(4.発明の詳細な説明)
4.1 式(I)のチアジアゾリルピペラジン化合物
上述したように、本発明は式(I)
の化合物およびその薬学的に許容される塩を含み、式中R
1、R
3、R
4、およびR
5は上で定義されている。
1つの実施形態において、R1はメチルである。
別の実施形態において、R1はハロである。
別の実施形態において、R3は非置換であるか、または−CN、−OH、−ハロ、−NO2、−CH=NR6、または−NR6OHの1以上によって置換された、−(C1−C6)アルキル、−(C2−C6)アルケニル、−(C2−C6)アルキニル、または−(CH2)nOR6である。
別の実施形態において、R3は−H、−ハロ、−NO2、−CN、または−NH2である。
別の実施形態において、R3は−Hである。
別の実施形態において、R3は−CH3である。
別の実施形態において、R5は−(C1−C6)アルキル、−(C2−C6)アルケニル、または−(C2−C6)アルキニルである。
別の実施形態において、R5は非置換であるか、または1以上のR7基によって置換された、−(C3−C8)シクロアルキル、−(C5−C8)シクロアルケニル、−フェニル、−ナフチル、−(C14)アリール、−(C3−C7)複素環、−(C1−C6)アルキルフェニル、−(C1−C6)アルキルナフチル、−(C1−C6)アルキル(C14)アリール、−(C1−C6)アルキル(C3−C7)複素環、−(C2−C6)アルケニルフェニル、−(C2−C6)アルケニルナフチル、−(C2−C6)アルケニル(C14)アリール、−(C2−C6)アルケニル(C3−C7)複素環、−(C2−C6)アルキニル(C3−C8)シクロアルキル、−(C2−C6)アルキニル(C5−C8)シクロアルケニル、−(C2−C6)アルキニルフェニル、−(C2−C6)アルキニルナフチル、−(C2−C6)アルキニル(C14)アリール、または−(C2−C6)アルキニル(C3−C7)複素環である。
別の実施形態において、R5は場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はフェニル基の4位置で置換される。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、R1はメチルであり、R5はフェニルである。別の実施形態において、R1はメチルであり、R5は−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、R1はメチルであり、R5は−(C1−C6)アルキル基によってフェニル基の4位置で置換されたフェニルである。別の実施形態において、R1はメチルであり、R5はt−ブチル基によってフェニル基の4位置で置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−ハロであり、R5はフェニルである。別の実施形態において、R1は−ハロであり、R5は−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、R1は−ハロであり、R5は−(C1−C6)アルキル基によってフェニル基の4位置で置換されたフェニルである。別の実施形態において、R1は−ハロであり、R5はt−ブチル基によってフェニル基の4位置で置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−クロロであり、R5はフェニルである。別の実施形態において、R1は−クロロであり、R5は−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、R1は−クロロであり、R5は−(C1−C6)アルキル基によってフェニル基の4位置で置換されたフェニルである。別の実施形態において、R1は−クロロであり、R5はt−ブチル基によってフェニル基の4位置で置換されたフェニルである。
4.2 式(II)のチアジアゾリルピペラジン化合物
本発明は式(II)
の化合物およびその薬学的に許容される塩を含み、式中R
1、R
3、R
4、およびR
5は上で定義されている。
1つの実施形態において、R1はメチルである。
別の実施形態において、R1はハロである。
別の実施形態において、R3は非置換であるか、または−CN、−OH、−ハロ、−NO2、−CH=NR6、または−NR6OHの1以上によって置換された、−(C1−C6)アルキル、−(C2−C6)アルケニル、−(C2−C6)アルキニル、または−(CH2)nOR6である。
別の実施形態において、R3は−H、−ハロ、−NO2、−CN、または−NH2である。
別の実施形態において、R3は−Hである。
別の実施形態において、R3は−CH3である。
別の実施形態において、R5は−(C1−C6)アルキル、−(C2−C6)アルケニル、または−(C2−C6)アルキニルである。
別の実施形態において、R5は非置換であるか、または1以上のR7基によって置換された、−(C3−C8)シクロアルキル、−(C5−C8)シクロアルケニル、−フェニル、−ナフチル、−(C14)アリール、−(C3−C7)複素環、−(C1−C6)アルキルフェニル、−(C1−C6)アルキルナフチル、−(C1−C6)アルキル(C14)アリール、−(C1−C6)アルキル(C3−C7)複素環、−(C2−C6)アルケニルフェニル、−(C2−C6)アルケニルナフチル、−(C2−C6)アルケニル(C14)アリール、−(C2−C6)アルケニル(C3−C7)複素環、−(C2−C6)アルキニル(C3−C8)シクロアルキル、−(C2−C6)アルキニル(C5−C8)シクロアルケニル、−(C2−C6)アルキニルフェニル、−(C2−C6)アルキニルナフチル、−(C2−C6)アルキニル(C14)アリール、または−(C2−C6)アルキニル(C3−C7)複素環である。
別の実施形態において、R5は場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はフェニル基の4位置で置換される。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、R1はメチルであり、R5はフェニルである。別の実施形態において、R1はメチルであり、R5は−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、R1はメチルであり、R5は−(C1−C6)アルキル基によってフェニル基の4位置で置換されたフェニルである。別の実施形態において、R1はメチルであり、R5はt−ブチル基によってフェニル基の4位置で置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−ハロであり、R5はフェニルである。別の実施形態において、R1は−ハロであり、R5は−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、R1は−ハロであり、R5は−(C1−C6)アルキル基によってフェニル基の4位置で置換されたフェニルである。別の実施形態において、R1は−ハロであり、R5はt−ブチル基によってフェニル基の4位置で置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−クロロであり、R5はフェニルである。別の実施形態において、R1は−クロロであり、R5は−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、R1は−クロロであり、R5は−(C1−C6)アルキル基によってフェニル基の4位置で置換されたフェニルである。別の実施形態において、R1は−クロロであり、R5はt−ブチル基によってフェニル基の4位置で置換されたフェニルである。
4.3 式(III)のチアジアゾリルピペラジン化合物
本発明は式(III)
の化合物およびその薬学的に許容される塩をも含み、式中R
1、R
3、R
4、R
8、X、Ar、およびpは上で定義されている。
1つの実施形態において、XはOである。
別の実施形態において、XはSである。
別の実施形態において、R1はメチルである。
別の実施形態において、R1は−ハロである。
別の実施形態において、R1は−クロロである。
別の実施形態において、R1は−ブロモである。
別の実施形態において、R1は−ヨードである。
別の実施形態において、R1は−フルオロである。
別の実施形態において、XはOであり、R1はメチルである。
別の実施形態において、XはOであり、R1は−ハロである。
別の実施形態において、XはOであり、R1は−クロロである。
別の実施形態において、XはOであり、R1は−ブロモである。
別の実施形態において、XはOであり、R1は−ヨードである。
別の実施形態において、XはOであり、R1は−フルオロである。
別の実施形態において、XはSであり、R1はメチルである。
別の実施形態において、XはSであり、R1は−ハロである。
別の実施形態において、XはSであり、R1は−クロロである。
別の実施形態において、XはSであり、R1は−ブロモである。
別の実施形態において、XはSであり、R1は−ヨードである。
別の実施形態において、XはSであり、R1は−フルオロである。
別の実施形態において、R3は非置換であるか、または−CN、−OH、−ハロ、−NO2、−CH=NR6、または−NR6OHの1以上によって置換された、−(C1−C6)アルキル、−(C2−C6)アルケニル、−(C2−C6)アルキニル、または−(CH2)nOR6である。
別の実施形態において、R3は−H、−ハロ、−NO2、−CN、または−NH2である。
別の実施形態において、R3は−Hである。
別の実施形態において、R3は−CH3である。
別の実施形態において、Arは非置換であるか、または1以上のR7基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、Arは非置換であるか、または1以上のR7基によって置換されたナフチルである。
別の実施形態において、Arは非置換であるか、または1以上のR7基によって置換された−(C14)アリールである。
別の実施形態において、Arは非置換であるか、または1以上のR7基によって置換された−(C3−C8)シクロアルキルである。
別の実施形態において、Arは非置換であるか、または1以上のR7基によって置換された−(C5−C8)シクロアルケニルである。
別の実施形態において、R1はメチルであり、Arは場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1はメチルであり、Arは4位置で−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、R1は−ハロであり、Arは場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−ハロであり、Arは4位置で−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、R1は−クロロであり、Arは場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−クロロであり、Arは4位置で−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、R1は−ブロモであり、Arは場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−ブロモであり、Arは4位置で−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、R1は−ヨードであり、Arは場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−ヨードであり、Arは4位置で−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、R1は−フルオロであり、Arは場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−フルオロであり、Arは4位置で−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、pは0である。
別の実施形態において、pは1である。
別の実施形態において、pは2である。
別の実施形態において、pは1であり、R8は−CH3である。
別の実施形態において、pは2であり、各R8は−CH3である。
4.4 式(IV)のチアジアゾリルピペラジン化合物
本発明は式(IV)
の化合物およびその薬学的に許容される塩をも含み、式中R
1、R
3、R
4、R
8、X、Ar、およびpは上で定義されている。
1つの実施形態において、XはOである。
別の実施形態において、XはSである。
別の実施形態において、R1はメチルである。
別の実施形態において、R1は−ハロである。
別の実施形態において、R1は−クロロである。
別の実施形態において、R1は−ブロモである。
別の実施形態において、R1は−ヨードである。
別の実施形態において、R1は−フルオロである。
別の実施形態において、XはOであり、R1はメチルである。
別の実施形態において、XはOであり、R1は−ハロである。
別の実施形態において、XはOであり、R1は−クロロである。
別の実施形態において、XはOであり、R1は−ブロモである。
別の実施形態において、XはOであり、R1は−ヨードである。
別の実施形態において、XはOであり、R1は−フルオロである。
別の実施形態において、XはSであり、R1はメチルである。
別の実施形態において、XはSであり、R1は−ハロである。
別の実施形態において、XはSであり、R1は−クロロである。
別の実施形態において、XはSであり、R1は−ブロモである。
別の実施形態において、XはSであり、R1は−ヨードである。
別の実施形態において、XはSであり、R1は−フルオロである。
別の実施形態において、R3は非置換であるか、または−CN、−OH、−ハロ、−NO2、−CH=NR6、または−NR6OHの1以上によって置換された、−(C1−C6)アルキル、−(C2−C6)アルケニル、−(C2−C6)アルキニル、または−(CH2)nOR6である。
別の実施形態において、R3は−H、−ハロ、−NO2、−CN、または−NH2である。
別の実施形態において、R3は−Hである。
別の実施形態において、R3は−CH3である。
別の実施形態において、Arは非置換であるか、または1以上のR7基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、Arは非置換であるか、または1以上のR7基によって置換されたナフチルである。
別の実施形態において、Arは非置換であるか、または1以上のR7基によって置換された−(C14)アリールである。
別の実施形態において、Arは非置換であるか、または1以上のR7基によって置換された−(C3−C8)シクロアルキルである。
別の実施形態において、Arは非置換であるか、または1以上のR7基によって置換された−(C5−C8)シクロアルケニルである。
別の実施形態において、R1はメチルであり、Arは場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1はメチルであり、Arは4位置で−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、R1は−ハロであり、Arは場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−ハロであり、Arは4位置で−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、R1は−クロロであり、Arは場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−クロロであり、Arは4位置で−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、R1は−ブロモであり、Arは場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−ブロモであり、Arは4位置で−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、R1は−ヨードであり、Arは場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−ヨードであり、Arは4位置で−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、R1は−フルオロであり、Arは場合により−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。
別の実施形態において、R1は−フルオロであり、Arは4位置で−(C1−C6)アルキル基によって置換されたフェニルである。別の実施形態において、−(C1−C6)アルキル基はt−ブチル基である。
別の実施形態において、pは0である。
別の実施形態において、pは1である。
別の実施形態において、pは2である。
別の実施形態において、pは1であり、R8は−CH3である。
別の実施形態において、pは2であり、各R8は−CH3である。
別の実施形態において、組成物または医薬組成物は、チアジアゾリルピペラジン化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される担体または賦形剤とを混合することによって調製される。混合は、化合物(または塩)および薬学的に許容される担体または賦形剤を混合するための既知の方法を用いて実施できる。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物またはその薬学的に許容される塩は、有効量で存在する。
本明細書で述べる方法によって得られる具体的なチアジアゾリルピペラジン化合物を、以下の表(I)および(II)に挙げる:
本明細書で使用されるように、チアジアゾリルピペラジン化合物に関連して上で使用された用語は以下の意味を持つ:
「−アルキル」は、1〜10の炭素原子を持つ、直鎖または分岐非環式炭化水素を意味する。「−(C1−C4)アルキル」は、1〜4の炭素原子を持つアルキル基を意味する。「−(C1−C6)アルキル」は、1〜6の炭素原子を持つアルキル基を意味する。「−(C2−C6)アルキル」は、2〜6の炭素原子を持つアルキル基を意味する。代表的な直鎖アルキルは、−メチル、−エチル、−n−プロピル、−n−ブチル、−n−ペンチル、−n−ヘキシル、−n−ヘプチル、−n−オクチル、−n−ノニルおよび−n−デシルを含む;これに対して分岐アルキルは、−イソプロピル、−sec−ブチル、−イソブチル、−tert−ブチル、−イソペンチル、2−メチルブチルなどを含む。
「−アルケニル」は、2〜10の炭素原子を持ち、少なくとも1の炭素−炭素二重結合を含む、直鎖または分岐非環式炭化水素を意味する。「−(C2−C6)アルケニル」は、2〜6の炭素原子を持つアルケニル基を意味する。「−(C2−C3)アルケニル」は、2〜3の炭素原子を持つアルケニル基を意味する。代表的な直鎖および分岐アルケニルは、−ビニル、−アリル、−1−ブテニル、−2−ブテニル、−イソブテニル、−1−ペンテニル、−2−ペンテニル、−3−メチル−1−ブテニル、−2−メチル−2−ブテニル、−2,3−ジメチル−2−ブテニル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシルなどを含む。
「アルキニル」は、2〜10の炭素原子を持ち、少なくとも1の炭素−炭素三重結合を含む、直鎖または分岐非環式炭化水素を意味する。「−(C2−C6)アルキニル」は、2〜6の炭素原子を持つアルキニル基を意味する。代表的な直鎖および分岐アルキニルは、−アセチレニル、−プロピニル、−1−ブチニル、−2−ブチニル、−1−ペンチニル、−2−ペンチニル、−3−メチル−1 ブチニルなどを含む。
「−シクロアルキル」は、3〜10の炭素原子を持つ飽和環式炭化水素を意味する。「−(C3−C8)シクロアルキル」は、3〜8の炭素原子を持つシクロアルキル基を意味する。代表的なシクロアルキルは、−シクロプロピル、−シクロブチル、−シクロペンチル、−シクロヘキシル、−シクロヘプチル、−シクロオクチル、−シクロノニルおよび−シクロデシルを含む。シクロアルキルは、8〜14の炭素原子を持つ二および三環系、たとえば1以上の芳香族(たとえばフェニル)または非芳香族(たとえばシクロヘキサン)炭素環に縮合されたシクロアルキル(たとえばシクロペンタンまたはシクロヘキサン)も含む。
「−シクロアルケニル」は、環系中の少なくとも1の炭素−炭素二重結合および5〜10の炭素原子を持つ、環式炭化水素を意味する。「−(C5−C8)シクロアルケニル」は、5〜8の炭素原子を持つシクロアルケニル基を意味する。代表的なシクロアルケニルは、−シクロペンテニル、−シクロペンタチエニル、−シクロヘキセニル、−シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロオクタトリエニル、シクロオクタテトラエニルなどを含む。クロアルケニルは、8〜14の炭素原子を持つ二および三環系、たとえば1以上の芳香族(たとえばフェニル)または非芳香族(たとえばシクロヘキサン)炭素環に縮合されたシクロアルケニル(たとえばシクロペンテンまたはシクロヘキサン)も含む。
「−ハロゲン」または「−ハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
「−アリール」は、芳香族炭素環部分、たとえばフェニル、ナフチル、およびアントラセニルを含む。「−(C14)アリール」は、14の炭素原子を持つアリール基を意味する。
「−ヘテロアリール」は、5〜10員で、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1のヘテロ原子を持ち、そして少なくとも1の炭素原子を含有する芳香族複素環を意味し、単および二環系を含む。代表的なヘテロアリールは、ピリジル、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シノリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルである。
「−複素環」または「−ヘテロシクロ」は、飽和、不飽和または芳香族のいずれかであり、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜4のヘテロ原子を含有し、窒素および硫黄へテロ原子が場合により酸化されており、窒素へテロ原子が場合により四級化される、3〜7員単環または7〜10員二環、複素環を意味し、上の複素環のいずれかがベンゼン環に縮合した二環を含む。複素環は、どのヘテロ原子または炭素原子によって結合されてもよい。複素環は上で定義されたヘテロアリールを含む。「−(C3−C5)複素環」は、3〜5の環原子を持ち、その1〜4がヘテロ原子である複素環を意味する。「−(C3−C7)複素環」は、3〜7の環原子を持ち、その1〜4がヘテロ原子である複素環を意味する。それゆえ上に挙げたヘテロアリールに加えて、複素環は、モルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリンジニル、テトラヒドロプリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなども含む。
「−アルキルアリール」は、上で定義したアリール部分によって置換された少なくとも1のアルキル水素原子を持つアルキルを意味する。具体的な−アルキルアリール基は、ベンジル、−(CH2)2フェニル、−(CH2)3フェニル、−CH(フェニル)2などを含む。
「−アルキル複素環」は、アルキル基の少なくとも1の水素が、上で定義した複素環基によって置換されたアルキル基を意味する。
「−アルケニルアリール」は、上で定義したアリール基によって置換された、アルケニル基の少なくとも1の水素原子を持つアルケニルを意味する。
「−アルケニル複素環」は、上で定義した複素環基によって置換された、アルケニル基の少なくとも1の水素原子を持つアルケニルを意味する。
「−アルキニルシクロアルキル」は、上で定義したシクロアルキル基によって置換された、アルキニル基の少なくとも1の水素原子を持つアルキニルを意味する。
「−アルキニルシクロアルケニル」は、上で定義したシクロアルケニル基によって置換された、アルキニル基の少なくとも1の水素原子を持つアルキニルを意味する。
「−アルキニルアリール」は、上で定義したアリール基によって置換された、アルキニル基の少なくとも1の水素原子を持つアルキニルを意味する。
「−アルキニル複素環」は、上で定義した複素環基によって置換された、アルキニル基の少なくとも1の水素原子を持つアルキニルを意味する。
チアジアゾリルピペラジン化合物は置換基たとえば、第一および第二の基を持つR5を持つことができる。第一および第二の基を持つ置換基の例は、−(C1−C6)アルキルフェニル、−(C1−C6)アルキルナフチル、−(C1−C6)アルキル(C14)アリール、−(C1−C6)アルキル(C3−C7)複素環、−(C2−C6)アルケニルフェニル、−(C2−C6)アルケニルナフチル、−(C2−C6)アルケニル(C14)アリール、−(C2−C6)アルケニル(C3−C7)複素環、−(C2−C6)アルキニル(C3−C8)シクロアルキル、−(C2−C6)アルキニル(C5−C8)シクロアルケニル、−(C2−C6)アルキニルフェニル、−(C2−C6)アルキニルナフチル、−(C2−C6)アルキニル(C14)アリール、および−(C2−C6)アルキニル(C3−C7)複素環であり、ここで第一および第二の基は上で定義したとおりである。
置換基が第一および第二の基、たとえば−(C1−C6)アルキルフェニルであり、ここで−(C1−C6)アルキルが第一の基であり、フェニルが第二の基である場合、第一の基がチアジアゾリルピペラジン化合物の主鎖との結合を形成し、第二の基が第一の基の置換基であることが理解される。
「動物」はこれに限定されるわけではないが、雌牛、サル、チンパンジー、ヒヒ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、およびモルモットを含む。1つの実施形態において、動物は哺乳類である。別の実施形態において、動物はヒトである。
「薬学的に許容される塩」という表現は本明細書で使用されるように、酸およびチアジアゾリルピペラジン化合物の1つの塩基性窒素基から形成された塩である。代表的な塩はこれに限定されるわけではないが、サルフェート、シトレート、アセテート、オキサレート、クロライド、ブロミド、ヨージド(iodide)、ニトレート、ビサルフェート、ホスフェート、アシッドホスフェート、イソニコチネート、ラクテート、サリチレート、アシッドシトレート、タートレート(tartrate)、オレエート、タンネート、パントテネート、ビタートレート、アスコルベート、スクシネート、マレエート、ゲンチシネート、フマレート、グルコネート、グルクロネート、サッカレート、ホルメート、ベンゾエート、グルタメート、メタンスルホネート、エタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート、およびパモエート(すなわち1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))塩を含む。「薬学的に許容される塩」という用語は、酸性官能基、たとえばカルボン酸官能基を持つチアジアゾリルピペラジン化合物、および薬学的に許容される無機または有機塩基から調製される塩も指す。適切な塩基はこれに限定されるわけではないが、アルカリ金属たとえばナトリウム、カリウム、およびリチウムのヒドロキシド;アルカリ土類金属たとえばカルシウムおよびマグネシウムのヒドロキシド;他の金属たとえばアルミニウムおよび亜鉛のヒドロキシド;アンモニアおよび有機アミン、たとえば非置換またはヒドロキシ置換モノ−、ジ−、またはトリアルキルアミン;ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル、N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ−、ビス−、またはトリス−(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン)、たとえばモノ−、ビス−、またはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン、またはトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N,N,−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ低級アルキル)−アミン、たとえばN,N,−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、またはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン;N−メチル−D−グルカミン;およびアミノ酸たとえばアルギニン、リジンなどを含む。
「UI」という用語は、尿失禁を意味する。
「IBD」という用語は、炎症性腸疾患を意味する。
「IBS」という用語は、過敏性腸症候群を意味する。
「ALS」という用語は、筋萎縮性側索硬化症を意味する。
「DMSO」という用語は、ジメチルスルホキシドを意味する。
「DMF」という用語は、ジメチルホルムアミドを意味する。
「DCM」という用語は、ジクロロメタンを意味する。
「TEA」という用語は、トリエチルアミンを意味する。
「DIEA」という用語は、ジイソプロピルエチルアミンを意味する。
「THF」は、テトラヒドロフランを意味する。
「処置」および「処置する」という表現は、疼痛、UI、潰瘍、IBD、IBS、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、てんかん、卒中、発作、掻痒状態、精神病、認知障害、記憶障害、限定脳機能、ハンチントン舞踏病、ALS、痴呆、網膜症、筋けいれん、片頭痛、嘔吐、ジスキネジー、またはうつ病、またはその症状の寛解または休止を含む。
「防止」および「防止する」という表現は、疼痛、UI、潰瘍、IBD、IBS、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、てんかん、卒中、発作、掻痒状態、精神病、認知障害、記憶障害、限定脳機能、ハンチントン舞踏病、ALS、痴呆、網膜症、筋けいれん、片頭痛、嘔吐、ジスキネジー、またはうつ病、またはその症状の発症の回避を含む。
「有効量」という表現は、チアジアゾリルピペラジン化合物と共に使用される場合、(a)疼痛、UI、潰瘍、IBD、IBS、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、てんかん、卒中、発作、掻痒状態、精神病、認知障害、記憶障害、限定脳機能、ハンチントン舞踏病、ALS、痴呆、網膜症、筋けいれん、片頭痛、嘔吐、ジスキネジー、またはうつ病を処置または防止する;または(b)細胞中でVR1、mGluR1、またはmGluR5機能を阻害するために:有効な量を意味する。
「有効量」という表現は、別の治療薬と共に使用される場合、治療薬の治療効果を与えるための量を意味する。
第一の基が「1以上の」第二の基「によって置換される」場合、第一の基の1以上の水素原子は、一致する数の第二の基によって置換される。第二の基の数が2以上である場合、各第二の基は同じでも、または異なってもよい。1つの実施形態において、第二の基の数は1または2である。別の実施形態において、第二の基の数は1である。
基
は、本明細書で使用されるように、末端Ar基に結合されたエチレン基を意味し、ここでエチレン基の1または2それぞれの水素は場合により、R
8基によって置換することができる。
基
は、本明細書で使用されるように、末端Ar基に結合されたn−プロピレン基を意味し、ここでプロピレン基の1または2それぞれの水素は場合により、R
8基によって置換することができる。
R3が−(CH2)nOR6であり;nが0であり;そしてR6が−Hである場合、R3は非置換であることが理解される。同様に、R7が−(CH2)nOR6または−(CH2)nSR6であり;nが0であり;そしてR6が−Hである場合、R7が非置換であることが理解される。
4.5 チアジアゾリルピペラジン化合物を作製するための方法
チアジアゾリルピペラジン化合物は、従来の有機合成を使用して、または以下のスキームに示す次の具体的な方法によって得ることができる:
式中、R
1、R
3、R
4、R
5、およびXは上で定義したとおりである。
化合物Aは、非プロトン性溶媒中で通例は加熱を用いて、化合物Bと反応させられて、化合物Cを提供する。非プロトン性溶媒はこれに限定されるわけではないがDMSO、DMF、DCM)1,2−ジクロロエタン、およびジオキサンを含む。化合物Cは、反応混合物から単離されて、たとえばカラムクロマトグラフィーまたは再結晶を用いて単離される。化合物Cは次に適切な溶媒中で適切な温度、通例は室温にて、イソシアネート(R5−N=C=O)またはイソチオシアネート(R5−N=C=S)と反応させられて、式(1)の化合物を提供し、式中、それぞれX=OまたはX=Sである。
1つの実施形態において、溶媒はジクロロメタンである。
化合物Cがヒドロキシル基またはチオール基によって置換される場合、化合物Bのヒドロキシルまたはチオール基は通例、イソシアネートまたはイソチオシアネートと反応する前に、適切な保護基によって保護される。ヒドロキシル基の適切な保護基はこれに限定されるわけではないが、メチルエーテル、メトキシメチルエーテル、メトキシチオメチルエーテル、2−メトキシエトキシメチルエーテル、ビス(2−クロロエトキシ)エチルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、テトラヒドロチオピラニルエーテル、4−メトキシテトラヒドロピラニルエーテル、メトキシテトラヒドロチオピラニルエーテル、テトラヒドロフラニルエーテル、テトラヒドロチオフラニルエーテル、1−エトキシエチルエーテル、1−メチル−1−メトキシエチルエーテル、2−(フェニルセレニルエーテル)、t−ブチルエーテル、アリルエーテル、ベンジルエーテル、o−ニトロベンジルエーテル、トリフェニルメチルエーテル、o−ナフチルジフェニルメチルエーテル、p−メトキシジフェニルメチルエーテル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリルエーテル(トリチルオン)(tritylone)、トリメチルシリルエーテル、イソプロピルジメチルシリルエーテル、t−ブチルジメチルシリルエーテル、t−ブチルジフェニルシリルエーテル、トリベンジルシリルエーテル、トリイソプロピルシリルエーテル、ホルメートエステル、アセテートエステル、トリクロロアセテートエステル、フェノキシアセテートエステル、イソブチレートエステル、ピバロエートエステル、アダマントエートエステル、ベンゾエートエステル、2,4,6−トリメチル(メシトエート)エステル、メチルカーボネート、2,2,2−トリクロロカーボネート、アリルカーボネート、p−ニトロフェニルカーボネート、ベンジルカーボネート、p−ニトロベンジルカーボネート、S−ベンジルチオカーボネート、N−フェニルカルバメート、ニトレートエステル、および2,4−ジニトロフェニルスルフェネートエステルを含む(たとえばT.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley-Interscience Publication,New York,(1981)を参照)。
チオール基の適切な保護基はこれに限定されるわけではないが、S−ベンジルチオエーテル、S−p−メトキシベンジルチオエーテル、S−p−ニトロベンジルチオエーテル、S−4−ピコリルチオエーテル、S−2−ピコリルN−オキシドチオエーテル、S−9−アントリルメチルチオエーテル、S−ジフェニルメチルチオエーテル、S−ジ(p−メトキシフェニル)メチルチオエーテル、S−トリフェニルメチルチオエーテル、S−2,4−ジニトロフェニルチオエーテル、S−t−ブチルチオエーテル、S−イソブトキシメチルヘミチオアセタール、S−2−テトラヒドロピラニルヘミチオアセタール、S−アセタミドメチルアミノチオアセタール、S−シアノメチルチオエーテル、S−2−ニトロ−1−フェニルエチルチオエーテル、S−2,2−ビス(カルボエトキシ)エチルチオエーテル、S−ベンゾイル誘導体、S−(N−エチルカルバメート)、およびS−エチルジスルフィドを含む。同上。
R1が−Clであり、Yが−Clである化合物Aは、米国ウィスコンシン州ミルウォーキーのAldrich Chemical Co.より市販されている。R1が−CH3であり、Yが−Clである化合物は、T.Brownらの米国特許第4,145,546号に開示されている方法に従って調製できる。R1がBrであり、YがBrである化合物Aは、R.Fussらのドイツ特許第19712351号に開示された手順に従って作製することができる。R1がFであり、YがFである化合物Aは、M.Geiselら.,「Fluorination Reactions on 3,4-dichloro-l,2,5-Thiadiazolylpiperazine,」Chem.Ber.115(6),pp.2135-40,1982の手順によって調製することができる。R1がIである化合物Cは、B.S.Lee,Bioorg.Med.Chem.Lett.,12:811-815(2002)の手順に従って、R1がブロミドである化合物Cから調製することができる。
イソシアネートR
5−N=C=Oは、市販されているか、または周知の方法に従ってR
5NH
2をホスゲンと反応させることによって調製できる(たとえばH.Eckert and B.Foster,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,26:894(1987);H.Eckert,Ger.Offen.DE 3 440 141;Chem Abstr.106,4294d,(1987);およびL.Contarcaら.,Synthesis,553-576(1996)を参照)。たとえばアミンR
5−NH
2は、以下のスキームに従ってトリホスゲンと反応することができる。
通例、1,2−ジクロロメタン(0.3M)中のトリホスゲンの溶液(0.3当量)を1,2−ジクロロエタン(0.3M)中のアミン(1.0当量)の攪拌溶液に室温にてゆっくりと添加する。次に反応混合物を室温にて10分間攪拌し、温度を70℃に上昇させる。70℃にて3時間攪拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、濾過して、濾液を濃縮して所望のイソシアナートを与える。
イソチオシアネートR
5−N=C=Sは市販されているか、以下のスキームに示すようにR
5NH
2をチオホスゲンと反応させることによって調整できる(たとえばTetrahedron.Lett.,41(37),7207-7209(2000);Synlett,11:1784-1786(1999);Heterocycles,32:2343-2355(1991);Org.Prep.,Proced.,Int.,23(6):729-734(1991);J.Heterocycle Chem.,28(4):1091-1097(1991);J.Fluorine Chem.,41(3):303-310(1988);およびJ.Med.Chem.,32(6):1173-1176および1392-1398(1989);およびTett.Lett.,42(32):5414-5416(2001)を参照。
あるいはイソチオシアネートR
5−N=C=Sは、以下のスキームで示すように、R
5NH
2をTHF中でTEAの存在下でカーボンジスルフィドと反応させ、過酸化水素および塩酸との水中での反応を続けることによって調製することができる(たとえばJ.Org.Chem.,62(13):4539-4540(1997)を参照)。
チアジアゾリルピペラジン化合物は以下のスキームに示すように、カルバメート化合物Dを与えるためにR5NH2を4−ニトロフェニルクロロホルメート(ウィスコンシン州ミルウォーキーのAldrich Chemical Co.より市販)と反応させることと、次に化合物Dを化合物Cと反応させることによっても調製することができる(たとえばJ.Org.Chem.,63(23):8515-8521,(1998)および欧州特許第549 039号)。
チアジアゾリルピペラジン化合物のR
5の尿素またはチオ尿素の窒素原子は、無水非プロトン性溶媒中でナトリウムヒドリドを使用してアルキル化することができ、アルキルハライド、たとえばメチルヨージドとの反応が続く。
式中、R
1、R
3、R
4、およびR
5は上で定義した通りである。
以下のスキームは、式(III)および(IV)のチアジアゾリルピペラジン化合物を作製する方法を説明している。これらの化合物は、上述のように4−ニトロフェニルクロロホルメートを用いて、化合物Cをフェニルアラニン、化合物E、またはフェンプロピルアミン、化合物Fと反応させることによって調製できる。
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
8、Ar、nおよびpは、式(III)および(IV)のチアジアゾリルピペラジン化合物について上で定義されている。
実例となる手順において、DCM中の4−ニトロフェニルクロロホルメートの0.5M溶液に0℃にて、DCM中の化合物Eまたは化合物F(約1当量)の0.5M溶液を、続いてトリエチルアミン(約1.1当量)を添加する。生じた溶液を約40℃に加熱して、約5時間後、反応混合物の全体積を減圧下で約50パーセント減少させ、化合物Cを添加する。生じた混合物を約40℃にて約1時間攪拌し、次に減圧下で濃縮して粗残留物を与え、それをフラッシュクロマトグラフィー(5%勾配を用いた100%ヘキサン〜10%ヘキサン/エチルアセテートの勾配溶出)を用いてprifiedし、式(III)または(IV)の当該化合物を与える。
あるチアジアゾリルピペラジン化合物は不斉中心を持ち、それゆえ異なるエナンチオマーおよびジアステレオマー形で存在する。本発明は、チアジアゾリルピペラジン化合物の全ての光学アイソマーおよびステレオアイソマー、およびその混合物の使用に、ならびにすべての医薬組成物およびそれらを利用または含有する処置の方法に関する。
加えてチアジアゾリルピペラジン化合物の1以上の水素、炭素または他の原子は、水素、炭素または他の原子のアイソトープによって置換することができる。本発明によって含まれるそのような化合物は、代謝薬物動態研究においておよび結合アッセイにおける研究および診断ツールとして有用である。
チアジアゾリルピペラジン化合物において、R3基はチアジアゾリルピペラジン化合物のピペラジン環のどの炭素上にあってもよい。1つの実施形態において、R3は水素以外の基であり、R3基はチアジアゾリル基に結合した窒素原子に隣接した炭素原子に結合する。別の実施形態においてR3は水素以外の基であり、R3基は、−C(=O)−NHR5;−C(=S)−NHR5;場合により1または2のR5基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)2Ar基;または場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)3Ar基に結合した窒素原子に隣接した炭素原子に結合する。
別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は水素以外であるR3基を持ち、R3基が結合した炭素原子は(R)配置を持つ。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は水素以外のR3基を持ち、R3基が結合した炭素原子は(S)配置を持つ。
別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は、水素以外であるR3基を持ち、R3基はチアジアゾリル基に結合された窒素原子に隣接した炭素原子に結合され、R3基が結合した炭素原子は(R)配置を持つ。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は、水素以外であるR3基を持ち、R3基はチアジアゾリル基に結合された窒素原子に隣接した炭素原子に結合され、R3基が結合した炭素原子は(R)配置を持ち、そしてR3は非置換であるかまたは1以上のハロ基によって置換された−(C1−C4)アルキルである。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は、水素以外であるR3基を持ち、R3基はチアジアゾリル基に結合された窒素原子に隣接した炭素原子に結合され、R3基が結合した炭素原子は(R)配置を持ち、そしてR3は−CH3である。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は、水素以外であるR3基を持ち、R3基はチアジアゾリル基に結合された窒素原子に隣接した炭素原子に結合され、R3基が結合した炭素原子は(R)配置を持ち、そしてR3は−CF3である。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は、水素以外であるR3基を持ち、R3基はチアジアゾリル基に結合された窒素原子に隣接した炭素原子に結合され、R3基が結合した炭素原子は(R)配置を持ち、そしてR3は−CH2CH3である。
別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は、水素以外であるR3基を持ち、R3基は−C(=O)−NHR5;−C(=S)−NHR5;場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)2Ar基;または場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)3Ar基に結合した窒素原子に隣接した炭素原子に結合されている;およびR3基が結合した炭素原子は(R)配置を持つ。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は、水素以外であるR3基を持ち、R3基は−C(=O)−NHR5;−C(=S)−NHR5;場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)2Ar基;または場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)3Ar基に結合した窒素原子に隣接した炭素原子に結合され;およびR3基が結合した炭素原子は(R)配置を持ち、そしてR3は非置換であるかまたは1以上のハロ基によって置換された−(C1−C4)アルキルである。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は、水素以外であるR3基を持ち、R3基は−C(=O)−NHR5;−C(=S)−NHR5;場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)2Ar基;または場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)3Ar基に結合した窒素原子に隣接した炭素原子に結合され;およびR3基が結合した炭素原子は(R)配置を持ち、そしてR3は−CH3である。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は水素以外であるR3基を持ち、R3基は−C(=O)−NHR5;−C(=S)−NHR5;場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)2Ar基;または場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)3Ar基に結合した窒素原子に隣接した炭素原子に結合され;およびR3基が結合した炭素原子は(R)配置を持ち、そしてR3は−CF3である。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は水素以外であるR3基を持ち、R3基は−C(=O)−NHR5;−C(=S)−NHR5;場合により1または2の以上のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)2Ar基;または場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)3Ar基に結合した窒素原子に隣接した炭素原子に結合され;およびR3基が結合した炭素原子は(R)配置を持ち、そしてR3は−CH2CH3である。
別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は水素以外であるR3基を持ち、R3基はチアジアゾリル基に結合された窒素原子に隣接した炭素原子に結合され、そしてR3基が結合した炭素原子は(S)配置を持つ。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は水素以外であるR3基を持ち、R3基はチアジアゾリル基に結合された窒素原子に隣接した炭素原子に結合され、そしてR3基が結合した炭素原子は(S)配置を持ち、そしてR3は非置換であるかまたは1以上のハロ基によって置換された−(C1−C4)アルキルである。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は水素以外であるR3基を持ち、R3基はチアジアゾリル基に結合された窒素原子に隣接した炭素原子に結合され、そしてR3基が結合した炭素原子は(S)配置を持ち、そしてR3は−CH3である。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は水素以外であるR3基を持ち、R3基はチアジアゾリル基に結合された窒素原子に隣接した炭素原子に結合され、そしてR3基が結合した炭素原子は(S)配置を持ち、そしてR3は−CF3である。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は水素以外であるR3基を持ち、R3基はチアジアゾリル基に結合された窒素原子に隣接した炭素原子に結合され、そしてR3基が結合した炭素原子は(S)配置を持ち、そしてR3は−CH2CH3である。
別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は水素以外であるR3基を持ち、R3基は−C(=O)−NHR5;−C(=S)−NHR5;場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)2Ar基;または場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)3Ar基に結合した窒素原子に隣接した炭素原子に結合されている;およびR3基が結合した炭素原子は(S)配置を持つ。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は、水素以外であるR3基を持ち、R3基は−C(=O)−NHR5;−C(=S)−NHR5;場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)2Ar基;または場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)3Ar基に結合した窒素原子に隣接した炭素原子に結合され;およびR3基が結合した炭素原子は(S)配置を持ち、そしてR3は非置換であるかまたは1以上のハロ基によって置換された−(C1−C4)アルキルである。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は、水素以外であるR3基を持ち、R3基は−C(=O)−NHR5;−C(=S)−NHR5;場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)2Ar基;または場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)3Ar基に結合した窒素原子に隣接した炭素原子に結合され;およびR3基が結合した炭素原子は(S)配置を持ち、そしてR3は−CH3である。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は水素以外であるR3基を持ち、R3基は−C(=O)−NHR5;−C(=S)−NHR5;場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)2Ar基;または場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)3Ar基に結合した窒素原子に隣接した炭素原子に結合され;およびR3基が結合した炭素原子は(S)配置を持ち、そしてR3は−CF3である。別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は水素以外であるR3基を持ち、R3基は−C(=O)−NHR5;−C(=S)−NHR5;場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)2Ar基;または場合により1または2のR8基によって置換された−C(=O)−NH(CH2)3Ar基に結合した窒素原子に隣接した炭素原子に結合され;およびR3基が結合した炭素原子は(S)配置を持ち、そしてR3は−CH2CH3である。
4.6 チアジアゾリルピペラジン化合物の治療的使用
本発明によりチアジアゾリルピペラジン化合物は、疼痛、UI、潰瘍、IBD、IBS、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、てんかん、卒中、発作、掻痒状態、精神病、認知障害、記憶障害、限定脳機能、ハンチントン舞踏病、ALS、痴呆、網膜症、筋けいれん、片頭痛、嘔吐、ジスキネジー、またはうつ病の処置または防止を必要とする動物に投与される。
1つの実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物の有効量は、VR1を阻害することによって処置または防止可能などの症状も処置または防止するために使用することができる。VR1を阻害することによって処置または防止可能である症状の例はこれに限定されるわけではないが、疼痛、UI、潰瘍、IBD、およびIBSを含む。
別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物の有効量は、mGluR5を阻害することによって処置または防止可能などの症状も処置または防止するために使用することができる。mGluR5を阻害することによって処置または防止可能である症状の例はこれに限定されるわけではないが、疼痛、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、掻痒状態、および精神病を含む。
別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物の有効量は、mGluRlを阻害することによって処置または防止可能などの症状の処置または防止に使用することができる。mGluRlを阻害することによって処置または防止できる症状の例は、これに限定されるわけではないが、疼痛、UI、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、てんかん、卒中、発作、掻痒状態、精神病、認識障害、記憶障害、限定脳機能、ハンチントン舞踏病、ALS、痴呆、網膜症、筋けいれん、片頭痛、嘔吐、ジスキネジー、およびうつ病を含む。
チアジアゾリルピペラジン化合物は急性または慢性疼痛を処置または防止するために使用することができる。チアジアゾリルピペラジン化合物を使用して処置または防止可能な疼痛の例は、これに限定されるわけではないが、癌性疼痛、中心性疼痛、陣痛、心筋梗塞痛、膵臓痛、疝痛、術後痛、頭痛、筋肉痛、集中治療に関連する疼痛、関節痛、および歯肉炎および歯周炎を含む歯周病に関連する疼痛を含む。
チアジアゾリルピペラジン化合物はUIを処置または防止するために使用することができる。チアジアゾリルピペラジン化合物を用いて処置または防止可能なUIの例は、これに限定されるわけではないが、急迫性尿失禁、緊張性尿失禁、溢流性尿失禁、神経性尿失禁、および完全性尿失禁を含む。
チアジアゾリルピペラジン化合物は潰瘍を処置または防止するために使用することができる。チアジアゾリルピペラジン化合物を用いて処置または防止可能な潰瘍の例は、これに限定されるわけではないが、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、辺縁潰瘍、食道潰瘍、またはストレス潰瘍を含む。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、クローン病および潰瘍性大腸炎を含むIBDを処置または防止するために使用できる。
チアジアゾリルピペラジン化合物はIBSを処置または防止するために使用することができる。チアジアゾリルピペラジン化合物を用いて処置または防止可能なIBSの例は、これに限定されるわけではないが、痙攣性結腸型IBSおよび便秘優位型IBSを含む。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、これに限定されるわけではないが摂食障害、衝撃制御障害、アルコール関連障害、ニコチン関連障害、アンフェタミン関連障害、大麻関連障害、コカイン関連障害、幻覚剤関連障害、吸入剤関連障害、およびオピオイド関連障害を含む嗜癖障害を処置または予防するために使用可能であり、そのすべてはさらに以下に示すように下位分類される。
摂食障害はこれに限定されるわけではないが、神経性過食症、非排出型;神経性過食症、排出型;食欲不振症;および別途規定されない(NOS)摂食障害(NOS)を含む。
衝撃制御障害はこれに限定されるわけではないが、間欠性爆発性障害、窃盗癖、放火癖、病的賭博、抜毛癖、および別途規定されない(NOS)衝撃制御障害を含む。
アルコール関連障害はこれに限定されるわけではないが、妄想を伴うアルコール誘発性精神障害、アルコール乱用、アルコール中毒、アルコール離脱、アルコール中毒性せん妄、アルコール離脱性せん妄、アルコール誘発性持続性痴呆、アルコール誘発性持続性健忘障害、アルコール依存症、幻覚を伴うアルコール誘発性精神障害、アルコール誘発性気分障害、アルコール誘発性不安障害、アルコール誘発性性機能障害、アルコール誘発性睡眠障害、別途規定されない(NOS)アルコール関連障害、アルコール中毒、およびアルコール離脱を含む。
ニコチン関連障害はこれに限定されるわけではないが、ニコチン依存症、ニコチン離脱、および別途規定されない(NOS)ニコチン関連障害を含む。
アンフェタミン関連障害はこれに限定されるわけではないが、アンフェタミン依存症、アンフェタミン乱用、アンフェタミン中毒、アンフェタミン離脱、アンフェタミン中毒性せん妄、妄想を伴うアンフェタミン誘発性精神障害、幻覚を伴うアンフェタミン誘発性精神障害、アンフェタミン誘発性気分障害、アンフェタミン誘発性不安障害、アンフェタミン誘発性性機能不全、アンフェタミン誘発性睡眠障害、別途規定されない(NOS)アンフェタミン関連障害、アンフェタミン中毒、およびアンフェタミン離脱を含む。
大麻関連障害はこれに限定されるわけではないが、大麻依存症、大麻乱用、大麻中毒、大麻中毒性せん妄、妄想を伴う大麻誘発性精神障害、幻覚を伴う大麻誘発性精神障害、大麻誘発性不安障害、別途規定されない(NOS)大麻関連障害、および大麻中毒を含む。
コカイン関連障害はこれに限定されるわけではないが、コカイン依存症、コカイン乱用、コカイン中毒、コカイン離脱、コカイン中毒性せん妄、妄想を伴うコカイン誘発性精神障害、幻覚を伴うコカイン誘発性精神障害、コカイン誘発性気分障害、コカイン誘発性不安障害、コカイン誘発性性機能不全、コカイン誘発性睡眠障害、別途規定されない(NOS)コカイン関連障害、コカイン中毒およびコカイン離脱を含む。
幻覚剤関連障害はこれに限定されるわけではないが、幻覚剤依存症、幻覚剤乱用、幻覚剤中毒、幻覚剤離脱、幻覚剤中毒性せん妄、妄想を伴う幻覚剤誘発性精神障害、幻覚を伴う幻覚剤誘発性精神障害、幻覚剤誘発性気分障害、幻覚剤誘発性不安障害、幻覚剤誘発性性機能不全、幻覚剤誘発性睡眠障害、別途規定されない(NOS)幻覚剤関連障害、幻覚剤中毒、および幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)を含む。
吸入剤関連障害はこれに限定されるわけではないが、吸入剤依存症、吸入剤乱用、吸入剤中毒、吸入剤中毒性せん妄、妄想を伴う吸入剤誘発性精神障害、幻覚を伴う吸入剤誘発性精神障害、吸入剤誘発性不安障害、別途規定されない(NOS)吸入剤関連障害、および吸入剤中毒を含む。
オピオイド関連障害はこれに限定されるわけではないが、オピオイド依存症、オピオイド乱用、オピオイド中毒、オピオイド中毒性せん妄、妄想を伴うオピオイド誘発性精神障害、幻覚を伴うオピオイド誘発性精神障害、オピオイド誘発性不安障害、別途規定されない(NOS)オピオイド関連障害、オピオイド中毒、およびオピオイド離脱を含む。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、パーキンソン病およびパーキンソニズムおよびこれに限定されるわけではないが動作緩慢、筋固縮、静止振戦、体位平衡の障害を含むパーキンソン病およびパーキンソニズムに関連する症状を処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、全般性不安および重篤な不安およびこれに限定されるわけではないが、不穏、緊張;頻脈;呼吸困難;慢性「神経病性」うつ病を含むうつ病;パニック障害;広場恐怖症および他の特定の恐怖症;摂食障害;および人格障害を含む、不安に関連する症状を処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、これに限定されるわけではないが部分てんかん、全般性てんかん、およびこれに限定されるわけではないが単純部分発作、ジャクソン発作、複雑部分(精神運動性)発作、けいれん発作(大発作または強直間代発作)、小発作(アブサンス)およびてんかん重積症を含むてんかんに関連する症状を含むてんかんを処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、これに限定されるわけではないが虚血性卒中および出血性卒中を含む卒中を処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、これに限定されるわけではないが乳児けいれん、発熱性発作、およびてんかん発作を含む発作を処置または予防するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、これに限定されるわけではないが乾燥皮膚によって引き起こされる掻痒、疥癬、皮膚炎、疱疹状皮膚炎、アトピー性皮膚炎、外陰肛門掻痒症、汗疹、虫刺され、シラミ寄生症、接触性皮膚炎、薬剤反応、蕁麻疹、妊娠による蕁麻疹発生、乾癬、扁平苔癬、慢性単純性苔癬、離脱性皮膚炎、毛嚢炎、水疱性類天疱瘡、またはガラス繊維皮膚炎を含む掻痒状態を処置または予防するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、これに限定されるわけではないが妄想型精神分裂病、破瓜型または解体型精神分裂病、緊張型精神分裂病、未分化型精神分裂病、陰性または欠陥サブタイプ精神分裂病、および非欠陥精神分裂病を含む精神分裂病;異常性欲サブタイプ妄想性障害、誇大サブタイプ妄想性障害、嫉妬サブタイプ妄想性障害、被害サブタイプ妄想性障害、および身体性サブタイプ妄想性障害を含む妄想性傷害;および短期精神病を含む精神病を処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、これに限定されるわけではないがせん妄および痴呆たとえば多発脳梗塞性痴呆、拳闘家痴呆、AIDSによって引き起こされる痴呆、およびアルツハイマー病によって引き起こされる痴呆を含む認知障害を処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、これに限定されるわけではないが解離性健忘および解離性遁走を含む記憶障害を処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、これに限定されるわけではないが手術または臓器移植によって引き起こされる限定脳機能、脳への限定血液供給、脊髄損傷、頭部損傷、低酸素症、心停止、または低血糖症を含む限定脳機能を処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物はハンチントン舞踏病を処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物はALSを処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、これに限定されるわけではないが動脈硬化性網膜症、糖尿病性動脈硬化性網膜症、高血圧性網膜症、非増殖性網膜症、および増殖性網膜症を含む網膜症を処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は筋けいれんを処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は片頭痛を処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、これに限定されるわけではないが悪心嘔吐、空嘔吐(吐気)、および逆流を含む嘔吐を処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、これに限定されるわけではないが遅発性ジスキネジーおよび胆管ジスキネジーを含むジスキネジーを処置または防止するために使用することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、これに限定されるわけではないが大うつ病および双極性障害を含むうつ病を処置または防止するために使用することができる。
出願人は、チアジアゾリルピペラジン化合物がVR1のアンタゴニストであると考えている。
本発明は、VR1を発現できる細胞をチアジアゾリルピペラジン化合物の有効量に接触させることを含む、細胞中でVR1機能を阻害するための方法にも関する。本方法はin vitroでたとえば、VR1を発現する細胞を選択するためのアッセイとして使用可能であり、したがって疼痛、UI、潰瘍、IBD、またはIBSを処置または防止するのに有用な化合物を選択するアッセイの一部として有用である。本方法は1つの実施形態において、動物中の細胞をチアジアゾリルピペラジン化合物の有効量と接触させることによって、in vivo、動物、ヒトにおいて細胞中のVR1機能を阻害するためにも有用である。1つの実施形態において、本方法は動物の疼痛を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法は動物のUIを処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法は動物の潰瘍を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法は動物のIBDを処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法は動物のIBSを処置または防止するために有用である。
VR1を発現できる細胞を含む組織の例は、これに限定されるわけではないが神経、脳、腎臓、尿路上皮、および膀胱組織を含む。VR1を発現する細胞をアッセイする方法は当分野で周知である。
出願人は、チアジアゾリルピペラジン化合物がmGluR5のアンタゴニストであると考えている。
本発明は、mGluR5を発現できる細胞を、細胞中のmGluR5機能を阻害するのに有効なチアジアゾリルピペラジン化合物の量と接触させることを含む、細胞中のmGluR5機能を阻害する方法にも関する。本方法はin vitroでたとえば、mGluR5を発現する細胞を選択するためのアッセイとして使用可能であり、したがって疼痛、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、掻痒症状、または精神病を処置または防止するのに有用な化合物を選択するアッセイの一部として有用である。本方法は1つの実施形態において、動物の細胞に細胞中のmGluR5機能を阻害するのに有効なチアジアゾリルピペラジン化合物の量と接触させることによって、in vivo、動物、ヒトにおいて細胞中のmGluR5機能を阻害するためにも有用である。1つの実施形態において、本方法はその必要がある動物の疼痛を処置または防止するために有用である。1つの実施形態において、本方法はその必要がある動物の嗜癖障害を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物のパーキンソン病を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物のパーキンソニズムを処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の不安を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の掻痒症状を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の精神病を処置または防止するために有用である。
mGluR5を発現できる細胞の例は、中枢神経系、特に脳、特に側坐核の神経細胞およびグリア細胞である。mGluR5を発現する細胞をアッセイする方法は、当分野で周知である。
出願人は、チアジアゾリルピペラジン化合物がmGluR1のアンタゴニストであると考えている。
本発明は、mGluR1を発現できる細胞を、細胞中のmGluR1機能を阻害するのに有効なチアジアゾリルピペラジン化合物の量と接触させることを含む、細胞中のmGluR1機能を阻害する方法にも関する。本方法はin vitroでたとえば、mGluR1を発現する細胞を選択するアッセイとして使用可能であり、したがって疼痛、UI、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、てんかん、卒中、発作、掻痒症状、精神病、認知障害、記憶障害、限定脳機能、ハンチントン舞踏病、ALS、痴呆、網膜症、筋けいれん、片頭痛、嘔吐、ジスキネジー、またはうつ病を処置または防止するために有用な化合物を選択するアッセイの一部として有用である。本方法は1つの実施形態において、動物の細胞に細胞中のmGluR1機能を阻害するのに有効なチアジアゾリルピペラジン化合物の量と接触させることによって、in vivo、動物、ヒトにおいて細胞中のmGluR1機能を阻害するためにも有用である。1つの実施形態において、本方法はその必要がある動物の疼痛を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物のUIを処置または防止するために有用である。1つの実施形態において、本方法はその必要がある動物の嗜癖障害を処置または予防するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物のパーキンソン病を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物のパーキンソニズムを処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の不安を処置または予防するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物のてんかんを処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の卒中を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の発作を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の掻痒症状を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の精神病を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の認知障害を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の記憶障害を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の限定脳機能を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物のハンチントン舞踏病を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物のALSを処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の痴呆を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の網膜症を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の筋けいれんを処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の片頭痛を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物の嘔吐を処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物のジスキネジーを処置または防止するために有用である。別の実施形態において、本方法はその必要がある動物のうつ病を処置または防止するために有用である。
mGluR1を発現できる細胞の例は、これに限定されるわけではないが小脳プルキニェ神経細胞、プルキニェ細胞体(点状)、小脳の有棘細胞(cells of spine(s));嗅球糸球体のニューロンおよびneurophil cells;大脳皮質の表層;海馬細胞;視床細胞;上丘細胞;および三叉神経脊髄路核細胞を含む。mGluR1を発現する細胞をアッセイする方法は、当分野で周知である。
4.6.1 治療/予防
本発明の投与および組成物
チアジアゾリルピペラジン化合物はその活性により、動物およびヒトの薬剤で好都合に有用である。上述したようにチアジアゾリルピペラジン化合物は、その必要がある動物において疼痛、UI、潰瘍、IBD、IBS、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、てんかん、卒中、発作、掻痒状態、精神病、認知障害、記憶障害、限定脳機能、ハンチントン舞踏病、ALS、痴呆、網膜症、筋けいれん、片頭痛、嘔吐、ジスキネジー、またはうつ病を処置または防止するために有用である。
動物に投与する場合、チアジアゾリルピペラジン化合物は薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物の成分として投与される。チアジアゾリルピペラジン化合物を含む本組成物は、経口投与できる。本発明のチアジアゾリルピペラジン化合物は、他のどの好都合な経路によっても、たとえば輸液またはボーラス注入法によって、上皮および皮膚粘膜内張り(たとえば経口、直腸、および腸粘膜など)を通じた吸収によって投与することが可能であり、別の生物活性剤とともに投与することができる。投与は全身的でも局所的でもよい。各種の送達系たとえばリポソーム、微粒子、マイクロカプセル、カプセルなどへのカプセル化が既知であり、チアジアゾリルピペラジン化合物の投与に使用することができる。
投与方法はこれに限定されるわけではないが、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、大脳内、膣内、経皮、直腸、吸引、または局所、特に耳、鼻、目、または皮膚を含む。投与方式は、医師の裁量に委ねられる。大半の例では、投与はチアジアゾリルピペラジン化合物の血流中への放出を引き起こす。
具体的な実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物を局所投与することが望ましい。これはたとえば、制限目的ではなく、手術中の局所輸液、たとえば手術後の創傷包帯と併せた局所使用によって、注射によって、カテーテルによって、座薬または浣腸によって、またはインプラントであって、膜たとえばsialastic膜、または繊維を含む多孔性、非孔性、またはゼラチン材料であるインプラントによって、実施することができる。
ある実施形態において、脳室内、くも膜下腔内、および硬膜外注射、ならびに浣腸を含む任意の適した経路によって、チアジアゾリルピペラジン化合物を中枢神経系または胃腸管に導入することが望ましい。脳室内注射は、たとえばリザーバー、たとえばOmmayaリザーバーに取付けた脳室内カテーテルによって促進することができる。
肺投与も、たとえば吸入器または噴霧器、エアゾール剤による処方を用いて、あるいはフルオロカーボンまたは合成肺表面活性剤中での潅流によって利用できる。ある実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は従来のバインダおよび賦形剤たとえばトリグリセリドを用いて、座薬として処方することができる。
別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は小胞で、特にリポソームで送達することができる(Langer,Science 249:1527-1533(1990)およびTreatら.,Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer 317-327 and 353-365(1989)を参照)。
なお別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は制御放出系または持続放出系で送達することができる(たとえばGoodson, in Medical Applications of Controlled Release,supra,vol.2,pp.115-138(1984)を参照)。Langer,Science 249:1527-1533(1990)による総説で述べられている他の制御または持続放出系を使用することができる。1つの実施形態において、ポンプを使用できる(Langer,Science 249:1527-1533(1990);Sefton, CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwaldら.,Surgery 88:507(1980);およびSaudekら.,N.Engl.J.Med.321:574(1989))。別の実施形態において、ポリマー材料を使用できる(Medical Applications of Controlled Release(Langer and Wise eds.,1974);Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance(Smolen and Ball eds.,1984);Ranger and Peppas,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61(1983);Levyら.,Science 228:190(1985);Duringら.,Ann.Neurol.25:351(1989);およびHowardら.,J.Neurosurg.71:105(1989)を参照)。また別の実施形態において、制御または持続放出系は、チアジアゾリルピペラジン化合物の標的、たとえば脊柱、脳、または胃腸管の近くに配置することができ、それゆえ全身用量の一部のみが必要である。
本組成物は場合により、動物への適正な投与のための形を供給するために、薬学的に許容される賦形剤の適切量を含むことができる。
そのような薬学的賦形剤は液体、たとえば石油、動物、植物または合成起源のものを含む水および油、たとえばラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などでもよい。薬学的賦形剤は、生理的食塩水、アラビアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素などでもよい。加えて、補助剤、安定剤、増粘剤、潤滑剤、および着色剤を使用することができる。1つの実施形態において、薬学的に許容される賦形剤は、動物に投与される場合に滅菌されている。チアジアゾリルピペラジン化合物が静脈内投与される場合、水は特に有用な賦形剤である。生理的食塩水および水性デキストロースおよびグリセロール溶液も、特に注射用溶液の液体賦形剤として利用できる。適切な薬学的賦形剤は、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ナトリウムステアレート、グリセロールモノステアレート、タルク、ナトリウムクロライド、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなども含む。本組成物は望ましい場合、少量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝剤も含有することができる。
本組成物は、溶液、懸濁物、エマルジョン、錠剤、丸薬、ペレット、カプセル、液体を含有するカプセル、粉末、持続放出調合物、座薬、エマルジョン、エアゾール、スプレー、懸濁物、または使用に適切な他の形を取ることができる。1つの実施形態において、組成物はカプセルの形である(たとえば米国特許第5,698,155号を参照)。適切な薬学的賦形剤の他の例は、参照して本明細書に組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences 1447-1676(Alfonso R. Gennaro ed.,19th ed.1995)に述べられている。
1つの実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は、ヒトへの経口投与に適した組成物として日常手順に従って処方される。経口送達用の組成物はたとえば、錠剤、菱形錠、水性または油性懸濁物、顆粒、粉末、エマルジョン、カプセル、シロップ、またはエリキシルの形でありうる。経口投与組成物は、薬学的に嗜好性のよい調製物を提供するために、1以上の薬剤たとえば、甘味料たとえばフルクトース、アスパルテームまたはサッカリン;着香料たとえばハッカ油、ウィンターグリーン油、またはチェリー;着色剤;および保存剤を含有することができる。その上、錠剤または丸薬形の場合、胃腸管での崩壊および吸収を遅延させ、それによって長期間にわたって持続作用を提供するために、組成物をコーティングすることができる。浸透圧活性駆動化合物を包囲する選択的透過膜も、経口投与組成物に適している。これらの後者のプラットフォームでは、カプセルを包囲する環境からの流体は、駆動化合物によって吸収され、駆動化合物は膨潤して、開口を通じて薬剤または薬剤組成物を排出する。これらの送達プラットフォームは、即時放出調合物の急降下する特性とは対照的に、本質的にゼロ次送達特性を提供することができる。時間遅延物質たとえばグリセロールモノステアレートまたはグリセロールステアレートも使用できる。経口組成物は標準賦形剤たとえばマンニトール、ラクトース、デンプン、マグネシウムステアレート、サッカリンナトリウム、セルロース、およびマグネシウムカーボネートを含むことができる。1つの実施形態において、賦形剤は薬学級である。
別の実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は静脈内投与用に処方することができる。通例、静脈内投与の組成物は、滅菌等張性水性緩衝液を含む。適切な場合、組成物は可溶化剤も含むことができる。静脈内投与用の組成物は場合により、注射部位の疼痛を少なくするために、局所麻酔薬たとえばリドカインを含むことができる。一般に、成分は単位剤形中に個別にあるいは共に混合されて、たとえば活性成分の量を表示した密封容器たとえばアンプルまたはサシェ(sachette)中の凍結乾燥粉末または無水濃縮物として供給される。チアジアゾリルピペラジン化合物が輸液によって投与される場合、それらはたとえば滅菌薬学級水または生理的食塩水を含有する輸液ビンを用いて投薬することができる。チアジアゾリルピペラジン化合物が注射によって投与される場合、投与の前に成分を混合できるように、注射用滅菌水または生理的食塩水のアンプルを供給することができる。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、制御放出または持続放出手段によってまたは当業者に周知の送達器具によって投与することができる。例はこれに限定されるわけではないが、それぞれが参照して本明細書に組み込まれる、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;および第5,733,566号に述べられているものを含む。そのような剤形は、各種の割合で所望の放出特性を提供するために、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリクス、ゲル、透過膜、浸透系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、マイクロスフィア、またはその併用を用いた1以上の活性成分の制御または持続放出を提供するために使用できる。本明細書で述べたものを含め、当業者に既知の適切な制御または持続放出調合物は、本発明の活性成分との使用のために、ただちに選択することができる。本発明はそれゆえ、経口投与に適した単一の単位剤形、たとえばこれに限定されるわけではないが、制御または持続放出に適した錠剤、カプセル、ゲルカプ(gelcaps)、およびカプレットを含む。
制御または持続放出医薬組成物は、その非制御または非持続対照物によって達成される療法に勝る改良薬剤療法の共通目標を持つことができる。1つの実施形態において、制御または持続放出組成物は、最少量の時間内に症状を治癒または抑制するためのチアジアゾリルピペラジン化合物の最少量を含む。制御または持続放出組成物の利点は、薬剤の拡張活性、投薬頻度の低下、および患者の服薬遵守の向上を含む。加えて、制御または持続放出組成物は好ましくは、作用または他の特性たとえばチアジアゾリルピペラジン化合物の血中レベルの開始時間に影響を及ぼすことが可能であり、それゆえ有害な副作用の発生を低減することができる。
制御または持続放出組成物は、所望の治療または予防効果を即座に生じるチアジアゾリルピペラジン化合物の量を最初に放出し、長期間にわたって治療または予防効果のこのレベルを維持するために、チアジアゾリルピペラジン化合物の他の量を徐々にそして連続的に放出することができる。体内でチアジアゾリルピペラジン化合物の一定レベルを維持するために、チアジアゾリルピペラジン化合物は、代謝および体から排出されるチアジアゾリルピペラジン化合物の量を置換する速度にて剤形から放出されることが可能である。活性成分の制御または持続放出は、これに限定されるわけではないが、pH変化、温度変化、酵素の濃度または可用性、水の濃度または可用性、あるいは他の生理的条件または化合物を含む各種の条件によって刺激することができる。
疼痛、UI、潰瘍、IBD、IBS、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、てんかん、卒中、発作、掻痒状態、精神病、認知障害、記憶障害、限定脳機能、ハンチントン舞踏病、ALS、痴呆、網膜症、筋けいれん、片頭痛、嘔吐、ジスキネジー、またはうつ病の処置または防止に有効であるチアジアゾリルピペラジン化合物の量は、標準技法によって決定することができる。加えてin vitroまたはin vivoアッセイは場合により、最適用量範囲を突き止めるために利用することができる。利用される正確な用量は、投与経路、および処置される症状の重症度によっても変わり、たとえば公表されている臨床研究を考慮して医師の判断および各患者の状況に従って決定すべきである。しかしながら適切な有効投薬量は、それらは通例約100mg以下であるが、4時間ごとに約10マイクログラム〜約2500ミリグラムの範囲である。1つの実施形態において、有効投薬量は約4時間ごとにチアジアゾリルピペラジン化合物約0.01ミリグラム〜約100ミリグラム、別の実施例では約4時間ごとに約0.020ミリグラム〜約50ミリグラムであり、そして別の実施形態において約4時間ごとに約0.025ミリグラム〜約20ミリグラムの範囲である。本明細書で述べる有効投薬量は、投与される総量を指す;すなわち1を超えるチアジアゾリルピペラジン化合物が投与される場合、有効投薬量は投与される総量に相当する。
VR1、mGluR5またはmGluR1を発現できる細胞をin vitroでチアジアゾリルピペラジン化合物と接触させた場合、細胞中の受容体機能を阻害するのに有効な量は通例、薬学的に許容される担体または賦形剤の溶液または懸濁物の、約0.01μg/L〜約5mg/L、1つの実施形態において約0.01μg/L〜約2.5mg/L、別の実施形態において約0.01μg/L〜約0.5mg/L、および別の実施形態において約0.01μg/L〜約0.25mg/Lの範囲となるであろう。1つの実施形態において、溶液または懸濁物の体積は約1μL〜約1mLである。別の実施形態において、溶液または懸濁物の体積は約200μLである。
VR1、mGluR5またはmGluR1を発現できる細胞をin vivoでチアジアゾリルピペラジン化合物と接触させた場合、細胞中の受容体機能を阻害するのに有効な量は通例、1日あたり約0.01mg〜約100mg/kg体重、1つの実施形態において1日あたり約0.1mg〜約50mg/kg体重、および別の実施形態において1日あたり約1mg〜約20mg/kg体重の範囲となるであろう。
チアジアゾリルピペラジン化合物は、ヒトでの使用前に所望の治療または予防活性についてin vitroまたはin vivoでアッセイすることができる。動物モデル系は、安全性および有効性を証明するために使用できる。
疼痛、UI、潰瘍、IBD、IBS、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、てんかん、卒中、発作、掻痒状態、精神病、認知障害、記憶障害、限定脳機能、ハンチントン舞踏病、ALS、痴呆、網膜症、筋けいれん、片頭痛、嘔吐、ジスキネジー、またはうつ病を、その必要がある動物において処置または防止するための本方法は、チアジアゾリルピペラジン化合物を投与される動物に別の治療剤を投与することをさらに含むことができる。1つの実施形態において、他の治療剤は有効量で投与される。
VR1を発現できる細胞中でVR1機能を阻害するための本方法は、細胞を別の治療剤の有効量と接触させることをさらに含むことができる。
mGluR5を発現できる細胞中でmGluR5機能を阻害するための本方法は、細胞を別の治療剤の有効量と接触させることをさらに含むことができる。
mGluR1を発現できる細胞中でmGluR1機能を阻害するための本方法は、細胞を別の治療剤の有効量と接触させることをさらに含むことができる。
他の治療剤はこれに限定されるわけではないが、オピオイドアゴニスト、非オピオイド鎮痛剤、非ステロイド性抗炎症剤、片頭痛薬、Cox−II阻害剤、制吐剤、β−アドレナリンブロッカー、抗けいれん薬、抗うつ剤、Ca2+チャネルブロッカー、抗癌剤、UIを処置または防止するための薬剤、潰瘍を処置または防止するための薬剤、IBDを処置または防止するための薬剤、IBSを処置または防止するための薬剤、嗜癖障害を処置するための薬剤、パーキンソン病およびパーキンソニズムを処置するための薬剤、不安を処置するための薬剤、てんかんを処置するための薬剤、卒中を処置するための薬剤、発作を処置するための薬剤、掻痒症状を処置するための薬剤、精神病を処置するための薬剤、ハンチントン舞踏病を処置するための薬剤、ALSを処置するための薬剤、認知障害を処置するための薬剤、片頭痛を処置するための薬剤、嘔吐を処置するための薬剤、ジスキネジーを処置するための薬剤、またはうつ病を処置するための薬剤、およびその混合物を含む。
他の治療剤の有効量は当業者に周知である。しかしながら他の治療剤の最適有効量範囲を決定することは、当業者の十分範囲内である。別の治療剤が動物に投与される本発明の1つの実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物の有効量は、他の治療剤が投与されない場合のその有効量よりも少ない。この場合、理論に縛られることなく、チアジアゾリルピペラジン化合物および他の治療剤は、疼痛、UI、潰瘍、IBD、IBS、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、てんかん、卒中、発作、掻痒状態、精神病、認知障害、記憶障害、限定脳機能、ハンチントン舞踏病、ALS、痴呆、網膜症、筋けいれん、片頭痛、嘔吐、ジスキネジー、またはうつ病を処置または防止するために相乗効果的に作用すると考えられる。
有用なオピオイドアゴニストの例は、これに限定されるわけではないがアルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼンフェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、サフェンタニル、チリジン、トラマドール、その薬学的に許容される塩、およびその混合物を含む。
ある実施形態において、オピオイドアゴニストはコデイン、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、オキシコドン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、モルヒネ、トラマドール、オキシモルホン、その薬学的に許容される塩、およびその混合物から選択される。
有用な非オピオイド鎮痛剤の例は、非ステロイド性抗炎症剤、たとえばアスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシ酸(bucloxic acid)、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキスピナク(oxpinac)、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、トルフェナム酸、ジフルリサール(diflurisal)、フルフェニサール(flufenisal)、ピロキシカム、スドキシカム(sudoxicam)、イソキシカム(isoxicam)、およびその薬学的に許容される塩、およびその混合物を含む。他の適切な非オピオイド鎮痛剤は以下の、非制限的な化学級の鎮痛剤、解熱剤、非ステロイド性抗炎症薬:アスピリン、ナトリウムサリチレート、コリンマグネシウムトリサリチレート、サルサレート、ジフルニサール、サリチルサリチル酸、スルファサラジン、およびオルサラジンを含むサリチル酸誘導体;アセトアミノフェンおよびフェナセチンを含むパラアミノフェノール誘導体;インドメタシン、スリンダク、およびエトドラクを含むインドールおよびインデン酢酸;トルメチン、ジクロフェナク、およびケトロラクを含むヘテロアリール酢酸;メフェナム酸およびメクロフェナム酸を含む(フェナメート)アントラニル酸;オキシカム(ピロキシカム、テノキシカム)、およびピラゾリジンジオン(フェニルブタゾン、オキシフェンタルタゾン)を含むエノール酸;ならびにナブメトンを含むアルカノンを含む。NSAIDのさらに詳細な説明は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられている、Paul A.Insel,Analgesic-Antipyretic and Anti-inflammatory Agents and Drugs Employed in the Treatment of Gout,in Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics 617-57(Perry B.Molinhoff and Raymond W.Ruddon eds.,9th ed 1996)and Glen R.Hanson,Analgesic,Antipyretic and Anti-Inflammatory Drugs in Remington:The Science and Practice of Pharmacy Vol II 1196-1221(A.R.Gennaro ed.19th ed.1995)を参照。
有用なCox−II阻害剤および5−リポキシゲナーゼ阻害剤の例は、その併用とともに、参照によりその全体が本明細書に組み入れられている米国特許第6,136,839号に述べられている。有用なCox−II阻害剤の例は、これに限定されるわけではないがロフェコキシブおよびセレコシキブを含む。
有用な片頭痛薬は、これに限定されるわけではないがアルピロプリド、ジヒドロエルゴタミン、ドラセトロン、エルゴコルニン、エルゴコルニニン、エルゴクリプチン、エルゴット、エルゴタミン、フルメドロキソンアセテート、フォナジン、リスリド、ロメリジン、メチセルギドオキセトロン、ピゾチリン(pizotyline)、およびその混合物を含む。
他の治療剤も、チアジアゾリルピペラジン化合物の潜在的な副作用を低減するために有用な薬剤でありうる。たとえば他の治療剤は、制吐剤でありうる。有用な制吐剤の例は、これに限定されるわけではないが、メトクロプロミド、ドンペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンザミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン(bietanautine)、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリネート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタール、メトピマジン、ナビロン、オキシペルンジル(oxyperndyl)、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカンナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン、およびその混合物を含む。
有用なβ−アドレナリンブロッカーの例は、これに限定されるわけではないがアセブトロール、アルプレノロール、アモスラボル(amosulabol)、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、ブチドリンヒドロクロライド、ブトフィロロール(butofilolol)、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、セタモロール、クロラノロール(cloranolol)、ジレバロール、エパノロール、エスモロール、インデノロール、ラベタロール、レボブノロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、モプロロール、ナドロール、ナドキソロール、ネビバロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プラクトロール、プロネタロール(pronethalol)、プロプラノロール、ソタロール、スルフィナロール、タリノロール、テルタトロール、チリソロール、チモロール、トリプロロール、およびキシベノロール(xibenolol)を含む。
抗けいれん薬の例は、これに限定されるわけではないがアセチルフェネツリド、アルブトイン、アロキシドン、アミノグルテチミド、4−アミノ−3−ヒドロキシ酪酸、アトロラクトアミド(atrolactamide)、ベクルアミド(beclamide)、ブルアメート(buramate)、カルシウムブロミド、カルバマゼピン、シンロミド(cinromide)、クロメチアゾール、クロナゼパム、デシメミド(decimemide)、ジエタジオン(diethadione)、ジメタジオン、ドキセニトロイン(doxenitroin)、エテロバルブ(eterobarb)、エタジオン(ethadione)、エトスクシミド、エトトイン、フェルバメート、フルオレソン、ガバペンチン、5−ヒドロキシトリプトファン、ラモトリジン、マグネシウムブロミド、マグネシウムサルフェート、メフェニトイン、メフォバルビタール、メタルビタール、メテトイン、メトスクシミド、5−メチル−5−(3−フェナントリル)−ヒダントイン、3−メチル−5−フェニルヒダントイン、ナルコバルビタール、ニメタゼパム、ニトラゼパム、オキシカルバゼピン、パラメタジオン、フェナセミド、フェネタルビタール(phenetharbital)、フェネツリド(pheneturide)、フェノバルビタール、フェンスクシミド、フェニルメチルバルビツール酸、フェニトイン、フェテニレートナトリウム、カリウムブロミド、プロガバリン、プリミドン、プロガビド、ナトリウムブロミド、ソラナム、ストロンチウムブロミド、スクロフェニド、スルチアム、テトラントイン(tetrantoin)、チアガビン、トピルアメート(topiramate)、トリメタジオン、バルプロ酸、バルプロミド、ビガバトリン(vigabatrin)、およびゾニスアミドを含む。
有用な抗うつ薬の例は、これに限定されるわけではないが、ビネダリン、カロキサゾン(caroxazone)、シタロプラム、ジメタザン(dimethazan)、フェンカミン、インダルピン、インデロキサジンヒドロクロライド、ネフォパム、ノミフェンシン、オキシトリプタン、オキシペルチン、パロキセチン、セルトラリン、チアゼシム、トラゾドン、ベンモキシン(benmoxine)、イプロクロジド(iproclozide)、イプロニアジド、イソカルボキサジド、ニアラミド、オクタモキシン(octamoxin)、フェネルジン、コチニン、ロリシプリン(rolicyprine)、ロリプラム、マプロチリン、メトラリンドール(metralindole)、ミアンセリン、ミルタゼピン、アジナゾラム、アミトリプチリン、アミトリプチリンオキシド、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デメキシプチリン(demexiptiline)、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ドチエピン、ドキセピン、フルアシジン(fluacizine)、イミプラミン、イミプラミンN−オキシド、イプリンドール(iprindole)、ロフェプラミン、メリトラセン、メタプラミン、ノルトリプチリン、ノキシプチリン(noxiptilin)、オピプラモール、ピゾチリン、プロピゼピン(propizepine)、プロトリプチリン、キヌプラミン(quinupramine)、チアネプチン、トリミプラミン、アドラフィニル、ベナクチジン、ブプロピオン、ブトアセチン(butacetin)、ジオキサドロール(dioxadrol)、デュロキセチン、エトペリドン、フェバルマート、フェモキセチン(femoxetine)、フェンペンタジオール、フルオキセチン、フルボキサミン、ヘマトポルフィリン、ヒペリシン、レボファセトペラン、メジホキサミン(medifoxamine)、ミルナシプラン、ミナプリン、モクロベミド、ネファゾドン、オキサフロザン(oxaflozane)、ピベラリン(piberaline)、プロリンテン、ピリスクシデアノール(pyrisuccideanol)、リタンセリン、ロキシンドール(roxindole)、ルビジウムクロライド、スルピリド、タンドスピロン、トザリノン(thozalinone)、トフェナシン、トロキサトン、トラニルシプロミン、L−トリプトファン、ベンラファクシン(venlafaxine)、ビロキサジン(viloxazine)、およびジメリジンを含む。
有用なCa2+チャネルブロッカーの例は、これに限定されるわけではないが、ベプリジル、クレンチアゼム、ジルチアゼム、フェンジリン(fendiline)、ガロパミル、ミベフラジル、プレニルアミン、セモチアジル、テロジリン、ベラパミル、アムロジピン、アラニジピン、バルニジピン、ベニジピン、シルニジピン、エホニジピン、エルゴジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、シンナリジン、フルナリジン、リドフラジン、ロメリジン、ベンシクレン、エタフェノン、ファントファロン(fantofarone)、およびペルヘキシリンを含む。
有用な抗癌剤の例は、これに限定されるわけではないが、アシビシン(acivicin)、アクラルビシン、アコダゾール(acodazole)ヒドロクロライド、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アルトレタミン、アンボマイシン(ambomycin)、アメタントロン(ametantrone)アセテート、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン(anthramycin)、アスパラギナーゼ、アスペルリン(asperlin)、アザシチジン、アゼテパ(azetepa)、アゾトマイシン(azotomycin)、バチマスタト(batimastat)、ベンゾデパ(benzodepa)、ビカルタミド、ビサントレンヒドロクロライド、ビスナフィド(bisnafide)ジメシレート、ビゼレシン、ブレオマイシンサルフェート、ブレキナル(brequinar)ナトリウム、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド(caracemide)、カルベチマ(carbetimer)、カルボプラチン、カルムスチン、カルビシン(carubicin)ヒドロクロライド、カルゼレシン(carzelesin)、セデフィンゴール(cedefingol)、クロラムブシル、シロレマイシン(cirolemycin)、シスプラチン、クラドリビン、クリスナトール(crisnatol)メシレート、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシンヒドロクロライド、デシタビン(decitabine)、デキソルマプラチン(dexormaplatin)、デザグアニン(dezaguanine)、デザグアニン(dezaguanine)メシレート、ジアジクォン(diaziquone)、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドキソルビシンヒドロクロライド、ドロロキシフェン、ドロロキシフェンシトレート、ドロモスタノロンプロピオネート、ズアゾマイシン(duazomycin)、エダトレキセート、エフロルニチンヒドロクロライド、エルサミトルシン(elsamitrucin)、エンロプラチン、エンプロメート(enpromate)、エピプロピジン(epipropidine)、エピルビシン(epirubicin)ヒドロクロライド、エルブロゾール(erbulozole)、エソルビシン(esorubicin)ヒドロクロライド、エストラムスチン、エストラムスチンホスフェートナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、エトポシドホスフェート、エトプリン、ファドロゾールヒドロクロライド、ファザラビン、フェンレチニド(fenretinide)、フロクスウリジン、フルダラビンホスフェート、フルオロウラシル、フルロシタビン(flurocitabine)、ホスキドン(fosquidone)、ホストリエシン(fostriecin)ナトリウム、ゲムシタビン、ゲムシタビンヒドロクロライド、ヒドロキシウレア、イダルビシン(idarubicin)ヒドロクロライド、イホスファミド、イルモホシン(ilmofosine)、インターロイキンII(組換えインターロイキンIIまたはrIL2を含む)、インターフェロン アルファ−2a、インターフェロン アルファ−2b、インターフェロン アルファ−nl、インターフェロン アルファ−n3、インターフェロン ベータ−Ia、インターフェロン ガンマ−Ib、イプロプラチン、イリノテカンヒドロクロライド、ランレオチドアセテート、レトロゾール、ロイプロリドアセテート、リアロゾールヒドロクロライド、ロメトレキソール(lometrexol)ナトリウム、ロムスチン、ロソキサントロン(losoxantrone)ヒドロクロライド、マソプロコール(masoprocol)、メイタンシン、メクロルエタミンヒドロクロライド、メゲストロールアセテート、メレンゲストロールアセテート、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メトプリン、メツレデパ(meturedepa)、ミチンドミド(mitindomide)、ミトカルシン、ミトクロミン、ミトギリン(mitogillin)、ミトマルシン(mitomalcin)、ミトマイシン、ミトスペル(mitosper)、ミトタン、ミトキサントロンヒドロクロライド、マイコフェノール酸、ノコダゾール、ノガラマイシン、オルマプラチン、オキシスラン(oxisuran)、パクリタキセル、ペガスパルガーゼ(pegaspargase)、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペプロマイシンサルフェート、ペルホスファミド(perfosfamide)、ピポブロマン、ピポスルファン(piposulfan)、ピロキサントロンヒドロクロライド、プリカマイシン、プロメステン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカルバジンヒドロクロライド、ピューロマイシン、ピューロマイシンヒドロクロライド、ピラゾフリン、リボプリン、ログレチミド(rogletimide)、サフィンゴール(safingol)、サフィンゴール(safingol)ヒドロクロライド、セムスチン、シムトラゼン(simtrazene)、スパルホセート(sparfosate)ナトリウム、スパルソマイシン、スピロゲルマニウムヒドロキシクロリド、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾトシン、スロフェヌル(sulofenur)、タリソマイシン、テコガランナトリウム、テガフール、テロキサントロンヒドロクロライド、テモポルフィン、テニポシド、テルオキシロン(teroxirone)、テストラクトン、チアミプリン(thiamiprine)、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、トレミフェンシトレート、トレストロンアセテート、トリシリビン(triciribine)ホスフェート、トリメトレキセート、トリメトレキセートグルクロネート、トリプトレリン、ツブロゾール(tubulozole)ヒドロクロライド、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド(vapreotide)、ベルテポルフィン、ビンブラスチンサルフェート、ビンクリスチンサルフェート、ビンデシン、ビンデシンサルフェート、ビネピジン(vinepidine)サルフェート、ビングリシネートサルフェート、ビンロイロシン(vinleurosine)サルフェート、ビノレルビンタートレート、ビンロシジン(vinrosidine)サルフェート、ビンゾリジン(vinzolidine)サルフェート、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、ゾルビシンヒドロクロライドを含む。
他の抗癌薬の例は、これに限定されるわけではないが、20−エピ−1,25−ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン(ambamustine);アミドクス(amidox);アミフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラフォリド;血管形成阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス(antarelix);抗背側化形態形成タンパク質−1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;抗ネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子調節剤(modulator);アポトーシスレギュレータ;アプリン酸;ara−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメステン;アトリムスチン;アキシナスタチン(axinastatin)1;アキシナスタチン(axinastatin)2;アキシナスタチン(axinastatin)3;アザセトロン;アザトキシン(azatoxin);アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール(balanol);バチマスタト(batimastat);BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ−アレシン(alethine);ベータクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナフィド(bisnafide);ビストラテン(bistratene)A;ビゼレシン;ブレフレート(breflate);ブロピリミン;ブドチテン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリポックスIL−2;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン(carzelesin);カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似物質;クロトリマゾール;コリスマイシン(collismycin)A;コリスマイシン(collismycin)B;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似物質;コナゲニン;クランベシジン(crambescidin)816;クリスナトール(crisnatol);クリプトフィシン(cryptophycin)8;クリプトフィシン(cryptophycin)A誘導体;キュラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム(cycloplatam);シペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン(decitabine);デヒドロジデムニン(dehydrodidemnin)B;デスロレリン(deslorelin);デキサメタゾン;デキシホスファミド(dexifosfamide);デキスラゾキサン(dexrazoxane);デキスベラパミル(dexverapamil);ジアジクォン(diaziquone);ジデムニン(didemnin)B;ジドキス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;ジヒドロタキソール,9−;ジオキサマイシン(dioxamycin);ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン(elemene);エミテフル(emitefur);エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似物質;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;エトポシドホスフェート;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン(fazarabine);フェンレチニド(fenretinide);フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン(flezelastine);フルアステロン;フルダラビン;フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin)ヒドロクロライド;ホルフェニメックス(forfenimex);フォルメステン;フォストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;ガリウムニトレート;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム(hepsulfam);ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン(idramantone);イルモホシン(ilmofosine);イロマスタト(ilomastat);イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫賦活ペプチド;インスリン様成長因子−1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン(iobenguane);ヨードドクソルビシン;イポメアノール(ipomeanol),4−;イロプラクト(iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド(jasplakinolide);カハラリド(kahalalide)F;ラメラリン−N トリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;レンチナンサルフェート;レプトスタチン;レトロゾール;白血病抑制因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似物質;親油性ジサッカライドペプチド;親油性プラチナ化合物;リソクリンアミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール(lometrexol);ロニダミン;ロソキサントロン(losoxantrone);ロバスタチン;ロキソリビン(loxoribine);ルルトテカン(lurtotecan);ルテニウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解ペプチド;マイタンシン;マノスタチンA;マリマスタト(marimastat);マソプロコル(masoprocol);マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン(meterelin);メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;不適正二重鎖RNA;ミトグアゾン(mitoguazone);ミトラクトール;マイトマイシン類似物質;ミトナフィド(mitonafide);マイトトキシン線維芽細胞増殖因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+ミオバクテリウム(myobacterium)細胞壁sk;モピダモール(mopidamol);多剤耐性遺伝子阻害剤;多発性腫瘍抑制剤1−ベース療法;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシド(mycaperoxide)B;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン(myriaporone);N−アセチルジナリン;N−置換ベンザミド;ナファレリン;ナグレスチプ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン(napavin);ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン(nemorubicin);ネリドロン酸(neridronic acid);中性エンドペプチダーゼ;ニルトアミド(nilutamide);ニサマイシン(nisamycin);一酸化窒素調節剤;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オダンセトロン(odansetron);オンダンセトロン;オラシン(oracin);経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン(ormaplatin);オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン(oxaunomycin);パクリタキセル;パクリタキセル類似物質;パクリタキセル誘導体;パラウアミン(palauamine);パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン(parabactin);パゼリプチン(pazelliptine);ペガスパルガーゼ(pegaspargase);ペルデシン;ペントサンポリサルフェートナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン(perflubron);ペルホスファミド(perfosfamide);ぺリリルアルコール(perillyl alcohol);フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;ピロカルピンヒドロクロライド;ピラルビシン;ピリトレキシム(piritrexim);プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲン活性化因子阻害剤;プラチナ錯体;プラチナ化合物;プラチナ−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAベース免疫調節剤;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微藻;プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドオキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン共役体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;レテリプチン(retelliptine)デメチル化;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド(rogletimide);ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド;ロキニメクス(roquinimex);ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴル;サイントピン(saintopin);SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1 ミメティックス;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;情報伝達阻害剤;情報伝達調節剤;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフラン;ソブゾキセン;ナトリウムボロカプテート;ナトリウムフェニルアセテート;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合プロテイン;ソネルミン;スパルホス酸(sparfosic acid);スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分割阻害剤;スチピアミド(stipiamide);ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン(sulfinosine);超活性血管活性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ(suradista);スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフル;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロマイド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン(tetrazomine);タリブラスチン(thaliblastine);チオコラリン;トロンボポイエチン;トロンボポイエチンミメティック;チマルファシン(thymalfasin);チモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン(thymotrinan);甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;チタノセンビクロライド;トプセンチン(topsentin);トレミ
フェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン(triciribine);トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド(turosteride);チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメックス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子療法;ベラレソール(velaresol);ベラミン(veramine);ベルジン(verdin);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン(vitaxin);ボロゾール;ザノテロン(zanoterone);ゼニプラチン;ジラスコルブ(zilascorb);およびジノスタチンスチマラマーを含む。
UIを処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないがプロパンテリン、イミプラミン、ヒヨスチアミン、オキシブチニン、およびジシクロミンを含む。
潰瘍を処置または防止するための有用な治療剤の例は、制酸剤たとえばアルミニウムヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシド、ナトリウムバイカーボネート、およびカルシウムバイカーボネート;スクラフレート(sucraflate);ビスマス化合物たとえばビスマスサブサリチレートおよびビスマスサブシトレート;H2アンタゴニストたとえばシメチジン、ラニチジン、ファモチジン、およびニザチジン;H+、K+−ATPase阻害剤たとえばオメプラゾール、イアンソプラゾール(iansoprazole)、およびランプラゾール;カルベノキソロン;ミスプロストール(misprostol);および抗生物質たとえばテトラサイクリン、メトロニダゾール、チミダゾール、クラリスロマイシンおよびアモキシシリンを含む。
IBDを処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないが抗コリン作用薬;ジフェノキシレート;ロペラミド;脱臭アヘンチンキ;コデイン;広域抗生物質たとえばメトロニダゾール;スルファサラジン;オルサラジン;メサラミン;プレドニゾン;アザチオプリン;メルカプトプリン;およびメトトレキセートを含む。
IBSを処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないがプロパンテリン;ムスカリン性受容体アンタゴニストたとえばピレンザピン、メトクトラミン、イプラトロピウム、チオトロピウム、スコポラミン、メトスコポラミン、ホマトロピン、ホマトロピンメチルブロミド、およびメタンテリン;および抗下痢薬たとえばジフェノキシレートおよびロペラミドを含む。
嗜癖障害を処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないがメタドン、デシプラミン、アマンタジン、フルオキセチン、ブプレノルフィン、アヘン剤アゴニスト、3−フェノキシピリジン、レボメタジルアセテートヒドロクロライド、およびセロトニンアンタゴニストを含む。
パーキンソン病およびパーキンソニズムを処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないがカルビドパ/レボドパ、ペルゴリド、ブロモクリプチン、ロピニロール、プラミペキソール、エンタカポン、トルカポン、セレギリン、アマンタジン、およびトリヘキシフェニジルヒドロクロライドを含む。
不安を処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないがベンゾジアゼピン、たとえばアルプラゾラム、ブロチゾラム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼペート、デモキセパム(demoxepam)、ジアゼパム、エスタゾラム、フルマゼニル、フルラゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、ノルダゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、クアゼパム、テマゼパム、およびトリアゾラム;非ベンゾジアゼピン剤、たとえばブスピロン、ジェピロン、イプサピロン、チオスピロン、ゾルピコン、ゾルピデム、およびザレプロン;精神安定剤たとえば、バルビツレートたとえばアモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタルビタール、メフォバルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、およびチオペンタール;およびプロパンジオールカルバメートたとえば、メプロバメートおよびチバメートを含む。
てんかんを処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないがカルバマゼピン、エトスクシミド、ガバペンチン、ラモトリジン、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、バルプロ酸、トリメタジオン、ベンゾジアゼピン、ガバペンチン、ラモトリジン、γ−ビニルGABA、アセタゾラミド、およびフェルバメートを含む。
卒中を処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないが抗凝血剤たとえばヘパリン、血栓を破壊する薬剤たとえばストレプトキナーゼまたは組織プラスミノゲン活性化因子、膨潤を低下させる薬剤たとえばマニトールまたはコルチコステロイド、およびアセチルサリチル酸を含む。
発作を処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないがカルバマゼピン、エトスクシミド、ガバペンチン、ラモトリジン、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、バルプロ酸、トリメタジオン、ベンゾジアゼピン、ガバペンチン、ラモトリジン、γ−ビニルGABA、アセタゾラミド、およびフェルバメートを含む。
掻痒状態を処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないがナルトレキソン;ナルメフェン;ダナゾール;三環たとえばアミトリプチリン、イミプラミン、およびドクセピン;抗うつ薬たとえば以下に示すもの、メントール;カンファー;フェノール;プラモキシン;カプサイシン;タール;ステロイド;および抗ヒスタミン剤を含む。
精神病を処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないがフェノチアジンたとえばクロルプロマジンヒドロクロライド、メソリダジンベシレートおよびトリダジン(thoridazine)ヒドロクロライド;チオキサンテンたとえばクロロプロチキセンおよびチオチキセンヒドロクロライド:クロザピン;リスペリドン;オランザピン;クエチアピン;クエチアピンフマレート;ハロペリドール;ハロペリドールデカノエート;ロキサピンスクシネート;モリンドンヒドロクロライド;ピモジド;およびジプラシドンを含む。
ハンチントン舞踏病を処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないがハロペリドールおよびピモジドを含む。
ALSを処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないがバクロフェン、神経栄養因子、リルゾール、チザニジン、ベンゾジアゼピンたとえばクロナゼパンおよびダントロレンを含む。
認知障害を処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないが痴呆を処置または防止するための薬剤たとえばタクリン;ドネペジル;イブプロフェン;抗精神薬たとえばチオリダジンおよびハロペリドール;および抗うつ薬たとえば以下に示すものを含む。
片頭痛を処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないがスマトリプタン;メチセルギド;エルゴタミン;カフェイン;およびベータブロッカーたとえばプロプラノロール、ベラパミル、およびジバルプロックスを含む。
嘔吐を処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないが5−HT3受容体アンタゴニストたとえばオンダンセトロン、ドラセトロン、グラニセトロン、およびトロピセトロン;ドーパミン受容体アンタゴニストたとえばプロクロルペラジン、チエチルペラジン、クロルプロマジン、メトクロプラミド、およびドンペリドン;グルココルチコイドたとえばデキサメタゾン;およびベンゾジアゼピンたとえばロラゼパムおよびアルプラゾラムを含む。
ジスキネジーを処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないがレセルピンおよびテトラベナジンを含む。
うつ病を処置または防止するための有用な治療剤の例は、これに限定されるわけではないが三環系抗うつ薬たとえばアミトリプチリン(amitryptyline)、アモキサピン、ブプロピオン、クロミプラミン、デシプラミン、ドクセピン、イミプラミン、マプロチリン、ネファザドン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トラゾドン、トリミプラミン、およびベンラファクシン;選択的セロトニン再吸収阻害剤たとえばフルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、およびセトラリン;モノアミンオキシダーゼ阻害剤たとえばイソカルボキサジド、パーギリン、フェネルジン、およびトラニルシプロミン;および精神刺激薬たとえばデキストロアンフェタミンおよびメチルフェニデートを含む。
チアジアゾリルピペラジン化合物および他の治療剤は付加的に、または1つの実施形態において相乗的に作用することができる。1つの実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物は別の治療剤と同時に投与される。1つの実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物の有効量および別の治療剤の有効量を含む組成物を投与することができる。あるいは、チアジアゾリルピペラジン化合物の有効量を含む組成物および別の治療剤の有効量を含む別の組成物を同時に投与することができる。別の実施形態において、別の治療剤の有効量の投与の前または後に、チアジアゾリルピペラジン化合物の有効量が投与される。本実施形態において、チアジアゾリルピペラジン化合物が投与されるのと同時にもう一方の治療剤がその治療効果を発揮するか、またはもう一方の治療剤が投与されるのと同時にチアジアゾリルピペラジン化合物が、疼痛、UI[疼痛、UI、潰瘍、IBD、IBS、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、てんかん、卒中、発作、掻痒状態、精神病、認知障害、記憶障害、限定脳機能、ハンチントン舞踏病、ALS、痴呆、網膜症、筋けいれん、片頭痛、嘔吐、ジスキネジー、またはうつ病を処置または防止するために、その防止または治療効果を発揮する。
4.6.2 キット
本発明は、チアジアゾリルピペラジン化合物の動物への投与を容易にすることができるキットを含む。
本発明の代表的なキットは、チアジアゾリルピペラジン化合物の単位剤形を含む。1つの実施形態において、剤形は滅菌可能であり、チアジアゾリルピペラジン化合物の有効量および薬学的に許容される担体または賦形剤を含有する容器である。キットはさらに、疼痛、UI、潰瘍、IBD、IBS、嗜癖障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、不安、てんかん、卒中、発作、掻痒状態、精神病、認知障害、記憶障害、限定脳機能、ハンチントン舞踏病、ALS、痴呆、網膜症、筋けいれん、片頭痛、嘔吐、ジスキネジー、またはうつ病を処置するためのチアジアゾリルピペラジン化合物の使用を指示するラベルまたは印刷された説明を含むことができる。キットはさらに、別の治療剤の単位剤形、たとえば他の治療剤の有効量を含有する容器を含むことができる。1つの実施形態において、キットは、チアジアゾリルピペラジン化合物の有効量および別の治療剤の有効量を含有する容器を含む。他の治療剤の例は、これに限定されるわけではないが上に挙げたものを含む。
本発明のキットはさらに、単位剤形の投与に有用である器具を含むことができる。そのような器具の例は、これに限定されるわけではないが、注射器、ドリップバッグ、パッチ、吸入器、および浣腸バッグを含む。
以下の例は、本発明の理解を助けるために述べられ、もちろん本明細書で述べられ、請求される本発明を特に制限するとして解釈されるべきではない。当業者の範囲内である、現在既知であるか後で開発された同等物すべての代用を含む、本発明のそのような変形、および処方の変更または実験上の設計における些少な変更は、本明細書に包含される本発明の範囲内に入るものと見なされる。
5.実施例
実施例1は、実例となるチアジアゾリルピペラジン化合物の合成に関する。
実施例1:化合物AAV、AAW、およびABAの合成
DMSO 4mlに溶解させた化合物1b(1.2g、6.45mmol)にDIEA(1.12mL、6.45mmol)を、続いて3,4−ジクロロ−1,2,5−チアジアゾリルピペラジン1a(500mg、3.23mmol)を添加して、生じた反応混合物を100℃にて16時間攪拌した。次に反応混合物を室温に冷却し、水およびエチルアセテートを反応混合物に添加した。次にエチルアセテート相および水相を分離し、水相をエチルアセテートで2回抽出した;エチルアセテート相を合わせた;そしてエチルアセテート相を水で洗浄し、塩水で洗浄し、乾燥させて(ナトリウムサルフェート)、減圧下で濃縮して化合物1cを与え、エチルアセテート/ジクロロメタンを溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィーによってこれを精製した。エチルアセテート10mLに溶解させた化合物1c(943mg、3.1mmol)に塩酸(4Mジオキサン溶液、7.7mL、30.7mmol)を添加し、生じた溶液を室温で16時間攪拌した。次に溶液を減圧下で濃縮し、生じた残留物にエチルアセテートを添加して、残留水分を共沸蒸留によって除去し、残留エチルアセテートは減圧下で除去して、1dのヒドロクロライド塩を与え、これをジエチルエーテルと共に攪拌し、次に濾過した。
以下の手順を用いて、化合物ABA、AAV、およびAAWを1dのヒドロクロライド塩から調製した:
化合物AAB:無水ジクロロメタン中の1dのヒドロクロライド塩(154mg、0.64mmol)にTEA(0.089mL、0.64mmol)、続いて4−tert−ブチルフェニルイソシアネート(112mg、0.64mmol)を添加し、生じた反応混合物を2時間攪拌し、その後、減圧下で溶媒を除去して粗ABAを与え、エチルアセテート/ジクロロメタンを溶出液として使用してシリカゲルクロマトグラフィーによってこれを精製した。
化合物ABAの同一性は1H NMRによって確認した。1H NMR(400MHZ,CDCl3):δ1.29(s,9H),3.51−3.54(m,4H),3.66−3.68(m,4H),6.36(bs,1H),7.16(d,2H),7.27(d,2H)。
化合物AAV:無水DCM中の1dのヒドロクロライド塩(154mg、0.64mmol)にTEA(0.089mL、0.64mmol)、続いて4−イソプロピルフェニルイソシアネート(103mg、0.64mmol)を添加し、生じた反応混合物を2時間攪拌し、その後、減圧下で溶媒を除去して粗AAVを与え、エチルアセテート/ジクロロメタンを溶出液として使用してシリカゲルクロマトグラフィーによってこれを精製した。
化合物AAVの同一性は1H NMRによって確認した。1H NMR(400MHZ,CDCl3):δ1.23(d,6H),2.84−2.90(m,1H),3.53−3.55(m,4H),3.65−3.67(m,4H),6.31(bs,1H),7.16(d,2H),7.27(d,2H)。
化合物AAW:無水DCM中の1dのヒドロクロライド塩(154mg、0.64mmol)にTEA(0.089mL、0.64mmol)、続いて4−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート(120mg、0.64mmol)を添加し、生じた反応混合物を2時間攪拌し、その後、減圧下で溶媒を除去して粗AAWを与え、エチルアセテート/ジクロロメタンを溶出液として使用してシリカゲルクロマトグラフィーによってこれを精製した。
化合物AAWの同一性は
1H NMRによって確認した。
1H NMR(400MHZ,CDCl
3):δ3.55−3.57(m,4H),3.71−3.73(m,4H),6.41(bs,1H),7.31(d,2H),7.52(d,2H)。
一般式:
のチアジアゾリルピペラジン化合物(式中、Rは4−メトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、4−メチルフェニル、または4−クロロフェニルである)は、4−tert−ブチルフェニルイソシアネートが4−メトキシフェニルイソシアネート、4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネート、4−メチルフェニルイソシアネート、または4−クロロフェニルイソシアネートそれぞれの当量と置換されることを除いて、化合物ABAを調製するために使用された実施例1で上述した手順に従って生成される。
実施例2:チアジアゾリルピペラジン化合物のヒトVR1受容体への結合
VR1拮抗作用は疼痛の防止と関連付けられてきた(たとえばR.Wrigglesworth and C.Walpole,「Capsaicin-like Agonists,」Drugs of the Future,23(5),pp.531-538(1998);S.Bevan P.McIntyre,「Vanilloid Receptors:Pivotal Molecules in Nocciception,」Current Opinions in CPNS Investigational Drugs,vol.2,no.2,pp.178-185(2000)およびA.Szallash and P.Blumberg,「Vanilloid(Capsaicin) Receptors and Mechanisma,」Pharmacology Reviews,vol.51,no.2,pp.159-211(1999)を参照)。
VR1を阻害できる化合物をアッセイする方法、たとえばDuckworthらへの米国特許第6,239,267号;McIntyreらへの米国特許第6,406,908号;Juliusらへの米国特許第6,335,180号に開示された方法は、当業者に周知である。
通例、チアジアゾリルピペラジン化合物は、25μM未満である;1つの実施形態において1,000nM未満;および別の実施形態において500nM未満であるカプサイシン誘発活性化の阻害のIC50値、または10μM未満である;1つの実施形態において1,000nM未満;および別の実施形態において500nM未満であるpH誘発不活性化の阻害のIC50値を持つ。
以下のチアジアゾリルピペラジン化合物は、以下に示すようにVR1のカプサイシン誘発活性化およびpH誘発活性化を阻害する:
5.3.実施例3:チアジアゾリルピペラジン化合物のmGluR5への結合
以下の星状細胞アッセイは、チアジアゾリルピペラジン化合物がmGluR5に結合して、その活性を調節することを証明するために使用できる。
細胞培養:一次グリア培養物は、スプラーグ−ドーリー18日齢胚の皮質から調製する。皮質を切開し、次に粉砕によって分離する。生じた細胞ホモジェネートは、25mM HEPESで緩衝し、15%ウシ胎仔血清(「FCS」、ネブラスカ州オマハのHyclone Laboratories Incより市販)を添加したダルベッコ変法イーグル培地(「DMEM」、pH7.4)中の、ポリ−D−リジンプレコーティングT175フラスコ(BIOCOAT、ニュージャージー州フランクリンレイクスのBecton Dickinson and Company Inc.より市販)にプレーティングして、37℃および5%CO2にてインキュベートする。24時間後、FCS添加を10%に低下させる。第6日目に、フラスコ側面を強く叩いてオリゴデンドロサイトおよびマイクログリアを除去する。この精製ステップの翌日、96ポリ−D−リジンプレコーティングT175フラスコ(BIOCOAT)にDMEMおよび10%FCS中に65,000細胞/ウェルの濃度でサブプレーティングすることによって、二次星状細胞培養物を確立する。24時間後、星状細胞を無血清培地で洗浄し、次にグルタメートを含まず、0.5% FCS、20mM HEPES、10ng/mL表皮成長因子(「EGF」)、1mMナトリウムピルベート、および1Xペニシリン/ストレプトマイシンを添加したDMEM中でpH7.5、37℃および5%CO2にて3〜5日間培養する。手順は、S.Millerら.,J.Neuroscience 15(9):6103-6109(1995)によって説明されているように、星状細胞によるmGluR5受容体の発現を可能にする。
アッセイプロトコル:EGFによる3〜5日のインキュベーションの後、星状細胞はpH7.4の127mM NaCl、5mM KCl、2mM MgCl2、700mM NaH2PO4、2mM CaCl2、5mM NaHCO3、8mM HEPES、10mMグルコース(「アッセイ緩衝液」)で洗浄し、Fluo−4(3mM最終)を含有するアッセイ緩衝液0.1mLを用いて色素Fluo−4(オレゴン州ユージーンのMolecular Probes Inc.から市販)を負荷する。色素負荷の90分後、次に細胞をアッセイ緩衝液0.2mLで2回洗浄し、アッセイ緩衝液0.1mL中で最懸濁させる。次に、グルタメートの存在下、およびアンタゴニストの存在下または非存在下でのカルシウム動員流量の評価のために、星状細胞を含有するプレートを蛍光イメージングプレートリーダー(カリフォルニア州サニーベールのMolecular Devices Corporationから市販)に移動させる。ベースラインを確立するために蛍光を15秒間監視した後に、アッセイ緩衝液で希釈したチアジアゾリルピペラジン化合物の各種濃度を含有するDMSO溶液(競合曲線用の4X希釈物0.05mL)を細胞プレートに添加し、蛍光を2分間監視する。次に、各ウェルで10mMの最終グルタメート濃度を与えるために、4Xグルタメート溶液(アゴニスト)0.05mLを各ウェルに添加する。次にアゴニスト添加後に、プレート蛍光をさらに60秒監視する。アッセイでの最終DMSO濃度は1.0%である。各実験において、蛍光は時間の関数として監視され、データはMicrosoft ExcelおよびGraphPad Prismを用いて解析する。IC50値を決定するために、非線形回帰を用いて用量反応曲線を適合させる。各実験において、各データ点は2回決定する。結果は、チアジアゾリルピペラジン化合物がmGluR5に結合し、mGluR5の活性を調節することを証明している。
以下のCHOアッセイは、チアジアゾリルピペラジン化合物がmGluR5に結合して、その活性を調節することを証明するために使用できる。
グルタミン、10%FBS、1%Pen/Strep、および500μg/ml Geneticinを添加したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM、pH7.4)中で一晩インキュベーションするために、40,000CHO−ラットmGluR5細胞/ウェルを96ウェルプレート(Costar 3409、ブラック、透明底、96ウェル、組織培養処理)にプレーティングする。CHO−ラットGluR5細胞をOptimem培地で洗浄および処置し、細胞を負荷する前に1〜4時間インキュベートする。次に細胞プレートは負荷緩衝液(127mM NaCl、5mM KCl、2mM MgC12、700μM NaH2PO4、2mM CaCl2、5mM NaHCO3、8mM Hepes、および10mMグルコース、pH7.4)で洗浄し、次に負荷緩衝液0.1mL中で3μM Fluo4(オレゴン州ユージーンのMolecular Probes Inc.から市販)によってインキュベートする。色素負荷の90分後、次に細胞を負荷緩衝液0.2mLで2回洗浄し、負荷緩衝液0.1mL中で最懸濁させる。次に、グルタメートの存在下、および試験化合物の存在下または非存在下でのカルシウム動員流量の評価のために、CHO−ラットmGluR5細胞を含有するプレートを蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR)(カリフォルニア州サニーベールのMolecular Devices Corporationから市販)に移動させる。ベースラインを確立するために蛍光を15秒間監視した後に、負荷緩衝液で希釈した試験化合物の各種濃度を含有するDMSO溶液(競合曲線用の4X希釈物0.05mL)を細胞プレートに添加し、蛍光を2分間監視する。次に各ウェルで10uMの最終グルタメート濃度を与えるために、4Xグルタメート溶液(アゴニスト)0.05mLを各ウェルに添加する。次に、アゴニストの添加後、プレート蛍光をさらに60秒監視する。アッセイでの最終DMSO濃度は1.0%である。各実験において、蛍光は時間の関数として監視され、データはMicrosoft ExcelおよびGraphPad Prismを用いて解析する。IC50値を決定するために、非線形回帰を用いて用量反応曲線を適合させる。各実験において、各データ点は2回決定する。
5.4.実施例4:疼痛の防止または処置に関するin vivoアッセイ
試験動物:各実験は、実験開始時に体重200〜260gのラットを使用する。ラットは群育され、餌が投与の16時間前に除去されるチアジアゾリルピペラジン化合物の経口投与前を除いて、餌および水に常時、自由に接触できる。対照グループは、チアジアゾリルピペラジン化合物を用いて処置されたラットとの比較として作用する。対照グループは、チアジアゾリルピペラジン化合物の代わりに担体を投与される。対照グループに投与される担体の量は、試験グループに投与される担体およびチアジアゾリルピペラジン化合物の量と同じである。
急性疼痛:急性疼痛の処置および防止に対するチアジアゾリルピペラジン化合物の作用を評価するために、ラットテールフリック試験を使用できる。ラットを綿袋に入れ、テールフリック装置(イタリアのUgo Basileから市販されているModel 7360)を用いて、尾の先端から3cmの箇所を放射熱の集束ビームに暴露させる。テールフリック潜時は、熱刺激の開始と尾の触れとの間隔として定義される。15秒以内に反応しない動物はテールフリック装置から除去し、退薬潜時15秒を与えた。テールフリック潜時は(予備処置)の直前およびチアジアゾリルピペラジン化合物投与の1、3、および6時間後に測定した。データは、テールフリック潜時として表現され、最大可能効果のパーセンテージ(%MPE)すなわち15秒は、以下のように計算される:
%MPE=[(投与後潜時)−(投与前潜時)]/ (15秒 投与前潜時)x100%
ラットのテールフリック試験は、F.E.D’Amourら.,「A Method for Determining Loss of Pain Sensation,」J.Pharmacol.Exp.Ther.72:74-79(1941)で述べられている。結果は、チアジアゾリルピペラジン化合物が急性疼痛の処置または防止に有用であることを証明する。
急性疼痛は、以下で述べるように足引っ込め閾値(paw withdrawal threshold(PWT))を決定することによって、有害機械刺激に対する動物の反応を測定することによっても評価できる。
炎症性疼痛:炎症性疼痛の処置または防止に対するチアジアゾリルピペラジン化合物の作用を評価するために、炎症性疼痛の完全フロインドアジュバント(FCA)モデルを使用する。ラット後足のFCA誘発炎症は、持続性炎症性機械的痛覚過敏の発生に関連付けられ、臨床的に有用な鎮痛薬の抗痛覚過敏作用の信頼できる予測を提供する(L.Barthoら.,「Involvement of Capsaicin-sensitive Neurones in Hyperalgesia and Enhanced Opioid Antinociception in Inflammation,」Naunyn-Schmiedeberg’s Archives of Pharmacology 342:666-670(1990))。各動物の左後足に、100%FCA 50μLの足底内注射を投与する。注射24時間後に、以下に述べるようにPWTを決定することによって、有害機械的刺激に対する反応について動物を評価する。次にラットは、チアジアゾリルピペラジン化合物1、3、10または30mg/kg、インドメタシン30mg/kgまたは担体のどちらかの単回注射を投与する。次に投与2、4、6および24時間後に、有害機械的刺激に対する反応を判定する。
各動物の痛覚過敏の反転パーセントは次のように定義される:
%反転=[(投与後PWT)−(投与前PWT)]/(ベースライン 投与前PWT)x100%
結果は、チアジアゾリルピペラジン化合物が炎症性疼痛の処置または防止に有用であることを証明する。
神経性疼痛:神経性疼痛の処置および防止に対するチアジアゾリルピペラジン化合物の作用を評価するために、SeltzerモデルまたはChungモデルを使用できる。
Seltzerモデルにおいて、ラットに神経性痛覚過敏を生成するために、神経性疼痛の坐骨神経部分結紮モデルを使用する(Z.Seltzerら.,「A Novel Behavioral Model of Neuropathic Pain Disorders Produced in Rats by Partial Sciatic Nerve Injury,」Pain 43:205-218(1990))。左坐骨神経の部分結紮はエンフルレン/O2吸入麻酔下で実施する。麻酔の導入後、ラットの左大腿部を剃毛し、小切開を通じて坐骨神経を高大腿レベルに露出させて、後二頭筋半腱様神経が総坐骨神経から分岐する箇所に対してすぐ末梢側の転子付近の部位にて周囲の結合組織を注意して除去する。7−0絹縫合糸を3/8湾曲、改良カッティング小型針によって神経内に挿入し、神経の厚さの腹側1/3〜1/2が結紮によって保持されるように、堅く結紮する。創傷は単筋縫合(7−0絹)およびMichelleクリップによって閉じる。手術後、創傷部分は抗生剤パウダーを振りかける。偽処置ラットは、坐骨神経が処理されないことを除いて、同一の外科的処置を受ける。手術後、動物は秤量して、麻酔から回復するまで温パッドの上に置く。次に、挙動試験が開始するまで、動物を飼育ケージに戻す。動物は、薬剤投与直前および薬剤投与の1、3、および6時間後に動物の左後足および右後足の両方で、以下に述べるようにPWTを判定することによって、有害機械的刺激に対する反応について評価する。神経性痛覚過敏の反転パーセンテージは以下のように定義される:
%反転=100−[(右投与前PWT−左投与後PWT)/(右投与前PWT−左投与前PWT)] x100%
Chungモデルにおいて、神経性疼痛の脊椎神経結紮モデルを用いて、ラットに機械的痛覚過敏、熱的痛覚過敏および触覚異痛を生じさせる。手術は、イソフルレン/O2吸入麻酔下で実施する。麻酔導入後、3cmの切開を作成し、左の傍脊椎筋をL4−S2レベルで棘突起から分離した。L4−L6脊髄神経を目視識別するために、L6横突起を小型ロンジュール対を用いて注意深く除去する。左L5(またはL5およびL6)脊髄神経を単離し、絹糸で堅く結紮する。完全止血が確認され、創傷を非吸収性縫合糸、たとえばナイロン縫合糸またはステンレス鋼ステープルを使用して縫合する。偽処置ラットは、脊髄神経が処理されないことを除いて、同一の外科的処置を受ける。手術後、動物を秤量し、生理的食塩水またはラクテートリンゲルの皮下(s.c.)注射を投与し、創傷部分に抗生物質パウダーを振りかけ、麻酔から回復するまで温パッドの上で管理した。次に、挙動試験が開始するまで、動物を飼育ケージに戻す。動物は、チアジアゾリルピペラジン化合物の投与直前および薬剤投与の1、3、および5時間後に動物の左後足および右後足の両方で、以下に述べるようにPWTを判定することによって、有害機械的刺激に対する反応について評価する。動物は、以下に述べるように有害な熱刺激に対する反応および触覚異痛についても評価することができる。神経性疼痛のChungモデルは、S.H.Kim,「An Experimental Model for Peripheral Neuropathy Produced by Segmental Spinal Nerve Ligation in the Rat,」Pain 50(3):355-363(1992)に述べられている。結果は、チアジアゾリルピペラジン化合物が神経性疼痛の処置または防止に有用であることを証明する。
機械的痛覚過敏の評価としての機械的刺激に対する反応:足圧力アッセイを用いて機械的痛覚過敏を評価することができる。このアッセイでは、有害機械的刺激に対する後足引っ込め閾値(paw withdrawal thresholds(PWT))を、C. Stein,「Unilateral Inflammation of the Hindpaw in Rats as a Model of Prolonged Noxious Stimulation: Alterations in Behavior and Nociceptive Thresholds,」Pharmacology Biochemistry and Behavior 31:451-455(1988)に述べられているように、痛覚計(Model 7200、イタリアのUgo Basileから市販)を用いて決定する。後足に印加できる最大重量は250gに設定し、終点は足の完全な引っ込めとして解釈した。PWTは各時点にて各ラットについて1回決定し、影響を受けた(同側の)足のみ試験する。
熱的痛覚過敏の評価としての熱的刺激に対する反応:足底試験を用いて、熱的痛覚過敏を評価することができる。この試験では、有害熱的刺激に対する後足引っ込め潜時を、K.Hargreavesら.,「A New and Sensitive Method for Measuring Thermal Nociception in Cutaneous Hyperalgesia,」Pain 32(1):77-88(1988)に述べられている技法に従って、足底試験装置(イタリアのUgo Basileから市販)を用いて決定する。組織損傷を回避するために最大暴露時間は32秒に設定し、熱源からの有向足引っ込めを終点として解釈する。各時点で3回の潜時を決定し、平均する。影響を受けた(同側の)足のみ試験を行う。
痛覚異痛の評価:触覚異痛を評価するために、ラットをワイヤメッシュ床を備えた透明なプレキシガラス製コンパートメントに入れて、少なくとも15分の期間慣らさせる。慣らしの後、von Freyモノフィラメントを各ラットの左(手術)足の足底表面に提示する。一連のvon Freyモノフィラメントは、拡大する直径の6本のモノフィラメントより成り、直径が最小のファイバーが最初に提示される。各フィラメントを用いて5回の試行を実施し、各試行間に約2分の間隔を置く。各提示は、4〜8秒の期間、または侵害引っ込め挙動が観察されるまで続く。尻込み、足引っ込めまたは足舐めは、侵害挙動反応として見なす。
5.5.実施例5:不安の防止または処置に関するin vivoアッセイ
高架式十字迷路試験またはショック棒埋没(shock−probe burying)試験を用いて、ラットまたはマウスにおけるチアジアゾリルピペラジン化合物の抗不安活性を評価することができる。
高架式十字迷路試験:高架式十字迷路は、2本が開き、2本が閉じた4本のアームを持つプラットフォームより成る(50x10x50cm、開ルーフによって包囲)。ラット(またはマウス)を、閉アームの片方に向けて4本のアームの交差点であるプラットフォームの中央に置く。試験期間中の開アーム対閉アームで費やした時間および開アームへの入場回数を記録する。この試験は薬剤投与前、および薬剤投与後に再度実施する。試験結果は、開アームで費やした平均時間および開アームへの入場の平均回数として表す。既知の抗不安剤は、開アームで費やす時間および開アーム入場の回数をどちらも増加させる。高架式十字迷路試験は、D.Treit,「Animal Models for the Study of Anti-anxiety Agents:A Review,」Neuroscience & Biobehavioral Reviews 9(2):203-222(1985)に述べられている。
ショック棒埋没(shock−probe burying)試験:ショック棒埋没(shock−probe burying)試験では、試験装置は、一端に小穴のある約5cmの床材(臭気吸収性猫用リター)で均等に覆われ、寸法40x30x40cmのプレキシガラス製ボックスより成り、その小穴を通じてショック棒(長さ6.5cmおよび直径0.5cm)を挿入する。プレキシガラス製ショック棒は、電流が与えられる2本の銅ワイヤによってらせん状に包囲されている。電流は2mAに設定する。ラットは、箱にショック棒を付けずに、4連続日、30分間、試験装置に慣らす。試験日には、薬剤投与後にラットを試験チャンバの一角に置く。ラットが鼻や前足で触るまで棒は通電せず、触った時点でラットは短期の2mAショックを受ける。15分の試験期間はいったんラットが最初のショックを受けると開始し、棒は残りの試験期間中、通電されたままである。ショックはラットによる埋没挙動により発現する。最初のショックの後、ラットが鼻や前足を用いて床材を棒に向けてまたは棒にかぶせて噴射する(埋没挙動)のに費やした時間を、ラットが棒から受けた接触誘発ショックの回数とともに測定する。既知の抗不安薬は、埋没挙動の量を減少させる。加えて、各ショックに対するラットの反応性指数は、4点スケールで記録する。15分の試験期間中に不動で費やした総時間は、一般活動の指数として使用する。ショック棒埋没(shock−probe burying)試験は、上のD.Treit,1985に述べられている。結果は、チアジアゾリルピペラジン化合物が不安の処置または防止に有用であることを証明する。
5.6.実施例6:嗜癖障害の防止または処置に関するin vivoアッセイ
条件付け場所嗜好性試験または薬物自己投与試験を用いて、チアジアゾリルピペラジン化合物が既知の乱用薬剤の報酬特性を緩和する機能を評価することができる。
条件付け場所嗜好性試験:条件付け場所嗜好性試験用の装置は、プレキシガラス前壁を備えた木製の大型コンパートメント(45x45x30cm)2個より成る。これらの2個の大型コンパートメントは、明瞭に区別される。各大型コンパートメントの後ろのドアは、灰色に塗装され、ワイヤメッシュ製の天井を備えた木製の小型ボックス(36x18x20cm)に通じている。2個の大型コンパートメントは、濃淡(白対黒)、照度のレベル(白色コンパートメントのプレキシガラスドアは、7x7cmの窓をのぞいて、アルミニウム箔で覆われている)、質感(白色コンパートメントは、直径5cmの9個の穴が等間隔に配置された厚さ3cmの床板(40x40cm)を有し、黒色はワイヤメッシュ製の床を有する)、および嗅覚による合図(白色コンパートメントでは生理的食塩水、および黒色コンパートメントでは10%酢酸1mL)の点で異なる。慣らしおよび試験日には、小型ボックスへのドアを開いたままにして、ラットに両方の大型コンパートメントへの自由な出入りを与える。
ラットを装置に配置する最初のセッションは、慣らしセッションであり、より小型の灰色コンパートメントへの入口は開けたままにして、ラットに両方の大型コンパートメントへの自由な出入りを与える。慣らしの間、ラットは一般にどちらのコンパートメントにも嗜好性を示さない。慣らしの後、ラットは6回の条件付けセッションを与えられる。ラットは4つの群:担体予備処置+担体(対照群)、2チアジアゾリルピペラジン化合物予備処置+担体、担体予備処置+モルヒネ、2チアジアゾリルピペラジン化合物予備処置+モルヒネに分けられる。各条件付けセッションの間、ラットに薬剤組合せのうちの1つを注射し、1個のコンパートメントに30分間閉じ込められる。翌日、ラットは担体+担体処置を受けて、もう一方の大型コンパートメントに閉じ込められる。各ラットは、3つの薬剤組合せ−コンパートメントおよび3つの担体−コンパートメント対より成る3回の条件付けセッションを受ける。注射および薬剤の順序/コンパートメント対は、群内で平衡にさせる。試験日に、試験前(30分〜1時間)にラットにモルヒネまたは担体のどちらかを注射し、ラットを装置に配置して、灰色コンパートメントへのドアを開けたままにして、ラットに装置全体を20分間探索させる。各コンパートメントにて費やした時間を記録する。既知の乱用薬剤は、試験セッション中の薬剤対コンパートメントで費やされた時間を増加させる。チアジアゾリルピペラジン化合物がモルヒネ条件付け場所嗜好性(報酬)の獲得を遮断する場合、チアジアゾリルピペラジン化合物によって予備処置されたラットにおいて各側で費やされた時間に相違はなく、群は両方のコンパートメントにおいて担体+担体を与えられたラットの群と異ならないであろう。データは、各コンパートメントで費やされた時間として解析されるであろう(薬剤組合せ対 対 担体対)。一般に実験は、チアジアゾリルピペラジン化合物の最低3用量を用いて反復する。
薬物自己投与試験:薬物自己投与試験用の装置は、標準の市販オペラント条件付けチャンバである。薬剤試験開始前に、ラットを餌報酬のためにレバーを押すように訓練する。安定したレバー押し挙動を獲得した後、薬剤報酬のためのレバー押しの獲得について、ラットを試験する。ラットは、化合物の静脈内投与のために慢性的に留置頚静脈カテーテルをインプラントして、訓練開始前の7日間にわたって回復させる。実験セッションは、5日間にわたって毎日、3時間のセッションで実施する。ラットは、既知の乱用薬物、たとえばモルヒネを自己投与するように訓練する。次にラットに、2個のレバー、「アクティブ」レバーおよび「インアクティブ」レバーを与える。アクティブレバーを押すと、固定速度1(FR1)スケジュールでの薬物注入(すなわち、1回のレバー押しが注入を与える)が起こり、20秒のタイムアウト期間(レバーの上の灯照明によって表示される)が続く。インアクティブレバーを押すと、賦形剤の注入が起こる。訓練は、モルヒネ注入の総回数が1セッションに付き10%以内に安定するまで続ける。次に訓練したラットを使用して、薬物自己投与に対するチアジアゾリルピペラジン化合物の予備処置の効果を評価する。試験日に、ラットはチアジアゾリルピペラジン化合物または賦形剤によって予備処置し、次に通常通りに薬剤を自己投与させる。チアジアゾリルピペラジン化合物がモルヒネの報酬効果を遮断する場合、チアジアゾリルピペラジン化合物によって予備処置されたラットは、以前の反応速度と比較して、および賦形剤予備処置ラットと比較して、より低い反応速度を示すであろう。データは、試験セッション当たりの薬剤注入の回数の変化として解析される(試験セッション中の注入の回数−訓練セッション中の注入の回数)。結果は、チアジアゾリルピペラジン化合物が嗜癖障害を処置または防止に有用であることを示す。
5.7.実施例7:mGluR1拮抗特性を特徴づけるための機能性アッセイ
mGluR1拮抗特性の特徴付けのための機能性アッセイは、当分野で周知である。たとえば以下の手順を使用できる。
cDNAがコードするラットmGluR1a受容体をたとえばS.ナカニシ教授(日本、京都)から入手する。Schlaegerら.,New Dev.NewAppl.Anim.Cell Techn.,Proc.ESACT Meet.,(1998),105-112および117-120で述べられている手順を使用して、それをHEK−EBNA細胞内に一過性に形質移入する。Fluo−3AM(0.5μM最終濃度)による37℃における1時間の細胞のインキュベーション、それに続くアッセイ緩衝液(ハンクス塩および20mM HEPESを添加したDMEM)による4回の洗浄の後に、mGluR1a形質移入HEK−EBNA細胞に対して[Ca2+]測定を実施する。[Ca2+]測定は、蛍光イメージングプレートリーダー、たとえばカリフォルニア州ラホーヤ(La Jolla)のMolecular Devices CorporationによるFLIPRを用いて実施する。アンタゴニストの有効性を評価するために、アゴニストとして10μMグルタメートを使用する。
アンタゴニストの濃度上昇は、アゴニストの使用5分前に細胞に適用される。阻害(アンタゴニスト)曲線は、適切なソフトウェア、たとえばマサチューセッツ州ノーサンプトンのMicrocal Software Inc.による反復非線形曲線適合ソフトウェアOriginを用いた、IC50およびHill係数を与える4パラメータロジスティック式と適合する。
本発明は、発明の2、3の側面の例示であるものとされる実施例で開示した具体的な実施形態によって範囲を制限されるものではなく、機能的に同等であるどの実施形態も本発明の範囲内である。実際に、本明細書で提示および説明したものに加えて本発明の各種の変形が当業者に明らかになり、添付請求項の範囲内に当たる。
多数の参考文献が引用されたが、その開示全体は参照して本明細書に組み込まれる。