手段1.遊技状況を検出する遊技状況検出手段と、前記遊技状況検出手段の検出結果に応じて抽選を行う抽選手段と、2種類以上の第1変動時間を設定対象とする第1条件、及び特定演出による変動時間を含む少なくとも1種類の第2変動時間を設定対象とする第2条件から、前記抽選手段の抽選結果に応じた1つを選択し、前記設定対象中、選択した条件の成立状況に応じた1つを画像変動時間とする画像変動時間決定手段と、少なくとも前記画像変動時間決定手段による画像変動時間に関する表示制御指令を送信する主制御手段と、前記表示制御指令にて指示された画像変動時間に従い表示器を作動させ、複数の列で画像を変動表示するとともに、所定の停止順で各列の変動表示を停止する副制御手段とを備える遊技機であって、前記副制御手段は、前記第2変動時間からなる画像変動時間に関する表示制御指令に応じた画像表示に際し、第3条件の成立に基づき、停止順の少なくとも最初の列の変動速度を、所定の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列の変動停止タイミングと略同一タイミングで低下させた後、その低下した列の少なくとも1つを、前記特定演出の開始に備えて変動させる変動速度パターン変更手段を含むことを特徴とする遊技機。ここで、変動速度の低下には、変動が停止するまで低下する場合と、その停止直前まで変動速度が低下する場合(停止しない場合)との両方が含まれる。
手段1A.前記手段1において、前記所定の第1変動時間は、前記2種類以上の第1変動時間のうちの最短のものであることを特徴とする遊技機。
手段1B.前記手段1又は1Aにおいて、前記変動速度パターン変更手段は、前記特定演出の開始に備えた変動として、低下させた列の少なくとも1つの変動速度を、前記特定演出の開始までに復帰させるものであることを特徴とする遊技機。
前記手段1,1A,1Bによると、抽選手段では、遊技者の操作にともない変化する遊技状況に応じて抽選が行われる。画像変動時間決定手段では、第1条件及び第2条件のうち前記抽選結果に応じたいずれか一方が選択される。そして、選択された条件の設定対象(第1条件では2種類以上の第1変動時間、第2条件では少なくとも1種類の第2変動時間)の中から、その条件の成立状況に応じた1つの変動時間が画像変動時間として選択及び決定される。従って、第1条件の成立状況に基づき画像変動時間が決定される際には、第2条件の成立状況に関係なく、2種類以上の第1変動時間のうちの1つが選択される。また、第2条件の成立状況に基づき画像変動時間が決定される際には、第1条件の成立状況に関係なく、1種類以上の第2変動時間のうちの1つが選択される。第2変動時間が1種類の場合には、そのものが選択される。
主制御手段では、少なくとも前記画像変動時間に関する表示制御指令が副制御手段へ送信される。従って、送信の対象となる表示制御指令は、第1変動時間を画像変動時間として含むもの(2種類以上)と、第2変動時間を画像変動時間として含むもの(1種類以上)とからなり、全体では、最も少ない場合で3種類存在することになる。この数は、第1条件成立の有無と、第2条件成立の有無との間に関連性を有している場合(前述した技術1に相当)の表示制御指令の種類よりも少なくなる。関連性を有していると、両条件を組合せた場合の画像変動時間が必要となるのに対し、関連性を有していないと、そのような画像変動時間が不要となるからである。この違いが、画像変動時間の種類、ひいては表示制御指令の種類の差を生ずる要因となる。
副制御手段では、表示制御指令によって指示された画像変動時間に従い表示器が駆動制御される。その結果、表示器では、複数の列で画像の変動が開始される。その後、所定の停止順で各列の変動が停止され、変動開始から前記画像変動時間が経過したとき、最後の列の変動が停止される。
特に、第2変動時間を画像変動時間とした表示制御指令の場合には、第3条件の成立状況に応じた態様で画像が表示される。第3条件が成立する場合には、停止順の少なくとも最初の列の変動速度が、所定の第1変動時間(手段1Aでは最短の第1変動時間)を画像変動時間とした場合の対応する列の変動停止タイミングと略同一タイミングで低下される。ここで、一般的な遊技機では、列の変動停止に際し、高速で変動している列が急激に止まるのではなく、変動速度が徐々に低下した後に止まる。このため、遊技者には、少なくとも最初の列の変動速度が低下したときには、それが所定の第1変動時間を画像変動時間としたことによるものなのか、第2変動時間を画像変動時間としたことによるものなのか、すなわち、特定演出が行われるかどうかが不明である。
前記変動速度の低下後、その低下の対象となった列の少なくとも1つは特定演出の開始に備えて変動される(手段1Bでは、変動速度が特定演出の開始までに復帰される)。この特定演出に備えた変動により、画像の変動が、所定の第1変動時間ではなく第2変動時間を画像変動時間としたことによるものであり、特定演出が行われるであろうことが明らかとなる。そして、特定演出が行われ、前記画像変動時間が経過すると変動が停止される。
一方、前記第3条件が成立しない場合には、複数の列で画像の変動が開始され、全ての列の変動が停止されるよりも前に特定演出が行われる。この場合、特定演出が行われる前のタイミングでは、その特定演出が行われるかどうかが不明である。例えば、特定演出が開始されるタイミングが、所定の第1変動時間を画像変動時間とした場合に停止順の最初の列が変動を停止するタイミングよりも遅く設定されていれば、その所定の第1変動時間の場合の各列の変動停止タイミングでは、特定演出の有無が不明である。
このように、特定演出が開始されるタイミングが、所定の第1変動時間を画像変動時間とした場合に停止順の最初の列が変動を停止するタイミングよりも早い場合を除き、最短の場合でも、少なくとも1つの列が特定演出の開始に備えて変動するまでは、特定演出の有無が不明である。従って、特定演出が行われることに対する遊技者の期待感は、この特定演出に備えた変動まで続くこととなる。
手段2.前記手段1において、前記第2変動時間を画像変動時間とする表示制御指令は、前記列の変動開始から、特定演出の開始に関与する列が変動を停止するまでの時間に関する情報と、停止順の最後の列が変動を停止するまでの時間に関する情報とを含むものであることを特徴とする遊技機。
前記手段2によると、前述した時間に関する2つの情報が共通していれば、第3条件が成立する場合であっても、成立しない場合であっても、列の変動開始から所定の時間が経過したとき、特定演出の開始に関与する列が変動を停止する。この停止とともに特定演出が開始される。そして、停止順に列が変動を停止してゆき、所定の時間が経過したとき最後の列が変動を停止する。従って、列の変動開始から特定演出が開始されるまでには、各列はどのような態様で表示されてもよい。例えば、所定の列のみの変動速度が一旦低下された後に復帰されてもよい。
手段3.前記手段1又は2において、前記主制御手段は、前記表示制御指令の送信後、その指令にて指示された画像変動時間の経過時に確定制御指令を送信する確定制御指令送信手段を含むことを特徴とする遊技機。
前記手段3によると、主制御手段から副制御手段へ表示制御指令が送信された後、その表示制御指令にて指示された画像変動時間が経過すると、主制御手段から確定制御指令が送信される。すなわち、第1変動時間を画像変動時間とした場合には、その第1変動時間にわたる画像変動の停止時に確定制御指令が送信される。また、第2変動時間を画像変動時間とした場合には、その第2変動時間にわたる画像変動の停止時に確定制御指令が送信される。前述した特定演出前における列の変動停止又は変動速度低下は、確定制御指令の送信とは関係なく行われることから、本来の変動停止又は変動速度低下ではなく、仮の(仮想的な)変動停止又は変動速度低下といえる。従って、これらの仮想的な変動停止又は変動速度低下が、特定演出や表示制御指令の種類に悪影響を及ぼすおそれはない。
手段4.前記手段1〜3のいずれか1つにおいて、前記抽選手段の抽選結果に応じた変動停止画像を決定する変動停止画像決定手段をさらに備え、前記主制御手段は、前記表示制御指令の送信に際し、前記変動停止画像決定手段による変動停止画像に関する情報を表示制御指令に含めるものであり、前記副制御手段は、前記表示制御指令にて指示された変動停止画像を変動停止時に表示させるものであることを特徴とする遊技機。
前記手段4によると、抽選手段の抽選結果に応じた変動停止画像が変動停止画像決定手段によって決定される。この変動停止画像に関する情報は表示制御指令に含められ、副制御手段に送信される。そして、表示制御指令に応答した副制御手段により、画像の変動表示が開始される。表示制御指令によって指示された画像変動時間が経過すると、指示された変動停止画像にて変動が停止される。
手段5.前記手段1〜4のいずれか1つにおいて、前記遊技状況検出手段による所定遊技状況の検出回数を、所定数を上限として記憶する記憶手段をさらに備え、前記抽選手段は、前記記憶手段による記憶回数に応じて抽選を行い、前記主制御手段は前記抽選手段による抽選毎に前記表示制御指令を送信するものであり、前記第1条件は、前記記憶手段による記憶回数に関するものであり、前記第1変動時間は、前記記憶回数に応じて複数種類設定されていることを特徴とする遊技機。
前記手段5によると、抽選中や、表示制御指令に応じた画像の変動中等に、所定の遊技状況が遊技状況検出手段によって検出されると、その検出に対応する抽選は、そのときに行われている画像変動の停止後に行われる。すなわち、抽選が保留(待機)される。この場合には、前記検出回数が記憶手段により、所定数を上限として記憶される。抽選手段では、記憶手段による記憶回数に応じて抽選が行われ、その度に主制御手段から表示制御指令が送信される。
ところで、画像変動時間決定手段により、第1条件の成立状況に基づき画像変動時間が決定される場合には、第1変動時間の中から、記憶回数に関する第1条件の成立状況に応じたものが選ばれ、画像変動時間とされる。この画像変動時間の決定に際しては、第2条件の成立状況から影響を受けない。
従って、例えば、「記憶手段による記憶回数が上限値又はそれに近い値であること」が第1条件とされ、その条件が成立する場合には、成立しない場合よりも短い第1変動時間が画像変動時間とされれば、次の効果がある。記憶回数が上限値又はそれに近い値になった場合には、そうでない場合に比べて画像変動時間が短くなり、抽選の保留の消化に要する時間が短くなる。換言すると、時間当りの抽選回数が増え、それによって記憶回数が上限値を越えにくくなる。遊技進行の中断の頻度が低くなる。また、変動時間の短縮にもかかわらず記憶回数が上限値に達したり近づいたりしても、早期に保留が消化されることから、1回当りの中断時間が短くてすむ。
手段6.前記手段5において、前記第1条件として、前記記憶手段による記憶回数が上限値又はそれに近い値であることが設定されており、前記第1変動時間は、長さの異なる2種類の変動時間からなり、前記画像変動時間決定手段は、前記抽選手段の抽選結果に応じて前記第1条件を選択した場合、同第1条件の不成立下では長い方の変動時間を画像変動時間とし、成立下では短い方の変動時間を画像変動時間とするものであることを特徴とする遊技機。
前記手段6によると、抽選手段の抽選結果に応じた条件として第1条件が選択された場合には、2種類の第1変動時間の中から、次のように第1条件の成立状況に応じた1つが選択され、画像変動時間とされる。第1条件が成立しない場合、すなわち、記憶手段による記憶回数が上限値又はそれに近い値ではない場合には、長い方の変動時間が画像変動時間とされる。第1条件が成立する場合、すなわち、記憶回数が上限値又はそれに近い値である場合には、短い方の変動時間が画像変動時間とされる。従って、記憶回数が上限値又はそれに近い値になって第1条件が成立する場合には、前記手段5と同様の作用及び効果を奏する。
手段7.前記手段1〜6のいずれか1つにおいて、前記変動速度パターン変更手段は、前記第2変動時間を画像変動時間とした表示制御指令に応じた画像表示に際し、前記第3条件の不成立に基づき、停止順の最初の列における変動を、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列の変動停止タイミングよりも遅いタイミングで停止させるものであることを特徴とする遊技機。
前記手段7によると、画像変動時間が第2変動時間からなり、かつ第3条件が成立しない場合には、停止順の最初の列における変動は、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列の変動停止タイミングよりも遅いタイミングで停止される。従って、特定演出が行われるまでは、その特定演出が行われるかどうかが不明である。
手段8.前記手段1〜7のいずれか1つにおいて、前記変動速度パターン変更手段は、前記第2変動時間を画像変動時間とした表示制御指令に応じた画像表示に際し、前記第3条件の不成立に基づき、停止順の最初の列における変動を、最長の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列の変動停止タイミングと同じ又は遅いタイミングで停止させるものであることを特徴とする遊技機。
前記手段8によると、画像変動時間が第2変動時間からなり、かつ第3条件が成立しない場合には、停止順の最初の列における変動は、最長の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列の変動停止タイミングと同じ、又はそれよりも遅いタイミングで停止される。従って、最長の第1変動時間を画像変動時間とした場合の停止順の少なくとも最初の列が変動を停止するまでは、特定演出が行われるかどうかが不明である。その列が本来変動を停止すべきタイミングで停止しなければ、特定演出が行われることが明らかとなり、停止すれば、特定演出が行われないことが明らかとなる。
手段9.前記手段1〜7のいずれか1つにおいて、前記変動速度パターン変更手段は、前記第2変動時間を画像変動時間とした表示制御指令に応じた画像表示に際し、前記第3条件の不成立に基づき、停止順の最初の列における変動を、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列の変動停止タイミングよりも後で、かつ最長の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列の変動停止タイミングよりも前に停止させるものであることを特徴とする遊技機。
前記手段9によると、画像変動時間が第2変動時間からなり、かつ第3条件が成立しない場合には、停止順の最初の列における変動は、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列の変動停止タイミングを経過した後、最長の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列の変動停止タイミングが到来するよりも前に停止される。従って、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合に最初の列が変動を停止した時点では、特定演出が行われるかどうかが不明であるが、最長の第1変動時間を画像変動時間とした場合に最初の列が変動を停止するよりも前には、特定演出が行われるかどうかが明らかとなる。
手段10.前記手段1〜9のいずれか1つにおいて、前記特定演出は、前記停止順の最初から2番目以降の所定番目まで列が変動を停止したときの変動停止画像の組合せに基づき行われるものであり、前記変動速度パターン変更手段は、少なくとも前記所定番目の列を、変動速度の低下及び復帰の対象とするものであることを特徴とする遊技機。
前記手段10によると、第2変動時間を画像変動時間とした表示制御指令が送信される場合、表示器では、停止順の最初から2番目以降の所定番目まで列が変動を停止したときの変動停止画像の組合せに基づき、特定演出が行われる。例えば、変動停止画像の組合せが予め定めた組合せと合致した場合に特定演出が行われる。特定演出は、第3条件が成立する場合であっても成立しない場合であっても同じタイミングで行われる。そして、特に、第3条件が成立し、特定演出の前に変動速度の復帰が行われる場合には、少なくとも前記所定番目の列が、変動速度低下の対象及び復帰の対象とされる。所定番目の列の変動速度は一旦低下するが、その後復帰し、特定演出の開始前には必ず変動をしていることとなり、特定演出に悪影響を及ぼすことはない。
手段11.前記手段1〜9のいずれか1つにおいて、前記特定演出は、前記停止順の最初から2番目以降の所定番目まで列が変動を停止したときの変動停止画像の組合せに基づき行われるものであり、前記変動速度パターン変更手段は、前記第2変動時間を画像変動時間とした表示制御指令に応じた画像表示に際し、前記第3条件成立の場合には、前記所定番目までの列の変動速度を、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列と略同一タイミングで低下させた後、その低下した列の少なくとも1つの変動速度を、前記特定演出の開始までに復帰させるものであることを特徴とする遊技機。
前記手段11によると、画像変動時間が第2変動時間からなり、かつ第3条件が成立している場合には、停止順の最初の列を含め、所定番目までの列の変動速度が、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列と略同一タイミングで低下する。そして、低下した列の少なくとも1つの変動速度が復帰される。このため、停止順の最初から所定番目までの列の変動停止画像の組合せが所定の組合せでないと、遊技者には、特定演出が行われないかのように感じられる。しかし、その後に変動速度が復帰されれば、特定演出が行われることが明らかとなる。従って、一旦は薄れかけた遊技者の期待感が再び膨らむこととなる。
手段12.前記手段1〜11のいずれか1つにおいて、前記特定演出は、遊技者に有利な特別遊技状態の発生に先立ち行われるリーチ演出からなり、前記第2条件は、リーチ演出時間に関するものであり、前記第2変動時間は、リーチ演出時間の種類に応じて複数種類設定されていることを特徴とする遊技機。
前記手段12によると、第2条件が選択されて、その成立状況に基づき画像変動時間が決定される場合には、リーチ演出時間の種類に応じて設定された第2変動時間の中から、その第2条件の成立状況に応じた1つが選択される。この際、第1条件の成立状況から影響を受けない。
手段13.前記手段12において、前記リーチ演出の種類は複数設定され、リーチ演出時間の種類は前記リーチ演出の種類よりも少なく設定されており、前記副制御手段は、前記第2変動時間を画像変動時間とした表示制御指令に応じた画像表示に際し、リーチ演出時間中に表示するリーチ演出の種類を決定するリーチ種類決定手段を含むことを特徴とする遊技機。
前記手段13によると、第2変動時間を画像変動時間とした表示制御指令に応答して、副制御手段により複数の列で画像が変動される際には、リーチ演出中に表示されるリーチ演出の種類が、リーチ種類決定手段によって決定される。このように、リーチ演出の種類は、主制御手段によっては決定されない。表示制御指令には、リーチ演出中に表示すべきリーチ演出の種類に関する情報は含まれていない。含まれているのは、リーチ演出時間の種類に関する情報である。このリーチ演出時間の種類はリーチ演出の種類よりも少なく設定されているので、リーチ演出の種類が多い場合であっても、リーチ演出時間の種類、ひいては画像変動時間の種類が少なくてすむ。このことは、表示制御指令の種類を少なくするうえで有効である。
手段14.前記手段12又は13において、前記画像変動時間決定手段は、前記抽選手段の抽選結果に基づきリーチ演出の実施の有無を判定するリーチ判定手段と、前記リーチ判定手段によるリーチ演出不実施の判定に応じて前記第1条件を選択し、リーチ演出実施の判定に応じて前記第2条件を選択する条件選択手段とを含むことを特徴とする遊技機。
前記手段14によると、画像変動時間決定手段による画像変動時間の決定に際しては、まず、抽選手段の抽選結果に基づき、リーチ判定手段によってリーチ演出の実施の有無が判定される。その判定結果に基づき、条件選択手段によって、以下のようにいずれか一方の条件が選択される。リーチ演出の不実施と判定された場合には第1条件が選択され、実施と判定された場合には第2条件が選択される。従って、リーチ演出の実施と判定された場合には、第1条件がどのような成立状況であっても、第2条件の成立状況に基づき画像変動時間が決定される。第2変動時間の中から、リーチ演出時間に関する第2条件の成立状況に応じたものが選ばれ、画像変動時間とされる。
手段15.前記手段1〜14のいずれか1つにおいて、前記変動速度パターン変更手段は、前記第2変動時間を画像変動時間とした表示制御指令に応じた画像表示に際し、前記第3条件成立の場合には、前記変動速度の復帰に先立ち、停止順の最後から1つ前までの列を、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列と略同一タイミングで停止させ、停止順の最後の列における変動速度を、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の最後の列と略同一タイミングで低下させるものであることを特徴とする遊技機。
前記手段15によると、画像変動時間が第2変動時間からなり、かつ第3条件が成立している場合、表示器では停止順の最初の列を含め、最後よりも1つ前までの列が、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列と略同一タイミングで停止される。その後、停止順の最後の列における変動速度が、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の最後の列と略同一タイミングで低下される。
このため、各列が停止順に変動を停止してゆく様子を見ている遊技者にすれば、停止の列の数が少ないうちは、各列の変動停止が最短の第1変動時間を画像変動時間としたことによるものなのか、第2変動時間を画像変動時間としたことによるものなのか、すなわち、特定演出が行われるかどうかが不明である。しかし、停止の列の数が増えてゆくに従い、各列の変動停止が、どちらかといえば、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の変動停止であり、特定演出が行われないように感じられる。そして、最後の列の変動が完全に停止しない場合にはその時点で、また、停止する場合には、低下した列の少なくとも1つの変動速度が復帰される時点で、画像の変動が、最短の第1変動時間ではなく第2変動時間を画像変動時間としたことによるものであり、特定演出が行われるであろうことが明らかとなる。従って、特定演出が行われることに対する期待感を遊技者に遅くまで抱かせ続けることができるだけでなく、一旦は薄れかけた期待感を膨らますことができる。
手段16.前記手段1〜15のいずれか1つにおいて、前記変動速度パターン変更手段は、前記第2変動時間を画像変動時間とした表示制御指令に応じた画像表示に際し、前記第3条件成立の場合には、停止順の最後から1つ前までの列を、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の対応する列と略同一タイミングで停止させ、停止順の最後の列における変動速度を、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の最後の列と略同一タイミングで低下させ、その後、全ての列の変動速度を復帰させるものであることを特徴とする遊技機。
前記手段16によると、前記手段15と同様にして、停止順の最初の列から順に変動が停止されてゆき、最後の列の変動速度が低下する。そして、その低下後に、全ての変動が復帰される。従って、遊技者は、その回の抽選に対応した画像変動が停止した後、次の回の抽選に対応した画像変動が始まったかのような印象を受ける。
手段17.前記手段1〜14のいずれか1つにおいて、前記変動速度パターン変更手段は、前記第2変動時間を画像変動時間とした表示制御指令に応じた画像表示に際し、第3条件の成立に基づき、停止順の最初の列における変動速度のみを、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の最初の列の変動停止タイミングと略同一タイミングで低下させた後、復帰させるものであることを特徴とする遊技機。
前記手段17によると、画像変動時間が第2変動時間からなり、かつ第3条件が成立している場合には、停止順の最初の列における変動速度が、最短の第1変動時間を画像変動時間とした場合の最初の列と略同一タイミングで低下される。その後、最初の列の変動速度が復帰される。このため、最初の列の変動が完全に停止しない場合には、変動速度が十分低下した時点(停止直前の変動速度となった時点)で、また、停止する場合には、変動速度が復帰される時点で、画像変動が、最短の第1変動時間ではなく第2変動時間を画像変動時間としたことによるものであり、特定演出が行われるであろうことが明らかとなる。
手段18.前記手段1〜17のいずれか1つにおいて、前記変動速度パターン変更手段は、一旦変動速度が低下された列を、その低下の直後にもとの変動速度に復帰させるものであることを特徴とする遊技機。
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を、図1〜13に従って説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機には、遊技領域1を有する遊技盤2が組込まれている。遊技領域1には始動口3、特別図柄表示器(以下単に「表示器」という)4及び大入賞口5がそれぞれ設けられている。始動口3は遊技球6の通路(図示略)と、その通路の入口を狭めたり拡げたりするための羽根3aとを備えている。
表示器4は液晶ディスプレイ(LCD)からなり、始動口3の上方に位置している。表示器4としては、LCDに代えて、CRT、ドットマトリックス、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管等が用いられてもよい。表示器4には多種類の画像が表示されるが、その一部として複数の図柄列がある。
複数の図柄列としては、例えば、互いに左右方向に配列された左図柄列7、中図柄列8及び右図柄列9が挙げられるが、それ以外の数の図柄列が表示されてもよい。また、複数の図柄列は、左右方向以外の方向、例えば上下方向に配列されたものであってもよい。各図柄列7〜9は複数種類の図柄10からなる。これらの図柄10としては、数字、キャラクタのほか、それらを組合せたもの等がある。キャラクタは人物、動物、文字、図形、記号等からなる。各図柄列7〜9において同時に表示される図柄10の数は、1つであっても複数であってもよい。1つの図柄列につき1つの図柄10が有効表示される場合は、大当りラインの数が1つであり、通常、1ラインと呼ばれている。
表示器4では、各図柄列7〜9での図柄10の変動が、遊技球6の始動口3への入賞に基づき一斉に開始される。なお、以降の記載においては、図柄10の変動を、単に「図柄変動」又は「変動」という。変動は、所定の停止順、例えば左図柄列7、右図柄列9、中図柄列8の順に停止される。全図柄列7〜9の変動が停止したとき、表示されている図柄(変動停止画像、以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた大当りの組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の停止図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同停止図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態の到来、すなわち、より多くの賞球を獲得することが可能となる。なお、上記のように、表示器4における図柄10の変動停止態様を必須要件として「大当り遊技状態の発生」の有無を決定することを、「抽選」ともいう。
さらに、パチンコ遊技機は、大当り遊技状態に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいう。その一態様として、停止順の最初から2番目以降の所定番目まで図柄列が変動を停止したときの停止図柄の組合せに基づき行われる状態がある。例えば、左図柄列7を停止順の最初の図柄列とするとともに、右図柄列9を所定番目の図柄列とした場合において、右図柄列9の変動が、大当りライン上において左図柄列7での停止図柄と同一種類の図柄10で停止し、かつ、その後に中図柄列8の変動が左・右図柄列7,9での停止図柄と同一種類の図柄10で停止すれば最終的に大当りの組合せとなる状態が、リーチ遊技状態に含まれる。また、変動が停止されると、大当りの組合せとなる態様で一体的に変動し、その図柄10で停止すれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。
リーチ遊技状態では、特定演出としてのリーチ演出が表示器4で表示される。このリーチ演出は、複数種類のリーチ演出群の中の1つである。リーチ演出に際しては、前述した各図柄列7〜9の変動に加え、予め定められたリーチパターンに従ってキャラクタがリーチ動作(リーチアクションともいう)を行う様子が表示される。これらのリーチ演出では、その種類毎に表示内容が異なる。例えば、キャラクタとして人物を表す図柄が複数種類設定され、リーチパターンとして、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」及び「スペシャルリーチ」が設定されている場合、キャラクタとリーチパターンとの組合せ毎に表示内容が異なる。なお、3種類のリーチパターンにおける大当り遊技状態発生に対する期待値は、相互に異なっている。
上述した複数のリーチ演出は、表示時間(変動時間、リーチ演出時間ともいう)に関して、数種類のリーチ演出グループに分けられている。例えば、相互に表示内容の異なるα,β,γ,δの4種類のリーチ演出がある場合、これらは、リーチ演出時間が20秒間のリーチ演出グループXと、40秒間のリーチ演出グループYとに分けられている。前者のグループXにはα,βのリーチ演出が属し、後者のグループYにはγ,δのリーチ演出が属している。
遊技球6の始動口3への入賞に基づき、全図柄列7〜9の変動が開始されて抽選が行われることについては既に説明したが、この抽選中や大当り遊技状態の発生中に、さらに遊技球6が始動口3に入賞した場合には、その分の抽選は、そのときに行われている変動の終了後に、より正確には、大当り遊技状態が発生すればその終了後に、大当り遊技状態が発生しなければ変動の停止後に、行われる。このことを、「抽選が保留(待機)される」という。この保留の上限値は機種毎に決められており、本実施形態では「4」である。表示器4の上方には、LED、電球等からなる保留ランプ11が組込まれている。保留ランプ11の数は、前述した上限値と同じ(この場合4個)である。保留ランプ11は、抽選が保留される毎に点灯し、その保留に対応した抽選が行われる毎に消灯する。
大入賞口5は始動口3の下方に位置しており、入賞領域12、シャッタ13及び大入賞口用ソレノイド(以下単に「ソレノイド」という)14を備えている。入賞領域12の中央部にはVゾーン15が開口し、左右両側には通路16が開口している。ソレノイド14はシャッタ13に駆動連結されており、励磁によりシャッタ13を倒して入賞領域12を開放し、消磁によりシャッタ13を起立させて入賞領域12を閉鎖する。遊技球6がVゾーン15を通過することは、入賞領域12を再度開放するための条件である。従って、入賞領域12の開放中に入賞した遊技球6がVゾーン15を通過すれば、入賞領域12は閉鎖された後、再度開放される。入賞領域12が繰返し開放されることになる。ただし、この繰返し回数には制限が設けられており、予め定められた回数(例えば16回)だけ繰返された後には、原則として入賞領域12が開放されず、大当り遊技状態が終了する。
そのほかにも、図2に示すようにパチンコ遊技機には、遊技効果を高めることを目的として、スピーカ17及びランプ18が組込まれている。スピーカ17は、遊技の進行状況に合わせて効果音を発したり、その効果音の種類を変えたりする。ランプ18は、遊技の進行状況に合わせて光照射の態様を変える。この態様としては、個々のランプ18の点灯状態、消灯状態、点滅状態等が代表的である。各状態において、光の色、明るさ等を変えたものや、点滅状態において点灯時間及び消灯時間の比を変えたものも光照射の態様に含まれる。ランプ18としては、前述した保留ランプ11と同様に、LED、電球等が用いられる。また、ランプ18としては、単一色で発光するタイプのほかにも、発光色を切替えることのできる特別なタイプ(例えば、複数色発光タイプのLED)を用いることができる。
図1に示すように、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況を検出するセンサとして、遊技盤2には始動口用スイッチ21、Vゾーン用スイッチ22及びカウントスイッチ23がそれぞれ取付けられている。始動口用スイッチ21は遊技状況検出手段に相当するものであり、遊技球6の始動口3への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ22は遊技球6のVゾーン通過を検出し、カウントスイッチ23は遊技球6の入賞領域12への入賞(Vゾーン通過及び通路通過)を検出する。
図2に示すように、パチンコ遊技機には、前述した各スイッチ21〜23の検出結果に基づき表示器4、保留ランプ11、ソレノイド14、スピーカ17及びランプ18をそれぞれ駆動制御するために、主制御装置24、副制御装置25、スピーカ基板26及びランプ基板27が設けられている。主制御装置24の主要部をなす主制御部28は、所定の制御プログラムや初期データを予め記憶した読出し専用メモリ(ROM)、ROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する中央処理装置(CPU)、CPUによる演算結果を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。主制御部28には、各スイッチ21〜23、保留ランプ11及びソレノイド14がそれぞれ接続されている。主制御部28には、出力ポート29を介してインタフェース(I/F)31が接続されている。インタフェース31には、スピーカ基板26を介してスピーカ17が接続されるとともに、ランプ基板27を介してランプ18が接続されている。
主制御部28は、各スイッチ21〜23による検出信号に基づき、保留ランプ11及びソレノイド14を駆動制御するほかに、2つの制御指令を、出力ポート29及びインタフェース31を介して副制御装置25に送信する。2つの制御指令は、表示制御指令としての表示コマンドと、確定制御指令としての確定コマンドとからなる。表示コマンドは、表示パターン情報を含むもの(1つ)と、図柄列毎の図柄情報を含むもの(3つ)とからなる。
表示パターン情報は、1バイトで表現されるキーワード情報と、同じく1バイトで表現される内容情報との組合せからなる。キーワード情報は、内容情報がこれから送信される旨を示すものである。内容情報には、複数種類のパターンコードが含まれている。パターンコードは、画像変動時間としての図柄変動時間と、リーチ演出に代表される、図柄10の変動パターンとの組合せ毎に設定されている。図柄変動時間とは、全図柄列7〜9が変動を一斉に開始してから、左図柄列7、右図柄列9の順に変動を停止し、最終的に中図柄列8が変動を停止するまでにかかる時間である。
ここでは、図3に示すように、パターンコードとして、「01」,「02」,「03」,「04」の4種類が設定されている。パターンコード「01」は、第1変動時間ΔT1とテーブルAとの組合せに対応し、パターンコード「02」は、第1変動時間ΔT2(>ΔT1)とテーブルBとの組合せに対応している。パターンコード「03」は、第2変動時間ΔT3とテーブルCとの組合せに対応し、パターンコード「04」は、第2変動時間ΔT4(>ΔT3)とテーブルDとの組合せに対応している。本実施形態では、第1変動時間ΔT1,ΔT2が「7秒」、「13秒」に設定され、第2変動時間ΔT3,ΔT4が「29秒」、「49秒」に設定されている。そして、前述したキーワード情報及び内容情報の組合せ(2バイト)からなる表示パターン情報が、1番目の表示コマンドとして送信される。
テーブルA〜Dは、後述する副制御装置25のプログラムROM32に記憶されているものであり、変動パターンを決定する際に参照される。図4に示すように、テーブルA,Bを参照して決定される変動パターンは、リーチ演出による変動を含まない変動パターン(第1通常変動パターン、第2通常変動パターン)である。第1通常変動パターンに従うと、図11において実線で示すように、全図柄列7〜9の変動開始から所定の時間t1が経過したときに、左図柄列7の変動が停止し、それから所定秒(例えば1秒)後に右図柄列9の変動が停止し、それから所定秒(例えば1秒)後に中図柄列8の変動が停止する。第2通常変動パターンに従うと、図11において二点鎖線で示すように、全図柄列7〜9の変動開始から所定の時間t2(>t1)が経過したときに左図柄列7の変動が停止し、それから所定秒(例えば1秒)後に右図柄列9の変動が停止し、それから所定秒(例えば1秒)後に、中図柄列8の変動が停止する。なお、本実施形態では、時間t1,t2はそれぞれ「5秒」、「11秒」に設定されている。
図4に示すように、テーブルCを参照して決定される変動パターンは、前記リーチ演出グループXに属するリーチ演出を含むパターンであり、具体的には、αリーチ演出による変動を含むαリーチ変動パターンと、βリーチ演出による変動を含むβリーチ変動パターンとからなる。これらのリーチ変動パターンに従うと、図12,13に示すように、全図柄列の変動開始から時間t3+1が経過したときに右図柄列9の変動が停止し、それからリーチ演出による変動が20秒間行われて、中図柄列8の変動が停止する。
α,βのいずれのリーチ変動パターンも、第1及び第2の2種類のパターンを有している。第1パターンに従うと、図12に示すように、全図柄列7〜9の変動開始から所定の時間t3が経過したときに左図柄列7の変動が停止し、それから所定秒(例えば1秒)後に右図柄列9の変動が停止し、それからリーチ演出による変動が20秒間行われた後、中図柄列8の変動が停止する。
ここで、全図柄列7〜9の変動開始から、停止順の最初の列(左図柄列7)の変動が停止するまでの時間は、最短の第1変動時間ΔT1を図柄変動時間とした場合、すなわち、第1通常変動パターンに従って図柄10が変動された場合よりも長く設定されている。これは以下の理由による。短く設定されていると、左図柄列7が変動を停止したときに、リーチ演出が行われるか否かが遊技者にわかってしまう。これに対し、同じに設定されていると、短く設定された場合のような不具合はない。しかし、その同じに設定されたタイミングになっても左図柄列7が変動を停止しなければ、リーチ演出が行われず外れであることが遊技者にわかるばかりか、そのわかった時点から、第2通常変動パターンに従って左図柄列7が変動を停止するまでの期間(5〜6秒間)が無駄になってしまう。本実施形態では、前述したように、時間t1が5秒であることから、時間t3が8秒に設定されている。もちろん、時間t3は5秒よりも長ければ、8秒以外の秒数であってもよい。
第2パターンに従うと、図13に示すように、停止順の少なくとも最初の列(左図柄列7)の変動速度が、最短の第1変動時間ΔT1を図柄変動時間とした場合の対応する列(左図柄列7)の変動停止タイミングと同一タイミングで低下した後、その低下した図柄列の少なくとも1つの変動速度が、前記第1パターンに従った場合のリーチ演出の開始までに復帰する。変動速度の低下及び復帰の対象となるのは、少なくともリーチ演出の有無を決定する図柄列(右図柄列9)であり、ここでは中・右図柄列8,9である。
第2パターンに従うと、全図柄列7〜9の変動開始から所定の時間t1が経過したときに左図柄列7の変動が停止し、それから所定秒(例えば1秒)後に右図柄列9の変動が停止し、それから所定秒(例えば1秒)後に中図柄列8の変動が停止し、その停止直後から右・中図柄列9,8の変動が同時に開始(再変動)される。時間t1+4(=t3+1)が経過したときに右図柄列9の変動が停止し、それからリーチ演出による変動が20秒間行われた後、中図柄列8の変動が停止する。従って、第2パターンでは、全図柄列7〜9が1回目に変動を停止するタイミングは、第1通常変動パターンに従って全図柄列7〜9が変動を停止するタイミングと同じになる。
なお、テーブルCを参照して決定されるのは、αリーチ変動パターン及びβリーチ変動パターンの段階までであり、第1パターン及び第2パターンのいずれかまでは決定されない。これらを決定するのは、後述する副制御装置25である。
図4に示すように、テーブルDを参照して決定される変動パターンは、前記リーチ演出グループYに属するリーチ演出による変動を含むパターンであり、具体的には、γリーチ演出による変動を含むγリーチ変動パターンと、δリーチ演出による変動を含むδリーチ変動パターンとからなる。これらのγ,δリーチ変動パターンは、全図柄列7〜9の変動開始から時間t3+1が経過したときに右図柄列9の変動が停止する点や、第1及び第2の2種類のパターンを有している点等、ほとんどの部分に関し、前述したα,βリーチ変動パターンと共通する。右図柄列9の変動停止からリーチ演出による変動が40秒間行われた後、中図柄列8の変動が停止する点においてのみα,βのリーチ変動パターンと相違する。
図柄情報は停止図柄に関する情報からなり、前述した表示パターン情報と同様に、1バイトで表現されるキーワード情報と、同じく1バイトで表現される内容情報との組合せからなる。左→右→中の順に図柄列7〜9が変動を停止する場合には、前記1番目の表示コマンドの送信に引続き、左図柄列7に関するキーワード情報及び内容情報の組合せからなる図柄情報が、2番目の表示コマンドとして送信される。続いて、右図柄列9に関するキーワード情報及び内容情報の組合せからなる図柄情報が、3番目の表示コマンドとして送信される。そして、中図柄列8に関するキーワード情報及び内容情報の組合せからなる図柄情報が、4番目の表示コマンドとして送信される。各キーワード情報は、図柄列毎の内容情報がこれから送信される旨を示すものである。各内容情報には、各図柄列7〜9での停止図柄に対応したパターンコードが含まれている。このように、図柄列毎の図柄情報(2バイト)を含む、合計3つの表示コマンドが連続して送信される。
確定コマンドは、前述した表示コマンドの送信後、そのコマンドに含まれている時間情報としての図柄変動時間が経過したときに主制御部28から送信される制御指令である。
なお、詳しい説明を省略するが、主制御部28は、表示コマンド及び確定コマンドに対応するコマンドをスピーカ基板26及びランプ基板27にそれぞれ送信する。このコマンドに応じ、スピーカ基板26は、表示器4での図柄10の変動開始や停止のタイミングに同期して、スピーカ17から効果音を発生させるための指令信号を出力する。ここで、同一変動時間のリーチ演出が行われる場合には、同一の指令信号となる。前記コマンドには、図柄変動時間に関する情報が含まれているものの、リーチ演出の種類に関する情報が含まれていないからである。従って、例えば、20秒のリーチ演出グループXにはαリーチ演出とβリーチ演出とが属するが、いずれも同じ(共通の)効果音が発生されることとなる。40秒のリーチ演出グループYに関しても同様である。同様に、ランプ基板27は、ランプ18に複数種類の態様の光を発生させるための指令信号を出力する。
図2に示すように副制御装置25は、プログラムROM32、CPU33、RAM40、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)34、画像ROM35、ビデオRAM36、表示器駆動回路(ドライバ)37、入出力ポート38及びインタフェース(I/F)39を備えている。CPU33は、入出力ポート38及びインタフェース39を介して主制御装置24のインタフェース31に接続されている。プログラムROM32には、CPU33が表示器4を制御するのに必要な制御プログラムが記憶されている。CPU33は、主制御装置24からの表示コマンド及び確定コマンドを受信すると、プログラムROM32の制御プログラムに従って各種演算処理を実行する。そして、これらの演算結果に従い、表示器4を制御するための制御信号をVDP34に送出する。RAM40はCPU33による演算結果を一時的に記憶する。
画像ROM35には、表示器4に表示する各種画像のうち、使用頻度の高い画像に関するデータが予め記憶されている。VDP34は、CPU33からの制御信号に従って画像ROM35からデータを読出し、そのデータを用いて表示器4に表示するための画像データを生成する。ビデオRAM36は、VDP34が生成した画像データを一時的に記憶する。VDP34は、ビデオRAM36に記憶された画像データをドライバ37に出力する。ドライバ37は、画像データに基づいて、表示器4に各種の画像を表示させる。
なお、主・副両制御装置24,25間では、信号の流れる方向が一方向に制限されており、前述したように主制御装置24から副制御装置25へは表示コマンド及び確定コマンドが送信されるが、その逆(副制御装置25→主制御装置24)には信号が送信されない。
次に、前記のように構成された本実施形態の作用及び効果について説明する。図5〜8は、主制御装置24によって実行される各処理のフローチャートである。図5は、遊技球6が始動口3に入賞する毎に各種カウンタの値をメモリに格納するためのルーチンを示している。図6,7は、格納処理ルーチンでの演算結果に基づき、表示コマンド及び確定コマンドを副制御装置25に送信するとともに、特別電動役物の作動を制御するためのルーチンを示している。図8は、特別電動役物制御ルーチンにおいて実行されるサブルーチンを示している。また、図9は、副制御装置25によって実行される各処理のフローチャートであり、主制御装置24からの表示コマンドに基づき表示器4の作動を制御するためのルーチンを示している。図10は、画像表示処理ルーチンにおいて実行されるサブルーチンを示している。
前述した各種ルーチンの処理は、カウンタ群及び通過判定フラグFtに基づいて実行される。カウンタ群には、保留カウンタCh、ラウンドカウンタCr、入賞カウンタCe、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタ、左・中・右の各図柄カウンタ、キャラクタ種別カウンタ、リーチグループカウンタ、変動パターンカウンタC及びリーチ変動カウンタが含まれている。
保留カウンタChは抽選の保留数をカウントするためのものであり、「0」,「1」,「2」,「3」,「4」の値を順に採る。Ch=0は、保留されていない状態又は抽選中を意味する。ラウンドカウンタCrはラウンド数をカウントするためのものであり、入賞カウンタCeはカウントスイッチ23の検出結果に基づき、入賞領域12への遊技球6の入賞個数をカウントするためのものである。内部乱数カウンタは大当り遊技状態の発生を決定するためのものであり、外れリーチ乱数カウンタは外れリーチ等を決定するためのものである。ここで、外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態を経た後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。
左・中・右の各図柄カウンタは、各図柄列7〜9での停止図柄等を決定するためのものであり、キャラクタ種別カウンタはキャラクタの種類を決定するためのものであり、リーチグループカウンタは、リーチ演出が20秒のリーチ演出グループXに属するか、又は40秒のリーチ演出グループYに属するかを決定するためのものである。変動パターンカウンタCは、各図柄列7〜9の変動パターンを決定するためのものである。リーチ変動カウンタは、変動パターンとして、α,β,γ,δのリーチ変動パターンのいずれかが、コマンドに関係なく副制御装置25で選択される場合において、そのリーチ変動パターンが第1パターンであるか第2パターンであるかを決定するためのものである。
テーブル群は、前述したA,B,C,Dの4つのテーブルを含んでいる。各テーブルA〜Dは、変動パターンカウンタCの採り得る値と同数のメモリ空間を有している。例えば、変動パターンカウンタCが、所定時間毎に値を「0」〜「CC」の範囲で更新し、特定の値「CC」になると初期値「0」に戻るものである場合、メモリ空間の数は「CC+1」個である。
テーブルCの各々のメモリ空間には、αリーチ演出決定用データ又はβリーチ演出決定用データが記憶されている。例えば、「0」〜「CC」のメモリ空間のうち、「0」〜「C1−1」にαリーチ演出決定用データが記憶され、「C1」〜「CC」にβリーチ演出決定用データが記憶されている。同様に、テーブルDの各々のメモリ空間には、γリーチ演出決定用データ又はδリーチ演出決定用データが記憶されている。例えば、「0」〜「CC」のメモリ空間のうちの「0」〜「C2−1」にγリーチ演出決定用データが記憶され、「C2」〜「CC」にδリーチ演出決定用データが記憶されている。
通過判定フラグFtは、遊技球6のVゾーン通過の有無を判定するために用いられるものであり、Vゾーン用スイッチ22によって通過が検出されない場合に「0」に設定され、通過が検出されると「1」に設定される。なお、カウンタCr,Ce及び通過判定フラグFtの各初期値(パチンコ遊技機への電源投入時の値)はいずれも「0」である。
図5の格納処理ルーチンでは、主制御装置24はまずステップS10において、始動口用スイッチ21の検出結果に基づき、遊技球6が始動口3に入賞したか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと、格納処理ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS20において、保留カウンタChの値が上限値(この場合「4」)より小さいか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(Ch≧4)と、格納処理ルーチンを終了し、満たされている(Ch<4)と、ステップS30において保留カウンタChに「1」を加算する。このように、遊技球6が始動口3に入賞する毎に、保留カウンタChの値が上限値を限度として「1」ずつ加算されてゆく。上限値以上の入賞があっても、保留は記憶されない。
続いて、ステップS40において、複数(ここでは4つ)の保留ランプ11のうち、保留カウンタChの値に対応するものを点灯させる。ステップS50において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列7〜9毎に外れ図柄を取得した後、格納処理ルーチンを終了する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理をいう。また、外れ図柄とは、リーチ遊技状態を経ず、かつ大当り遊技状態ともならない外れ状態を発生させるための図柄である。
図6の特別電動役物制御ルーチンでは、主制御装置24はまずステップP10において、前記格納処理ルーチンでの保留カウンタChの値が「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(Ch=0)と、すなわち抽選が保留されていないと、特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされている(Ch=1,2,3,4)とステップP20において、保留ランプ11のうち前記保留カウンタChの値に対応するものを消灯させ、ステップP30において保留カウンタChから「1」を減算する。
次に、ステップP40において表示コマンド決定処理を実行する。詳しくは、図8のステップP41において、前記ステップS50での内部乱数カウンタの値が、予め定められた大当り値と同一であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP42において、大当り値に対応する図柄(以下「大当り図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶し、ステップP45へ移行する。一方、ステップP41の判定条件が満たされていないと、ステップP43において、前記ステップS50での外れリーチ乱数カウンタの値が、予め定められた外れリーチ値と同一であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP44において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)10を停止図柄としてメモリに記憶し、ステップP45へ移行する。
ステップP42又はP44から移行したステップP45では、リーチグループカウンタの値を取得する。次に、ステップP46において、前記リーチグループカウンタの値が、20秒のリーチ演出グループXに対応する値と同じであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP47において、前述した「03」をパターンコードとして設定し、満たされていないと、ステップP48において「04」をパターンコードとして設定する。なお、ステップP46の判定処理に用いられる、「20秒のリーチ演出グループXに属すること」が「第2条件」に相当する。
一方、前記ステップP43の判定条件が満たされていないと、ステップP49において、前記ステップS50での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。次に、ステップP50において、前記格納処理ルーチンでの保留カウンタChの値が「0」〜「2」のいずれかであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP51において「02」をパターンコードとして設定し、満たされていないと、ステップP52において「01」をパターンコードとして設定する。なお、前記ステップP50の判定処理に用いられる、「保留カウンタChの値が1〜2のいずれかであること」が第1条件に相当する。そして、前記ステップP47,P48,P51,P52の処理を行った後、表示コマンド決定処理ルーチンを終了し、図6のステップP60へ移行する。
ステップP60では、前述した1〜4番目の表示コマンドを副制御装置25へ続けて送信する。詳しくは、キーワード情報及び内容情報の組合せからなる表示パターン情報を1番目の表示コマンドとして送信する。内容情報には、「01」〜「04」の4種類のパターンコードのうちの1つが含まれている。続いて、左図柄列7に関する図柄情報を2番目の表示コマンドとして送信する。次に、右図柄列9に関する図柄情報を3番目の表示コマンドとして送信し、続いて、中図柄列8に関する図柄情報を4番目の表示コマンドとして送信する。各図柄情報がキーワード情報及び内容情報の組合せからなることについては、前述した通りである。
次に、ステップP70において、前記表示コマンドの送信後、そのコマンドが示唆する図柄変動時間が経過したか否か、すなわち、停止図柄に対応する図柄変動停止予定時期が到来したか否か、を判定する。ここで、図柄変動時間はパターンコード毎に異なり、前述したように、パターンコード「01」ではΔT1(=7秒)であり、パターンコード「02」ではΔT2(=13秒)である。パターンコード「03」ではΔT3(=29秒)であり、パターンコード「04」ではΔT4(=49秒)である。この判定条件が満たされていないと、ステップP70の処理を繰返し、満たされているとステップP80へ移行し、今回の制御終期における全図柄列7〜9の変動が終了したことを意味する確定コマンドを副制御装置25へ送信する。
次に、ステップP90において、前記ステップS50での内部乱数カウンタの値が、予め定められた大当り値と同一であるか否かを判定する。なお、この処理に代えて、図柄列7〜9毎の停止図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定してもよい。前記判定条件が満たされていない(抽選結果が外れ)と、特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップP100においてラウンドカウンタCrをリセットする。ステップP110において入賞カウンタCeをリセットするとともに、通過判定フラグFtを「0」に設定する。続いて、図7のステップP120においてソレノイド14を励磁する。すると、シャッタ13が倒れて大入賞口5の入賞領域12が開放される。この開放により、遊技球6がVゾーン15又は通路16へ入ることが可能となる。ステップP130でラウンドカウンタCrに「1」を加算する。
次に、ステップP140において、入賞カウンタCeの値が所定値Cemax以下であるか否かを判定し、満たされていると、ステップP150において大入賞口5の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、前述したステップP140へ戻る。その結果、入賞領域12の開放開始後にCemax個よりも多くの遊技球6が入賞するか、又は閉鎖予定時期が到来するという条件が満たされない限りは、入賞領域12が開放され続ける。これに対し、ステップP140,P150の条件のいずれか一方が満たされなくなると、ステップP160においてソレノイド14を消磁する。すると、シャッタ13が起こされて入賞領域12が閉鎖され、入賞領域12への遊技球6の入賞が不可能となる。ステップP170において、ラウンドカウンタCrの値が所定値Crmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP180において通過判定フラグFtが「1」であるか否かを判定し、満たされている(Ft=1)と、図6のステップP110へ戻る。
従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球6がVゾーン15に最大でCrmax回入るまで、入賞領域12が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Cemaxが「10」に設定され、入賞領域12の開放時間が「約29.5秒」に設定され、所定値Crmaxが「16」に設定されている場合には、入賞領域12の開放開始後、(1)遊技球6が入賞領域12へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で入賞領域12が閉鎖される。この入賞領域12の開閉のサイクルが、遊技球6のVゾーン通過を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップP170,P180の判定条件のいずれか一方が満たされなくなると、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
次に、副制御装置25によって行われる図9の画像表示処理ルーチンについて図11〜13のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、図11〜13において、3つで1組をなす枠は左・中・右の図柄列を意味し、その中の数字は停止図柄を示し、空白部分は図柄が変動していることを示している。
副制御装置25は、まずステップD10において、表示コマンドを受信したか否かを判定し、受信していないと画像表示処理ルーチンを終了し、受信していると、ステップD20において全図柄列7〜9の高速変動を開始する。この表示により、遊技者には左・中・右の3つのリールが縦方向にあたかも高速回転しているように見える。ステップD30において、1番目の表示コマンド中のパターンコードが「03」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップD40において、テーブルCを参照し、変動パターンカウンタCの値が、0≦C<C1の範囲にあるか否かを判定する。
この判定条件が満たされていると、ステップD50でαリーチ変動処理を行う。詳しくは、図10に示すように、ステップD51において、リーチ変動カウンタの値が、予め定められた再変動リーチ値と同一であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと、前述した第1パターン(図12実線参照)に従い以下の処理を行う。
ステップD57において、全図柄列7〜9の変動開始から時間t3(=8秒)が経過したとき、左図柄列7の変動を停止する。停止時に表示される図柄10は、2番目の表示コマンド中に内容情報として含まれている停止図柄と同一であり、例えば「7」である。ステップD58において、図柄変動開始からt3+1(=9秒)が経過したときに、右図柄列9の変動を停止する。停止時に表示される図柄10は、3番目の表示コマンド中に内容情報として含まれている停止図柄と同一であり、この場合、左図柄列7の停止図柄(「7」)と同一である。ステップD59において、20秒間にわたりαリーチ演出による変動を行った後に、すなわち時間t3+21(=29秒)が経過したときに、図9のステップD140へ移行する。なお、ステップD51の判定処理に用いられる、「リーチ変動カウンタの値が再変動リーチ値と同一であること」が「第3条件」に相当する。
一方、ステップD51の判定条件が満たされていると、前述した第2パターン(図13実線参照)に従い、以下の処理を行う。ステップD52において、全図柄列7〜9の変動開始から所定の時間t1(=5秒)が経過したときに左図柄列7の変動を、所定の図柄(例えば「7」)で停止する。ステップD53において、時間t1+1(=6秒)後に右図柄列9の変動を、所定の図柄(例えば「3」)で停止する。ステップD54において、時間t1+2(=7秒)後に中図柄列8の変動を、所定の図柄(例えば「2」)で停止する。ここで、各図柄列7〜9の変動が停止するタイミング(時間t1,t1+1,t1+2)は、第1通常変動パターンに従って各図柄列7〜9が変動を停止するタイミング(図11参照)と同じである。
ステップD55において、前記中図柄列8の停止直後から中・右図柄列8,9の変動を同時に開始(再変動)する。左図柄列7は停止したままである。ステップD56において、時間t1+4(=9秒)が経過したときに右図柄列9の変動を、前記左図柄列7の停止図柄と同じ図柄(「7」)で停止する。この停止のタイミングは、前記ステップD58の処理により右図柄列9の変動が停止するタイミング(t3+1)と同じである。次に、ステップD59において、20秒間にわたりαリーチ演出による変動を行った後に、すなわち、時間t1+24(=29秒)が経過したときに、図9のステップD140へ移行する。
前記ステップD40の判定条件が満たされていない(C1≦C≦CC)と、ステップD60でβリーチ変動処理を行う。この処理の内容は、前述したステップD50でのαリーチ変動処理とほぼ同様であるので、詳しい説明を省略する。αリーチ変動処理との相違は、ステップD59において、αリーチ演出とは内容の異なるβリーチ演出を行う点である。
また、前記ステップD30の判定条件が満たされていないと、ステップD70において、パターンコードが「04」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップD80において、テーブルDを参照し、変動パターンカウンタCの値が、0≦C<C2の範囲にあるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップD90でγリーチ変動処理を行う。この変動処理の内容としては、前述したαリーチ変動処理と同様に第1パターンに従う場合(図12二点鎖線参照)と、第2パターンに従う場合(図13二点鎖線参照)とがある。
前者の場合、全図柄列7〜9の変動開始から時間t3+1(=9秒)が経過するまでは、前述したαリーチ変動処理において第1パターンに従った場合(図12実線参照)と同様である。相違点は、右図柄列9の変動停止からγリーチ演出が40秒間にわたって行われた後に、すなわち時間t3+41(=49秒)が経過したときに、図9のステップD140へ移行する点である。
後者の場合、全図柄列7〜9の変動開始から時間t1+4(=9秒)が経過するまでは、前述したαリーチ変動処理において第2パターンに従った場合(図13実線参照)と同様である。相違点は、右図柄列9の変動停止からγリーチ演出による変動が40秒間にわたって行われた後に、すなわち、時間t1+44(=49秒)が経過したときに、図9のステップD140へ移行する点である。
前記ステップD80の判定条件が満たされていない(C2≦C≦CC)と、ステップD100でδリーチ変動処理を行う。この処理の内容は、前述したステップD90でのγリーチ変動処理とほぼ同様であるので、詳しい説明を省略する。γリーチ変動処理との相違は、γリーチ演出とは内容の異なるδリーチ演出を行う点である。
一方、前記ステップD70の判定条件が満たされていないと、ステップD110において、パターンコードが「01」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップD120で第1通常変動処理を行う。詳しくは、テーブルAを参照し、変動パターンカウンタCの値に基づき変動パターンを設定する。ここでは、変動パターンカウンタCの値がどのような値であったとしても、第1通常変動パターン(図11実線参照)を変動パターンとする。
全図柄列7〜9の変動開始から時間t1(=5秒)が経過したとき、左図柄列7の変動を停止する。停止時に表示される図柄10は、2番目の表示コマンド中に内容情報として含まれている停止図柄と同一であり、例えば「7」である。時間t1+1(=6秒)が経過したときに右図柄列9の変動を停止する。停止時に表示される図柄10は、3番目の表示コマンド中に内容情報として含まれている停止図柄と同一であり、この場合、左図柄列7の停止図柄とは異なる(例えば「3」)。そして、時間t1+2(=7秒)が経過したときに、図9のステップD140へ移行する。
また、ステップD110の判定条件が満たされていないと、ステップD130で第2通常変動処理を行う。詳しくは、テーブルBを参照し、変動パターンカウンタCの値に基づき変動パターンを設定する。ここでは、変動パターンカウンタCの値がどのような値であったとしても、第2通常変動パターン(図11二点鎖線参照)を変動パターンとする。そして、全図柄列7〜9の変動開始から時間t2(=11秒)が経過したときに、左図柄列7の変動を所定の図柄(例えば「7」)で停止し、時間t2+1(=12秒)が経過したときに右図柄列9の変動を停止する。停止時に表示される図柄10は、2番目、3番目の表示コマンド中に内容情報として含まれている停止図柄と同一である。右図柄列9の停止図柄は、左図柄列7の停止図柄とは異なる(例えば「3」)。そして、時間t2+2(=13秒)が経過したときに、図9の画像表示処理ルーチンのステップD140へ移行する。
前記ステップD50,D60,D90,D100,D120,D130の処理の後、ステップD140では中図柄列8の変動を停止し、画像表示処理ルーチンを終了する。中図柄列8の変動停止時に表示される図柄10は、4番目の表示コマンド中に内容情報として含まれている停止図柄と同一である。ここで、ステップD50,60の処理を経た場合に中図柄列8の変動が停止するタイミングは、図12,13に示すように、全図柄列7〜9の変動開始から時間t3+21(=t1+24)が経過したときである。同様に、ステップD90,D100の処理を経た場合の中図柄列8の変動停止タイミングは、全図柄列7〜9の変動開始から時間t3+41(=t1+44)が経過したときである。ステップD120,D130の処理を経た場合の中図柄列8の変動停止タイミングは、図11に示すように、全図柄列7〜9の変動開始から時間t1+2又はt2+2が経過したときである。
なお、前述した本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、1つの乱数カウンタを用い、その値に基づき大当り遊技状態の発生を決定したり、外れリーチを決定したりしてもよい。
本実施形態では、前述した主制御装置24による各種処理が、記憶手段、抽選手段、画像変動時間決定手段、リーチ判定手段、条件選択手段、主制御手段、確定制御指令送信手段及び変動停止画像決定手段に相当する。また、副制御装置25による各種処理が、副制御手段、変動速度パターン変更手段及びリーチ種類決定手段に相当する。
より詳しくは、格納処理ルーチンにおけるステップS10,S30の処理が記憶手段に相当する。格納処理ルーチンにおけるステップ10,S50の処理と、特別電動役物制御ルーチンにおけるステップP10,P40の処理とが抽選手段に相当する。表示コマンド決定処理ルーチンにおけるステップP41,P43,P45〜P48,、P50〜P52の各処理が画像変動時間決定手段に相当し、このうち、ステップP41,P43の処理がリーチ判定手段に相当し、ステップP46,P50の処理が条件選択手段に相当する。特別電動役物制御ルーチンにおけるステップP60,P70,P80の処理が主制御手段に相当し、このうち、ステップP70,P80の処理が確定制御指令送信手段に相当する。表示コマンド決定処理ルーチンにおけるステップP41〜P44,P49の処理が変動停止画像決定手段に相当する。
また、画像表示処理ルーチンのステップD10〜D140の処理が副制御手段に相当し、このうち、ステップD50(D51〜D58),D60,D90,D100の処理が変動速度パターン変更手段に相当し、ステップD40〜D60、D80〜D100の処理がリーチ種類決定手段に相当する。
上述したように、本実施形態では、遊技球6が始動口3に入賞したときの各種カウンタの値に基づき抽選が行われる。その抽選結果が大当り又は外れリーチの場合には第2条件が選択される。そして、第1条件がどのような成立状況であっても、第2変動時間ΔT3,ΔT4の中から、第2条件の成立状況に応じた1つが選択され、これが図柄変動時間とされる。抽選結果が外れの場合には第1条件が選択される。そして、第2条件がどのような成立状況であっても、第1変動時間ΔT1,ΔT2の中から、第1条件の成立状況に応じた1つが選択され、これが図柄変動時間とされる。さらに、前記抽選結果に基づき、大当り図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄の中から1つが選択され、停止図柄とされる。
従って、図柄変動時間と停止図柄との組合せに関する表示コマンドの種類は、第1変動時間ΔT1,ΔT2及び外れ図柄の組合せに関するもの、すなわち、パターンコード「01」,「02」を含む2種類と、第2変動時間ΔT3,ΔT4及び大当り図柄(又は外れリーチ図柄)の組合せに関するもの、すなわち、パターンコード「03」,「04」を含む2種類との和(4種類)になる。これらのうちのいずれか1つの表示コマンドが副制御装置25へ送信される。そして、表示コマンドの送信後、図柄変動時間ΔT1〜ΔT4が経過すると確定コマンドが送信される。
前述した4種類は、第1条件の成立状況と第2条件の成立状況との間に相互に関連性を持たせた場合(技術1に相当し、表示コマンドは6種類)よりも少ない。表示コマンドの種類の数に差が生ずるのは、関連性を有していると、両条件を組合せた場合の図柄変動時間が余分に必要となるからである。なお、ここでは差が「2」(=6−4)とさほど多くないが、これは、説明の便宜上、リーチ演出グループの数を2つ(X,Y)と少なく設定したからである。この差は、リーチ演出グループの数が多くなるに従って拡大する。保留数に応じた図柄変動時間の種類が多くなる場合も同様である。このため、主制御装置24からの表示コマンドの種類を少なくしたいという要請に十分応ずることができる。
前記のように表示コマンドが送信されると、表示器4では全図柄列7〜9において変動表示が開始された後、所定の停止順に従い各図柄列7〜9の変動が停止する。停止時に表示される図柄10は、表示コマンドによって指示された停止図柄である。特に、第2変動時間ΔT3,ΔT4を図柄変動時間とした表示コマンドに対応した表示に際し、第3条件が成立した場合には、各図柄列7〜9の変動が第2パターンに従って行われ、最短の第1変動時間ΔT1を図柄変動時間とした場合と同じタイミングで停止される。
このため、各図柄列7〜9が順に変動を停止してゆく様子を見ている遊技者にすれば、停止の図柄列の数が少ないうちは、各図柄列7〜9の変動停止が最短の第1変動時間ΔT1を図柄変動時間としたことによるものなのか、第2変動時間ΔT3,ΔT4を図柄変動時間としたことによるものなのか、すなわち、リーチ演出が行われるかどうか不明である。しかし、停止の図柄列の数が増えてゆくに従い、各図柄列7〜9の変動停止が、どちらかといえば、最短の第1変動時間ΔT1を図柄変動時間とした場合の変動停止であり、リーチ演出が行われないかのような印象を受け、リーチ演出に対する期待感を失いかける。
しかし、中図柄列8の変動停止直後から、右・中図柄列9,8が再変動を開始するため、遊技者には、前記各図柄列7〜9の変動停止が、第2変動時間ΔT3,ΔT4を図柄変動時間としたことによるものであり、リーチ演出が行われるであろうことがわかる。このように、最短の場合には、時間t1,t1+1,t1+2の経過に従い、図柄列7〜9が順に変動を停止するが、一旦停止した図柄列が再変動を開始するかどうかがはっきりするまでは、リーチ演出が行われるかどうかがわからない。従って、遊技者は、リーチ演出が行われることに対する期待感を、この再変動の開始(時間t1+2の経過時)まで抱き続けることができる。また、中・右図柄列8,9の再変動により、一旦薄れかけた期待感が膨らむ。
前記第3条件が成立しない場合には、全図柄列7〜9の変動が開始され、時間t3(=8秒)が経過したときに左図柄列7の変動が停止され、時間t3+1(=9秒)が経過したときに右図柄列9の変動が停止されるとともにリーチ演出が開始される。この左図柄列7の変動停止タイミングは、最短の第1変動時間ΔT1を図柄変動時間とした場合の変動停止タイミング(時間t1(=5秒))よりも遅く、最長の第1変動時間ΔT2を図柄変動時間とした場合の変動停止タイミング(時間t2(=11秒))よりも早い。
このため、全図柄列7〜9の変動開始から時間t1が経過したときに左図柄列7が変動を停止しなければ、前述したような再変動は起らないが、リーチ演出の可能性は未だ残されている。リーチ演出は、第3条件が成立する場合であっても成立しない場合であっても同じタイミングで行われる。そして、時間t3が経過したときの左図柄列7の動きを見ることで、リーチ演出の実施の有無が明らかとなる。すなわち、左図柄列7の変動が停止すればリーチ演出が行われることが明らかとなり、変動し続ければリーチ演出が行われず外れることが明らかとなる。
一方、パターンコード「01」,「02」を含む表示コマンドの受信に応じた図柄表示に際しては、第1変動時間ΔT1,ΔT2の中から、保留数に関する第1条件の成立状況に応じたものが図柄変動時間として選ばれる。すなわち、第1条件が満たされている場合には最長の第1変動時間ΔT2が選ばれ、満たされていない場合には最短の第1変動時間ΔT1が選ばれる。
従って、保留数が上限値「4」又はそれに近い値「3」の場合には、保留の消化に要する時間が短くなる。換言すると、時間当りの抽選回数が増え、それによって保留数が上限値を越えにくくなる。遊技者による遊技進行(遊技球6の発射等)の中断の頻度が低くなる。また、図柄変動時間の短縮にもかかわらず保留数が上限値に達したり、近づいたりしたとしても、早期に保留が消化されることから、1回当りの中断時間が短くてすむ。このため、中断にともなうパチンコ遊技機の稼働率低下を抑え、パチンコホールが被る不利益を少なくすることができる。また、中断による遊技進行の滞りが起りにくくなるので、遊技者はスムーズな遊技進行を楽しむことができる。
本実施形態は前述した事項以外にも次の特徴を有する。(a)第2変動時間ΔT3,ΔT4を図柄変動時間とする表示コマンドには、全図柄列7〜9の変動開始から、リーチ演出の開始に関与する図柄列(右図柄列9)が変動を停止するまでの時間に関する情報と、停止順の最後の列(中図柄列8)が変動を停止するまでの時間に関する情報とが含まれている。これらの2つの時間情報は、第1パターンと第2パターンとで共通しているため、いずれのパターンに従った場合にも、右・中図柄列9,8が変動を停止するタイミングが同じである。従って、主制御装置24からは、α,β,γ,δの各リーチ変動パターンにつき、右・中図柄列9,8の停止時間に関する情報を含んだ表示コマンドを1種類送信するだけですむ。
(b)複数のリーチ演出を、それよりも少ない数のリーチ演出グループX,Yのいずれかに振分けている。そして、第2変動時間ΔT3,ΔT4を図柄変動時間とする場合には、リーチ演出グループX,Yの中から、第2条件の成立状況に基づきリーチ演出の種類を決定するようにしている。このため、リーチ演出の種類が多い場合であっても、リーチ演出時間の種類ひいては図柄変動時間の種類が少なくてすむ。このことは、表示コマンドの種類を少なくするうえで有効である。
(c)図13において、時間t1,t1+1,t1+2での変動停止は、第2変動時間ΔT3,ΔT4の経過にともなう確定コマンドの送信とは無関係に行われることから、本来の変動停止ではなく、あくまでも仮想的な変動停止といえる。そのため、この仮想的な変動停止がリーチ演出や表示コマンドの種類に悪影響を及ぼすおそれはない。
(d)再変動の対象として、リーチ演出の開始に関与する右図柄列9を少なくとも含めるようにしている。このため、右図柄列9は変動を一旦停止するが、リーチ演出の開始前には必ず変動をしていることとなり、変動停止がリーチ演出に悪影響を及ぼすことはない。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
(1)図柄列7〜9の変動を仮想的に停止させる代りに、同図柄列7〜9の変動速度を変動停止の直前まで低下させてもよい。
(2)図柄変動時間が第2変動時間ΔT3,ΔT4からなり、かつ第3条件が成立する場合、全図柄列7〜9は、変動開始から、リーチ演出の開始に関与する図柄列(右図柄列9)が変動を停止するまでの期間において、前記実施形態とは異なる態様で表示されてもよい。
例えば、停止順の最初の図柄列(左図柄列7)の変動速度のみを、最短の第1変動時間ΔT1を図柄変動時間とした場合の対応する図柄列(左図柄列7)の変動停止タイミングと略同一タイミングで低下(停止を含む)させた後、復帰させてもよい。このようにすると、最初の図柄列(左図柄列7)の変動が完全に停止しない場合には、変動速度が十分低下した時点(停止直前の変動速度となった時点)で、また、停止する場合には、変動速度が復帰する時点で、図柄変動が、最短の第1変動時間ΔT1ではなく第2変動時間ΔT3,ΔT4を図柄変動時間としたことによるものであり、リーチ演出が行われることがわかる。
また、変動速度の低下(停止を含む)及び復帰の対象図柄列を、停止順の最初の図柄列(左図柄列7)から、リーチ演出の開始に関与する図柄列(右図柄列9)までとしてもよい。このようにすると、右図柄列9の変動速度が低下したときに、左図柄列7から右図柄列9までの停止図柄の組合せが所定の組合せでないと、遊技者には、リーチ演出が行われないかのように感じられる。しかし、その後に変動速度が復帰すれば、リーチ演出が行われることがわかる。従って、リーチ演出に対する期待感が一旦は薄れるものの、その後に膨らますことができる。
さらに、停止順の最後から1つ前までの図柄列(右図柄列9)を、最短の第1変動時間ΔT1を図柄変動時間とした場合の対応する列(右図柄列9)と略同一タイミングで停止させ、停止順の最後の図柄列(中図柄列8)の変動速度を、最短の第1変動時間ΔT1を図柄変動時間とした場合の対応する図柄列(中図柄列8)と略同じ停止タイミングで低下(停止を含む)させ、その後、全ての図柄列7〜9の変動速度を復帰させるようにしてもよい。
その一例を図14に示す。全図柄列7〜9の変動開始から時間t1(=5秒)が経過したときに、左図柄列7が変動を停止し、時間t1+1(=6秒)が経過したときに右図柄列9が停止し、時間t1+2(=7秒)が経過したときに中図柄列8が変動を停止する。これらの変動停止は、確定コマンド送信よりも前に行われる仮想的な停止である。中図柄列8の停止の直後に全図柄列7〜9が変動を再び開始する。このようにしても前記実施形態と同様の作用及び効果を奏する。そのほかにも、遊技者が保留数の変化に注意を払っていない場合には、その回の抽選に対応した図柄変動が停止した後、次の回の抽選に対応した図柄変動が始まったかのような印象を受ける。
(3)図柄列7〜9の変動速度は、低下(停止を含む)した後に必ずしもすぐに復帰しなくてもよく、最低の変動速度となってから復帰に転ずるまでの時間を種々変更してもよい。また、一旦低下した変動速度を必ずしも低下前の速度に復帰させなくてもよい。例えば、低下した変動速度を維持してもよいし、低下前の変動速度とは異なる速度で変動させてもよい。要は、図柄列が少なくともリーチ演出の開始直前に変動していればよい。すなわち、リーチ演出の開始に備えて変動していればよい。
(4)再変動のパターンを複数用意しておき、どのパターンに従って再変動を行わせるかを条件に応じて切替えるようにしてもよい。
(5)第1条件の内容を、保留の数とは異なるものに変更してもよい。また、第2条件の内容を、リーチ演出の有無とは異なるものに変更してもよい。
(6)第2条件の成立状況に基づき決定される第2変動時間は、少なくとも1種類あればよい。第2変動時間の対象となる時間が複数種類あって、第2条件の成立状況に基づき決定されるものは、全てであってもよいし、一部であってもよい。後者の場合の最小値は「1」である。
(7)第2変動時間ΔT3,ΔT4中、全図柄列7〜9の変動開始からリーチ演出の開始までの時間を、最長の第1変動時間ΔT2と同じ値又は長い値に設定してもよい。前者の一例を図14に示す。この場合、全図柄列7〜9の変動開始から時間t2(=11秒)が経過したときに左図柄列7が変動を停止し、時間t2+1(=12秒)が経過したときに右図柄列9の変動が、左図柄列7の停止図柄と同じ図柄で停止し、20秒又は40秒のリーチ演出が行われる。このため、リーチ演出の開始に関与する図柄列(右図柄列9)が変動を停止するまでは、リーチ演出が行われるかどうかが不明である。また、後者の場合、最長の第1変動時間ΔT2を図柄変動時間とした場合の停止順の最初の列(左図柄列7)が変動を停止するまでは、リーチ演出が行われるかどうかが不明である。その最初の図柄列(左図柄列7)が変動を停止すべきタイミングで停止すればリーチ演出が行われないことが明らかとなり、停止しなければリーチ演出が行われることが明らかとなる。
(8)本発明の適用対象となる遊技機は、表示器を備えたものであればよく、前記実施形態とは異なるタイプのパチンコ遊技機、例えば第3種(権利物)パチンコ遊技機、複数回の抽選を行った後に大当り遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機、大当りとなる確率が所定の条件成立により高確率となる、いわゆる確率変動タイプのパチンコ遊技機であってもよい。また、表示器を備えたものであれば、パチンコ遊技機以外の遊技機、例えば、アレパチ、アレンジボール等であってもよい。
(9)スピーカ基板26及びランプ基板27を1つの基板によって構成し、この共通の基板によってスピーカ17及びランプ18の両方を制御するようにしてもよい。また、両基板26,27を省略し、主制御装置24によってスピーカ17及びランプ18を直接制御するようにしてもよい。
(10)第2変動時間ΔT3,ΔT4を図柄変動時間とした表示コマンドに対応した表示に際し、第3条件が成立した場合、少なくとも左図柄列7の変動速度を、最短の第1変動時間ΔT1ではなく、最長の第1変動時間ΔT2を図柄変動時間とした場合の対応する列の変動停止タイミングと略同一タイミングで低下させた後、その低下した図柄列の少なくとも1つをリーチ演出の開始に備えて変動させてもよい。