JP4211384B2 - 遊技機 - Google Patents

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JP4211384B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパチンコ遊技機等の遊技機に関し、より詳しくは、主制御装置及び副制御装置を備え、主制御装置では、遊技状況に応じた抽選を行うとともに、その抽選結果に応じた制御指令を送信し、副制御装置では、前記制御指令に従い少なくとも画像を表示器で表示させるようにした遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、2つの制御装置(主制御装置及び副制御装置)を用い、遊技盤に組込まれた表示器で図柄を変動表示及び停止し、その変動停止態様等に基づき、遊技者に有利な大当り遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機が知られている。
【0003】
例えば、左・中・右の3つの図柄列を表示器で表示するタイプのパチンコ遊技機では、遊技球の始動口への入賞がセンサによって検出されると、主制御装置が抽選を行い、図柄の変動時間と変動停止図柄との組合せに関する情報を含む制御指令(表示コマンド)を副制御装置に送信する。変動停止図柄は、大当り図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄からなる。また、図柄の変動時間は、リーチ演出が行われる場合と行われない場合とで異なる。前者の場合、全図柄列の図柄変動開始後、左図柄列、右図柄列の順で図柄変動が停止し、複数種類のリーチ演出のうちの1つを経た後に中図柄列の図柄変動が停止する。後者の場合、全図柄列の図柄変動開始後、左図柄列、右図柄列の順で図柄変動が停止し、いずれのリーチ演出も行われることなく、前記右図柄列の図柄変動停止に続けて、中図柄列の図柄変動が停止する。前者の方が、リーチ演出が行われる分だけ変動時間が長くなる。
【0004】
ここで、リーチ演出として、例えば20秒間のリーチ演出と40秒間のリーチ演出とがある場合、主制御装置からは、3種類の表示コマンド、例えば、パターンコード「01」を含むもの、パターンコード「02」を含むもの、パターンコード「03」を含むもののうちの1つが副制御装置に送信される。パターンコード「01」を含む表示コマンドは、例えば、図12(a)に示すように、図柄変動開始から、11秒後に左図柄列の図柄変動を停止させ、12秒後に右図柄列の図柄変動を、前記左図柄列での停止図柄とは異なる図柄で停止させ、13秒後に中図柄列の図柄変動を停止させるための制御指令である。この場合、いずれのリーチ演出も行われない。
【0005】
パターンコード「02」を含む表示コマンドは、例えば、図12(b)において実線で示すように、図柄変動開始から、11秒後に左図柄列の図柄変動を停止させ、12秒後に右図柄列の図柄変動を、前記左図柄列での停止図柄と同じ図柄で停止させ、20秒間にわたりリーチ演出をさせた後、中図柄列の図柄変動を停止させるための制御指令である。パターンコード「03」を含む表示コマンドは、前記パターンコード「02」を含む表示コマンドとほぼ同様であるが、図12(b)において二点鎖線で示すように、右図柄列の図柄変動停止後40秒間にわたりリーチ演出をさせた後、中図柄列の図柄変動を停止させるための制御指令である。
【0006】
副制御装置は前記表示コマンドを受信すると、そのコマンドによって指示された図柄変動時間及び変動停止図柄に従い表示器を作動させる。なお、パターンコード「02」,「03」を含む表示コマンドを受信した場合に、どの種類(内容)のリーチ演出を行わせるかについては、主制御装置ではなく副制御装置が決定する。
【0007】
主制御装置は、前記表示コマンドの送信後、そのコマンド中のパターンコードが示す図柄変動時間が経過すると、図柄変動が停止した旨を確定する確定コマンドを出力する。そして、左・中・右図柄列の変動停止図柄の組合せが、予め定められた大当りの組合せであると、大入賞口を開放させる等、より多くの賞球を獲得することの可能な状態(大当り遊技状態)を発生させる。
【0008】
ところで、パチンコ遊技機の中には、抽選中や大当り遊技状態の発生中に、さらに遊技球が始動口に入賞した場合に、その分の抽選を、そのときに行われている図柄変動の終了後に行う、いわゆる、抽選を保留(待機)するものがある。この保留の上限値は機種毎に決められており、例えば「4」である。このタイプのパチンコ遊技機では、保留数が上限値に達した場合、それ以上保留が行われることがないことから、遊技者は保留消化のために、発射装置のハンドルから手を離す等して遊技の進行(遊技球の発射等)を中断するおそれがある。この中断は、パチンコ遊技機の稼働率を下げ、パチンコホールに不利益を及ぼす一因となる。また、遊技者にとっても、保留数が上限値になる度に遊技が中断するのではスムーズな遊技進行を楽しめず、面白みが半減する。
【0009】
一方、上記の不具合を解消する一手段として、保留数が上限値に近づいた場合又は達した場合、図柄の変動時間を短くすること、より正確には、図柄の変動開始から、左図柄列の図柄変動停止までの時間を短くして図柄変動時間全体を短くすること、が知られている。保留数が例えば「0」,「1」,「2」の場合には、前述したように、全図柄列の図柄変動開始から11秒後に左図柄列の図柄変動を停止させるが、保留数が「3」,「4」の場合には、例えば5秒後に左図柄列の図柄変動を停止させる。その後の右・中図柄列の図柄変動及び停止については前記と同様である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述した主・副両制御装置を用いたパチンコ遊技機において、前記のように保留数に応じて図柄の変動時間を異ならせると、それにともない主制御装置から送信される表示コマンドの種類が多くなる。これは、表示コマンドに含まれるパターンコードが、図柄の変動時間に関するものだからである。
【0011】
表示コマンドの種類が多くなる現象を、例を挙げて説明すると、前述したパターンコード「01」,「02」,「03」を含む3種類の表示コマンドに加え、次のパターンコード「04」,「05」,「06」を含む3種類の表示コマンドが加わる。パターコード「04」を含む表示コマンドは、例えば、図13(a)に示すように、図柄変動開始から、5秒後に左図柄列の図柄変動を停止させ、6秒後に右図柄列の図柄変動を、前記左図柄列の停止図柄とは異なる図柄で停止させ、7秒後に中図柄列の図柄変動を停止させるための制御指令である。この場合、いずれのリーチ演出も行われない。パターンコード「05」を含む表示コマンドは、図13(b)において実線で示すように、図柄変動開始から、5秒後に左図柄列の図柄変動を停止させ、6秒後に右図柄列の図柄変動を、前記左図柄列の停止図柄と同じ図柄で停止させ、20秒間リーチ演出をさせた後、中図柄列の図柄変動を停止させるための制御指令である。パターンコード「06」を含む表示コマンドは、前述したパターンコード「05」を含む表示コマンドとほぼ同様であるが、図13(b)において二点鎖線で示すように、右図柄列の図柄変動停止後40秒間にわたりリーチ演出をさせた後、中図柄列の図柄変動を停止させるための制御指令である。
【0012】
このように、リーチ演出の時間が2種類(20秒、40秒)と少ないにもかかわらず、表示コマンドが6種類も必要となる。これらの表示コマンドの種類は、リーチ演出の時間の種類が多くなるに従ってさらに多くなる。この傾向は、主制御装置から送信される表示コマンドの種類を少なくしたいという要請に反するものである。従って、この要請に応えるために種々の工夫をすることが望まれている。
【0013】
そこで、本発明の課題は、所定の条件に応じて画像の表示時間を異ならせることのメリットを生かしつつ、主制御装置から副制御装置に送信される制御指令の種類を少なくすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等についても説明する。
【0015】
手段1.画像を表示する表示器と、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況を検出する遊技状況検出手段と、前記遊技状況検出手段の検出結果に応じて抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段の抽選結果に応じ、画像変動時間及び変動停止画像の組合せに関する制御指令を送信する主制御手段と、前記制御指令にて指示された画像変動時間及び変動停止画像に従い前記表示器を作動させる副制御手段とを備える遊技機において、前記主制御手段は、第1条件の成立状況に基づき設定される長さの異なる2種類以上の第1変動時間と、第2条件の成立状況に基づき設定される少なくとも1種類の第2変動時間とのいずれか1つを、前記制御指令の画像変動時間として決定する変動時間決定手段を含むことを特徴とする遊技機。
【0016】
手段1によると、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況が遊技状況検出手段によって検出され、この検出結果に応じ、抽選手段により抽選が行われる。抽選結果に応じ、主制御手段の変動時間決定手段によって、複数種類の画像変動時間中の1つが次のようにして選択・決定される。第1条件の成立状況に基づき画像変動時間が決定される際には、第2条件の成立状況に関係なく、第1変動時間のうちの1つが選択される。また、第2条件の成立状況に基づき画像変動時間が決定される際には、第1条件の成立状況に関係なく、第2変動時間のうちの1つが選択される。第2変動時間が1種類の場合には、そのものが選択される。そして、選択された変動時間が画像変動時間として決定される。決定された画像変動時間と変動停止画像との組合せに関する制御指令が、主制御手段から副制御手段へ送信される。従って、送信の対象となる制御指令は、第1変動時間を画像変動時間として含むもの(2種類以上)と、第2変動時間を画像変動時間として含むもの(1種類以上)とからなり、3種類以上存在する。
【0017】
この数は、第1条件成立の有無と、第2条件成立の有無との間に関連性を有している場合(従来技術に相当)の制御指令の種類よりも少なくなる。関連性を有していると、両条件を組合せた場合の画像変動時間が必要となるのに対し、関連性を有していないと、そのような画像変動時間が不要となるからである。この違いが、画像変動時間の種類、ひいては制御指令の種類の差を生ずる要因となる。
【0018】
そして、前記主制御手段からの制御指令に応じ副制御手段により表示器が制御され、画像の変動表示が開始される。制御指令によって指示された画像変動時間が経過すると、指示された変動停止画像にて変動が停止される。
【0019】
手段2.手段1において、前記遊技状況検出手段による所定遊技状況の検出回数を、所定数を上限として記憶する記憶手段をさらに備え、
前記抽選手段は、前記記憶手段による記憶回数に応じて抽選を行い、前記主制御手段は前記抽選手段による抽選毎に前記制御指令を送信するものであり、
前記第1条件は、前記記憶手段による記憶回数に関するものであり、前記第1変動時間は、前記記憶回数に応じて複数種類設定されていることを特徴とする遊技機。
【0020】
手段2によると、所定の遊技状況が遊技状況検出手段によって検出されると、その検出が記憶手段により所定数を上限として記憶される。抽選手段では、記憶手段による記憶回数に応じて抽選が行われ、その度に主制御手段から制御指令が送信される。
【0021】
ところで、手段2では、記憶回数に応じて長さの異なる複数種類の第1変動時間が設定されているので、変動時間決定手段により、第1条件の成立状況に基づき画像変動時間が決定される場合には、第1変動時間の中から、記憶回数に関する第1条件の成立状況に応じたものが選ばれ、画像変動時間とされる。この画像変動時間の決定に際しては、第2条件の成立状況から影響を受けない。
【0022】
従って、例えば、「記憶手段による記憶回数が上限値又はそれに近い値であること」が第1条件とされ、その条件が成立する場合には、成立しない場合よりも短い第1変動時間が画像変動時間とされれば、次の効果がある。記憶回数が上限値又はそれに近い値になった場合には、そうでない場合に比べて画像変動時間が短くなり、保留の消化に要する時間が短くなる。換言すると、時間当りの抽選回数が増え、それによって記憶回数が上限値を越えにくくなる。遊技進行の中断の頻度が低くなる。また、変動時間短縮にもかかわらず記憶回数が上限値に達したり、近づいたりしたとしても、早期に保留が消化されることから、1回当りの中断時間が短くてすむ。
【0023】
手段3.手段1又は2において、前記第2条件は、リーチ演出による変動時間に関するものであり、前記第2変動時間は、リーチ演出による変動時間の種類に応じて複数種類設定されていることを特徴とする遊技機。
【0024】
手段3によると、第2条件の成立状況に基づき画像変動時間が決定される場合には、リーチ演出による変動時間の種類に応じて設定された複数種類の第2変動時間の中から、リーチ演出による変動時間に関する第2条件の成立状況に応じたものが選ばれ、画像変動時間とされる。この画像変動時間の決定に際しては、第1条件の成立状況から影響を受けない。
【0025】
手段4.手段3において、前記変動時間決定手段は、前記画像変動時間の決定に際し、前記第2条件を前記第1条件に優先させるものであることを特徴とする遊技機。
【0026】
手段4によると、遊技状況が、第2条件が適用される所定の状況となった場合には、第1条件がいかなる成立状況であっても、第2条件の成立状況に基づき画像変動時間が決定される。第2変動時間の中から、リーチ演出による変動時間に関する第2条件の成立状況に応じたものが選ばれ、画像変動時間とされる。
【0027】
手段5.手段3又は4において、前記第2変動時間中、画像の変動開始から前記リーチ演出の開始までの時間は、前記第1変動時間の最短のものと同じ又は長い値に設定されていることを特徴とする遊技機。
【0028】
手段5によると、第1変動時間が画像変動時間とされた場合には、画像の変動開始から第1変動時間経過後に画像変動が停止される。この変動の停止時期は、第1変動時間の種類毎に異なる。また、第2変動時間が画像変動時間とされた場合には、画像の変動開始から所定時間経過後にリーチ演出が開始され、同変動開始から第2変動時間経過後に、画像の変動が停止される。
【0029】
ここで、第1変動時間のうちの最短のものが画像変動時間とされた場合の変動と、第2変動時間が画像変動時間とされた場合の変動とが同時に開始されたものと仮定する。第2変動時間中、画像の変動開始からリーチ演出の開始までの時間が、第1変動時間の最短のものと同じである場合には、前者の変動の停止と、後者の変動におけるリーチ演出の開始とが同時に行われる。従って、画像の変動開始から第1変動時間が経過するまでは、遊技者には、リーチ演出が行われるかどうかが不明である。また、第2変動時間中、画像の変動開始からリーチ演出の開始までの時間が、第1変動時間の最短のものよりも長い場合には、前者の変動が先に停止し、それから後者の変動におけるリーチ演出が開始される。従って、画像の変動開始から第1変動時間が経過した時点では、遊技者には、リーチ演出が行われるかどうかが不明である。
【0030】
手段6.手段5において、前記第2変動時間中、画像の変動開始から前記リーチ演出の開始までの時間は、前記第1変動時間の最長のものと同じ又は長い値に設定されていることを特徴とする遊技機。
【0031】
手段6によると、第1変動時間のうちの最長のものが画像変動時間とされた場合の変動と、第2変動時間が画像変動時間とされた場合の変動とが同時に開始されたものと仮定する。第2変動時間中、画像の変動開始からリーチ演出の開始までの時間が、第1変動時間の最長のものと同じである場合には、前者の変動の停止と、後者の変動におけるリーチ演出の開始とが同時に行われる。従って、画像の変動開始から第1変動時間が経過するまでは、遊技者には、リーチ演出が行われるかどうかが不明である。また、第2変動時間中、画像の変動開始からリーチ演出の開始までの時間が、第1変動時間の最長のものよりも長い場合には、前者の変動が先に停止し、それから後者の変動におけるリーチ演出が開始される。従って、画像の変動開始から第1変動時間が経過した時点では、遊技者には、リーチ演出が行われるかどうかが不明である。
【0032】
手段7.手段3又は4において、前記第2変動時間中、画像の変動開始から前記リーチ演出の開始までの時間は、前記第1変動時間の最短のものと最長のものとの中間の値に設定されていることを特徴とする遊技機。
【0033】
手段7によると、第1変動時間が画像変動時間とされた場合の変動と、第2変動時間が画像変動時間とされた場合の変動とが同時に開始されたものと仮定する。この場合、最短の第1変動時間をともなう変動が最初に停止し、それから第2変動時間をともなう変動におけるリーチ演出が開始され、その後、最長の第1変動時間をともなう変動が停止する。従って、画像変動開始から最短の第1変動時間が経過した時点では、遊技者には、リーチ演出が行われるかどうかが不明であるが、最長の第1変動時間が経過するよりも前には、リーチ演出が行われるかどうかが判明する。
【0034】
手段8.画像を表示する表示器と、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況を検出する遊技状況検出手段と、前記遊技状況検出手段の検出結果に応じて抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段の抽選結果に応じ、画像変動時間及び変動停止画像の組合せに関する制御指令を送信する主制御手段と、前記制御指令にて指示された画像変動時間及び変動停止画像に従い前記表示器を作動させる副制御手段とを備える遊技機において、
前記主制御手段は、第2条件の不成立下では、長さの異なる2種類以上の第1変動時間から第1条件の成立状況に応じた1つを前記画像変動時間として決定し、前記第2条件の成立下では、少なくとも1種類の第2変動時間から所定の1つを前記画像変動時間として決定する変動時間決定手段を含むことを特徴とする遊技機。
【0035】
手段8によると、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況が遊技状況検出手段によって検出され、この検出結果に応じ、抽選手段により抽選が行われる。抽選結果に応じ、主制御手段の変動時間決定手段によって、複数の画像変動時間から1つが次のようにして選択・決定される。所定の第2条件が成立しない場合には、長さの異なる2種類以上の第1変動時間から、第1条件の成立状況に応じた1つが画像変動時間として決定される。また、第2条件が成立する場合には、前記第1条件の成立の有無とは関係なく、少なくとも1種類の第2変動時間から所定の1つが画像変動時間として決定される。そして、この決定された画像変動時間と変動停止画像との組合せに関する制御指令が、主制御手段から副制御手段へ送信される。
【0036】
従って、制御指令の種類は、第1変動時間を画像変動時間として含むもの(2種類以上)と、第2変動時間を画像変動時間として含むもの(1種類以上)との和になる。この数は、第1条件成立の有無と、第2条件成立の有無との間に関連性を有している場合の制御指令の種類よりも少なくなる。関連性を有していると、第1変動時間と第2変動時間との組合せが増え、画像変動時間の種類が増えるからである。
【0037】
そして、前記制御指令に応答した副制御手段により表示器が制御され、画像の変動表示が開始される。制御指令によって指示された画像変動時間が経過すると、指示された変動停止画像にて変動が停止される。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を、図1〜11に従って説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機には、遊技領域1を有する遊技盤2が組込まれている。遊技領域1には始動口3、特別図柄表示器(以下単に「表示器」という)4及び大入賞口5がそれぞれ設けられている。始動口3は遊技球6の通路(図示略)と、その通路の入口を狭めたり拡げたりするための羽根3aとを備えている。
【0039】
表示器4は液晶ディスプレイ(LCD)からなり、始動口3の上方に位置している。表示器4としては、LCDに代えて、CRT、ドットマトリックス、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管等が用いられてもよい。表示器4には多種類の画像が表示されるが、その一部として複数の図柄列がある。
【0040】
複数の図柄列としては、例えば左図柄列7、中図柄列8及び右図柄列9が挙げられるが、それ以外の数の図柄列が表示されてもよい。また、複数の図柄列は、左右方向以外の方向、例えば上下方向に配列されたものであってもよい。各図柄列7〜9は複数種類の図柄10からなる。これらの図柄10としては、数字、キャラクタのほか、それらを組合せたもの等がある。キャラクタは人物、動物、文字、図形、記号等からなる。各図柄列7〜9において同時に表示される図柄10の数は、1つであっても複数であってもよい。1つの図柄列につき1つの図柄10が有効表示される場合は、大当りラインの数が1つであり、通常、1ラインと呼ばれている。
【0041】
表示器4では、各図柄列7〜9での図柄10の変動が、遊技球6の始動口3への入賞に基づき一斉に開始される。なお、以降の記載においては、図柄10の変動を、単に「図柄変動」又は「変動」という。変動は、左図柄列7、右図柄列9、中図柄列8の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の順序で停止されてもよい。全ての図柄列7〜9の変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた大当りの組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の停止図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同停止図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態の到来、すなわち、より多くの賞球を獲得することが可能となる。なお、上記のように、表示器4における図柄10の変動停止態様を必須要件として「大当り遊技状態の発生」の有無を決定することを、「抽選」ともいう。
【0042】
さらに、パチンコ遊技機は大当り遊技状態に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、例えば、右図柄列9の変動が、大当りライン上において左図柄列7での停止図柄と同一種類の図柄10で停止し、かつ、その後に中図柄列8の変動が左・右図柄列7,9での停止図柄と同一種類の図柄10で停止すれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、変動が停止されると、大当りの組合せとなる態様で一体的に変動し、その図柄10で停止すれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。
【0043】
リーチ遊技状態では、複数種類のリーチ演出のうちの1つが表示される。すなわち、前述した各図柄列7〜9の変動に加え、キャラクタが、予め定められたリーチパターンに従ってリーチ動作(リーチアクションともいう)を行う様子が、表示器4で表示される。これらのリーチ演出では、その種類毎に表示内容が異なる。例えば、キャラクタとして人物を表す図柄が複数種類設定され、リーチパターンとして、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」及び「スペシャルリーチ」が設定されている場合、キャラクタとリーチパターンとの組合せ毎に表示内容が異なる。なお、3種類のリーチパターンにおける大当り遊技状態発生に対する期待値は、相互に異なっている。
【0044】
上述した複数のリーチ演出は、表示時間(変動時間)に関して、数種類のリーチ演出グループに分けられている。例えば、相互に表示内容の異なるα,β,γ,δの4種類のリーチ演出がある場合、これらは、変動時間が20秒のリーチ演出グループXと、変動時間が40秒のリーチ演出グループYとに分けられている。前者のグループXにはαリーチ演出及びβリーチ演出が属し、後者のグループYにはγリーチ演出及びδリーチ演出が属している。
【0045】
遊技球6の始動口3への入賞に基づき、各図柄列7〜9の変動が開始されて抽選が行われることは既に説明したが、この抽選中や大当り遊技状態の発生中に、さらに遊技球6が始動口3に入賞した場合には、その分の抽選は、そのときに行われている変動の終了後に、より正確には、大当り遊技状態が発生すればその終了後に、大当り遊技状態が発生しなければ変動の停止後に、行われる。このことを、「抽選が保留(待機)される」という。この保留の上限値は機種毎に決められており、本実施形態では「4」である。表示器4の上方には、LED、電球等からなる保留ランプ11が組込まれている。保留ランプ11の数は、前述した上限値と同じ(この場合4個)である。保留ランプ11は、抽選が保留される毎に点灯し、その保留に対応した抽選が行われる毎に消灯する。
【0046】
大入賞口5は始動口3の下方に位置しており、入賞領域12、シャッタ13及び大入賞口用ソレノイド(以下単に「ソレノイド」という)14を備えている。入賞領域12の中央部にはVゾーン15が開口し、左右両側には通路16が開口している。ソレノイド14はシャッタ13に駆動連結されており、励磁によりシャッタ13を倒して入賞領域12を開放し、消磁によりシャッタ13を起立させて入賞領域12を閉鎖する。遊技球6がVゾーン15を通過することは、入賞領域12を再度開放するための条件である。従って、入賞領域12の開放中に入賞した遊技球6がVゾーン15を通過すれば、入賞領域12は閉鎖された後、再度開放される。入賞領域12が繰返し開放されることになる。ただし、この繰返し回数には制限が設けられており、予め定められた回数(例えば16回)だけ繰返された後には、原則として入賞領域12が開放されず、大当り遊技状態が終了する。
【0047】
そのほかにも、図2に示すようにパチンコ遊技機には、遊技効果を高めることを目的として、スピーカ17及びランプ18が組込まれている。スピーカ17は、遊技の進行状況に合わせて効果音を発したり、その効果音の種類を変えたりする。ランプ18は、遊技の進行状況に合わせて点灯の態様を変えるものである。光の態様としては、個々のランプ18の点灯状態、消灯状態、点滅状態等が代表的である。各状態において、光の色、明るさ等を変えたものや、点滅状態において点灯時間及び消灯時間の比を変えたものも光の態様に含まれる。ランプ18としては、前述した保留ランプ11と同様に、LED、電球等が用いられる。また、ランプ18としては、単一色で発光するタイプのほかにも、発光色を切替えることのできる特別なタイプ(例えば、複数色発光タイプのLED)を用いることができる。
【0048】
図1に示すように、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況を検出するセンサとして、遊技盤2には始動口用スイッチ21、Vゾーン用スイッチ22及びカウントスイッチ23がそれぞれ取付けられている。始動口用スイッチ21は遊技状況検出手段に相当するものであり、遊技球6の始動口3への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ22は遊技球6のVゾーン通過を検出し、カウントスイッチ23は遊技球6の入賞領域12への入賞(Vゾーン15及び通路16での通過)を検出する。
【0049】
図2に示すように、パチンコ遊技機には、各スイッチ21〜23の検出結果に基づき表示器4、保留ランプ11、ソレノイド14、スピーカ17及びランプ18をそれぞれ駆動制御するために、主制御装置24、副制御装置25、スピーカ基板26及びランプ基板27が設けられている。主制御装置24の主制御部28は、所定の制御プログラムや初期データを予め記憶した読出し専用メモリ(ROM)、ROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する中央処理装置(CPU)、CPUによる演算結果を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。主制御部28には、各スイッチ21〜23、保留ランプ11及びソレノイド14がそれぞれ接続されている。主制御部28には、出力ポート29を介してインタフェース(I/F)31が接続されている。インタフェース31には、スピーカ基板26を介してスピーカ17が接続されるとともに、ランプ基板27を介してランプ18が接続されている。
【0050】
主制御部28は、各スイッチ21〜23による検出信号に基づき、保留ランプ11及びソレノイド14を駆動制御する。また、主制御部28は、2つの制御指令(表示コマンド及び確定コマンド)を、出力ポート29及びインタフェース31を介して副制御装置25に送信する。表示コマンドは、表示パターン情報を含むもの(1つ)と、図柄列毎の図柄情報を含むもの(3つ)とからなる。
【0051】
表示パターン情報は、1バイトで表現されるキーワード情報と、同じく1バイトで表現される内容情報との組合せからなる。キーワード情報は、内容情報がこれから送信される旨を示すものである。内容情報には、複数種類のパターンコードが含まれている。パターンコードは、画像変動時間としての図柄変動時間と、リーチ演出に代表される、図柄10の変動パターンとの組合せ毎に設定されている。図柄変動時間とは、全ての図柄列7〜9が変動を一斉に開始してから、左図柄列7、右図柄列9の順に変動を停止し、最終的に中図柄列8の変動を停止するまでの経過時間である。
【0052】
ここでは、図3に示すように、パターンコードとして、「01」,「02」,「03」,「04」の4種類が設定されている。パターンコード「01」は、図柄変動時間ΔT1とテーブルAとの組合せに対応し、パターンコード「02」は、図柄変動時間ΔT2(>ΔT1)とテーブルBとの組合せに対応している。これらの図柄変動時間ΔT1,ΔT2は、長さの異なる2種類の第1変動時間に相当し、本実施形態では、「7秒」、「13秒」に設定されている。パターンコード「03」は、図柄変動時間ΔT3とテーブルCとの組合せに対応し、パターンコード「04」は、図柄変動時間ΔT4(>ΔT3)とテーブルDとの組合せに対応している。これらの図柄変動時間ΔT3,ΔT4は、長さの異なる2種類の第2変動時間に相当し、本実施形態では、「29秒」、「49秒」に設定されている。そして、前述したキーワード情報及び内容情報の組合せ(2バイト)からなる表示パターン情報が、1番目の表示コマンドとして送信される。
【0053】
テーブルA〜Dは、後述する副制御装置25のプログラムROM32に記憶されているものであり、変動パターンを決定する際に参照される。図4に示すように、テーブルA,Bを参照して決定される変動パターンは、リーチ演出による変動を含まない変動パターン(第1通常変動パターン、第2通常変動パターン)である。第1通常変動パターンに従うと、図柄列7〜9の変動開始から所定の時間t1が経過した後に、左図柄列7の変動が停止し、それから所定秒(例えば1秒)後に右図柄列9の変動が停止し、それから所定秒(例えば1秒)後に中図柄列8の変動が停止する。第2通常変動パターンに従うと、図柄列7〜9の変動開始から所定の時間t2(>t1)が経過した後に、左図柄列7の変動が停止し、それから所定秒(例えば1秒)後に右図柄列9の変動が停止し、それから所定秒(例えば1秒)後に、中図柄列8の変動が停止する。なお、本実施形態では、時間t1,t2はそれぞれ「5秒」、「11秒」に設定されている。
【0054】
テーブルCを参照して決定される変動パターンは、前記リーチ演出グループXに属するリーチ演出を含むパターンであり、具体的には、αリーチ演出を含むαリーチ変動パターンと、βリーチ演出を含むβリーチ変動パターンとからなる。これらのリーチ変動パターンに従うと、図柄列7〜9の変動開始から所定の時間t3が経過した後に、左図柄列7の変動が停止し、それから所定秒(例えば1秒)後に右図柄列9の変動が停止し、それからリーチ演出による変動が20秒間行われ、中図柄列8の変動が停止する。ここで、第2変動時間中、図柄列7〜9の変動開始からリーチ演出の開始までの時間は、第1変動時間の最短のもの(ΔT1)と同じか又は長い値に設定されることが好ましい。図柄変動時間ΔT1が7秒であることから、本実施形態では時間t3が「8秒」に設定されている。
【0055】
テーブルDを参照して決定される変動パターンは、前記リーチ演出グループYに属するリーチ演出を含むパターンであり、具体的には、γリーチ演出を含むγリーチ変動パターンと、δリーチ演出を含むδリーチ変動パターンとからなる。これらのリーチ変動パターンに従うと、図柄列7〜9の変動開始から時間t3が経過した後、左図柄列7の変動が停止し、それから所定秒(例えば1秒)後に右図柄列9の変動が停止し、それからリーチ演出による変動が40秒間行われ、中図柄列8の変動が停止する。
【0056】
図柄情報は、変動停止画像としての変動停止図柄に関するものである。変動停止図柄は、各図柄列7〜9の変動が停止する際に表示される図柄(確定表示図柄)である。図柄情報は、前述した表示パターン情報と同様に、1バイトで表現されるキーワード情報と、同じく1バイトで表現される内容情報との組合せからなる。左→右→中の順に図柄列7〜9が変動を停止する場合には、前記1番目の表示コマンドの送信に引続き、左図柄列7に関するキーワード情報及び内容情報の組合せからなる図柄情報が、2番目の表示コマンドとして送信される。続いて、右図柄列9に関するキーワード情報及び内容情報の組合せからなる図柄情報が、3番目の表示コマンドとして送信される。そして、中図柄列8に関するキーワード情報及び内容情報の組合せからなる図柄情報が、4番目の表示コマンドとして送信される。各キーワード情報は、図柄列毎の内容情報がこれから送信される旨を示すものである。各内容情報には、各図柄列7〜9での変動停止図柄に対応したパターンコードが含まれている。このように、図柄列毎の図柄情報(2バイト)を含む、合計3つの表示コマンドが連続して送信される。
【0057】
確定コマンドは、前述した表示コマンドの送信後、そのコマンドに含まれている時間情報としての図柄変動時間が経過したときに主制御部28から送信される制御指令である。
【0058】
なお、詳しい説明を省略するが、主制御部28は、前記表示コマンド及び確定コマンドに対応するコマンドをスピーカ基板26及びランプ基板27にそれぞれ送信する。このコマンドに応じ、スピーカ基板26は、表示器4での図柄10の変動開始や停止のタイミングに同期して、スピーカ17から効果音を発生させるための指令信号を出力する。ここで、同一変動時間のリーチ演出が行われる場合には、同一の指令信号となる。前記コマンドには、図柄変動時間に関する情報が含まれているものの、リーチ演出の種類に関する情報が含まれていないからである。従って、例えば、20秒のリーチ演出グループXにはαリーチ演出とβリーチ演出とが属するが、いずれも同じ(共通の)効果音が発生されることとなる。40秒のリーチ演出グループYに関しても同様である。同様に、ランプ基板27は、ランプ18に複数種類の態様の光を発生させるための指令信号を出力する。
【0059】
図2に示すように副制御装置25は、プログラムROM32、CPU33、RAM40、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)34、画像ROM35、ビデオRAM36、表示器駆動回路(ドライバ)37、入出力ポート38及びインタフェース(I/F)39を備えている。CPU33は、入出力ポート38及びインタフェース39を介して主制御装置24のインタフェース31に接続されている。プログラムROM32には、CPU33が表示器4を制御するのに必要な制御プログラムが記憶されている。CPU33は、主制御装置24からの制御指令(表示コマンド及び確定コマンド)を受信すると、プログラムROM32の制御プログラムに従って各種演算処理を実行する。そして、これらの演算結果に従い、表示器4を制御するための制御信号をVDP34に送出する。RAM40はCPU33による演算結果を一時的に記憶する。
【0060】
画像ROM35には、表示器4に表示する各種画像のうち、使用頻度の高い画像に関するデータが予め記憶されている。VDP34は、CPU33からの制御信号に従って画像ROM35からデータを読出し、そのデータを用いて表示器4に表示するための画像データを生成する。ビデオRAM36は、VDP34が生成した画像データを一時的に記憶する。VDP34は、ビデオRAM36に記憶された画像データをドライバ37に出力する。ドライバ37は、画像データに基づいて、表示器4に各種の画像を表示させる。
【0061】
なお、主・副両制御装置24,25間では、信号の流れる方向が一方向に制限されており、前述したように主制御装置24から副制御装置25へは制御指令(表示コマンド及び確定コマンド)が送信されるが、その逆(副制御装置25→主制御装置24)には信号が送信されない。
【0062】
次に、前記のように構成された本実施形態の作用及び効果について説明する。図5〜図8は、主制御装置24によって実行される各処理のフローチャートである。図5は、遊技球6が始動口3に入賞する毎に各種カウンタの値をメモリに格納するためのルーチンを示している。図6,7は、格納処理ルーチンでの演算結果に基づき、表示コマンド及び確定コマンドを副制御装置25に送信するとともに、特別電動役物の作動を制御するためのルーチンを示している。図8は、特別電動役物制御ルーチンにおいて実行されるサブルーチンを示している。図9は、副制御装置25によって実行される各処理のフローチャートであり、主制御装置24からの表示コマンドに基づき表示器4の作動を制御するためのルーチンを示している。
【0063】
前述した各種ルーチンの処理は、カウンタ群及び通過判定フラグFtに基づいて実行される。カウンタ群には、保留カウンタCh、ラウンドカウンタCr、入賞カウンタCe、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタ、左・中・右の各図柄カウンタ、キャラクタ種別カウンタ、リーチグループカウンタ及び変動パターンカウンタCが含まれている。
【0064】
保留カウンタChは抽選の保留数をカウントするためのものであり、「0」,「1」,「2」,「3」,「4」の値を順に採る。Ch=0は、保留されていない状態又は抽選中を意味する。ラウンドカウンタCrはラウンド数をカウントするためのものであり、入賞カウンタCeはカウントスイッチ23の検出結果に基づき、入賞領域12への遊技球6の入賞個数をカウントするためのものである。内部乱数カウンタは大当り遊技状態の発生を決定するためのものであり、外れリーチ乱数カウンタは外れリーチ等を決定するためのものである。ここで、外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態を経た後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。左・中・右の各図柄カウンタは、各図柄列7〜9での停止図柄等を決定するためのものであり、キャラクタ種別カウンタはキャラクタの種類を決定するためのものであり、リーチグループカウンタは、リーチ演出が、20秒のリーチ演出グループXに属するか、又は40秒のリーチ演出グループYに属するかを決定するためのものである。変動パターンカウンタCは、図柄列7〜9の変動パターンを決定するためのものである。
【0065】
テーブル群は、前述したA,B,C,Dの4つのテーブルを含んでいる。各テーブルA〜Dは、変動パターンカウンタCの採り得る値と同数のメモリ空間を有している。例えば、変動パターンカウンタCが、所定時間毎に値を「0」〜「CC」の範囲で更新し、特定の値「CC」になると初期値「0」に戻るものである場合、メモリ空間の数は「CC+1」個である。
【0066】
テーブルCの各々のメモリ空間には、αリーチ演出決定用データ又はβリーチ演出決定用データが記憶されている。例えば、「0」〜「CC」のメモリ空間のうち、「0」〜「C1−1」にαリーチ演出決定用データが記憶され、「C1」〜「CC」にβリーチ演出決定用データが記憶されている。同様に、テーブルDの各々のメモリ空間には、γリーチ演出決定用データ又はδリーチ演出決定用データが記憶されている。例えば、「0」〜「CC」のメモリ空間のうちの「0」〜「C2−1」にγリーチ演出決定用データが記憶され、「C2」〜「CC」にδリーチ演出決定用データが記憶されている。
【0067】
通過判定フラグFtは、遊技球6のVゾーン通過の有無を判定するために用いられるものであり、Vゾーン用スイッチ22によって通過が検出されない場合に「0」に設定され、通過が検出されると「1」に設定される。なお、カウンタCr,Ce及び通過判定フラグFtの各初期値(パチンコ遊技機への電源投入時の値)はいずれも「0」である。
【0068】
図5の格納処理ルーチンでは、主制御装置24はまずステップS10において、始動口用スイッチ21の検出結果に基づき、遊技球6が始動口3に入賞したか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと、格納処理ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS20において、保留カウンタChの値が上限値(この場合「4」)より小さいか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(Ch≧4)と、格納処理ルーチンを終了し、満たされている(Ch<4)と、ステップS30において保留カウンタChに「1」を加算する。このように、遊技球6が始動口3に入賞する毎に、保留カウンタChの値が上限値を限度として「1」ずつ加算されてゆく。上限値以上の入賞があっても、保留は記憶されない。
【0069】
続いて、ステップS40において、複数(ここでは4つ)の保留ランプ11のうち、保留カウンタChの値に対応するものを点灯させる。ステップS50において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列7〜9毎に外れ図柄を取得し、格納処理ルーチンを終了する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理をいう。また、外れ図柄とは、リーチ遊技状態を経ず、かつ大当り遊技状態ともならない外れ状態を発生させるための図柄である。
【0070】
図6の特別電動役物制御ルーチンでは、主制御装置24はまずステップP10において、前記格納処理ルーチンでの保留カウンタChの値が「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(Ch=0)と、すなわち抽選が保留されていないと、特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされている(Ch=1,2,3,4)とステップP20において、保留ランプ11のうち前記保留カウンタChの値に対応するものを消灯させ、ステップP30において保留カウンタChから「1」を減算する。
【0071】
次に、ステップP40において表示コマンド決定処理を実行する。詳しくは、図8のステップP41において、前記ステップS50での内部乱数カウンタの値が、予め定められた大当り値と同一であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP42において、大当り値に対応する図柄(以下「大当り図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶し、ステップP45へ移行する。一方、ステップP41の判定条件が満たされていないと、ステップP43において、前記ステップS50での外れリーチ乱数カウンタの値が、予め定められた外れリーチ値と同一であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP44において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)10を停止図柄としてメモリに記憶し、ステップP45へ移行する。
【0072】
ステップP42又はP44から移行したステップP45では、リーチグループカウンタの値を取得する。次に、ステップP46において、前記リーチグループカウンタの値が、20秒のリーチ演出グループXに対応する値と同じであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP47において、前述した「03」をパターンコードとして設定し、満たされていないと、ステップP48において「04」をパターンコードとして設定する。なお、ステップP46の判定処理に用いられる、「20秒のリーチ演出グループXに属すること」が「第2条件」に相当する。
【0073】
一方、前記ステップP43の判定条件が満たされていないと、ステップP49において、前記ステップS50での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。次に、ステップP50において、前記格納処理ルーチンでの保留カウンタChの値が「1」又は「2」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP51において「02」をパターンコードとして設定し、満たされていないと、ステップP52において、「01」をパターンコードとして設定する。なお、前記ステップP50の判定処理に用いられる、「保留カウンタChが1又は2であること」が第1条件に相当する。そして、前記ステップP47,P48,P51,P52の処理を行った後、表示コマンド決定処理ルーチンを終了し、図6のステップP60へ移行する。
【0074】
ステップP60では、前述した1〜4番目の表示コマンドを副制御装置25へ続けて送信する。詳しくは、キーワード情報及び内容情報の組合せからなる表示パターン情報を1番目の表示コマンドとして送信する。内容情報には、「01」〜「04」の4種類のパターンコードのうちの1つが含まれている。続いて、左図柄列7に関する図柄情報を2番目の表示コマンドとして送信する。次に、右図柄列9に関する図柄情報を3番目の表示コマンドとして送信し、続いて、中図柄列8に関する図柄情報を4番目の表示コマンドとして送信する。各図柄情報がキーワード情報及び内容情報の組合せからなることについては、前述した通りである。
【0075】
次に、ステップP70において、前記表示コマンドの送信後、そのコマンドに含まれている図柄変動時間が経過したか否か、すなわち、停止図柄に対応する図柄変動停止予定時期が到来したか否か、を判定する。ここで、図柄変動時間はパターンコード毎に異なる。図柄変動時間は、前述したように、パターンコード「01」ではΔT1(=7秒)であり、パターンコード「02」ではΔT2(=13秒)である。パターンコード「03」ではΔT3(=29秒)であり、パターンコード「04」ではΔT4(=49秒)である。この判定条件が満たされていないと、ステップP70の処理を繰返し、満たされているとステップP80へ移行し、今回の図柄列7〜9の変動が制御上終了したとことを意味する確定コマンドを副制御装置25へ送信する。
【0076】
次に、ステップP90において、左・中・右の図柄列7〜9での停止図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと、特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップP100においてラウンドカウンタCrをリセットする。ステップP110において入賞カウンタCeをリセットするとともに、通過判定フラグFtを「0」に設定する。続いて、図7のステップP120においてソレノイド14を励磁する。すると、シャッタ13が倒れて大入賞口5の入賞領域12が開放される。この開放により、遊技球6がVゾーン15又は通路16へ入ることが可能となる。ステップP130でラウンドカウンタCrに「1」を加算する。
【0077】
次に、ステップP140において、入賞カウンタCeの値が所定値Cemax以下であるか否かを判定し、満たされているとステップP150において大入賞口5の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP140へ戻る。その結果、入賞領域12の開放開始後にCemax個よりも多くの遊技球6が入賞するか、又は閉鎖予定時期が到来するという条件が満たされない限りは、入賞領域12が開放され続ける。これに対し、ステップP140,P150の条件のいずれか一方が満たされなくなると、ステップP160においてソレノイド14を消磁する。すると、シャッタ13が起こされて入賞領域12が閉鎖され、入賞領域12への遊技球6の入賞が不可能となる。ステップP170において、ラウンドカウンタCrの値が所定値Crmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP180において通過判定フラグFtが「1」であるか否かを判定し、満たされている(Ft=1)と、図6のステップP110へ戻る。
【0078】
従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球6がVゾーン15に最大でCrmax回入るまで、入賞領域12が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Cemaxが「10」に設定され、入賞領域12の開放時間が「約29.5秒」に設定され、所定値Crmaxが「16」に設定されている場合には、入賞領域12の開放開始後、(1)遊技球6が入賞領域12へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で入賞領域12が閉鎖される。この入賞領域12の開閉のサイクルが、遊技球6のVゾーン通過を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップP170,P180の判定条件のいずれか一方が満たされなくなると、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
【0079】
次に、副制御装置25によって行われる図9の画像表示処理ルーチンについて説明する。副制御装置25は、まずステップD10において、表示コマンドを受信したか否かを判定し、受信していないと画像表示処理ルーチンを終了し、受信していると、ステップD20において全図柄列7〜9の図柄10を一斉に高速で変動させ始める。この表示により、遊技者には左・中・右の3つのリールが縦方向にあたかも高速回転しているように見える。
【0080】
ステップD30において、1番目の表示コマンド中のパターンコードが「03」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップD40において、テーブルCを参照し、変動パターンカウンタCの値が、0≦C<C1の範囲にあるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップD50において、αリーチ変動パターンに従って、図柄10を以下のように変動表示・停止する。変動開始から時間t3(=8秒)が経過した後、左図柄列7の変動を停止する。停止時に表示される図柄10は、2番目の表示コマンド中に内容情報として含まれている停止図柄と同一である。左図柄列7の変動停止から1秒経過後、右図柄列9の変動を停止する。停止時に表示される図柄10は、3番目の表示コマンド中に内容情報として含まれている停止図柄と同一であり、この場合、左図柄列7の停止図柄と同一である。右図柄列9の変動停止後、αリーチ演出に従って20秒間リーチ動作処理を行う。ステップD40の判定条件が満たされていない(C1≦C≦CC)と、ステップD60において、βリーチ変動パターンに従うことにより、前記ステップD50の処理と同様に、左図柄列7、右図柄列9の変動を順に停止する。その後、βリーチ演出に従って20秒間リーチ動作処理を行う。
【0081】
前記ステップD30の判定条件が満たされていないと、ステップD70において、パターンコードが「04」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップD80において、テーブルDを参照し、変動パターンカウンタCの値が、0≦C<C2の範囲にあるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップD90において、γリーチ変動パターンに従うことにより、前記ステップD50の処理と同様に、左図柄列7、右図柄列9の変動を順に停止する。その後、γリーチ演出に従って40秒間リーチ動作処理を行う。ステップD80の判定条件が満たされていない(C2≦C≦CC)と、ステップD100において、δリーチ変動パターンに従うことにより、前記ステップD50の処理と同様に、左図柄列7、右図柄列9の変動を順に停止する。その後、δリーチ演出に従って40秒間リーチ動作処理を行う。
【0082】
一方、前記ステップD70の判定条件が満たされていないと、ステップD110において、パターンコードが「01」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップD120において、テーブルAを参照し、変動パターンカウンタCの値に基づき変動パターンを設定する。ここでは、変動パターンカウンタCの値がいかなる値であったとしても、第1通常変動パターンを変動パターンとする。そして、この変動パターンに従って、図柄10を以下のように変動表示・停止する。変動開始から時間t1(5秒)が経過した後、左図柄列7の変動を停止する。停止時に表示される図柄10は、2番目の表示コマンド中に内容情報として含まれている停止図柄と同一である。左図柄列7の変動停止から1秒経過後、右図柄列9の変動を停止する。停止時に表示される図柄10は、3番目の表示コマンド中に内容情報として含まれている停止図柄と同一であり、この場合、左図柄列7の停止図柄とは異なる。
【0083】
また、ステップD110の判定条件が満たされていないと、ステップD130において、テーブルBを参照し、変動パターンカウンタCの値に基づき変動パターンを設定する。ここでは、変動パターンカウンタCの値がいかなる値であったとしても、第2通常変動パターンを変動パターンとする。そして、この変動パターンに従って、図柄10を以下のように変動表示・停止する。図柄列7〜9の変動開始から時間t2(11秒)が経過した後、左図柄列7の変動を停止し、それから1秒後に右図柄列9の変動を停止する。停止時に表示される図柄は、2番目、3番目の表示コマンド中に内容情報として含まれている停止図柄と同一である。停止時に表示される図柄10は、左図柄列7と右図柄列9とで異なっている。
【0084】
前記ステップD50,D60,D90,D100,D120,D130の処理の後、ステップD140において、中図柄列8の変動を停止し、画像表示処理ルーチンを終了する。停止時に表示される図柄10は、4番目の表示コマンド中に内容情報として含まれている停止図柄と同一である。
【0085】
なお、前述した本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、1つの乱数カウンタを用い、その値に基づき大当り遊技状態の発生を決定したり、外れリーチを決定したりしてもよい。
【0086】
本実施形態では、主制御装置24による、格納処理ルーチンにおけるステップS10,S30の処理が記憶手段に相当し、同ルーチンにおけるステップ10,S50の処理と、特別電動役物制御ルーチンにおけるステップP10,P40の処理とが抽選手段に相当する。特別電動役物制御ルーチンにおけるステップP60の処理が主制御手段に相当する。主制御装置24による、表示コマンド決定処理ルーチンにおけるステップP46〜P48,P50〜P52の処理が変動時間決定手段に相当する。副制御装置25による画像表示処理ルーチンの各処理が副制御手段に相当する。
【0087】
本実施形態によると、表示器4では、主制御装置24から送信される表示コマンドに応じて、各図柄列7〜9の変動が次のように行われる。図10(a)は、パターンコード「01」を含む表示コマンドが送信された場合を示している。パターンコード「01」は、保留数が「3」又は「4」であり、抽選結果が外れの場合に設定されるものである。この場合、全図柄列7〜9の変動開始からt1(=5秒)後に、左図柄列7の変動が所定の図柄(例えば「7」)で停止し、6秒後に右図柄列9の変動が、前記左図柄列7の停止図柄とは異なる図柄(例えば「3」)で停止し、図柄変動時間ΔT1(=7秒)後に中図柄列8の変動が停止する。
【0088】
図10(b)は、パターンコード「02」を含む表示コマンドが送信された場合を示している。パターンコード「02」は、保留数が「1」又は「2」であり、抽選結果が外れの場合に設定されるものである。この場合、全図柄列7〜9の変動開始からt2(=11秒)後に左図柄列7の変動が所定の図柄(例えば「7」)で停止し、12秒後に右図柄列9の変動が、前記左図柄列7の停止図柄とは異なる図柄(例えば「3」)で停止し、図柄変動時間ΔT2(=13秒)後に中図柄列8の変動が停止する。
【0089】
図11(a)は、パターンコード「03」を含む表示コマンドが送信された場合を示している。パターンコード「03」は、保留数の多少、抽選結果(当り・外れ)とは無関係に、リーチ演出グループXに属するリーチ演出が行われる場合に設定されるものである。この場合、全図柄列7〜9の変動開始からt3(=8秒)後に、左図柄列7の変動が所定の図柄(例えば「7」)で停止し、9秒後に、右図柄列9の変動が前記左図柄列7の停止図柄と同じ図柄(この場合「7」)で停止し、αリーチ演出又はβリーチ演出が20秒間にわたって行われた後に、すなわち図柄変動時間ΔT3(=29秒)後に、中図柄列8の変動が停止する。中図柄列8の停止図柄としては、左・右図柄列7,9の停止図柄と同じ場合(この場合「7」)と、異なる場合(例えば「3」)とがあり得る。
【0090】
図11(b)は、パターンコード「04」を含む表示コマンドが送信された場合を示している。パターンコード「04」は、保留数の多少、抽選結果(当り・外れ)とは無関係に、リーチ演出グループYに属するリーチ演出が行われる場合に設定されるものである。この場合、全図柄列7〜9の変動開始からt3(=8秒)後に、左図柄列7の変動が所定の図柄(例えば「7」)で停止し、9秒後に、右図柄列9の変動が前記左図柄列7の停止図柄と同じ図柄(この場合「7」)で停止し、γリーチ演出又はδリーチ演出が40秒間にわたって行われた後に、すなわち図柄変動時間ΔT4(=49秒)後に、中図柄列8の変動が停止する。中図柄列8の停止図柄としては、左・右図柄列7,9の停止図柄と同じ場合(この場合「7」)と、異なる場合(例えば「3」)とがあり得る。
【0091】
上述したように、本実施形態では、第1条件(保留カウンタChが「1」又は「2」であること)の成立状況に基づき決定される第1変動時間(ΔT1,ΔT2)と、第2条件(リーチ演出グループXに属すること)の成立状況に基づき決定される第2変動時間(ΔT3,ΔT4)とのうちのいずれか1つを、表示コマンドの図柄変動時間として決定するようにしている。特に、第2条件の成立状況に基づき図柄変動時間を決定する際には、第1条件の成立状況に関係なく、第2変動時間のうちの1つを図柄変動時間としている。従って、表示コマンドの種類は、第1変動時間を図柄変動時間として含むもの(2種類)と、第2変動時間を図柄変動時間として含むもの(2種類)との和(4種類)になる。
【0092】
これに対し、従来技術では、第1条件の成立状況と第2条件の成立状況との間に相互に関連性があって、既述したように表示コマンドが6種類存在する。表示コマンドの種類の数に差が生ずるのは、関連性を有していると、両条件を組合せた場合の変動時間が必要となり、その分、図柄変動時間の種類が増えるからである。なお、ここでは差が「2」(=6−4)とさほど多くないが、これは、説明の便宜上、リーチ演出グループの数を少なく設定したからであり、前記の差は、リーチ演出グループの数が多くなるに従って拡大する。保留数の応じた図柄変動時間の種類が多くなる場合も同様である。このため、主制御装置24に関し表示コマンドの種類を少なくしたいという要請に十分応ずることができる。
【0093】
本実施形態は前述した事項以外にも次の特徴を有する。
(イ)保留カウンタChが「1」又は「2」であることを第1条件とするとともに、2種類の図柄変動時間ΔT1,ΔT2を第1変動時間の対象とし、第1条件が満たされる場合(Ch=「1」,「2」)には図柄変動時間ΔT2を第1変動時間として設定し、第1条件が満たされない場合(Ch=「3」,「4」)には図柄変動時間ΔT1(<ΔT2)を第1変動時間として設定するようにしている。この設定により、保留数が多い場合には、少ない場合よりも図柄変動時間が短くなり、保留の消化に要する時間が短くなる。換言すると、時間当りの抽選回数が増え、それによって保留数が上限値を越えにくくなる。遊技者による遊技進行(遊技球の発射等)の中断の頻度が低くなる。また、変動時間短縮にもかかわらず保留数が上限値に達したり、近づいたりしたとしても、早期に保留が消化されることから、1回当りの中断時間が短くてすむ。このため、中断にともなうパチンコ遊技機の稼働率低下を抑え、パチンコホールが被る不利益を少なくすることができる。また、中断による遊技進行の滞りが起りにくくなるので、遊技者はスムーズな遊技進行を楽しむことができる。
【0094】
(ロ)「20秒のリーチ演出グループXであること」を第2条件とするとともに、第2条件が満たされる場合には図柄変動時間ΔT3を第2変動時間として設定し、第2条件が満たされない場合には図柄変動時間ΔT4(>ΔT3)を第2変動時間として設定するようにしている。この設定により、リーチ遊技状態となる場合には、20秒間にわたってリーチ演出が行われるか、又は40秒間にわたってリーチ演出が行われる。遊技者は、これらの長さの異なるリーチ演出を楽しむことができる。
【0095】
(ハ)図柄変動時間の決定に際し、第2条件を第1条件に優先させるようにしている。このため、第2条件が所定の成立状況となった場合には、第1条件がいかなる成立状況となっていても、第2条件の成立状況に基づき図柄変動時間が決定される。第2変動時間(ΔT3,T4)の中から、リーチ演出の種類に関する第2条件の成立状況に応じたものが選ばれ、図柄変動時間とされる。その結果、保留数の多少にかかわらず、20秒間又は40秒間のリーチ演出によるリーチ遊技状態が発生することとなる。
【0096】
(ニ)仮に、最短の第1変動時間(ΔT1)が図柄変動時間とされた場合の変動と、第2変動時間(ΔT3,ΔT4)が図柄変動時間とされた場合の変動とが同時に開始されたとすると、第2変動時間中、図柄列7〜9の変動開始からリーチ演出の開始までの時間が、第1変動時間の最短(ΔT1)のものよりも大きな値に設定されていることから、前者の変動が先に停止し、それから後者の変動におけるリーチ演出が開始される。従って、図柄列7〜9の変動開始から第1変動時間(ΔT1)が経過した時点では、遊技者には、リーチ演出が行われるかどうかが不明である。このため、少なくとも第1変動時間が経過するまでは、リーチ遊技状態が発生するのではないかという期待感を遊技者に抱かせ続けることができる。
【0097】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
(1)第1条件の内容を、保留の数とは異なるものに変更してもよい。また、第2条件の内容を、リーチ演出の有無とは異なるものに変更してもよい。
【0098】
(2)第2条件の成立状況に基づき決定される第2変動時間は、少なくとも1種類あればよい。第2変動時間の対象となる時間が複数種類あって、第2条件の成立状況に基づき決定されるものは、全てであってもよいし、一部であってもよい。後者の場合の最小値は「1」である。
【0099】
(3)第2変動時間中、図柄列7〜9の変動開始からリーチ演出の開始までの時間は、第1変動時間の最短のものと同じ値に設定されてもよいことについては、既に説明したが、この場合には、最短のものよりも大きな値に設定された場合と略同様の効果が得られる。違いは、リーチ演出の有無が判明する時期が、第1変動時間経過後から第1変動時間経過時に若干早まることである。
【0100】
(4)上述した(3)と関連するが、第2変動時間中、図柄列7〜9の変動開始からリーチ演出の開始までの時間を、第1変動時間の最長のものと同じ又は長い値に設定してもよいし、最短のものと最長のものとの中間の値に設定してもよい。図柄列7〜9の変動開始からリーチ演出の開始までの時間が長くなるに従い、リーチ演出の有無が判明する時期が遅くなる。それにともない、リーチ遊技状態が発生するのではないかという期待感を遅くまで遊技者に抱かせ続けることができる。
【0101】
(5)本発明の適用対象となる遊技機は、表示器を備えたものであればよく、前記実施形態とは異なるタイプのパチンコ遊技機、例えば第3種(権利物)パチンコ遊技機、複数回の抽選を行った後に大当り遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機、大当りとなる確率が所定の条件成立により高確率となる、いわゆる確率変動タイプのパチンコ遊技機であってもよい。また、表示器を備えたものであれば、パチンコ遊技機以外の遊技機、例えば、アレパチ、アレンジボール等であってもよい。
【0102】
(6)スピーカ基板26及びランプ基板27を1つの基板によって構成し、この共通の基板によってスピーカ17及びランプ18の両方を制御するようにしてもよい。また、両基板26,27を省略し、主制御装置24によってスピーカ17及びランプ18を直接制御するようにしてもよい。
【0103】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、第1条件の成立状況に応じて画像変動時間を異ならせることのメリットと、第2条件の成立状況に応じて画像変動時間を異ならせることのメリットとを確保しつつ、主制御手段から副制御手段に送信される、画像変動に関する制御指令の種類を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるパチンコ遊技機の遊技盤を示す概略正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】パターンコード、図柄変動時間及び参照テーブルの対応関係を示す説明図である。
【図4】変動パターンカウンタ及び変動パターンの対応関係をテーブル毎に示す説明図である。
【図5】主制御装置によって実行される格納処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図6】特別電動役物制御ルーチンを説明するフローチャートである。
【図7】同じく、特別電動役物制御ルーチンを説明するフローチャートである。
【図8】表示コマンド決定処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図9】副制御装置によって実行される画像表示処理ルーチンを説明するフローチャートである。
【図10】(a),(b)は、パターンコード「01」,「02」を含む表示コマンドが送信された場合の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】(a),(b)は、パターンコード「03」,「04」を含む表示コマンドが送信された場合の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】(a),(b)は、従来のパチンコ遊技機において、表示コマンドが送信された場合の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】(a),(b)は、同じく従来のパチンコ遊技機において、表示コマンドが送信された場合の作用を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
4 表示器
10 画像としての図柄
21 遊技状況検出手段としての始動口用スイッチ
24 抽選手段、主制御手段及び変動時間決定手段として機能する主制御装置
25 副制御手段として機能する副制御装置

Claims (1)

  1. 技状況を検出する遊技状況検出手段と、 前記遊技状況検出手段の検出結果に応じて抽選を行う抽選手段と、
    該抽選手段による抽選に基づき、複数の列で図柄を変動表示した後に所定の停止順で各列の変動表示を停止して停止図柄を表示する表示器と、
    前記遊技状況検出手段による所定遊技状況の検出回数を、所定数を上限として記憶する記憶手段と、
    該記憶手段の記憶回数に基づき、前記表示器にて図柄を変動させる時間である画像変動時間を決定する画像変動時間決定手段と、
    少なくとも前記画像変動時間決定手段による画像変動時間に関する表示制御指令を送信する主制御手段と、
    前記表示制御指令にて指示された画像変動時間に従い前記表示器を作動させる副制御手段と
    を備える遊技機であって、
    前記表示器は、図柄の変動表示中の態様として、
    遊技者に有利な特別遊技状態の発生に先立ち行なわれるリーチ演出であり、停止順の最初から2番目以降の所定番目までの列にて停止図柄を表示したときの各停止図柄の組合わせに基づいて開始され、他の列にて図柄が未だ変動中の状態で行なわれるリーチ演出、からなる特定演出を表示する態様と、
    該特定演出を表示しない態様と
    を含むものであり、
    前記画像変動時間決定手段は、
    前記抽選手段の抽選結果に基づきリーチ演出の実施の有無を決定するリーチ決定手段を備え、
    該リーチ決定手段によってリーチ演出を実施しないと決定した場合には、前記記憶手段の記憶回数に関する第1条件を選択し、該第1条件によって、前記リーチ演出を行なわない場合の画像変動時間として2種類以上の第1変動時間の中から一つの第1変動時間を前記記憶手段に記憶された前記記憶回数に基づいて決定し、
    一方、前記リーチ決定手段によってリーチ演出を実施すると決定した場合には、第2条件を選択し、該第2条件によって、前記リーチ演出を行なう場合の画像変動時間として、前記記憶手段に記憶された前記記憶回数に拘らず、少なくとも1種類の第2変動時間の中から一つの第2変動時間を決定し、
    前記2種類以上の第1変動時間及び前記少なくとも1種類の第2変動時間の中から決定された一つの変動時間を画像変動時間とする
    ことを特徴とする遊技機。
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