JP4670408B2 - 速度測定装置の検定方法、及びその装置 - Google Patents

速度測定装置の検定方法、及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4670408B2
JP4670408B2 JP2005070211A JP2005070211A JP4670408B2 JP 4670408 B2 JP4670408 B2 JP 4670408B2 JP 2005070211 A JP2005070211 A JP 2005070211A JP 2005070211 A JP2005070211 A JP 2005070211A JP 4670408 B2 JP4670408 B2 JP 4670408B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
slider
sensors
sensor
verification
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005070211A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006250834A (ja
Inventor
和俊 鈴木
功幸 岩橋
真一 馬場
信広 布施
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sinfonia Technology Co Ltd
Original Assignee
Sinfonia Technology Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sinfonia Technology Co Ltd filed Critical Sinfonia Technology Co Ltd
Priority to JP2005070211A priority Critical patent/JP4670408B2/ja
Publication of JP2006250834A publication Critical patent/JP2006250834A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4670408B2 publication Critical patent/JP4670408B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Description

本発明は、車両衝突試験装置のテスト車両等の被測定物体に設けられた遮蔽板が、被測定物体の走行方向に沿って所定間隔を有する第1及び第2の各センサの間を通過する時間を計測して、前記被測定物体の速度を測定する速度測定装置の測定精度を検定する方法、及びその装置に関するものである。
例えば、車両衝突試験装置において速度測定装置の測定精度は、試験結果の判定に大きな影響を与えるので、測定結果の信頼性の面からして一定以上の精度が要求される。従来においては、特許文献1,2に示されるように、速度測定装置を構成する演算装置の検知パルスの検知精度を高めること等によって、速度測定装置自体、即ち演算装置自体の検出精度を高めることに終始していた。
特開平8−278321号公報 特許第2933954号公報
一方、速度測定装置の演算装置の精度の検定(確認)は、基準信号の入力により行っており、演算装置自体の精度の確認は可能であるが、速度測定装置全体としての精度は演算装置の精度のみならず、一組のセンサの間隔の精度、各センサの検出応答の精度(検出応答のバラツキ)、検出したデータを表示する表示器の表示精度等にも影響を受ける。従って、基準信号の入力による演算装置の精度の検出のみでは、速度測定装置全体としての総合精度の検定(確認)はできない。
本発明は、重力加速度の利用のみによって、上記速度測定装置の総合精度の検定を可能にすることを課題としている。
上記の課題を解決するために請求項1の発明は、水平方向に沿って設定距離をおいて第1及び第2の各センサがセンサ取付用架台に取付けられて、テスト車両等の被測定物体に設けられた遮蔽板が前記第1及び第2の各センサの間を通過する時間を計測して、前記被測定物体の速度を測定する速度測定装置の測定精度を検定する方法であって、前記第1及び第2の各センサを結ぶ線分が垂直方向に沿うように前記センサ取付用架台を90°回転させた装置検定姿勢に配置し、速度測定装置の速度測定姿勢で前記被測定物体が特定速度で走行する場合において、第1及び第2の各センサの間を通過するのに要する時間を理論的に計算したものを走行理論計算時間と定め、縦長のスライダ本体に縦方向に沿ってセンサ光を透過させる透過孔が形成された特定速度用スライダを使用して、前記透過孔の下端縁が上方の第1センサよりも低い落下スタート位置においてスライダを自然落下させて、前記透過孔の上端縁である第1被検出部が前記第1センサにより検出された後に、スライダ本体の下端部の第2被検出部が前記第2センサにより検出されるまでの落下理論計算時間を理論計算して、前記落下理論計算時間が、前記走行理論計算時間と等しい場合に、前記落下理論計算時間を有するスライダを第1特定速度用スライダと定めて、前記落下理論計算時間の異なる複数の第1ないし第Nの各特定速度用スライダを予め用意しておき、前記装置検定姿勢において、第1ないし第Nの各特定速度用スライダを上記のようにして自然落下させて、被検定体である速度測定装置により現実に測定される各測定時間と、前記各落下理論計算時間との対比によって、被検定体である速度測定装置の測定精度の検定を行うことを特徴としている。
本発明の検定方法において、速度測定装置の速度測定姿勢において、被測定物体が特定速度で走行する場合において、第1及び第2の各センサの間を通過する時間を理論的に計算した時間を「走行理論計算時間」と定める。速度測定装置のセンサ取付用架台を「速度測定姿勢」から90°回転させた「装置検定姿勢」において、センサ光を透過させる孔部を上下方向に有していて、検定対象速度の異なる第1ないし第Nの複数の特定速度用スライダを用いることにより、前記特定速度用スライダが検定対象の速度よりも遥かに小さな速度で自然落下しても、第1及び第2の各センサによって検出されるスライダの異なる2つの被検出部の検出時間差である「落下理論計算時間」とを前記「走行理論計算時間」に等しく設定することにより、速度測定装置の測定精度の検定を可能にしている。
特定速度用スライダは、縦長のスライダ本体に縦方向(上下方向)に沿ってセンサ光を透過させる透過孔が形成され、スライダ本体の下端部に形成された第2被検出部が、上方に位置する第1センサよりも低い位置において、前記スライダを自然落下させることにより、スライダ本体の第1被検出部である前記透過孔の上端縁が上方の第1センサにより検出された後に、スライダ本体の下端部の第2被検出部が前記第2センサにより検出されるまでの時間が前記「走行理論計算時間」と等しくなるように、スライダの各部の寸法が定められている。
そして、検定対象速度の異なる複数の特定速度用スライダを用いて、「装置検定姿勢」のセンサ取付用架台に設けられた第1及び第2の各センサにより検出される各スライダの第1及び第2の各被検出部の各検出時間の差と、複数の異なる速度における各「走行理論計算時間」とを比較することにより、センサ、演算器、表示器等を含めた速度測定装置の総合精度を一括して検定可能となる。
また、周辺温度による検定装置の各部分、及びスライダの熱膨張による寸法誤差、測定地域による重力加速度の相違による誤差等の各種誤差を測定値に対して補正することにより、検定装置の検定精度が一層に高められる。更に、また、可搬式であるため、例えば速度測定装置が存在する場所等の任意の場所まで検定装置を搬送して検定ができると共に、重力加速度のみを使用して速度測定装置の検定を行えるので、特殊なユーティリティ(AC100V以外の電源、水、エアー等)の供給を必要とせずに検定できる。
請求項2の発明は、請求項1の速度測定装置の検定方法を実施するための検定装置であって、水平方向に所定間隔をおいて一対の支柱単体の上端部が落下スタート位置決定板により連結されて、前記第1及び第2の各センサを結ぶ線分が垂直方向に沿うように前記センサ取付用架台を90°回転させた装置検定姿勢に配置した状態において、前記センサ取付用架台の第1及び第2の各センサに対向して起立配置される支柱状をした検定用架台と、前記落下スタート位置決定板に上端面を当接させた状態で自然落下させて、前記第1及び第2の各センサにより検出される第1及び第2の被検出部を備えた検定対象速度の異なる複数の特定速度用スライダとを備え、前記特定速度用スライダは、縦長のスライダ本体に縦方向に沿ってセンサ光を透過させる透過孔が形成され、前記透過孔の上端縁が第1被検出部となっていると共に、スライダ本体の下端部に第2被検出部が設けられた構成であり、前記装置検定姿勢において1ないし複数の特定速度用スライダの第1及び第2の被検出部が速度測定装置の第1及び第2の各センサにより検出される時間差を測定して、速度測定装置の測定精度を検定することを特徴としている。
請求項2の発明によれば、上端部に落下スタート位置決定板が設けられた簡単な構成の検定用架台と、速度測定装置を構成する第1及び第2の各センサにより検出される第1及び第2の被検出部を備えた検定対象速度の異なる複数の特定速度用スライダとを準備するのみで、重力加速度のみを使用して前記速度測定装置の総合精度の検定が可能となる。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記検定用架台には、水平出しと高さ調整とを兼用したアジャスターが設けられていることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、「装置検定姿勢」の速度測定装置に設けられた第1及び第2の各センサに対する被検定物である検定用架台の高さを調整できて、スライダの第1被検出部が第1センサにより検出させるまでのスライダの落下距離を正確に調整できて検定精度が高められると同時に、検定用架台の上端部の落下スタート位置決定板を水平に設定でき、この点においても検定精度が高められる。
また、請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、前記検定用架台には、第1及び第2の各センサに対する検定用架台の高さを定めるためのセンサ位置合せ治具を備え、前記検定用架台には前記治具を支持するためのブラケットが設けられていることを特徴としている。
請求項4の発明によれば、検定装置の検定用架台に設けられたブラケットにセンサ位置合せ治具を支持して、該センサ位置合せ治具に設けられた高さ方向の基準位置に対して第1及び第2のセンサの少なくとも一方のセンサ光が照射されることにより、前記各センサに対する検定用架台の高さ方向の位置が正確に定められて、検定精度を向上させられる。
また、請求項5の発明は、請求項2ないし4のいずれかの発明において、前記検定用架台の各支柱単体の内側対向面には、スライダの転倒を防止するガイドが形成され、前記検定用架台の底部には、落下したスライダの衝撃を吸収する衝撃吸収体が取付けられていることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、ガイドの存在により検定用架台の底部に到達して停止したスライダの横転を防止できると共に、衝撃吸収体の存在によりスライダの衝突による衝撃が緩和されて、スライダの無用な損傷等を防止でき、その結果スライダを繰り返して使用できる。
本発明によれば、自然に存在する重力加速度の利用のみによって、速度測定装置を構成する演算装置、センサ装置、表示器等の各精度を含めた総合精度を一括して検定できる。
以下、最良の実施形態を挙げて本発明について更に詳細に説明する。図1は、本発明の検定装置Aの使用状態の斜視図であり、図2は、同じく平面図であり、図3は、検定装置Aの斜視図である。図1及び図2に示されるように、車両衝突試験装置に使用される速度測定装置Bは、使用状態における両側面と前面が開口されてコの字形の側面形状を有するセンサ取付用架台1を備え、該センサ取付用架台1の前面開口2に近い部分に上下一対で構成される第1及び第2の各センサK1 ,K2 が取付けられて、第1及び第2の各センサK1 ,K2 の水平距離(L0 )の間を通過する車両の時間を測定することにより、通過車両の速度を検出する構成である。第1及び第2の各センサK1 ,K2 は、透過型センサであって、それぞれ発光部K11,K21と受光部K12,K22とを有していて、走行車両に一体に取付けられた遮蔽板(図示せず)が前記発光部K11,K21と受光部K12,K22の間を通過することにより、上方から下方に向かう各センサ光R1 ,R2 が遮光されて、遮蔽板の存在を認識する。なお、センサ取付用架台1には、キャスター3が取付けられて搬送可能となっており、センサ取付用架台1の背面側には制御盤4が取付けられている。
速度測定装置Bの検定を行う際には、図1に示されるように、速度測定装置Bを使用状態(速度測定状態)に対して90°回転させて置台5の上に設置することにより、第1及び第2の各センサK1 ,K2 を結ぶ線分が垂直となるように配置して行う。
本発明に係る検定装置Aは、複数個(実施例では4個)のアジャスター11により高さ調整が可能な支柱状をした検定用架台10と、該検定用架台10の上端の落下スタート位置から自然落下して、90°回転された「装置検定姿勢」の前記速度測定装置Bに相上下して設けられた第1及び第2の各センサK1 ,K2 による検出時間差を読み取るための複数の特定速度用スライダ(以下、単に「スライダ」と略す場合もある)S1 〜S3 とを備えている。検定用架台10は、取付板12を介して4個のアジャスター11により設置面と所定間隔をおいて配置される基台部13と、該基台部13の上面に前記各スライダS1 〜S3 の幅よりも広い間隔をおいて対向して立設される一対の支柱単体14と、該一対の支柱単体14の上端部を一体に連結していて、前記各スライダS1 〜S3 の落下スタート位置を定めるための落下スタート位置決定板15とを備えている。図1に示されるように、第1及び第2の各センサK1 ,K2 の発光部K11,K21から照射された各センサ光R1 ,R2 は、「装置検定姿勢」の速度測定装置Bの設定位置に設置された検定装置Aの各支柱単体14の間を透過して、受光部K12,K22に受光され、前記センサ光R1 ,R2 の遮光により物体の存在が確認される。
検定装置Aの検定用架台10の高さは、「装置検定姿勢」の速度測定装置Bの第1及び第2の各センサK1 ,K2 の上下方向の間隔(L0 )、上方の第1センサK1 により各スライダS1 〜S3 の第1被検出部35が検出される際の落下速度等を主要素として相対的に変化するものである。各スライダS1 〜S3 は、その上端面が前記落下スタート位置決定板15の下面に当接した状態で開放することにより、相対向する一対の支柱単体14の間のスライダ落下空間16を自然落下し、その間に、各スライダS1 〜S3 の第1及び第2の各被検出部35,36が設定された時間差を有してそれぞれ第1及び第2の各センサK1 ,K2 により検出される構成となっている。各スライダS1 〜S3 の上端部には、人手により把持可能な把持片37が取付けられていて、各スライダS1 〜S3 の落下スタート位置において前記把持片37が前記落下スタート位置決定板15よりも上方に突出して把持し易くするために、落下スタート位置決定板15の長手方向(一対の支柱単体14の対向方向)の中央部の幅は、両端部よりも狭く形成されている。また、一対の支柱単体14の上端部及び下端部の対向面には、落下スタート位置においてスライダS1 〜S3 が横振れしたり、或いは落下位置においてスライダS1 〜S3 が横転するのを防止するための一対一組のガイド17が複数組(実施形態では3組)取付けられている。また、基台部13の上面には、当該上面に衝突落下するスライダS1 〜S3 の衝撃を緩和するための厚いゴム板等の衝撃吸収体18が貼り付けられている。
本発明の速度測定装置Bの検定方法は、「装置検定姿勢」の速度測定装置Bに相上下して設けられた第1及び第2の各センサK1 ,K2 によってスライダS1 〜S3 の第1及び第2の各被検出部35,36の現実の検出時間差を、重力加速度を考慮して理論的に前記検出時間差を計算した後述の「落下理論計算時間(T1 ,T2 ,T3 )」と対比することにより検定を行っている。そして、後述の式(4)に示されるように、「落下理論計算時間(T1 ,T2 ,T3 )」は、スライダS1 〜S3 の第1被検出部35が速度測定装置Bの第1センサK1 により検出される際の落下速度〔換言すると、落下スタート位置から起算して、第1センサK1 によりスライダS1 〜S3 の第1被検出部35が検出されるまでにスライダS1 〜S3 が落下した距離(H0 )〕、各スライダS1 〜S3 の第1及び第2の各被検出部35,36の間の距離(L1 〜L3 )、速度測定装置Bの第1及び第2の各センサK1 ,K2 の間の距離(L0 )及び重力加速度(g)の関数となる。
このため、置台5に「装置検定姿勢」で載せられた速度測定装置Bの第1及び/又は第2のセンサK1 ,K2 に対する検定装置Aの高さ方向の配置位置(換言すると、第1及び/又は第2のセンサK1 ,K2 による検出高さ位置)を正確に定める必要がある。よって、検定装置Aの一対の支柱単体14の側面に高さ方向の異なる位置にそれぞれ一対一組のブラケット19が取付けられ、一対一組のブラケット19に角棒状の高さ位置検出治具21を水平に支持して、第1及び/又は第2のセンサK1 ,K2 によって前記治具21の高さ方向の中央に水平に設けられた被検出線(図示せず)を検出するように複数のアジャスター11を調整することにより、検定装置Aの高さ方向の配置位置を定める。また、複数のアジャスター11の調整により、落下スタート位置決定板15の水平出しも行われる。
次に、図3ないし図5を参照にして、スライダS1 〜S3 について説明する。スライダS1 〜S3 は、基本形状は同一であって、使用状態において縦方向に長い長方形状のスライダ本体31の中央部に、全体形状と略相似小形であって、センサ光Rを透過させる長方形状の透過孔32が縦方向に形成され、上下の各端部における幅方向の中央部にそれぞれ凹部33,34が形成された形状である。長方形状の透過孔32の上端縁は、各スライダS1 〜S3 の自然落下時において、最初に上方の第1センサK1 により検出される第1被検出部35を構成していると共に、下方の凹部34の底面を形成する縁は、第1センサK1 により第1被検出部35が検出された後に、下方の第2センサK2 により検出される第2被検出部36を構成している。なお、図1及び図3に示されるように、各スライダS1 〜S3 は、上記したように、その上端部に把持片37が取付けられていて、スライダ本体31の上端面を落下スタート位置決定板15の裏面に当接させた状態で、前記把持片37は落下スタート位置決定板15の上面よりも上方に突出していて、把持片37の前記突出部を把持することにより、各スライダS1 〜S3 を落下スタート位置に保持しており、前記把持の開放により各スライダS1 〜S3 は、落下スタート位置から自然落下するようになっている。
そして、図5に示されるように、各スライダS1 〜S3 は、それぞれ特定速度の検定のために使用されるため、第1及び第2の各被検出部35,36の間の垂直方向に沿って距離(L1 ,L2 ,L3 )が異なるのみである。なお、実施例の各スライダS1 ,S2 ,S3 は、それぞれ(80km/h)、(100km/h)、(120km/h)の速度を検定するものであって、前記距離(L1 ,L2 ,L3 )の間には、(L1 <L2 <L3 )の関係が成立している。なお、図5においてδ12,δ23は、それぞれ(L2 −L1 ),(L3 −L2 )を示す。
図4において、80km/hの速度を検定するスライダS1 を例に挙げ、速度測定装置Bの第1及び第2の各センサK1 ,K2 の間の距離(L0 )を1m(1,000mm)とし、スライダS1 が落下スタート位置決定板15から自然落下して、その第1被検出部35が第1センサK1 により検出されるまでに落下した距離(H0 )を0.6m(600mm)とすると、以下の一般式及び具体値が得られる。なお、図4において、N1 ,N2 は、それぞれ第1及び第2の各センサK1 ,K2 の高さのラインを示し、スライダS1 の落下スタート位置において、その第1被検出部35は、上方に位置する第1センサK1 の高さラインN1 よりも下方に位置している。
まず、スライダS1 が落下スタート位置〔図4(イ)〕から自然落下して、自身の第1被検出部35が第1センサK1 により検出された時点〔図4(ロ)〕におけるスライダS1 の落下速度を(V1 )とし、前記検出時までにスライダS1 が落下した距離を(H0 )とすると、式(1)が成立する。但し、(g)は重力の加速度であり、以下の具体値の計算に当たっては(9.8m/s2 )とした。
Figure 0004670408
次に、スライダS1 の第1被検出部35が第1センサK1 により検出された後に、その第2被検出部36が第2センサK2 により検出される〔図4(ハ)〕までに要した「落下理論計算時間」を(T1 )とすると、式(2)が成立する。
Figure 0004670408
(式2)の(V1 )に(式1)を代入すると(式3)が成立し、(式3)を(T1 )について解くと、(式4)となる。
Figure 0004670408

Figure 0004670408
ここで、現実の速度測定において、(80km/h)の速度で、第1及び第2の各センサK1 ,K2 の間の水平距離である(1m)を走行するに要する「走行理論計算時間(T10)」は(0.045秒)である。そして、(80km/h)の速度を検定するスライダS1 においても、第1被検出部35が第1センサK1 により検出された後に、第2被検出部36が第2センサK2 により検出されるまでの「落下理論計算時間(T1 )」が前記「走行理論計算時間(T10)」と等しいならば、スライダS1 の現実の落下速度が検定対象速度である(80km/h)よりも遥かに小さくても、速度測定装置Bの測定精度の検定が可能となる。
よって、(式4)に(T1 ),(H0 ),(L0 )の各既知の値を代入して(L1 )を求めると、(L1 =0.83m)となる。全く同様にして、検定対象速度が(100km/h)及び(120km/h)の各スライダS2 ,S3 について、それぞれL2 ,L3 を求めると、(L2 =0.87m),(L3 =0.89m)となる。
このため、第1及び第2の各被検出部35,36の間の間隔(L1 ,L2 ,L3 )が異なっていて、特定の異なる検定対象速度を有する複数のスライダS1 〜S3 について、それぞれ上記した検定試験を行って、各スライダS1 〜S3 が自然落下する際に要する「現実落下時間」をそれぞれ測定して、各スライダS1 〜S3 の「走行理論計算時間(T20,T30)」と比較対比することにより、速度測定装置Bの検定を行う。そして、上記した「現実落下時間」は、速度測定装置Bの構成する第1及び第2の各センサK1 ,K2 ,演算装置,表示器等が協働して測定された時間であるので、速度測定装置Bを構成する各機器の個別精度を総合させた速度測定装置Bの総合精度の検定が可能となる。また、検定対象速度の異なる複数のスライダS1 〜S3 を用いて検定試験を行うのは、速度測定装置Bがどの速度においても常に一定の割合で「落下理論時間」に対して誤差を生ずるとは限らず、特定の速度においては許容誤差内であるが、他の特定の速度においては許容誤差を超える場合があり得るからである。なお、スライダS2 ,S3 の各「落下理論計算時間(T2 ,T3 )〔走行理論計算時間(T20,T30)と等しい〕」は、(0.036秒),(0.03秒)である。
なお、スライダS1 〜S3 は、基台部13の上の衝撃吸収体18に落下するために、落下の衝撃が緩和されると共に、落下後のスライダS1 〜S3 は、ガイド17に支持されるため、その横転が防止される。よって、落下試験に使用するスライダS1 〜S3 でありながら、その損傷程度は最小限で済むので、繰り返し使用が可能となる。
また、周辺温度による検定装置Aの前記距離(L0 )、スライダS1 〜S3 の第1及び第2の各被検出部35,36の間の距離(L1 〜L3 )、及び速度測定装置Bの第1及び第2のセンサK1 ,K2 の間の距離(L0 )の熱膨張による寸法誤差、或いは測定地域による重力加速度の相違による誤差等は、上記式(4)によって補正することにより、上記各誤差を考慮した各スライダS1 〜S3 の「落下理論計算時間(T1 ’〜T3 ’)」が予め理論計算できるので、補正後の「落下理論計算時間(T1 ’〜T3 ’)」に基づいて検定することにより、検定装置Aの検定精度が一層に高められる。
なお、上記実施形態では、一例として検定対象速度が(80km/h),(100km/h)及び(120km/h)の3種類のスライダS1 〜S3 を挙げたが、検定対象である速度測定装置Bの測定頻度の高い異なる速度を細分して、更に多種類のスライダを用いて検定することにより、高精度の検定を行える。
このように、本発明に係る検定装置Aは、特殊なユーティリティ(AC100V以外の電源、水、エアー等)の供給を一切必要とせずに、重力加速度のみの利用によってセンサ、演算器、表示器等を含めた速度測定装置Bの総合精度を一括して検定できる。また、上記実施形態の検定装置Aは可搬式であるため、速度測定装置Bの存在する任意の場所(現場)まで搬送して検定を行える。
本発明の検定装置Aの使用状態の斜視図である。 同じく平面図である。 検定装置Aの斜視図である。 (イ),(ロ),(ハ)は、それぞれスライダS1 の落下スタート位置、第1被検出部35の検出位置、及び第2被検出部36の検出位置を示す作用説明図である。 (イ),(ロ),(ハ)は、それぞれスライダS1 ,同S2 ,同S3 の正面図である。
A:検定装置
B:速度測定装置
1 :第1センサ
2 :第2センサ
1 〜L3 :スライダの第1及び第2の被検出部の間の距離
1 ,N2 :センサ光の高さライン
1 ,R2 :センサ光
1 〜S3 :スライダ
1 〜T3 :落下理論計算時間
10〜T30:走行理論計算時間
10:検定装置の検定用架台
11:アジャスター
14:支柱単体
15:落下スタート位置決定板
18:衝撃吸収体
31:スライダ本体
32:透過孔
35:スライダの第1被検出部
36:スライダの第2被検出部

Claims (5)

  1. 水平方向に沿って設定距離をおいて第1及び第2の各センサがセンサ取付用架台に取付けられて、テスト車両等の被測定物体に設けられた遮蔽板が前記第1及び第2の各センサの間を通過する時間を計測して、前記被測定物体の速度を測定する速度測定装置の測定精度を検定する方法であって、
    前記第1及び第2の各センサを結ぶ線分が垂直方向に沿うように前記センサ取付用架台を90°回転させた装置検定姿勢に配置し、
    速度測定装置の速度測定姿勢で前記被測定物体が特定速度で走行する場合において、第1及び第2の各センサの間を通過するのに要する時間を理論的に計算したものを走行理論計算時間と定め、
    縦長のスライダ本体に縦方向に沿ってセンサ光を透過させる透過孔が形成された特定速度用スライダを使用して、前記透過孔の下端縁が上方の第1センサよりも低い落下スタート位置においてスライダを自然落下させて、前記透過孔の上端縁である第1被検出部が前記第1センサにより検出された後に、スライダ本体の下端部の第2被検出部が前記第2センサにより検出されるまでの落下理論計算時間を理論計算して、
    前記落下理論計算時間が、前記走行理論計算時間と等しい場合に、前記落下理論計算時間を有するスライダを第1特定速度用スライダと定めて、前記落下理論計算時間の異なる複数の第1ないし第Nの各特定速度用スライダを予め用意しておき、
    前記装置検定姿勢において、第1ないし第Nの各特定速度用スライダを上記のようにして自然落下させて、被検定体である速度測定装置により現実に測定される各測定時間と、前記各落下理論計算時間との対比によって、被検定体である速度測定装置の測定精度の検定を行うことを特徴とする速度測定装置の検定方法。
  2. 請求項1の速度測定装置の検定方法を実施するための検定装置であって、
    水平方向に所定間隔をおいて一対の支柱単体の上端部が落下スタート位置決定板により連結されて、前記第1及び第2の各センサを結ぶ線分が垂直方向に沿うように前記センサ取付用架台を90°回転させた装置検定姿勢に配置した状態において、前記センサ取付用架台の第1及び第2の各センサに対向して起立配置される支柱状をした検定用架台と、
    前記落下スタート位置決定板に上端面を当接させた状態で自然落下させて、前記第1及び第2の各センサにより検出される第1及び第2の被検出部を備えた検定対象速度の異なる複数の特定速度用スライダとを備え、
    前記特定速度用スライダは、縦長のスライダ本体に縦方向に沿ってセンサ光を透過させる透過孔が形成され、前記透過孔の上端縁が第1被検出部となっていると共に、スライダ本体の下端部に第2被検出部が設けられた構成であり、
    前記装置検定姿勢において1ないし複数の特定速度用スライダの第1及び第2の被検出部が速度測定装置の第1及び第2の各センサにより検出される時間差を測定して、速度測定装置の測定精度を検定することを特徴とする速度測定装置の検定装置。
  3. 前記検定用架台には、水平出しと高さ調整とを兼用したアジャスターが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の速度測定装置の検定装置。
  4. 前記検定用架台には、第1及び第2の各センサに対する当該検定用架台の高さを定めるためのセンサ位置合せ治具を備え、前記検定用架台には前記治具を支持するためのブラケットが設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の速度測定装置の検定装置。
  5. 前記検定用架台の各支柱単体の内側対向面には、スライダの転倒を防止するガイドが形成され、前記検定用架台の底部には、落下したスライダの衝撃を吸収する衝撃吸収体が取付けられていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の速度測定装置の検定装置。
JP2005070211A 2005-03-14 2005-03-14 速度測定装置の検定方法、及びその装置 Expired - Fee Related JP4670408B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005070211A JP4670408B2 (ja) 2005-03-14 2005-03-14 速度測定装置の検定方法、及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005070211A JP4670408B2 (ja) 2005-03-14 2005-03-14 速度測定装置の検定方法、及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006250834A JP2006250834A (ja) 2006-09-21
JP4670408B2 true JP4670408B2 (ja) 2011-04-13

Family

ID=37091496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005070211A Expired - Fee Related JP4670408B2 (ja) 2005-03-14 2005-03-14 速度測定装置の検定方法、及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4670408B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101871838B (zh) * 2010-06-09 2011-11-16 天津陆海石油设备系统工程有限责任公司 大型危险货物运输包装容器冲击跌落试验机
JP2012002699A (ja) * 2010-06-17 2012-01-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 自動車衝突模擬試験装置及びその方法と自動車衝突模擬試験装置用制御装置
CN104713707B (zh) * 2013-12-11 2017-06-13 江苏新泉汽车饰件股份有限公司 仪表台功能件万能检测装置
KR101501722B1 (ko) * 2014-04-22 2015-03-11 사단법인 한국지능형교통체계협회 이동식 속도측정장비 점검장치
CN106706960B (zh) * 2016-12-27 2020-05-19 浙江吉利汽车研究院有限公司 一种用于加速度传感器期间核查的坠落试验台及检测方法
CN107525949A (zh) * 2017-08-22 2017-12-29 商丘师范学院 两点线速度测量仪校准装置及校准方法
CN107561303A (zh) * 2017-10-19 2018-01-09 商丘师范学院 双点线速度测量仪传感器安装台及双点线速度测量方法
KR102106130B1 (ko) * 2019-06-12 2020-05-28 사단법인 한국지능형교통체계협회 정확성을 높인 이동식 속도검지기 점검 장치

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6166967A (ja) * 1984-09-11 1986-04-05 Hitachi Constr Mach Co Ltd パイルハンマの打撃速度検出装置
JPS61250633A (ja) * 1985-04-30 1986-11-07 Olympus Optical Co Ltd シヤツタ−試験機の校正器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006250834A (ja) 2006-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4670408B2 (ja) 速度測定装置の検定方法、及びその装置
JP6644146B2 (ja) 回転レーザの鉛直軸線を検査及び/又は較正する方法
JP6095676B2 (ja) 風洞天秤
CN103547886B (zh) 用于可倾斜激光光学系统的等级机构
CN106537084A (zh) 轨道位置测量装置
JP2007503573A (ja) 車両における空気力学的な測定用の試験スタンド及び方法
CN206804682U (zh) 一种标准测速装置
CN102507125B (zh) 汽车碰撞假人定位用辅助装置
CN103643620B (zh) 一种用于路面弯沉测量的激光束平行度调节系统及其方法
CN201983737U (zh) 制动盘厚度差检测工具
JP2008224632A (ja) 落錘式衝撃試験機を用いた衝撃吸収エネルギーの測定方法および落錘式衝撃試験機
JP2011163981A (ja) アタック角測定装置及び測定方法
CN101109632A (zh) 一种平面度检测装置及其使用方法
CN111735636A (zh) 用于汽车碰撞试验的假人定位装置及定位方法
CN105651795A (zh) 一种兼具称重和测体积功能的安检机及测体积的方法
CN106198039A (zh) 校准台车及其校准方法
CN110068266A (zh) 一种北斗变形监测误差测试装置和方法
CN108956080A (zh) 一种全方位调节防护服冲击试验机
KR101947178B1 (ko) 기판 반송 로봇 핸드의 성능 테스트 장치 및 방법
CN103363863B (zh) 管柱测量架
JP2006225946A (ja) 軌道検測方法および軌道検測用キット
CN102435783B (zh) 玩具弹射速度测量仪的校准方法及装置
CN205538753U (zh) 一种兼具称重和测体积功能的安检机
CN205538754U (zh) 一种多功能安检机
JP5501877B2 (ja) 可動式ホーム柵測定装置及び測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110103

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4670408

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140128

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees