JP4667986B2 - モータ駆動式スライド型可変抵抗器 - Google Patents

モータ駆動式スライド型可変抵抗器 Download PDF

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Description

本発明は、音響機器用ミキサー等に使用されるモータ駆動式スライド型可変抵抗器に関する。
従来のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の構造としては、細長い断面L字状の枠体と、この枠体に設けられた直線状スリットに、操作レバーが挿通されたスライド型可変抵抗器と、この枠体の長手方向の一端に固定された回転軸の先端に歯付プーリが装着されたモータと、枠体の他端に回転可能に取り付けられた従動プーリと、これら歯付プーリと従動プーリの間に張架され、その中間部が前記操作レバーに固定されたリング状の歯付ベルトとを有する構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の構造を図11乃至図13に示す。図11は従来のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の斜視図、図12は従来のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の従動プーリ取付け部の断面図、図13は他の構成となる従動プーリ取付け部の斜視図である。
図において、48は金属板を加工して形成された細長い断面L字形で、その平板部の中間部の長手方向に沿って直線状スリット48Bを有する枠体であり、その平板部の中央下面には長手方向に沿ってスライド型可変抵抗器32がビス48Aにより取り付けられると共に、上記長手方向の一端にはモータ33がその回転軸33Aを垂直にしてモータ固定用ビス33Bにより取り付けられ、その回転軸33Aの先端には歯付きプーリ34が装着されている。
そして、枠体48の他端には、上記歯付きプーリ34と対向して従動プーリ35が、枠体48に固定ネジ41で取付けられた円柱状の鋲46に回転可能に取り付けられ、歯付きプーリ34と従動プーリ35の間にはリング状の歯付きベルト36が張架されると共に、その中間部は樹脂製の結合体38を介してスライド型可変抵抗器32の操作レバー37に固定されている。
そして、このスライド型可変抵抗器32は、手動操作式のスライド型可変抵抗器であり、上記枠体48の平板部の長手方向の直線状スリット48Bを通って上方へ突出した上部の操作レバー37が、枠体48の長手方向に直線動可能となるように枠体48の下面に2箇所のビス48Aで取り付けられている。
そして、上記スライド型可変抵抗器32は、操作レバー37の先端に装着されたつまみ(図示せず)を介して手動で動かす方法と枠体48に取り付けられたモータ33で回転軸33Aに装着された歯付きプーリ34を回転させ、結合体38を介して歯付きベルト36に接続された操作レバー37を動かす方法がある。
そして、従動プーリ35を回転可能に保持する鋲46は、円柱状の鋲46の底面に、固定用のネジ穴46Aを設け、上面には回転調整用の溝46Bが設けられている。この鋲46は枠体48に固定ネジ41で固定されている装着軸芯に対し、回転可能に保持している従動プーリ35の回転軸芯が異なるように構成されている。
歯付きベルト36の張り具合を調整する場合には、鋲46は枠体48下面から固定ネジ41で仮止めされており、枠体48に取り付けられる鋲46の上面に設けられた回転調整用の溝46Bを用いて、マイナスドライバー等で鋲46を回転させることにより、従動プーリ35の回転軸芯は鋲46の装着軸芯と偏芯しているので、従動プーリ35は枠体48に取り付けられた鋲46の装着軸芯を中心に円を描くように移動することとなり、従動プーリ35と歯付きプーリ34の間隔を可変させることができる。
つまり、歯付きプーリ34と従動プーリ35の間に張架した歯付きベルト36の張り具合を容易に調整することができ、操作レバー37の動作スピードを所望の状態に調整できる。そして、この所望の動作スピードとなるように調整した後、仮止め状態であった鋲46を枠体48下面の固定ネジ41でさらに締め付け固定する。
なお、図13の他の構成となる従動プーリ取付け部の斜視図は、円柱状の鋲52が装着される枠体50の取り付け孔50Aを、枠体50の直線状スリット51(図示せず)と同じ長手方向に延びた長円形とした場合を示すものであり、歯付きプーリ34と従動プーリ35の間に張架した歯付きベルト36の張り具合を、鋲52の枠体50への取付位置を上記取り付け孔50A内で長手方向に可変させて調整できるようにしたものであり、この構成によっても操作レバー37の動作スピードを調整することができる。
特開2003−173903号公報
しかしながら、従来のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の構造においては、鋲には回転する従動プーリが挿通されているため、使用していくうちに、鋲も少しずつ回転し、鋲の取り付け位置が変わることにより、調整したベルトのテンション(張り具合)が変わり、モータ駆動時の移動速度が変化していく虞があった。
また、複数個を並べて使用する場合に、個々の移動速度が大きく異なると、セットの品位を損なうという問題があった。
従って、本発明は上記した問題点を解決し、モータ駆動時の移動速度や手動動作時の操作感触にバラツキが少なく、長期間にわたって品位を維持することができるモータ駆動式スライド型可変抵抗器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明では第1の解決手段として、一端にモータが取り付けられた板状部を有する枠体と、前記モータの回転軸に結合されたギヤ部を有する駆動プーリと、前記枠体の他端に回転可能に配設された従動プーリと、前記駆動プーリと従動プーリとの間に張架され、前記ギヤ部と噛み合う歯部を有する環状のベルトと、このベルトに結合された移動体が前記モータの回転に伴って前記枠体の長手方向に移動することにより抵抗値が調整されるように前記枠体に取り付けられた可変抵抗器部とを備え、前記枠体は、前記板状部と略直交して前記移動体の移動方向に延びる側壁を有すると共に、前記枠体の他端には、該枠体の長手方向に移動可能な可動部材が設けられ、前記可動部材は、前記枠体の板状部に重ねられる板状の積層部と前記枠体の側壁により案内されるガイド部とを有し、前記ガイド部は、前記積層部と略直交する板状に形成され、前記枠体に形成されたスリットに挿通されて前記枠体の長手方向に案内され、前記積層部には、前記従動プーリを回転可能に軸支する支柱が固定されると共に、前記支柱の固定位置とは異なる位置にネジにより固定される取付部が形成され、前記積層部が前記板状部の長手方向に沿って長くなるように該板状部に形成された貫通部を介して前記ネジにより前記板状部に固定された構成とした。
また、第2の解決手段として、前記可動部材は金属板からなり、この金属板を折り曲げ加工することにより前記積層部と前記ガイド部を形成し、前記可動部材の積層部には、前記ネジを取り付けるための前記取付部としてのネジ溝部を設け、前記枠体の板状部を挟んで前記ネジを前記ネジ溝部に締め付けたときに、前記ガイド部が前記枠体の側壁側に押し付けられるように、前記ガイド部を前記側壁と前記ネジ溝部との間に位置させた構成とした。
また、第3の解決手段として、前記支柱により前記可動部材に軸支される前記従動プーリは、前記支柱が挿通されて回転可能に支持される筒状の軸部と、この軸部よりも大きな径を有し、前記ベルトが外周部に張架される筒状のベルト張架部とを備え、このベルト張架部の内周部と前記支柱との間に互いの当接を防止する空間部を設けた構成とした。
上述したように、本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器は、一端にモータが取り付けられた板状部を有する枠体と、モータの回転軸に結合されたギヤ部を有する駆動プーリと、枠体の他端に回転可能に配設された従動プーリと、駆動プーリと従動プーリとの間に張架され、ギヤ部と噛み合う歯部を有する環状のベルトと、ベルトに結合された移動体がモータの回転に伴って枠体の長手方向に移動することにより抵抗値が調整されるように枠体に取り付けられた可変抵抗器部とを備え、枠体の他端には、枠体の長手方向に移動可能な可動部材を設け、可動部材に従動プーリを回転可能に軸支する支柱を固定すると共に、支柱の可動部材への固定位置とは異なる位置に取付部を形成し、取付部で可動部材を枠体に取り付けたことから、支柱の可動部材への固定位置とは異なる位置で、可動部材を枠体に取り付けているので、その取り付けが、従動プーリの回転に起因して緩むことはなく、初期状態でベルトのテンションを調整して可動部材を枠体に取り付けることによって、移動速度や操作感触等のバラツキを少なくできて、長期間にわたって高品位を保つことができる。
また、枠体は、板状部と略直交して移動体の移動方向に延びる側壁を有すると共に、可動部材には、枠体の板状部に重ねられる板状の積層部と枠体の側壁により案内されるガイド部を設けたことから、可動部材のガイド部を枠体の側壁に案内させて、ベルトのテンションを調整できるので、スムーズに可動部材を移動させて枠体に取り付けることができる。
また、ガイド部は、積層部と略直交する板状に形成されると共に、枠体には、ガイド部を挿通可能なスリットが設けられ、スリットによりガイド部を案内して枠体の長手方向に移動可能としたことから、スリットにより、可動部材のガイド部を枠体の長手方向に案内できるので、ベルトのテンションを調整する際の作業性を一層向上させることができると共に、移動体の移動方向とベルトの張りとの傾きが少ないものとすることができる。
また、可動部材の積層部にネジにより固定される取付部を設けると共に、枠体の板状部にはネジを挿通可能な貫通部を設け、積層部をネジにより貫通部を介して板状部に固定したことから、ネジの締め付け位置を貫通部で調整することができ、容易にテンションを調整できるので、可動部材を枠体に簡単に固定することができる。
また、可動部材は金属板からなり、金属板を折り曲げ加工することにより積層部とガイド部を形成し、可動部材の積層部には、ネジを取り付けるためのネジ溝部を設け、枠体の板状部を挟んでネジをネジ溝部に締め付けたときに、ガイド部が枠体の側壁側に押し付けられるように、ガイド部を側壁とネジ溝部との間に位置させたことから、ネジを締め付けたときに、ガイド部が枠体の側壁部に押し付けられて可動部材が動きにくくなり、調整したテンションを維持して可動部材を枠体に固定することができる。
また、支柱により可動部材に軸支される従動プーリは、支柱が挿通されて回転可能に支持される筒状の軸部と、軸部よりも大きな径を有し、ベルトが外周部に張架される筒状のベルト張架部とを備え、ベルト張架部の内周部と支柱との間に互いの当接を防止する空間部を設けたことから、従動プーリのベルト張架部と支柱との間に大きな空間を設けるようにしたので、ベルトが停止した際の衝撃が従動プーリを介して支柱に伝わり、支柱の固定部(カシメ部)が緩むのを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図10に示す。図1は本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器を示す斜視図、図2は本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器を示す分解斜視図、図3は本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器のモータ側の拡大斜視図、図4は本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器のモータ側の拡大分解斜視図、図5は本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の従動プーリ側の拡大斜視図、図6は本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の従動プーリ側の拡大分解斜視図、図7は本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器のモータ側に移動した状態の移動体と可変抵抗器部の説明図、図8は本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の従動プーリ側に移動した状態の移動体と可変抵抗器部の説明図、図9は本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の可動部材と従動プーリと支柱との取り付け状態を示す説明図、図10は本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の可動部材と従動プーリと支柱との取り付け状態の他の実施例を示す説明図である。
図1及び図2において、本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器は、板状部を有し略コ字状に折り曲げられて形成された金属板からなる枠体1と、この枠体1の一端側に取り付けられたモータ2と、このモータ2の回転軸に結合された駆動プーリ3と、枠体1の他端側に配設された可動部材4と、この可動部材4に軸支された従動プーリ5と、駆動プーリ3と従動プーリ5との間に張架された環状のベルト6と、このベルト6に結合された移動体7と、この移動体7がモータ2の回転に伴って枠体1の長手方向に移動することにより抵抗値が調整されるように枠体1に取り付けられた可変抵抗器部8とから主に構成されている。
枠体1は、金属板を打ち抜き折り曲げて断面が略コ字状の長尺状に形成されており、中央に平板状の板状部1aを有し、この板状部1aの長手方向に沿った両側部には板状部1aと略直交して互いに対向する一対の側壁1b、1bを有している。また、一対の側壁1b、1bの上面側の両側には、丸孔1dを有する一対の架橋部1c、1cが設けられている。
また、板状部1a中央には、長手方向に延設された矩形状の長窓孔1eが設けられており、この長窓孔1eに後述する可変抵抗器部8のレバー14aが挿通され、長手方向に移動可能に配設されるものとなっている。また、図4に示すように長窓孔1eの一端側には、長窓孔1eに隣接して下方へ折り曲げ形成されたT字状の取付片1fが設けられており、また、図6に示すように長窓孔1eの他端側には、長窓孔1e内の下方へ折り曲げ形成された、同じくT字状の取付片1gが設けられている。
そして、これら取付片1f、1gは、後述する可変抵抗器部8の金属ケース13の上面側に設けられた、一対の取付用のT字孔13b、13bに挿入されるものとなり、互いのT字状の広幅部分が挿入された後、枠体1が長手方向に若干スライド移動されて(図2の右方向)、互いのT字状の細幅部分同士が係合された後、板状部1aの他端部に設けられた係止片1hの自由端側を、図示はしないが下方へ折り曲げることにより、取付片1f、1gとT字孔13b、13bとが互いに嵌合した状態で、枠体1と可変抵抗器部8とが上下左右に抜け止めされて一体的に係合されるものとなっている。
また、図3及び図4に示すように、枠体1の板状部1aの一端側には、モータ2の取付用としての、回転軸2aを挿通するやや大きめの丸穴1iと、ネジ止め用のやや小さめの一対の丸穴1j、1jとが設けられており、丸穴1iにモータ2の回転軸2aが挿通されて、丸穴1j、1jを介してネジ9が締め付けられることによりモータ2が枠体1に取り付けられている。
また、モータ2の回転軸2aには、合成樹脂等の絶縁材からなり、円柱状の外周部に凹凸状のギヤ部3aを有する駆動プーリ3が接着あるいは圧入等の方法で結合されている。また、駆動プーリ3の上側には、円柱状で同じく合成樹脂等の絶縁材からなるスペーサ10が回転軸2aに接着あるいは圧入等の方法で結合されている。このスペーサ10は、ギヤ部3aに噛み合うように張架される環状のベルト6がギヤ部3aから外れるのを防止する抜け止め部材となっている。
また、図5及び図6に示すように、枠体1の板状部1aの他端側には、やや大きめの長孔1kと、やや小さめの長孔1lが設けられている。そして、これら長孔1k、1lは、板状部の長手方向に沿って長くなるように形成された貫通部となっており、これら貫通部は、板状部の長手方向に沿って長く切り欠かれた切り欠きによって構成したものでもよい。この場合、貫通部たる長孔1kとは、従動プーリ5の筒状の下部を挿通可能なものであり、貫通部たる長孔1lは、ネジ12のネジ山部を挿通可能であり、かつ、長孔1lの短手方向寸法がネジ12の頭部よりも小さく設定されている。また、長窓孔1eの他端側で係止片1hが設けられた側とは反対側、すなわち、長孔1lが設けられた側の板状部1aと側壁1bとの連設部には、長溝からなるスリット1mが設けられている。
可動部材4は、金属板を打ち抜き折り曲げて形成されており、枠体1の板状部1aに重ねられる板状の積層部4aと、この積層部4aの一側部から直角方向に折り曲げられた連結部4bと、この連結部4bの先端側に積層部4aの上面側よりも突出する方向に延設され、積層部4aと略直交する板状で略L字状に設けられたガイド部4cとを有している。
また、板状の積層部4aには、連結部4bから離れた端部側に従動プーリ5を回転可能に軸支する支柱11が嵌合される嵌合孔4dが設けられ、また、積層部4aの連結部4b寄りには、可動部材4をネジ12により枠体1に固定するネジ溝部4eからなる取付部が設けられている。尚、この場合、嵌合孔4dとネジ溝部4eは、枠体1の板状部1aに設けられた長孔1kと長孔1lにそれぞれ対応する位置に形成されている。
可動部材4は、L字状のガイド部4cが枠体1のスリット1mに挿通されて枠体1の板状部1aの下面側に配設され、このガイド部4cがスリット1m及び側壁1bにより案内されて、枠体1の他端部で枠体1の長手方向に所定の範囲で移動可能となっている。また、可動部材4の嵌合孔4dには、枠体1の長孔1kを介して金属材からなる支柱11が鳩目かしめ等の手段により固着されており、この支柱11に、合成樹脂等の絶縁材からなり、円柱状の外周部に凹状のベルト受部5aを有する従動プーリ5が挿入され、従動プーリ5が支柱11に回転可能に軸支されている(図9参照)。
そして、可動部材4は、ネジ12が枠体1の長孔1lを介してネジ溝部4eに締め付けられることにより枠体1の他端側に固定されるものとなっている。すなわち、支柱11の可動部材4への固定位置である嵌合孔4dとは異なる位置に、ネジ溝部4eからなる取付部を形成し、この取付部で可動部材4を枠体1にネジ12により締め付けることにより、可動部材4が枠体1に取り付けられるものとなっている。
このように、本実施例では、可動部材4は、枠体1の板状部1aに重ねられる板状の積層部4aを有しており、この積層部4aにネジ12により固定される取付部となるネジ溝部4eを設けると共に、板状部1aにこのネジ12を挿通可能な長孔1l等からなる貫通部を設けて、積層部4aをネジ12により長孔1l等の貫通部を介して板状部1aに固定するようにしてあるので、ネジ12の締め付け位置を長孔1l等の貫通部の長手方向における貫通部(孔内)の範囲で調整することができるようになっている。
したがって、支柱11に軸支された従動プーリ5の位置を、可動部材4と共に枠体1の板状部1aの長手方向に移動(微調整)できることから、駆動プーリ3と従動プーリ5との間に張架される、後述する環状のベルト6のテンションを容易に調整できるものとなっている。
また、このとき可動部材4には、枠体1の側壁1bにより案内されるガイド部4cが設けられており、この可動部材4のガイド部4cを枠体1の側壁1bに案内させて、ベルト6のテンションを調整できるので、スムーズに可動部材4を移動させて枠体1に取り付けることができるものとなっている。
また、枠体1には、ガイド部4cを挿通可能なスリット1mが設けられており、このスリット1mにより、可動部材4のガイド部4cを枠体1の長手方向に案内できるので、ベルト6のテンションを調整する際の作業性を一層向上させることができると共に、可動部材4に軸支された従動プーリ5の傾きを抑制できるので、後述するベルト6に結合された移動体7の移動方向とベルト6の張りとの傾きを少なくすることができるものとなっている。
また、本実施例では、可動部材4に設けられたガイド部4cが、枠体1の側壁1bと、ネジ溝部4eとの中間位置に位置するように形成されていることから、可動部材4を、枠体1の板状部1aを挟んでネジ12によりネジ溝部4eに締め付けるようにしたときに、ネジ12が時計方向(図5、図6における図示右回り方向)に回転されるので、ガイド部4cが枠体1の側壁1bに押し付けられるような力が作用するものとなっている。
このため、ネジ12を締め付けたときに、ガイド部4cが枠体1の側壁1bに押し付けられて可動部材4が動きにくくなり、調整したテンションを維持して可動部材4を枠体1に固定することができるものとなっている。
駆動プーリ3と従動プーリ5との間には、可撓性の合成樹脂材やゴム材等からなる環状のベルト6が張架されている。また、このベルト6の内周には、駆動プーリ3のギヤ部3aと噛み合う複数の歯部6aが形成されており、また、ベルト6の所定箇所には、合成樹脂等の絶縁材からなる移動体7が結合されている。そして、ベルト6は、一端側が駆動プーリ3のギヤ部3aと歯部6aが噛み合うと共に、他端側が従動プーリ5の凹状のベルト受部5aに嵌合された状態で駆動プーリ3と従動プーリ5間に回動可能に張架されている。
移動体7は、ベルト6の歯部6aに係合する係合部7aと、この係合部7aに対向する側に設けられたレバー支持部7bとを有している。この移動体7は、係合部7aによりベルト6の所定箇所に結合されると共に、レバー支持部7bに後述する可変抵抗器部8のレバー14aが嵌合されて、ベルト6の回動に伴って、移動体7が枠体1の長手方向にスライド移動可能となり、この移動体7の移動に伴いレバー14aがスライド移動することで可変抵抗器部8の抵抗値が変化して出力信号の調整が行われるものとなっている。
可変抵抗器部8は、図7及び8に示すように、金属板等を折り曲げることにより矩形状の箱型に形成された金属ケース13と、この金属ケース13内の長手方向に橋渡された棒状の一対の金属シャフト13a、13aと、この金属シャフト13a、13aに摺動可能に保持された合成樹脂製の摺動子受14と、この摺動子受14の上面側に突出されたレバー14aと、摺動子受14の一側面に設けられ、図示しない帯状の抵抗体及び集電体と摺接する導電性の薄板金属板からなる摺動子15とから構成されている。
また、金属シャフト13a、13aの長手方向の両端部には、ゴム材等の弾性材からなる緩衝部材であるストッパ16が設けられており、モータ2の回転に伴って、摺動子受14が一対の金属シャフト13a、13aに案内されて、枠体1の長手方向の両端近傍までスライド移動した際に、このストッパ16に摺動子受14が当たることでその移動が停止されるようになっている。このストッパ16により摺動子受14の移動停止時の衝突音の発生を防止している。
この可変抵抗器部8は、金属ケース13の上面側に設けられた一対の取付用のT字孔13b、13bに、枠体1の板状部1aに形成された一対の取付片1f、1gが挿入されて、互いのT字状の広幅部分が挿入された後、枠体1が長手方向に若干スライド移動されて(図2の右方向)、互いのT字状の細幅部分同士が係合された後、板状部1aの他端部に設けられた係止片1hを下方へ折り曲げることにより、取付片1f、1gとT字孔13b、13bとが互いに嵌合した状態で、枠体1と可変抵抗器部8とが上下左右に抜け止めされて一体的に係合されるものとなっている。
上記した本発明の実施例によれば、枠体1の他端に、枠体1の長手方向に移動可能な可動部材4を設け、この可動部材4に従動プーリ5を回転可能に軸支する支柱11を固定すると共に、この支柱11の可動部材4への固定位置とは異なる位置に枠体1との取付部であるネジ溝部4eを形成し、この取付部で可動部材4を枠体1に取り付けるようにしており、支柱11の可動部材4への固定位置とは異なる位置で、可動部材4を枠体1に取り付けているので、その取り付けが、従動プーリ5の回転に起因して緩むことを抑制できるものとなる。
したがって、初期状態でベルト6を張架するテンションを調整して可動部材4を枠体1に取り付けることによって、動作を繰り返した後においてもベルト6及びレバー14aの移動速度や操作感触等のバラツキを少なくできて、長期間にわたって高品位を保つことができるものとなっている。
図10は、可動部材4に軸支される従動プーリと支柱との取り付け状態の他の実施例を示している。
図において、ベルト6が張架される従動プーリ20は、合成樹脂等の絶縁材からなり、円柱状の外周部に凹状のベルト受部20aを有する点では上記実施例と同じであるが、本実施例では、従動プーリ20は、支柱21が挿通されて回転可能に支持される細径で筒状の軸部20bと、この軸部20bよりも大きな径を有し、ベルト6が外周部に張架される筒状のベルト張架部20cとを備えている。
また、ベルト張架部20cの内周部には、やや大径からなる中空部20dが設けられており、この中空部20dを設けることにより、ベルト張架部20cの内周部と、支柱21の太径の頭部21aとの間には、互いの当接を防止するための空間部が設けられている。
ベルト6が張架される従動プーリ20は、支柱21が挿通されて可動部材4にカシメ等により固定されている。そして、可変抵抗器部8の摺動子受14が金属ケース13の末端まで移動して停止したとき、ベルト6の移動も止まり、この際の衝撃が従動プーリ20を介して支柱21に伝わるものとなる。
図9に示す上記実施例においては、この衝撃によって、支柱11の固定部(カシメ部)が徐々に緩み、ガタを生じるおそれがあるが、本実施例においては、ベルト6が張架される部分における、従動プーリ20のベルト張架部20cの内周部と支柱21との間に、大きな空間部となる中空部20dを設け、ベルト6が停止したときに作用する、支柱21と直交する方向の力が、支柱21に及びにくいようにしたので、ベルト6が停止した際の衝撃が従動プーリ20を介して支柱21に伝わり、支柱21の固定部(カシメ部)が緩むのを防止することができるものとなっている。
尚、上記実施例においては、可動部材4は枠体1の板状部1aの下面側に配置して板状部1aを介してネジ止めするようにしたが、可動部材4を板状部1aの上面側に配置して板状部1aの下面側からネジ止めするようにしても良い。
この場合に、ネジ止めの作業性を良好にするために、可動部材4の積層部4a側にネジを挿通可能な長孔や切り欠きからなる貫通部を設け、ネジ溝部を板状部1a側に設けるようにすれば上面側からのネジ止めが可能となる。そして、この形態の場合には、積層部4aに設けた貫通部が、支柱11の可動部材4への固定位置とは異なる位置に形成した取付部となる。また、可動部材4は金属板に限らず、合成樹脂等の材料で形成しても良い。さらに、可動部材4の積層部4a等にネジ溝部4eを形成する代わりに、別途、ナット等を用いてもよい。
本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器を示す斜視図である。 本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器を示す分解斜視図である。 本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器のモータ側の拡大斜視図である。 本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器のモータ側の拡大分解斜視図である。 本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の従動プーリ側の拡大斜視図である。 本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の従動プーリ側の拡大分解斜視図である。 本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器のモータ側に移動した状態の移動体と可変抵抗器部の説明図である。 本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の従動プーリ側に移動した状態の移動体と可変抵抗器部の説明図である。 本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の可動部材と従動プーリと支柱との取り付け状態を示す説明図である。 本発明のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の可動部材と従動プーリと支柱との取り付け状態の他の実施例を示す説明図である。 従来のモータ駆動式スライド型可変抵抗器を示す斜視図である。 従来のモータ駆動式スライド型可変抵抗器の従動プーリ取付け部を示す断面図である。 従来の他の構成となる従動プーリ取付け部を示す斜視図である。
符号の説明
1:枠体
1a:板状部
1b:側壁
1c:架橋部
1d:丸孔
1e:長窓孔
1f:取付片
1g:取付片
1h:係止片
1i:丸穴
1j:丸穴
1k:長孔(貫通部)
1l:長孔(貫通部)
1m:スリット
2:モータ
2a:回転軸
3:駆動プーリ
3a:ギヤ部
4:可動部材
4a:積層部
4b:連結部
4c:ガイド部
4d:嵌合孔
4e:ネジ溝部(取付部)
5:従動プーリ
5a:ベルト受部
6:ベルト
6a:歯部
7:移動体
7a:係合部
7b:レバー支持部
8:可変抵抗器部
9:ネジ
10:スペーサ
11:支柱
12:ネジ
13:金属ケース
13a:金属シャフト
14:摺動子受
14a:レバー
15:摺動子
16:ストッパ
20:従動プーリ
20a:ベルト受部
20b:軸部
20c:ベルト張架部
20d:中空部
21:支柱
21a:頭部

Claims (3)

  1. 一端にモータが取り付けられた板状部を有する枠体と、前記モータの回転軸に結合されたギヤ部を有する駆動プーリと、前記枠体の他端に回転可能に配設された従動プーリと、前記駆動プーリと従動プーリとの間に張架され、前記ギヤ部と噛み合う歯部を有する環状のベルトと、このベルトに結合された移動体が前記モータの回転に伴って前記枠体の長手方向に移動することにより抵抗値が調整されるように前記枠体に取り付けられた可変抵抗器部とを備え、前記枠体は、前記板状部と略直交して前記移動体の移動方向に延びる側壁を有すると共に、前記枠体の他端には、該枠体の長手方向に移動可能な可動部材が設けられ、前記可動部材は、前記枠体の板状部に重ねられる板状の積層部と前記枠体の側壁により案内されるガイド部とを有し、前記ガイド部は、前記積層部と略直交する板状に形成され、前記枠体に形成されたスリットに挿通されて前記枠体の長手方向に案内され、前記積層部には、前記従動プーリを回転可能に軸支する支柱が固定されると共に、前記支柱の固定位置とは異なる位置にネジにより固定される取付部が形成され、前記積層部が前記板状部の長手方向に沿って長くなるように該板状部に形成された貫通部を介して前記ネジにより前記板状部に固定されたことを特徴とするモータ駆動式スライド型可変抵抗器。
  2. 前記可動部材は金属板からなり、この金属板を折り曲げ加工することにより前記積層部と前記ガイド部を形成し、前記可動部材の積層部には、前記ネジを取り付けるための前記取付部としてのネジ溝部を設け、前記枠体の板状部を挟んで前記ネジを前記ネジ溝部に締め付けたときに、前記ガイド部が前記枠体の側壁側に押し付けられるように、前記ガイド部を前記側壁と前記ネジ溝部との間に位置させたことを特徴とする請求項1記載のモータ駆動式スライド型可変抵抗器。
  3. 前記支柱により前記可動部材に軸支される前記従動プーリは、前記支柱が挿通されて回転可能に支持される筒状の軸部と、この軸部よりも大きな径を有し、前記ベルトが外周部に張架される筒状のベルト張架部とを備え、このベルト張架部の内周部と前記支柱との間に互いの当接を防止する空間部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のモータ駆動式スライド型可変抵抗器。
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