必要に応じてドライバーへの警告等を行う。
この例に限らず、サービス制御手段12は、他車情報を取得し、その他車情報に基づいて所定のサービスに必要な処理を実行して他車両に通知すべき情報を生成する。この通知情報は、データ処理手段22、車々間通信手段16を介して他車両に送信される。
(車群制御手段14)
車群制御手段14は、データ処理手段22と、車群形成手段24とにより構成される。
(データ処理手段22)
データ処理手段22は、サービス制御手段12により生成された通知情報の送信先となる車両を選択したり、取得すべき他車情報の送信元となる車両を選択したりする手段である。データ処理手段22には、上記の通り、サービス制御手段12から自車両の通知情報が入力される。さらに、データ処理手段22には、後述する車群形成手段24から、自車両が属する車群の情報、及び当該車群に含まれる車両の情報等が入力される。
ここで、通知情報が送信される際の処理について説明する。データ処理手段22は、サービス制御手段12により提供されるサービスの種類に応じて、通知情報の送信先を車群内の車両にするか、或いは、車群外の車両も含む全ての車両にするかを判断する。このとき、データ処理手段22は、自車両が車群内のマスターか否かに応じて判断を行う。例えば、自車両がマスターである場合、通知情報の種類にも依存するが、車群内の車両に加え、他の車群に属する車両も通知情報の送信先に含める必要がある。このようにして通知情報の送信先が指定されると、通知情報と共に、指定された送信先の情報が車々間通信手段16に入力される。
次に、他車両から送信される通知情報の受信処理について説明する。データ処理手段22は、サービス制御手段12により提供されるサービスの種類に応じて、通知情報の送信元(取得先)となる車両を車群内の車両にするか、或いは、車群外の車両も含む全ての車両にするかを判断する。このとき、データ処理手段22は、自車両がマスターであるか否かに応じて判断を行う。例えば、自車両がマスターである場合、通知情報の種類にも依存するが、車群内の車両に加え、他の車群に属する車両も通知情報の送信元に含める必要がある。このようにして通知情報の送信元が指定されると、指定された送信元の情報が車々間通信手段16に入力される。
(車群形成手段24)
車群形成手段24は、自車両の周辺に存在する車両と共に車群を形成したり、既に形成されている車群に参入したり、或いは、車群から離脱するための処理を行う手段である。また、車群形成手段24は、車群に属する車両の中で、車群間通信を行う車両(マスター)を設定する。例えば、車群形成手段24は、最初に車群を形成した車両をマスターに設定する。また、車群形成手段24は、マスターに設定されていた車両が離脱した場合、その離脱した車両の次に参入した車両をマスターに設定する。もちろん、マスターの設定方法は、これに限定されない。
なお、車群に属する車両の中でマスターではない車両のことをスレーブと呼ぶことにする。つまり、車群に属しているが、マスターではない車両の属性はスレーブに設定される。このように、各車両の状態は、マスター、スレーブ、車群外という3種類の属性に分類される。以下の説明において、この3種類に分類された属性のことを車両の「状態」と呼ぶことがある。車群形成手段24により設定された自車両の状態を示す情報(以下、状態情報)は、データ処理手段22に入力される。そして、通知情報の送信先又は送信元が選択される際に、データ処理手段22により、この状態情報が参照される。
(車々間通信手段16)
車々間通信手段16は、データ処理手段22から入力された通知情報に、アクセス制御に必要な情報を付加してフレームを生成する。このフレームは、データ処理手段22により選択された送信先の車両に対して所定の周波数で変調されて送信される。一方、車々間通信手段16は、データ処理手段22により選択された送信元から所定の周波数で送信された通知情報の変調信号を受信してフレームを復調する。さらに、車々間通信手段16は、復調されたフレームからアクセス制御に必要な情報を除去してデータ処理手段22に入力する。
以上、従来の車々間通信装置10の機能構成について説明した。上記のように、車々間通信装置10は、車群の形成、或いは、車群に対する参入/離脱を制御する。また、形成された車群内でマスター等の車両状態が設定される。さらに、自車両の状態に応じてサービスの提供に必要な通知情報の送信先、又は受信すべき通知情報の送信元が設定される。このような車々間通信装置10を搭載した車両間では、必要に応じて車群が形成され、車群内の通信と車群間の通信とが階層化される。そのため、車々間で情報を送受信する際の周波数利用効率が向上し、所定の周波数帯に収容可能な車両数が増加する。
(課題の整理1)
しかしながら、ある車群に対する車両の参入/離脱の頻度が高い場合に、長時間、安定して車群を維持することが難しいという問題がある。また、構造物や他の車両の車体等により電波の遮蔽(所謂、シャドウイング)が発生することで、車両の移動に伴って電波状況が変化してしまい、車群内通信、及び車群間通信において所定の品質を維持することが難しいという問題がある。
こうした問題に対し、車両の位置情報を活用すると共に、車群内の車両数を所定数以下としながら、複数の車両によって車群を形成し、その車群内の車両からマスターを選出して、そのマスターにより、車群に属する車両の情報を他の車群に属する車両との間で交換する車々間通信方法が提案された。この車々間通信方法は、後述する本発明の各実施形態に係る技術の基礎となるものである。そこで、以下では、この車々間通信方法について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、ここで説明する車々間通信方法に係る技術のことを基礎技術と呼ぶことがある。
<基礎技術>
以下、上記の基礎技術に係る車々間通信装置50の機能構成及びハードウェア構成、サービスエリアの構成、車群の形成方法、車群からの離脱方法、車々間通信方法、通信フレームの構成等について説明する。
[車々間通信装置50の機能構成]
図2を参照しながら、本実施形態に係る車々間通信装置50の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る車々間通信装置50の機能構成を示す説明図である。
図2に示すように、車々間通信装置50は、主に、サービス制御手段102と、車両位置検出手段104と、周波数設定手段106と、車々間通信手段108と、車群制御手段130とにより構成される。
(サービス制御手段102)
サービス制御手段102は、所定のサービスを提供するために通知情報を生成する手段である。サービス制御手段102は、例えば、他車両の情報を取得し、その情報を用いて所定のサービスを実現するために必要な処理を実行する。サービス制御手段102により上記の処理が実行されると、その結果として、通知情報が生成される。この通知情報には、自車両の位置や速度等の情報、或いは、所定サービスの提供に用いられる情報が含まれている。この通知情報は、後述するデータ処理手段132を介して車々間通信手段108に入力され、車々間通信手段108により他車両に送信される。
また、サービス制御手段102は、サービスエリアの範囲を示す情報(以下、エリア範囲情報)を提供する。例えば、サービス制御手段102は、エリア検出手段138に対してエリア範囲情報を提供する。例えば、後述するメモリH16にサービスエリアの位置情報がサービス内容に対応付けて格納されている場合、サービス制御手段102は、提供されるサービスの内容に応じてサービスエリアの位置情報をメモリH16から読み出し、エリア検出手段138に提供する。なお、サービスエリアの構成例については後述する。
(車両位置検出手段104)
車両位置検出手段104は、自車両の位置を検出する手段である。自車両の位置は、例えば、緯度や経度で表現された絶対位置として検出される。このような絶対位置の検出は、後述するGPS受信機H12等を用いることで実現される。車両位置検出手段104により検出された自車両の位置を示す位置情報は、相対位置検出手段136、及びエリア検出手段138に入力される。
(周波数設定手段106)
周波数設定手段106は、車群内通信及び車群間通信に用いられる送受信周波数を設定する手段である。周波数設定手段106により設定された送受信周波数の情報は、車両数管理手段140、及び車々間通信手段108に入力される。なお、以下の説明において、車群内通信に利用される周波数を車群内周波数、車群間通信に利用される周波数を車群間周波数と呼ぶ場合がある。また、周波数設定手段106の機能は、後述する通信制御部H18、中央処理装置H14、メモリH16等により実現される。
(車々間通信手段108)
車々間通信手段108は、アクセス制御に必要な情報を送信情報に付加して送信用のフレームを生成する手段である。例えば、車々間通信手段108には、後述するデータ処理手段132から通知情報が入力される。この場合、車々間通信手段108は、データ処理手段132から入力された通知情報に対し、アクセス制御に必要な情報を付加してフレームを生成する。車々間通信手段108により生成されたフレームは、所定の変調方式で変調され、周波数設定手段106により設定された送信周波数で送信される。このとき、他車両に対してフレームが周期的に送信される。
一方、車々間通信手段108は、他車両から変調信号を受信してフレームを復調し、フレームから受信情報を抽出する手段でもある。車々間通信手段108は、周波数設定手段106により設定された受信周波数で変調信号を受信する。次いで、車々間通信手段108は、受信した変調信号からフレームを復調し、さらに、そのフレームからアクセス制御に必要な情報を除去して他車両の通知情報を抽出する。車々間通信手段108により抽出された通知情報は、データ処理手段132に入力される。なお、車々間通信手段108の機能は、後述する通信制御部H18、RFフロントエンド回路H20等により実現される。
(車群制御手段130)
車群制御手段130には、データ処理手段132と、車群形成手段134と、相対位置検出手段136と、エリア検出手段138と、車両数管理手段140とが含まれる。なお、車群制御手段130の機能は、後述する中央処理装置H14、メモリH16、通信制御部H18等により実現される。
(データ処理手段132)
データ処理手段132は、サービス制御手段102により生成された通知情報が送信される際に、その通知情報の送信先となる車両を選択する手段である。また、データ処理手段132は、他車両の通知情報が取得される際に、その通知情報の送信元となる車両を選択する手段でもある。データ処理手段132には、上記の通り、サービス制御手段102から通知情報が入力される。さらに、データ処理手段132には、後述する車群形成手段134から、自車両が属する車群の情報、その車群に含まれる他車両の情報、及び自車両の状態情報等が入力される。
通知情報が送信される際、データ処理手段132は、サービス制御手段102から取得した通知情報の内容に基づき、その通知情報の送信先を車群内の車両にすべきか、或いは、車群外の車両にすべきかを判断する。例えば、データ処理手段132は、サービス制御手段102から入力された通知情報を参照し、サービスの種類、自車両の情報、又は他車両の情報等に基づいて送信先を選択する。データ処理手段132による判断結果は、車々間通信手段108に入力される。
また、他車両から通知情報が受信される際、データ処理手段132は、サービス制御手段102から入力される通知情報を参照し、通知情報の送信元となる他車両を車群内の車両にするか、或いは、車群外の車両にするかを判断する。例えば、データ処理手段132は、サービスの種類、自車両の情報、又は他車両の情報等に基づいて送信元を選択する。データ処理手段132による判断結果は、車々間通信手段108に入力される。
なお、自車両がマスターである場合、車群内の車両に加え、他の車群に属する車両も通知情報の送信先又は送信元に含まれる。そのため、通知情報の送信先又は送信元を車群内の車両にするか、或いは、車群外の車両にするかを選択する処理は、上記の通り、自車両の状態を考慮して実行されるのである。
(車群形成手段134)
自車両が車群に属している場合、車群形成手段134には、後述する相対位置検出手段136から、車群内の他車両と自車両との間の相対位置を示す情報(以下、相対位置情報)が入力される。また、車群形成手段134には、エリア検出手段138から、自車両が位置するサービスエリアの情報(以下、エリア情報)が入力される。さらに、車群形成手段134には、車両数管理手段140から、車群内の車両数を示す情報(以下、車両数情報)が入力される。
このようにして各手段から入力された情報を参照し、車群形成手段134は、自車両で車群を形成したり、既に形成された車群に自車両を参入させたり、或いは、所属している車群から自車両を離脱させる。例えば、自車両の位置がサービスエリア内にある場合、車群形成手段134は、自車両で車群を形成するか、或いは、エリア情報に示されたサービスエリア内にある車群に自車両を参入させる。一方で、自車両の位置がサービスエリア外にある場合、車群形成手段134は、所属している車群から自車両を離脱させる。
例えば、自車両が車群に属している場合、車群形成手段134は、相対位置情報に基づいて自車両の状態を設定する。上記の通り、自車両の状態には、マスター、スレーブ、車群外の3種類がある。車群に属し、車群間通信を行う車両にはマスターの属性が設定される。また、車群に属しているがマスターではない車両にはスレーブの属性が設定される。さらに、車群に属していない車両には車群外の属性が設定される。
自車両がサービスエリア内に位置している場合、自車両はいずれかの車群に属している。この場合、自車両の状態は、マスター又はスレーブに設定される。例えば、同じ車群に属する他車両の中にマスターが存在すれば、自車両の状態はスレーブに設定される。一方、自車両がサービスエリア外にある場合、自車両は車群に属していない。この場合、自車両の状態は車群外に設定される。このようにして設定された自車両の状態は、データ処理手段132に入力される。
上記の説明においては、車群間通信を行う車両のことをマスターと定義した。以下の説明においては、さらに、車群内で車両間の通信を中継するマスターを設定する。なお、これら2種類のマスターを区別するため、車群間通信を行うマスターを車群間マスターと呼び、車群内通信を行うマスターを車群内マスターと呼ぶことにする。
車群内マスターは、車群内通信における中継車両としての役割を果たすと共に、車群の構成を管理する。また、車群間マスターは、自身が属している車群に含まれる他車両を代表して他の車群に属する車群間マスターとの間で車群間通信を行う。なお、1台の車両に車群間マスターと車群内マスターとが設定されていてもよいし、車群間マスターが設定された車両と、車群内マスターが設定された車両とが1つの車群に存在していてもよい。
なお、自車両が車群内マスターの場合、車群形成手段134は、車両数管理手段140から入力された車両数情報が示す最大車両数に基づき、現時点における車群内の車両数が最大車両数以下に維持されるように新たな車両の参入を制限する。このように、自車両の状態が車群内マスターに設定されている場合、車群形成手段134は、車群の構成を変更しようとする際に、車群内の車両数を考慮して新たな車両の参入を制限する。そのため、車群内における所定の通信品質が維持される。
(相対位置検出手段136)
相対位置検出手段136には、車両位置検出手段104から自車両の位置情報が入力される。さらに、相対位置検出手段136には、データ処理手段132から他車両の位置情報が入力される。そこで、相対位置検出手段136は、入力された自車両の位置情報、及び他車両の位置情報に基づいて両車両間の相対位置を検出する。両車両の位置情報が絶対位置により表現されている場合、相対位置は、例えば、両車両間の距離、及び、自車両から見た他車両の方角等により表現される。このようにして検出された相対位置の情報は、車群形成手段134に入力される。
(エリア検出手段138)
エリア検出手段138には、車両位置検出手段104から自車両の位置情報が入力される。また、エリア検出手段138には、サービス制御手段102からサービスエリアの範囲を示すエリア範囲情報が入力される。そこで、エリア検出手段138は、入力された自車両の位置情報、及びエリア範囲情報に基づいてサービスエリア内に自車両が位置するか否かを検出する。例えば、サービスエリアの範囲が絶対位置により表現されている場合、エリア検出手段138は、自車両の位置情報が示す絶対位置とエリア範囲情報とを照合させることで、自車両がサービスエリア内に位置しているか否かを判断することができる。
なお、サービスエリアが複数存在していることがある。この場合、サービス制御手段102から、複数のエリア範囲情報がエリア検出手段138に入力される。この場合、エリア検出手段138は、複数のエリア範囲情報と自車両の位置情報とをそれぞれ照合し、自車両が含まれるサービスエリアを検出する。このように、エリア検出手段138により、自車両がサービスエリアに含まれるか否かが検出される。さらに、いずれかのサービスエリアに自車両が含まれるのであれば、どのサービスエリアに含まれるのかが検出される。このようにして検出された結果は、車群形成手段134に入力される。
(車両数管理手段140)
車両数管理手段140は、周波数設定手段106により設定された車群内周波数、及び車群間周波数に基づき、車群内に参入可能な最大車両数を設定する。例えば、車両数管理手段140は、車群内周波数に設定された周波数帯で収容可能な車両数を最大車両数に設定したり、車群内通信において求められる通信品質を考慮して最大車両数を設定したりする。また、車両数管理手段140は、車群間周波数に設定された周波数帯で収容可能な車両数を考慮し、例えば、車群内に存在する車両から一斉に通信要求が発せられた際に所定の通信品質が維持できるような車両数を最大車両数に設定する。
このようにして車両数管理手段140により設定された最大車両数の情報は、車群形成手段134に入力される。上記の通り、車両数管理手段140により設定された車両数情報に基づき、車群形成手段134により新たに車群に参入する車両の数が制限される。上記のようにして最大車両数が設定されているため、車群内の各車両が任意に車群内通信、又は車群間通信の要求を行ったとしても、所定の通信品質が維持される。
以上、基礎技術に係る車々間通信装置50の機能構成について説明した。次に、車々間通信装置50等のハードウェア構成例について説明する。
[ハードウェア構成例]
次に、図3を参照しながら、車々間通信装置50の機能を実現することが可能なハードウェア構成について説明する。図3は、車々間通信装置50のハードウェア構成例を示す説明図である。但し、後述する本発明の実施形態に係る車々間通信装置100、200の機能も、車々間通信装置50と実質的に同一のハードウェア構成により実現される。
図3に示すように、車々間通信装置50の機能は、例えば、GPS受信機H12、中央処理装置(CPU)H14、メモリH16、通信制御部H18、RFフロントエンド回路H20、アンテナH22等のハードウェア資源により実現される。また、中央処理装置H14、メモリH16、及び通信制御部H18は、バスH24により接続されている。
GPS受信機H12は、時刻毎に自車両の位置を検出する手段である。また、GPS受信機H12は、中央処理装置H14に接続されている。中央処理装置H14は、演算処理チップである。メモリH16としては、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体メモリや、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体等が用いられる。
メモリH16には、例えば、相対位置情報、エリア範囲情報、自車両の状態情報、車両数情報、又は送受信データ等が格納される。通信制御部H18は、RFフロントエンド回路H20等を制御する制御チップである。RFフロントエンド回路H20は、RF信号の周波数変換や信号増幅等の信号処理を実行する信号処理回路である。アンテナH22は、RFフロントエンド回路H20から出力されるRF信号用の送受信アンテナである。
以上、車々間通信装置50の機能を実現することが可能なハードウェア構成の一例について説明した。次に、サービスエリアについて具体的に説明する。
[サービスエリアについて]
図4、図5を参照しながら、サービスエリアの設定例について簡単に説明する。図4は、交差点における右折事故防止用のサービスエリア設定例(ケース(1))である。図5は、十字路における出会い頭事故防止用、及びT字路での歩行者飛び出し防止用のサービスエリア設定例(ケース(2))である。
この他にも、サービスエリアの設定例としては、正面衝突事故防止用、追突事故防止用、左折時巻き込み事故防止用、車線変更時の接触事故防止用等、様々な応用例がある。但し、説明の便宜上、2つのケース(ケース(1)、ケース(2))についてのみ説明し、その他のケースについては説明を省略する。
(ケース(1)について)
まず、図4を参照する。図4には、交差点、複数の車両(C1、C2、C3等)、及びサービスエリアSAが記載されている。その中で、まず、交差点の中央付近に位置する車両C1、C2、C3に注目する。車両C1は直進車両である。車両C2、C3は右折車両である。こうした状況において、右折車両C2のドライバーは、車両C1、C3の位置や動きを視認することができる。しかし、右折車両C2からは、右折車両C3の陰から直進車両C1が来ているかどうかが視認できない場合がある。そのため、このような状況において、直進車両C1と右折車両C2との衝突が発生してしまうことがある。
このような衝突事故を防止するには、上記のような状況において、右折車両C2のドライバーに直進車両C1の存在を知らせることが重要になる。例えば、直進車両C1、右折車両C2の双方に、互いの存在を知らせる警告情報が通知されれば、上記のような衝突事故が未然に防止できる可能性が高まる。さらに、直進車両C1や右折車両C2の後続車両に交差点内の車両状況が通知されれば、各車両のドライバーが現在の状況を認識したり、事故を予測したりすることができるようになる。このような警告情報の通知等は、車々間通信技術を用いることにより実現可能である。さらに、車々間通信を応用し、ブレーキやアクセル等を制御させる制御情報を車両間で適切にやり取りすることにより、各車両が自動的に衝突を回避することも可能になると考えられる。
このような観点から、例えば、図4に示すように、交差点を大きくカバーするようなサービスエリアSAが設定される。図4の例では、−X方向に進入する右折車両(例えば、車両C2)とX方向に進行する直進車両(例えば、車両C1)との間の衝突事故防止サービスを実現するため、X方向に延びた道路に沿ってサービスエリアSAが長めに設定されている。また、図4の例では、右折時の衝突事故が想定されているため、交差点の中央部分が大きくカバーされるようにサービスエリアSAが設定されている。
サービスエリアSAの長さは、車両の挙動や制動距離等に基づいて設定される。例えば、サービスエリアSAの長さは、右折レーンの長さや、右折車両のドライバーがウィンカーを出す位置や、ドライバーがブレーキを踏んでから車両が停止するまでの距離等を考慮して設定される。より具体的には、右折車両が右折意思の表示を行う区間、車両の空走距離、及び車両の制動距離に基づいてサービスエリアSAが決定される。もちろん、交差点の規模や構造、道路の車線数、横断歩道の有無、信号の形態等に応じてサービスエリアSAの形状や大きさが異なることは言うまでもない。
(ケース(2)について)
次に、図5を参照する。図5の右側(−X方向寄り)には、十字路、建造物、壁、複数の車両(C1、C2等)、及び複数のサービスエリアSA1、SA2が記載されている。一方、図5の左側(X方向寄り)には、T字路、車両C3、歩行者M1、及び複数のサービスエリアSA3、SA4が記載されている。ケース(2)は、ケース(1)に比べて小規模の道路を想定したものである。幹線道路のような見通しの良い道路に比べ、ケース(2)のような見通しの悪い小規模の道路の方が事故の発生確率が高い。ここでは、このような道路におけるサービスエリアの設定例について考えてみたい。
まず、十字路の中央付近に位置する車両C1、C2に注目する。車両C1、C2はそれぞれX方向、Y方向に直進する直進車両である。車両C1、C2が位置する十字路においては、出会い頭事故が発生しやすい。特に、十字路の近辺には道路に沿った壁や高い建造物があり、X方向に直進する車両C1からY方向に直進する車両C2が視認できないため、出会い頭事故の発生可能性が高い典型的な例である。
通常、このような十字路にはミラーが設置されており、ドライバーはそのミラーに写る写像を頼りに運転する。しかし、ミラーが樹木等で隠れていたり、西日が反射して視認性が低下していたり、そもそも、ミラーが破損したりしている場合がある。こうした場合、車両C1、C2のドライバーは、十字路に進入してくる車両の有無に注意しながら、慎重に十字路に進入しようとする。しかし、普段から交通量の少ない道路であったり、十字路で交差する道路の幅が大きく異なっていたりすると、ドライバーの注意が疎かになり、思わぬ衝突事故に繋がることがある。こうした場合においても、車両C1、C2の間で互いの位置や速度等が認識できれば、衝突事故が未然に防止される可能性が高まる。
しかしながら、図5のような壁や建造物は一般に電波を遮蔽する。そのため、DSRCのような直進性の高い通信方式を用いると、十字路に差し掛かるまで車両C1、C2の間で通信ができないことが多い。そのため、十字路の手間で車両C1、C2が互いに車両情報を交換することができず、出会い頭の衝突事故を回避することが難しい。そこで、遮蔽物がある場合にも通信可能な状態が維持されるように、回折により遮蔽物を迂回できるような周波数帯を用いる通信方式が利用される。
また、できるだけ多くの車両間で車両情報を交換できるようにするため、周波数帯の利用効率を考慮する必要がある。そこで、車群間通信において遮蔽物を迂回可能な通信方式を利用し、車群内通信において他の通信方式を利用する方法が用いられる。例えば、車群内通信にDSRCを利用し、車群間通信にUHFを利用するといった方法が考えられる。なぜなら、DSRCは高い直進性を有するため、局所的な範囲内の通信に適しており、UHFは比較的回折損が少ないため、遮蔽物を迂回するような通信に適しているからである。
車群内通信と車群間通信とで異なる通信方式を利用する場合、例えば、図5に示すように、車両C1、C2の進行方向に沿って道路毎にサービスエリアSA1、SA2が設定される。なお、サービスエリアSA1、SA2の長さは、車両の制動距離等に基づいて設定される。サービスエリアSA1、SA2の長さは、例えば、ドライバーがブレーキを踏んでから車両が停止するまでの距離を考慮して設定される。特に、空走距離と制動距離とに基づいてサービスエリアの長さが決定されることが好ましい。また、道路の幅や制限速度等に基づいてサービスエリアSA1、SA2の長さが決定されるならば、サービスエリアSA1の長さとサービスエリアSA2の長さとが異なることもある。
ところで、上記の車々間通信装置50に係る技術は、車両のみに適用されるわけではない。例えば、歩行者M1が保持している携帯電話等の携帯型機器に適用することによって、歩行者M1の安全性を高めることもできる。後述する本発明の各実施形態に係る車々間通信装置100、200に係る技術についても同様である。
例えば、図5の左側に記載されているように、歩行者M1が細い路地から飛び出した場合、車両C3と歩行者M1との間の接触事故が発生しやすい。これは、車両C3から歩行者M1が視認し難いことが1つの原因である。また、路地が狭い場合には、ミラーが設置されていなかったり、子供がミラーを見ずに突然飛び出してくることもある。こうした場合、車両C3のドライバーに歩行者M1の位置や進行方向等の情報が通知されれば、未然に接触事故を防止できる可能性が高まる。このような状況を想定し、例えば、歩行者M1が歩行するような細い路地の近辺にもサービスエリア(SA3、SA4)が設定されるケースも考えられる。
以上、サービスエリアが設定される状況等について簡単に説明した。このように、サービスエリアは、車両や歩行者等の移動体に対する安全性確保に利用されるものであり、移動体の移動特性等に基づいて設定される。
[車群形成方法]
次に、図6、図7を参照しながら、基礎技術における車群形成方法について説明する。図6、図7は、基礎技術における車群形成方法の例を示す説明図であり、時系列(T1、T2、T3、T4、T5)で車群が形成されていく様子を示したものである。なお、各時刻には、T1<T2<T3<T4<T5の関係がある。特に、図6には、車群間マスターが車群の先頭に位置する車両に設定されるケースが示されている。また、図7には、車群間マスターが車群の中心に位置する車両に設定されるケースが示されている。
(A.車群間マスターが先頭の場合について)
まず、図6を参照する。図6の例では、車群間マスターが車群の先頭に位置する車両に設定され、車群内マスターが車群の中央に位置する車両に設定される。なお、図6の例では、各車群に所属可能な最大車両数が3台に設定されているものとする。
図6を参照すると、時刻T1の時点では、車両C1がサービスエリアSAに進入しようとしている。そして、次の時刻T2において車両C1がサービスエリアSAに進入する。この時点で、サービスエリアSAには、車両C1しか含まれていない。そのため、時刻T2において車両C1は、車群間マスター、且つ、車群内マスターとなり、自車両のみで車群(1)を形成する。以下の説明において、「車群間マスター」をOM、「車群内マスター」をIM、「車群間マスター、且つ、車群内マスター」をIM+OMと表記する。
次の時刻T3において、車両C1の後続車両C2がサービスエリアSAに進入する。この時点で、サービスエリアSAには、車両C1、及び車両C2が存在する。また、車両C2が参入した段階で車群(1)の内部では、車両C1が先頭に位置し、車両C2が後ろに位置している。そのため、車両C1が車群間マスターOMとなり、車両C2が新たな車群内マスターIMとなる。
次の時刻T4において、車両C3がサービスエリアSAに進入する。この時点で、サービスエリアSAには、車両C1、車両C2、車両C3が存在する。車両C3が参入した段階で車群(1)の内部では、車両C1が先頭に位置し、車両C2が中央に位置し、車両C3が最後尾に位置している。そのため、車両C3はスレーブになる。このようにして車群(1)が形成され、車群(1)において先頭に位置する車両C1が車群間マスターOM、中央に位置する車両C2が車群内マスターIM、最後尾に位置する車両C3がスレーブとなる。
なお、時刻T4において、車群(1)の車両数が最大車両数である3台に達している。そのため、次の時刻T5において車両C4がサービスエリアSAに進入したとしても、車両C4は、車群(1)に参入することができない。また、この時点で、サービスエリアSAには、車群(1)に含まれる車両を除くと、車両C4しか含まれていない。そのため、時刻T5において車両C4は、車群間マスター、且つ、車群内マスターとなり、自車両のみで車群(2)を形成する。
以上、車群の先頭に位置する車両に車群間マスターが設定される場合の車群形成方法について説明した。上記の例においては、各車群に所属可能な最大車両数を3台に設定していたため、車群内における通信品質の向上を目的として車群内マスターの位置を車群の中央に設定していた。但し、車群内通信に用いる通信方式や最大車両数の設定値によっては、車群内マスターの位置を中央以外の位置に設定する方が好ましい場合もある。従って、車群内マスターの位置については、実施の態様に応じて適宜変更されうる。
(B.車群間マスターが中央の場合について)
次に、図7を参照する。図7の例では、車群間マスター、且つ、車群内マスターが車群の中央に位置する車両に設定される。なお、図6と同様に、図7の例においても、各車群に所属可能な最大車両数が3台に設定されているものとする。
図7を参照すると、時刻T1の時点では、車両C1がサービスエリアSAに進入しようとしている。そして、次の時刻T2において車両C1がサービスエリアSAに進入する。この時点で、サービスエリアSAには、車両C1しか含まれていない。そのため、時刻T2において車両C1は、車群間マスター、且つ、車群内マスターとなり、自車両のみで車群(1)を形成する。
次の時刻T3において、車両C1の後続車両C2がサービスエリアSAに進入する。この時点で、サービスエリアSAには、車両C1、及び車両C2が存在する。また、車両C2が参入した段階で車群(1)の内部では、車両C1が先頭に位置し、車両C2が後ろに位置している。そのため、車両C2が新たな車群内マスターIM、且つ、車群間マスターOMとなる。また、車両C1はスレーブになる。
次の時刻T4において、車両C2の後続車両C3がサービスエリアSAに進入する。この時点で、サービスエリアSAには、車両C1、車両C2、車両C3が存在する。車両C3が参入した段階で車群(1)の内部では、車両C1が先頭に位置し、車両C2が中央に位置し、車両C3が最後尾に位置している。そのため、車両C3はスレーブになる。つまり、車群(1)の内部では、中央の車両C2が車群間マスターOM、且つ、車群内マスターIM、車両C1、C3がスレーブとなる。
なお、時刻T4において、車群(1)の車両数が最大車両数である3台に達している。そのため、次の時刻T5において車両C4がサービスエリアSAに進入したとしても、車両C4は、車群(1)に参入することができない。また、この時点で、サービスエリアSAには、車群(1)に含まれる車両を除くと、車両C4しか含まれていない。そのため、時刻T5において車両C4は、車群間マスター、且つ、車群内マスターとなり、自車両のみで車群(2)を形成する。
以上、車群の中央に位置する車両に車群間マスター、車群内マスターが設定される場合の車群形成方法について説明した。既に述べた通り、車群間通信には、UHFのような比較的回折損が少ない周波数帯の電波が用いられる。そのため、最大車両数が3台程度の車群であれば、車群内の先頭に位置していない車両であっても、車群間マスターとしての機能を十分に果たすことができる場合が多い。このように、車群間マスターの位置は、実施の態様に応じて適宜変更されうる。
[車群離脱方法]
次に、図8を参照しながら、基礎技術における車群離脱方法について説明する。図8は、基礎技術における車群離脱方法を示す説明図であり、時系列(T6、T7、T8、T9)で車群から車両が離脱する様子を示したものである。なお、各時刻には、T6<T7<T8<T9の関係がある。また、図8の例は、図7において形成された車群(車群(1)、車群(2))から順次、各車両が離脱する様子を示したものである。
まず、時刻T6において、車両C1がサービスエリアSAから退出する。この時点で、車両C1は、車群(1)から離脱する。車両C1が車群(1)から離脱すると、車群(1)には、車両C2、車両C3が残される。つまり、車群(1)を構成する車両数が1台減少して2台となる。そして、車両C2が先頭車両となり、車両C3が後続車両となる。そのため、車両C2が車群間マスターOM、且つ、車群内マスターIMになる。
次の時刻T7において、車両C2がサービスエリアSAから退出する。この時点で車両C2は、車群(1)から離脱する。車両C2が車群(1)から離脱すると、車群(1)には、車両C3のみが残される。つまり、車群(1)を構成する車両数が1台減少して1台となる。そのため、車両C3が車群間マスターOM、且つ、車群内マスターIMとなる。
次の時刻8において、車両C3がサービスエリアSAから退出する。この時点で車両C3は、車群(1)から離脱する。但し、車群(1)を構成する車両数が0台になるため、車群(1)が消滅する。同様に、1台の車両C4により構成される車群(2)についても、時刻T9において車両C4がサービスエリアSAから退出した時点で消滅する。
このように、各車群を形成していた車両が順次サービスエリアから退出することで、各車両が車群から離脱し、車群を形成していた全ての車両が離脱した時点で車群が消滅する。つまり、車両の離脱に関しては、車群に所属可能な最大車両数に関わらず、順次車両が離脱していくことで車群の構成が変化し、最終的には車群が消滅するのである。なお、図8の例では、車群の中央に位置する車両に車群内マスター、且つ、車群間マスターが設定されるケースが示されたが、車群間マスターが車群の先頭車両に設定されるケースについても同様である。
[車々間通信方法]
次に、図9、図10を参照しながら、基礎技術における車々間通信方法について説明する。
図9の例は、車群間マスターが車群の先頭車両に設定され、車群内マスターが車群の中央に位置する車両に設定されているケースを示したものである。このように車群間マスターを車群の先頭車両に設定すると、前方の車両による遮蔽がないため、比較的良好な通信環境が得られる。また、出会い頭事故の危険性の最も高い先頭車両同士での直接通信が実現されるため、リアルタイム性が高まるという利点もある。
図10の例は、車群間マスター、且つ、車群内マスターが車群の中央に位置する車両に設定されているケースを示したものである。車群間マスターOMを中央に設定した場合、車群内マスターIMと車群間マスターOMとを同一の車両に設定できるため車群の構成管理が簡易になるという利点がある。
(車群の先頭車両に車群間マスターが設定される場合)
まず、図9を参照する。図9には、十字路で交差する道路上を複数の車両(車両C1、…、C9)が十字路に向かって進行している様子が示されている。また、図9の例では、2つのサービスエリアSA1、SA2が設定されている。さらに、車両C1、C2、C3により車群(1)が形成され、車両C4、C5、C6により車群(2)が形成され、車両C7、C8、C9により車群(3)が形成されている。そして、図9には、十字路及び道路の一部に遮蔽物が存在するケース(A)と、そのような遮蔽物が存在しないケース(B)とが示されている。なお、以下の説明において、車群間通信の経路をRO、車群内通信の経路をRIと表記する。
まず、遮蔽物が存在するケース(A)について説明する。一例として、車群(2)に属する車両C6が、車群(3)に属する車両C9に車両情報を伝達する場合について考える。なお、車群内通信RIは、隣接する車両に対して確実に車両情報を送信できるものとする。また、整列した車両同士で通信を行う際に、車群間通信ROを用いると、車両間に遮蔽車両が存在しても通信可能であるとする。但し、十字路の隅等にある遮蔽物の影響があるため、車群間通信ROを用いても、相互に通信可能な車両が限定される場合もある。
図9の例においては、まず、車両C6から車両C5(車群内マスターIM)に車両情報が送信される。このとき、車両C6は、車群内通信RIを利用して車両情報を送信する。車両C6から車両C5に車両情報が伝達されると、車両C5は、車群(2)の車群間マスターOMである車両C4に対し、受信した車両情報を転送する。このとき、車両C5は、車群内通信RIにより車両情報を送信する。
車両C5から車両C4に車両情報が伝達されると、車両C4は、車両C5により中継された車両情報を車群(1)の車群間マスターOMである車両C1に送信する。このとき、車両C4は、車群間通信ROを用いて車両情報を送信する。なお、遮蔽物がない場合、車両C4から車群(3)の車群間マスターOMに車両情報を送信することが可能である。しかし、図9の例では、遮蔽物があるため、車群間通信ROを用いても、車両C4から車群(3)の車群間マスターOMに車両情報を送信することができない。
車群(2)の車両C4から車群(1)の車両C1に車両情報が伝達されると、車両C1は、車両C4から受信した車両情報を車群(3)の車群間マスターOMである車両C7に送信する。このとき、車両C1は、車群間通信ROを用いて車両情報を送信する。車両C1から車両C7に車両情報が伝達されると、車両C7は、車両C1から受信した車両情報を車群内マスターIMである車両C8に送信する。このとき、車両C7は、車群内通信RIを用いて車両情報を送信する。車両C7から車両C8に車両情報が伝達されると、車両C8は、車群内通信RIを用いて車両C9に車両情報を送信する。
上記の通り、車両C6の車両情報は、車群(2)の車群内マスターIM(車両C5)を経由して車群間マスターOM(車両C4)に伝達され、車群(1)の車群間マスターOM(車両C1)、車群(3)の車群間マスターOM(車両C7)、車群(3)の車群内マスターIM(車両C8)を経て送信先の車両C9に伝達される。このように、電波の遮蔽物が存在しても、車群内通信RI、及び車群間通信ROを組み合わせて用いることにより、車群内マスターIM、車群間マスターOMを経由して車両情報を伝達することができる。
次に、遮蔽物が存在しないケース(B)について説明する。ケース(A)と同様に、車群(2)に属する車両C6が、車群(3)に属する車両C9に車両情報を伝達する場合について考える。なお、車群内通信RIは、隣接する車両に対して確実に車両情報を送信できるものとする。また、整列した車両同士で通信を行う際に、車群間通信ROを用いると、車両間に遮蔽車両が存在しても通信可能であるとする。但し、ケース(B)の場合、遮蔽物が存在しないため、全車が見通せる状況になっている。そのため、車群間通信ROを用いると、全ての車両が互いに車両情報の送受信を行える。
図9の例においては、まず、車両C6から車両C5(車群内マスターIM)に車両情報が送信される。このとき、車両C6は、車群内通信RIを利用して車両情報を送信する。車両C6から車両C5に車両情報が伝達されると、車両C5は、車群(2)の車群間マスターOMである車両C4に対し、受信した車両情報を転送する。このとき、車両C5は、車群内通信RIにより車両情報を送信する。
車両C5から車両C4に車両情報が伝達されると、車両C4は、車両C5により中継された車両情報を送信先である車両C9に対して直接送信する。このとき、車両C4は、車群間通信ROを用いて車両情報を送信する。このように、車両C6の車両情報は、車群(2)の車群内マスターIM(車両C5)を経由して車群間マスターOM(車両C4)に伝達され、送信先の車両C9に直接的に伝達される。つまり、遮蔽物が無く、全車が見通せる場合には、車群間通信ROを利用して車群間マスターOMから送信先の車両に対して直接情報を伝達することができるのである。
(車群の中央に位置する車両に車群間マスターが設定される場合)
次に、図10を参照する。図9と同様に、図10には、十字路で交差する道路上を複数の車両(車両C1、…、C9)が十字路に向かって進行している様子が示されている。また、図10の例では、2つのサービスエリアSA1、SA2が設定されている。さらに、車両C1、C2、C3により車群(1)が形成され、車両C4、C5、C6により車群(2)が形成され、車両C7、C8、C9により車群(3)が形成されている。そして、図10には、十字路及び道路の一部に遮蔽物が存在するケース(A)と、そのような遮蔽物が存在しないケース(B)とが示されている。
まず、遮蔽物が存在するケース(A)について説明する。一例として、車群(2)に属する車両C6が、車群(3)に属する車両C9に車両情報を伝達する場合について考える。なお、車群内通信RIは、隣接する車両に対して確実に車両情報を送信できるものとする。また、整列した車両同士で通信を行う際に、車群間通信ROを用いると、車両間に遮蔽車両が存在しても通信可能であるとする。但し、十字路の隅等にある遮蔽物の影響があるため、車群間通信ROを用いても、相互に通信可能な車両が限定される場合もある。
図10の例においては、まず、車両C6から車両C5(車群内マスターIM+車群間マスターOM)に車両情報が送信される。このとき、車両C6は、車群内通信RIを利用して車両情報を送信する。車両C6から車両C5に車両情報が伝達されると、車両C5は、車群(1)の車群間マスターOM(+車群内マスターIM)である車両C2に対し、受信した車両情報を転送する。このとき、車両C5は、車群間通信ROにより車両情報を送信する。
車両C5から車群(1)の車両C2に車両情報が伝達されると、車両C2は、車両C5から受信した車両情報を車群(3)の車群間マスターOM(+車群内マスターIM)である車両C8に送信する。このとき、車両C2は、車群間通信ROを用いて車両情報を送信する。車両C2から車両C8に車両情報が伝達されると、車両C8は、車両C2から受信した車両情報を車群内通信RIを用いて送信先の車両C9に車両情報を送信する。
上記の通り、車両C6の車両情報は、車群(2)の車群内マスターIM+車群間マスターOM(車両C5)、車群(1)の車群内マスターIM+車群間マスターOM(車両C2)、車群(3)の車群内マスターIM+車群間マスターOM(車両C8)を経由して送信先の車両C9に伝達される。このように、電波の遮蔽物が存在しても、車群内通信RI、及び車群間通信ROを組み合わせて用いることにより、車群内マスターIM+車群間マスターOMを経由して車両情報を伝達することができる。
次に、遮蔽物が存在しないケース(B)について説明する。ケース(A)と同様に、車群(2)に属する車両C6が、車群(3)に属する車両C9に車両情報を伝達する場合について考える。なお、車群内通信RIは、隣接する車両に対して確実に車両情報を送信できるものとする。また、整列した車両同士で通信を行う際に、車群間通信ROを用いると、車両間に遮蔽車両が存在しても通信可能であるとする。但し、ケース(B)の場合、遮蔽物が存在しないため、全車が見通せる状況になっている。そのため、車群間通信ROを用いると、全ての車両が互いに車両情報の送受信を行える。
図10の例においては、まず、車両C6から車両C5(車群内マスターIM+車群間マスターOM)に車両情報が送信される。このとき、車両C6は、車群内通信RIを利用して車両情報を送信する。車両C6から車両C5に車両情報が伝達されると、車両C5は、車両C6から受信した車両情報を送信先である車両C9に対して直接送信する。このとき、車両C5は、車群間通信ROを用いて車両情報を送信する。このように、車両C6の車両情報は、車群(2)の車群内マスターIM+車群間マスターOM(車両C5)を経由して送信先の車両C9に直接的に伝達される。つまり、遮蔽物が無く、全車が見通せる場合には、車群間通信ROを利用して車群間マスターOMから送信先の車両に対して直接情報を伝達することができるのである。
以上、基礎技術における車々間通信方法について具体的に説明した。図9、図10に示した例においては、車群間通信ROを用いて伝送された車両情報を全ての車両が受信できるものとしていた。そのため、遮蔽物の有無や通信環境によっては、車群間通信ROを用いて送信された車両情報が本来受信されるべき車両とは異なる別の車両においても受信されうる。つまり、本来想定される通信経路とは異なる経路も実現可能なのである。
また、通信環境によっては、本来想定された最短の経路よりも、他の経路を通る方が早く車両情報が送信先に到達することがある。そこで、上記の車々間通信方法を拡張し、本来想定される最短の経路とは異なる経路を経て送信先の車両に対して車両情報が先に到達した場合に、本来想定される経路を経て伝送された車両情報の到達を待たず、異なる経路で到達した情報を活用するように構成してもよい。
例えば、図9の(A)において、車両C6が車群内通信RIで送信した車両情報をやや離れた位置の車両C4が直接受信できた場合、車両C4は、車両C5により車両情報が中継されるのを待たずに、車群間通信ROを用いて車両情報を車両C1に中継するように構成されていてもよい。さらに、車両C1が車群間通信ROで送信した車両情報を車両C8が直接受信できた場合、車両C8は、車両C7による車両情報の中継を待たず、車両C1から直接受信した車両情報を車両C9に中継するように構成されていてもよい。
[フレーム構成]
次に、図11を参照しながら、基礎技術におけるビーコンフレームの構成について説明する。図11は、基礎技術におけるビーコンフレームの構成例を示す説明図である。
図11に示すように、上記のビーコンフレームには、MACヘッダと、送信元車群IDと、送信元車両IDと、送信元車両位置と、車群内車両数と、CRCとが含まれる。MACヘッダは、送信元のMACアドレスを示すものである。送信元車群IDは、送信元の車群を特定するための識別情報である。送信元車両IDは、送信元の車両を特定するための識別情報である。車群内車両数は、ビーコンフレームの送信時点における車群内の車両数である。CRCは、巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check)符号である。
上記のビーコンフレームは、車群内マスターIMにより所定周期で送信される。そして、このビーコンフレームには、自車両の車両位置や車群内の車両数等の車群管理情報が含まれる。このビーコンフレームは、サービスエリアに進入した車両により受信される。さらに、このビーコンフレームに基づいて車群が形成されたり、各車群に参入される車両が決定されたり、車群における自車両の状態が決定されたりする。
以上、後述する本発明の各実施形態に係る技術の前提となる基礎技術について説明した。上記の通り、基礎技術においては、複数の車両が車群により管理され、さらに、車両間の通信が車群間と車群内とで階層的に分けられている。このような通信技術を用いることで、車群内通信及び車群間通信で用いられる周波数の利用効率が向上し、サービスエリア内に収容可能な車両数を増加させることができる。つまり、所定品質の通信環境が提供され、所望のサービスが安定的に提供される車両数を増加させることができる。
(課題の整理2)
このように、上記の基礎技術を用いることで、車群を安定して維持することが可能になると共に、車群間通信、及び車群内通信で用いられる周波数帯の利用効率を向上させ、同時にサービスが提供される最大車両数を増加させることができる。
しかしながら、上記の基礎技術を用いる場合、車群間通信を行う車両は、車群内通信を用いてマスターに車両情報を伝送し、他の車群に属する車両に車両情報を中継してもらう必要がある。そのため、車群内通信の通信リンクが切断され、マスターに車両情報を送信することができなくなると、車両情報の送信元車両は、車群を跨いで車両情報を送信することができなくなってしまう。
例えば、車両が移動している場合等において、シャドウイング等の影響により、車群内通信の通信リンクが切断されるケースも想定されるため、この問題に対する対策が求められている。そこで、後述する本発明の実施形態は、車群内通信の通信リンクが切断され、マスターが車両情報を中継できない状況においても、個々の車両が車群間通信を行えるようにする技術の提供を目的としている。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態は、車群内通信の通信リンクが切断された場合にも、個々の車両が車群間通信を行えるように通信経路を修復する技術に関するものである。以下、本実施形態に係る車々間通信装置100の機能構成、及び車々間通信装置100による経路修復方法について説明する。
[車々間通信装置100の機能構成]
まず、図12を参照しながら、本実施形態に係る車々間通信装置100の機能構成について説明する。図12は、本実施形態に係る車々間通信装置100の機能構成例を示す説明図である。なお、上記の基礎技術に係る車々間通信装置50と実質的に同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。
図12に示すように、車々間通信装置100は、主に、サービス制御手段102と、車両位置検出手段104と、周波数設定手段106と、車々間通信手段108と、車群制御手段130とにより構成される。また、車群制御手段130は、データ処理手段132と、車群形成手段134と、相対位置検出手段136と、エリア検出手段138と、車両数管理手段140と、時刻管理手段142とにより構成される。
上記の基礎技術に係る車々間通信装置50と、本実施形態に係る車々間通信装置100との主な相違点は、時刻管理手段142の有無にある。そこで、以下では、時刻管理手段142の機能構成について詳細に説明し、その説明の中で他の構成要素との関係について簡単に説明する。なお、以下の説明において、自車両が他の車群に属する車両に対して車両情報を送信する際に車両情報の中継先となる同じ車群内の他車両のことを中継車両と呼ぶことにする。従って、中継車両の属性は、車群外を除く、車群間マスター、車群内マスター、スレーブのいずれかとなる。
(時刻管理手段142)
時刻管理手段142は、中継車両を送信元とするフレームを受信した際に、その受信時刻(以下、フレーム受信時刻)を記録する手段である。時刻管理手段142には、車々間通信手段108から、中継車両を送信元とするフレーム受信時刻が通知される。但し、車々間通信手段108から時刻管理手段142に受信通知のみが入力されるように構成されていてもよい。この場合、時刻管理手段142は、受信通知が入力された時刻をフレーム受信時刻として記録する。なお、各車両は、所定の周期で車両情報を交換している。そのため、所定時間内に車両情報を含むフレームが受信されるものと期待される。従って、所定時間内に車両情報を含むフレームが受信されなければ、その車両情報の送信元と自車両との間で通信リンクが切断されている可能性が推定される。
時刻管理手段142により記録されたフレーム受信時刻は、車群形成手段134により参照される。例えば、中継車両に転送する必要のあるフレームが受信された場合、車群形成手段134は、時刻管理手段142により記録された当該中継車両に対応するフレーム受信時刻が、現時点から遡って所定時間内に存在するか否かを確認する。所定時間内にフレーム受信時刻が存在する場合、車群形成手段134は、自車両と中継車両との間の通信リンクが確立していると判断する。一方、所定時間内にフレーム受信時刻が存在しない場合、車群形成手段134は、自車両と中継車両との間の通信リンクが切断されていると判断する。
車群形成手段134による上記の判断結果は、データ処理手段132を介して車々間通信手段108に入力される。車々間通信手段108は、車群形成手段134により、自車両と中継車両との間の通信リンクが確立していると判断された場合、車群内通信を用いて中継車両にフレームを転送する。一方、車群形成手段134により、自車両と中継車両との間の通信リンクが切断されていると判断された場合、車々間通信手段108は、車々間通信を用いて中継車両にフレームを転送せず、車群間マスターに代わって車群間通信によりフレームを転送する。つまり、自車両と中継車両との間の通信リンクが切断されている場合、自車両が車群間マスターの機能を提供することで代替通信経路が形成される。
以上説明したように、本実施形態に係る車々間通信装置100は、時刻管理手段142により、中継車両を送信元とするフレームのフレーム受信時刻が記録され、また、車群形成手段134により、自車両と中継車両との間の通信リンクの状態が推定される。さらに、車群形成手段134による通信リンクの推定結果に応じて、車々間通信手段108により、車群内通信を用いて中継車両にフレームが中継されるか、或いは、車群間通信を用いてフレームの送信先車両にフレームが直接送信される。
このような構成にすることで、自車両から車群間マスターに至る通信経路に含まれる中継車両との間で、通信経路が切断されていたとしても、フレームが他の車群に属する車両に送信される。その結果、フェージング等により車群内通信の通信リンクが不安定になっても、安定してフレームを送信先の車両に送信することができるようになる。
[経路修復方法]
次に、図13〜図16を参照しながら、本実施形態に係る経路修復方法の流れについて説明する。図13は、交差点での出会い頭事故防止サービスが提供される状況における通常の通信経路(A)、及び修復後の通信経路(B)を示す説明図である。図14は、通常の通信経路(A)における各車両の送受信タイミングを示す説明図である。図15は、修復後の通信経路(B)における各車両の送受信タイミングを示す説明図である。図16は、通信経路を修復する処理の全体的な流れを示す説明図である。
(通信経路の説明)
まず、図13を参照する。図13には、交差点、複数の車両(車両C1、…、C6)、車群(車群(1)、車群(2))、及びサービスエリアの境界が描画されている。また、図13の例には、車両C1の車両情報が車両C6に送信される際の通信経路が描画されている。図13において、車群内通信はRI、車群間通信はROと表記されている。なお、車両C3、車両C4に車群間マスターが設定されているものとする。
通常の通信経路(A)においては、車両C1から送信された車両情報は、車群内通信RIにより、車両C2を経由して車両C3に伝達される。さらに、車両C3に伝達された車両情報は、車群間通信ROにより車両C4に伝達される。そして、車両C4に伝達された車両情報は、車群内通信RIにより車両C5を経由して車両C6に伝達される。なお、車群(1)において、車両C1から見た中継車両は、車両C2及び車両C3である。仮に、車両C1と車両C2との間の通信経路、又は車両C2と車両C3との間の通信経路が切断されると、車両C1の車両情報は、車群(2)の車両C6に伝達されなくなってしまう。そこで、本実施形態においては、車群間通信を利用して通信経路が修復される。
例えば、車両C2と車両C3との間の通信経路が切断された場合、車両C2は、車群間通信を利用して車群(2)の車両C4に車両情報を送信する。そして、車両C4に伝達された車両情報は、車群内通信RIにより車両C5を経由して車両C6に伝達される。なお、車両C2から見た中継車両は、車両C3である。そのため、車両C3から車両情報が送信される以前、車両C2は、車両C3から受信したフレームのフレーム受信時刻を記録している。そして、車両C1から車両情報を受信した際に、フレーム受信時刻を参照し、車両C2と車両C3との間の通信経路が切断されているか否かを判断する。
修復後の通信経路(B)の例では、車両C1の車両情報が受信された時刻を基準にして、過去の所定期間内にフレーム受信時刻が存在せず、車両C2と車両C3との間の通信経路が切断されていると判断される。そこで、車両C2は、車群内通信RIにより車両C3に車両情報を転送せず、車群間通信ROを用いて車群(2)に属する車両C4に車両情報を伝達する。もちろん、通信環境や電波の遮蔽状況等に応じて、車両C2から車両C6に車両情報が直接送信されるように構成されていてもよい。このように、自車両と中継車両との間の通信リンクが切断されていた場合に、車両情報の通信経路が修復される。
(送受信タイミング:通常の通信経路(A))
次に、図14を参照する。図14に示す送受信タイミングは、図13に示した通常の通信経路(A)に対応するものである。図14には、車群(1)に属する車両(車両C1、C2、C3)の送受信タイミング、及び車群(2)に属する車両(車両C4)の送受信タイミングが示されている。なお、車群(2)に属する他の車両(車両C5、C6)に関する送受信タイミングについては記載を省略した。
上記の通り、車両C2は、車両C1から車両情報が送信される以前に、車両C3(中継車両)からフレームを受信したか否かをチェックしている。図14の例では、チェック期間において、車両情報を含むフレームが車両C3から車両C2に伝達されている(S1)。但し、このチェック期間は、図14に示す通り、車両C1が車両情報を車両C2に送信した時点(S2)を基準に所定期間だけ過去に遡る期間として設定される。
車両C1から車両情報が送信されると(S2)、車両C2により、上記のチェックが行われ、車両C3(中継車両)と車両C2との間が通信可能な状態であることが確認される。そして、車両C2により、車群内通信RIを用いて車両C3に車両情報が送信される(S3)。車両C2から車両C3に車両情報が伝達されると、車両C3は、車群間通信ROにより、車両C4に車両情報を送信する(S4)。このように、上記のチェック期間内に車群内通信により中継車両からフレームが受信されている場合、通常の通信経路(A)を介して車両C1の車両情報が車両C4に送信される。
(送受信タイミング:修復後の通信経路(B))
次に、図15を参照する。図15に示す送受信タイミングは、図13に示した修復後の通信経路(B)に対応するものである。図15には、車群(1)に属する車両(車両C1、C2、C3)の送受信タイミング、及び車群(2)に属する車両(車両C4)の送受信タイミングが示されている。なお、車群(2)に属する他の車両(車両C5、C6)に関する送受信タイミングについては記載を省略した。
上記の通り、車両C2は、車両C1から車両情報が送信される以前に、車両C3(中継車両)からフレームを受信したか否かをチェックしている。図15の例では、チェック期間において、車両情報を含むフレームが車両C3から車両C2に伝達されていない(S1)。但し、このチェック期間は、図15に示す通り、車両C1が車両情報を車両C2に送信した時点(S2)を基準に所定期間だけ過去に遡る期間として設定される。
車両C1から車両情報が送信されると(S2)、車両C2により、上記のチェックが行われ、車両C3(中継車両)と車両C2との間が通信不可能な状態であることが確認される。そして、車両C2により、車群間通信ROを用いて車両C4に車両情報が送信される(S3)。このように、上記のチェック期間内に車群内通信により中継車両からフレームが受信されていない場合、修復後の通信経路(B)を介して車両C1の車両情報が車両C4に送信される。
(経路修復処理の流れ)
次に、図16を参照しながら、経路修復処理の全体的な流れについて説明する。図16に示すように、まず、車群形成手段134において、車々間通信手段108がフレームを受信したか否かが判定される(S102)。車々間通信手段108がフレームを受信した場合、ステップS104の処理に進行する。一方、車々間通信手段108がフレームを受信していない場合、再びステップS102の処理を繰り返す。ステップS102において待ち受けるフレームは、図13の例における車両C1の車両情報に相当する。
ステップS104において、車群形成手段134は、車々間通信手段108により受信されたフレームを車群内の他車両に中継する必要があるか否かを判断する(S104)。車群内の他車両に中継する必要があると判断された場合、ステップS106の処理に進行する。一方、車群内の他車両に中継する必要がないと判断された場合、ステップS102の処理に進行する。
ステップS106において、車群形成手段134により、上記のフレームを受信した時点を基準とする過去の所定期間内に、中継車両からフレームを受信したか否かが判断される。ここで言う中継車両は、図13の例における車両C3に相当する。このとき、車群形成手段134は、時刻管理手段142により蓄積されたフレーム受信時刻を参照し、所定期間内に中継車両からフレームを受信したか否かが判断される。中継車両からフレームを受信していた場合、ステップS108の処理に進行する。一方、中継車両からフレームを受信していなかった場合、ステップS110の処理に進行する。
ステップS108において、車々間通信手段108は、車群内通信を用いて中継車両にフレームを転送する(S108)。一方、ステップS110においては、車々間通信手段108により、車群間通信を用いてフレームが転送される(S110)。ここで転送されるフレームは、ステップS102で受信したと判断されたフレームである。次いで、車群形成手段134により、通信経路を修復するための一連の処理を終了するか否かが判断される(S112)。通信経路を修復するための一連の処理を終了しない場合、再びステップS102の処理に進行する。
以上説明したように、本実施形態に係る経路修復方法においては、自車両と同じ車群内の他車両から他の車群に属する車両に宛てたフレームを受信した場合に、その受信時点を基準にして過去の所定期間内に中継車両からフレームを受信したか否かを確認し、受信していない場合に車群間通信を用いてフレームを送信する。このような流れで上記の処理が実行されることにより、自車両と車群間マスターとの間の通信リンクが切断された場合においても、他の車群に属する車両に対して安定して車両情報を送信することができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、車群内通信の通信リンクが切断された場合にも、個々の車両が車群間通信を行えるように通信経路を修復する技術に関するものである。以下、本実施形態に係る車々間通信装置200の機能構成、及び車々間通信装置200による経路修復方法について説明する。
[車々間通信装置200の機能構成]
まず、図17を参照しながら、本実施形態に係る車々間通信装置200の機能構成について説明する。図17は、本実施形態に係る車々間通信装置200の機能構成例を示す説明図である。なお、上記の基礎技術に係る車々間通信装置50と実質的に同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。
図17に示すように、車々間通信装置200は、主に、サービス制御手段102と、車両位置検出手段104と、周波数設定手段106と、車々間通信手段108と、車群制御手段130とにより構成される。また、車群制御手段130は、データ処理手段132と、車群形成手段134と、相対位置検出手段136と、エリア検出手段138と、車両数管理手段140と、再送制御手段202とにより構成される。
上記の基礎技術に係る車々間通信装置50と、本実施形態に係る車々間通信装置200との間の主な相違点は、再送制御手段202の有無にある。そこで、以下では、再送制御手段202の機能構成について詳細に説明し、その説明の中で他の構成要素との関係について簡単に説明する。なお、以下の説明において、自車両が他の車群に属する車両に対して車両情報を送信する際に車両情報の中継先となる同じ車群内の他車両のことを中継車両と呼ぶことにする。従って、中継車両の属性は、車群外を除く、車群間マスター、車群内マスター、スレーブのいずれかとなる。
(再送制御手段202)
再送制御手段202は、自車両と中継車両との間の通信リンクが途切れている場合に再送制御を行う手段である。再送制御手段202は、車群内通信を用いて自車両と同じ車群内の中継車両にフレームが送信される際に、そのフレームに含まれるデータを保存する。また、再送制御手段202は、そのフレームが送信されて第1の中継車両に伝達された後、第1の中継車両(例えば、自車両と同じ車群の車群間マスター)から第2の中継車両(例えば、別車群の車群間マスター)に送信された当該フレームを傍受する。なお、自車両と第1の中継車両との間に他の車両が存在しても、車群間通信には回折損失等が少ない周波数帯の電波が用いられるため、その電波を自車両が傍受することは比較的容易である。
第1の中継車両から第2の中継車両に対し、自車両の送信フレームが送信されている場合、再送制御手段202は、自車両から第1の中継車両への通信リンクが確立されているものと判断する。一方、第1の中継車両から第2の中継車両に対し、自車両の送信フレームが送信されていない場合、再送制御手段202は、自車両から第1の中継車両への通信リンクが確立されていないものと判断する。つまり、再送制御手段202は、受動的応答の有無を確認することで、第1の中継車両と自車両との間の通信状態を推定する。
自車両と第1の中継車両との間の通信リンクが確立されている場合、再送制御手段202は、フレームの再送制御を行う必要がない。そのため、再送制御手段202は、そのフレームを送信する際に保存していたデータを破棄する。一方、自車両と第1の中継車両との間の通信リンクが確立されていない場合、再送制御手段202は、そのフレームを送信する際に保存していたデータを再送するように制御する。この場合、再送制御手段202は、再送するデータをデータ処理手段132に入力する。
再送制御手段202からデータ処理手段132に再送データが入力されると、データ処理手段132は、自車両と第1の中継車両との間の通信リンクが確立されていない状態にあると判断する。そこで、データ処理手段132は、車々間通信手段108を制御し、車群間通信を用いて再送データが含まれるフレームを第2の中継車両に送信させる。このとき、第1の中継車両を経由する車群内通信は行われない。つまり、自車両が車群間マスターに代わって第2の中継車両に直接フレームを送信するのである。
このような構成により、他の車群に属する車群間マスターと自車両との間に代替通信経路が確立され、自車両と第1の中継車両との間で通信リンクが切断された場合にも、代替通信経路を利用して通信リンクが維持されることになる。つまり、他の車群に属する車両と自車両との間の通信リンクは、上記のような経路修復処理により、シャドウイング等による影響に対して耐性を増すことになる。
なお、上記の説明においては、第1の中継車両、第2の中継車両という表現を用いたが、自車両が送信したフレームを第1番目、第2番目に中継する車両という意味に限定されるものではない。例えば、自車両から送信されたフレームが車群内マスターを経由して車群間マスターに伝達され、その後、他の車群に属する車群間マスターに送信される場合について考えてみよう。この場合、自車両と同じ車群の車群間マスターが第1の中継車両であり、他の車群に属する車群間マスターが第2の中継車両である。
[経路修復方法]
次に、図18〜図20を参照しながら、本実施形態に係る経路修復方法の流れについて説明する。但し、説明の都合上、図13に例示した状況を想定している。図18は、通常の通信経路(A)における各車両の送受信タイミングを示す説明図である。図19は、修復後の通信経路(B)における各車両の送受信タイミングを示す説明図である。図20は、通信経路を修復する処理の全体的な流れを示す説明図である。
(送受信タイミング:通常の通信経路(A))
まず、図18を参照する。図18に示す送受信タイミングは、図13に示した通常の通信経路(A)に対応するものである。図18には、車群(1)に属する車両(車両C1、C2、C3)の送受信タイミング、及び車群(2)に属する車両(車両C4)の送受信タイミングが示されている。なお、車群(2)に属する他の車両(車両C5、C6)に関する送受信タイミングについては記載を省略した。
車両C1から車両情報が送信されると(S1)、車両C2により、車群内通信RIを用いて車両C3に車両情報が送信される(S2)。このとき、車両C2により、車両C1の車両情報が保存される。車両C2から車両C3に車両情報が伝達されると、車両C3は、車群間通信ROにより、車両C4に車両情報を送信する(S3)。
このとき、車両C2により、車両C3から車両C4に車群間通信ROを利用して送信された車両情報が傍受される(S4)。図18の例では、車両C2により車両情報が傍受されるため、車両C2は、保存していた車両情報を破棄して再送制御を行わない。このように、通常の通信経路(A)を介して車両C1の車両情報が車両C4に送信される。
(送受信タイミング:修復後の通信経路(B))
次に、図19を参照する。図19に示す送受信タイミングは、図13に示した修復後の通信経路(B)に対応するものである。図19には、車群(1)に属する車両(車両C1、C2、C3)の送受信タイミング、及び車群(2)に属する車両(車両C4)の送受信タイミングが示されている。なお、車群(2)に属する他の車両(車両C5、C6)に関する送受信タイミングについては記載を省略した。
車両C1から車両情報が送信されると(S1)、車両C2により、車群内通信RIを用いて車両C3に車両情報が送信される(S2)。このとき、車両C2により、車両C1の車両情報が保存される。しかし、図19の例においては、車両情報を含むフレームが車両C2から車両C3に伝達されていない(S2)。そのため、車両C3から車群C4に車群間通信ROを利用して車両情報が送信されることはない。
この場合、車両C2は、車両C3から送信されるべき車両情報が傍受できないため、車両C2と車両C3との間の通信リンクが切断されていると判断する。そこで、車両C2は、車群間通信ROを利用して、保存していた車両情報を車両C4に送信する(S3)。このように、車群内通信ROにより中継車両からフレームが送信されていない場合、修復後の通信経路(B)を介して車両C1の車両情報が車両C4に送信される。
(経路修復処理の流れ)
次に、図20を参照しながら、経路修復処理の全体的な流れについて説明する。図20に示すように、まず、車群形成手段134において、車々間通信手段108がフレームを受信したか否かが判定される(S202)。車々間通信手段108がフレームを受信した場合、ステップS204の処理に進行する。一方、車々間通信手段108がフレームを受信していない場合、再びステップS202の処理を繰り返す。ステップS202において待ち受けるフレームは、図13の例における車両C1の車両情報に相当する。
ステップS204において、車群形成手段134は、車々間通信手段108により受信されたフレームを車群内の他車両に中継する必要があるか否かを判断する(S204)。車群内の他車両に中継する必要があると判断された場合、ステップS206の処理に進行する。一方、車群内の他車両に中継する必要がないと判断された場合、再びステップS202の処理に進行する。
ステップS206において、車々間通信手段108により、車群内の他車両にフレームが中継される(S206)。このとき、再送制御手段202により、フレームに含まれる車両情報が保存される。また、車群内の他車両に中継されたフレームは、自車両と車群間マスターとの間の通信リンクが繋がっていれば、車群間マスターにより車群間通信を用いて他の車群に属する車両に送信される。そこで、再送制御手段202により、車群間通信を用いて送信されるフレームが傍受され、受動的応答の有無が確認される(S208)。
受動的応答が有る場合、再送制御手段202により、保存されていた車両情報が破棄され、ステップS212の処理に進行する。一方、受動的応答が無い場合、ステップS210の処理に進行し、再送制御手段202により、保存していた車両情報の再送制御が実行される(S210)。この再送制御を受け、車々間通信手段108は、車群間通信を用いて車両情報が含まれるフレームを他の車群に属する車両に送信する。次いで、一連の処理を終了するか否かが判断され(S214)、処理を継続する場合には、再びステップS202に進行して一連の処理が繰り返される。
以上説明したように、本実施形態に係る経路修復方法においては、自車両と同じ車群に属する車群間マスターからフレームが送信されたか否かが確認され、その確認結果に応じて自車両と車群間マスターとの間の通信状態が判断される。そして、自車両と車群間マスターとの間の通信リンクが切断されている場合、自車両が車群間通信を用いて他の車群に属する車両にフレームを送信する。このような流れで上記の処理が実行されることにより、自車両と車群間マスターとの間の通信リンクが切断された場合においても、他の車群に属する車両に安定して車両情報を送信することができるようになる。
[備考]
上記の車車間通信手段108は、車群内通信手段、車群間通信手段の一例である。上記のデータ処理手段132、車群形成手段134は、通信リンク判断手段の一例である。上記の時刻管理手段142は、受信時刻保持手段の一例である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
一般的な車々間通信装置の機能構成例を示す説明図である。 基礎技術における車々間通信装置の機能構成例を示す説明図である。 車々間通信装置のハードウェア構成例を示す説明図である。 サービスエリアの具体的な設定例を示す説明図である。 サービスエリアの具体的な設定例を示す説明図である。 基礎技術に係る車群形成方法の一例を示す説明図である。 基礎技術に係る車群形成方法の一例を示す説明図である。 基礎技術に係る車群離脱方法の一例を示す説明図である。 基礎技術に係る車々間通信方法における通信経路を示す説明図である。 基礎技術に係る車々間通信方法における通信経路を示す説明図である。 基礎技術に係るビーコンフレームの構成例を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る車々間通信装置の機能構成例を示す説明図である。 同実施形態に係る通信経路の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る各車両の送受信タイミングの一例を示す説明図である。 同実施形態に係る各車両の送受信タイミングの一例を示す説明図である。 同実施形態に係る車々間通信方法の全体的な流れを示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る車々間通信装置の機能構成例を示す説明図である。 同実施形態に係る各車両の送受信タイミングの一例を示す説明図である。 同実施形態に係る各車両の送受信タイミングの一例を示す説明図である。 同実施形態に係る車々間通信方法の全体的な流れを示す説明図である。
符号の説明
50、100、200 車々間通信装置
102 サービス制御手段
104 車両位置検出手段
106 周波数設定手段
108 車々間通信手段
130 車群制御手段
132 データ処理手段
134 車群形成手段
136 相対位置検出手段
138 エリア検出手段
140 車両数管理手段
142 時刻管理手段
202 再送制御手段
H12 GPS受信機
H14 中央処理装置
H16 メモリ
H18 通信制御部
H20 RFフロントエンド回路
H22 アンテナ
H24 バス

Claims (8)

  1. 自車両と同じ車群に属する車両との間でフレームを送受信する車群内通信手段と、
    自車両とは異なる車群に属する車両との間でフレームを送受信する車群間通信手段と、
    自車両とは異なる車群に属する車両にフレームを中継する中継車両と、自車両との間の通信リンクが確立されているか否かを判断する通信リンク判断手段と、
    を備え、
    自車両とは異なる車群に属する車両に対してフレームを送信する際に、
    前記通信リンク判断手段により前記中継車両と自車両との間の通信リンクが確立されていると判断された場合に前記車群内通信手段を用いて前記中継車両にフレームを送信し、
    前記通信リンク判断手段により前記中継車両と自車両との間の通信リンクが確立されていないと判断された場合に前記中継車両を探すことなく前記車群間通信手段を用いて前記自車両とは異なる車群に属する車両にフレームを送信する、
    車々間通信装置。
  2. 前記車群内通信手段により前記中継車両からフレームが受信された時刻の情報を保持する受信時刻保持手段をさらに備え、
    前記通信リンク判断手段は、前記自車両とは異なる車群に属する車両に対してフレームを送信する際に、前記受信時刻保持手段により保持されている時刻の情報を参照し、現時刻を基準にして所定時間内に前記中継車両からフレームが受信されている場合に前記通信リンクが確立されていると判断し、前記所定時間内に前記中継車両からフレームが受信されていない場合に前記通信リンクが確立されていないと判断する、
    請求項1に記載の車々間通信装置。
  3. 前記自車両とは異なる車群に属する車両に対してフレームを送信する際に、当該フレームの情報を保持しておき、前記通信リンク判断手段により前記通信リンクが確立されていないと判断された場合に前記車群間通信手段を用いて当該フレームを再送させる再送制御手段をさらに備え、
    前記通信リンク判断手段は、前記車群内通信手段を用いて前記中継車両にフレームが送信された場合に、当該フレームが前記中継車両から送信されたか否かを検知し、当該フレームが送信された場合に前記通信リンクが確立されていると判断し、当該フレームが送信されていない場合に前記通信リンクが確立されていないと判断する、
    請求項1に記載の車々間通信装置。
  4. 前記車群内では、所定の指向性を有する第1通信方式に基づいてフレームが送受信され、
    前記車群間では、前記第1通信方式よりも回折損が少ない第2通信方式に基づいてフレームが送受信される、
    請求項3に記載の車々間通信方法。
  5. 自車両と同じ車群に属する車両との間でフレームを送受信する車群内通信手段と、自車両とは異なる車群に属する車両との間でフレームを送受信する車群間通信手段と、を有する車々間通信装置による経路修復方法であって、
    自車両とは異なる車群に属する車両に対してフレームが送信される際に、自車両とは異なる車群に属する車両にフレームを中継する中継車両と、自車両との間の通信リンクが確立されているか否かが判断される通信リンク判断ステップと、
    前記通信リンク判断ステップで前記中継車両と自車両との間の通信リンクが確立されていると判断された場合に、前記車群内通信手段を用いて前記中継車両にフレームが送信される第1送信ステップと、
    前記通信リンク判断ステップで前記中継車両と自車両との間の通信リンクが確立されていないと判断された場合に、前記中継車両を探すことなく前記車群間通信手段を用いて前記自車両とは異なる車群に属する車両にフレームが送信される第2送信ステップと、
    を含む、
    車々間通信装置による経路修復方法。
  6. 前記車群内通信手段により前記中継車両からフレームが受信された時刻の情報が保持される受信時刻保持ステップをさらに含み、
    前記通信リンク判断ステップでは、前記受信時刻保持ステップで保持されている時刻の情報が参照され、現時刻を基準にして所定時間内に前記中継車両からフレームが受信されている場合に前記通信リンクが確立されていると判断され、前記所定時間内に前記中継車両からフレームが受信されていない場合に前記通信リンクが確立されていないと判断される、
    請求項5に記載の車々間通信装置による経路修復方法。
  7. 前記自車両とは異なる車群に属する車両に対してフレームを送信する際に、当該フレームの情報が保持され、前記通信リンク判断ステップで前記通信リンクが確立されていないと判断された場合に前記車群間通信手段を用いて当該フレームが再送される再送制御ステップをさらに含み、
    前記通信リンク判断ステップでは、前記車群内通信手段を用いて前記中継車両にフレームが送信された場合に、当該フレームが前記中継車両から送信されたか否かが検知され、当該フレームが送信された場合に前記通信リンクが確立されていると判断され、当該フレームが送信されていない場合に前記通信リンクが確立されていないと判断される、
    請求項5に記載の車々間通信装置による経路修復方法。
  8. 前記車群内では、所定の指向性を有する第1通信方式に基づいてフレームが送受信され、
    前記車群間では、前記第1通信方式よりも回折損が少ない第2通信方式に基づいてフレームが送受信される、
    請求項7に記載の車々間通信装置による経路修復方法。
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