JP4667677B2 - 車両用衝突判定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突を判定して、例えばエアバック装置やシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置を作動させる車両用衝突判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば車両に加わる加速度(或いは減速度)を検出する加速度センサを備えて、加速度センサから出力される加速度信号によって車両の加速度変化を検出すると共に、この加速度信号を時間について1次積分、或いは2次積分して、これらの積分値が所定の各閾値を超えた場合に、例えばエアバック装置やシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置を起動させる車両用衝突判定装置が知られている。
このような車両用衝突判定装置によって衝突と判定された場合、例えばエアバック装置は、インフレータ内でスクイブによりガス発生剤に点火して、インフレータよりガスを発生させ、このガスによってエアバックを膨らませて乗員と室内部品との2次衝突を抑制する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術の一例による車両用衝突判定装置では、衝突時の車体の反発減速度の発生形態や、車両内での乗員の位置等に関わらず、検出された加速度信号の演算値が所定の閾値を超えただけで、エアバック等の乗員保護装置が一定の特性で作動するように設定されている場合があり、衝突の状況に違いがあっても、短時間の中に衝突の状況を判別することができず、同一の制御しかできないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、衝突初期の加速度の発生形態および乗員の移動量を利用することにより、単純かつ安価な構成で、衝突の状況に応じた適正な衝突判定を短時間に行うことが可能な車両用衝突判定装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の車両用衝突判定装置は、車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段(例えば、後述する実施の形態における加速度センサ11)と、前記加速度検出手段にて検出された加速度信号の波形を周波数成分に分解する周波数分析手段(例えば、後述する実施の形態における周波数成分算出部12)と、前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づいて、前記加速度信号の発生形態を算出する発生形態算出手段(例えば、後述する実施の形態における監視波形算出部13、基準波形算出部14)と、前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づいて、乗員の移動量を算出する移動量算出手段(例えば、後述する実施の形態における乗員移動量算出部15)と、前記加速度信号の発生形態および前記乗員の移動量に基づいて、前記周波数成分の値に対する所定の衝突判定閾値を設定する衝突判定閾値設定手段(例えば、後述する実施の形態における第1監視波形判定閾値切替部20、第2監視波形判定閾値切替部21)と、前記周波数成分の値が前記所定の衝突判定閾値を超えたか否かを判定する衝突判定手段(例えば、後述する実施の形態における周波数成分判定部22)と、前記衝突判定手段での判定結果に応じて乗員保護装置の動作を制御する制御信号を発生する制御信号発生手段(例えば、後述する実施の形態における起動信号発生部23)とを備えたことを特徴としている。
【0005】
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、例えば高速での衝突等の激しい衝突の場合には、加速度信号の発生形態として、例えば衝突初期に加速度信号の大きな変化が連続して検出される等に基づいて、衝突発生から短時間の中に的確に衝突判定を行うことができる。しかも、この場合には、例えば高速での衝突等の激しい衝突と、車両走行中に発生する単発の衝撃等とを確実に区別することができる。
さらに、乗員の移動量に基づいて衝突判定を行うことによって、例えば低速での衝突等のように、加速度信号の発生形態として、例えば衝突初期における加速度信号の変化が小さい場合であっても、乗員の移動量が所定の閾移動量を超えたことを検出することで、衝突の発生を確実に判定することができる。
【0006】
さらに、請求項2に記載の本発明の車両用衝突判定装置では、前記発生形態算出手段は、前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づいて、前記衝突判定閾値設定手段による前記衝突判定閾値の設定動作を制御する際に参照される基準波形を算出する基準波形算出手段(例えば、後述する実施の形態における基準波形算出部14)と、前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づいて、前記基準波形算出手段にて算出された前記基準波形に応じて前記衝突判定閾値設定手段による前記衝突判定閾値の設定動作を制御するか否かを判定する際に参照される監視波形を算出する監視波形算出手段(例えば、後述する実施の形態における監視波形算出部13)とを備えたことを特徴としている。
【0007】
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、加速度信号の発生形態として、加速度信号に基づく監視波形および基準波形を算出し、これらの監視波形および基準波形の変化に基づいて衝突判定を行う。
すなわち、監視波形の変化に応じて、基準波形に基づいた衝突判定閾値の設定を行うか否かを判定し、この判定結果が「NO」の場合には、基準波形の変化に関わりなく衝突判定閾値を設定する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、基準波形の変化に基づいて衝突判定閾値を設定する。
このように、2つの異なる監視波形および基準波形を算出することによって、加速度信号の発生形態を詳細に検出することができ、衝突判定の信頼性を、より一層、向上させることができる。
【0008】
さらに、請求項3に記載の本発明の車両用衝突判定装置は、前記乗員の移動量が所定の閾移動量以上か否かを判定する移動量判定手段(例えば、後述する実施の形態における乗員移動量判定部16)と、前記基準波形が、前記移動量判定手段での判定結果に応じて設定された所定の基準閾値を超えたか否かを判定する基準波形判定手段(例えば、後述する実施の形態における基準波形判定部17)と、前記監視波形が、所定の監視閾値を超えたか否かを判定する監視波形判定手段(例えば、後述する実施の形態における監視波形判定部19)とを備え、前記監視波形算出手段は前記監視波形として、前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に対する第1の時間区間での区間積分値と第2の時間区間での区間積分値との差分値(例えば、後述する実施の形態における差分ΔG)を算出しており、前記基準波形算出手段は前記基準波形として、前記加速度検出手段にて検出された加速度信号を時間について積分して速度変化(例えば、後述する実施の形態における速度変化ΔV)を算出しており、前記衝突判定閾値設定手段は、前記基準波形判定手段での判定結果に応じて設定された所定の閾値を前記所定の衝突判定閾値として設定するか否かを、前記監視波形判定手段および前記移動量判定手段での判定結果に応じて判定することを特徴としている。
【0009】
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、例えば、加速度信号の区間積分値の差分値をなす監視波形が、所定の監視閾値を超えたときには、衝突が発生した可能性があると判断して、速度変化をなす基準波形が所定の基準閾値を超えたか否かに応じて衝突判定閾値を設定する。
これにより、例えば高速での衝突等のように衝突初期に加速度信号の大きな変化が連続して検出される場合には、衝突発生から短時間の中に的確に衝突判定を行うことができる。
また、例えば、加速度信号の区間積分値の差分値をなす監視波形が、所定の監視閾値を超えていないときであっても、乗員の移動量が所定の閾移動量以上となった場合には、衝突が発生した可能性があると判断して、速度変化をなす基準波形が所定の基準閾値を超えたか否かに応じて衝突判定閾値を設定する。
これにより、例えば低速での衝突等のように衝突初期における加速度信号の変化が小さい場合であっても、衝突の発生を確実に判定することができる。
【0010】
さらに、請求項4に記載の本発明の車両用衝突判定装置では、前記衝突判定閾値設定手段は、前記乗員の移動量が前記所定の閾移動量未満であるときに前記監視波形が前記所定の監視閾値を一度だけ超えており、かつ、前記乗員の移動量が前記所定の閾移動量以上であるときに前記監視波形が前記所定の監視閾値以下である場合に、前記所定の衝突判定閾値を現在値に固定する、あるいは、前記所定の衝突判定閾値の変更を禁止することを特徴としている。
【0011】
上記構成の車両用衝突判定装置によれば、例えば高速での衝突等の激しい衝突にように、衝突初期に加速度信号の大きな変化が連続して検出される場合に対して、例えば車両走行中に発生する単発の衝撃等のように、加速度信号の大きな変化が単発で不連続に発生する場合を、衝突以外の事象であるとして、確実に区別することができる。これにより、例えばエアバック装置やシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置の動作を、より一層、適正に制御することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る車両用衝突判定装置ついて添付図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る車両用衝突判定装置10の構成図である。 本実施の形態による車両用衝突判定装置10は、加速度センサ(Gセンサ)11と、周波数成分算出部12と、監視波形算出部13と、基準波形算出部14と、乗員移動量算出部15と、乗員移動量判定部16と、基準波形判定部17と、基準波形判定閾値切替部18と、監視波形判定部19と、第1監視波形判定閾値切替部20と、第2監視波形判定閾値切替部21と、周波数成分判定部22と、起動信号発生部23とを備えて構成されている。
【0013】
加速度センサ11は、例えば車両の前後方向や左右方向に作用する加速度(あるいは減速度)の大きさに応じた電圧レベルの加速度信号Gを出力する。
周波数成分算出部12は、加速度センサ11から出力された加速度信号Gからノイズ成分である高周波成分を除去し、さらに、時系列データとして得られた加速度信号Gから、例えば所定時間幅の方形窓等の適宜の窓関数により部分加速度信号Gj(jは任意の自然数)を抽出して、この部分加速度信号Gjの波形を、例えばアダマール変換して、各周波数f1,…,fn(nは任意の自然数)に対する周波数成分Gf1(t),…,Gfn(t)に分解する。
なお、周波数成分の分解方法は、特に限定されず、アダマール変換以外のその他の直交変換、例えばフーリエ変換(高速フーリエ変換)や、離散コサイン変換等であっても良い。要するに、一定周波数時の波形成分を算出するものであれば良い。
【0014】
監視波形算出部13は、監視波形として、加速度センサ11から出力される加速度信号Gに基づいて、例えば下記数式(1)に示すように、所定の時間幅nに対する加速度信号Gの積分値を算出し、この積分値の時間変化、つまり異なる時間区間(例えば0≦t≦n、n≦t≦2n)での各積分値の差分ΔGを算出する。なお、この差分ΔGは衝突時の車両速度の大きさに応じて異なる変化を示す。
【0015】
【数1】
Figure 0004667677
【0016】
基準波形算出部14は、基準波形として、加速度センサ11から出力される加速度信号Gに基づいて、例えば下記数式(2)又は数式(3)に示すように、加速度信号Gを時間について一次積分して、所定の時間区間(例えば0≦t≦n)での速度変化ΔVn、又は累積の速度変化として無限区間(つまり0≦t≦∞)での速度変化ΔVを算出する。これらの速度変化ΔVn、ΔV(以下において、共に速度変化ΔVと呼ぶ)は、衝突時の車両速度の大きさに応じて異なる変化を示す。
【0017】
【数2】
Figure 0004667677
【0018】
【数3】
Figure 0004667677
【0019】
乗員移動量算出部15は、例えば下記数式(4)に示すように、所定の基準時刻(例えば、衝突開始時刻等)t1から現在時刻tまでの時間区間において、加速度信号Gを時間について2次積分して、車両内の乗員移動量Sを算出する。
【0020】
【数4】
Figure 0004667677
【0021】
乗員移動量判定部16は、乗員移動量算出部15にて算出された乗員移動量Sが、所定の閾移動量STH以上か否かを判定して、この判定結果に基づく指令信号を、後述する基準波形判定閾値切替部18および第2監視波形判定閾値切替部21へ出力する。
【0022】
基準波形判定部17は、基準波形算出部14にて算出された速度変化ΔVが、基準波形判定閾値切替部18にて選択される所定の第1基準閾値SW_Hまたは第2基準閾値SW_Mよりも大きいか否かを判定して、この判定結果に基づく指令信号を、後述する第1監視波形判定閾値切替部20へ出力する。
基準波形判定閾値切替部18は、乗員移動量判定部16での判定結果に応じて、例えば所定の高基準閾値SW_Hおよび低基準閾値SW_Lの何れか一方を、基準波形判定部17での判定にて参照される閾値として選択する。
【0023】
例えば、後述するように、高速での衝突つまり激しい衝突では、衝突初期において大きな速度変化が生じることから、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH未満においては、相対的に高い値である所定の高基準閾値SW_Hを選択する。一方、初期加速度が小さい低速での衝突やオフセット衝突等では、車両の変形が進むに連れて速度変化ΔVが増加することから、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH以上となった場合には、低速での衝突やオフセット衝突等であるか否かを早急に判定するべく、相対的に小さな値である所定の低基準閾値SW_Lを選択する。
【0024】
監視波形判定部19は、監視波形算出部13にて算出された差分ΔGが、所定の閾差分値THよりも大きいか否かを判定して、この判定結果に基づく指令信号を、後述する第2監視波形判定閾値切替部21へ出力する。
第1監視波形判定閾値切替部20は、基準波形判定部17での判定結果に応じて、所定の周波数成分のレベル値に対する衝突判定閾値(レベル閾値)として、例えば所定の高レベル閾値TH_Hおよび中レベル閾値TH_Mおよび低レベル閾値TH_Lの何れかを選択して、第2監視波形判定閾値切替部21へ出力する。
【0025】
第2監視波形判定閾値切替部21は、乗員移動量判定部16および監視波形判定部19での判定結果に応じて、例えば所定の高レベル閾値TH_Hおよび第1監視波形判定閾値切替部20にて選択されたレベル閾値の何れか一方を、周波数成分判定部22での判定にて参照されるレベル閾値として選択する。
例えば、後述するように、差分ΔGが所定の閾差分値THよりも大きい場合には第1監視波形判定閾値切替部20にて選択されたレベル閾値を選択する。また、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH未満で差分ΔGが所定の閾差分値TH以下の場合、および、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH未満で差分ΔGが一回だけ所定の閾差分値THよりも大きくなったときに、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH以上で差分ΔGが所定の閾差分値TH以下の場合には、所定の高レベル閾値TH_Hを選択する。
【0026】
周波数成分判定部22は、例えば周波数成分算出部12にて算出された周波数成分Gf1(t),…,Gfn(t)の中の所定の周波数成分のレベル値が、第2監視波形判定閾値切替部21にて選択されたレベル閾値よりも大きいか否かを判定して、この判定結果を起動信号発生部23へ出力する。
起動信号発生部23は、周波数成分判定部22での判定結果に応じて、例えばエアバックやシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置(図示略)を作動させるため指令信号を出力する。
【0027】
本実施の形態による車両用衝突判定装置10は上記構成を備えており、次に、この車両用衝突判定装置10の動作について図2を参照しながら説明する。
図2は車両用衝突判定装置10の動作を示すフローチャートである。
先ず、図2に示すステップS1において、乗員移動量Sが、所定の閾移動量STH未満か否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS7に進む、
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS02に進む。
【0028】
ステップS2においては、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH未満であった期間中に、監視波形である差分ΔGが所定の閾差分値THよりも大きい値となったことがあるか否かを判定する。
ステップS2での判定結果が「NO」の場合には、ステップS3に進み、基準波形である速度変化ΔVに応じて、衝突判定閾値つまり所定の周波数成分のレベル値に対するレベル閾値を選択して、一連の処理を終了する。
一方、ステップS2での判定結果が「YES」の場合には、ステップS4に進む。
【0029】
ステップS5においては、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH未満であった期間中に、監視波形である差分ΔGが所定の閾差分値THよりも大きい値となったことが複数回あるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS3に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS5に進む。
【0030】
ステップS5においては、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH以上となった後に、監視波形である差分ΔGが所定の閾差分値THよりも大きい値となったか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS3に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS6に進み、衝突判定閾値つまり所定の周波数成分のレベル値に対するレベル閾値を現在値に固定する、或いは、レベル閾値の変更を禁止して、一連の処理を終了する。
【0031】
また、ステップS7においては、監視波形である差分ΔGが所定の閾差分値THよりも大きい値となったか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS3に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS6に進む。
【0032】
以下、本実施の形態による車両用衝突判定装置10の動作の一例について添付図面を参照して説明する。
例えば図3に示す低速での衝突あるいはオフセット衝突等のように、衝突開始時刻からの経過時間が相対的に短い領域における初期加速度が小さい場合には、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH未満の期間(例えば、図3に示す時刻TSより前の領域)において、監視波形である差分ΔGは所定の閾差分値THを超えることはない。このため、基準波形である速度変化ΔVに対しては、例えば所定の高基準閾値SW_Hが設定され、所定の周波数成分のレベル値に対する衝突判定閾値(レベル閾値)には、例えば所定の高レベル閾値TH_Hが設定される。
【0033】
そして、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH以上となった場合(例えば、図3に示す時刻TS以降)には、低速での衝突やオフセット衝突等である可能性があると判断して、衝突であると判定され易くして乗員を二次衝突等から保護するために、例えば、基準波形である速度変化ΔVに対する判定閾値が引き下げられ、所定の低基準閾値SW_Lが設定される。そして、基準波形である速度変化ΔVが低基準閾値SW_Lを超えた場合(例えば、図3に示す時刻T1以降の領域A1等)には、所定の周波数成分のレベル値に対する衝突判定閾値が引き下げられ、例えば所定の低レベル閾値TH_Lが設定される。
【0034】
そして、所定の周波数成分のレベル値が衝突判定閾値を超えた時点で、例えばエアバックやシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置を作動させるための起動信号が出力される。
なお、例えば乗員移動量Sが所定の閾移動量STH以上となった場合であっても、基準波形である速度変化ΔVが低基準閾値SW_Lを超えない場合には、衝突判定閾値として、所定の低レベル閾値TH_Lが選択されることはない。
【0035】
一方、例えば図4に示す高速での衝突つまり激しい衝突では、衝突開始時刻からの経過時間が相対的に短い領域における初期加速度が大きく、さらに、連続して大きな加速度信号Gが検出される。これにより、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH未満の期間(例えば、図4に示す時刻TSより前の領域)において、監視波形である差分ΔGは所定の閾差分値THを複数回超えるようになる。
この場合には、差分ΔGが所定の閾差分値THを超えている領域(例えば、図4に示す領域B1、B2、B3等)において、基準波形の変化に応じて衝突判定閾値が選択される。例えば、基準波形である速度変化ΔVが高基準閾値SW_Hを超えたとき(例えば、図4に示す領域A1内での時刻T2以降の領域C1、領域A2内での時刻T3以降の領域C2、領域A3内での時刻T4以降の領域C3等)に、所定の周波数成分のレベル値に対する衝突判定閾値が所定の高レベル閾値TH_Hから低レベル閾値TH_Lへと引き下げられ、衝突であると判定され易くなるように設定される。
なお、差分ΔGが所定の閾差分値TH以下の領域(例えば、図4に示す領域D1、D2等)は、衝突判定閾値を現在の値に固定する、あるいは、衝突判定閾値の変更を禁止する領域である。
【0036】
また、例えば図5に示すように、衝突は発生していないが、車両の走行中に単発の不連続な衝撃等が発生すると、監視波形である差分ΔGが所定の閾差分値THを超える場合がある。
このときは、先ず、差分ΔGが所定の閾差分値THを超えている領域(例えば、図5に示す領域E1)において、基準波形である速度変化ΔVが高基準閾値SW_Hを超えたとき(例えば、図5に示す領域E1内での時刻T5以降の領域F1)に、所定の周波数成分のレベル値に対する衝突判定閾値が所定の高レベル閾値TH_Hから低レベル閾値TH_Lへと引き下げられ、衝突であると判定され易くなるように設定される。
【0037】
そして、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH未満の期間(例えば、図5に示す時刻TS以前の領域)において、監視波形である差分ΔGが所定の閾差分値THを複数回超えることがない場合には、差分ΔGが所定の閾差分値TH以下の領域(例えば、図5に示す領域E2)において、衝突判定閾値を現在の値に固定する、あるいは、衝突判定閾値の変更を禁止する状態が設定される。
ここで設定された状態は、例えば乗員移動量Sが所定の閾移動量STH以上となった場合であっても、監視波形である差分ΔGが所定の閾差分値THを超えることがなければ継続される。そして、差分ΔGが所定の閾差分値THを超えた状態で、衝突判定閾値を現在の値に固定する、あるいは、衝突判定閾値の変更を禁止する状態は解除され、基準波形の変化に応じて衝突判定閾値が選択される状態となる。例えば、基準波形である速度変化ΔVが高基準閾値SW_Lを超えたとき(例えば、図5に示す領域E3内の時刻T6以降の領域F2)には、所定の周波数成分のレベル値に対する衝突判定閾値が所定の高レベル閾値TH_Hから低レベル閾値TH_Lへと引き下げられ、衝突であると判定され易くなるように設定される。
【0038】
上述したように、本実施の形態による車両用衝突判定装置10によれば、加速度信号Gの発生形態と乗員移動量Sとに基づいて衝突判定閾値を選択することで、適切な衝突判定を行うことができる。
すなわち、衝突初期においては、監視波形が所定の監視閾値を超えたときに、基準波形の変化に応じた衝突判定閾値の選択を行うことにより、例えば高速での衝突等であっても、衝突発生から衝突判定までに要する時間を短縮することができ、迅速にエアバックやシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置を作動させることができる。
【0039】
また、監視波形が所定の監視閾値を超えず、緩慢に変化するような、例えば低速での衝突等であっても、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH以上となったときには、基準波形に対する閾値を引き下げ、基準波形の変化に応じた衝突判定閾値の選択を行うことにより、確実に衝突判定を行うことができる。
ただし、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH以上になったときであっても、乗員移動量Sが所定の閾移動量STH未満の期間において、監視波形が所定の監視閾値を複数回超えていなければ、衝突判定閾値を現在の値に固定する、あるいは、衝突判定閾値の変更を禁止することにより、衝突以外の単発の衝撃等を区別して、適切な衝突判定を行うことができる。
【0040】
なお、本実施形態においては、監視波形を加速度信号Gに関する差分ΔGとし、基準波形を速度変化ΔVとしたが、これに限定されず、監視波形および基準波形は、加速度信号Gに関する適宜の変数であってもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、加速度信号の発生形態と乗員の移動量に基づいて衝突判定を行うことによって、発生した衝突事象を短時間の中に適正に特定することができ、例えばエアバック装置やシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置の動作を適正に制御することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、2つの異なる監視波形および基準波形を算出することによって、加速度信号の発生形態を詳細に検出することができ、衝突判定の信頼性を、より一層、向上させることができる。
【0042】
さらに、請求項3に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、発生した衝突事象を確実に特定することができ、例えばエアバック装置やシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置の動作を適正に制御することができる。
さらに、請求項4に記載の本発明の車両用衝突判定装置によれば、衝突と衝突以外の事象とを確実に判別して、例えばエアバック装置やシートベルト・プリテンショナ等の乗員保護装置の動作を、より一層、適正に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る車両用衝突判定装置の構成図である。
【図2】 図1に示す車両用衝突判定装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】 低速での衝突あるいはオフセット衝突等における、加速度信号Gおよび監視波形および基準波形および所定の周波数成分のレベル値の各時間変化を示すグラフ図である。
【図4】 高速での衝突等における、加速度信号Gおよび監視波形および基準波形および所定の周波数成分のレベル値の各時間変化を示すグラフ図である。
【図5】 単発の衝撃等が発生した場合等における、加速度信号Gおよび監視波形および基準波形および所定の周波数成分のレベル値の各時間変化を示すグラフ図である。
【符号の説明】
10 車両用衝突判定装置
11 加速度センサ(加速度検出手段)
12 周波数成分算出部(周波数分析手段)
13 監視波形算出部(発生形態算出手段、監視波形算出手段)
14 基準波形算出部(発生形態算出手段、基準波形算出手段)
15 乗員移動量算出部(移動量算出手段)
16 乗員移動量判定部(移動量判定手段)
17 基準波形判定部(基準波形判定手段)
19 監視波形判定部(監視波形判定手段)
20 第1監視波形判定閾値切替部(衝突判定閾値設定手段)
21 第2監視波形判定閾値切替部(衝突判定閾値設定手段)
22 周波数成分判定部(衝突判定手段)
23 起動信号発生部(制御信号発生手段)

Claims (4)

  1. 車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段と、
    前記加速度検出手段にて検出された加速度信号の波形を周波数成分に分解する周波数分析手段と、
    前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づいて、前記加速度信号の発生形態を算出する発生形態算出手段と、
    前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づいて、乗員の移動量を算出する移動量算出手段と、
    前記加速度信号の発生形態および前記乗員の移動量に基づいて、前記周波数成分の値に対する所定の衝突判定閾値を設定する衝突判定閾値設定手段と、
    前記周波数成分の値が前記所定の衝突判定閾値を超えたか否かを判定する衝突判定手段と、
    前記衝突判定手段での判定結果に応じて乗員保護装置の動作を制御する制御信号を発生する制御信号発生手段と
    を備えたことを特徴とする車両用衝突判定装置。
  2. 前記発生形態算出手段は、
    前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づいて、前記衝突判定閾値設定手段による前記衝突判定閾値の設定動作を制御する際に参照される基準波形を算出する基準波形算出手段と、
    前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づいて、前記基準波形算出手段にて算出された前記基準波形に応じて前記衝突判定閾値設定手段による前記衝突判定閾値の設定動作を制御するか否かを判定する際に参照される監視波形を算出する監視波形算出手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用衝突判定装置。
  3. 前記乗員の移動量が所定の閾移動量以上か否かを判定する移動量判定手段と、
    前記基準波形が、前記移動量判定手段での判定結果に応じて設定された所定の基準閾値を超えたか否かを判定する基準波形判定手段と、
    前記監視波形が、所定の監視閾値を超えたか否かを判定する監視波形判定手段とを備え、
    前記監視波形算出手段は前記監視波形として、前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に対する第1の時間区間での区間積分値と第2の時間区間での区間積分値との差分値を算出しており、
    前記基準波形算出手段は前記基準波形として、前記加速度検出手段にて検出された加速度信号を時間について積分して速度変化を算出しており、
    前記衝突判定閾値設定手段は、前記基準波形判定手段での判定結果に応じて設定された所定の閾値を前記所定の衝突判定閾値として設定するか否かを、前記監視波形判定手段および前記移動量判定手段での判定結果に応じて判定することを特徴とする請求項2に記載の車両用衝突判定装置。
  4. 前記衝突判定閾値設定手段は、
    前記乗員の移動量が前記所定の閾移動量未満であるときに前記監視波形が前記所定の監視閾値を一度だけ超えており、かつ、前記乗員の移動量が前記所定の閾移動量以上であるときに前記監視波形が前記所定の監視閾値以下である場合に、前記所定の衝突判定閾値を現在値に固定する、あるいは、前記所定の衝突判定閾値の変更を禁止することを特徴とする請求項3に記載の車両用衝突判定装置。
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