JP4662646B2 - 組立式キャビネット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、必要に応じて引出しを配設できる棚板枠を具備する分解組立可能な組立式キャビネットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、簡易組立可能な棚としては様々な形態のものがある。
【0003】
すなわち、壁掛け式のフレームに棚面となるプレートを複数段適宜間隔で取付けるタイプのものから、木製の所謂カラーボックス、また金属製の本棚タイプ、いわゆるスチール棚などが知られており、また、扉や引出し付のキャビネットタイプのものがある。
これらは、ほとんど特殊工具などを必要とせず、付属の金具や工具、もしくは、一般家庭にも通常備えられているドライバなどを利用して、だれでも容易に組立て可能となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の組立可能な棚やキャビネットは、以下に示す課題が残されていた。
【0005】
すなわち、棚の場合、例えば多数の小物などを載置する場合は別途容器に収納して載置しなければ、棚面プレート上でばらばらに散在した状態となり、また、何かの拍子に落下したりするおそれがある。かかる不具合は、棚面プレート上に引出しを設けることで解消されると考えられるが、上記した従来の構成では引出しを後から組み込むことが難しい。
【0006】
また、引出し付きのキャビネットを利用することも考えられるが、必ずしも、収める物品全てが引出しを必要とするとは限らないし、いざ棚として利用しようとして引出しを取り除くと、そのときは一段あたりの棚の高さが低くなりがちで、棚としての用途には不適切な場合が多い。しかも、取出した引出しの保管に苦慮することになる。
【0007】
また、棚にしても引出し付のキャビネットにしても、金属製のものは、その製造工程において複雑な曲げ加工が必要となるので金型も複雑な高価なものとなってしまう。そして、切断時の材料ロスが多いという問題がある。
【0008】
また、金属製品は、重量があって取り扱いにくく、また、永年使用しているうちに錆びが発生してしまうという問題もあった。
【0009】
そこで、市場からは、容易に組立・分解が可能であって、棚としても引出し付きキャビネットとしても自由に設定が可能であり、なおかつ安価で丈夫なキャビネットが望まれている。
【0010】
本発明は、上記課題を解決することのできる棚板枠及び同棚板枠を具備する組立式キャビネットを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、板と底板と左右側板と背面板と棚板枠を具備する棚板とからなり、前記左右側板を、前記棚板枠の左右一対の取付用側板を着脱自在に取付ける外枠とした分解・組立可能な組立式キャビネットであって、前記棚板枠は、外枠に着脱自在とした左右一対の取付用側板を具備するとともに、両取付用側板の間に物品載置面をなす棚面プレートを取付可能とし、かつ前記取付用側板の内側面に引出し案内手段を設けて引出しを配設可能としており、しかも、前記引出しの側面後側部に、前記棚板枠に設けたレール部上を転動する前・後ローラを取付ける一方、前記棚板枠の左右一対の前記取付用側板の上端縁を内側に折り返して前記前・後ローラをガイドするガイド用フランジを形成し、さらに、前記取付用側板の前側位置に前ローラに当接するストッパピンを設けるとともに、前記ガイド用フランジに後ローラ嵌入用切欠部を形成し、前記引出しの最大引き出し時に、後ローラが後ローラ嵌入用切欠部に嵌入して、前記引出しを下方傾斜姿勢で保持しながら脱落を防止した。
【0012】
また、請求項2記載の本発明では、複数の棚板枠を、適宜間隔で取付可能とした。
【0013】
また、請求項3記載の本発明では、前記天板と前記底板と前記左右側板と前記背面板と前記棚板枠とが、押出し形材及び平板を組み合わせて構成したパネル構造であることとした。
【0014】
また、請求項4記載の本発明では、前記引出し案内手段は、少なくともレール部を具備することとした。
【0015】
また、請求項5記載の本発明では、長手方向の任意の位置に、レール部を具備する仕切板を取付け可能とし、一つの棚板につき複数の引出しを選択的に取付けられるようにした。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明は、外枠に着脱自在とした左右一対の取付用側板を具備するとともに、両取付用側板の間に物品載置面をなす棚面プレートを取付可能とした棚板枠であって、前記取付用側板の内側面に引出し案内手段を設け、必要に応じて引出しを配設可能としたものである。
【0022】
すなわち、分解組立が容易で、なおかつ通常の棚としても、必要に応じて引出しとしての利用もできる棚板枠を提供するものである。
【0023】
かかる棚板枠は、外枠に着脱自在な構成としており、ここで外枠という概念は、壁体などであってもよいし、専用の取付部材であってもよいし、あるいはキャビネットなどを構成するプレートなどであってもよい。そして、外枠に対して、複数の棚板枠を適宜間隔で取付けることができるようにすることもでき、複数段の棚、引出しとして使用することができる。
【0024】
棚板枠に設ける引出し案内手段は、少なくともレール部を具備することが好ましい。すなわち、引出しを取付けた際に、引出しを円滑に引出せるようにするためである。
【0025】
また、上記引出し案内手段の一つとして、必要に応じて配設した引出しを案内する案内ローラを具備する構成としてもよい。望ましくは、両者を具備する構成として、引出しの引き出し動作をより円滑に行えるようにするとよい。
【0026】
このとき、引出しには、レール部に対応するローラを設けることができる。そして、そのローラは、レールの断面形状に相応する形状としておくとともに、複数個設けておくことで、直進性を向上させてより円滑な引出し動作が可能となる。
【0027】
また、棚板枠は前後左右のフレームから矩形状に構成されており、長手方向の任意の位置に、レール部を具備する仕切板を取付け可能とし、一つの棚板につき複数の引出しを選択的に取付けられるようにすることもできる。
【0028】
かかる構成とすれば、一段の棚面プレート上に複数の引出しを設けたり、あるいは、引出しと棚面とを一緒に設けたり、棚面や引出しの幅を自由に設定することが可能となって、設計の自由度が大きく向上する。
【0029】
また、一段あたりの棚の高さも自由に設定でき、様々な収納品に対応することができるとともに、引出しを取付けた際に、引出しの高さよりも棚の高さが大きければ、引出し内に収容した物品を外部(例えば前方)からも視認できる。
【0030】
さらに、上記棚板枠にストッパ機構を設け、引出しを配設した際の最大引き出し時において、引出しを下方傾斜姿勢で保持しながら脱落を防止することもできる。
【0031】
したがって、円滑な引出し動作によって勢いよく引出されても、引出しの落下が防止できるとともに、引出しは下方傾斜姿勢で保持されるので、内収容物の出し入れが容易となる。
【0032】
また、上記してきた棚板枠を、外枠を有するキャビネットに適用し、全体を分解・組立可能な構成とすることもできる。
【0033】
すなわち、天板と底板と左右側板と背面板とに加え、上記してきた棚板枠を具備する棚板とから構成するもので、前記左右側板を、前記棚板枠の左右一対の取付用側板を着脱自在に取付ける外枠として、左右側板に棚板枠を着脱自在に取付けるものである。
【0034】
かかる構成により、棚、引出し、両者を具備する分解・組立可能なキャビネットとして用いることができる。
【0035】
複数の棚板枠は、左右側板に適宜間隔で取付可能とすることが望ましく、多段の棚部や引出し部を有するキャビネットとして、収容量を増加させるとともに、物品ごとの収容場所を変えたりするなど、使い勝手を良好にすることができる。
【0036】
また、前述したように、キャビネットとする場合であっても、上記棚板枠に配設する引出しの側面部に、棚板枠に設けたレール部上を転動するローラを取付けるとよい。そして、ローラも複数個配設することが好ましい。
【0037】
また、上記天板と底板と左右側板と背面板と棚板枠とは、押出し形材及び平板を組み合わせて構成したパネル構造にすることができる。なお、材料としては、錆びなどの腐食のおそれもなく、かつ軽量化できるアルミ合金や合成樹脂などを好適に用いるができる。
【0038】
かかる構成であれば、輸送、梱包が容易で、分解したときはコンパクトとなって収納場所も容易に確保できる。しかも、製造上、複雑な曲げ加工用金型などが不要となり、コストダウンを図ることができる。
【0039】
ここで、上記引出しの構成をより具体的に説明すると、本キャビネットに用いる引出しは、その側面後側部に、棚板枠に設けたレール部上を転動する前・後ローラを取付ける一方、棚板枠の左右一対の取付用側板の上端縁を内側に折り返して前記前・後ローラをガイドするガイド用フランジを形成し、さらに、取付用側板の前側位置に前ローラに当接するストッパピンを設けるとともに、前記ガイド用フランジに後ローラ嵌入用切欠部を形成し、引出しの最大引き出し時に、後ローラが後ローラ嵌入用切欠部に嵌入する構成とすることができる。
【0040】
かかる構成により、前述したように引出しを下方傾斜姿勢で保持しながら脱落を防止することが確実に行える。しかも、特に構成が複雑となることもない。
【0041】
以上説明してきたように、本実施形態によれば、棚としてのみの利用だけではなく、引出し付きとした構成にも簡単に行え、設計の自由度も高い分解・組立可能なキャビネットを安価にて提供することが可能となる。
【0042】
また、かかるキャビネットは、一般の家屋や事務所内、あるいは物置内に設置して活用することができるが、例えばトラック荷台などの移動する場所に設けることもでき、移動先で使用する作業用の物品や、工事用の工具、部品、その他様々な物品を整理して収納することができ、紛失のおそれや、収納個所が不明となって探す時間をとられてしまうなどのロスも防止でき、作業性が向上する。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0044】
図1は本実施例に係る組立式キャビネットの斜視図、図2は同組立式キャビネットの正面図、図3は引出し付きとした場合の斜視図、図4は同側面視による説明図、図5は同分解斜視図である。
【0045】
図1及び図2に示すように、本実施例に係る組立式キャビネット(以下「キャビネット」とする)Aは、各々アルミ合金からなる天板1と底板2と左右側板3,3と背面板4と、棚板となる棚板枠5とから構成しており、棚板枠5に設けた左右一対の取付用側板51,51を、前記左右側板3,3に着脱自在に取付け可能とし、これらを分解組立可能としている。
【0046】
図中、Qは棚空間であり、天板1と最上段の棚板枠5、もしくは上下に隣接する棚板枠5,5同士、もしくは最下段の棚板枠5と底板2との間に形成され、同棚空間Q内に種々の物品aを収納載置することができる(図3参照)。
【0047】
本キャビネットAは、図3及び図4に示すように、棚空間Q内に引出し7を配設し、棚空間Q及び引出し7の両者を具備する分解・組立可能なキャビネットAとして使用可能としたことに特徴がある。
【0048】
すなわち、図5に示すように、天板1と底板2と左右側板3,3と背面板4と、棚板枠5などの各パーツを、皿ねじやビスなどの締結金具bにより簡単に組立・分解することができる。図中、cは各パーツに設けたビス孔、31は左右側板3,3の内側面に取付けた棚板枠連結用フレーム、32は引出し7に設けた後述するロック部79の嵌入孔33を長手方向に多数形成した前側縦フレーム、34は背面板4と連結する後側縦フレームである。
【0049】
そのために、棚板枠5を、図6及び図7に示すように、矩形チャンネルもしくは矩形筒状のフレーム52,53,54,55と、正面視左右のフレーム54,55に立設した左右一対の前記取付用側板51,51と、前記左右の取付用側板51,51の間に取付可能とした物品載置面をなす棚面プレート57とから構成し、同棚面プレート57を配設した状態では複数段の棚部を具備するキャビネットAとして使用できるようにするとともに、前記取付用側板51,51の内側面に引出し案内手段8を設け、必要に応じて引出し7を配設して、しかも、円滑な引出し動作を可能としている。
【0050】
なお、図6は棚板枠5の平面図、図7は図6のI−I線における端面図であり、図中の5a,5aは棚面プレート57の後縁に、所定間隔をあけて配設した緩衝材であり(図5参照)、引出し7を配設して押し込んだ際の緩衝機能を果たすものである。
【0051】
すなわち、本実施例に係る棚板枠5は、通常の棚としても、必要に応じて引出し7の利用もできる構造としているもので、なおかつ、図5で示したように分解組立も容易となっている。本実施例では、棚板枠5は内側から左右側板3,3に連結するようにしているので、左右側板3 ,3の外側面からは締結金具bは見えず、外観的に美観を損なわないものとなっている。
【0052】
また、棚板枠5を構成する左右のフレーム54,55及びこれにそれぞれ連設した取付用側板51は、本実施例では押出し一体成形としている。したがって、曲げ加工などを必要とせず、製造工程が簡略化されている。
【0053】
なお、本実施例では棚板枠5を、天板1と底板2と左右側板3,3と背面板4とを具備する箱状のキャビネットAに適用した例としているが、棚板枠5を、壁掛け専用部材(図示せず)などに取付けるようにした形態で実施することも可能である。
【0054】
棚板枠5に設けた引出し案内手段8としては、図7に示すように、具体的にはレール部81を具備する構成としており、同レール部81上を引出し7がスライド自在となるように配設している。
【0055】
すなわち、レール部81は、図8に示すように、棚板枠5の取付用側板51の内側面にレール形成板81aを突設するとともに、同形成板81aの上面に断面視略V字状の山形突条82を形成し、一方、引出し7の側面部には、図10に示すように、断面視略V字形の溝部を形成した前・後ローラ71,72を設け、同前・後ローラ71,72を山形突条82に転動自在に係合している。
【0056】
かかる構成により、引出し7は、脱落することなく、安定した円滑なスライド動作がなされる。しかも、引出し7には前・後ローラ71,72と片側に二つのローラ71,72を配設しているので安定性をより向上させることができる。
【0057】
なお、山形突条82は、図9(a)に示すように、取付用側板51の上端縁を内側に折り返したフランジ部51aをレール形成板として利用し、同フランジ部51aの下面にも同様に形成して、上下対峙して設けた構造としてもよい。
【0058】
さらに、山形突条82の形状としては、図8に示したものばかりでなく、例えば、図9(b)に示すように、断面視逆U字状の蒲鉾形としてもよい。そして、この場合でも、図9(c)に示すように、上下に設けることもできる。
【0059】
また、図9(d),(e)では、レール部81を突条とせずに溝としたものを示している。そして、この場合は、引出し7の前・後ローラ71,72の周面に見合った突条を形成して脱落を防止することははいうまでもない。
【0060】
さらに、本実施例では、上記引出し案内手段8の一つとして、図6に示すように、棚面プレート57の面上に臨むように案内ローラ83を配設している。
【0061】
すなわち、図6及び図7に示すように、棚板枠5の前側のフレーム52及び後側のフレーム53の間に、左右方向に所定の間隔をあけて棚面プレート57の補強用フレーム58,58を配設するとともに、同フレーム58,58の前側部に、それぞれ案内ローラ83を回転自在に軸支して、略上半部を棚面プレート57上にのぞかせている。
【0062】
次いで、図10を参照しながら引出し7の構成について簡単に説明する。図10(a)は引出し7の平面図、図10(b)は同正面図、図10(c)は同側面図、図10(d)は図10(a)のI−I線における端面図である。
【0063】
図示するように、引出し7は、前壁73、左右側壁74,74、背壁75、底面プレート76から構成されており、前壁73には取っ手部77を設けている。
【0064】
そして、同取っ手部77のレバー78と左右側壁74,74に設けたロック部79とを図示しない周知の連動機構を介して連動させ、レバー78を掴んだときにロック部79が後退して引出し7の引き出し動作が行えるようにして、何らかの拍子に、引出し7が勝手に開いたりすることのないようにしている。なお、ロック部79が突出した状態では、左右側板3,3に形成したロック嵌入孔33に嵌入することになる(図5参照)。
【0065】
左右側壁74, 74は、上下にチャンネル形のフレーム部74aを形成し、その間に凹部74bを形成した断面形状となるように押出し一体成形により形成し、剛性を高めている(図10(d))。そして、前記凹部74bの前後位置に、前記した前・後ローラ71,72及びロック部79を配設している。
【0066】
図11に、棚板枠5に引出し7を配設した状態を示している。なお、図11(a)は平面視による説明図、図11(b)は図11(a)のI−I線における端面図である。
【0067】
図示するように、引出し7は、前・後ローラ71,72がレール部81の山形突条82に転動自在に係合し、引出し7の底面プレート76と棚板枠5の棚面プレート57とには若干の間隙が形成され、なおかつ案内ローラ83により支持されることになるので、底面プレート76と棚面プレート57との間における摩擦などによる摺動不良のおそれはなく、円滑なスライドが可能となっている。
【0068】
さらに、本実施例では、上記棚板枠5にストッパ機構Sを設け、引出し7を配設した際の最大引き出し時において、引出し7を下方傾斜姿勢で保持しながら脱落を防止している。
【0069】
すなわち、図6で示したように、取付用側板51のフランジ部51aの前側位置に、引出し7の後ローラ72が嵌入可能な切欠部S1を形成するとともに、取付用側板51の前記切欠部S1の前方をなす位置にストッパピンS2を内方に向けて突設している。
【0070】
かかる構成により、図12(a)〜(e)に示すように、引出し7を引き出した際(図12(a))、先ず、ストッパピンS2に前ローラ71が当接し、自重で引出し7が下方へ傾斜すると、後ローラ72が前記切欠部S1に嵌入してロックされ(図12(b))、引出し7の落下が防止できるとともに、引出し7を下方傾斜姿勢で保持することができる。したがって、引出し7を勢いよく引き出しても落下するおそれがなく安全であり、しかも内収容物の出し入れも容易となる。
【0071】
なお、図12(c)〜(e)に示すように、引出し7の前側を上方へ持ち上げるようにして、前ローラ71をストッパピンS2から乗り越えさせるとともに、後ローラ72を切欠部S1から脱出させれば、全体を前方に引き出すことも容易に行える。
【0072】
ところで、図4に示したように、一段の棚部には複数(本実施例においては2個)の引出し7を配設することができる。
【0073】
すなわち、棚板枠5の長手方向任意の位置に、前述したレール部81を設けた仕切板9を取付け、一つの棚板枠5につき複数の引出し7を選択的に取付けられるようにしている。
【0074】
かかる構成とすれば、一段の棚面プレート57上に複数の引出し7を設けたり、あるいは、引出し7と棚部とを同一段内に設けたり、棚部や引出し7の幅を自由に設定することが可能となって、設計の自由度が大きく向上する。また、仕切板9の高さを変更すれば、一段あたりの棚の高さも自由に設定でき、様々な収納品に対応することができる。
【0075】
図13(a)〜(c)に棚部と引出し7とを組み合わせた一例を示す。
【0076】
図示するように、引出し7を取付けた際に、引出し7の高さよりも棚空間Qの高さが大きければ、引出し7内に収容した様々な物品aを外部(例えば前方)からも視認することができ、内収容物の識別がキャビネットAの外からも可能となる。
【0077】
ここで、上記仕切板9についてさらに説明を加えると、仕切板9は、図14(a)に示すように、棚板枠5の取付用側板51と同一形状のものを背中合わせに接合して構成することもできるし、図14(b)に示すように一体形状とすることもできる。一体形状の場合は押出し成形により行うことが望ましい。なお、言うまでもないが、仕切板9に設けたレール部81の山形突条82の形状についても、前述したように変更することは自由である。
【0078】
また、かかる仕切板9の取付けは、図15に示すように、前後の端部にそれぞれ取付用切欠部91を形成し、同切欠部91を棚板枠5の前後のフレーム52,53に嵌合して、皿ねじなどの締結金具を用いて連結固定するようにしている。
【0079】
なお、図中、dはフレーム52(53)の内面に一体形成したタップ孔形成部であり、本実施例に用いられる押出し一体成形された各フレーム類に設けられている。
【0080】
かかるタップ孔形成部dに前記締結金具bなどを羅合することにより、図5で示したように、キャビネットAの組立てを容易に行うことができる。
【0081】
以上説明してきたように、本実施例におけるキャビネットAは、全体を分解・組立可能な構成とし、しかも、部材として軽量で錆びることのないアルミ合金を使用しているので、棚のみの仕様、引出し7付の仕様、さらには両者が混在した仕様であっても、誰でも自分の好みの形状に容易にカスタマイズすることができ、なおかつ取扱性、耐久性も従来の組立式キャビネットに比べて著しく向上している。
【0082】
また、輸送、梱包が容易で、分解したときはコンパクトとなって収納場所も容易に確保できる。しかも、製造上、複雑な曲げ加工用金型などが不要となり、コストダウンを図ることができる。
【0083】
また、本実施例に係るキャビネットAは、一般の家屋や事務所内、あるいは物置内に設置して活用することができるが、例えばトラック荷台などのように、移動物体に設けることもでき、移動先で使用する作業用の物品や、工事用の工具、部品、その他様々な物品を整理して収納することができる。したがって、必要な物品の紛失のおそれや、収納個所が不明となって探す時間をとられてしまうなどのロスも防止でき、作業性が著しく向上する。
【0084】
なお、棚板枠5は、外枠に着脱自在な構成としているものであって、上記してきたような箱型のキャビネットAにのみ適用されるものではない。
【0085】
すなわち、外枠という概念は、壁体などであってもよいし、専用の取付部材であってもよく、外枠に取付けた状態で、棚として利用でき、かつ引出し7を配設して利用できるのであればよい。
【0086】
【発明の効果】
本発明は上記のような形態で実施されるもので、以下の効果を奏する。
【0087】
(1)請求項1記載の本発明によれば、箱型のキャビネットスタイルとなり、なおかつ分解・組立が容易で、しかも、棚部と引出しの両者を自由にレイアウトして使用することができる。また、安全に使用できるとともに、引出し内からの出し入れも容易となる。
【0088】
(2)請求項2記載の本発明では、複数の棚部、引出しを設定することができ、利用状況に応じた大きさのキャビネットを使用できる。
【0089】
(3)請求項3記載の本発明では、製造容易となってコストダウンが図れる。
【0090】
(4)請求項4記載の本発明では、引出しを配設した場合に引き出し動作を行いやすい。
【0091】
(5)請求項5記載の本発明では、棚部と引出しを同時に使用することができるとともに、両者のレイアウトも自由に設定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る組立式キャビネットの斜視図である。
【図2】同組立式キャビネットの正面図である。
【図3】引出し付きとした場合の斜視図である。
【図4】同側面視による説明図である。
【図5】同分解斜視図である。
【図6】棚板枠の平面図である。
【図7】図6のI−I線における端面図である。
【図8】レール部の説明図である。
【図9】レール部の他の形態を示す説明図である。
【図10】引出しの説明図である。
【図11】棚板枠に引出しを配設した状態を示す説明図である。
【図12】引出しの引き出し動作を示す説明図である。
【図13】キャビネットにおける棚部と引出しの組み合わせ例を示す説明図である。
【図14】仕切板の説明図である。
【図15】同仕切板の取付構造を示す説明図である。
【符号の説明】
A 組立式キャビネット
5 棚板枠
6 棚板
7 引出し
8 引出し案内手段
51 取付用側板
57 棚面プレート
Claims (5)
- 天板と底板と左右側板と背面板と棚板枠を具備する棚板とからなり、前記左右側板を、前記棚板枠の左右一対の取付用側板を着脱自在に取付ける外枠とした分解・組立可能な組立式キャビネットであって、
前記棚板枠は、
外枠に着脱自在とした左右一対の取付用側板を具備するとともに、両取付用側板の間に物品載置面をなす棚面プレートを取付可能とし、かつ前記取付用側板の内側面に引出し案内手段を設けて引出しを配設可能としており、
しかも、前記引出しの側面後側部に、前記棚板枠に設けたレール部上を転動する前・後ローラを取付ける一方、前記棚板枠の左右一対の前記取付用側板の上端縁を内側に折り返して前記前・後ローラをガイドするガイド用フランジを形成し、さらに、前記取付用側板の前側位置に前ローラに当接するストッパピンを設けるとともに、前記ガイド用フランジに後ローラ嵌入用切欠部を形成し、前記引出しの最大引き出し時に、後ローラが後ローラ嵌入用切欠部に嵌入して、前記引出しを下方傾斜姿勢で保持しながら脱落を防止したことを特徴とする組立式キャビネット。 - 複数の棚板枠を、適宜間隔で取付可能としたことを特徴とする請求項1記載の組立式キャビネット。
- 前記天板と前記底板と前記左右側板と前記背面板と前記棚板枠とが、押出し形材及び平板を組み合わせて構成したパネル構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の組立式キャビネット。
- 前記引出し案内手段は、少なくともレール部を具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組立式キャビネット。
- 長手方向の任意の位置に、レール部を具備する仕切板を取付け可能とし、一つの棚板につき複数の引出しを選択的に取付けられるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の組立式キャビネット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001045246A JP4662646B2 (ja) | 2001-02-21 | 2001-02-21 | 組立式キャビネット |
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