次に、本発明に係る遊技機の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1に示すのは、パチンコ遊技を行える遊技機1の正面図で、遊技機本体1aの側方に遊技球を貸し出すためのプリペイドカードを処理するカードユニット1bを備えるものとしてある。
遊技機本体1aは、機枠2の前面側に額縁状の前面枠3を開閉可能に設け、該前面枠3に開設した窓部の前面側にガラス枠4と開閉扉5を開閉可能に軸着し、窓部の背面側には窓部を塞ぐようにして遊技盤6を装着し、前面枠3の下部前面側に球受皿7と発射操作ハンドル8などを取り付けてある。
また、開閉扉5には遊技球貯留手段として球供給皿9を設け、該球供給皿9より打球発射機構(図示省略)へ供給された遊技球が弾発され、遊技盤6の遊技部6a(主として、ガラス枠4の装飾部材4aにより覆われていない遊技窓部4bから遊技者が視認できる状態になっている領域)へ到達する。なお、遊技部6aには、障害釘が植設されると共に、大型の表示装置6bや球の入賞状態が変化する変動入賞装置6bといった大型の遊技装置のほか、種々の入賞具や風車が配置されている。
また、プリペイドカードで遊技球を借り受ける場合、カードユニット1bのカード挿入口10にプリペイドカードを挿入すると、そのプリペイドカードでの球貸が可能であれば使用可能な度数が度数表示器11に表示され、球貸スイッチ12を操作する毎に単位度数分(例えば、100円に相当する1度数分)の球貸動作が行われる。なお、カード返却スイッチ13が操作されると、プリペイドカードがカード挿入口10より排出される。
上述した遊技機1の裏側には、図2に示すように、遊技機としての諸機能を実現するための機構(例えば、島設備より供給される遊技球を受けて貯留して球貸要求に応じた球排出や賞球排出を行う機構、遊技盤に設けられた各種入賞口へ入賞して回収された遊技球や何れの入賞口にも入賞せずにアウト口から回収された遊技球を機外の回収球搬送路へ導く遊技球回収機構など)のほか、遊技盤6に設けた遊技装置の動作制御などを行うことで遊技の進行を統括的に制御する遊技制御装置14、球排出や打球の発射制御を行う排出・発射制御装置15、各部へ所定の電源を供給する電源装置16等を適所に設けてある。なお、本実施形態における遊技制御装置14は、遊技盤6の裏面下方部に装着される遊技盤裏面構成部材17に着脱可能に取り付けるものとしてある。
次に、上述した遊技制御装置14の詳細な構造について、図3〜図9に基づいて説明する。なお、遊技制御装置14は、遊技機本体1aの裏面側(正確には、遊技盤6の裏面に取り付けられる遊技盤裏面構成部材17の裏面側)に取り付けられるため、取り付け時には作業者に向う面(正面)が、取り付け後には遊技機の背面側に位置することとなるが、以下の説明においては、取り付け作業を基準に考え、遊技盤裏面構成部材17に取り付けられる側を背面、その逆の面を前面として説明する。
図3は、遊技制御装置14の正面図であり、同図中のIV−IV断面を図4に、同図中のV−V断面を図5に、同図中のVI−VI拡大断面を図6に各々示す。また、遊技制御装置14は、図7に示すように、遊技機の動作に関わる電気的制御を実行するための電子部品とコネクタを実装した略四角形状の遊技制御基板20を、ベース部材30と収納部材40よりなる基板ボックス50に内包したものである。そして、収納部材40の収納部側斜視図を図8に、ベース部材30の収納側である正面図を図9に各々示す。
基板ボックス50は、略板状のベース部材30と、該ベース部材30によって塞がれる略四角形状の開口を一面に有し、該開口より遊技制御基板20を収納する収納部40aを形成した収納部材40と、これらベース部材30と収納部材40とを固着する固着手段(後に詳述)とから構成する。また、基板管理番号シール51や遊技制御基板シール52が貼られている。なお、本構成例で示すベース部材30および収納部材40は、透光性の合成樹脂からなるものとし、内部に収容された遊技制御基板20を外から視認できる。なお、基板ボックス50は、平板なベース部材30を下にして置かれる状態が常態となるので、内部に収納された遊技制御基板20を基準にした場合、収納部材40は上部に、ベース部材30は下部に位置するものとなる。
収納部材40は、収納部40aの奥側から開口縁に向って起立する4つの収納側壁たる上部収納側壁41a、下部収納側壁41b、第1側部収納側壁41c、第2側部収納側壁41dを備え、これら収納側壁41a〜41dの内側面に沿って遊技制御基板20が収納されることとなり、遊技制御基板20の移動範囲が収納側壁41a〜41dの内側に規制されることとなる。
また、収納部材40には、収納部40aの最奥部でありコネクタ実装面21と対向する上面42の一部を開口側に向けて膨出させた3つの階段状の第1段部(上下部収納側壁41a,41bと上面42の間に形成された段部)である第1階段部43、第2階段部44、第3階段部45を形成し、第1〜第3階段部43〜45の収納部40a側には、遊技制御基板20のコネクタ実装面21の一部が当接する平坦な遊技制御基板載置部43a,44a,45aを各々形成すると共に、遊技制御基板20に設けたコネクタ21a…を挿通するコネクタ挿通開口部43b,44b,45bを各々設ける。なお、これら第1〜第3階段部43〜45は、収納部材40の正面側(収納部40aが開口していない側)から見ると、凹部になる。
ここで、遊技制御基板20に設けるコネクタ21aは一側部に集中させないで、少なくとも、収納側壁の相対向する二側壁(本構成例においては、上部収納側壁41aと下部収納側壁41b)に対して各々階段部が設けられるように配置(本構成例においては、上部起立壁41a側に第1階段部43を、下部起立壁41b側に第2,第3階段部44,45を各々配置)することにより、遊技制御基板20のコネクタ実装面21が遊技制御基板載置部43a,44a,45aに当接する位置を、収納部40a内における遊技制御基板20の適正な収容位置として用いることができる。なお、遊技制御基板20のコネクタ実装面21において、遊技制御基板載置部43a,44a,45aに当接しない部位には、当該遊技機1の動作に関わる電気的制御を実行するための電子部品21bを実装してある。これら電子部品21bは、実装密度を高めるために、非コネクタ実装面22(コネクタ実装面21の裏面)側にも設けられる場合もある。
すなわち、収納部40aの開口が上向きとなるように置いた収納部材40に対し、上から遊技制御基板20を落とし込むと、コネクタ実装面21の三箇所が遊技制御基板載置部43a,44a,45aに当接して、各コネクタ21a…が各コネクタ挿通開口部43b,44b,45bより外部に露出した状態で、傾くこともなく安定的に保持されるのである。なお、遊技制御基板20の非コネクタ実装面22側は、後述するベース部材30によって位置決め・保持される。
また、遊技制御基板20は、遊技制御プログラムを格納し、検査装置により読み取り可能な固有の識別情報を書換え不能に格納したワンチップマイクロコンピュータ(図示省略)を備えるものとしと、このワンチップマイクロコンピュータの固有識別情報を読み出し可能な検査端子23を備えるものとし、収納部材40は、遊技制御基板20を収納した状態で、検査端子23の接続部23a(突出端に接続開口を有する部位)とほぼ面一となる位置まで上面42より開口側へ膨出させた第2段部(上下収納側壁41a,41bと上面42との間に形成した段部)としての検査端子用段部46を形成する。この検査端子用段部46は、収納部40a側においては、第1〜第3階段部43〜45の遊技制御基板載置部43a〜45aよりも突出量が低く、収納部材40の正面側(収納部40aが開口していない側)から見ると、比較的浅い凹部となる。
上記検査端子用段部46には、検査端子23の接続部23aを外部に露出させるように、接続部23aと略同形状の検査端子用開口46aを設けると共に、遊技制御基板20を収納した状態で、検査端子23の周囲を囲うように遊技制御基板20のコネクタ実装面21側に延設した第1離隔壁46bと第2離隔壁46cを形成する。なお、第1,第2離隔壁46b,46cの基板側端縁部は遊技制御基板載置部43a〜45aとほぼ面一となるようにしてある。すなわち、遊技制御基板20が収納部40a内に収納された時、検査端子用段部46によって遊技制御基板20のコネクタ実装面21から検査端子23の接続部23aまでの間に形成される検査端子用空部は、下部収納側壁41bと第2階段部44の側壁と第1,第2離隔壁46b,46cによって収納部40aから離隔されることとなる。
斯くすることによって、検査端子用段部46に設けた検査端子用開口46aと検査端子23の接続部23aとの隙間から不正部材を侵入させたとしても、検査端子用空部よりも更に内奥部へ不正部材を侵入させることが極めて困難となり、不正防止に極めて効果的である。なお、本構成例においては、検査端子用空部を離隔する際の離隔壁として、下部収納側壁41bと第2階段部44の側壁を流用したが、検査用端子23がコネクタ21a…の配設位置から隔たっているために収納側壁41a〜41dや階段部の側壁を流用できない場合には、検査端子23を四囲にそれぞれ離隔壁を設けるようにしても良い。また、離隔壁は四側に設ける必要はなく、多角形や円形であっても良いが、検査端子23として採用されている角形のコネクタに対しては、四側壁を以て離隔すると、無駄に検査端子用空部が広くならず、実用的である。
また、上部収納側壁41aの外側(図8においては上方)には、ほぼ等間隔で突出する比較的小さな四角ブロック状の第1係合突出片47a,第2係合突出片47b,第3係合突出片47cを形成し、下部収納側壁41bの外側(図8においては下方)にも,ほぼ等間隔で突出する比較的小さな四角ブロック状の第4係合突出片47d,第5係合突出片47e,第6係合突出片47fを形成し、第1側部収納側壁41cの外側(図8においては右側)には、適宜離隔した位置で突出する比較的小さな四角ブロック状の第7係合突出片47g,第8係合突出片47hを形成する。
これら第1〜第8係合突出片47a〜47hは、後述するベース部材30と係合するための係合部として機能する。なお、第2側部収納側壁の外側(図8においては左側)には、断面がL字状の第1ストッパ片47i,第2ストッパ片47jを設け、これら第1,第2ストッパ片47i,47jがベース部材30の側壁に当接することで、ベース部材30と収納部材40との固着位置が規制されるようになっている。
また、上記第1,第2ストッパ片47i,47jの間には、複数(例えば4つ)のカシメ部48…を設けてある。このカシメ部48は、取り外し不可能な方法でベース部材30と収納部材40とを一体にするためのもので、その詳細は後に詳述する。また、上部収納側壁41aに設けた第2係合突出片47bの近傍には、収納側係止片49を設けてある。この収納側係止片49は、収納部材40にベース部材を一旦係合させると容易に脱することのないように係止するためのもので、その詳細は後に詳述する。
一方、ベース部材30は、基板ボックス50に収納された状態の遊技制御基板20における非コネクタ実装面22と対向する底面30aの周縁から起立した外側起立壁である上部外側起立壁31a、下部外側起立壁31b、第1側部外側起立壁31c、第2側部外側起立壁31dを備え、これら外側起立壁31a〜31dのうち相対向する2つの外側起立壁である上部外側起立壁31aと下部外側起立壁31bの内側に、夫々上部内側起立壁32aと下部内側起立壁32bを形成してある。これにより、上部外側起立壁31aと上部内側起立壁32aとの間に上記収納部材40の上部収納側壁41aを嵌入可能な溝幅のスライド溝が生じ、下部外側起立壁31bと下部内側起立壁32bとの間に上記収納部材40の下部収納側壁41bを嵌入可能な溝幅のスライド溝30bが生ずることとなる。なお、ベース部材30の底面30aには、補強リブが格子状に適宜設けてある。
すなわち、上記収納部材40の上部収納側壁41aを上部外側起立壁31aと上部内側起立壁32aとの間のスライド溝に嵌め込み、上記収納部材40の下部収納側壁41bを下部外側起立壁31bと下部内側起立壁32bとの間のスライド溝に嵌め込むと、ベース部材30と収納部材40をスライド溝に沿ってスライドさせることができる。なお、本構成例の基板ボックス50では、このスライド動作によってベース部材30と収納部材30との係脱を行える構造としてあり、その具体的構造を、図10および図11に示す遊技制御装置14の組み立て工程を参照しつつ詳述する。
まず、収納部40aの開口が上向きとなるように置いた収納部材40に対して、上方から遊技制御基板20を落とし込むと、コネクタ実装面21におけるコネクタ21a…を設けた箇所が、収納部材40に形成した階段部43〜45の各遊技制御基板載置部43a,44a,45aに当接して、各コネクタ21a…が各コネクタ挿通開口部43b,44b,45bより外部に露出した状態となる。
次いで、遊技制御基板20の非コネクタ実装面22が上向きに収納された収納部材40の上方よりベース部材30を被せ、収納部材40の上部収納側壁41aを上部外側起立壁31aと上部内側起立壁32aとの間のスライド溝に、収納部材40の下部収納側壁41bを下部外側起立壁31bと下部内側起立壁32bとの間のスライド溝に嵌め込む。しかして、収納部材40の上部収納側壁41a及び下部収納側壁41b(スライド溝に嵌入する2つの収納側壁)の外側適所に突出する凸片状の第1係合凸部である第1〜第6係合突出片47a〜47fに各々対応するように、ベース部材30の上部外側起立壁31aの外側には第1係合受部としての第1係合受入部33a,第2係合受入部33b,第3係合受入部33cを、下部外側起立壁31bには第4係合受入部33d,第5係合受入部33e,第6係合受入部33fを各々設けてある。
上記第1〜第6係合受入部33a〜33eは何れも同じ構造であり、収納部材40の第1〜第6係合突出片47a〜47fを受け入れる第1受入口としての受入口331と、該受入口331に第1〜第6係合突出片47a〜47fを受け入れた状態で固着方向(図11(a)における矢印3の方向)へベース部材30をスライドさせた場合にベース部材30と収納部材40とが離間するのを防止する第1離間防止部としての離間防止部332とを備える。
そして、図10に示すように、ベース部材30の第1〜第6係合受入部33a〜33fの受入口331が開いている側より収納部材40の第1〜第6係合突出片47a〜47fを挿入すれば(図12(a)参照)、何ら障害となるものがないので、第1〜第6係合突出片47a〜47fは第1〜第6係合受入部33a〜33f内に入ることができ(図12(b)参照)、図11(a)に示すように、収納部材40の上部収納側壁41aおよび下部収納側壁41bがベース部材30の各スライド溝に嵌まり込んだ状態となる。この状態から、図11(b)に示すように、ベース部材30をスライドさせると、第1〜第6係合突出片47a〜47fを挿入した側には離間防止部332が位置することとなり(図12(c)参照)、ベース部材30を収納部材40から外すことができなくなる。
このように、ベース部材30と収納部材4とで各々対となる第1係合受入部33aおよび第1係合突出片47a、第2係合受入部33bおよび第2係合突出片47b、第3係合受入部33cおよび第3係合突出片47c、第4係合受入部33dおよび第4係合突出片47d、第5係合受入部33eおよび第5係合突出片47e、第6係合受入部33fおよび第6係合突出片47fによって複数の係合手段が構成される。
また、ベース部材30の第1側部外側起立壁31cには、上記収納部材40の第1側部収納側壁41cに形成した第7,第8係合突出片47g,47hに対応する部位に、各々第7係合受入部33gおよび第8係合受入部33hを設け、収納部材40に被せたベース部材30を固着方向へスライドさせた場合には、第7,第8係合突出片47g,47hが各々第7,第8係合受入部33g,33hの受入穴333に嵌まり込むようにしてある。すなわち、これらも係合部として機能するのである。なお、収納部材40に被せたベース部材30を固着方向へスライドさせた場合には、ベース部材30の第2側部外側起立壁31dが収納部材40に設けた第1,第2ストッパ片47i,47jに当接して、適正な装着位置で止まるようにしてある。
なお、これらの係合部のみによってベース部材30を収納部材40に係合させた場合、反対側へベース部材30をスライドさせると、再びベース部材30を取り外せる状態となるのであるが、遊技制御装置の組み立て作業においては、適正な係合位置に保持されることが好ましい。そこで、本構成例の基板ボックス50には、適正な係合状態で保持できる係止手段を設けてある。
上記係止手段を構成するのは、ベース部材30の上部外側起立壁31aに設けた第1係止部としてのベース側係止爪34と、収納部材40の上部収納側壁41aに設けた第1係止片としての収納側係止片49である。これらベース側係止爪34と収納側係止片49とで行われる係止の過程を示すのが図13である。
図13(a)に示すように、ベース側係止爪34は、反固着方向(図13においては左方向)に向かって突出量が増えるガイド面と、該ガイド面の最大突出部位に連なる規制面(上部外側起立壁31aに直交する切り立った面)を備える。収納側係止片49は、上部収納側壁41aに接続される接続部49aと、該接続部49aの非接続側端(図13においては下側端)に連なって上部収納側壁41aとほぼ平行な状態に配した板状の作用部49bと、該作用部49bの端縁より上部収納側壁41aの壁面から遠ざかる向きに延設された操作部49cと、上記作用部49bの上面に突設した被第1係止部としての収納側係止爪49dを備える。
上記収納側係止爪49dは、収納部材40にベース部材30を被せた時に、ベース側係止爪34を固着方向へ移動させた時に通過することとなるスライド軌跡の範囲に位置するもので、上記ベース側係止爪34とほぼ同じ傾斜状態のガイド面と、該ガイド面の最大突出部位に連なる規制面(上部収納側壁41aに直交する切り立った面)を備える。従って、ベース側係止爪34のガイド面と収納側係止爪49dのガイド面が対峙した状態(図13(a)参照)からベース部材30を固着方向へスライドさせてゆくと、ベース側係止爪34に収納側係止爪49dが乗り上げて収納側係止片49の作用部49bが撓み(図13(b)参照)、そのままベース部材30をスライドさせて行くと、収納側係止爪49dの規制面がベース側係止爪34の規制面に至り、収納側係止片49の作用部49bの撓みが解消されて通常の状態(上部収納側壁41aとほぼ平行な状態)に戻ることで、収納側係止爪49dの規制面とベース側係止爪34の規制面が向き合う状態となる(図13(c)参照)。
このように、収納側係止爪49dの規制面とベース側係止爪34の規制面が互いに向き合う状態になると、収納部材40に対してベース部材30を反固着方向へスライドさせようとしても、収納側係止爪49dとベース側係止爪34の互いの規制面が障害となって、反固着方向へスライドさせることができなくなる。すなわち、ベース部材30に設けたベース側係止爪34と、固着方向へのスライドによってベース側係止爪34を乗り越えると反固着方向への移動を規制する収納側係止爪49dを備える収納側係止片49と、によって係止部が構成されるのである。
また、ベース部材30を収納部材40から取り外す場合は、収納側係止片49の操作部49cに指先などで引き起こす(作用部49bの自由端側を上部収納側壁41aから離隔させる)ことで、収納側係止爪49dとベース側係止爪34の係止状態を解除し、そのままベース部材30を反固着方向へスライドさせればよい。
なお、収納側係止片49の自由端側に位置する操作部49cは、上部収納側壁41aの外側面から離隔しているので、遊技制御装置14の組み立て作業やメンテナンス作業を行っている作業者の袖口が収納側係止片49に引っ掛かって、収納側係止片49が折れてしまう等、思わぬ事故が起きる可能性がある。そこで、本構成例で示す基板ボックス50においては、図3に示すように、ベース部材30と収納部材40とを係合させた状態で収納側係止片49の近傍に位置する第2係合受部47b(ベース部材30側の係合部)の突出壁外面(図3においては上部面)は、収納側係止片49の突出端(作用部49cの最端部)よりも外側(図3においては上側)に位置させるようにした。斯くすれば、収納側係止片49に引っ掛かる向きから袖口等が近づいても、収納側係止片49に至る前に第2係合受部47bによって阻止されることとなり、作業性の向上に寄与できる。
上述したように係合手段および係止手段により、ベース部材30を収納部材40に取り付けた後、これらの再分離を困難にする固着手段として、収納部材30に設けたカシメ部48…と、これらと対になるようベース部材30に設けた4つのカシメ受部35…を用いる。図6に示すように、ベース部材30を収納部材40に取り付けた状態においては、カシメ部48のビス孔48aからカシメ受部35のビス穴35aが連通し、例えば単方向ネジのビス53でカシメ部48とカシメ受部35を固定し、更に、カシメ部48の開口48bを塞ぐように樹脂製のビス押さえ部材54を嵌め込み、例えば超音波溶着によってビス押さえ部材54を開口部48bの内面へ強固に取り付ける。
このように、ビス押さえ部材54によってビス53が操作されることを困難にすることと併せて、ビス53自体もネジ回しで普通に外せないものであることから、カシメ部48とカシメ受部35を物理的に損壊させてしまわなければ、ベース部材30と収納部材40を分離することができないのである。なお、カシメ部48とカシメ受部35は4対設けてあるので、最大で4回の固着が可能であり、また、破損しているカシメ部48とカシメ受部35の数から、基板ボックス50を開いた回数を視覚的に確認できる。
以上のようにして基板ボックス50の内部に封入された遊技制御基板20は、コネクタ実装面21が収納部材40の遊技制御基板載置部43a,44a,45aに当接する位置(図14(a)参照)、もしくは、非コネクタ実装面22がベース部材30の上部内側起立壁32aおよび下部内側起立壁32bの端縁部に当接する位置(図14(b)参照)で定置されることとなる。
この時、収納部材40側で遊技制御基板20のコネクタ実装面21が当接する遊技制御基板載置部43a,44a,45aと、ベース部材30側で遊技制御基板20の非コネクタ実装面22が当接する上部内側起立壁32aおよび下部内側起立壁32bの端縁部との間には、遊技制御基板20の板厚よりも若干広い基板保持空部55が形成されるように、本構成例においては、上部収納側壁41aおよび下部収納側壁41bの高さを、上部内側起立壁32aおよび下部内側起立壁32bよりも長め(基板保持空部55の高さに相当する長さだけ長め)になるよう設定した。
斯くすれば、収納部40aが上側に開口するように置いた収納部材40へ、上方から遊技制御基板20を落とし込み、遊技制御基板20のコネクタ21a…がコネクタ挿通開口部43b,44b,45bから挿通されてコネクタ実装面21の一部が第1〜第3階段部43〜45の遊技制御基板載置部43a,43b,44bに当接する状態で、収納部材40の上方よりベース部材30を取り付け、収納部材40の上部収納側壁41aおよび下部収納側壁41bを、ベース部材30の上部外側起立壁31aと上部内側起立壁32aとの間のスライド溝および下部外側起立壁31bと下部内側起立壁32bとの間のスライド溝に各々嵌め込んでも、ベース部材30側の上部内側起立壁32aの端縁部および下部内側起立壁32bの端縁部が遊技制御基板20の非コネクタ実装面22に当接することはなく、そのまま固着方向へベース部材40をスライドしても、遊技制御基板20が傷つくことはない。
従って、収納部材40側で遊技制御基板20のコネクタ実装面21が当接する遊技制御基板載置部43a,44a,45aと、ベース部材30側で遊技制御基板20の非コネクタ実装面22が当接する上部内側起立壁32aおよび下部内側起立壁32bの端縁部との間に基板保持空部55を形成することにより、遊技制御基板20を収納部材40に収納した状態でベース部材30を固着方向へスライドさせて固着する際に、遊技制御基板20が破損してしまうことを効果的に防止できる。しかも、この基板保持空部55を設けたことにより、基板保持空部55内で遊技制御基板20がその間を自由に移動できることから、遊技機1に対して外部から加わった衝撃が遊技制御基板20へ直に加わることを防止する緩衝作用を期せる。
なお、上記保持空部55が形成されるように、遊技制御基板載置部43a,44a,45aと上下部内側起立壁32a,32bとの間の間隔としては、遊技制御基板20の板厚以上で板厚の2倍未満とすることが望ましい。更に好ましくは、標準的な遊技制御基板20の板厚である1.6mmに対して、遊技制御基板載置部43a,44a,45aと上下部内側起立壁32a,32bとの間隔を2.0mmとすることである。
また、ベース部材30と収納部材40とが適正な取り付け状態にあるか否かを一目で確認できるように、収納部材40に設けた第1マーク56a…(断続的な四角列)とベース部材30に設けた第2マーク56b…(断続的な四角列)とが適正位置に合わさることで、チェックライン56(相補的に四角列が連続して並んだ長四角)となるようにしても良い(図15参照)。すなわち、収納部材40にベース部材30を被せただけでは第1マーク56a…と第2マーク56b…とが離れているが(図15(a)参照)、固着方向にスライドさせると第1マーク56a…と第2マーク56b…とが互いに近づいてゆき(図15(b)参照)、適切な係止位置に至ると第1マーク56a…と第2マーク56b…とが一列に並んで1本のチェックライン56として視認されるようになるのである(図15(c)参照)。このようなマーキングをベース部材30と収納部材40に施しておけば、遊技制御装置14の組み立て作業時にベース部材30と収納部材40の取り付け状態の適否を容易に判断できるし、遊技店へ出荷された後においては、基板ボックス50が不正に開けられたような場合の判断に供することができる。無論、マーキングは、本構成例に限らず、ベース部材30と収納部材40の取り付け状態の適否を判断できれば、如何様なものでも良い。
次に、上述した遊技制御装置14を遊技盤構成部材17に取り付ける具体的構造について説明する。
遊技盤裏面構成部材17は、遊技盤6の裏面に取り付けらるための第1取付部171と第2取付部172を左右両側に有し、これら第1,第2取付部171,172から若干手前(遊技機1においては裏面側)に起き上がった位置に遊技制御装置取付部173が形成されている。なお、第2取付部172には、上下2箇所の軸受部172a,172bが設けられ、遊技盤6の裏面側に設けた回動軸(図示省略)を上記軸受部172a,172bの軸受孔に挿通させることで蝶番機構として機能させ、他方の第1取付部171に設けた止着部材挿入孔171a,171bより適宜な止着部材を挿通させて遊技盤6の裏面に係脱自在に固定する。また、遊技制御装置取付部173の一側方(例えば、第2取付部172側)には、遊技盤用外部出力端子板収納部173bを設け、ここに遊技盤用外部出力端子板を収納する。
上記遊技制御装置取付部173はほぼ平坦な遊技制御装置取付面173aを備え、この遊技制御装置取付面173aに遊技制御装置14の当着面(ベース部材30の背面)を安定して押し当てることができるようになっている。そして、遊技盤裏面構成部材17の遊技制御装置取付面173aに、遊技制御装置14の当着面を当てた状態で所定方向(例えば、図17中の右方向)へスライドさせることにより、遊技制御装置14を遊技盤裏面構成部材17に係合させる係合手段として、遊技制御装置14には、ベース部材30の上部外側起立壁31aおよび下部外側起立壁31b(スライド方向に平行な2つの壁面である上部壁と下部壁)より各々外側に突出する凸片状の第1係合凸部としての第1制御装置係合突出片57a,第2制御装置係合突出片57b,第3制御装置係合突出片57c,第4制御装置係合突出片57dを設け、遊技盤裏面構成部材17には、第1制御装置係合受入部174a,第2制御装置係合受入部174b,第3制御装置係合受入部174c,第4制御装置係合受入部174dを設けた。
第1〜第4制御装置係合受入部174a〜174dは、図18に示すように、遊技制御装置14の第1〜第4制御装置係合突出片57a〜57dを受け入れる第2受入口としての受入口1751と、該受入口1751に第1〜第4制御装置係合突出片57a〜57dを受け入れた状態で係合方向(図18(a)においては右方向)へのスライドをガイドするスライドガイド壁1752と、該スライドガイド壁1752に沿って第1〜第4係合突出片57a〜57dを係合方向へスライドさせた状態において遊技制御装置14が遊技盤裏面構成部材17が離間するのを防止する第2離間防止部としての離間防止部1753を備える。
更に、第1〜第4制御装置係合受入部174a〜174dのうち、少なくとも、遊技制御装置14の第1制御装置係合突出片57a,第2制御装置係合突出片57b(上部壁側に設けた係合凸部)に対応する側の第1制御装置係合受入部174a,第2制御装置係合受入部174bには、第1,第2制御装置係合突出片57a,57bをガイドするスライドガイド壁1752の内面側が係合方向に向かって徐々に膨出する位置決めガイド部1754を形成してある。
従って、遊技制御装置14を遊技盤裏面構成部材17に係合させる際には、第1〜第4制御装置係合受入部174a〜174dのスライドガイド壁1752に沿って第1〜第4制御装置係合突出片57a〜57dを係合方向へスライドさせることで、第1,第2制御装置係合受入部174a,174bの位置決めガイド部1754によって、遊技制御装置14と遊技盤裏面構成部材17との適切な位置決めが行われる。これにより、遊技盤裏面構成部材17の第1〜第4制御装置係合受入部174a〜174dの各受入口1751を広めに形成し、これらの受入口1751…に対して遊技制御装置14の第1〜第4制御装置係合突出片57a〜57dの位置合わせをすれば良いので、取付作業の効率化を期せる。加えて、遊技制御装置14を係合方向へスライドさせて係合状態となった時には、安定した取り付け状態となるように位置決めされるので(本構成例においては、遊技盤裏面構成部材17を介して遊技盤6に取り付けられた時に下方となる第3,第4制御装置係合受入部174c,174d側に寄せて位置決めするので)、取付状態の信頼性も高いものとなる。
また、本構成例においては、遊技制御装置14の基板ボックス50における係合方向の側壁部(ベース部材30の第2側部起立壁31d)にも外側に突出する凸片状の第5制御装置係合突出片57e,第6制御装置係合突出片57fを設け、遊技盤裏面構成部材17には、第5制御装置係合受入部174e,第6制御装置係合受入部174fを設けてある。これにより、図19に示すように、遊技盤裏面構成部材17の遊技盤取付面173aに遊技制御装置14を押し当てて、係合方向へ遊技制御装置14をスライドさせると、第5,第6制御装置係合突出片57e,57fが第5,第6制御装置係合受入部174e,174fの受入凹部1755に嵌まり込んで、係合状態となる。
更に、本構成例においては、上記のようにして、遊技盤裏面構成部材17の適正位置に係合された遊技制御装置14を係止するための係止部として、遊技制御装置係止片176を設けてある、遊技制御装置係止片176は遊技制御装置取付部173の第1取付部171側(図16および図17においては左側)に設け、遊技制御装置取付面173aよりも若干突出した係止凸部176aを遊技制御装置取付面173aよりも奥になるように撓ませることができる。よって、遊技制御装置14を遊技盤裏面構成部材17に取り付ける場合、遊技制御装置14の当着面(ベース部材30の背面)を遊技制御装置取付面173aに押し当てた時、ベース部材30の背面に押されて遊技制御装置係止片176の係止凸部176aは奥へ押されて退き、第1〜第4制御装置係合突出片57a〜57dを第1〜第4制御装置係合受入部174a〜174dの受入口1751へ入れ込む障害とはならない。
そして、遊技制御装置14を係合方向へスライドさせてゆき、第1〜第6制御装置係合突出片57a〜57fと第1〜第6制御装置係合受入部174a〜174fが適正な係合状態となる位置において、基板ボックス50における一側面(ベース部材30の第1側部外側起立壁31c)が係止凸部176aよりも内側に入ると、遊技制御装置係止片176が通常の状態(遊技制御装置取付面173aと面一な状態)に戻り、係止凸部176aがベース部材30の第1側部外側起立壁31cの外面に係止される。逆に、係止凸部176aがベース部材30の第1側部外側起立壁31cの外面から外れるように遊技制御装置係止片176を撓ませれば、遊技制御装置14を反係合方向へスライドさせることができ、遊技盤裏面構成部材17から遊技制御装置14を取り外せる。
以上本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態は全て例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、上記の実施形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものではなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内での全ての変更が含まれる。