JP4663018B2 - スパークプラグ用絶縁体及びその製造方法、並びに、スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ用絶縁体及びその製造方法、並びに、スパークプラグ Download PDF

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本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグ、並びに、スパークプラグに用いられるスパークプラグ用絶縁体及びその製造方法に関する。
スパークプラグは、例えば、内燃機関(エンジン)に取付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられるものである。一般的にスパークプラグは、軸孔を有する絶縁体と、当該軸孔の先端側に挿通される中心電極と、軸孔の後端側に挿通される端子電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端部に設けられ、中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備える。そして、中心電極に高電圧が印加されることで、両電極間の火花放電間隙において放電が生じ、混合気へと着火される。
また、スパークプラグを構成する絶縁体は、次のようにして製造される。すなわち、筒状の成形用ラバー型のキャビティ内にアルミナを主成分とする粉状体を充填し、前記成形用ラバー型の径方向から液圧を加えることで前記粉状体を加圧・圧縮し、成形体を得る。そして、得られた成形体を所定の絶縁体形状に切削加工した後、焼成することで絶縁体が得られる。
ところで、得られた絶縁体にクラックが発生していると、機械的強度や耐電圧性能の低下を招いてしまうおそれがある。そこで、絶縁体にクラックが生じているか否かを検査する必要がある。
ここで、クラックの有無を検査する手法としては、絶縁体に対して所定の荷重を加え、絶縁体に破断が生じるか否かを判断するという手法が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。しかしながら、当該手法を用いた場合には、絶縁体に荷重をかけることに伴って、絶縁体の機械的強度が低下してしまうことが懸念される。
これに対して、絶縁体の表面に着色した浸透性検査液を塗布した後、絶縁体表面の洗浄・乾燥を行い、次いで、絶縁体表面に浸透性検査液の浸透(滲み出し)部位が存在するか否かを検査することにより、絶縁体におけるクラックの有無を検査する手法が知られている(例えば、特許文献2等参照)。
特開2007−309918号公報 特開平6−11462号公報
ところが、上記特許文献2の検査手法を用いた場合、クラックが極めて微小なものであると、当該クラックに対して検査液が浸透せず、ひいては検査精度が不十分なものとなってしまうおそれがある。
また、絶縁体の外観品質が低下してしまうことを防止するためには、検査終了後に、浸透性検査液を拭き取ったり、揮発させたりする必要があり、製造効率の低下を招いてしまう。さらに、絶縁体の微細な凹凸等に入り込んだ検査液については、完全に除去することが難しく、時間経過に伴って絶縁体の表面に滲み出てしまい、外観品質が損なわれてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、製造過程において生じ得るクラックの有無について検査精度の向上を図ることで、品質の低下を防止できるスパークプラグ用絶縁体の製造方法、及び、スパークプラグ用絶縁体、並びに、スパークプラグを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグ用絶縁体の製造方法は、所定の絶縁体形状をなす未焼成絶縁体を成形する成形工程と、
前記未焼成絶縁体を焼成する焼成工程とを備えたスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
前記成形工程の後段階、かつ、前記焼成工程の前段階に、クラックを検査する検査工程を設け、
前記検査工程は、
前記未焼成絶縁体の表面に浸透性検査液を塗布する検査液塗布工程と、
前記検査液塗布工程後、前記未焼成絶縁体に付着した前記浸透性検査液を乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程後、前記未焼成絶縁体の表面状態を検査することにより、前記未焼成絶縁体におけるクラックの有無を検査する表面検査工程と
を含むことを特徴とする。
上記構成1によれば、焼成後のスパークプラグ用絶縁体(焼成後絶縁体)に対してではなく、焼成前の未焼成絶縁体に対して浸透性検査液を塗布することによって、クラックの有無が検査される。すなわち、未焼成絶縁体にクラックが存在する場合、当該クラックは焼成工程を経ることでより微小なものとなってしまうのであるが、本構成1によれば、クラックが比較的大きな状態である未焼成絶縁体に対して検査が行われる。従って、焼成後絶縁体を検査対象とする場合と比較して、クラックに対して浸透性検査液がより浸透しやすくなる。そのため、クラックの有無を極めて精度よく検査することができ、結果として、品質の低下を防止できる。
尚、焼成後絶縁体にクラックが発生する要因は、強度が比較的弱い未焼成絶縁体や成形体の時点で、外部から衝撃が加わったり、内部応力が働いたりすること等による。従って、本構成1のように、焼成前の段階においてクラックの有無を検査する構成としたとしても、焼成後絶縁体に生じるであろうクラックの有無を正確に検査することができる。
構成2.本構成のスパークプラグ用絶縁体の製造方法は、上記構成1において、前記浸透性検査液は、前記焼成工程を経ることで焼失するものであることを特徴とする。
上記構成2によれば、浸透性検査液成分が、未焼成絶縁体の焼成によって焼失する。従って、検査終了後において、わざわざ浸透性検査液を洗浄する必要がなく、この点において製造効率の向上を図ることができる。また、焼成工程を経ることにより、未焼成絶縁体の微細な凹凸等に入り込んだ浸透性検査液も焼失することとなるため、焼成後絶縁体に浸透性検査液が残存してしまうことをより確実に防止することができる。その結果、外観品質の向上を図ることができるとともに、浸透性検査液の残存に伴う、焼成後絶縁体の機械的強度や耐電圧性能の低下をより確実に抑制することができる。
構成3.本構成のスパークプラグ用絶縁体の製造方法は、上記構成1又は2において、前記浸透性検査液は、主として顔料及び溶剤から構成されるとともに、
前記顔料は、400℃以下の加熱温度で焼失するものであることを特徴とする。
一般的に、焼成は1000℃以上の高温下で行われる。これに対して、上記構成3によれば、浸透性検査液を構成する顔料が、400℃以下の加熱温度で焼失する。従って、前記顔料は、焼成工程の初期段階で焼失(気化)することとなる。このため、焼成後絶縁体中に顔料が残存してしまうことをより一層確実に抑制することができる。その結果、焼成後絶縁体の機械的強度や耐電圧性能の低下を効果的に防止することができる。
構成4.本構成のスパークプラグ用絶縁体の製造方法は、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記浸透性検査液は、主として顔料及び溶剤から構成されるとともに、
前記溶剤の沸点は100℃以下であることを特徴とする。
上記構成4によれば、前記溶剤の沸点が100℃以下であるため、浸透性検査液の乾燥がより迅速に行われる。このため、乾燥工程を短期化でき、製造効率の更なる向上を図ることができる。
構成5.本構成のスパークプラグ用絶縁体の製造方法は、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記浸透性検査液の溶剤は、有機溶剤であることを特徴とする。
一般的に未焼成絶縁体は、粉状体を圧縮・成形することによって形成され、前記粉状体は、主成分となるアルミナ粉末と、焼結助剤と、バインダとを含んで構成される。ここで、未焼成絶縁体を成形するにあたり、外形を整えるための切削加工が施され得るが、この切削工程において発生した削りくずについては、コスト減や環境保護の観点から再利用することが好ましい。そこで、前記バインダとして、再利用処理に適した水溶性のものを用いることが考えられる。ところが、このように水溶性のバインダを用いた場合、浸透性検査液の溶剤も水性のものであると、浸透性検査液を塗布することで未焼成絶縁体が溶解してしまうおそれがある。
この点、上記構成5によれば、浸透性検査液の溶剤として、有機溶剤が用いられる。このため、バインダとして水溶性のものを用いた場合であっても、検査時に、未焼成絶縁体が溶解してしまうといった事態をより確実に防止することができる。また一方で、絶縁体を構成する粉状体として水溶性バインダを使用することが妨げられないことから、削りくずの再利用を容易に行うことができる。
構成6.本構成のスパークプラグ用絶縁体の製造方法は、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、前記検査工程において不良判定がされた場合には、不良判定がなされた前記未焼成絶縁体を製造した製造ラインについての情報が情報記憶装置に記憶される記憶工程を含むことを特徴とする。
上記構成6によれば、検査工程において不良判定がなされた場合に、不良判定がなされた未焼成絶縁体を製造した製造ラインについての情報が情報記憶装置に記憶されることとなる。このため、当該記憶された情報に基づいて、例えば、不具合の発生しやすい製造ラインを特定することができ、当該ラインについて効果的に改善作業を行うことができる。その結果、生産品質のより一層の向上を図ることができる。
構成7.本構成のスパークプラグ用絶縁体は、請求項1乃至6のいずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴とする。
上記構成7のスパークプラグ用絶縁体は、上記構成1等に記載された製造方法によって製造されるため、クラックによる不具合の防止が図られ、優れた機械的強度や耐電圧性能を発揮することができる。
構成8.本構成のスパークプラグは、請求項7に記載のスパークプラグ用絶縁体を備えることを特徴とする。
上記構成8のスパークプラグは、機械的強度や耐電圧性能に優れたスパークプラグ用絶縁体を有するため、耐久性の向上及び長寿命化を図ることができる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 絶縁碍子の製造方法を説明するためのフローチャートである。 (a)〜(c)は、絶縁碍子の製造方法等を説明するための正面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。なお、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなすスパークプラグ用絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとにより構成されている。さらに、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が平坦に形成されるとともに、絶縁碍子2の先端から突出している。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を燃焼装置(例えば、内燃機関や燃料改質器等)の取付孔に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、略中間部分が曲げ返されて、その先端側側面が中心電極5の先端部と対向する接地電極27が接合されている。当該接地電極27は、外層27A及び内層27Bからなる2層構造となっている。本実施形態において、前記外層27AはNi合金〔例えば、インコネル600やインコネル601(いずれも登録商標)〕によって構成されている。一方、前記内層27Bは、前記Ni合金よりも良熱導電性金属である銅合金又は純銅によって構成されている。また、中心電極5の先端部と、接地電極27の先端側面部との間には、火花放電間隙33が形成されている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えばS17CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)に冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金等からなる接地電極27が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。また、接地電極27の溶接された主体金具3には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
次に、本発明の特徴である絶縁碍子2の製造方法について、図2のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、ステップS1の原料調整工程にて、例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、粉状体を調製する。尚、本実施形態では、前記バインダとして、水溶性のものが用いられる。
そして、ステップS2の圧縮成形工程においては、前記粉状体に対してラバープレス成形を行うことにより、図3(a)に示すように、軸線CL1方向に延びる成形体CPが得られる。次いで、ステップS3の切削加工工程において、得られた前記成形体CPに対し、研削加工が施され、図3(b)に示すように、絶縁碍子2形状の未焼成絶縁体IPが得られる。本実施形態では、ステップS2の「圧縮成形工程」とステップS3の「切削加工工程」とが「成形工程」に相当する。
次に、ステップS4の検査工程において、未焼成絶縁体IPにクラックが発生しているか否かが検査される。具体的には、ステップS41の検査液塗布工程において、図3(c)に示すように、外周面に浸透性検査液が付着されたローラROにより、未焼成絶縁体IPの外周面全域に浸透性検査液が塗布される。次いで、ステップS42の乾燥工程において、浸透性検査液を自然乾燥させる。その後、ステップS43の表面検査工程において、目視により、未焼成絶縁体IPの表面にクラックに起因する浸透性検査液の滲み出しが存在するか否かを検査することで、未焼成絶縁体IPにおけるクラックの有無が検査される。
尚、本実施形態において、前記浸透性検査液は、主として有機顔料(例えば、マダーレーキ)及び有機溶剤(例えば、アセトン)からなるものである。また、有機顔料は、400℃以下の加熱温度で焼失するものであり、有機溶剤は、沸点が100℃以下のものである。
次いで、ステップS5の焼成工程において、未焼成絶縁体IPが焼成炉へ投入・焼成され、絶縁碍子2が得られる。尚、焼成は、1000℃以上の高温(例えば、1500℃)で行われるため、前記浸透性検査液は、焼成の初期段階で焼失することとなる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金を配置したNi合金を鍛造加工して中心電極5を作製する。
そして、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱することにより焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。
そして最後に、接地電極27を屈曲させることで、中心電極5の先端部及び接地電極27の先端部間の前記火花放電間隙33を調整する加工が実施されることで、上述した構成を有するスパークプラグ1が製造される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、焼成後の絶縁碍子2に対してではなく、焼成前の未焼成絶縁体IPに対して浸透性検査液を塗布することによって、クラックの有無が検査される。従って、絶縁碍子2を検査対象とする場合と比較して、クラックに対して浸透性検査液がより浸透しやすくなる。そのため、絶縁碍子2におけるクラックの有無を極めて精度よく検査することができ、結果として、品質の低下を防止できる。
また、本実施形態では、浸透性検査液成分が、未焼成絶縁体IPの焼成によって焼失する。従って、検査終了後において、わざわざ浸透性検査液を洗浄する必要がなく、この点において製造効率の向上を図ることができる。また、焼成工程を経ることにより、未焼成絶縁体IPの微細な凹凸等に入り込んだ浸透性検査液も焼失することとなるため、絶縁碍子2に浸透性検査液が残存してしまうことをより確実に防止することができる。その結果、外観品質の向上を図ることができるとともに、浸透性検査液の残存に伴う、絶縁碍子2の機械的強度や耐電圧性能の低下をより確実に抑制することができる。
特に、本実施形態では、浸透性検査液を構成する顔料が、400℃以下の加熱温度で焼失する。従って、前記顔料は、焼成工程の初期段階で焼失(気化)することとなるため、絶縁碍子2中に顔料が残存してしまうことをより一層確実に抑制することができる。その結果、絶縁碍子2の機械的強度や耐電圧性能の低下を一層効果的に防止することができる。
併せて、有機溶剤の沸点が100℃以下であるため、浸透性検査液の乾燥がより迅速に行われる。このため、乾燥工程を短期化でき、製造効率の更なる向上を図ることができる。
加えて、浸透性検査液の溶剤として有機溶剤が用いられる。このため、検査時に、未焼成絶縁体IPが溶解してしまうといった事態をより確実に防止することができる。また一方で、絶縁碍子2を構成する粉状体として水溶性バインダを使用することが妨げられないことから、切削加工で生じた削りくずの再利用を容易に行うことができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態においては、浸透性検査液を構成する有機顔料としてマダーレーキが、有機溶剤としてアセトンがそれぞれ例示されているが、利用可能な有機顔料や有機溶剤はこれに限定されるものではない。従って、有機顔料としては、例えば、アリザレンレーキ、マダーレーキ、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ジオキサジン顔料、キナクリドン顔料などを用いることができる。また、有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロへキサン、メタノール、パラフィン、ブタノール、IPA(イソプロピルアルコール)、ノルマルプロピルアルコール、TBA(ターシャリーブタノール)、ブタンジオール、エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、DIBK(ジイソブチルケトン)、酢酸エチル、酢酸メチル、乳酸メチル等を用いることができる。
(b)上記実施形態では、ローラROを用いて未焼成絶縁体IPの表面に浸透性検査液が塗布されているが、例えば、浸透性検査液に未焼成絶縁体IPを浸漬させたり、浸透性検査液を未焼成絶縁体IPにスプレー噴射したりすることで、未焼成絶縁体IPに浸透性検査液を塗布することとしてもよい。
(c)上記実施形態では、未焼成絶縁体IPの外周面全域に浸透性検査液を塗布し、検査を行うこととしているが、クラックが発生してしまいやすい後端側胴部10や大径部11に相当する部位や、十分な耐電圧性能を確保することが必要な脚長部13に相当する部位を対象として検査を行うこととしてもよい。
(d)上記実施形態では特に記載していないが、検査工程S4の後段階において、「クラック有り」(不良)と判定された場合に、その「クラック有り」と判定された未焼成絶縁体IPを作製した製造ラインについての情報を情報記憶装置(図示せず)に記憶・蓄積する記憶工程を設けることとしてもよい。この場合には、当該記憶された情報に基づいて、例えば、不具合の発生しやすい製造ラインを特定することができ、当該ラインについて効果的に改善作業を行うことができる。その結果、生産品質のより一層の向上を図ることができる。
(e)上記実施形態では、乾燥工程S42において浸透性検査液を自然乾燥させることとしているが、例えば、所定温度に加熱された恒温槽に未焼成絶縁体IPを投入して、浸透性検査液を乾燥させることとしてもよい。この場合には、乾燥に要する時間を短縮することができ、製造効率のより一層の向上を図ることができる。
(f)上記実施形態では特に言及していないが、中心電極5及び接地電極27のいずれか一方、或いは、双方に貴金属チップを設けることとしてもよい。この場合、火花放電間隙33は、一方の電極5(27)と他方の電極27(5)に設けられた貴金属チップとの間、或いは、両電極5,27に設けられた両貴金属チップの間に形成されることとなる。
(g)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(h)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ
2…絶縁碍子(スパークプラグ用絶縁体)
CP…成形体
IP…未焼成絶縁体

Claims (8)

  1. 所定の絶縁体形状をなす未焼成絶縁体を成形する成形工程と、
    前記未焼成絶縁体を焼成する焼成工程とを備えたスパークプラグ用絶縁体の製造方法であって、
    前記成形工程の後段階、かつ、前記焼成工程の前段階に、クラックを検査する検査工程を設け、
    前記検査工程は、
    前記未焼成絶縁体の表面に浸透性検査液を塗布する検査液塗布工程と、
    前記検査液塗布工程後、前記未焼成絶縁体に付着した前記浸透性検査液を乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥工程後、前記未焼成絶縁体の表面状態を検査することにより、前記未焼成絶縁体におけるクラックの有無を検査する表面検査工程と
    を含むことを特徴とするスパークプラグ用絶縁体の製造方法。
  2. 前記浸透性検査液は、前記焼成工程を経ることで焼失するものであることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法。
  3. 前記浸透性検査液は、主として顔料及び溶剤から構成されるとともに、
    前記顔料は、400℃以下の加熱温度で焼失するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法。
  4. 前記浸透性検査液は、主として顔料及び溶剤から構成されるとともに、
    前記溶剤の沸点は100℃以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法。
  5. 前記浸透性検査液の溶剤は、有機溶剤であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法。
  6. 前記検査工程において不良判定がされた場合には、不良判定がなされた前記未焼成絶縁体を製造した製造ラインについての情報が情報記憶装置に記憶される記憶工程を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスパークプラグ用絶縁体の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたスパークプラグ用絶縁体。
  8. 請求項7に記載のスパークプラグ用絶縁体を備えたスパークプラグ。
JP2009040074A 2009-02-24 2009-02-24 スパークプラグ用絶縁体及びその製造方法、並びに、スパークプラグ Active JP4663018B2 (ja)

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