JP4668270B2 - 通信装置、通信方法、通信プログラムおよびその記録媒体 - Google Patents
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Description
本発明は、ネットワークの帯域管理を行う親局として用いられる通信装置、上記親局と子局との間における通信方法に関するものである。
一般に、無線通信のように、通信路を時分割で利用するネットワークにおいては、一度に通信可能なのは1つの送信局と1つまたは複数の受信局との間のみであり、各局が交代で通信を行う。このため、複数の局によってネットワークが構成されている場合、現在通信の当事者となっている送信局および受信局以外の局は、必要最低限の部分のみに電源を供給して、局全体としての電力消費を抑えたパワーセーブ状態に移行することが可能である。
例えば、特許文献1:日本国公開特許公報「特開2001−223634号公報(2001年8月17日公開)」には、子局(無線端末局)が親局(無線基地局)にスリープ要求およびスリープ要求フレーム数を送出し、親局から返信される許可スリープフレーム数と同期調整用のフレーム数を含む許可信号に基づいて子局がスリープ状態(パワーセーブ状態)に移行する技術が開示されている。
つまり、特許文献1では、親局が各子局に対して同じタイミングで送信するブロードキャストフレームの送信周期を通知し、子局はブロードキャストフレームが送信されない期間についてスリープ状態とし、ブロードキャストフレームが送信されるタイミングに合わせてスリープ解除するようになっている。
また、特許文献1では、親局がブロードキャストフレーム周期を変更する際、変更後のブロードキャストフレーム周期のみを送出し、各子局がスリープ要求フレーム数とブロードキャストフレーム周期とから変更後のスリープフレーム数を算出してスリープフレーム数を更新することが記載されている。
また、特許文献2:日本国公開特許公報「特開2005−39632号公報(2005年2月10日公開)」には、親局(親機)が子局(子機)の識別情報および子局に割り当てる通信時間帯を含むビーコン信号を定期的に送信するとともに、接続要求のあった子局に子局の識別情報とビーコン送信までの時間を示す情報とを含む応答信号を送信し、それを受信した子局がビーコン信号送信までの間、電力消費レベルを低下させる技術が開示されている。
ところが、特許文献1および特許文献2の技術では、親局から送信される帯域割り当ての情報を含む信号(ブロードキャストフレームあるいはビーコン信号)を全ての子局が受信する必要がある。つまり、各子局は、帯域割り当ての情報を含む信号の送信周期ごとにパワーセーブ状態を解除して、当該信号を受信する必要がある。
一方、無線LAN(Local Area Network)におけるMAC層(Medium Access Control Layer)の規格として広く知られているIEEE802.11標準(ANSI/IEEE Std.802.11,1999 Edition)に対して、QoS(Quality of service)を実現するための追加仕様として、IEEE802.11e標準の策定が現在進められている。非特許文献1:IEEE P802.11e/D13.0,January 2005は、IEEE802.11委員会によって発行された該標準のドラフトである。このドラフトにおいては、パワーセーブ状態の管理方法としてS−APSD(Scheduled automatic power−save delivery)と呼ばれる方法が規定されている。
このS−APSDでは、各子局に対して帯域を割り当てるスケジュールが子局ごとに設定され、通知される。したがって、各子局は、このスケジュールに合わせてパワーセーブ状態を管理すればよく、特許文献1および2のように、全子局に対して同時に送信される帯域割り当ての情報を含む信号の送信周期毎に全ての子局がパワーセーブ状態を解除する必要がない。このため、S−APSDによれば、各子局がより効率的にパワーセーブを行うことができるようになっている。
ここで、上記ドラフトの規定に基づいて通信を行うネットワークの一例について説明する。
(ネットワークの構成)
IEEE802.11e標準においては、1つのQAP(親局)と複数のnon−AP QSTA(子局;以下、QSTAと称する)とにより1つのネットワークが構成される。図15は、IEEE802.11e標準が適用されるネットワークの1例を示す説明図である。この図に示す例では、1つのQAP(親局)801と2つのQSTA(子局)802,803とによってネットワークが構成されている。なお、この図では2つのQSTAが存在しているが、2つに限らずさらに多数のQSTAが存在しうる。
IEEE802.11e標準においては、1つのQAP(親局)と複数のnon−AP QSTA(子局;以下、QSTAと称する)とにより1つのネットワークが構成される。図15は、IEEE802.11e標準が適用されるネットワークの1例を示す説明図である。この図に示す例では、1つのQAP(親局)801と2つのQSTA(子局)802,803とによってネットワークが構成されている。なお、この図では2つのQSTAが存在しているが、2つに限らずさらに多数のQSTAが存在しうる。
図16は、QAP801およびQSTA802,803の概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、QAP801は、アプリケーション911、プロトコル制御部912、無線部914を備えている。
アプリケーション911は、図示しない記憶手段に格納されているアプリケーションプログラムを実行する手段である。プロトコル制御部912は、ネットワークにおける通信プロトコルを制御するものであり、帯域管理部913を備えている。帯域管理部913は、各QSTAへの帯域割り当てのスケジュールを決定するものである。無線部914は、各QSTAとの間で通信を行う手段であり、受信した電波信号をプロトコル制御部912が理解可能なフレームに変換してプロトコル制御部912に送り、プロトコル制御部912から送られてくるフレームを電波信号に変換して無線メディアを介してQSTAに送信する。
QSTA802,803は、アプリケーション921、プロトコル制御部922、パワーセーブ管理部923、無線部924を備えている。アプリケーション921および無線部924の機能は、QAP801におけるアプリケーション911および無線部914の機能と略同様である。プロトコル制御部922は、無線部924を介して受信するフレーム等に基づいて、QSTA802,803の動作を制御するものである。また、プロトコル制御部922は、パワーセーブ管理部923を備えている。パワーセーブ管理部923は、QSTA802,803における、パワーセーブ状態とAwake状態との切り替えを制御するものである。
(S−APSDのフレームシーケンス)
次に、このネットワークにおいてS−APSDを用いる場合の、QAP801からQSTA802,803へのデータの送信(down link伝送)、QSTAからQAPへのデータ伝送(up link)、QSTAからQSTAへのデータ伝送(direct link)の動作について説明する。
次に、このネットワークにおいてS−APSDを用いる場合の、QAP801からQSTA802,803へのデータの送信(down link伝送)、QSTAからQAPへのデータ伝送(up link)、QSTAからQSTAへのデータ伝送(direct link)の動作について説明する。
図17は、このネットワークにおいて通信されるフレームシーケンスの一例を示す説明図である。なお、図15におけるQSTA802,803のいずれかが、この図におけるQSTAに相当する。
(TXOPについて)
QSTAにおけるアプリケーション921は、データ伝送を開始することを決定すると、データ送信の開始をプロトコル制御部922に指示する。このとき、アプリケーション921は、該データ伝送に関するTSPECをプロトコル制御部922に通知する。TSPECとは伝送するデータ群の仕様を示す情報群であり、どのような頻度でどれくらいの長さのデータを送信する必要があるかという情報等が含まれる。TSPECで規定される一連のデータ群をストリームと呼ぶ。例えば、一つの動画像や音声のファイル等がストリームに相等する。TSPECにはそのストリームの伝送にS−APSDを使用するかどうかという情報も含まれている。
QSTAにおけるアプリケーション921は、データ伝送を開始することを決定すると、データ送信の開始をプロトコル制御部922に指示する。このとき、アプリケーション921は、該データ伝送に関するTSPECをプロトコル制御部922に通知する。TSPECとは伝送するデータ群の仕様を示す情報群であり、どのような頻度でどれくらいの長さのデータを送信する必要があるかという情報等が含まれる。TSPECで規定される一連のデータ群をストリームと呼ぶ。例えば、一つの動画像や音声のファイル等がストリームに相等する。TSPECにはそのストリームの伝送にS−APSDを使用するかどうかという情報も含まれている。
これを受けたプロトコル制御部922内のパワーセーブ管理部923は、そのデータの伝送にS−APSDを使用する必要があることを知る。また、データ送信の開始を指示されたプロトコル制御部922はADDTS requestフレーム1001を作成し、無線部924に送る。無線部924は、このフレームを電波信号に変換して無線メディアを介してQAP801に送信する。なお、このフレームにはTSPECが含まれている。これにより、QSTAがS−APSDを使用したい旨をQAP801に通知することができる。
QAP801における無線部914は、電波信号を受信したらそれをプロトコル制御部912が理解可能なフレームに変換して、プロトコル制御部912に送る。プロトコル制御部912内の帯域管理部913は、TSPECに基づいて各QSTAへの帯域割り当てのスケジュールを決定する。また、プロトコル制御部912はADDTS requestフレーム1001に対する応答として、ADDTS responseフレーム1002を作成し、無線部914に送る。このフレームにはTSPECが帯域管理部913において受け入れられて、そのストリーム対する帯域割り当てが承認された旨の情報と、S−APSD用のパラーメータとしてSST(Service Start Time)およびSI(Service Interval)と呼ばれる値が含まれている。無線部914はフレームを電波信号に変換して無線メディアに送信する。
SSTはSPの開始時刻を示し、SIはSPの発生間隔を示す。SPとは、QAP801からQSTAに対して1つ以上のフレームの送信および当該QSTAに1つ以上のpolled TXOPを付与する期間である。
その後、QAP801のプロトコル制御部912は、上記のようにQSTAに送信したSSTに応じたタイミングで、そのQSTAに対するフレームの送信を行う。つまり、そのQSTAに対して送信すべきデータフレームがある場合には、そのデータフレーム(図17ではデータフレーム1003,1004)を送信する。さらに、プロトコル制御部912は、QoS CF−Pollフレーム1005をQSTAに送信する。
QoS CF−Pollフレームは宛先のQSTAに送信権が付与される事を通知するフレームである。あるQSTAがQoS CF−Pollフレームによって送信権を付与される期間をpolled TXOP(transmission opportunity)のと呼ぶ。QoS CF−Pollフレームには、TXOP limitフィールドと呼ばれる値が含まれており、この値はQSTAに対して付与されるpolled TXOP期間の長さを示す。QoS CF−Pollフレームの送信タイミングと、TXOP limitの大きさはQAP801が自由に変更可能であり、これらを変更することでQAP801は各QSTAへの帯域割り当て量を調整することができる。
QoS CF−Pollフレームを受信したQSTAは、polled TXOP期間中に、データフレーム(図17ではデータフレーム1006,1007)の送信を行う。
なお、non−AP QSTAがストリームの送信を終了し、送信権の付与が不要となった場合は、ADDTS requestフレームと同様の手順で、DELTS requestフレームがnon−AP QSTAから送信され、その応答として、DELTS responseフレームが送信される(これらの各フレームについては図示していない)。
その後、QAP801における帯域管理部913は、上記のように決定した帯域割り当てのスケジュールに従って、データフレームおよびQoS CF−Pollフレームを周期的に送信する。つまり、SSTからSIが経過した時に、データフレーム1008,1009,QoS CF−Pollフレーム1010をそのQSTAに送信し、以降、SIの周期でデータフレームおよびQoS CF−Pollフレームを送信する。
(SP(Service Period)について)
QSTAにおけるプロトコル制御部922が、ADDTS responseフレーム1002を受信すると、パワーセーブ管理部923はADDTS responseフレーム1002に含まれるSSTおよびSIから自局のパワーセーブのスケジュールを決定する。
QSTAにおけるプロトコル制御部922が、ADDTS responseフレーム1002を受信すると、パワーセーブ管理部923はADDTS responseフレーム1002に含まれるSSTおよびSIから自局のパワーセーブのスケジュールを決定する。
QAP801はSSTになってからdown linkのデータ送信を開始するので、QSTAはSSTで示される時刻までは、パワーセーブ状態になっていても良い。IEEE802.11においては、TSFタイマと呼ばれる、ネットワークに所属する全てのQSTAおよびQAPにおいて同期しているタイマが設けられているので、QSTAとQAPの間でSSTを同期させることができる。TSFタイマはプロトコル制御部912,922で管理されており、帯域管理部913やパワーセーブ管理部923はこれを参照することができる。
QSTAにおけるパワーセーブ管理部923は、ADDTS responseフレーム1002を受信したらパワーセーブ状態に移行するように、QSTA全体を制御する。パワーセーブ状態とは、必要最小限の部分のみに電源を供給することでQSTA全体としての消費電力を低下させる状態である。QSTA実装方法によってどの部分に電源供給するかは異なるが、例えば、パワーセーブ管理部923だけに電源を供給することが考えられる。
QSTAにおけるパワーセーブ管理部923は、TSFタイマを監視し、SSTで示される時刻に達した時点でパワーセーブ状態からAwake状態に移行するように、QSTA全体を制御する。Awake状態は、QSTA全体(あるいは少なくとも送受信を可能とする部分)に電力が供給され、フレームの送受信等が可能な状態である。なお、QSTAの実装方法によっては、パワーセーブ状態からAwake状態に移行するまでにある程度の時間がかかる場合もあるが、そのような場合には、パワーセーブ管理部923がその時間も考慮して早めにAwake状態への移行処理を開始させる必要がある。
また、ここでは、QSTAはADDTS responseフレーム1002を受信してから、SSTになるまでの間はパワーセーブ状態に移行しているが、パワーセーブ状態に移行せず、例えば送受信の準備を行うなどしても良い。
一方、QAP801におけるプロトコル制御部912はTSFタイマがSSTで示される時間に達した時点でフレームの送信を開始する。なお、QAP801からQSTA宛にデータを送信するための送信要求が、アプリケーション911からプロトコル制御部912に対して事前に行なわれていたものとする。ここで想定しているのは、ストリームデータではなく、ネットワークの制御等の単発的なデータの送信要求である。
データフレームやQoS CF−PollフレームにはEOSP(end of service period)フィールドが含まれており、QAPがそのフレームの送信をもってSPを終了させるかどうかの情報が含まれている。EOSP=1となっている場合はSPの終了を示し、これを受信したQSTAのプロトコル制御部922は、QAP801はそれ以上フレームを送信しないと判断する。また、EOSP=0となっている場合はSPが継続する事を示し、これを受信したQSTAのプロトコル制御部922は、QAP801はフレームの送信を続けると判断する。
図17の例では、QAP801におけるプロトコル制御部912は、アプリケーション911から送信要求されたデータを、EOSP=0のデータフレーム1003,1004として、QSTA宛に送信している。
アプリケーション911から送信要求されたデータの送信が完了したら、プロトコル制御部912はEOSP=1のQoS CF−Pollフレーム1005をQSTA宛に送信する。
QSTAはこの時Awake状態となっているので、QoS CF−Pollフレーム1005を受信する事が可能である。QoS CF−Pollフレームには先に述べたようにTXOP limitが含まれており、QSTAにおけるプロトコル制御部922は自局に送信権が付与される期間を知ることができる。ここでは、事前にアプリケーション921から、ストリームのデータとして送信要求されたデータをデータフレーム1006,1007として送信している。このストリームデータの送信は、QAP801に対するup link伝送であってもよく、他のQSTAに対するdirect link伝送であってもよい。また、図17においては2つのデータフレーム1006,1007を送信しているが、TXOP limitの長さに従って任意の長さのデータフレームを任意の個数、連続的に送信可能である(ただし、プロトコルで定められた上限の長さおよび個数を超えてはならない)。TXOP limitで示される時間が経過したら、プロトコル制御部922はデータの送信を終了する。また、パワーセーブ管理部923は送信が終了した事を検出して、パワーセーブ状態に移行するように制御を行う。
その後、QSTAにおけるパワーセーブ管理部923はTSFタイマの監視を続け、SSTからSIが経過した時刻になったら、再びAwake状態に移行するように制御を行う。
一方、QAP801におけるプロトコル制御部912も同様にTSFタイマを監視しており、QSTAに対してADDTS responseフレーム1002で通知したSSTからSIが経過した時刻になったら再びデータフレームの送信を開始する。ここでは、先ほどと同様に、事前にアプリケーション911から送信要求されたデータを、EOSP=0のデータフレーム1008,1009として送信した後、EOSP=1のQoS CF−Pollフレーム1010を送信している。
QSTAはこの時Awake状態となっているので、データフレーム1008,1009およびQoS CF−Pollフレーム1005を受信する事が可能である。そして、QSTAのプロトコル制御部922は、QoS CF−Pollフレーム1010に含まれるTXOP limitの時間内で、事前にアプリケーション921から、ストリームのデータとして送信要求されたデータをデータフレーム1011,1012として送信する。
その後、図示はしていないが、SI間隔毎に同様の手順を繰り返す。なお、データ伝送の終了時の処理については説明を省略する。
(CP(Contention Period)について)
CP(Contention Period)は、QAP801が送信権を管理しない期間である。この期間中は、DCF(distributed coordination function)と呼ばれるアクセス方式を用いて、QSTAのプロトコル制御部922が個別にフレーム送信のタイミングを決定する。DCFでは、QSTAのプロトコル制御部922は無線部906を通じて無線メディアにフレームが送信されているかどうかを監視する。そして、どの局からもフレームが送信されない状態が所定の期間(DIFSと呼ばれる期間)継続したことを検出した場合は、バックオフタイマと呼ばれるダウンタイマの計時を開始する。バックオフタイマは、各QSTAにおいて、所定の範囲でランダムな値から開始されるダウンタイマである。このバックオフタイマが0となった時点で無線メディアがアイドルであれば(どの局からもフレームが送信されない状態が継続されていれば)、そのQSTAはデータの送信を開始することができる。すなわち、ランダムに決定された待ち時間が短い者がデータの送信権を得ることができる。
CP(Contention Period)は、QAP801が送信権を管理しない期間である。この期間中は、DCF(distributed coordination function)と呼ばれるアクセス方式を用いて、QSTAのプロトコル制御部922が個別にフレーム送信のタイミングを決定する。DCFでは、QSTAのプロトコル制御部922は無線部906を通じて無線メディアにフレームが送信されているかどうかを監視する。そして、どの局からもフレームが送信されない状態が所定の期間(DIFSと呼ばれる期間)継続したことを検出した場合は、バックオフタイマと呼ばれるダウンタイマの計時を開始する。バックオフタイマは、各QSTAにおいて、所定の範囲でランダムな値から開始されるダウンタイマである。このバックオフタイマが0となった時点で無線メディアがアイドルであれば(どの局からもフレームが送信されない状態が継続されていれば)、そのQSTAはデータの送信を開始することができる。すなわち、ランダムに決定された待ち時間が短い者がデータの送信権を得ることができる。
データの送信権を得たQSTAは1つのフレームを送信することができる。データの送信が終わったら、QSTAは無線メディアにフレームが送信されているかどうかを監視するフェイズに戻り、同様の事が繰り返される。
また、IEEE802.11eにおいては、DCFを拡張したEDCAF(enhanced distributed channel access function)と呼ばれるアクセス方式が用いられる。これは、バックオフタイマの大きさを送信するデータの種類によって変化させることにより、送信するデータの種類によって送信の優先度を調節するという仕組みと、データの送信権を得たQSTAが連続して複数のフレームを送信する仕組みを追加した方式である。DCFとEDCAFのどちらを用いてもよい。
(CPの必要性)
先に述べたように、QoS CF−Pollフレームは定期的に送信されるものであり、QoS CF−Pollフレームによる帯域割り当ては、基本的には動画像や音声等のストリーミング伝送(データを受信しながら再生する)のように比較的長い(または終わりの無い)データを分割して、周期的に伝送するためのものである。それに対して、ネットワーク管理のためのコマンドや、アプリケーション921から発行されるコマンド(動画の早送りのコマンドなど)等については、定期的に送信するものではなく、要求があった時に単発的に送信するものであるので、QoS CF−Pollフレームによる帯域割り当て方式には向いていない。このような単発的なデータを送信するために、CPが使用される。
先に述べたように、QoS CF−Pollフレームは定期的に送信されるものであり、QoS CF−Pollフレームによる帯域割り当ては、基本的には動画像や音声等のストリーミング伝送(データを受信しながら再生する)のように比較的長い(または終わりの無い)データを分割して、周期的に伝送するためのものである。それに対して、ネットワーク管理のためのコマンドや、アプリケーション921から発行されるコマンド(動画の早送りのコマンドなど)等については、定期的に送信するものではなく、要求があった時に単発的に送信するものであるので、QoS CF−Pollフレームによる帯域割り当て方式には向いていない。このような単発的なデータを送信するために、CPが使用される。
なお、CPをどの程度設けるかは、各QSTAからの帯域割り当ての要求を鑑みてQAP801における帯域管理部913が決定する。例えばネットワーク全体として、単発的に送信されるデータ少ない場合はCPを減らしてpolled TXOPを増やす、逆に、単発的に送信されるデータが多い場合はCPを長くして、polled TXOPを減らすとういうような調整をすることができる。
ただし、CPを全く設けずに、polled TXOPだけを連続的に付与すると、ネットワーク管理のためのコマンド等が送信できなくなってしまう。例えばQSTAがネットワークに新規に参加する際のコマンドもCPにおいて送信されるので、CPを全く設けない場合にはQSTAがネットワークに参加できなくなってしまう。このため、CPはある程度の周期で設ける必要がある。
(スケジュール周期とパワーセーブ)
従来の一般的な実装においては、QAP801の帯域管理部913が、帯域割り当ての単位となるスケジュールの周期(スケジュール周期と呼ぶ)を決定し、さらに、その周期内でどのような割合で各QSTAにpolled TXOPを付与するかを決定し、このスケジュール周期(単位期間)を繰り返す。これを長期的に見れば、各QSTAに付与される帯域の割合が決定されることになる。また、polled TXOPを付与するためにQAP801がQSTAに対してQoS CF−Pollフレームを送信する時点においては、QSTAはAwake状態となっている必要がある。
従来の一般的な実装においては、QAP801の帯域管理部913が、帯域割り当ての単位となるスケジュールの周期(スケジュール周期と呼ぶ)を決定し、さらに、その周期内でどのような割合で各QSTAにpolled TXOPを付与するかを決定し、このスケジュール周期(単位期間)を繰り返す。これを長期的に見れば、各QSTAに付与される帯域の割合が決定されることになる。また、polled TXOPを付与するためにQAP801がQSTAに対してQoS CF−Pollフレームを送信する時点においては、QSTAはAwake状態となっている必要がある。
これらの関係について図18を参照しながら説明する。なお、ここでは、QAP801(以降、簡略化のために単にQAPと称する)が、3つのQSTA(QSTA1,QSTA2,QSTA3)に対して送信権を付与する場合の例について説明する。また、この図においては、ADDTS requestとADDTS responseのシーケンスはすでに完了しているものとする。つまり、QAPは、ADDTS requestフレームによって各QSTAの送信データの伝送レートなどの情報を通知され、それを元にスケジュールを既に決定しているものとする。ここでは、QSTA1が最も送信データの伝送レートが高く、QSTA3が最も送信データの伝送レートが低いものとする。また、ADDTS requestフレームはQSTA1、QSTA2、QSTA3の順序で送信されたものとする。
また、この図において、QAP、QSTAの時間軸の上側の四角は、その局からフレームが送信される期間を示す。P1、P2、P3という四角はそれぞれ、QAPからQSTA1宛、QSTA2宛、QSTA3宛のQoS CF−Pollフレームが送信される期間を示す。また、データという四角は、QSTAからup linkまたはdirect linkで、1つ以上のデータフレームが送信される事を示している。また、QSTA1〜QSTA3の時間軸の下に示されている斜線の入った四角はそのQSTAがAwake状態となっている期間を示す。
最上段のスケジュールという列はQAPが設定した送信権付与のスケジュールを示し、この段におけるQSTA1、QSTA2、QSTA3という四角はそのQSTAに送信権を付与する予定の期間である事を示す。すなわち、この期間はQSTA宛のQoS CF−Pollフレームの送信期間とそのQSTAに付与されるpolled TXOPを含んでいる。実際にはQoS CF−Pollフレームの送信期間はpolled TXOPの長さに比べて非常に小さいので、送信権が付与される期間は、polled TXOPとほぼ同じ長さであると考えてよい。図においては表記の都合上QoS CF−Pollフレームの送信期間が比較的大きくなっている。CPという四角はContention Periodを設ける予定の期間である事を示す。
まず、QAPはADDTS requestフレームを受信すると、スケジュール周期を決定する。この値は、どのような大きさでも良い。次に、QAPは受信したADDTS requestフレームの情報を元に、各QSTAに対して、どのような頻度でどの程度の期間のpolled TXOPを付与する必要があるか、という帯域割り当てのスケジュールを決定する。図18の例では、QSTA1に対しては1回のスケジュール周期ごとにスケジュール周期の3割程度の期間、QSTA2に対しては2回のスケジュール周期ごとにスケジュール周期の3割程度の期間、QSTA3に対しては3回のスケジュール周期ごとにスケジュール周期の3割程度の期間、のpolled TXOPをそれぞれ付与する必要があると判断された場合を示している。
さらに、QAPは帯域割り当てのスケジュールを元にして、SSTおよびSIを決定する。なお、polled TXOPを付与する時には、QSTAにQoS CF−Pollを受信させる必要がある。このため、各QSTAは、polled TXOPを付与されるとき、すなわちQoS CF−Pollを受信しようとするときにはAwake状態である必要がある。
QSTA1に対しては、スケジュール周期ごとにpolled TXOPを付与するので、SIはスケジュール周期と同じ長さにすればよい(SI1)。また、この時点では、他の局からのADDDTS requestは受信しておらず、他のpolled TXOPを付与する予定が無いので、QSTA1へのpolled TXOPはスケジュール周期の先頭とし、SSTはスケジュール周期の始点に合わせた時刻とする(SST1)。
QSTA2に対しては、2度のスケジュール周期ごとにpolled TXOPを付与するので、SIはスケジュール周期の2倍の長さにすればよい(SI2)。また、すでにQSTA1のためのpolled TXOPの付与が予定されているので、QSTA2へのpolled TXOPはQSTA1へのpolled TXOPの後にする。よって、QSTA2のSSTは、スケジュール周期の始点時刻にQSTA1へのQoS CF−Pollフレームの送信期間とpolled TXOPの長さとを加算した時刻とする(SST2)。
QSTA3に対しては、3度のスケジュール周期ごとにpolled TXOPを付与するので、SIはスケジュール周期の3倍の長さにすればよい(SI3)。また、すでにQSTA1およびQSTA2のためのpolled TXOPの付与が予定されているので、QSTA3へのpolled TXOPはQSTA2へのpolled TXOPの後にする。よって、QSTA3のSSTは、スケジュール周期の始点時刻にQSTA1へのQoS CF−Pollフレームの送信期間およびpolled TXOPの長さと、QSTA2へのQoS CF−Pollフレームの送信期間およびpolled TXOPの長さとを加算した時刻とする(SST3)。
ADDTS requestへの応答として、QAPはADDTS responseフレームを送信し、上記で決定したSSTおよびSIをQSTAに通知する。
なお、図18においては、説明の簡単化のため、スケジュール周期中の各QSTAに対するpolled TXOPの長さは同じにしているが、これは異なる長さになる場合もある。
(S−APSDを用いた場合のネットワーク全体の動作)
S−APSDを用いた場合のネットワークの全体的な動作について図19を参照しながら説明する。図19における図の表記方法は図18と略同様である。ただし、「他のQSTA」という軸は、QSTA1およびQSTA2以外のQSTAを示す。したがって、「他のQSTA」の時間軸の上側の四角は、QSTA1およびQSTA2以外のQSTAからフレームが送信される期間を示す。
S−APSDを用いた場合のネットワークの全体的な動作について図19を参照しながら説明する。図19における図の表記方法は図18と略同様である。ただし、「他のQSTA」という軸は、QSTA1およびQSTA2以外のQSTAを示す。したがって、「他のQSTA」の時間軸の上側の四角は、QSTA1およびQSTA2以外のQSTAからフレームが送信される期間を示す。
最上段のスケジュールという列はQAPにおける送信権付与のスケジュールを示し、この段におけるQSTA1およびQSTA2という四角はそのQSTAに送信権を付与する予定の期間である事を示す。CPという四角はContentionPeriodを設ける予定の期間である事を示す。
図19は、QSTA1およびQSTA2に、帯域の4割程度(スケジュール周期うち4割程度の期間)のpolled TXOPをそれぞれ付与し、残りの2割程度の期間をCPに使用している例である。つまり、スケジュール周期の4割程度の長さのpolled TXOPをQSTA1へ付与し、その後、それと同じ長さのpolled TXOPをQSTA2に付与している。さらに、残った2割程度の期間はCPに割り当てている。このようなスケジュール周期が長期的に繰り返される。なお、スケジュール周期は8ms程度を想定している。
図19におけるフレーム送信の流れについて述べる。この図において、ADDTS requestとADDTS responseのシーケンスはすでに完了しているものとする。ADDTS responseフレームにてQAPはQSTA1に対して、SSTとして、QSTA1に最初にQoS CF−Pollを送信する予定の時間であるSST1を通知し、SIとしては、スケジュール周期と同じ長さのSIを通知しているものとする。同様にQSTA2に対しては、SSTとしてSST2を、SIとしてはQSTA1と同じ長さのSIを通知しているものとする。
QAPはSST1の時間になったらQSTA1宛にQoS CF−Pollフレーム1201を送信する。このフレームには、予め決定しておいたスケジュールに従ったTXOP limitを指定する、また、QAPは他のフレームを送信する予定はないので、EOSP=1を指定する。なお、ここでは、簡単のために、down linkのデータは送信しない例としているが、QoS CF−Pollフレーム1201の送信前にdown linkのデータを送信してもよい。
QSTA1は先にADDTS responseにて、SST1を通知されているので、このときにはAwake状態となっている。QSTA1はQoS CF−Pollフレーム1201を受信するとデータフレーム1202を送信する。先に述べた通りここでは1つ以上のデータフレームが送信される。QoS CF−Pollフレーム1201で通知されたTXOP limitが経過するとQSTA1はデータ送信を終了する。そして、QoS CF−Pollフレーム1201ではEOSP=1が指定されているので、QSTA1はこれ以上自局宛のデータが送信されることがないと判断し、パワーセーブ状態に移行する。
QoS CF−Pollフレーム1201を送信してから、指定したTXOP limitが経過したら、QAPはQSTA2宛にQoS CF−Pollフレーム1203を送信する。これは、SST2としてQSTA2に通知した時間と同じになる。このフレームには、予め決定しておいたスケジュールに従ったTXOP limitを指定する、また、QAPは他のフレームを送信する予定はないので、EOSP=1を指定する。なお、簡単のため、down linkのデータは送信しない例としているが、QoS CF−Pollフレーム1203の送信前にdown linkのデータを送信してもよい。
QSTA2は先にADDTS responseにて、SST2を通知されているので、このときにはAwake状態となっている。QSTA2はQoS CF−Pollフレーム1203を受信するとデータフレーム1204を送信する。先に述べた通りここでは1つ以上のデータフレームが送信される。QoS CF−Pollフレーム1203で通知されたTXOP limitが経過するとQSTA2はデータ送信を終了する。そして、QoS CF−Pollフレーム1203ではEOSP=1が指定されているので、QSTA2はこれ以上自局宛のデータが送信されることがないと判断し、パワーセーブ状態に移行する。
その後はCPとなることがスケジュールとして決定されているので、QAPは何も送信しない。また、QSTA1およびQSTA2はCPではデータを送信しないものとし、他のQSTAがDCF方式でデータフレーム1205を送信する。このCPにおいては、各QSTAが、必要に応じて、1つ以上のデータフレームを送信できる(送信する必要がなければ何も送信しなくてもよい)。
CPの終了予定時間になったら、QAPは再びQSTA1に対してQoS CF−Pollフレーム1206を送信する。これは、前にQSTA1に対してQoS CF−Pollフレーム1201を送信してからSIが経過した時間であり、SST1からSIが経過した時間となる。このとき、QSTA1はAwake状態となっている。QoS CF−Pollフレーム1206を受信したQSTA1がデータフレーム1207を送信して、パワーセーブ状態に移行する流れは、QoS CF−Pollフレーム1201を受信した場合と同様である。
QoS CF−Pollフレーム1206を送信してから、指定したTXOP limitが経過したら、QAPはQSTA2宛にQoS CF−Pollフレーム1208を送信する。これは、前にQSTA2に対してQoS CF−Pollフレーム1203を送信してからSIが経過した時間であり、SST2からSIが経過した時間となる。このとき、QSTA2はAwake状態となっている。QoS CF−Pollフレーム1208を受信したQSTA2がデータフレーム1209を送信して、パワーセーブ状態に移行する流れは、QoS CF−Pollフレーム1203を受信した場合と同様である。
その後はCPとなることがスケジュールとして決定されているので、QAPは何も送信しない。また、QSTA1およびQSTA2はCPではデータを送信ないものとし、他のQSTAが必要に応じてDCF方式でデータフレーム1210を送信できる。先に述べた通り、ここでは各QSTAは、必要に応じて1つ以上のデータフレームを送信できる。
以上のような手順が繰り返されることになり、各QSTAは自局にpolled TXOPが付与されるタイミングでのみAwake状態となり、効率的にパワーセーブが機能する。
なお、ここでは、スケジュール周期中に、1つのQSTAにpolled TXOPが付与されるのは1度だけになっているが、これは複数でも良い。例えば、QSTA2へのpolled TXOPの後でQSTA1へのpolled TXOPを再度スケジュールさしてもよい。ただし、そのような場合は、QSTA1は自局がpolled TXOPが付与されない期間(QSTA2のpolled TXOPの期間)までAwake状態になってしまう場合があり、その場合にはパワーセーブの効率が悪くなる。
しかしながら、上記従来技術では、CPが当初の予定スケジュールにおいて設定された期間よりも延長された場合に、その後のスケジュールが当初予定していたスケジュールとずれてしまうため、QSTAにおけるパワーセーブの効率が低下してしまうという問題がある。
CPが当初の予定よりも延長されてしまうケースとしては、例えば以下に示す3つのケースが考えられる。
(第1のケース)
第1のケースは、スケジュール周期の最後に設けられたCPが延長される場合である。図20を参照しながらこの第1のケースについて詳しく説明する。なお、図の表記方法や略称などは背景技術にて説明した図18および図19と同様である。また、この図においては、ADDTS requestとADDTS responseのシーケンスはすでに完了しているものとする。
第1のケースは、スケジュール周期の最後に設けられたCPが延長される場合である。図20を参照しながらこの第1のケースについて詳しく説明する。なお、図の表記方法や略称などは背景技術にて説明した図18および図19と同様である。また、この図においては、ADDTS requestとADDTS responseのシーケンスはすでに完了しているものとする。
この図に示す例では、QAPが、ADDTS requestフレームに基づいて、QSTA1およびQSTA2に対して、それぞれ帯域の4割程度を送信権付与期間として付与し、残りの2割程度をCPとして使用するスケジュール周期を繰り返す予定スケジュールを設定している。
そして、QAPは、このように設定した予定スケジュールに基づくSSTおよびSIを、ADDTS responseフレームにおいて各QSTAに通知している。つまり、QAPは、QSTA1に対して、Service Start Timeとして、QSTA1に最初にQoS CF−Pollを送信する予定の時間であるSST1を通知し、Service Intervalとしては、SIを通知している。同様にQSTA2に対しては、Service Start TimeとしてSST2を、Service IntervalとしてはQSTA1と同じくSIを通知している。なお、ここでは、説明の簡略化のためQSTA1とQSTA2とのService Intervalは同一としている。
QSTA1およびQSTA2に対してpolled TXOPが付与される流れは背景技術にて説明した例と同様であるのでここでは説明を省略する。
QSTA2へのpolled TXOPが終了した後は、CPとなることが予定スケジュールとして決定されているので、QAPは何も送信しない。また、QSTA1およびQSTA2はCPではデータを送信しないものとし、他のQSTAがDCF方式でデータを送信する。
ここで、CPの終了後、QAPはQoS CF−Pollフレームを送信して、polled TXOPを付与するが、QAPが予定スケジュールにおいて予定していた期間よりも、CPが延長されてしまう場合がある。
先に述べた通り、CPにおいては、全QSTAは無線メディアにフレームが送信されているかどうかを監視し、どの局からもフレームが送信されない状態がDIFSと呼ばれる期間継続したことを検出したQSTAが、バックオフタイマと呼ばれるダウンタイマの計時を開始し、バックオフタイマが0になったQSTAがフレーム送信を開始できるというDCF方式でのフレーム送信が可能である。これに対して、QAPは、ネットワーク全体の管理局であるので、DCF方式でフレームを送信するQSTAよりも、優先的にフレームを送信できる。具体的には、QAPは無線メディアにフレームが送信されているかどうかを監視し、どの局からもフレームが送信されない状態がDIFSより短いPIFSと呼ばれる期間継続したことを検出した時点でフレーム送信を開始できる。すなわち、QSTAがDCF方式でフレームを送信するより先にQoS CF−Pollを送信してpolled TXOPを開始させることで、CPを終了させることが可能であり、自局が決定したスケジュールに従ってネットワーク全体の帯域割り当ての管理を行うことができる。
しかし、QAPがCPを終了させる予定だった時間の間際に、DCF方式で送信権を得たQSTAが、長いフレームを送信した場合はそのフレーム送信が終了するまでは、QAPはQoS CF−Pollフレームを送信することができず、結果として、予定よりも遅い時間にQoS CF−Pollフレームを送信することになってしまう。これは、言い換えれば、QAPにおける帯域割り当てのスケジュールにおいて、CPが延長されたという事になる。
つまり、図20においては、QSTA2がデータフレーム1304の送信を終了した後でCPが設けられており、他のQSTAはこのCPにおいてデータフレーム1305の送信を開始する。そして、データフレーム1305の送信により、QAPが予定していたCPよりも長い期間無線メディアが占有されている。つまり、予定されていた期間に比べてEX1で示される時間だけCPが延長されたことになる。
その後、QAPは再びスケジュール周期の最初から、スケジュールされていた通りにpolled TXOPを付与するためにQoS CF−Pollフレームを送信してゆく。一方、QSTAにおいては、QAPからは何の新たな指定も無いので、すでに通知されたSSTとSIからAwakeになるタイミングを決定する。
QSTA1は、データフレーム1302を送信した後でパワーセーブ状態となって、その後SST1からSIが経過した時刻でAwake状態となる。この時刻は、QAPが元々QoS CF−PollフレームをQSTA1宛に送信する予定であった時刻であるが、実際にはCPが延長されているので、QoS CF−Pollフレームは送信されず、QSTA1がAwake状態になった後EX1が経過してからQoS CF−Pollフレーム1306が送信される。
同様に、QSTA2は、データフレーム1304を送信した後でパワーセーブ状態となって、その後SST2からSIが経過した時刻でAwake状態となるが、この時刻では、QoS CF−Pollフレームは送信されず、QSTA2がAwake状態になった後EX1が経過してからQoS CF−Pollフレーム1308が送信される。
すなわち、QSTA1およびQSTA2にとってみれば、必要の無い期間までAwake状態となってしまう事になる。
その後もこのスケジュールの遅れは解消されないので、QSTA1およびQSTA2はSIごとに毎回EX1の期間だけ無駄にAwake状態となってしまうことになる。
さらに、図20の例では、その後、QSTA2によるデータフレーム1314の送信後に設けられたCPにおいても、他のQSTAがデータフレーム1315を送信することにより、CPがEX2の長さだけ延長されている。
これにより、実際のスケジュールは、予定スケジュールと比べて、EX1にEX2を加えた期間の遅れが発生してしまい、結果的にQSTA1とQSTA2とはEX1とEX2とを加算した分だけ不要にAwake状態となってしまう。
また、図20の例では、QSTA1においては、Awake状態となってEX1とEX2とを加算した期間が経過した後で、QoS CF−Pollフレーム1316が受信され、データフレーム1317を送信しているが、この場合、データフレーム1317の送信が完了した時点では、次のSPがすでに開始されてしまっているので、QoS CF−Poll1316で受信したEOSPフィールドは無効となり、QSTA1はパワーセーブ状態に移行する事ができない。その後も同様の状態となるため、QSTA1およびQSTA2は全くパワーセーブ状態に移行できなくなってしまう。
(第2のケース)
第2のケースは、polled TXOPが予定よりも早く返却された場合にCPが発生し、そのCPが延長される場合である。
第2のケースは、polled TXOPが予定よりも早く返却された場合にCPが発生し、そのCPが延長される場合である。
図21を参照しながらこの第2のケースについて詳しく説明する。なお、図の表記方法や略称などは背景技術にて説明した図18および図19と同様である。また、この図では、他のQSTAの動作については記載を省略している。また、この図において、ADDTS requestとADDTS responseのシーケンスはすでに完了しているものとする。
この図に示す例では、QAPが、ADDTS requestフレームに基づいて、QSTA1およびQSTA2に対して、それぞれ帯域の3割程度を送信権付与期間として付与し、残りの4割程度をCPとして使用するスケジュール周期を繰り返す予定スケジュールを設定している。つまり、スケジュール周期の3割程度の長さのpolled TXOPをQSTA1へ付与し、その後、同じ長さのpolled TXOPをQSTA2に付与している。さらに、残った期間はCPに割り当てている。
そして、QAPは、このように設定した予定スケジュールに基づくSSTおよびSIを、ADDTS responseフレームにおいて各QSTAに通知している。つまり、QAPは、QSTA1に対して、Service Start Timeとして、QSTA1に最初にQoS CF−Pollを送信する予定の時間であるSST1を通知し、Service Intervalとしては、SIを通知している。同様にQSTA2に対しては、Service Start TimeとしてSST2を、Service IntervalとしてはQSTA1と同じくSIを通知している。なお、ここでは、説明の簡略化のためQSTA1とQSTA2とのService Intervalは同一としている。
図21においてはQoS CF−Pollフレーム1405が送信される部分以降に特徴があるので、その部分のみを説明する。
QoS CF−Poll1405には、TXOP limitが含まれており、QSTA1は自局に付与されるpolled TXOPの長さを知る事ができる。そして、QSTA1は、QoS CF−Poll1405を受信した後にデータフレーム1406の送信を開始するが、付与されたpolled TXOPの期間を使い切る前に、送信するべきデータが無くなる場合がある。この場合には、QSTA1がQAPに所定のフレームを送信することにより、QAPに対して送信権を返却し、polled TXOPを終了させることができる。なお、送信権を返却するために送信可能なフレームは、IEEE802.11eの仕様においては、複数種類のフレームが定義されているが本明細書では送信権を返却するためのフレームを総称してTXOP返却フレームと呼ぶ。
図21においては、データフレーム1406の送信の途中でQSTA1はTXOP返却フレームを送信して、途中でpolled TXOPを終了している。ここで、polled TXOPを返却されたQAPはスケジュールの順序通りにQSTA2にQoS CF−Pollフレームを送信したいところだが、この時点では予定スケジュールにおけるQSTA2へのQoS CF−Pollフレームの送信時刻になっておらず、QSTA2はパワーセーブ状態になっている。このため、QAPがQoS CF−Pollフレームを送信してもQSTA2には受信されず、QSTA2のpolled TXOPを開始することができない。したがって、QAPはここでCPを設ける事になる。
第1のケースでも述べた通り、CPは延長される場合がある。図21ではQSTA2へのpolled TXOPの予定時間を越えてCPが延長されてしまっている。結果として、その後のQAPにおける帯域割り当てのスケジュールは、QSTA2へのpolled TXOPの予定時間を越えてCPが延長された長さ(図ではEX)だけずれてしまう。
CPの終了後、QAPは予定スケジュールの順序通りにpolled TXOPを付与するためにQoS CF−Pollフレームの送信を再開する。一方、QSTAにおいては、QAPからは何の新たな指定も無いので、すでに通知されたSSTとSIからAwakeになるタイミングを決定する。
したがって、第1のケースと同様に、QSTA1およびQSTA2はSIごとに毎回EXの期間だけ無駄にAwake状態となってしまうことになる。なお、CPの延長が再び発生すると、スケジュールの遅れが累積して行く事も第1のケースと同様である。
(第3のケース)
第3のケースは、SIの異なるストリームを各QSTAに送信する場合に、各QSTAのpolled TXOPの間にCPが発生し、そのCPが延長される場合である。
第3のケースは、SIの異なるストリームを各QSTAに送信する場合に、各QSTAのpolled TXOPの間にCPが発生し、そのCPが延長される場合である。
図22を参照しながらこの第3のケースについて詳しく説明する。なお、図の表記方法や略称などは背景技術にて説明した図18および図19と同様である。また、この図では、他のQSTAの動作については記載を省略している。また、この図において、ADDTS requestとADDTS responseのシーケンスはすでに完了しているものとする。
この図に示す例では、QAPが、ADDTS requestフレームに基づいて、QSTA1に対してはスケジュール周期ごとにスケジュール周期の2割程度の期間のpolled TXOPを、QSTA2に対しては2回のスケジュール周期ごとにスケジュール周期の2割程度の期間のpolled TXOPを、QSTA3に対しては3回のスケジュール周期ごとにスケジュール周期の2割程度の期間のpolled TXOPをそれぞれ付与し、各スケジュール周期における残りの期間をCPとして使用するスケジュール周期を繰り返す予定スケジュールを設定している。
なお、QSTA1のService Intervalはスケジュール周期と同じ長さであり(SI1)、QSTA1へのpolled TXOPはスケジュール周期の先頭に配置され、Service Start Timeはスケジュール周期の始点に合わせた時刻である(SST1)。また、QSTA2のService Intervalはスケジュール周期の2倍の長さであり(SI2)、QSTA2へのpolled TXOPはQSTA1へのpolled TXOPの後に配置され、Service Start Timeはスケジュール周期の始点時刻にQSTA1へのpolled TXOPの長さとQAPからQSTA1へのDown link伝送の期間(QoS CF−Pollフレームの送信期間を含む)とを加算した時刻である(SST2)。QSTA3については、Service Intervalはスケジュール周期の3倍の長さであり(SI3)、QSTA3へのpolled TXOPはQSTA2へのpolled TXOPの後に配置され、Service Start Timeは、スケジュール周期の始点時刻にQSTA1およびQSTA2へのpolled TXOPの長さと、QAPからQSTA1およびQSTA2へのDown link伝送の期間(QoS CF−Pollフレームの送信期間を含む)とを加算した時刻である(SST3)。
このような帯域割り当ての予定スケジュールである場合、スケジュール周期によっては、polled TXOPを付与する必要の無いQSTAが生じる。その場合には、空いた時間にはCPを設けることになる。
例えば、スケジュール周期2においては、QSTA2とQSTA3とのpolled TXOPが不要なので、QSTA1へのpolled TXOPが終了した後は全てCPとしている。また、スケジュール周期3においては、QSTA3のpolled TXOPが不要なので、QSTA1とQSTA2とへのpolled TXOPが終了した後は全てCPとしている。
問題となるのはスケジュール周期4のような場合である。スケジュール周期1においては、QSTA3にはQSTA1とQSTA2とへのpolled TXOPを付与した後で、polled TXOPを付与するというスケジュールなので、それに合わせたSST3を通知している。そして、再びQSTA3にpolled TXOPを付与するのは3つ後のスケジュール周期となるので、SI3としてはスケジュール周期の3倍の長さを通知している。スケジュール周期4においては、QSTA1とQSTA3とへのpolled TXOPを設ける必要があるが、QSTA1へのpolled TXOPが終了した直後はQSTA3はAwake状態となっておらず、QSTA3へのQoS CF−Pollを送信する事ができない。したがって、QAPは、QSTA1へのpolled TXOPとQSTA3とへのpolled TXOPの間にCPを設ける事になる。図22においては、スケジュール周期4において、QSTA1がQoS CF−Pollフレーム1513を受信、データフレーム1514を送信した後がCPとなっている。ところが、このCPの終了間際に長いフレームが他のQSTAから送信され、CPがEXで示される時間だけ延長されている。このため、QSTA3はQoS CF−Pollフレームが送信される事を期待して、SST3からSI3が経過した時点でAwake状態となっているが、実際にQoS CF−Pollフレーム815が送信されるのは、Awake状態となってからEXの時間が経過した後という事になる。
その後、QSTA3はSI3ごとに毎回EXの期間だけ無駄にAwake状態となってしまうことになり、パワーセーブの効率が低下する。
さらに、その後のQSTA1へのQoS CF−Pollフレーム1517や、QSTA2へのQoS CF−Pollフレーム1519も遅れることになり、QSTA1〜QSTA3の全てにおいてパワーセーブの効率が低下することになる。なお、CPの延長が再び発生すると、スケジュールの遅れが累積して行くことは第1のケースおよび第2のケースと同様である。
なお、CPの延長が発生した場合だけでなく、無線区間においてノイズが発生した場合にもスケジュールの遅延は発生し得るため、その場合にもスケジュールの遅延が発生する。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、親局が子局に送信権を付与するスケジュールの遅延が生じることによって起こるパワーセーブ効率の低下を防止または軽減することにある。
上記の課題を解決するために、親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置において、上記自局あるいは子局に対する送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出手段と、上記遅延検出手段が上記遅延を検出したときに、上記第2の通信方法を用いる期間が上記スケジュールで設定した期間よりも短縮あるいは省略されるように制御するタイミング制御手段と、を備える。
上記の構成によれば、子局に対する送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したときに、第2の通信方法を用いる期間が短縮または省略されるように制御する。これにより、子局に対する送信権付与の開始時刻を上記スケジュールに同期あるいは近づけることができる。このため、例えば、子局が上記親局から通知されるSST,SIに基づいてパワーセーブ(電力消費レベルを低下させる制御)を行う場合に、子局に対する実際の送信権付与の開始時刻を子局のパワーセーブのスケジュールに同期または近づけることができる。したがって、第2の通信方法を用いる期間が上記スケジュールにおいて設定された期間よりも延長された場合であっても、子局におけるパワーセーブの効率が低下することを軽減できる。
また、上記の課題を解決するために、親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置において、上記自局あるいは子局に対する送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出手段を備え、上記スケジュール設定手段は、上記遅延検出手段が上記遅延を検出したときに、上記スケジュールを再設定し、上記再設定したスケジュールに基づくSSTおよびSIを、送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延した子局に対して通知する。
上記の構成によれば、子局に対する送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したときに、その後のスケジュールが再設定される。そして、再設定されたスケジュールに基づいて、SSI,SIが送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延した子局に対して通知される。これにより、子局が認識する送信権付与の開始時刻と、子局に対して実際に送信権付与される開始時刻とを同期させることができる。このため、例えば、子局が上記親局から通知されるSSI,SIに基づいてパワーセーブを行う場合に、子局に対して実際に送信権付与される開始時刻を子局のパワーセーブのスケジュールに同期させることができる。したがって、第2の通信方法を用いる期間が上記スケジュールにおいて設定された期間よりも延長された場合であっても、子局におけるパワーセーブの効率が低下することを軽減できる。
さらに、上記の課題を解決するために、親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置において、上記スケジュール設定手段は、一定の長さのスケジュール周期を定め、連続する複数の上記スケジュール周期を1つのグループとしてこのグループを周期的に繰り返すように上記スケジュールを設定し、かつ、上記スケジュール周期の開始時刻から、上記スケジュール周期での最初の送信権付与信号の送信が完了するまでの間の時刻を、当該スケジュール周期中に送信権を付与する全子局に対して上記SSTとして通知し、上記各子局のうちのいずれかの子局から、上記スケジュールでのSPの終了時刻よりも早く送信権を返却された場合に、当該スケジュール周期での送信権が返却されたことを検出した時点以降の送信権付与の開始時刻を、上記スケジュールよりも繰り上げるように制御する。
上記の構成によれば、各子局は、各スケジュール周期の開始時刻から、当該各スケジュール周期での最初の送信権付与信号の送信が完了するまでの間に、自局に対して送信権付与信号が送信されるものと認識する。このため、例えば、子局が親局から通知されるSST,SIに基づいてパワーセーブを行う場合、各子局は、送信権付与を行うスケジュール周期の開始時刻またはそれよりもわずかに遅れた時刻に、パワーセーブ状態を解除してAwake状態に移行することになる。したがって、例えば、送信権付与されたいずれかの子局が、予定よりも早く送信権を親局に返却した場合であっても、上述の送信権の返却が行なわれた時点で他の子局はAwake状態になっている。このため、送信権が予定よりも早く返却された場合に、送信権が返却されたことを検出した時点以降に送信権を付与する予定の子局に対して、予定の時刻を繰り上げて送信権を付与するための信号を送信し、子局に受信させることができる。
これにより、予定よりも早く送信権が返却された場合に、次の子局に対して送信権を付与するまでの期間に、上記第2の通信方法を用いざるを得ない状況を回避することができる。したがって、予定外に上記第2の通信方法を用いた期間が設定され、当初のスケジュールにおいて設定された期間が延長されて、送信権が返却されたことを検出した時点以降の送信権の付与タイミングが上記スケジュールに対して遅延することを防止できる。すなわち、第2の通信方法を用いる期間が延長されることによってパワーセーブ効率が低下することを防止できる。
また、上記の課題を解決するために、親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークであって、上記子局は、上記親局および他の子局から信号が送信されていない状態が所定期間以上継続したことを検出した場合に、上記第2の通信方法の使用を開始するネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置において、上記各子局のうちのいずれかの子局から、上記スケジュールでのSPの終了時刻よりも早く送信権を返却された場合に、上記送信権を返却されてから、次に送信権を付与する予定の時刻まで、全子局に対して、上記第2の通信方法の使用を禁止させるための手段を備えている。
例えば、子局が親局から通知されるSST,SIに基づいてパワーセーブを行う場合であって、送信権を付与されたいずれかの子局が、予定よりも早く送信権を返却した場合には、その時点では、次に送信権を付与する予定の子局がパワーセーブ状態になっている場合がある。その場合は、親局が、次に送信権を付与する予定の子局に対して送信権を付与しようとしても、その子局は親局からの信号を受信できない。このような場合、通常、当該子局に送信権を付与する予定の時刻になるまで、親局はネットワークに何の信号も送信しない。そして、ネットワークに何も送信されない期間が所定期間以上継続すると、上記第2の通信方法を用いることができる期間が予定外に設けられることになる。
これに対して、上記の構成によれば、送信権を付与されたいずれかの子局が、予定よりも早く送信権を返却した場合に、上記第2の通信方法の使用を禁止させるための手段が、親局に送信権が返却された後、上記スケジュールにおいて次の子局に対して送信権を付与する時刻まで、上記第2の通信方法を用いることができないようにする。
これにより、予定よりも早く送信権が返却された場合に、次の子局に対して送信権を付与する予定の時刻までに、上記第2の通信方法が用いられることを回避することができる。したがって、予定外に上記第2の通信方法を用いた期間が設けられ、当初のスケジュールにおいて設定された期間が延長されて、送信権が返却されたことを検出した時点以降の送信権の付与タイミングが上記スケジュールに対して遅延することを防止できる。すなわち、第2の通信方法を用いる期間が延長されることによってパワーセーブ効率が低下することを防止できる。
さらに、上記の課題を解決するために、親局が時局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定し、上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置において用いられる通信方法であって、上記時局あるいは子局に対する送信権の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出工程と、上記遅延検出工程で上記遅延を検出したときに、上記第2の通信方法を用いる期間が上記スケジュールで設定した期間よりも短縮あるいは省略されるように制御するタイミング制御工程と、を含む。
上記の方法によれば、子局に対する送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したときに、第2の通信方法を用いる期間が短縮または省略されるように制御する。これにより、子局に対する送信権付与の開始時刻を上記スケジュールに同期あるいは近づけることができる。このため、例えば、子局が上記親局から通知されるSST,SIに基づいてパワーセーブを行う場合に、子局に対する実際の送信権付与の開始時刻を子局のパワーセーブのスケジュールに同期または近づけることができる。したがって、第2の通信方法を用いる期間が上記スケジュールにおいて設定された期間よりも延長された場合であっても、子局におけるパワーセーブの効率が低下することを軽減できる。
また、上記の課題を解決するために、親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定し、上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置で用いられる通信方法であって、上記自局あるいは子局に対する送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出工程を含み、上記遅延検出工程で上記遅延を検出したときに、上記スケジュールを再設定し、上記再設定したスケジュールに基づくSSTおよびSIを、送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延した子局に対して通知する。
上記の方法によれば、子局に対する送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したときに、その後のスケジュールが再設定される。そして、再設定されたスケジュールに基づいて、SST,SIが送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延した子局に対して通知される。これにより、子局が認識する送信権付与の開始時刻と、子局に対して実際に送信権付与される開始時刻とを同期させることができる。このため、例えば、子局が上記親局から通知されるSSI,SIに基づいてパワーセーブを行う場合に、子局に対して実際に送信権付与される開始時刻を子局のパワーセーブのスケジュールに同期させることができる。したがって、第2の通信方法を用いる期間が上記スケジュールにおいて設定された期間よりも延長された場合であっても、子局におけるパワーセーブの効率が低下することを軽減できる。
さらに、上記の課題を解決するために、親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定し、上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置で用いられる通信方法であって、上記スケジュールを設定するときに、一定の長さのスケジュール周期を定め、連続する複数の上記スケジュール周期を1つのグループとしてこのグループを周期的に繰り返すように上記スケジュールを設定し、上記スケジュール周期の開始時刻から、上記スケジュール周期での最初の送信権付与信号の送信が完了するまでの間の時刻を、当該スケジュール周期中に送信権を付与する全子局に対して上記SSTとして通知し、上記各子局のうちのいずれかの子局から、上記スケジュールでのSPの終了時刻よりも早く送信権を返却された場合に、当該スケジュール周期での送信権が返却されたことを検出した時点以降の送信権付与の開始時刻を、上記スケジュールよりも繰り上げる。
上記の方法によれば、予定よりも早く送信権が返却された場合に、次の子局に対して送信権を付与するまでの期間に、上記第2の通信方法を用いざるを得ない状況を回避することができる。したがって、予定外に上記第2の通信方法を用いた期間が設定され、当初のスケジュールにおいて設定された期間が延長されて、送信権が返却されたことを検出した時点以降の送信権の付与タイミングが上記スケジュールに対して遅延することを防止できる。すなわち、第2の通信方法を用いる期間が延長されることによってパワーセーブ効率が低下することを防止できる。
また、上記の課題を解決するために、親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークであって、上記子局は、上記親局および他の子局から信号が送信されていない状態が所定期間以上継続したことを検出した場合に、上記第2の通信方法の使用を開始するネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定し、上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置で用いられる通信方法であって、上記各子局のうちのいずれかの子局から、上記スケジュールでのSPの終了時刻よりも早く送信権を返却された場合に、上記送信権を返却されてから、次に送信権を付与する予定の時刻まで、全子局に対して、上記第2の通信方法の使用を禁止させる。
上記の方法によれば、予定よりも早く送信権が返却された場合に、次の子局に対して送信権を付与する予定の時刻までに、上記第2の通信方法が用いられることを回避することができる。したがって、予定外に上記第2の通信方法を用いた期間が設けられ、当初のスケジュールにおいて設定された期間が延長されて、送信権が返却されたことを検出した時点以降の送信権の付与タイミングが上記スケジュールに対して遅延することを防止できる。すなわち、第2の通信方法を用いる期間が延長されることによってパワーセーブ効率が低下することを防止できる。
〔第1の実施の形態〕
本発明の一実施形態について説明する。図2は、本実施形態にかかるQAP(親局)10の概略構成を示すブロック図である。このQAP10は、IEEE802.11e標準を用いて通信を行うネットワークに用いられるものであり、例えば図15に示したネットワークにおいてQAP801に代えて用いられる。なお、QSTA(子局;non−AP QSTA)については、図16に示したQSTAと同様のものを用いることができる。
本発明の一実施形態について説明する。図2は、本実施形態にかかるQAP(親局)10の概略構成を示すブロック図である。このQAP10は、IEEE802.11e標準を用いて通信を行うネットワークに用いられるものであり、例えば図15に示したネットワークにおいてQAP801に代えて用いられる。なお、QSTA(子局;non−AP QSTA)については、図16に示したQSTAと同様のものを用いることができる。
本実施形態にかかるQAP10は、帯域割り当てのスケジュールに予定のスケジュールに対する遅れが生じた場合に、それ以降のフレーム送信タイミングを制御することで遅れを元に戻し、QSTAでのパワーセーブのスケジュールと実際のフレーム送信タイミングとを同期するように補正するものである。
図2に示すように、QAP10は、アプリケーション部11、プロトコル制御部12、スケジュール記憶部13、無線部14を備えている。
アプリケーション部11は、図示しない記憶手段に格納されているアプリケーションプログラムを読み出して実行するものである。
プロトコル制御部12は、このQAP10が管理するネットワークにおける通信プロトコルを制御するものであり、帯域管理部15、記憶制御部16、TSFタイマ17などを備えている。
帯域管理部15は、スケジュール設定部18、タイミング制御部20、ネットワーク監視部21、遅延検出部19などを備えている。
スケジュール設定部18は、ADDTS requestフレームによって各QSTAから通知される送信データの伝送レートなどの情報に基づいて、各QSTAに対する帯域割り当てのスケジュール(各QSTAに対するdown link伝送、および、各QSTAに対する送信権付与のスケジュール)を設定する。なお、このスケジュールは、TSFタイマ17の時刻に関連付けて設定される。TSFタイマ17の時刻は、ネットワークに所属する全てのQSTAおよびQAPにおいて同期している。
また、スケジュール設定部18の設定したスケジュールは、記憶制御部16によってスケジュール記憶部13に記憶される。スケジュール記憶部13は、スケジュール設定部18の設定した予定スケジュールを記憶するものであり、記憶制御部16は、スケジュール記憶部13に対するスケジュールの記憶および記憶したスケジュールの読み出しを制御するものである。
タイミング制御部20は、スケジュール設定部18の設定したスケジュールに基づいて、各QSTAへのデータフレームおよび/またはQoS CF−Pollフレーム(送信権付与フレーム)の送信タイミングを制御する。ただし、タイミング制御部20は、CP(Contention Period)においては、どの局からもフレームが送信されない状態がPIFSの期間経過するまではフレームの送信を開始させない。
ネットワーク監視部21は、いずれかのQSTAからフレームが送信されているかどうか(ネットワーク(無線メディア)にフレームが送信されているかどうか)を監視する。また、どの局からもフレームが送信されない状態の継続期間を計時し、当該計時した期間がPIFSと呼ばれる期間継続したかどうかを判定し、判定結果をタイミング制御部20に伝達する。また、CPにおいて、どの局からもフレームが送信されない状態がPIFSの期間に達したときに、その旨を遅延検出部19に通知する。
遅延検出部19は、実際のスケジュールが、予定スケジュールに対して遅延したか否かを検出するものである。上記したように、QAP10は、ネットワーク監視部21によって、CPに入ってからもメディアをセンスしている(メディアにフレームが送信されているかどうかを監視している)いる。そして、CPにおいて、どの局からもフレームが送信されない状態がPIFSの期間に達したときに、その旨が遅延検出部19に通知される。これにより、遅延検出部19は、CPが終了する時刻を検出する。そして、記憶制御部16を介してスケジュール記憶部13から予定スケジュールを読み出し、CPの終了時刻を比較することで、CPが延長されたか否か、すなわちスケジュールが遅延したか否かを判定する。
また、遅延検出部19は、CPが延長された場合、予定スケジュールにおいて当該CPを終了させる予定であった時刻に対して、CPが延長された時間EXを算出する。
無線部914は、各QSTAとの間で通信を行う手段であり、受信した電波信号をプロトコル制御部12が理解可能なフレームに変換してプロトコル制御部12に送り、プロトコル制御部12から送られてくるフレームを電波信号に変換して無線メディアを介してQSTAに送信する。
次に、QAP10の動作について説明する。図3は、QAP10の動作の流れを示すフロー図である。図1は、QAP10が管理するネットワークにおけるタイミングチャートの一例である。なお、図1における表記方法や略称などは背景技術にて説明した図18等と略同様である。
図3に示すように、QAP10は、QSTAからADDTS requestフレームを受信すると(S1)、そのフレームに含まれるTSPEC等に基づいて帯域割り当てを承認するか否かを判定する(図3では、帯域割り当てを承認するものとする)。なお、TSPECとは伝送するデータ群の仕様を示す情報群であり、どのような頻度でどれくらいの長さのデータを送信する必要があるかという情報等が含まれている。
次に、スケジュール設定部18(帯域管理部15)は、TSPECに基づいて各QSTAへの帯域割り当てのスケジュール(予定スケジュール)を設定する(S2)。
図1の最上段に示した予定スケジュールの例では、QSTA1およびQSTA2の両方に対して、スケジュール周期ごとにスケジュール周期の4割程度の期間のpolled TXOPをそれぞれ付与している。
なお、この例では、QSTA1については、SI(Service Interval)はスケジュール周期と同じ長さであり(SI)、QSTA1へのpolled TXOPはスケジュール周期の先頭に配置され、SST(Service Start Time)は、スケジュール周期の始点に合わせた時刻である(SST1)。
また、QSTA2については、SIはスケジュール周期と同じ長さであり(SI)、QSTA2へのpolled TXOPはQSTA1へのpolled TXOPの後に配置され、SSTは、スケジュール周期の始点からQSTA1へのQoS CF−Pollフレームの送信期間(P1)とpolled TXOPの長さを加算した時刻である(SST2)。
また、各スケジュール周期におけるQSTA2のデータフレームの送信後にCPが設けられている。
CPの延長が発生しない場合には、この予定スケジュールに基づいて各QSTAの送信権付与期間が管理されることになる。
S2において予定スケジュールを設定した後、スケジュール設定部18は、設定した予定スケジュールをADDTS responseフレームとしてQSTAに通知する(S3)。具体的には、各QSTAに対して、当該QSTAについてのSSTおよびSIを通知する。なお、図1では、ADDTS requestフレームおよびADDTS responseフレームの送受信は完了しているものとし、記載を省略している。
また、記憶制御部16は、スケジュール設定部18の設定した予定スケジュールをスケジュール記憶部13に記憶させる(S4)。
その後、タイミング制御部20は、スケジュール設定部18の設定した予定スケジュールに基づいて各QSTAへのフレーム送信(QoS CF−Pollフレーム)を行う(S5)。
また、遅延検出部19は、予定スケジュールと、実際のスケジュールとを比較し、遅延が生じているか否かを判定する(S6)。
そして、S6において遅延が生じていないと判定した場合、タイミング制御部20は、予定スケジュールが全て終了したか否かを判断する(S7)。そして、予定スケジュールを終了していない場合には引き続きS5の処理を行い、予定スケジュールに基づくフレームの送信を継続する。また、予定スケジュールが終了したと判定した場合、QAP10は処理を終了する。
一方、S6において遅延が生じていると判断した場合、遅延検出部19は、遅延時間を算出し(S8)、算出した遅延時間をタイミング制御部20に通知する。
タイミング制御部20は、遅延検出部19の算出した遅延時間と、予定スケジュールの各スケジュール周期に設けられているCPとから、遅延を取り戻すためにCPを省略するスケジュール周期を決定する(S9)。つまり、延長されたCPの長さEXと、予定スケジュールにおける本来のCPの長さから、タイミング制御部20はCPを何度省略すれば、QAP10による実際の帯域割り当てのスケジュールと、予定スケジュールとを同期させられるかを算出し、遅延を取り戻すためにCPを省略するスケジュール周期を決定する。
そして、タイミング制御部20は、S9において決定したスケジュール周期については、CPを設けないように(予定したCPを省略するように)フレーム送信を行う(S10)。そして、S9において決定したスケジュール周期を終えた後は、再びS5の処理を行う。これにより、実際のフレーム送信タイミングが予定スケジュールに対して遅延していることを検出した後、予定スケジュールのフレーム送信タイミングに戻るまで、CPを省略して短縮したスケジュール周期でフレームの送信が行われる。
図1に示す例では、スケジュール周期1におけるCPがEXで示される時間だけ延長されている。これに伴い、QSTA1へのQoS CF−Pollフレーム(P1)105の送信タイミングがEXの期間遅れている。S6の処理によって遅延検出部19がこの遅れを検出し、S7においてその遅延時間を算出すると、タイミング制御部20は、この遅延を解消するために、スケジュール周期2および3のCPを省略するように決定している。
したがって、タイミング制御部20は、予定スケジュールにおいてスケジュール周期2に設けていたCPを省略し、スケジュール周期2におけるQSTA2のpolled TXOPが終了した後、すぐに次のスケジュール周期3で付与するpolled TXOPを開始させるように、QoS CF−Poll(P1)109を送信している。そして、次のスケジュール周期3においても同様にCPを省略している。これにより、実際のスケジュール周期4において、遅れを取り戻され、実際のスケジュール周期と予定スケジュール周期とが一致している。
以上のように、本実施形態にかかるQAP10は、予定スケジュールに対する実際のスケジュールの遅れの有無を判定し、遅れが生じている場合には、その遅れを取り戻すまで、予定スケジュール周期において設定されていたCPを省略する。
これにより、実際のスケジュールと予定スケジュールとを同期させることができる。すなわち、実際のスケジュールと、QSTAが予定スケジュールに基づいて(ADDTS responseフレームで受信したSSTおよびSIに基づいて)設定したパワーセーブのスケジュールと同期させることができる。したがって、CPが延長されることによってパワーセーブ効率が低下することを軽減できる。
つまり、従来の技術では、CPが延長された場合も、通常のスケジュール(予定スケジュール)に従って、その後の各スケジュールについてpolled TXOPとCPとを設けて一つのスケジュール周期としていた。これに対して、本実施形態では、図1に実際のスケジュールとして示しているように、CPの延長が生じた後のスケジュール周期2以降については、スケジュールの遅れを取り戻すまで、polled TXOPは予定通り設けるものの、CPは設けないようにしている。これは、CPの延長が生じた後のスケジュール周期を予定のスケジュールのスケジュール周期に比べて短縮しているとも言える。
例えば、図1の例では、QoS CF−Pollフレーム(P2)107を送信してQSTA2に対してpolled TXOPを付与し、そのpolled TXOPが終了した後、従来ならばCPを設けるために、DIFS以上の間無線メディアがアイドルとなるようにQAP10は何も送信しない。このため、従来の技術では、スケジュール周期2以降においてスケジュールの遅れは解消されない。
これに対して、本実施形態では、スケジュール周期2においてQSTA2のpolled TXOPが終了した後すぐに次のスケジュール周期3で付与するpolled TXOPを開始させるために、QoS CF−Pollフレーム(P1)109を送信している。つまり、スケジュール周期2においてはCPが設けられないことになる。なお、DCF方式でフレームを送信するQSTAに比べて、QAP10は短い待ち時間でフレームの送信を開始できる事は先に述べた通りである。
同様にスケジュール周期3においても、CPを設けることなく、スケジュール周期4に移行し、QoS CF−Pollフレーム(P1)113を送信している。図1の例では、EXの長さが、予定スケジュールにおいて各スケジュール周期に設けたCPの長さの2倍であったものとしているので、2度のCPを省略することにより遅れは取り戻せる。したがって、スケジュール周期3が終わった時点で遅れは取り戻せている。このため、QAP10はスケジュール周期4以降においては、通常通り(予定スケジュール通り)CPを設けている。
このような処理により、QSTA1およびQSTA2においては、時間の経過と共に、無駄にAwake状態となっている時間が減少してゆき、最終的には、CPが発生する前と同じ効率でパワーセーブすることができる。
なお、本実施形態では、タイミング制御部20が、スケジュールの遅延が解消するまでの期間、各スケジュール周期のCPを省略している(CPを全く設けないものとしている)が、これに限るものではない。
例えば、遅延が解消するまでの期間におけるCPを、予定スケジュールにおけるCPよりも短くするようにしてもよい。この場合、QAP10(タイミング制御部20)は、一旦はCPが開始されるように、スケジュール周期における最後のpolled TXOPが終了した後で、DCFのQSTAにフレームの送信が開始できるようにフレームを送信しない。そして、そのフレームの送信が終わった時点で、次のスケジュール周期を開始するべき時間になっていたらQoS CF−Pollフレームを送信し、まだスケジュール周期を開始するべき時間になっていなかったら再び何も送信せずDCFのQSTAがフレームの送信を開始するのを待つ。
これにより、例えば、EXの長さよりも予定スケジュールにおけるCPの長さが長い場合には、全てのCPを省略しなくとも遅れを取り戻せる。ただし、この場合(CPを省略しない場合)は、当然ながらCPがさらに延長される可能性があるので、場合によっては遅れが取り戻せないことになる。
また、CPを省略するスケジュール周期と、CPを短縮するスケジュール周期とを適宜組み合わせて設定してもよい。これにより、例えば、延長時間EXが予定スケジュールにおいて各スケジュール周期に設けたCPの長さの整数倍でない場合であっても、CPの短縮期間を調節することで、実際のスケジュールを予定スケジュールに同期させることができる。
また、遅延が生じている期間中においても、予定スケジュールにおいて設けていたCPと同じ長さのCPを有するスケジュール周期を所定の頻度で設けてもよい。例えば、遅延が生じている期間において、CPを省略するスケジュール周期とCPを設けるスケジュール周期とを交互に設けてもよい。また、CPが設けられない期間が所定の期間以上継続しないように、複数のタイミング周期ごとに、CPを設けるスケジュール周期を挿入するようにしてもよい。
また、本実施形態では、遅延検出部19が、CPが予定よりも延長されたか否かを判定するともに、延長されたときには延長時間を算出し、その延長時間に基づいてタイミング制御部20がCPを省略するスケジュール周期を設定するようになっている。しかしながら、これに限らず、例えば、QAP10からの各送信フレームについて、実際の送信タイミングと予定スケジュールにおける送信タイミングとを比較して遅延の有無を判定し、遅延があると判定した場合に次のCPを省略するようにしてもよい。あるいは、各スケジュール周期における所定の送信フレーム(例えば初めの送信フレーム)について、予定スケジュールに対する遅延の有無を判定し、遅延がある場合に次のCPを設けないようにしてもよい。
また、スケジュールが解消するまでの期間、CPを省略するのではなく、Polled TXOPを短縮または省略する方法をとっても良い。省略すべきPolled TXOPとしては、重要性またはリアルタイム性の低いデータの伝送のためのものを選択する事が考えられる。重要性またはリアルタイム性の判断は、QSTAがQAPに対して何らかのパケットで自局の伝送しているデータの重要性またはリアルタイム性を通知して、データの重要性またはリアルタイム性の情報を基にQAPが判断する方法が考えられる。また、QAPがパケットの中身を解析して判断する事が考えられる。パケットのヘッダ部分には、一般的にそのパケットが属するプロトコルおよびパケットに含まれるデータの種別に関する情報が含まれているので、それらを元に判定する事が可能である。
また、上記した図1の例では、説明の簡単のため、QSTA1とQSTA2とのSIを同じ長さに設定しているが、これに限らず、各QSTAに異なる長さのSIを設定してもよい。また、図1の例では、QSTA1とQSTA2とで同じ量の帯域を割り当てているが、これに限らず、各QSTAに対する帯域割り当て量が異なっていてもよい。また、図1の例では、2つのQSTAに対して帯域を割り当てているが、これに限らず、QSTAの数は1つ以上であればよい。
(QoS CF−PollのEOSPフィールドについて)
なお、本実施形態において、スケジュール周期の最後のCPを省略したときに、一つのスケジュール周期において、1つのQSTAに2回以上polled TXOPを付与する場合には、EOSPフィールドの値に注意する必要がある。図4を参照しながら説明する。図の表記方法や略称などは図1と同様である。また、図4ではQSTA1の動作のみに着目し、QSTA2および他のQSTAについては省略する。
なお、本実施形態において、スケジュール周期の最後のCPを省略したときに、一つのスケジュール周期において、1つのQSTAに2回以上polled TXOPを付与する場合には、EOSPフィールドの値に注意する必要がある。図4を参照しながら説明する。図の表記方法や略称などは図1と同様である。また、図4ではQSTA1の動作のみに着目し、QSTA2および他のQSTAについては省略する。
図4における、QAP10(スケジュール設定部18)の設定した帯域割り当ての予定スケジュールは、QSTA1とQSTA2との両方に対して、スケジュール周期ごとに毎回、スケジュール周期の2割程度の期間のpolled TXOPをそれぞれ付与するものである。
また、QSTA1については、SIはスケジュール周期と同じ長さであり、QSTA1へのpolled TXOPがスケジュール周期の先頭に配置されるように、SSTが設定されている。QSTA2については、SIはスケジュール周期と同じ長さであり、QSTA2へのpolled TXOPはQSTA1へのpolled TXOPの後に配置されるように、SSTが設定されている(図示していない)。
スケジュール周期1のCPにおいて、CPがEXで示される期間だけ延長されている。QSTA1はQoS CF−PollフレームC01を受信してから、SIが経過した時点でAwake状態となっているが、スケジュール周期2は全てCPで占有されているため、QoS CF−Pollは受信できず、スケジュール周期2の開始時からスケジュール周期3の開始時までAwake状態となったままである。
QAP10(タイミング制御部20)は、CPの延長が終了した時点でQSTA1宛にQoS CF−PollフレームC04を送信する。QSTA1はこの時点でAwake状態となっているので、これを受信し、データフレームC05を送信する。QAP10(タイミング制御部20)はその後QSTA2にQoS CF−PollフレームC06を送信した後で、QoS CF−PollフレームC07を送信するが、これはQoS CF−PollフレームC04と同じSP(Service Period)内で送信される。もし、QoS CF−PollフレームC04において、EOSPフィールドが1に設定されていた場合、QSTA1は次のSPの開始までは、QAP10からフレームが送信されないものと判断し、パワーセーブ状態になる。すると、QoS CF−PollフレームC07を受信することができず、QAP10はQSTA1が再びAwake状態となるまで、次のQoS CF−Pollフレームの送信を待つことになる。すなわち、連続的にQoS CF−Pollフレームを送信することでCPの延長による遅れを取り戻すことができなくなる。
本実施形態においては、QAP10(タイミング制御部20)がQoS CF−PollフレームC04を送信しようとする時に、あて先のQSTAにおける同一SP内で再度QoS CF−Pollフレームを送信する予定である場合は、EOSPフィールドを0にして送信し、同一SP内でQoS CF−Pollフレームを送信する予定がなければ、EOSPフィールドを1にする。つまり、QAP10(タイミング制御部20)は、同一のSP内において同じQSTAにQoS CF−Pollフレームを複数回送信するか否かを判定し、複数回送信しない場合にはEOSPフィールドを1とする一方、複数回送信する場合には最後に送信するQoS CF−PollフレームのみEOSPフィールドを1とする(他のQoS CF−PollフレームではEOSPフィールドを0とする)。したがって、図4の例では、QoS CF−PollフレームC04におけるEOSPフィールドは0に設定され、QoS CF−PollフレームC07におけるEOSPフィールドは0に設定される。
QoS CF−PollフレームC04を受信したQSTA1はデータフレームC05を送信するが、QoS CF−PollフレームC04におけるEOSPフィールドは0に設定されているので、ここでは、パワーセーブ状態に移行しない。そして、同一SP内でQoS CF−PollフレームC07を受信してデータフレームC08を送信する。先の判定方法に従えば、QoS CF−PollフレームC07においては、EOPSフィールドは1に設定されるので、QSTA1はデータフレームC08の送信後にパワーセーブ状態に移行する。
その後も帯域割り当てのスケジュールの遅れを取り戻せていないので、QAP10はCPを省略してQoS CF−PollフレームC10を送信し、これを受信したQSTA1はデータフレームC11を送信する。先の判定方法に従えば、QoS CF−PollフレームC10では、EOSPフィールドは1に設定されるので、QSTA1はデータフレームC08の送信後にパワーセーブ状態に移行する。
その後、スケジュール周期5以降は帯域割り当てのスケジュールの遅れが取り戻されて、予定通りの帯域割り当てが行なわれることになる。
このように、本実施形態では、一つのSPにおいて2回以上のQoS CF−Pollフレームを連続的に送信することが可能であり、より迅速にCPの延長による帯域割り当てのスケジュールの遅れを取り戻すことができる。
なお、処理の簡単化のために、CPの遅れを取り戻すために連続的にQoS CF−Pollフレームを送信している場合は、常にEOSPフィールドを0に設定して送信するということも考えられる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にかかるQAP10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本発明の他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にかかるQAP10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態にかかるQAP10の構成は、実施形態1に示したものと略同様である。また、本実施形態にかかるQAP10は、実施形態1と同様、IEEE802.11e標準を用いて通信を行うネットワークに用いられるものである。ただし、スケジュール設定部18が、予定スケジュールを設定する際、各QSTAに対して帯域を割り当てないスケジュール周期を定期的に設ける点が実施形態1と異なっている。本実施形態にかかるQAP10では、スケジュールの遅延が生じた場合に、上記各QSTAに対して帯域を割り当てないスケジュール周期の長さを短縮または省略することで、遅延を解消するものである。
図5は、本実施形態にかかるQAP10の処理の流れを示すフロー図である。図6は、このQAP10が管理するネットワークにおけるタイミングチャートの一例である。なお、図6における表記方法や略称などは図1と略同様である。図6におけるQAPの時間軸上のN1(参照符号213)およびN2(参照符号214)という四角はQoS Nullフレームを示す。N1はQSTA1宛のQoS Nullフレームであり、N2はQSTA2宛のQoS Nullフレームである。QoS Nullフレームの詳細については後述する。
図5に示すように、QAP10は、QSTAからADDTS requestフレームを受信すると(S21)、そのフレームに含まれるTSPEC等に基づいて帯域割り当てを承認するか否かを判定する(図5では、帯域割り当てを承認するものとする)。なお、TSPECとは伝送するデータ群の仕様を示す情報群であり、どのような頻度でどれくらいの長さのデータを送信する必要があるかという情報等が含まれている。
次に、スケジュール設定部18(帯域管理部15)は、TSPECに基づいて各QSTAへの帯域割り当てのスケジュール(予定スケジュール)を設定する(S22)。この際、スケジュール設定部18は、各QSTAに対して帯域を割り当てないスケジュール周期(long CP;調整期間)を定期的に設ける。つまり、スケジュール設定部18は、long CPを含む予定スケジュールを設定する。
図6の最上段に示した予定スケジュールの例では、QSTA1およびQSTA2の両方に対して、スケジュール周期ごとにスケジュール周期の4割程度の期間のpolled TXOPをそれぞれ付与している。また、スケジュール周期4については、各QSTAに対して帯域を割り当てないlong CPとしている。したがって、図6に示す例では、実際のスケジュールにおいて、スケジュール周期3におけるQSTA2への帯域割り当ての終了時刻(QSTA2によるデータフレーム212の送信後)から、スケジュール周期5の開始時刻までは、QAP10はQSTA1へのQoS CF−Pollフレームを送信しない。このスケジュール周期4(long CP)では、DCF方式により各QSTAがデータを送信できる。
なお、この例では、QSTA1については、SI(Service Interval)はスケジュール周期と同じ長さであり(SI)、QSTA1へのpolled TXOPはスケジュール周期の先頭に配置され、SST(Service Start Time)は、スケジュール周期の始点に合わせた時刻である(SST1)。
また、QSTA2については、SIはスケジュール周期と同じ長さであり(SI)、QSTA2へのpolled TXOPはQSTA1へのpolled TXOPの後に配置され、SSTは、スケジュール周期の始点からQSTA1へのQoS CF−Pollフレームの送信期間(P1)とpolled TXOPの長さを加算した時刻である(SST2)。
また、各スケジュール周期におけるQSTA2のデータフレームの送信後にCPが設けられている。
CPの延長が発生しない場合には、この予定スケジュールに基づいて各QSTAの送信権付与期間が管理されることになる。
S22において予定スケジュールを設定した後、スケジュール設定部18は、設定した予定スケジュールをADDTS responseフレームとしてQSTAに通知する(S23)。具体的には、各QSTAに対して、当該QSTAについてのSSTおよびSIを通知する。なお、図6では、ADDTS requestフレームおよびADDTS responseフレームの送受信は完了しているものとし、記載を省略している。
また、記憶制御部16は、スケジュール設定部18の設定した予定スケジュールをスケジュール記憶部13に記憶させる(S24)。
その後、タイミング制御部20は、スケジュール設定部18の設定した予定スケジュールに基づいて各QSTAへのフレーム送信(QoS CF−Pollフレーム)を行う(S25)。
また、遅延検出部19は、予定スケジュールと、実際のスケジュールとを比較し、遅延が生じているか否かを判定する(S26)。
そして、S26において遅延が生じていないと判定した場合、タイミング制御部20は、予定スケジュールが全て終了したか否かを判断する(S27)。そして、予定スケジュールを終了していない場合には引き続きS25の処理を行い、予定スケジュールに基づくフレームの送信を継続する。また、予定スケジュールが終了したと判定した場合、QAP10は処理を終了する。
一方、S6において遅延が生じていると判断した場合、遅延検出部19は、遅延時間を算出し(S28)、算出した遅延時間をタイミング制御部20に通知する。
タイミング制御部20は、遅延検出部19の算出した遅延時間に基づいて、遅延を取り戻すためにlong CPを短縮する時間を決定する(S29)。つまり、延長されたCPの長さEXだけ、予定スケジュールのlong CPを短縮するように、実際のスケジュールにおけるlong CPに設定されたスケジュール周期の長さを決定する。
また、タイミング制御部20は、現在のスケジュールがlong CPに設定されたスケジュール周期であるか否かを判断する(S30)。そして、long CPに設定されたスケジュール周期ではないと判断した場合、タイミング制御部20は予定スケジュールに基づく帯域割り当てを継続する(S31)。つまり、タイミング制御部20はlong CPに設定されたスケジュール周期が始まるまでは、予定スケジュールに基づくスケジュール周期で各QSTAに対する帯域割り当てを続ける。
したがって、図6の例では、QAP10は、CPが延長された後も、予定スケジュールに基づいて、QSTA1へのpolled TXOPとQSTA2へのpolled TXOPとCPのセットからなるスケジュール周期2および3の帯域割り当てを続ける。
より詳細には、スケジュール周期2においては、延長されたCPが終了した後で、QSTA1宛にQoS CF−Poll(P1)205を送信する。QSTA1はSST1からSIが経過した時点でAwake状態となっており、QoS CF−Poll(P1)205を受信したらデータフレーム206を送信する。さらに、QAP10は、QSTA2に対してQoS CF−Poll(P2)207を送信する。QSTA2はSST2からSIが経過した時点でAwake状態となっており、QoS CF−Poll(P2)207を受信したらデータフレーム208を送信する。さらに、その後はCPを設けるためにQAP10は何も送信せず、CP終了予定時刻になったらQoS CF−Poll(P1)209を送信する。なお、簡単のため、ここではCPの延長は起こらなかったものとする。
同様にスケジュール周期3においても、QSTA1へのpolled TXOPとQSTA2へのpolled TXOPとCPとを設けている。すなわち、スケジュールのずれが発生してもスケジュール周期2および3ではずれたままのスケジュールでフレーム送信を続ける。
一方、S30においてlong CPに設定されたスケジュール周期であると判断した場合、タイミング制御部20は、Awake状態のQSTAに対して、QoS Nullフレームを送信する(S32)。QoS Nullフレームはデータフレームと同じフォーマットであるが、データが含まれていないフレームである。データフレームと同じフォーマットであるのでEOSPフィールドを含んでおり、QAP10がQSTAに対してEOSPフィールドを通知するために使用される。これにより、QoS Nullフレームを受信したQSTAは、パワーセーブ状態に移行することができる。
より詳細には、QAP10は、ADDTS responseフレームで各QSTAに通知したSSTおよびSIの情報と、自局が各QSTA対してEOSP=1でフレームを送信したタイミングの情報から、現在各QSTAがAwake状態かどうかを判定することができる。
例えば、図6の例では、実際のスケジュールにおけるスケジュール周期3が終了した時点で、QAP10は、QSTA1がAwake状態であるということを知ることができる。さらに、QSTA1に対してはスケジュール周期5になってからQoS CF−Pollフレームを送信する予定であるので、その時点まではQSTA1がパワーセーブ状態となっていてもよいということもわかる。つまり、QSTA1がAwake状態となっている必要が無いにも関わらず、現在Awake状態となっていることがわかる。
ところが、QAP10がEOSPフィールド(EOSP=1)を送信しない限り、QSTA1はパワーセーブ状態には移行できない。このため、QAP10は、QSTA1宛にQoS NullフレームをEOPS=1で送信する。これを受信したQSTA1はすぐにパワーセーブ状態に移行することができる。そして、後述するようにlong CPを短縮することで、スケジュール周期5の開始時点において遅延が解消し、予定スケジュールと実際のスケジュールとが同期するので、次にQAPがQoS CF−Pollフレーム(P1)215を送信する時刻(SST1とSIから計算される)にAwake状態となることができる。
なお、図6に示す例では、QAP10(タイミング制御部20)は、スケジュール周期4の開始時点(long CPの開始時点)でQSTA1宛にQoS Nullフレーム213を送信している。つまり、本実施形態ではCPの延長が発生したとしてもlong CPに設定されたスケジュール周期以外については予定スケジュール通りにフレーム送信を行うように設定しているので、long CPの開始時点では遅延が解消されておらずQSTA1に対するQoS Nullフレームは前のスケジュール周期3が終了した時点でしか送信できないため、QSTA1はAwake状態になってしばらくしてからQoS Nullフレームを受信している。これに比べて、QSTA2に対しては、QSTA2がAwake状態となる時刻になったらすぐに、QAP10はQoS Nullフレームを送信している。このため、QSTA2は無駄にAwake状態となっている期間がQSTA1に比べて短くなっている。このように、可能な限り早めにQoS Nullフレームを送信する方がQSTAのパワーセーブの効率は向上する。ただし、当然ながらQSTAがAwake状態となった後で送信しなければならない。
その後、QAP10(タイミング制御部20)は、予定スケジュールにおけるスケジュール周期5の開始時刻になったらQSTA1宛にQoS CF−Poll(P1)215を送信する(S32)。すなわち、実際のスケジュールと予定スケジュールとを同期させるように、予定スケジュールにおけるスケジュール周期5の開始時刻になったらQSTA1宛にQoS CF−Poll(P1)215を送信し、long CPに設定されたスケジュール周期4を短縮する。DCF方式でフレームを送信するQSTAに比べて、QAP10は短い待ち時間でフレームの送信を開始できることは先に述べた通りである。
そして、S32の処理によって予定スケジュールに同期した後は、再びS25の処理を行う。
これにより、スケジュール周期5以降は予定のスケジュール通りにQoS CF−Pollフレームを送信できるようになり、QSTA1やQSTA2はもともとの予定スケジュールに合わせてパワーセーブのスケジュールを決定しているので、QAP10における帯域割り当てのスケジュールと、QSTAにおけるパワーセーブのスケジュールが再び同期し、QSTAはCPが発生する前と同じ効率でパワーセーブすることができる。
以上のように、本実施形態にかかるQAP10は、予定スケジュールを設定するときに、各QSTAに対して帯域を割り当てないスケジュール周期(long CP)を定期的に設ける。そして、予定スケジュールに対する実際のスケジュールの遅れの有無を判定し、遅れが生じている場合には、long CPを短縮することで、その遅れを取り戻す。
これにより、実際のスケジュールと予定スケジュールとを同期させることができる。すなわち、実際のスケジュールと、QSTAが予定スケジュールに基づいて(ADDTS responseフレームで受信したSSTおよびSIに基づいて)設定したパワーセーブのスケジュールと同期させることができる。したがって、CPが延長されることによってパワーセーブ効率が低下することを軽減できる。
なお、polled TXOPで送信されるデータはADDTS requestフレームによってQSTAから登録されたストリームデータであり、一般に動画像などのリアルタイム性の要求されるデータであるので、polled TXOPを予定より減らしてしまうと、受信側で動画像が乱れる等の支障が発生する。これに対して、CPで送信されるデータは基本的には単発的に送信されるものであり、その頻度は比較的高くない。このため、long CPを短くしても伝送への影響は低い。
また、本実施形態にかかるQAP10は、long CPにおいてAwake状態となっているQSTAに、EOSP=1のQoS Nullフレームを送信してパワーセーブ状態に移行させる。これにより、パワーセーブ効率の低下をより適切に防止できる。
なお、本実施形態では、long CPに各QSTAをパワーセーブ状態に移行させるためにQoS Nullフレームを送信しているが、これに限るものではない。各QSTAに送信権を付与しない(帯域を割り当てない)ことを示すフレームであればよい。具体的には、EOSPフィールドを含むフレームであればよく、例えば、QSTA宛のデータフレームやQoS CF−Pollフレームを送信してもよい。QoS CF−Pollフレームを送信する場合にはpolled TXOPの期間を0としてもよい。また、long CP中に各QSTAをパワーセーブ状態に移行させることで、パワーセーブの効率を向上させることができるが、必ずしもlong CP中に各QSTAをパワーセーブ状態に移行させる必要なない。その場合には、long CP中に、QAP10からQSTAに対してEOSPフィールドを含むフレームを送信しなくてもよい。また、long CP中に一部のQSTAのみをパワーセーブ状態に移行させても良い。
(long CPの長さと頻度について)
図6の例では、予定スケジュールにおけるlong CPに設定されたスケジュール周期は他のスケジュール周期と同じ長さとしているが、これに限るものではない。ただし、long CPを含むスケジュール周期がスケジュール周期の整数倍でない場合、予定スケジュールにおいてQSTAへ通知するSIとの同期ができなくなる。このため、long CPの長さは0以外の整数を他のスケジュール周期に積算した長さである必要がある。このような条件を満たしていれば、long CPの長さは任意の長さでよい。なお、long CPの長さは、毎回同じ長さであってもよく、QAP10が予定スケジュールを設定する毎に適応的に変化させてもよい。
図6の例では、予定スケジュールにおけるlong CPに設定されたスケジュール周期は他のスケジュール周期と同じ長さとしているが、これに限るものではない。ただし、long CPを含むスケジュール周期がスケジュール周期の整数倍でない場合、予定スケジュールにおいてQSTAへ通知するSIとの同期ができなくなる。このため、long CPの長さは0以外の整数を他のスケジュール周期に積算した長さである必要がある。このような条件を満たしていれば、long CPの長さは任意の長さでよい。なお、long CPの長さは、毎回同じ長さであってもよく、QAP10が予定スケジュールを設定する毎に適応的に変化させてもよい。
図6においてはlong CPを含むスケジュール周期を一つだけ記載しているが、これは、基本的には周期的にスケジュールされる。つまり、何度かのスケジュール周期に1度、long CPに設定されたスケジュール周期が設けられる。このlong CPが設けられる周期は任意の長さでよい。また、必ずしも周期的に発生させる必要は無く、QAP10が必要だと判断したときにlong CPを設けてもよい。ただし、long CPを周期的に発生させる方が、QSTAに付与するpolled TXOPとの調整が容易になる。
1つのlong CPの長さを長くしたり、long CPの発生頻度を高くしたりするほど、CPの延長回数が増えた場合に遅れを取り戻すのが容易になるが、その分、polled TXOPを設けられる時間が減ってしまうので、帯域が圧迫される。long CPをどのような長さ・頻度とするかは、ADDTSで定義されているストリームの数やそのデータレート、CPで伝送するQSTAの数やそのデータレート等によりQAP10が適切に決定すればよい。
long CPを設けるとそのスケジュール周期においては、polled TXOPが設けられないことになり、帯域の割り当てが減ってしまうことになるが、この帯域の減少分については、他のスケジュール周期におけるpolled TXOPの長さを長くする等で調整が可能である。
また、図6においては、簡単のためスケジュール周期1でのみCPの延長が発生した場合を記載しているが、その後long CPが発生するまでにCPの延長が発生した場合には、累積の延長時間を解消するようにlong CPをさらに短縮することで、遅れを取り戻すことができる。なお、CPの延長が連続的に発生するなどして1度のlong CPでは全ての遅れを取り戻せなかった場合、すなわち累積の遅延時間がlong CPを超えた場合には、複数のlong CPで遅れを取り戻すようにしてもよい。
また、実施形態1の構成、すなわちスケジュールの遅延が生じた場合に各スケジュール周期のCPを省略または短縮する構成と、本実施形態のようにlong CPの長さを調整することで遅延を取り戻す構成とを組み合わせて用いてもよい。
また、long CPの終了間際にこのlong CPの延長が発生する場合も考えられるが、そのときは、実施形態1と実施形態2とを組み合わせて遅れを取り戻してもよく、複数のlong CPを短縮することで遅れを取り戻してもよい。
また、本実施形態では、説明の簡単のため、QSTA1とQSTA2とのSIを同じにしているが、これに限らず、各QSTAのSIは異なっていてもよい。また、QSTA1とQSTA2とで同じ量の帯域を割り当てているが、異なる帯域割り当て量であってもよい。また、本実施形態では、2つのQSTAに対して帯域を割り当てているが、これに限らず、QSTAの数は1つ以上であればよい。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1および2にかかるQAP10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1および2にかかるQAP10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態にかかるQAP10の構成は、実施形態1および2に示したものと略同様である。また、本実施形態にかかるQAP10は、実施形態1および2と同様、IEEE802.11e標準を用いて通信を行うネットワークに用いられるものである。ただし、実際のスケジュールが予定スケジュールに対してずれた場合に、スケジュール設定部18が実際のスケジュールに合わせて予定スケジュールを更新し、更新したスケジュールを通知するためのフレームを各QSTAに送信する点が、上記各実施形態と異なっている。これにより、各QSTAは、パワーセーブのスケジュールを、QAP10での更新後の帯域割り当てのスケジュールに合わせ直すことで、双方のずれを補正し、パワーセーブを効率的に行うことができる。
図7は、本実施形態にかかるQAP10の処理の流れを示すフロー図である。図8は、このQAP10が管理するネットワークにおけるタイミングチャートの一例である。なお、図8における表記方法や略称などは図1および図6と略同様である。図8におけるQAPの時間軸上のS1(参照符号305)やS2(参照符号308)という四角は、Scheduleフレームを示す。S1はQSTA1宛のScheduleフレームであり、S2はQSTA2宛のScheduleフレームである。このScheduleフレームの詳細については後述する。
図7に示すように、QAP10は、QSTAからADDTS requestフレームを受信すると(S41)、そのフレームに含まれるTSPEC等に基づいて帯域割り当てを承認するか否かを判定する(図7では、帯域割り当てを承認するものとする)。なお、TSPECとは伝送するデータ群の仕様を示す情報群であり、どのような頻度でどれくらいの長さのデータを送信する必要があるかという情報等が含まれている。
次に、スケジュール設定部18(帯域管理部15)は、TSPECに基づいて各QSTAへの帯域割り当てのスケジュール(予定スケジュール)を設定する(S42)。
図8の最上段に示した予定スケジュールの例では、QSTA1およびQSTA2の両方に対して、スケジュール周期ごとにスケジュール周期の4割程度の期間のpolled TXOPをそれぞれ付与している。
なお、この例では、QSTA1については、SI(Service Interval)はスケジュール周期と同じ長さであり(SI)、QSTA1へのpolled TXOPはスケジュール周期の先頭に配置され、SST(Service Start Time)は、スケジュール周期の始点に合わせた時刻である(SST1)。
また、QSTA2については、SIはスケジュール周期と同じ長さであり(SI)、QSTA2へのpolled TXOPはQSTA1へのpolled TXOPの後に配置され、SSTは、スケジュール周期の始点からQSTA1へのQoS CF−Pollフレームの送信期間(P1)とpolled TXOPの長さを加算した時刻である(SST2)。
また、各スケジュール周期におけるQSTA2のデータフレームの送信後にCPが設けられている。
CPの延長が発生しない場合には、この予定スケジュールに基づいて各QSTAの送信権付与期間が管理されることになる。
S42において予定スケジュールを設定した後、スケジュール設定部18は、設定した予定スケジュールをADDTS responseフレームとしてQSTAに通知する(S43)。具体的には、各QSTAに対して、当該QSTAについてのSSTおよびSIを通知する。なお、図8では、ADDTS requestフレームおよびADDTS responseフレームの送受信は完了しているものとし、記載を省略している。
また、記憶制御部16は、スケジュール設定部18の設定した予定スケジュールをスケジュール記憶部13に記憶させる(S44)。
その後、タイミング制御部20は、スケジュール設定部18の設定した予定スケジュールに基づいて各QSTAへのフレーム送信(QoS CF−Pollフレーム)を行う(S45)。
また、遅延検出部19は、予定スケジュールと、実際のスケジュールとを比較し、遅延が生じているか否かを判定する(S46)。
そして、S46において遅延が生じていないと判定した場合、タイミング制御部20は、予定スケジュールが全て終了したか否かを判断する(S47)。そして、予定スケジュールを終了していない場合には引き続きS45の処理を行い、予定スケジュールに基づくフレームの送信を継続する。また、予定スケジュールが終了したと判定した場合、QAP10は処理を終了する。
一方、S46において遅延が生じていると判断した場合、遅延検出部19は、遅延時間を算出し(S48)、算出した遅延時間をスケジュール設定部18に通知する。なお、QAP10はCPに入ってからもメディアをセンスしているので、CPが終了する時刻を検出することが可能である。このため、自局がCPを終了させる予定であった時刻から、どれだけCPが延長された時間EXを算出できる。
スケジュール設定部18は、遅延検出部19の算出した遅延時間と、スケジュール記憶部13に記憶されている予定スケジュールとに基づいて、予定スケジュールを再設定(更新)する(S49)。
そして、タイミング制御部20は、S49において再設定された予定スケジュールを、Awake状態のQSTAに順次通知する(S50)。具体的には、タイミング制御部20は、ADDTS responseフレームで各QSTAに通知したSSTおよびSIの情報(スケジュール記憶部13に記憶している予定スケジュール)と、自局が各QSTA対してEOSP=1でフレームを送信したタイミングの情報から、現在各QSTAがAwake状態かどうかを判定する。そして、Awake状態のQSTAに対して、更新後の予定スケジュールを通知するために、Scheduleフレームを送信する。なお、先に述べた通り、DCF方式でフレームを送信するQSTAに比べて、QAP10は短い待ち時間でフレームの送信を開始できる。従来はここで、QoS CF−Pollを送信していたが、本実施形態においては、QoS CF−Pollフレームを送信する前にScheduleフレームを送信している。
Scheduleフレームは、QAP10からQSTAにSSTとSIとを通知するためのフレームである。QAP10は任意のタイミングでこのフレームを送信することができ、これを受信したQSTAはADDTS responseフレームで通知されたSSTとSIとを更新する。なお、このフレームにはEOSPフィールドが存在しないので、QSTAはこのフレームを受信してもパワーセーブ状態には移行しない。
図8においては、延長されたCPが終了した後で、QAP10はScheduleフレーム305をQSTA1宛に送信している。このフレームには、SSTとして、QAP10がQSTA1に対して次のスケジュール周期におけるQoS CF−Pollフレーム(309)を送信する予定の時間(SST3)を指定し、SIとして、それまでと同じSIを指定して送信する。SST3は、CPの終了予定時刻(=QSTA1へのQoS CF−Pollフレームの送信予定時刻)にSIとEXを加算することで算出できる。
このとき、QSTA1はAwake状態となっているので、このScheduleフレームを受信し、自局のSSTを再設定する。すなわち、自局が次にAwake状態とならなければならない時間をSST3に変更する。
さらに、QAP10はQoS CF−Pollフレーム306をQSTA1宛に送信している。このフレームでは、従来通りEOSPフィールドを1に設定する。Scheduleフレーム305にはEOSPフィールドが存在しないので、これを受信してもQSTA1はパワーセーブ状態には移行せず、QoS CF−Pollフレーム306を受信した時点でQAPからのフレーム送信が終了した事を認識する。
その後、QSTA1はデータフレーム307を送信した後パワーセーブ状態に移行する。なお、ここで送信されるデータフレーム307が複数でも良いということはこれまでと同様である。
SST3になるとQSTA1はAwake状態となる。またQAP10はQoS CF−Pollフレーム306を送信したあとも、元々のスケジュール通りにQSTA2に対するpolled TXOPを付与してCPを設けた後で、再びQSTA1にQoS CF−Pollフレーム309を送信する。
従来では、ScheduleフレームによるSSTの補正が行なわれないため、QSTA1がAwakeになってからQoS CF−Pollフレームが送信されるまでに遅れが発生していた。これに比べて、本実施形態においては、QSTA1におけるSSTが更新されているので、QSTA1がAwakeになってからQoS CF−Pollフレームが送信されるまでに遅れが発生しない。このため、QSTA1は最小限の時間だけAwakeとなっていれば良く、従来に比べて、パワーセーブの効率が向上していることがわかる。
なお、連続的にCPの延長が発生した場合には、その都度Scheduleフレームを送信することで、ずれを補正すればよい。また、ある程度ずれが累積した時点でScheduleフレームを送信し、累積したずれをまとめて補正してもよい。
同様に、QAPは、QSTA2に対しても、QoS CF−Pollフレーム309の送信前に、Scheduleフレーム308を送信している。このフレームには、SSTとしてはQAP10がQSTA2に対して次のスケジュール周期におけるQoS CF−Pollフレーム311を送信する予定の時間(SST4)を指定し、SIとしてはそれまでと同じSIを指定する。
これを受信したQSTA2は自局が次にAwake状態とならなければならない時間をSST4に変更する。そして、QSTA2は、データフレーム310の送信後パワーセーブ状態となり、SST4になるとAwake状態となる。これにより、SST4になるとすぐにQoS CF−Pollフレーム313を受信でき、不必要にAwake状態になることが無いため、パワーセーブの効率が向上している。
なお、図8では、記載の都合上、QSTA1におけるデータフレーム307の送信時間が短くなっているように見えるが、実際にはScheduleフレーム305の長さはデータフレーム307の送信時間に比べて非常に小さいものであるので、データフレーム307の送信時間が減るという事はほとんど無い。また、Scheduleフレーム305の送信にかかる時間を予め計算しておいて、SST3の算出時にその時間を加算しても良い。QSTA2におけるデータフレーム309とScheduleフレーム308との関係も同様である。
また、スケジュール設定部18は、S49において再設定した予定スケジュールを、記憶制御部16を介してスケジュール記憶部13に記憶させる(S51)。そして、それ以降は更新後の予定スケジュールに基づいてS45以降の処理を行う。
以上のように、本実施形態にかかるQAP10は、実際のスケジュールが予定スケジュールに対して遅延したときに、遅延時間に応じて予定スケジュールを再設定し、再設定したスケジュール(SST,SI)を各QSTAに通知する。これにより、各QSTAは、遅延時間を考慮して再設定された予定スケジュールに応じてパワーセーブのスケジュールを設定できる。したがって、CPが延長されることによって実際のスケジュールに遅延が生じた場合でも、QSTAにおけるパワーセーブ効率の低下を抑制できる。
また、QAP10における帯域割り当てのスケジュールとQSTAにおけるパワーセーブのスケジュールがずれる原因として、ここではCPが延長されることを述べたが、他の原因でこれらがずれてしまった場合にも、ScheduleフレームによってQSTAのパワーセーブのスケジュールを補正することができる。
例えば、すでにスケジュールに従ってQoS CF−Pollフレームを送信している途中で、送信元のQSTAがストリームの伝送を終了させる場合が考えられる。このとき、QSTAからDELTS requestフレームを受信したらQAP10はその後のスケジュールからそのストリームを削除することになる。そのような場合、スケジュール周期内でのpolled TXOPの位置を変更する必要があるので、帯域割り当てのスケジュールとパワーセーブのスケジュールがずれてしまう場合が考えられる。このような場合でも、スケジュール設定部18が再設定した予定スケジュールをScheduleフレームによってQSTAに送信することで、QSTAにおけるパワーセーブのスケジュールを実際のスケジュール(帯域割り当てスケジュール)に同期させることができる。
また、本実施形態では、説明の簡単のため、QSTA1とQSTA2とのSIを同じにしているが、これに限らず、各QSTAのSIは異なっていてもよい。また、QSTA1とQSTA2とで同じ量の帯域を割り当てているが、異なる帯域割り当て量であってもよい。また、本実施形態では、2つのQSTAに対して帯域を割り当てているが、これに限らず、QSTAの数は1つ以上であればよい。
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1〜3にかかるQAP10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1〜3にかかるQAP10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態にかかるQAP10の構成は、実施形態1〜3に示したものと略同様である。また、本実施形態にかかるQAP10は、実施形態1〜3と同様、IEEE802.11e標準を用いて通信を行うネットワークに用いられるものである。ただし、スケジュール設定部18が予定スケジュールを設定するときに、各QSTAが各スケジュール期間の先頭(開始時)にAwake状態となるように、各QSTAのSSTおよびSIを設定するようになっている。これにより、本実施形態では、あるQSTAに付与したpolled TXOPが、予定よりも早く返却された場合に、別のQSTAに連続してpolled TXOPを付与できるので、同一スケジュール周期内における2つのpolled TXOPの間にCPが発生しないようになっている。
図9は本実施形態にかかるQAP10が管理するネットワークのタイミングチャートの一例である。この図における表記方法や略称などは図1にて説明したものと同様である。なお、他のQSTAの動作については省略している。
この図に示す例では、QAP10における帯域割り当ての予定スケジュールは、QSTA1とQSTA2との両方に対して、スケジュール周期ごとに毎回、スケジュール周期の3割程度の期間のpolled TXOPをそれぞれ付与するようになっている。
また、QSTA1については、SIはスケジュール周期と同じ長さ(SI)であり、QSTA1へのpolled TXOPはスケジュール周期の先頭に配置され、SSTは、スケジュール周期の始点に合わせた時刻(SST1)である。
また、QSTA2については、SIはスケジュール周期と同じ長さ(SI)である。SSTについては、QSTA2へのpolled TXOPはQSTA1へのpolled TXOPの後に配置されるので、従来であればスケジュール周期の始点からQSTA1へのQoS CF−Pollフレームの送信期間とpolled TXOPの長さを加算した時刻としていた。これに対して、本実施形態においては、QSTA2のSSTをスケジュール周期の始点に合わせた時刻(SST2)としている点に特徴がある。
スケジュール周期1においては、予定のスケジュールどおりにpolled TXOPが付与されており、従来どおりの動作となる。ただし、QSTA2のSSTをスケジュール周期の始点に合わせているので、QSTA2はスケジュール周期が始まったらすぐにAwake状態となっている。その後、QoS CF−Pollフレーム403を受信してからデータフレーム404を送信し、パワーセーブ状態に移行する流れはこれまでと同様である。
スケジュール周期2において、まずQSTA1宛にQoS CF−Pollフレーム405が送信される。これを受信したQSTA1はデータフレーム406の送信を開始する。ここで、QSTA1においてpolled TXOPの途中で送信するべきデータが無くなったとすると、先に述べたようにQSTA1は TXOP返却フレームを送信して付与されたpolled TXOPを返却する。このとき、従来であればQSTA2はまだAwake状態となっていないので、QAP10はQSTA2に対してQoS CF−Pollフレームを送信できず、CPを設けていた。しかし、本実施形態においては、各QSTAのSSTがスケジュール周期の先頭に合うように設定されているので、QSTA2はこの時点でAwake状態となっている。このため、QAP10はすぐにQoS CF−Pollフレーム407を送信する。したがって、QSTA1へのpolled TXOPとQSTA2へのpolled TXOPの間にCPが設けられる事がない。
その後、QSTA2はQoS CF−Pollフレーム407で指定されたTXOP limitが経過するまで、データフレーム408を送信し、パワーセーブ状態に移行する。
QAP10はCPに移行するために、何も送信せずスケジュール周期2の残った時間は全てCPに割り当てる。結果として予定のスケジュールよりもCP時間が長くなっていることになる。
スケジュール周期3の開始予定時間、すなわち、QSTA1に対するQoS CF−Pollフレーム409の送信予定時間になると、QAP10はQoS CF−Pollフレーム409を送信し、その後は予定のスケジュールに従って帯域割り当てを行う。図9においては、その後はQSTA1によるTXOPの早期返却等は発生せず、予定のスケジュールどおりに帯域が割り当てられている。
以上のように、本実施形態にかかるQAP10(スケジュール設定部18)は、各スケジュール周期の先頭において各QSTAがAwake状態となるように予定スケジュール(各QSTAのSST,SI)を設定する。
これにより、スケジュール周期内において先に配置されているpolled TXOPが予定より早く終了した場合でも、次のpolled TXOPの間にCPが設けられ、そのCPが延長されることでその後のQoS CF−Pollの送信が遅れてしまい、QSTAにおけるパワーセーブの効率が低下することを防止できる。
(4−1)polled TXOPの配置例
(4−1−1)ネットワーク全体のパワーセーブ効率を優先させる場合
本実施形態では、各QSTAがAwakeとなるタイミングをスケジュール周期の始点に合わせている。この場合、各QSTAにおけるパワーセーブの効率(ネットワーク全体のパワーセーブ効率)を良くするためには、スケジュール設定部18が、なるべく期間の短いpolled TXOPが先になるように各QSTAのpolled TXOPを配置した予定スケジュールを設定すればよい。図10および図11を参照しながら具体的に説明する。
(4−1−1)ネットワーク全体のパワーセーブ効率を優先させる場合
本実施形態では、各QSTAがAwakeとなるタイミングをスケジュール周期の始点に合わせている。この場合、各QSTAにおけるパワーセーブの効率(ネットワーク全体のパワーセーブ効率)を良くするためには、スケジュール設定部18が、なるべく期間の短いpolled TXOPが先になるように各QSTAのpolled TXOPを配置した予定スケジュールを設定すればよい。図10および図11を参照しながら具体的に説明する。
図10は、polled TXOPの期間が長いものから短いものへの順番でpolled TXOPを配置した例であり、非効率的なpolled TXOPの配置例である。図11は、polled TXOPの期間が短いものから長いものへの順番でpolled TXOPを配置したものであり、効率的なpolled TXOPの配置例である。なお、図10および図11図における表記方法や略称などは図1と略同様である。
図10と図11とにおける帯域割り当ては同じになっており、QSTA1への割り当てが最も多く、QSTA3への割り当てが最も少ないものとなっている。すなわち、各QSTAに対してスケジュール周期ごとに毎回、QSTA1に対してはスケジュール周期の4割程度の期間のpolled TXOPを、QSTA2に対してはスケジュール周期の3割程度の期間のpolled TXOPを、QSTA3に対してはスケジュール周期の2割程度の期間のpolled TXOPをそれぞれ付与するようになっている。
これらの図において、全QSTAを総合的にみたパワーセーブの効率を比較する。各QSTAがAwake状態となっている期間の長さの和を比較し、これがより少ない方がパワーセーブの効率が良いといえる。
QSTA1への1つのスケジュール周期におけるpolled TXOPの長さ、つまりQSTA1がQoS CF−Pollフレームを受信してから、そのQoS CF−Pollフレームで示されるTXOP limitの期間が経過するまでの時間をAとする。これは図10と図11とで同じ長さとなる。同様にQSTA2へのpolled TXOPの長さをB、QSTA3へのpolled TXOPの長さをCとする。
図10において、1つのスケジュール周期においてQSTA1がAwakeとなっている時間はAであり、QSTA2がAwakeとなっている時間はA+Bであり、QSTA3がAwakeとなっている時間はA+B+Cである。これらの和をT1とすると、T1=3A+2B+Cとなる。
図11において、1つのスケジュール周期においてQSTA1がAwakeとなっている時間はC+B+Aであり、QSTA2がAwakeとなっている時間はC+Bであり、QSTA3がAwakeとなっている時間はCである。これらの和をT2とすると、T2=3C+2B+Aとなる。
上記したように、A>Cであるので、T1>T2である。したがって、図11の方がネットワーク全体としてのパワーセーブの効率が良い。
言い換えると、長いpolled TXOPを先に配置すると、その終了を待っている全てのQSTAがその期間Awake状態で待つことになるので、全体としてAwake状態になっている期間が増加する。このため、パワーセーブの効率が低下する。つまり、長さの異なるpolled TXOPを配置する場合は、期間の短いものをなるべく前に配置する方が全体としてのパワーセーブの効率は良くなる。
(4−1−2.)各QSTAのパワーセーブ効率を均一化させたい場合
上記のように単純にpolled TXOPの短いQSTAから順番にpolled TXOPを配置する場合、ネットワーク全体としてのパワーセーブ効率は良くなるものの、スケジュール周期の前方でpolled TXOPを付与されるQSTAはパワーセーブの効率が高くなり、後方でpolled TXOPを付与されるQSTAはパワーセーブの効率が悪くなることになる。
上記のように単純にpolled TXOPの短いQSTAから順番にpolled TXOPを配置する場合、ネットワーク全体としてのパワーセーブ効率は良くなるものの、スケジュール周期の前方でpolled TXOPを付与されるQSTAはパワーセーブの効率が高くなり、後方でpolled TXOPを付与されるQSTAはパワーセーブの効率が悪くなることになる。
そこで、各QSTAにおけるパワーセーブの効率を均一化させたい場合には、スケジュール設定部18が、QoS CF−Pollフレームを各QSTAに送信する順序を循環的に変更した予定スケジュールを設定するようにしてもよい。図12は、この場合のタイミングチャートの一例である。なお、この図における表記方法や略称などは図1と略同様である。なお、他のQSTAの動作についてはこの図には記載していない。
この図に示す例では、QSTA1、QSTA2、QSTA3の全てに対して、スケジュール周期ごとに毎回、スケジュール周期の2割程度の期間のpolled TXOPを付与するようになっている。また、QSTA1、QSTA2、QSTA3の全てについて、SIはスケジュール周期と同じ長さ(SI1、SI2、SI3)である。また、SSTの設定は上記した図9と同様に、QSTA1、QSTA2、QSTA3の全てについて、スケジュール周期の始点に合わせた時刻(SST1、SST2、SST3)としている。
ただし、図12に示すように、図12では、スケジュール周期ごとにQoS CF−Pollフレームが送信される順序が循環的に変更されている。すなわち、スケジュール周期1においては、QSTA1、QSTA2、QSTA3の順番でQoS CF−Pollフレームが送信され、スケジュール周期2においては、QSTA2、QSTA3、QSTA1の順番でQoS CF−Pollフレームが送信され、スケジュール周期3においては、QSTA3、QSTA1、QSTA2の順番でQoS CF−Pollフレームが送信され、スケジュール周期4においては、スケジュール周期1と同じ順序に戻って、QSTA1、QSTA2、QSTA3の順番でQoS CF−Pollフレームが送信され、その後はこれが繰り返される。
ここで、QSTA1について着目する。スケジュール周期1においては、QAP10はQSTA1に対して、QoS CF−PollフレームA01を送信し、それを受信したQSTA1がデータフレームA02を送信している。ここでは、QSTA1はスケジュール周期の始点から、その直後の自局のpolled TXOPが終了するまでAwake状態となっていれば良いことになる。
スケジュール周期2においては、QAP10はQSTA2とQSTA3に対して、QoS CF−PollフレームA07、A09を送信した後に、QSTA1宛のQoS CF−PollフレームA11を送信している。つまり、ここでは、QSTA1はスケジュール周期の始点から、QSTA2とQSTA3とのpolled TXOPが終了し、その後の自局のpolled TXOPが終了するまでAwake状態となっていることになる。これはスケジュール周期1に比べると3倍の期間Awake状態となっている必要があるということである。
スケジュール周期3においては、QAP10はQSTA3に対してQoS CF−PollフレームA13を送信した後に、QSTA1宛のQoS CF−PollフレームA15を送信している。つまり、ここでは、QSTA1はスケジュール周期の始点から、QSTA3のpolled TXOPが終了し、その後の自局のpolled TXOPが終了するまでAwake状態となっていることになる。これはスケジュール周期1に比べると2倍の期間Awake状態となっている必要があるということである。
図12の例では、全てのQSTAに対するpolled TXOPの長さは同一である。そこで、一つのpolled TXOPの長さをTとすると、QSTA1については、スケジュール周期1においてはT、スケジュール周期2においては3T、スケジュール周期3においては2Tの時間だけAwake状態となっている。したがって、スケジュール周期1〜3でAwake状態となっている期間の合計は6Tとなる。
QSTA2については、スケジュール周期1においては2T、スケジュール周期2においてはT、スケジュール周期3においては3Tの時間だけAwake状態となっている。したがって、スケジュール周期1〜3でAwake状態となっている期間の合計は6Tとなる。
QSTA3については、スケジュール周期1においては3T、スケジュール周期2においては2T、スケジュール周期3においてはTの時間だけAwake状態となっている。したがって、スケジュール周期1〜3でAwake状態となっている期間の合計は6Tとなる。
このように、スケジュール周期1〜3の合計で計算すると、QSTA1〜3がAwake状態となっている期間は同じ長さとなっている。これはすなわち、QSTA1〜3におけるパワーセーブの効率が均一になっているということである。なお、スケジュール周期4以降は同じスケジュールが繰り返されるので、長期的に見ても各QSTAのパワーセーブの効率が均一化されていると言える。
上記のように、本実施形態によれば、連続してpolled TXOPを付与できるようにService Start Timeを設定することで、2つのpolled TXOPの間にCPが発生しないようにして、そのCPが延長されることでその後のQoS CF−Pollの送信が遅れてしまい、QSTAにおけるパワーセーブの効率が低下することがない。また、QoS CF−Pollフレームを送信する順序を循環的に変更することにより、各QSTAにおけるパワーセーブの効率を均一化できる。
つまり、あるQSTAについてはパワーセーブの効率が良いが、別のQSTAについてはパワーセーブの効率が悪くなるということを防ぐことができる。例えば、各QSTAがバッテリーで動作する場合、各QSTAのパワーセーブ効率が不均一だと、パワーセーブの効率の悪いQSTAから先に動作不能な状態となってしまう可能性がある。例えば、データを保存しているサーバのQSTAが動作不能な状態になってしまうと、クライアントとなっているQSTAにおいてバッテリーが残っていて動作可能な状態だとしても、結局はデータを受信することができないため役に立たないということが考えられる。したがって、そのような場合には、上記したように、各QSTAのパワーセーブの効率を均一化することで、クライアントだけが動作可能な状態とならず、その分サーバが動作可能となる時間が増えて、ネットワーク全体としての利便性が向上する。
(4−1−3.)その他のpolled TXOPの配置例
上記の例では、単純にpolled TXOPの短いQSTAから順番にpolled TXOPを配置する例、および、QoS CF−Pollフレームを各QSTAに送信する順序を循環的に変更する例について説明したが、これらの例に限らず、別の条件を基準にしてpolled TXOPの配置の順番を決定してもよい。
上記の例では、単純にpolled TXOPの短いQSTAから順番にpolled TXOPを配置する例、および、QoS CF−Pollフレームを各QSTAに送信する順序を循環的に変更する例について説明したが、これらの例に限らず、別の条件を基準にしてpolled TXOPの配置の順番を決定してもよい。
例えば、各QSTAにおけるパワーセーブの効率の重要度に応じて各QSTAに関するpolled TXOPの配置(順序)を設定してもよい。つまり、パワーセーブの効率の重要度が高いQSTAほど、スケジュール周期の前方に配置するようにしてもよい。
例えば、QAP10が予め各QSTAに対してバッテリーの残量を問い合わせておき、バッテリーの残量の少ない順番で配置するようにしてもよい。また、各QSTAの送信するデータの種類等に基づいて重要度を設定し、この重要度の高いQSTAから順に配置してもよい。
また、パワーセーブを使用しないQSTAをなるべく後ろに配置するようにしてもよい。パワーセーブを使用しないQSTAについては、常にAwake状態となっているので、スケジュール周期のどの時点でQoS CF−Pollされても関係ない。
例えば、QSTA1が無線IP携帯電話であり、QSTA2が据え置き型のTV(無線LAN経由で映像受信できる物)であるという状況が想定される。無線IP携帯電話はバッテリで稼動するのに対して、据え置き型のTVはコンセント接続で駆動する。すなわち、QSTA1の方がQSTA2に比べてパワーセーブの効率の重要度が高いと言える。よって、QSTA1へのPolled TXOPをスケジュール周期の先頭に配置し、QSTA2へのPolled TXOPをその後に配置する事が考えられる。さらに、QSTA1は音声データを伝送するのに対して、QSTA2は映像データを伝送する。音声データは映像データに比べて単位時間あたりのデータ量が少ない、すなわち、1つのPolled TXOPも短くなる。よって、QSTA2を先に配置するのに比べて、QSTA1を先に配置する方が、全体としてのパワーセーブの効率も向上するので、この点においてもこのスケジューリング方法は効率的であると言える。
(4−2.)本実施形態の使用適否の判定
図9に示した例では、QSTA2のSSTをスケジュール周期の先頭に合わせているため、QSTA2はスケジュール周期ごとに毎回余分にAwake状態となっている必要がある。このため、その分についてのパワーセーブの効率は低下する。スケジュール周期の前方に配置されるpolled TXOPが短いほど、その後に配置されるpolled TXOPの宛先のQSTAが余分にAwake状態となっている時間も少なくなるので、本実施形態はスケジュール周期の前方に配置されるpolled TXOPが短い場合に有効であると言える。つまり、CPの割り込みによるパワーセーブの効率の低下と、本実施形態を用いた場合におけるパワーセーブの効率の低下とを比較して、後者の方が効率が低下するような場合は、本実施形態を用いない方が良いと言える。
図9に示した例では、QSTA2のSSTをスケジュール周期の先頭に合わせているため、QSTA2はスケジュール周期ごとに毎回余分にAwake状態となっている必要がある。このため、その分についてのパワーセーブの効率は低下する。スケジュール周期の前方に配置されるpolled TXOPが短いほど、その後に配置されるpolled TXOPの宛先のQSTAが余分にAwake状態となっている時間も少なくなるので、本実施形態はスケジュール周期の前方に配置されるpolled TXOPが短い場合に有効であると言える。つまり、CPの割り込みによるパワーセーブの効率の低下と、本実施形態を用いた場合におけるパワーセーブの効率の低下とを比較して、後者の方が効率が低下するような場合は、本実施形態を用いない方が良いと言える。
このため、CPが延長されることを承知で、従来通りのパワーセーブのスケジュールを設定するか、本実施形態を使用してパワーセーブのスケジュールを設定するかを、ADDTSによって定義されたストリームの帯域割り当ての状況等に基づいてQAP10(スケジュール設定部18)が判断するようにしてもよい。
ここで、QAP10(スケジュール設定部18)による本実施形態の使用適否の判定方法の一例について説明する。
従来のパワーセーブのスケジュールを設定する方がパワーセーブの効率がよいか、あるいは本実施形態を使用してパワーセーブのスケジュールを設定する方がパワーセーブの効率がよいかは、ADDTSによって定義されたストリームの帯域割り当ての状況やシステム全体としての用途などによって異なる。このため、判定方法は一概には決定できないが、一例として、一つのスケジュール周期において付与するpolled TXOPの長さが予め決定した所定の期間より短い場合(所定の期間の長さ未満の場合)に、本実施形態を適用することが考えられる。
この場合、QAP10は、ADDTS requestフレームにより通知されたTSPECによって、QSTAに付与するpolled TXOPの長さ等を決定する。この際、1スケジュール周期において付与するpolled TXOPの長さが所定の期間より短ければ、本実施形態のスケジュール設定方法を用い、スケジュール周期の先頭でそのQSTAがAwake状態となるようにSSTおよびSIを決定し、ADDTS responseフレームにてQSTAに通知する。また、1スケジュール周期において付与するpolled TXOPの長さが所定の期間よりも長ければ(所定の期間の長さ以上であれば)、本実施形態のスケジュール設定方法は用いず、QoS CF−Pollフレームを送信する予定の時点でそのQSTAがAwake状態となるように、SSTおよびSIを決定し、ADDTS responseフレームにてQSTAに通知する。
なお、上記所定の期間は、ADDTSによって定義されたストリームの帯域割り当ての状況やシステム全体としての用途などに応じて、QAP10(スケジュール設定部18)が設定すればよい。
この判定方法によれば、比較的簡単な手順で本実施形態を用いるべきかどうかという判定を行うことができる。
なお、本実施形態の方法を用いない場合は、途中でpolled TXOPを返却する可能性の低いQSTAのpolled TXOPをなるべくスケジュール周期の前の方に配置することが好ましい。これにより、CPの発生確率を低下させて、帯域割り当てのスケジュールがずれる確率を低下させることができる。
つまり、スケジュール周期の前方でCPが延長された場合は、その後の全てのQoS CF−Pollフレームの送信タイミングがずれて、それらの宛先のQSTAにおいて、無駄にAwakeとなる時間が長くなってしまう。このため、CPの延長が発生するのはなるべくスケジュール周期の後方である方がネットワーク全体としてのパワーセーブの効率の低下を抑制できる。
また、スケジュール周期の最後に配置されたpolled TXOPが予定より早く終了したとしても、その後のCPが前倒しで開始されるだけなので、問題ない。例えば、polled TXOPにおいて送信するストリームとして、VBR(variable bit rate)のコンテンツを伝送しているQSTAに比べると、CBR(constant bit rate)のコンテンツを伝送しているQSTAの方がpolled TXOPを途中で返却する可能性は低いと言える。MPEG方式などにおいては、映像や音声を常に一定のビットレートで圧縮するCBR方式を用いるか、各シーンのデータ量に応じて変化させたビットレートで圧縮するVBR方式を用いるかを選択することができる。VBRでは変化の大きな部分でビットレートを上げ、小さな部分ではビットレートを下げるので、CBRと比べ、ビットレートあたりの画質や音質を高くできる反面、デコードの処理が複雑になるので、用途に応じてVBRとCBRは使い分けられる。CBRのコンテンツを伝送する場合は、送信されるのは常に一定量のデータであるため、与えられたpolled TXOPが残って送信するべきデータが無くなるということはない。それに比べて、VBRのコンテンツを伝送する場合は、比較的変化に乏しいシーンにおいては伝送するべきデータ量は少なくなる。QSTAはコンテンツの全体を通して平均の大きさのビットレートをADDTS requestフレームで通知し、QAP10はADDTS requestで要求されたビットレートの伝送を行うのに十分なpolled TXOPを付与するので、変化に乏しいシーンの伝送中には、QSTAにおいてpolled TXOPの途中で送信するべきデータが無くなってしまいpolled TXOPが途中で返却される場合がある。このため、VBRのコンテンツを伝送するQSTAへのpolled TXOPをスケジュール周期のなるべく前方に配置することで、ネットワーク全体としてのパワーセーブの効率を向上させることができる。
(4−3.)2番目以降のQSTAのAwake時期の変形例
また、本実施形態では、全てのQSTAがスケジュール周期の先頭でAwake状態に移行するようにしているが、これに限らず、2番目以降のQSTAへのQoS CF−Pollについては、スケジュール周期の先頭よりも少し遅らせても良い。例えば、図9のように、毎回のスケジュール周期においてQSTA1に対するQoS CF−Pollが送信される場合、そのQoS CF−Pollフレームによってどのような長さのpolled TXOPが付与されたとしても(polled TXOPが0だったとしても)そのQoS CF−Pollフレームの送信期間中にQSTA2がフレームを受信することない。このため、QoS CF−Pollフレームは最低の長さが決まっているので、スケジュール周期の先頭から最低の長さのQoS CF−Pollフレームの送信にかかる時間の分だけ遅らせた時点からQSTA2がAwake状態となるようにSSTおよびSIを決定してもよい。
また、本実施形態では、全てのQSTAがスケジュール周期の先頭でAwake状態に移行するようにしているが、これに限らず、2番目以降のQSTAへのQoS CF−Pollについては、スケジュール周期の先頭よりも少し遅らせても良い。例えば、図9のように、毎回のスケジュール周期においてQSTA1に対するQoS CF−Pollが送信される場合、そのQoS CF−Pollフレームによってどのような長さのpolled TXOPが付与されたとしても(polled TXOPが0だったとしても)そのQoS CF−Pollフレームの送信期間中にQSTA2がフレームを受信することない。このため、QoS CF−Pollフレームは最低の長さが決まっているので、スケジュール周期の先頭から最低の長さのQoS CF−Pollフレームの送信にかかる時間の分だけ遅らせた時点からQSTA2がAwake状態となるようにSSTおよびSIを決定してもよい。
また、毎回のスケジュール周期において送信されるQoS CF−Pollが2つあれば、3番目にQoS CF−Pollが送信されるQSTAについては、2つのQoS CF−Pollの送信にかかる時間の分だけ遅らせるというように、反復的に上記の方法を使用することも可能である。また、QoS CF−Pollフレームの送達確認のために、ACKフレームが送信される場合には、さらにACKの送信にかかる時間の分だけQSTA2がAwakeとなる時間を遅らせてもよい。なお、ACKフレームは、通常、固定長であるのでその送信に必要な時間は計算可能である。また、フレームの間隔として最低限空けなければいけない間隔がプロトコルで規定されている場合は、その長さ分をさらに時間を遅らせても良い。また、スケジュール周期の先頭で毎回必ずQAP10からデータが送信されるような場合は、そのデータの送信にかかる時間の分だけ全QSTAについて、Awake状態となる時間を遅らせてもよい。
また、本実施形態では、説明の簡単のため、QSTA1とQSTA2とのSIを同じにしているが、これに限らず、各QSTAのSIは異なっていてもよい。また、QSTA1とQSTA2とで同じ量の帯域を割り当てているが、異なる帯域割り当て量であってもよい。また、本実施形態では、2つのQSTAに対して帯域を割り当てているが、これに限らず、QSTAの数は1つ以上であればよい。
〔実施形態5〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1〜3にかかるQAP10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1〜3にかかるQAP10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態にかかるQAP10の構成は、実施形態1〜4に示したものと略同様である。また、本実施形態にかかるQAP10は、実施形態1〜4と同様、IEEE802.11e標準を用いて通信を行うネットワークに用いられるものである。ただし、本実施形態では、スケジュール設定部18が、SIの異なるストリームが存在する場合に、スケジュール周期内において連続してpolled TXOPを付与するようにSSTを設定することで、2つのpolled TXOPの間にCPが発生させないようにする。
図13は、本実施形態にかかるQAP10が管理するネットワークのタイミングチャートの一例である。この図における表記方法や略称などは図1にて説明したものと同様である。なお、他のQSTAの動作については省略している。
この図に示す例では、QSTA1に対してはスケジュール周期ごとに毎回、スケジュール周期の2割程度の期間のpolled TXOPを、QSTA2に対しては2回のスケジュール周期ごとにスケジュール周期の2割程度の期間のpolled TXOPを、QSTA3に対しては3回のスケジュール周期ごとにスケジュール周期の2割程度の期間のpolled TXOPをそれぞれ付与するようになっている。
また、QSTA1のSI(SI1)はスケジュール周期と同じ長さであり、QSTA2のSI(SI2)はスケジュール周期の2倍の長さであり、QSTA3のSI(SI3)はスケジュール周期の3倍の長さである。
QSTA1へのpolled TXOPはスケジュール周期の先頭に配置され、SSTはスケジュール周期の始点に合わせた時刻(SST1)となっている。QSTA2へのpolled TXOPはQSTA1へのpolled TXOPの後に配置されるので、従来であればSSTはスケジュール周期の始点からQSTA1へのQoS CF−Pollフレームの送信期間とpolled TXOPの長さを加算した時刻としていたが、本実施形態では、これをスケジュール周期の始点に合わせた時刻(SST2)としている。同様に、QSTA3へのpolled TXOPはQSTA2へのpolled TXOPの後に配置されるので、従来であればSSTは、スケジュール周期の始点からQSTA1へのQoS CF−Pollフレームの送信期間およびpolled TXOPの長さと、QSTA2へのQoS CF−Pollフレームの送信期間およびpolled TXOPの長さとを加算した時刻としていたが、本実施形態では、これをスケジュール周期の始点に合わせた時刻(SST3)としている。
スケジュール周期1においては、QAP10は、QSTA1に対して、QoS CF−Pollフレーム501を送信し、それを受信したQSTA1がデータフレーム502を送信する。次に、QAP10は、QSTA2に対して、QoS CF−Pollフレーム503を送信し、それを受信したQSTA2がデータフレーム504を送信する。さらに、QAP10は、QoS CF−Pollフレーム505をQSTA3に送信し、それを受信したQSTA3がデータフレーム506を送信する。その後はスケジュール周期が終わるまではCP期間を設けることになっているので、QAPは何も送信しない。
この場合、スケジュール周期1において、QSTA1はスケジュール周期の始点からデータフレーム502の送信終了までAwake状態となっていることになる。QSTA2のSSTはスケジュール周期の先頭になっているので、QSTA2はスケジュール周期の先頭からデータフレーム504の送信終了までAwake状態となっていることになる。
QSTA3のSSTはスケジュール周期の先頭になっているので、QSTA3はスケジュール周期の先頭からデータフレーム506の送信終了までAwake状態となっていることになる。
スケジュール周期2においては、QSTA1にのみpolled TXOPが付与される。このため、QSTA1はスケジュール周期の始点からデータフレーム508の送信終了までAwake状態となっていることになる。QSTA2とQSTA3とはこのスケジュール周期においてはパワーセーブ状態のままとなる。
スケジュール周期3においては、QSTA1とQSTA2とにpolled TXOPが付与される。よって、QSTA1はスケジュール周期の始点からデータフレーム510の送信終了までAwake状態となっていることになる。QSTA2はスケジュール周期の始点からデータフレーム512の送信終了までAwake状態となっていることになる。QSTA3はこのスケジュール周期においてはパワーセーブ状態のままとなる。
スケジュール周期4においては、QSTA1とQSTA3とにpolled TXOPが付与される。QAP10は、QSTA1に対して、QoS CF−Pollフレーム513を送信し、それを受信したQSTA1がデータフレーム514を送信する。従来であれば、QSTA3のSSTはスケジュール周期の始点から、QSTA1のpolled TXOPの時間とQSTA2のpolled TXOPの時間とを加算した時間となっているので、スケジュール周期4において、QSTA1のpolled TXOPが終了した時点ではQSTA3はAwake状態となっていない。したがって、従来であればQAP10はQSTA1のpolled TXOPが終了した時点でCPを設けることとなる。
これに対して、本実施形態では、QSTA3のSSTをスケジュール周期の始点にしているので、スケジュール周期4においても、QSTA3はスケジュール周期の始点からAwake状態となっており、QAP10は、QSTA1のpolled TXOPが終了した時点でQSTA3にQoS CF−Pollフレーム519を送信する。したがって、QSTA1のpolled TXOPとQSTA3のpolled TXOPとの間にCPは設けられない。なお、QoS CF−Poll515を受信したQSTA3はデータフレーム516を送信した後、パワーセーブ状態に移行する。
以上のように、本実施形態によれば、QAP10(スケジュール設定部18)は、SIの異なるストリームが存在する場合、各スケジュール周期においてpolled TXOPを付与する各QSTAがスケジュール周期の先頭でAwake状態となるように予定スケジュールを設定する。また、各スケジュール周期内において、そのスケジュール周期においてpolled TXOPを割り当てる各QSTAに対してpolled TXOPを連続して割り当てる。
これにより、各スケジュール周期において、異なるQSTAのpolled TXOPの間にCPが設けられることがなくなる。したがって、異なるQSTAのpolled TXOPの間に設けられたCPが延長され、その後のQoS CF−Pollフレームの送信が遅れてしまい、QSTAにおけるパワーセーブの効率が低下することを防止できる。
なお、各スケジュール周期内におけるpolled TXOPの配置順序(各QSTAにpolled TXOPを付与する順番)については、実施形態4と同様、ネットワーク全体のパワーセーブ効率や各QSTAにおけるパワーセーブ効率などを考慮して適宜設定すればよい。スケジュール設定部18が各種条件に基づいて設定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、QSTA2およびQSTA3のSSTをスケジュール周期の先頭に合わせているため、QSTA2およびQSTA3はpolled TXOPを付与されるスケジュール周期ごとに毎回余分にAwake状態となる。このため、その分についてのパワーセーブの効率は低下する。この場合、あるスケジュール周期内において、前方に配置されるpolled TXOPが短いほど、その後に配置されるpolled TXOPの宛先のQSTAが余分にAwake状態となっている時間も少なくなるので、本実施形態はそのような場合に有効であると言える。
CPが延長される事を承知で、従来通りのパワーセーブのスケジュールを設定するか、本実施形態を使用してパワーセーブのスケジュールを設定するかは、実施形態4と同様、例えばADDTSによって定義されたストリームの帯域割り当ての状況などからQAP10(スケジュール設定部18)が判断することが考えられる。
また、本実施形態では、各スケジュール周期の先頭において、当該スケジュール周期でpolled TXOPを付与される全てのQSTAをAwake状態に移行させているが、これに限るものではない。実施形態4と同様、2番目以降のQSTAへのQoS CF−Pollについては、スケジュール周期の先頭よりも少し遅らせても良い。
また、本実施形態では、説明の簡単のため、QSTA1とQSTA2とのSIを同じにしているが、これに限らず、各QSTAのSIは異なっていてもよい。また、QSTA1とQSTA2とで同じ量の帯域を割り当てているが、異なる帯域割り当て量であってもよい。また、本実施形態では、2つのQSTAに対して帯域を割り当てているが、これに限らず、QSTAの数は1つ以上であればよい。
(ストリームが削除された場合)
本実施形態にかかるスケジュール設定方法は、スケジュール周期内において複数のQSTAにpolled TXOPを付与している場合に、スケジュール周期の先に配置されているpolled TXOPが無くなる状況、あるいは短縮される状況においてに発生する問題を解決する方法であるということもできる。ただし、このような場合のほか、例えば、ストリームが削除された時にも同様の状況は発生しうる。図14を参照しながら上記の場合について詳しく説明する。図の表記方法や略称などは図1と略同様である。なお、他のQSTAの動作について省略している。
本実施形態にかかるスケジュール設定方法は、スケジュール周期内において複数のQSTAにpolled TXOPを付与している場合に、スケジュール周期の先に配置されているpolled TXOPが無くなる状況、あるいは短縮される状況においてに発生する問題を解決する方法であるということもできる。ただし、このような場合のほか、例えば、ストリームが削除された時にも同様の状況は発生しうる。図14を参照しながら上記の場合について詳しく説明する。図の表記方法や略称などは図1と略同様である。なお、他のQSTAの動作について省略している。
図14の例では、QSTA1からQSTA3の全てに対して、スケジュール周期ごとに毎回、スケジュール周期の2割程度の期間のpolled TXOPをそれぞれ付与するようになっている。
また、図13と同様、スケジュール周期においてpolled TXOPを付与する全てのQSTAについて、そのスケジュール周期の先頭でAwake状態となるように設定されている。
スケジュール周期1では、通常通り全てのQSTAに対してpolled TXOPが付与されている。
図14の例では、スケジュール周期1におけるpolled TXOPにてQSTA2は送信していたストリームのデータを全て送信し終わり、それ以後のpolled TXOPは不要となっている。この場合、QSTA2は、QAP10にDELTS requestフレームを送信する(図示せず)。これを受信したQAP10は、それ以後QSTA2に対するpolled TXOPの付与が不要であることを認識し、応答としてDELTS responseフレームをQSTA2に送信する(図示せず)。
この場合、スケジュール周期2においては、QSTA1へのpolled TXOPの後に元々予定されていたQSTA2へのpolled TXOPが設けられることなく、QSTA3へのpolled TXOPが設けられることになる。これは、図13のスケジュール周期4と同様の状況である。
従来であれば、QSTA1からのデータフレームB08の送信が終了した時点ではQSTA3はAwake状態となっていない。このため、QAP10はここでCPを設けることになる。
一方、本実施形態では、QSTA3がスケジュール周期の始点からAwake状態となるように設定されており、QAP10は、QSTA1からのデータフレームB08の送信が終了した時点でQSTA3にQoS CF−PollフレームB09を送信する。そして、QoS CF−PollフレームB09を受信したQSTA3はデータフレームB10を送信した後、パワーセーブ状態に移行している。
このため、本実施形態では、QSTA1のpolled TXOPとQSTA3のpolled TXOPとの間にCPが設けられることがない。したがって、異なるQSTAのpolled TXOPの間に設けられたCPが延長され、その後のQoS CF−Pollフレームの送信が遅れてしまい、QSTAにおけるパワーセーブの効率が低下することを防止できる。
〔実施形態6〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1〜3にかかるQAP10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1〜3にかかるQAP10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態にかかるQAP10の構成は、実施形態1〜5に示したものと略同様である。また、本実施形態にかかるQAP10は、実施形態1〜5と同様、IEEE802.11e標準を用いて通信を行うネットワークに用いられるものである。ただし、本実施形態では、polled TXOPが予定よりも早く返却された場合に、CPに移行しないように、QAP10(タイミング制御部20)がフレームの送信を行うようになっている。なお、本実施形態では、QSTA2がスケジュール周期の先頭においてAwake状態となるようにSSTとSIとを設定せず、通常通り、スケジュール周期の先頭からQSTA1へのpolled TXOPの長さだけ経過した時点でQSTA2がAwake状態となるように設定すればよい。
例えば図21におけるスケジュール周期2のように、QSTA1のpolled TXOPが予定よりも早く返却された場合、QAP10(タイミング制御部20)は、QSTA2がAwake状態となるまでの間、CPに移行させないために何らかのフレームをDIFS未満の間隔で送信し続ける。つまり、QSTA1がデータフレーム406を送信した後、QSTA2がAwake状態となるまでの間にDIFSの間隔が生じないように、QAP10が何らかのフレームを送信し続け、QSTA2がAwake状態となる予定の時刻になったらQSTA2宛のQoS CF−Pollフレーム407を送信する。これによりDCF方式でフレームを送信しようとするQSTAはQSTA1へのpolled TXOPが終了してからQSTA2へのpolled TXOPが開始するまでの間にフレームを送信できなくなる。したがって、CPが発生しないので、CPが延長されてその後の帯域割り当てのスケジュールがずれることがない。
ここで、QAP10が送信し続けるフレームとしては、帯域割り当てのスケジュールやパワーセーブのスケジュールに影響を与えないフレームであればどのようなものでも良い。例えば、QSTA1宛のQoS CF−Pollフレームを送信し続けてもよい。この場合、QoS CF−Pollフレームを送信しても、QSTA1はすでにパワーセーブ状態となっているのでフレームを受信することはなく、QoS CF−Pollフレームは無視されることになる。
また、QSTA2宛のQoS CF−Pollフレームを送信し続けてもよい。この場合、QSTA2は初めのうちはパワーセーブ状態となっているのでQoS CF−Pollフレームを受信することはなく、QoS CF−Pollフレームは無視される。QoS CF−Pollフレームを送信し続けていれば、QSTA2がAwake状態となった時点でQoS CF−Pollフレームが受信されることになる。
また、QAP10がデータフレームを送信するようにしてもよい。例えば、QSTA1およびQSTA2以外のパワーセーブ状態になっていないQSTAに対して送信する予定がある場合はそのデータフレームを送信すればよい。もし、何も送信するべきデータフレームがなければ、空のデータフレームを送信すればよい。宛先としては、QSTA1およびQSTA2のようにパワーセーブ状態となっているQSTAでも良いし、パワーセーブ状態でないQSTAでも良い。パワーセーブ状態となっているQSTAに対して送信すれば受信されず、パワーセーブ状態でないQSTAに対して送信すれば受信はされるが空のデータであるので、受信側で破棄されることになる。
また、QAP10がフレームを送信し続けるのではなく、QSTA1およびQSTA2以外のパワーセーブ状態となっていないQSTA宛に、QAP10がQoS CF−Pollフレームを送信し、そのQSTAにフレームを送信させることも考えられる。ストリームごとにS−APSDを使用するかどうかは設定できるので、常にAwake状態であってQoS CF−Pollフレームを受信可能なQSTAが存在する場合もある。そのようなQSTAに対して、QSTA1へのpolled TXOPが終了した時点で、QSTA2へのpolled TXOPの開始予定時刻で終了するようなTXOP limitを示すQoS CF−Pollを送信すれば、そのQSTAは指定された時間だけデータフレームを送信するので、DCFで送信しようとするQSTAはフレーム送信を開始できなくなる。これにより、QSTA1のpolled TXOPとQSTA2のpolled TXOPとの間にCPが発生しなくなるので、そのCPが延長されることもなく、帯域割り当てのスケジュールがずれることもない。
また、QSTAがS−APSDを使用しているときにはpolled TXOPの途中で送信権を返却しないようにしてもよい。この場合、ADDTS requestフレームにてS−APSDの使用を要求したQSTAは、その後QoS CF−Pollを受信した際に、TXOP limitで示される時間が経過する前に送信するべきフレームが無くなっても、送信権返却フレームを送信せずにフレームを送信し続けるようにする。送信するべきデータが何も無い場合は、帯域割り当てのスケジュールや、パワーセーブのスケジュールに影響を与えないフレームを送信し続ける。例えば、空のデータフレームを送信し続けてもよく、その他のフレームを送信し続けてもよい。
(各実施の形態の組み合わせについて)
上記した各実施形態については、それぞれ、組み合わせて使用することが可能である。
上記した各実施形態については、それぞれ、組み合わせて使用することが可能である。
実施形態1〜3は、第1の解決策の例であり、これらは、CPが延長された場合に帯域割り当てのスケジュールとパワーセーブのスケジュールとを同期させるものである。実施形態2は、実施形態1に比べて、より長いCPの延長が発生した場合にも対応可能であるが、long CPを設ける分polled TXOPのための帯域割り当てが減ってしまう。また、実施形態3においては実施形態2に比べてさらに長いCPの延長が発生した場合にも対応可能であるが、実施形態1や実施形態2では送信する必要の無いScheduleフレームを送信する必要がある。このように各方法には利点と欠点とがあるので、条件に応じて選択して使用することが好ましい。例えば、これら全ての方法を実装しておいて、状況に応じて使い分けるようにしてもよい。
実施形態4〜6は、第2の解決策の例であり、これらは、CPをなるべく発生させないようにするための方法である。上述したように、ネットワークの運営上、CPを全く設けないという設定にはできないので、実施形態4および/または5を用いたとしても、CPの延長が生じる可能性がある。そこで、実施形態4および/または5と、実施形態1〜3のいずれか1つ以上とを組み合わせて用いてもよい。
本発明の通信装置は、親局が子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法で送信権を付与する各子局に対して親局からの信号の送信に引き続いて送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、上記スケジュールに基づいて上記第1の通信方法で送信権を付与する子局に対して当該子局についてのSSTおよびSIを通知するとともに、上記スケジュールに基づいて上記ネットワークの帯域管理を行う通信装置において、上記子局に対して送信権を付与するタイミングが上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出手段と、上記遅延検出手段が送信権を付与するタイミングの遅延を検出したときに、上記第2の通信方法を用いる期間を上記スケジュールにおいて設定した期間よりも短縮あるいは省略するように、上記子局に対して送信権を付与するタイミングを制御するタイミング制御手段と、を備えている。
また、本発明の通信装置では、上記スケジュール設定手段は、一定の長さの期間であるスケジュール周期を定め、連続する複数の上記スケジュール周期を1つのグループとしてこのグループを周期的に繰り返すように上記スケジュールを設定し、かつ、上記スケジュールにおいて上記スケジュール周期の整数倍の長さの、上記第2の通信方法を用いる期間である調整期間を設け、上記タイミング制御手段は、上記遅延検出手段が送信権を付与するタイミングの遅延を検出したときに、上記調整期間を上記スケジュールにおいて設定した調整期間よりも短縮あるいは省略するように、上記子局に対して送信権を付与するタイミングを制御する。
さらに、本発明の通信装置では、上記タイミング制御手段は、上記調整期間において、子局に対して、当該調整期間では当該子局に送信権付与しないことを通知する。
また、本発明の通信装置では、親局が子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法で送信権を付与する各子局に対して親局からの信号の送信に引き続いて送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、上記スケジュールに基づいて、上記第1の通信方法で送信権を付与する子局に対して当該子局についてのSSTおよびSIを通知するとともに、上記スケジュールに基づいて上記ネットワークの帯域管理を行う通信装置において、上記子局に対して送信権を付与するタイミングが上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出手段を備え、上記スケジュール設定手段は、上記遅延検出手段が送信権を付与するタイミングの遅延を検出したときに、上記スケジュールを再設定し、子局に対して上記再設定したスケジュールに基づく当該子局のSSTおよびSIを通知する。
さらに、本発明の通信装置では、親局が子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法で送信権を付与する各子局に対して親局からの信号の送信に引き続いて送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、上記スケジュールに基づいて、上記第1の通信方法で送信権を付与する子局に対して当該子局についてのSSTおよびSIを通知するとともに、上記スケジュールに基づいて上記ネットワークの帯域管理を行う通信装置において、上記子局に対する信号の送信タイミングを上記スケジュールに基づいて制御するタイミング制御手段を備え、上記スケジュール設定手段は、一定の長さの期間であるスケジュール周期を定め、連続する複数の上記スケジュール周期を1つのグループとしてこのグループを周期的に繰り返すように上記スケジュールを設定し、かつ、上記第1の通信方法で送信権を付与する子局に対して当該子局についてのSSTおよびSIを通知するときに、最初に送信権を付与する子局以外の子局については、通知するSSTをスケジュール周期の開始時刻から上記最初に送信権を付与する子局に対して送信権を付与するための信号の送信が完了するまでの期間に含まれる時刻に変更して通知し、上記タイミング制御手段は、上記いずれかの子局から、送信権を上記スケジュールにおける当該子局のSPの終了時刻よりも早く返却された場合に、同じスケジュール周期内においてそれ以降に送信権を付与する子局に対して送信権を付与するための信号を送信するタイミングを、上記スケジュールよりも繰り上げる。
また、本発明の通信装置では、親局が子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークであって、上記子局は、上記親局および他の子局から信号が送信されていない期間が所定期間以上継続した場合に、上記第2の通信方法を用いることができるように設定されているネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法で送信権を付与する各子局に対して親局からの信号の送信に引き続いて送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、上記スケジュールに基づいて、上記第1の通信方法で送信権を付与する子局に対して当該子局についてのSSTおよびSIを通知するとともに、上記スケジュールに基づいて上記ネットワークの帯域管理を行う通信装置において、上記いずれかの子局から、送信権を上記スケジュールにおける当該子局のSPの終了時刻よりも早く返却された場合に、送信権を返却された後、次に送信権を付与する子局に対して送信権を付与する予定の時刻までの期間において、上記第2の通信方法を用いることができる期間に移行させないための信号を送信する移行防止手段を備えている。
本発明の通信方法は、親局が子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法で送信権を付与する各子局に対して親局からの信号の送信に引き続いて送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定し、上記スケジュールに基づいて、上記第1の通信方法で送信権を付与する子局に対して当該子局についてのSSTおよびSIを通知するとともに、上記スケジュールに基づいて上記ネットワークの帯域管理を行う通信装置において用いられる通信方法であって、上記子局に対して送信権を付与するタイミングが上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出工程と、上記遅延検出工程において送信権を付与するタイミングの遅延を検出したときに、上記第2の通信方法を用いる期間を上記スケジュールにおいて設定した期間よりも短縮あるいは省略するように、上記子局に対して送信権を付与するタイミングを制御するタイミング制御工程と、を含む。
また、本発明の通信方法は、上記スケジュールを設定する工程において、一定の長さの期間であるスケジュール周期を定め、連続する複数の上記スケジュール周期を1つのグループとしてこのグループを周期的に繰り返すように上記スケジュールを設定し、かつ、上記スケジュールにおいて上記スケジュール周期の整数倍の長さの、上記第2の通信方法を用いる期間である調整期間を設け、上記タイミング制御工程において、上記調整期間を上記スケジュールにおいて設定した調整期間よりも短縮あるいは省略するように、上記子局に対して送信権を付与するタイミングを制御する。
さらに、本発明の通信方法は、親局が子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法で送信権を付与する各子局に対して親局からの信号の送信に引き続いて送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定し、上記スケジュールに基づいて、上記第1の通信方法で送信権を付与する子局に対して当該子局についてのSSTおよびSIを通知するとともに、上記スケジュールに基づいて上記ネットワークの帯域管理を行う通信装置において用いられる通信方法であって、上記子局に対して送信権を付与するタイミングが上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出工程を含み、上記遅延検出工程において送信権を付与するタイミングの遅延を検出したときに、上記スケジュールを再設定し、子局に対して上記再設定したスケジュールに基づく当該子局のSSTおよびSIを通知する。
また、本発明の通信方法は、親局が子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法で送信権を付与する各子局に対して親局からの信号の送信に引き続いて送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定し、上記スケジュールに基づいて、上記第1の通信方法で送信権を付与する子局に対して当該子局についてのSSTおよびSIを通知するとともに、上記スケジュールに基づいて上記ネットワークの帯域管理を行う通信装置において用いられる通信方法であって、上記スケジュールを設定するときに、一定の長さの期間であるスケジュール周期を定め、連続する複数の上記スケジュール周期を1つのグループとしてこのグループを周期的に繰り返すように上記スケジュールを設定し、上記第1の通信方法で送信権を付与する子局に対して当該子局についてのSSTおよびSIを通知するときに、最初に送信権を付与する子局以外の子局については、通知するSSTをスケジュール周期の開始時刻から上記最初に送信権を付与する子局に対して送信権を付与するための信号の送信が完了するまでの期間に含まれる時刻に変更して通知し、上記いずれかの子局から、送信権を上記スケジュールにおける当該子局のSPの終了時刻よりも早く返却された場合に、同じスケジュール周期内においてそれ以降に送信権を付与する子局に対して送信権を付与するための信号を送信するタイミングを、上記スケジュールよりも繰り上げる。
さらに、本発明の通信方法は、親局が子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークであって、上記子局は、上記親局および他の子局から信号が送信されていない期間が所定期間以上継続した場合に、上記第2の通信方法を用いることができるように設定されているネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法で送信権を付与する各子局に対して親局からの信号の送信に引き続いて送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定し、上記スケジュールに基づいて、上記第1の通信方法で送信権を付与する子局に対して当該子局についてのSSTおよびSIを通知するとともに、上記スケジュールに基づいて上記ネットワークの帯域管理を行う通信装置において用いられる通信方法であって、上記いずれかの子局から、送信権を上記スケジュールにおける当該子局のSPの終了時刻よりも早く返却された場合に、送信権を返却された後、次に送信権を付与する子局に対して送信権を付与する予定の時刻までの期間において、上記第2の通信方法を用いることができる期間に移行させないための信号を送信する。
(プログラムの実施例)
上記各実施形態におけるQAP10の各ブロック、特にプロトコル制御部12およびそれに含まれる各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
上記各実施形態におけるQAP10の各ブロック、特にプロトコル制御部12およびそれに含まれる各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、QAP10は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるQAP10の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記QAP10に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、QAP10を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
上記した各本実施形態では、IEEE802.11e標準を用いて通信を行う構成について説明したが、これに限るものではない。親局と1つ以上の子局とからなるネットワークであって、各子局の送信権付与期間を親局が管理する第1の期間と、子局が自ら送信権を獲得する第2の期間とを含む予定スケジュールを親局が設定する構成であれば適用できる。
以上のように、本発明の通信装置および通信方法では、送信権付与の開始時刻の遅延を検出したときに、上記第2の通信方法を用いる期間を上記スケジュールにおいて設定した期間よりも短縮あるいは省略するように、上記子局に対する送信権付与の開始時刻を制御する。
それゆえ、第2の通信方法を用いる期間が予定スケジュールにおいて設定された期間よりも延長された場合であっても、子局におけるパワーセーブの効率が低下することを軽減できる。
また、本発明の通信装置および通信方法は、送信権付与の開始時刻の遅延を検出したときに、スケジュールを再設定し、上記再設定したスケジュールに基づいてSSTおよびSIを、送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延した子局に対して通知する。
それゆえ、第2の通信方法を用いる期間が当初のスケジュールにおいて設定された期間よりも延長された場合であっても、子局におけるパワーセーブの効率が低下することを軽減できる。
さらに、本発明の通信装置および通信方法は、上記スケジュール周期の開始時刻から、上記スケジュール周期での最初の送信権付与信号の送信が完了するまでの間の時刻を、当該スケジュール周期中に送信権を付与する全子局に対して上記SSTとして通知し、上記各子局のうちのいずれかの子局から、上記スケジュールでのSPの終了時刻よりも早く送信権を返却された場合に、当該スケジュール周期での送信権が返却されたことを検出した時点以降の送信権付与の開始時刻を、上記スケジュールよりも繰り上げるように制御する。
それゆえ、予定外に上記第2の通信方法を用いる期間が設けられ、当初のスケジュールにおいて設定された期間が延長されて、送信権が返却されたことを検出した時点以降の送信権の付与タイミングが遅延することを防止できる。すなわち、第2の通信方法を用いる期間が延長されることによってパワーセーブ効率が低下することを防止できる。
また、本発明の通信装置および通信方法は、いずれかの子局が、送信権を上記スケジュールにおけるSPの終了時刻よりも早く返却した場合に、親局に送信権が返却された後、次に送信権を付与する子局に対して送信権を付与する予定の時刻まで、上記第2の通信方法を用いることができないようにする。
それゆえ、予定外に上記第2の通信方法を用いた期間が設けられ、当初のスケジュールにおいて設定された期間が延長されて、送信権が返却されたことを検出した時点以降の帯域の割り当てスケジュールが遅延することを防止できる。すなわち、第2の通信方法を用いる期間が延長されることによってパワーセーブ効率が低下することを防止できる。
なお、動画や音声等のリアルタイムデータを伝送している場合は、データのパケットについて、伝送遅延時間に許容範囲がある。これは言い換えれば、受信局にてパケットを再生する予定時刻までにそのパケットの伝送を完了させなければならないという事であり、許容範囲を超えてしまうと動画や音声に乱れや遅延が発生することになる。帯域割り当ての遅延は伝送遅延に繋がるため、割り当てスケジュールの遅延が補正されずに蓄積されて行くと、伝送遅延時間が許容範囲を超えてしまう事になる。本発明では、帯域割り当てのスケジュールが補正されるので、このような伝送遅延に関する問題も解決されるという効果もある。
本発明の通信装置は、親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置において、上記自局あるいは子局に対する送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出手段と、上記遅延検出手段が上記遅延を検出したときに、上記第2の通信方法を用いる期間が上記スケジュールで設定した期間よりも短縮あるいは省略されるように制御するタイミング制御手段と、を備えている。
上記スケジュール設定手段は、一定の長さのスケジュール周期を定め、連続する複数の上記スケジュール周期を1つのグループとしてこのグループを周期的に繰り返すように上記スケジュールを設定し、かつ、上記スケジュールにおいて上記スケジュール周期の整数倍の長さの、上記第2の通信方法を用いる期間である調整期間を設け、上記タイミング制御手段は、上記遅延検出手段が遅延を検出したときに、上記調整期間が上記スケジュールで設定した調整期間よりも短縮あるいは省略されるように制御する構成としてもよい。
上記の構成によれば、子局に対する送信権付与の開始時刻がスケジュールに対して遅延したときに、上記調整期間(第2の通信方法を用いる期間)が短縮または省略されるように制御する。これにより、子局に対する送信権付与の開始時刻を上記スケジュールに同期あるいは近づけることができる。このため、例えば、子局が上記親局から通知されるSST,SIに基づいてパワーセーブを行う場合に、子局に対する実際の送信権付与の開始時刻を子局のパワーセーブのスケジュールに同期または近づけることができる。したがって、第2の通信方法を用いる期間が上記スケジュールにおいて設定された期間よりも延長された場合であっても、子局におけるパワーセーブの効率が低下することを軽減できる。
また、上記タイミング制御手段は、上記調整期間中に、当該調整期間では送信権を付与しないことを子局に対して通知する構成としてもよい。
上記の構成によれば、子局は、上記調整期間では自局に対して送信権が付与されないことを認識できる。したがって、送信権が付与されないことを通知された子局は、上記調整期間においてパワーセーブ状態に移行することができる。これにより、パワーセーブの効率をより向上させることができる。
また、本発明の通信装置は、親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置において、上記スケジュール設定手段は、一定の長さのスケジュール周期を定め、連続する複数の上記スケジュール周期を1つのグループとしてこのグループを周期的に繰り返すように上記スケジュールを設定し、かつ、上記スケジュール周期の開始時刻から、上記スケジュール周期での最初の送信権付与信号の送信が完了するまでの間の時刻を、当該スケジュール周期中に送信権を付与する全子局に対して上記SSTとして通知し、上記各子局のうちのいずれかの子局から、上記スケジュールでのSPの終了時刻よりも早く送信権を返却された場合に、当該スケジュール周期での送信権が返却されたことを検出した時点以降の送信権付与の開始時刻を、上記スケジュールよりも繰り上げるように制御する。
なお、この場合、上記スケジュール設定手段は、上記スケジュール周期において各子局に送信権を付与する順序を、上記送信権を付与する期間が短い順序とするように、上記スケジュールを設定する構成としてもよい。
上記の構成によれば、例えば、子局が親局から通知されるSST,SIに基づいてパワーセーブを行う場合に、各子局がAwake状態となる期間の合計時間を短くすることができる。したがって、ネットワーク全体でのパワーセーブの効率を高くすることができる。
あるいは、上記スケジュール設定手段は、上記スケジュール周期において各子局に送信権を付与する順序を、スケジュール周期ごとに循環的に変更するように、上記スケジュールを設定する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記スケジュール周期において各子局に送信権を付与する順序が、スケジュール周期ごとに循環的に変更される。例えば、第1子局、第2子局、第3子局に対して送信権を付与する場合、初めのスケジュール周期では第1、第2、第3の順、次のスケジュール周期では第2、第3、第1の順、その次のスケジュール周期では第3、第1、第2の順で送信権を付与し、以降は初めのスケジュール周期に戻って同様の順序を繰り返す。
これにより、例えば、子局が親局から通知されるSST,SIに基づいてパワーセーブを行う場合、Awake状態となっている期間を各子局について略均一化することができる。
なお、上記の構成では、子局が親局から通知される予SST,SIに基づいてパワーセーブを行う場合、各子局は、送信権を付与されるスケジュール周期の開始時刻またはそれよりもわずかに遅れた時刻に、パワーセーブ状態を解除してAwake状態に移行することになる。このため、各スケジュール周期において2番目以降に帯域を割り当てられる子局には、親局から送信権を付与されないにもかかわらずAwake状態となる期間が生じる。したがって、上記のようにSSTを変更してから子局に通知した方がパワーセーブの効率がよくなる場合と、予定スケジュールを変更せずに子局に通知した方がパワーセーブの効率がよくなる場合とがあり、両者を使い分けることが好ましい。
そこで、上記スケジュール設定手段は、上記第1の通信方法で送信権を付与する全ての子局の上記送信権が付与される期間が、予め設定された期間の長さ以上の場合には、上記各子局に対してSSTを変更せずに通知する構成としてもよい。なお、上記予め設定された期間は、例えば子局に対する帯域割り当ての状況やシステム(ネットワーク)全体としての用途などに応じて、スケジュール設定手段が適宜設定すればよい。
上記の構成によれば、子局に通知するSSTを上記のように変更して子局に通知した方がよいか、SSTを変更せずに子局に通知した方がよいかを、比較的簡単な手順で判定できる。
本発明の通信方法は、親局が時局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定し、上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置において用いられる通信方法であって、上記時局あるいは子局に対する送信権の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出工程と、上記遅延検出工程で上記遅延を検出したときに、上記第2の通信方法を用いる期間が上記スケジュールで設定した期間よりも短縮あるいは省略されるように制御するタイミング制御工程と、を含む。
また、上記スケジュールを設定する工程で、一定の長さのスケジュール周期を定め、連続する複数の上記スケジュール周期を1つのグループとしてこのグループを周期的に繰り返すように上記スケジュールを設定し、かつ、上記スケジュールにおいて上記スケジュール周期の整数倍の長さの、上記第2の通信方法を用いる期間である調整期間を設け、上記タイミング制御工程で、上記調整期間を上記スケジュールで設定した調整期間よりも短縮あるいは省略されるように制御するようにしてもよい。
上記の方法によれば、子局に対する送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したときに、上記調整期間(第2の通信方法を用いる期間)を短縮または省略する。これにより、子局に対する送信権付与の開始時刻を上記スケジュールに同期あるいは近づけることができる。このため、例えば、子局が上記親局から通知されるSST,SIに基づいてパワーセーブを行う場合に、子局に対する実際の送信権付与の開始時刻を子局のパワーセーブのスケジュールに同期または近づけることができる。したがって、第2の通信方法を用いる期間が上記スケジュールにおいて設定された期間よりも延長された場合であっても、子局におけるパワーセーブの効率が低下することを軽減できる。
なお、上記通信装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより、上記通信装置をコンピュータにて実現させる通信プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
また、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、親局と1つ以上の子局とからなるネットワークであって、各子局の送信権付与期間を親局が管理する第1の期間と、子局が自ら送信権を獲得する第2の期間とを含む予定スケジュールを親局が設定する構成であれば適用できる。
Claims (16)
- 親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、
上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、
上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置において、
上記自局あるいは子局に対する送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出手段と、
上記遅延検出手段が上記遅延を検出したときに、上記第2の通信方法を用いる期間が上記スケジュールで設定した期間よりも短縮あるいは省略されるように制御するタイミング制御手段と、を備えていることを特徴とする通信装置。 - 上記スケジュール設定手段は、
一定の長さのスケジュール周期を定め、連続する複数の上記スケジュール周期を1つのグループとしてこのグループを周期的に繰り返すように上記スケジュールを設定し、かつ、上記スケジュールにおいて上記スケジュール周期の整数倍の長さの、上記第2の通信方法を用いる期間である調整期間を設け、
上記タイミング制御手段は、
上記遅延検出手段が遅延を検出したときに、上記調整期間が上記スケジュールで設定した調整期間よりも短縮あるいは省略されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 上記タイミング制御手段は、
上記調整期間中に、当該調整期間では送信権を付与しないことを子局に対して通知することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。 - 親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、
上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、
上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置において、
上記自局あるいは子局に対する送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出手段を備え、
上記スケジュール設定手段は、
上記遅延検出手段が上記遅延を検出したときに、上記スケジュールを再設定し、上記再設定したスケジュールに基づくSSTおよびSIを、送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延した子局に対して通知することを特徴とする通信装置。 - 親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、
上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、
上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置において、
上記スケジュール設定手段は、
一定の長さのスケジュール周期を定め、連続する複数の上記スケジュール周期を1つのグループとしてこのグループを周期的に繰り返すように上記スケジュールを設定し、かつ、
上記スケジュール周期の開始時刻から、上記スケジュール周期での最初の送信権付与信号の送信が完了するまでの間の時刻を、当該スケジュール周期中に送信権を付与する全子局に対して上記SSTとして通知し、
上記各子局のうちのいずれかの子局から、上記スケジュールでのSPの終了時刻よりも早く送信権を返却された場合に、当該スケジュール周期での送信権が返却されたことを検出した時点以降の送信権付与の開始時刻を、上記スケジュールよりも繰り上げるように制御することを特徴とする通信装置。 - 上記スケジュール設定手段は、
上記スケジュール周期において各子局に送信権を付与する順序を、上記送信権を付与する期間が短い順序とするように、上記スケジュールを設定することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。 - 上記スケジュール設定手段は、
上記スケジュール周期において各子局に送信権を付与する順序を、スケジュール周期ごとに循環的に変更するように、上記スケジュールを設定することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。 - 上記スケジュール設定手段は、
上記第1の通信方法で送信権を付与する全ての子局の上記送信権を付与する期間が、予め設定された期間の長さ以上の場合には、上記各子局に対してSSTを変更せずに通知することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の通信装置。 - 親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークであって、上記子局は、上記親局および他の子局から信号が送信されていない状態が所定期間以上継続したことを検出した場合に、上記第2の通信方法の使用を開始するネットワークに上記親局として備えられ、
上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定するスケジュール設定手段を有し、
上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置において、
上記各子局のうちのいずれかの子局から、上記スケジュールでのSPの終了時刻よりも早く送信権を返却された場合に、上記送信権を返却されてから、次に送信権を付与する予定の時刻まで、全子局に対して、上記第2の通信方法の使用を禁止させるための手段を備えていることを特徴とする通信装置。 - 親局が時局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、
上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定し、
上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置において用いられる通信方法であって、
上記時局あるいは子局に対する送信権の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出工程と、
上記遅延検出工程で上記遅延を検出したときに、上記第2の通信方法を用いる期間が上記スケジュールで設定した期間よりも短縮あるいは省略されるように制御するタイミング制御工程と、を含むことを特徴とする通信方法。 - 上記スケジュールを設定する工程で、
一定の長さのスケジュール周期を定め、連続する複数の上記スケジュール周期を1つのグループとしてこのグループを周期的に繰り返すように上記スケジュールを設定し、かつ、上記スケジュールにおいて上記スケジュール周期の整数倍の長さの、上記第2の通信方法を用いる期間である調整期間を設け、
上記タイミング制御工程で、
上記調整期間を上記スケジュールで設定した調整期間よりも短縮あるいは省略されるように制御することを特徴とする請求項10に記載の通信方法。 - 親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、
上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定し、
上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置で用いられる通信方法であって、
上記自局あるいは子局に対する送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延したことを検出する遅延検出工程を含み、
上記遅延検出工程で上記遅延を検出したときに、上記スケジュールを再設定し、上記再設定したスケジュールに基づくSSTおよびSIを、送信権付与の開始時刻が上記スケジュールに対して遅延した子局に対して通知することを特徴とする通信方法。 - 親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークに上記親局として備えられ、
上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、各子局に送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定し、
上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置で用いられる通信方法であって、
上記スケジュールを設定するときに、一定の長さのスケジュール周期を定め、連続する複数の上記スケジュール周期を1つのグループとしてこのグループを周期的に繰り返すように上記スケジュールを設定し、
上記スケジュール周期の開始時刻から、上記スケジュール周期での最初の送信権付与信号の送信が完了するまでの間の時刻を、当該スケジュール周期中に送信権を付与する全子局に対して上記SSTとして通知し、
上記各子局のうちのいずれかの子局から、上記スケジュールでのSPの終了時刻よりも早く送信権を返却された場合に、当該スケジュール周期での送信権が返却されたことを検出した時点以降の送信権付与の開始時刻を、上記スケジュールよりも繰り上げることを特徴とする通信方法。 - 親局が自局あるいは子局に送信権を付与する期間を管理する第1の通信方法と、子局が自ら送信権を獲得する第2の通信方法とを用いるネットワークであって、上記子局は、上記親局および他の子局から信号が送信されていない状態が所定期間以上継続したことを検出した場合に、上記第2の通信方法の使用を開始するネットワークに上記親局として備えられ、
上記第1の通信方法を用いる期間と上記第2の通信方法を用いる期間とを互いに重畳しないように含み、上記第1の通信方法での、送信権が付与される期間であるSPおよび上記SPが開始される時刻であるSSTおよび上記SPを設ける間隔であるSIを定めたスケジュールを設定し、
上記スケジュールに基づいて子局に対して上記SSTおよびSIを通知する通信装置で用いられる通信方法であって、
上記各子局のうちのいずれかの子局から、上記スケジュールでのSPの終了時刻よりも早く送信権を返却された場合に、上記送信権を返却されてから、次に送信権を付与する予定の時刻まで、全子局に対して、上記第2の通信方法の使用を禁止させることを特徴とする通信方法。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の通信装置を動作させる通信プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための通信プログラム。
- 請求項15に記載の通信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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