JP4667083B2 - 油圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧制御装置の改良に関する。
パワーシフト機能を備えた油圧制御装置としては、例えば、特許文献1に開示されるような入力トルク制御回路が既に公知である。
この入力トルク制御回路は、図10に示される通り、概略において、作業車のエンジン101等で駆動される可変容量ポンプ102a,102bおよび制御用ポンプ110と、可変容量ポンプ102a,102bから送出される作動油で駆動される各種のアクチュエータへの油の給排に用いられるコントロールバルブ群103、および、パワーシフト制御部104a,104bならびにネガティブコントロール制御部105a,105bと、制御部104a,105aおよび制御部104b,105bの作動状態に応じて傾転盤106a,106bを介して可変容量ポンプ102a,102bのポンプ吐出量を調整する調整手段107a,107bと、電磁制御式のパイロット圧調整弁108、および、エンジン回転数等の情報に基いてパイロット圧調整弁108を制御するコントローラ109によって構成される。
このうち、可変容量ポンプ102aのポンプ吐出量を調整する調整手段107aは、大小の受圧面を両端部に備えたピストン部材111aと、パワーシフト制御部104aおよびネガティブコントロール制御部105aのアクチュエータの先端で押圧されて図10中の左右方向にシフトする制御弁112aとによって構成される。
図10では制御弁112aのスプールがニュートラル位置にある状態を示しており、この状態では、ピストン部材111aの右端部に形成された大径の受圧面を内嵌した油室113a内の作動油の出入りが禁止されるため、ピストン部材111aがロック状態となって傾転盤106aの傾きが現位置に保持され、可変容量ポンプ102aのポンプ吐出量が現在の状態に維持される。
また、制御弁112aのスプールが図10中で右側にシフトした場合には、ピストン部材111aの右端部に形成された大径の受圧面を内嵌した油室113a内の作動油の出入りが許容されると共に、ピストン部材111aの左端部に形成された小径の受圧面を内嵌した油室114a内に可変容量ポンプ102aから送出される作動油が流入し、ピストン部材111aが図10中で右方にシフトし、傾転盤106aがクロックワイズ方向に揺動して可変容量ポンプ102aにおけるポンプ吐出量が増大する。
更に、制御弁112aのスプールが図10中で左側にシフトした場合には、油室113aおよび油室114aの双方に可変容量ポンプ102aから送出される作動油が流入するが、ピストン部材111aの両端部に形成された受圧面の大小関係からピストン部材111aが図10中で左方にシフトし、傾転盤106aがカウンタークロックワイズ方向に揺動して可変容量ポンプ102aにおけるポンプ吐出量が減少する。
パワーシフト制御部104aは、前述した調整手段107aの機能を利用して可変容量ポンプ102aの出力を設定値の近傍に保持すると共に、更には、制御用ポンプ110を駆動源とするパイロット圧調整弁108から供給される出力選択用のパイロット圧力でポンプ吐出量を調整することによって可変容量ポンプ102aの出力の設定値それ自体を変更するパワーシフトの制御を行うためのものである。
つまり、パワーシフト制御部104aのアクチュエータを構成するピストン部材115aには併せて3つの受圧面が形成されており、その内の一つが可変容量ポンプ102aから送出される作動油の圧力を受け、また、他の一つが可変容量ポンプ102bから送出される作動油の圧力を受けて、ピストン部材115a更には制御弁112aのスプールを図10中で左方にシフトさせ、ピストン部材111aを図10中で左方に移動させて傾転盤106aをカウンタークロックワイズ方向に揺動させて可変容量ポンプ102aのポンプ吐出量を制限することによりポンプ吐出圧力の増大に応じてポンプ吐出量を減少させて、可変容量ポンプ102aの出力、すなわち、ポンプ吐出圧力とポンプ吐出量の積算値を設定値の近傍に保持すると共に、ピストン部材115aにおける更に別の受圧面にパイロット圧調整弁108から供給される出力選択用のパイロット圧力をオーバーライドして印加することで、可変容量ポンプ102aの出力設定値それ自体をシフトさせる構造である。この際、パイロット圧調整弁108から供給される出力選択用のパイロット圧力の大きさは、エンジン回転数等の情報に基いてパイロット圧調整弁108を制御するコントローラ109によって自動的に演算され、目標エンジン回転数と実エンジン回転数の差等に応じたパワーシフトがなされる。
パワーシフト制御部104aによるパワーシフトの一例を図11に示す。図11中のfはパイロット圧調整弁108から供給される出力選択用のパイロット圧力を最小とした場合、つまり、制限を行わない最大出力時のポンプ吐出圧力Pとポンプ吐出量Qの関係を表す関数、また、fmaxはパイロット圧調整弁108から供給される出力選択用のパイロット圧力を最大とした場合、要するに、最大のパワーシフトを行った最小出力時のポンプ吐出圧力Pとポンプ吐出量Qの関係を表す関数である。傾転盤106aを操作するピストン部材111aは図10中の左右方向に連続的に位置を変化させることが可能であるため、可変容量ポンプ102aの出力の設定値は図11中の区間Xの範囲で任意に選択可能であるが、パワーシフトの限度はピストン部材115aの3つの受圧面の大きさやピストン部材115aおよび制御弁112aにおける原位置復帰バネの弾性力の大きさ等が複雑に関連して決まるため、パワーシフトの範囲を無制限に広げるといったことは困難である。
ネガティブコントロール制御部105aは、コントロールバルブ群103からタンクラインへ戻る作動油の圧力を絞り弁等のネガティブコントロール圧力発生手段116aを介して取り出し、この圧力を流量調整用のパイロット圧力としてピストン部材117aを作動させることにより、前述の調整手段107aの機能を利用して可変容量ポンプ102aの吐出量Qを調整するものである。
ネガティブコントロール制御部105aによる吐出量制御の一例を図12に示す。図12中のgは流量調整用のパイロット圧力Rとポンプ吐出量Qの関係を表す関数であり、パイロット圧力RがR以下の状態、つまり、コントロールバルブ群103のセンタバイパスからタンクラインへの戻り油が少なくなりパイロット圧力Rが下がれば、ポンプ吐出量Qの制限は解除され、パイロット圧力RがRの状態、即ち、センタバイパスからタンクラインへの戻り油が増し、パイロット圧力Rが上昇すれば、ポンプ吐出量Qが最大限に規制される。
実際にはネガティブコントロール制御部105aとパワーシフト制御部104aが同時に機能することになるが、図10に示される通り、ネガティブコントロール制御部105aのピストン部材117aとパワーシフト制御部104aのピストン部材115aは調整手段107aの制御弁112aに対して並列的に設けられているので、可変容量ポンプ102aのポンプ吐出量は、結果的に、ポンプ吐出量の制限が大きい側、要するに、アクチュエータとして機能するピストン部材117aあるいはピストン部材115aを多く突出させた側の制御部105aもしくは104aからの指令を受けて制限されることになる。
可変容量ポンプ102b,パワーシフト制御部104b,ネガティブコントロール制御部105b,調整手段107bに関しては、前述した可変容量ポンプ102a,パワーシフト制御部104a,ネガティブコントロール制御部105a,調整手段107aと同様の構成であるので、図10中で各部に対応する符号を付すにとどめ、詳細な説明は省略する。
特開2001−254681号(段落0004〜0033,図10)
一方、近年、環境問題を改善するための排ガス規制が本格化しており、これに対応するためのエンジン設計が行われるようになっている。一般の乗用車等の分野では、排ガス対策を優先してアイドリング回転数を低下させたり低速回転域でのエンジントルクを低下させたりしても大きな問題は生じないが、クレーン車やパワーショベル等を始めとする作業車においては、可変容量ポンプの駆動源となるエンジントルクが低速回転域で低下してしまうと、作業中にエンストを起こしてエンジンが停止する等の重大な弊害が生じる場合がある。
また、パワーショベルでクレーン作業を行ったり、ブレーカー作業を行ったりするような場合には、アクチュエータの挙動を安定させる必要上、ポンプ吐出量を大幅に制限してアクチュエータを作動させる必要があるが、背景技術の欄でも述べた通り、パワーシフトが可能な範囲は様々な設計条件等によって拘束されるものであり、この難題を克服して、より低出力側へのパワーシフトを実現したいといった願望がある。
そこで本発明の課題は、前記従来技術の不都合を改善し、可変容量ポンプのパワーシフトの範囲を低出力側に広げることのできる油圧制御装置を提供することにある。
本発明の油圧制御装置は、前記課題を達成するため、
可変容量ポンプのポンプ吐出圧力の変化に従動させて前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を調整することで前記可変容量ポンプの出力を設定値に保持すると共に、出力選択用のパイロット圧力を受けて前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を調整することで前記可変容量ポンプの出力の設定値を変更するパワーシフト制御部と、
コントロールバルブのセンタバイパスからタンクラインへの戻り油の圧力と電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力のうち高圧側の圧力を流量調整用のパイロット圧力の候補として選択するパイロット圧力選択手段と、
前記パイロット圧力選択手段によって候補として選択された圧力を流量調整用のパイロット圧力として出力する作動状態と、コントロールバルブのセンタバイパスからタンクラインへの戻り油の圧力を流量調整用のパイロット圧力として出力する非作動状態の何れかに前記パイロット圧力選択手段の作動状態を切り替える切替手段と、
前記パイロット圧力選択手段から出力される流量調整用のパイロット圧力の上昇に応じて前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を減少させる方向で前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を調整するネガティブコントロール制御部と、
前記可変容量ポンプのポンプ吐出圧力を検出する圧力センサと、
パワーシフト制御部を利用した通常のパワーシフト制御の範囲を超えて低出力側にシフトされたポンプ吐出圧力とポンプ吐出量の関係を表す関数として、前記可変容量ポンプのポンプ吐出圧力と此のポンプ吐出圧力に対応するポンプ吐出量を満たすために前記ネガティブコントロール制御部が必要とする流量調整用のパイロット圧力との関係を記憶した不揮発性の記憶手段と、
前記可変容量ポンプを駆動するエンジンのトルク出力が減少する低回転域のエンジン回転数に基いて設定された閾値とエンジン回転数の現在値とを比較し、エンジン回転数の現在値が前記閾値を下回らなければ前記切替手段により前記パイロット圧力選択手段を非作動状態とする一方、エンジン回転数の現在値が前記閾値を下回ると前記切替手段により前記パイロット圧力選択手段を作動状態とすると共に前記圧力センサで検出されたポンプ吐出圧力に基いて前記不揮発性の記憶手段から流量調整用のパイロット圧力を求め、求められた流量調整用のパイロット圧力が出力されるように前記パイロット圧調整弁を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする構成を有する。
以上の構成において、可変容量ポンプを駆動するエンジンのトルク出力が減少する低回転域のエンジン回転数に基いて設定された閾値をエンジン回転数の現在値が下回らない状況下では、切替手段によってパイロット圧力選択手段が非作動状態に切り替えられ、電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力がパワーシフト制御部に供給され、従来と同様にして、通常のパワーシフト制御が行われる。
これに対し、可変容量ポンプを駆動するエンジンのトルク出力が減少する低回転域のエンジン回転数に基いて設定された閾値をエンジン回転数の現在値が下回る状況下では、切替手段によってパイロット圧力選択手段作動状態に切り替えられ、出力選択用のパイロット圧力とコントロールバルブのセンタバイパスからタンクラインへの戻り油の圧力のうち高圧側の圧力選択されてネガティブコントロール制御部に流量調整用のパイロット圧力として供給されるようにる。
エンジン回転数の現在値が閾値を下回った状況下では、パイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力が必然的に高くなり、結果として、出力選択用のパイロット圧力がコントロールバルブのセンタバイパスからタンクラインへの戻り油の圧力を上回ることとなり、パイロット圧力選択手段は、出力選択用のパイロット圧力をネガティブコントロール制御部に流量調整用のパイロット圧力として供給することになる。
このように、パイロット圧力選択手段が作動状態となっている場合には、制御手段は、出力選択用の通常のパイロット圧力に代えて、ポンプ吐出圧力を検出する圧力センサで検出された圧力に基づいて不揮発性の記憶手段から流量調整用のパイロット圧力を求め、パイロット圧調整弁から供給されるパイロット圧力が、不揮発性の記憶手段から求められた流量調整用のパイロット圧力となるようにパイロット圧調整弁を制御する。そして、このパイロット圧力がパイロット圧調整弁からパイロット圧力選択手段を介してネガティブコントロール制御部に供給される。
不揮発性の記憶手段には、所望するポンプ吐出圧力とポンプ吐出量の関係を表す関数、具体的には、パワーシフト制御部を利用した通常のパワーシフト制御の範囲を超えて低出力側にシフトされたポンプ吐出圧力とポンプ吐出量の関係が、ポンプ吐出圧力と該ポンプ吐出圧力に対応するポンプ吐出量を満たすためにネガティブコントロール制御部が必要とする流量調整用のパイロット圧力の関係として記憶されているので、圧力センサで検出されたポンプ吐出圧力の現在値に対応する流量調整用のパイロット圧力を不揮発性の記憶手段から求めてネガティブコントロール制御部に供給することにより、パワーシフト制御部のみを利用した通常のパワーシフト制御の範囲を超えたパワーシフトを実現することができる。
このため、可変容量ポンプのパワーシフトの範囲を従来に比べて低出力側つまり可変容量ポンプを駆動するエンジンのトルク出力が減少する領域に広げることが可能となる。
本発明の油圧制御装置は、所望するポンプ吐出圧力とポンプ吐出量の関係を表す関数、具体的には、パワーシフト制御部を利用した通常のパワーシフト制御の範囲を超えて低出力側にシフトされたポンプ吐出圧力とポンプ吐出量の関係を、ポンプ吐出圧力と該ポンプ吐出圧力に対応するポンプ吐出量を満たすためにネガティブコントロール制御部が必要とする流量調整用のパイロット圧力の関係として不揮発性の記憶手段に予め記憶させておき、パワーシフト制御部を利用した通常のパワーシフト制御に限界が生じた場合、つまり、可変容量ポンプを駆動するエンジンのトルク出力が減少する低回転域のエンジン回転数に基いて設定された閾値をエンジン回転数の現在値が下回る場合には、更に、圧力センサで検出されたポンプ吐出圧力の現在値に対応する流量調整用のパイロット圧力を不揮発性の記憶手段から求め、このパイロット圧力が出力されるようにパイロット圧調整弁を制御し、パイロット圧調整弁から供給される流量調整用のパイロット圧力をパイロット圧力選択手段を介してネガティブコントロール制御部に供給することによりポンプ吐出量を強制的に規制するようにしているので、パワーシフト制御部のみを利用した通常のパワーシフト制御の範囲を超えたパワーシフトを実現することができるようになった。
従って、可変容量ポンプのパワーシフトの範囲を従来に比べて低出力側に広げることができる
しかも、パワーシフト制御部やネガティブコントロール制御部については従来のものを踏襲して利用するようにしているので、新たな機能を付加しているにも関わらず、装置全体としての故障因子、特に、電気的な故障因子が増大する弊害が抑制される。
次に、本発明を実施するための最良の形態について幾つかの例を挙げて具体的に説明する。
図1は本発明を適用した一実施形態の油圧制御装置1を示した機能ブロック図である。
油圧制御装置1の構成要素の内、エンジン101、可変容量ポンプ102a,102b、コントロールバルブ群103、パワーシフト制御部104a,104b、ネガティブコントロール制御部105a,105b、調整手段107a,107b、パイロット圧調整弁108、制御用ポンプ110、ネガティブコントロール圧力発生手段116a,116bに関しては図10に示した従来装置と同様であるので、図10と同様の符号を付すにとどめ、構成および機能についての詳細な説明は省略する。
この実施形態におけるパイロット圧力選択手段は、シャトル弁2a,2bによって構成され、また、パイロット圧力選択手段を作動状態と非作動状態に切り替える切替手段は、切替弁3a,3bによって構成されている。
具体的には、シャトル弁2aの一方の入力ポートが、コントロールバルブ群103におけるセンタバイパスからの戻り油を流量調整用のパイロット圧力として検出するための絞り弁116aに接続される一方、シャトル弁2aの他方の入力ポートは、切替弁3aを介してパイロット圧調整弁108に接離可能に接続され、切替弁3aが作動して図1中で左方にシフトした場合、つまり、シャトル弁2aの他方の入力ポートがパイロット圧調整弁108に接続された場合においてのみ、パイロット圧調整弁108から供給される出力選択用のパイロット圧力と絞り弁116aから供給される流量調整用のパイロット圧力の大小関係がシャトル弁2aにより比較されて、相対的に高圧のパイロット圧力がネガティブコントロール制御部105aに供給される。
また、図1に示されるように切替弁3aが非作動となっている状況下では、比較対象の圧力が大気圧となる結果、シャトル弁2aは、絞り弁116aから供給される流量調整用のパイロット圧力を高圧側のパイロット圧力として定常的に選択するため、実質的な油圧回路の構成は、図10に示した従来装置と同等となる。
従って、シャトル弁2aは、出力選択用のパイロット圧力と流量調整用のパイロット圧力のうち高圧側のパイロット圧力を選択してネガティブコントロール制御部105aにパイロット圧力として供給するパイロット圧力選択手段であり、また、切替弁3aは、シャトル弁2aを作動状態、つまり、高圧側のパイロット圧力を選択する状態と、非作動状態、要するに、流量調整用のパイロット圧力を定常的に選択し続ける状態とに切り替えるための切替手段である。
シャトル弁2b,切替弁3bの構成および機能は、シャトル弁2a,切替弁3aと同様である。
また、この実施形態の油圧制御装置1は、可変容量ポンプ102aのポンプ吐出圧力を検出する圧力センサ4aと、可変容量ポンプ102bのポンプ吐出圧力を検出する圧力センサ4bを備える。
図2は油圧制御装置1の各部を制御するコントローラ109’の要部を示した機能ブロック図である。
コントローラ109’の主要部は、演算処理用のマイクロプロセッサ(以下、単にCPUという)5と、該CPU5の制御プログラムを格納したROM6、および、演算データの一時記憶等に利用されるRAM7によって構成され、圧力センサ4a,4bによって検出される可変容量ポンプ102a,102bのポンプ吐出圧力とエンジンアクセル指令値が、入力回路8を介してリアルタイムでCPU5に読み込まれるようになっている。また、エンジン101にはパルスコーダ等からなる回転センサ9が設けられ、回転センサ9からの出力が波形成形回路10で整形された後、タイマカウンタ11を介してCPU5に入力される。具体的には、タイマカウンタ11は所定時間内に波形成形回路10から入力されるパルス数を計数し、この計数値に係数を乗じた値がエンジン回転数としてCPU5に認識される。エンジンアクセル指令値は、エンジン101に設けられたスロットル開度センサからの信号である。パイロット圧調整弁108と切替弁3a,3bは出力回路12を介してCPU5によって駆動制御される。
図3はROM6に格納されたパワーシフトプログラムの概略について示したフローチャートである。
この実施形態では、エンジン101のトルク特性や可変容量ポンプ102a,102bの負荷等を考慮してエンストの発生状況とエンジン回転数との関係を考察し、通常のパワーシフトを行ってもエンスト等の問題が発生しないエンジン回転数の領域では従来と同様にしてパワーシフト制御部104a,104bを利用した通常のパワーシフト制御を行い、また、エンジン回転数が低くエンジントルクが減少してエンスト等の問題が発生する低速回転領域では、ネガティブコントロール制御部105a,105bを強制的に作動させて更に低出力側へのパワーシフトを行うようにしている。
例えば、エンジン回転数の閾値をRとして通常のパワーシフトと低出力側のパワーシフトの切り替えを行うとすれば、CPU5は、所定周期毎に繰り返し実行される図3のパワーシフトプログラムにおいて、まず、タイマカウンタ11を介して入力されるエンジン回転数の現在値Rを読み込むか、もしくは、アクセル指令値から推定されるエンジン回転数Rを求め(ステップS1)、エンジン回転数Rと閾値Rとの大小関係を比較し(ステップS2)、エンジン回転数Rが閾値Rを越えていれば、切替弁3a,3bを図1に示されるような非作動の状態とし(ステップS5)、従来と同様にして、エンジン回転数Rの情報に基いてパイロット圧調整弁108に駆動電流を印加することでパイロット圧調整弁108から供給される出力選択用のパイロット圧力の大きさを調整し、エンジン回転数Rに応じたパワーシフトを実行する(ステップS6)。
既に述べた通り、切替弁3a,3bを図1に示されるように非作動の状態とした場合には、シャトル弁2a,2bが絞り弁116a,116bから供給される流量調整用のパイロット圧力を高圧側のパイロット圧力として定常的に選択し、また、パイロット圧調整弁108から供給される出力選択用のパイロット圧力はパワーシフト制御部104a,104bのみに作用するので、この実施形態の油圧制御装置1は、図10に示される従来の入力トルク制御回路と全く同様に機能し、図11中の区間Xの範囲でパワーシフトを行うことが可能である。
次に、通常のパワーシフトの範囲を超えて更に低出力側へのパワーシフトを行う場合の作用原理について説明する。
図4はパワーシフト制御部104a,104bによるパワーシフトを適用した場合のポンプ吐出圧力Pとポンプ吐出量Qの関係を図11と同じスケールで示した概念図であり、通常のパワーシフトの限界を表す関数fとfmaxおよび選択可能なパワーシフトの範囲Xを記載している。また、図5はネガティブコントロール制御部105a,105bに対するパイロット圧力Rとポンプ吐出量Qの関係を図12と同じスケールで示した概念図であり、パイロット圧力Rとポンプ吐出量Qの関係を関数gで記載している。
いま、仮に、図4中の区間Xの範囲を越えて、ポンプ吐出圧力Pとポンプ吐出量Qの関係を図4中のfの関数で示される位置まで低出力側にパワーシフトしたいとする。
このとき、例えば、関数f上の点fi,jにおける出力を実現するためには、理論上、ポンプ吐出圧力をPi,jとし、かつ、ポンプ吐出量をQi,jとすればよいが、このような出力状態はパワーシフト制御部104a,104bによるパワーシフトを適用した通常のパワーシフトの区間Xでは不可能である。しかし、ポンプ吐出圧力Pi,jに対応して必要とされるポンプ吐出量Qi,jは、図5に示されるネガティブコントロール制御部105a,105bを利用したポンプ吐出量制御の範囲内にあるので、ネガティブコントロール制御部105a,105bに対するパイロット圧力をRi,jとすることによって、fi,jにおける出力の実現に必要とされるポンプ吐出量Qi,jを実現することが可能とある。
これと同様に、図4中の関数f上の点fi,j=fi,0〜fi,mの全てが再現されればよいわけであるから、例えば、図6に示されるようにして、j=0〜mの全てについてポンプ吐出圧力Pi,jと該ポンプ吐出圧力Pi,jを実現するために必要とされるネガティブコントロール制御部105a,105bに対するパイロット圧力Ri,jの関係を求め、不揮発性の記憶手段として機能するROM6にファイルとして記憶させた後、圧力センサ4a,4bによってポンプ吐出圧力の総和の現在値Pを検出し、該現在値Pと略一致するポンプ吐出圧力Pi,jを図6のようなファイルから検索し、このポンプ吐出圧力Pi,jに対応するパイロット圧力Ri,jがネガティブコントロール制御部105a,105bに印加されるようにパイロット圧調整弁108に印加する電流つまりパイロット圧調整弁108から供給されるパイロット圧力を比例制御すればよいことになる。
なお、関数fの分割数であるmの値が有限である場合、つまり、ポンプ吐出圧力Pi,jとポンプ吐出圧力Pi,j+1が不連続となる場合には、ポンプ吐出圧力の現在値Pがファイルに記憶された何れかのポンプ吐出圧力Pi,jと完全に一致するとは限らないので、通常は、ポンプ吐出圧力の現在値Pを挟む前後のポンプ吐出圧力Pi,jおよびPi,j+1と此れらに対応するパイロット圧力Ri,jおよびRi,j+1を図6のようなファイルから求めた上で、更に、比例配分の処理を行ってポンプ吐出圧力の現在値Pに厳密に対応するパイロット圧力Rを求めるようにする。
具体的には、R=Ri,j+〔(P−Pi,j)/(Pi,j+1−Pi,j)〕・(Ri,j+1−Ri,j)の演算式を利用して比例配分を実行することでパイロット圧力Rを求めるようにすればよい。
あるいは、関数fと関数g自体を不揮発性の記憶手段としてのROM6に記憶させておき、関数fにポンプ吐出圧力の現在値Pを代入して必要とされるポンプ吐出量Qを求め、更に、ポンプ吐出量Qを関数gに代入してパイロット圧力Rを求めるようにしても構わない。
つまり、この実施形態は、所定周期毎に繰り返し実行される図3のパワーシフトプログラムにおいて、エンジン回転数Rが閾値R以下となってステップS2の判定結果が真となる場合、つまり、エンジン101のトルク出力が不十分であって通常のパワーシフトXの範囲で可変容量ポンプ102a,102bの出力を調整するとエンスト等の問題が発生すると考えられる場合に限り、切替弁3a,3bを図1に示されるような非作動の状態からシフトしてシャトル弁2a,2bの他方の入力ポートをパイロット圧調整弁108に接続し、当該時点で圧力センサ4a,4bで検出されているポンプ吐出圧力の現在値Pに対応するポンプ吐出量Qを実現するためにネガティブコントロール制御部105a,105bが必要とするパイロット圧力Rを不揮発性の記憶手段として機能するROM6に格納されたファイル、もしくは、関数fと関数gから求め、このパイロット圧力Rが送出される電流をパイロット圧調整弁108に印加し、ネガティブコントロール制御部105a,105bにパイロット圧力Rを供給することで、通常のパワーシフトの範囲Xを超えた更に低出力側へのパワーシフト、例えば、図4中の関数fに示されるようなパワーシフトを実現するものである(ステップS4)。
要するに、図6に示したファイルは、図4中の関数fに示されるようなパワーシフトを実現する際に所望されるポンプ吐出圧力Pi,jとポンプ吐出量Qi,jとの関係を、ポンプ吐出圧力Pi,jと該ポンプ吐出圧力Pi,jに対応するポンプ吐出量Qi,jを満たすためにネガティブコントロール制御部105a,105bが必要とするパイロット圧力Ri,jの関係として記憶したファイルであり、ROM6に登録するデータとして実際に必要とされるのは、圧力センサ4a,4bで検出されるポンプ吐出圧力の現在値Pに基いてデータの検索作業を行う際に必要とされるPi,jの欄と、これに対応するパイロット圧力Ri,jの欄のみである。
また、ステップS4の処理を実行するCPU5は、圧力センサ4a,4bで検出された圧力Pに基づいてファイルからネガティブコントロール制御部105a,105bが必要とするパイロット圧力Rを求め、該パイロット圧力Rが出力されるようにパイロット圧調整弁108を制御する制御手段として機能しており、このステップS4の処理が実行されるのは、パイロット圧力選択手段である切替弁3a,3bが作動状態となっている場合に限られている。
ここでは、一例として、通常のパワーシフトの限界を超える低出力側のパワーシフトの態様を図4中で関数fとして1つだけ示しているが、実際には、エンジン101の回転数Rに応じた低出力側のパワーシフトを実現するための関数を幾つでも記憶することが可能である。
例えば、図6に示されるようなファイルと比べてパイロット圧力Ri,jの値が大きめのファイルを図6のファイルと並列的に設け、閾値R’<閾値Rの条件の下、R’<R≦Rの状況下で図6のファイルを選択し、更に、R<R’の状況下で他方のファイルを選択するようにすれば、エンジン101の回転数Rに応じて2段階のパワーシフトが可能である。
また、図4に示されるように通常のパワーシフトの範囲Xにおける出力特性と同様の特性を有する関数fを平行移動的にパワーシフトするだけでなく、通常のパワーシフトの範囲Xにおける出力特性とは異なる出力特性を有する関数を設定することができる。例えば、図7に示されるように、ポンプ吐出量Qの上限を大幅に制限した関数hを新たに生成することも可能である。
図7に示される例では、ポンプ吐出圧力PがPmid以下の際にポンプ吐出量Qが定常的にQmax’となるように制限する必要があるので、図5の特性から明らかなように、図8に示されるようなファイルにおいて、Pi,jの項がPmid以下となる区間に対応するRi,0〜Ri,jの項に全てRmax’の値を記憶させることになる。
図7に示されるような特性は、パワーショベルでクレーン作業を行ったりブレーカー作業を行ったりするような場合、つまり、ポンプ吐出量Qを大幅に制限してアクチュエータの挙動を安定させて細かな作業を行うような場合に有用である。
CPU5がステップS4の処理を実行する際にどのファイルを選択するかは、エンジン回転数Rを条件としてCPU5の内部処理で自動的に選択処理を行わせるといった方法の他、入力回路8に手動操作盤等を接続してマニュアルの指令でファイルを選ばせるといったことも可能であるから、図7に示されるような出力特性を実現するためのファイルと図4に示されるような出力特性を実現するためのファイルをROM6内に同居させることには何らの不都合もなく、自動的もしくは任意の手動操作によってCPU5にファイルを選択させることで様々な出力特性を実現させることが可能となる。
次に、図9を参照して他の実施形態について簡単に説明する。
図9に示した油圧制御装置1’は、ネガティブコントロール制御部105a’,105b’のピストン部材117a’,117b’を先端側部材118a,基部側部材119aと先端側部材118b,基部側部材119bに分割して両者間に油室200a,200bを形成し、ネガティブコントロール圧力発生手段116a,116bから供給される流量調整用のパイロット圧力を油室200a,200bに印加するようにした点、および、パイロット圧調整弁108から供給される出力選択用のパイロット圧力を基部側部材119a,119bに印加するか否かを切替弁3a,3bの操作で決定するようにした点が図1の油圧制御装置1と異なる。
従って、この実施形態においては図1に示した実施形態のようなシャトル弁2a,2bは必要なく、先端側部材118aと基部側部材119aからなるピストン部材117a’と油室200a、および、先端側部材118bと基部側部材119bからなるピストン部材117b’と油室200bによってパイロット圧力選択手段が構成されることになる。
例えば、切替手段として機能する切替弁3aが作動して図9中で左方にシフトした場合、ネガティブコントロール制御部105a’において、絞り弁116aから油室200aに供給される流量調整用のパイロット圧力(図9中で基部側部材119aを右に向けて押圧する力)とパイロット圧調整弁108から基部側部材119aの右端部に供給される出力選択用のパイロット圧力(図9中で基部側部材119a左に向けて押圧する力)との大小関係が、実質的なパイロット圧力選択手段として機能する基部側部材119aにより比較され、この際、流量調整用のパイロット圧力が出力選択用のパイロット圧力よりも大きければ、基部側部材119aが図9中で右側に移動して底突きした状態で油室200aに絞り弁116aからの油が流入し、流量調整用のパイロット圧力つまり相対的に高圧のパイロット圧力で先端側部材118aが押されて図9中で左方に移動する。
また、これとは逆に、出力選択用のパイロット圧力が流量調整用のパイロット圧力よりも大きければ、実質的なパイロット圧力選択手段として機能する基部側部材119aが図9中で左側に移動して先端側部材118aと当接し、基部側部材119aと先端側部材118aとの間の油を両者間から排除した状態、要するに、基部側部材119aを図9中で右側に押し返そうとする力を排除した状態で、出力選択用のパイロット圧力つまり相対的に高圧のパイロット圧力により、先端側部材118aが基部側部材119aもろとも図9中で左方に押されて移動することになる。
従って、結果的にみれば、相対的に高圧のパイロット圧力が先端側部材118aつまりはネガティブコントロール制御部105a’のアクチュエータに作用することになり、実質的な作用の点からすると、図1で示した実施形態すなわちパイロット圧力選択手段としてのシャトル弁2a,2bを備えたものと同等の結果が得られる。
一方、図9に示されるように切替弁3aが非作動となっている状況下では、基部側部材119aの右端部に大気圧のみが作用するので、基部側部材119aが図9中で右側に移動して底突きした状態のまま油室200aに絞り弁116aからの油が流入し、流量調整用のパイロット圧力によって先端側部材118aが図9中で左方に押圧されるので、実質的な油圧回路の構成は、図10に示した従来装置と同等の状態となる。
ネガティブコントロール制御部105b’における基部側部材119bと先端側部材118bおよび切替弁3bの動作については、各要素の移動の方向性が異なるのみで、実質的な作用に関しては前記と全く同様である。
従って、この実施形態においても、図1に示した実施形態の場合と同様、切替手段として機能する切替弁3aによってパイロット圧力選択手段である基部側部材119a,119bの作動が許容されている場合に限って、制御手段であるCPU5が、圧力センサ4a,4bによって検出されるポンプ吐出圧力の現在値Pに基いて図6あるいは図8等に示されるファイルを参照してパイロット圧力Rを求め、このパイロット圧力Rがネガティブコントロール制御部105a’,105b’に印加されることになる。
よって、装置全体としての作用や効果については、図1に示した実施形態の場合と同等である。
本発明を適用した一実施形態における油圧制御装置を示した機能ブロック図である。 同実施形態の油圧制御装置の各部を制御するコントローラの要部を示した機能ブロック図である。 同実施形態における不揮発性の記憶手段として機能するROMに格納されたパワーシフトプログラムの概略について示したフローチャートである。 同実施形態のパワーシフトプログラムによって実現されるパワーシフト制御の一例を示した概念図である。 ネガティブコントロール制御部による吐出量制御を利用して必要とされるポンプ吐出量に対応するパイロット圧力を求めるための作用原理を示した概念図である。 ROMに格納されるファイルの一例を示した概念図である。 ポンプ吐出量の上限を大幅に制限したパワーシフト特性の一例を示した概念図である。 ポンプ吐出量の上限を制限するために必要とされるファイルの一例を示した概念図である。 他の一実施形態の油圧制御装置を示した機能ブロック図である。 入力トルク制御回路の一例を示した機能ブロック図である(従来例)。 パワーシフト制御部によるパワーシフトの一例を示した概念図である(従来例)。 ネガティブコントロール制御部による吐出量制御の一例を示した概念図である(従来例)。
符号の説明
1 油圧制御装置
1’ 油圧制御装置
2a,2b シャトル弁(パイロット圧力選択手段)
3a,3b 切替弁(切替手段)
4a,4b 圧力センサ
5 CPU(制御手段)
6 ROM(不揮発性の記憶手段)
7 RAM
8 入力回路
9 回転センサ
10 波形成形回路
11 タイマカウンタ
12 出力回路
101 エンジン
102a,102b 可変容量ポンプ
103 コントロールバルブ群
104a,104b パワーシフト制御部
105a,105b ネガティブコントロール制御部
105a’,105b’ ネガティブコントロール制御部
106a,106b 傾転盤
107a,107b 調整手段
108 パイロット圧調整弁
109,109’ コントローラ
110 制御用ポンプ
111a,111b ピストン部材
112a,112b 制御弁
113a,113b 油室
114a,114b 油室
115a,115b ピストン部材
116a,116b ネガティブコントロール圧力発生手段
117a,117b ピストン部材
117a’,117b’ ピストン部材
118a,118b 先端側部材
119a,119b 基部側部材
200a,200b 油室

Claims (1)

  1. 可変容量ポンプのポンプ吐出圧力の変化に従動させて前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を調整することで前記可変容量ポンプの出力を設定値に保持すると共に、出力選択用のパイロット圧力を受けて前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を調整することで前記可変容量ポンプの出力の設定値を変更するパワーシフト制御部と、
    コントロールバルブのセンタバイパスからタンクラインへの戻り油の圧力と電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力のうち高圧側の圧力を流量調整用のパイロット圧力の候補として選択するパイロット圧力選択手段と、
    前記パイロット圧力選択手段によって候補として選択された圧力を流量調整用のパイロット圧力として出力する作動状態と、コントロールバルブのセンタバイパスからタンクラインへの戻り油の圧力を流量調整用のパイロット圧力として出力する非作動状態の何れかに前記パイロット圧力選択手段の作動状態を切り替える切替手段と、
    前記パイロット圧力選択手段から出力される流量調整用のパイロット圧力の上昇に応じて前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を減少させる方向で前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を調整するネガティブコントロール制御部と、
    前記可変容量ポンプのポンプ吐出圧力を検出する圧力センサと、
    パワーシフト制御部を利用した通常のパワーシフト制御の範囲を超えて低出力側にシフトされたポンプ吐出圧力とポンプ吐出量の関係を表す関数として、前記可変容量ポンプのポンプ吐出圧力と此のポンプ吐出圧力に対応するポンプ吐出量を満たすために前記ネガティブコントロール制御部が必要とする流量調整用のパイロット圧力との関係を記憶した不揮発性の記憶手段と、
    前記可変容量ポンプを駆動するエンジンのトルク出力が減少する低回転域のエンジン回転数に基いて設定された閾値とエンジン回転数の現在値とを比較し、エンジン回転数の現在値が前記閾値を下回らなければ前記切替手段により前記パイロット圧力選択手段を非作動状態とする一方、エンジン回転数の現在値が前記閾値を下回ると前記切替手段により前記パイロット圧力選択手段を作動状態とすると共に前記圧力センサで検出されたポンプ吐出圧力に基いて前記不揮発性の記憶手段から流量調整用のパイロット圧力を求め、求められた流量調整用のパイロット圧力が出力されるように前記パイロット圧調整弁を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする油圧制御装置。
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