JP4660728B2 - 樹脂シート製鶏卵包装用容器 - Google Patents

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本発明は、合成樹脂シート素材を膨出させて、鶏卵を4個なり6個なり8個なり10個なり、その他所要個数を収容させて移送するための鶏卵収容凹部を備えた鶏卵包装用容器に関するものである。
この種の樹脂シート素材製の鶏卵包装用の容器は、地球環境衛生上の観点から主としてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂のシート素材を使用して、周知の圧空成形手段や真空成形手段等の加熱成形手段によって膨出成形された容器であって、このような鶏卵包装用容器を用いて、その容器内に鶏卵を収容させ適宜の手段で封緘した後、販売に供されている。このことは広く一般に周知である。
また、この種の鶏卵包装用容器にあっては、容器本体とその上面を覆う蓋体とが、その一側のヒンジ部を介して一体的に形成されていて、容器本体に対して蓋体をヒンジ部から折り曲げて容器本体の上に重ね合わせることによって鶏卵の上方を覆わせる方式のものが一般的に周知である。
而して、この種形態の鶏卵包装用容器の封緘手段としては、容器本体の上に蓋体を覆い被せて、遊端側に突出形成させてある重ね合わせ接合縁の外周面に、片面に接着剤を塗布した粘着テープを横U字形に折り曲げて接着させる封緘手段が広く採用されている。このことも一般に周知である。
このように、この種の鶏卵包装用容器は、特段の不都合もなく大量に生産され、大量に使用されている。然しながら、この種の鶏卵包装用容器にあっては、多くの場合、蓋体の天板の外表面に広い平坦な面積を形成し、この面をラベル貼付面として、鶏卵の商品名や商品の写真図形、生産者、生産日或いは賞味期限その他の宣伝事項や必要事項を印刷したラベル紙を接着剤によって接着させている。このことも一般に周知されている。しかしながら、鶏卵の購買者は、収容鶏卵の取り出し後に、容器とラベルとを分別廃棄する必要性から、容器のラベルを剥がなければならないという手数を求められている。
他方、鶏卵包装用容器内に鶏卵を収容して市場へ出荷した後の流通期間内か、或いは、購買者が購入した後の開封時までの間にか、容器内に蠅や小虫類が入り込むことがあり、購買者に多大な不快感と不衛生感を与えることがある。
そこで、このような事態の発生を根本的に解決することができ、前記のラベル剥離という手数も不用なものとする手段として、本出願人は、容器の外周面全体を、一般にラップフィルムと呼ばれている食品包装用フィルムのような透明なシュリンクフィルムで包装する手段について提案している。このことは後記特許文献1に見られるように、現在では既に公知になっている。
この鶏卵包装手段は、鶏卵の包装には大変有効な手段であって、包装容器内に蠅や小虫類が入り込むことを確実に防止でき、併せて、容器からラベルを剥がなければならないという手数を一切必要としないため、従来容器の課題を悉く解決できる好ましい鶏卵包装手段として既に実施されている。
他方で、このような鶏卵包装手段は、卵が完全に覆われている形態の鶏卵容器を、更にシュリンク包装することになるので必要性に乏しいとの見解もある。このことは特許文献2に見られる見解であるが、この文献中では前記特許文献1に見られる前記二つの課題については、一切顧慮されていない。
而して、後者の特許文献2には、シュリンクフィルム包装するための鶏卵包装用の容器として、同文献の図5及び図7を転記して示した別紙添付の図1及び図1に見られるように、容器本体02の両側に左右一対の蓋03,03を連設形成し、その長手方向の両端部分に折り曲げ自在とした突出部07,07を形成し、この突出部07,07に形成した係合部09,09を容器本体02に形成した係合部011,011と係合させることによって、蓋03,03が上方に向かって折り返された状態に保つようにし、卵Eの外側斜め上の部分だけを蓋03,03によって覆う構造とした容器が示されている。
特開2007−39045号公報 特開2008−1376号公報
このように、特許文献2に記載の鶏卵容器にあっては、容器本体02に連接した一対の蓋03,03を、卵Eの外側上部だけを覆う構造としたものであって、前記図1及び図1のように、包装鶏卵Eの上部が解放されたままで全く保護されていない。そのため、この容器全体をシュリンク包装しても、輸送のためのダンボール箱への積み重ね梱包時や販売のための積み重ね展示時に、積み上げた上部鶏卵の荷重が、直接下部鶏卵にかかることとなるため破損のリスクが大幅に拡大することとなり、決して好ましい形態の鶏卵容器とは言えないものとなっている。
そこで、本発明は、このような従来の鶏卵包装容器が有していた課題の解決を図るために、容器本体の構造を、四つの鶏卵収容個別凹部に囲まれた中心部に上方に向かって突出する支柱を備えているものとするとともに、容器本体の長手方向に沿った両側縁部から、それぞれのヒンジ部を介して上方に向けて折り曲げ自在に一体的に連設させた二つの覆い体を備えているものとし、その形態を、折り曲げ姿勢において、容器本体における支柱の上方に至る長さを備えているものとし、これらの両方の覆い体を支柱の上面と嵌合させるか、支柱の上面で支持させた状態として両覆い体どうしを互いに連結させて、鶏卵の上方を覆うようにしておくことによって、積み重ね梱包時や、積み重ね展示時における上部容器の鶏卵の荷重を下部容器の支柱によって直接受け止めさせる構造とした鶏卵包装用容器を提供しようとするものである。
該目的を達成するために講じた本発明にいう樹脂シート製鶏卵包装用容器の請求項1に記載の構成を、実施例において使用した符号を用いて説明すると、鶏卵を個々に収容する個別凹部11を備えた容器本体1と、該容器本体1の対向する両側縁部15,15のそれぞれからヒンジ部4,4を介して折り曲げ自在に一体的に連設形成された二つの覆い体2,3とを備え、容器本体1が、四つの鶏卵収容個別凹部11…に囲まれた中心部に上方に向かって突出する支柱12と、その接当する箇所に、該天面13に形成された凹形・凸形または貫通穴とした嵌合部14とを備え、二つの覆い体2,3が、それぞれの遊端側近く部分22,32に、閉蓋姿勢において、前記支柱12の接当する箇所に、該天面13に形成された前記嵌合部14と直接的に嵌合する凸部・凹部または貫通穴形の係合部24か、または相手側係合部24を介して間接的に嵌合する係合部34を備えている構成としたものである。
以上のように、本発明にいう樹脂シート製鶏卵包装用容器は、容器本体の長手方向に沿った両側縁部から対向して、鶏卵の上部を覆う覆い体をそれぞれ折り曲げ自在に一体的に連設させてあるものとし、これら二つの覆い体の形態を、折り曲げ姿勢において、容器本体における支柱の天面に形成してある凹形・凸形または貫通穴とした嵌合部と、支柱の上面において直接嵌合するか、他方の覆い体の係合部を介して嵌合するかの作用をする凸部・凹部または貫通穴形の係合部を備えているものとし、鶏卵包装姿勢において、これらの嵌合部と係合部と嵌合させ、更にその上に他方の係合部を係合させることによって、対向する二つの覆い体を容器本体と固定させ、このようにした容器全体のシュリンク包装時に、容器とシュリンク包装との間に必要な事項を印刷したラベル等を介在させておくことにより、開封と同時に容器とラベルとの分別廃棄が直ちにできるようにしたものであり、接着剤等が残存しない綺麗な状態の容器を、リユースまたはリサイクル用等の再利用素材として廃棄でき、開封時までの間に容器内への小虫類の入り込み余地のない衛生的な鶏卵の提供ができる。同時に、梱包箱内への積み重ねや、販売展示時の積み重ね時に、上部容器の鶏卵の荷重を下部容器の支柱で直接受け止めさせることにより破卵の極めて少ない包装鶏卵を市場に提供できるという顕著な効果を有している。このように、積層時における上部容器の荷重を下部容器の支柱で受け止めさせることができるので、シュリンク包装用のフィルムとしては極めて薄いものでも充分に機能するという効果をも同時に有するものである。
本発明は、上記構成としたものであるから、その実施に当たっては、容器本体1に形成してある鶏卵収容用の個別凹部11が、鶏卵のほぼ下半部のみを収容する深さに形成してあるものであっても、鶏卵の全部を収容するに足る深さに形成してあるものであっても実施することができるものである。
また、容器本体1の両側に形成してある二つの覆い体2,3の容器本体1に対する係合または係止手段としては、凸形・凹形または貫通穴形としたもののみならず、分銅形やTの字形としてスライド係止するようにしたもの等、一般に知られた適宜の係合または係止可能な構造としたものであればよい。
本発明にいう鶏卵内装容器のシュリンク包装手段としては、防虫の観点からは全周面を密閉状態に包装するのが好ましいが、容器の周方向にバンド状に包装してあるものとして実施することもできるものである。
以下本発明の実施例について図面に基づいて説明する。図1乃至図8は、本発明の第1実施例を示した図であって、図1は開蓋状態の平面図、図2は図1の正面図、図3は図1の右側面図、図4は図1の斜視図、図5は閉蓋状態の平面図、図6は図5の正面図、図7は図5の右側面図、図8は図5の斜視図である。
該実施例に示した樹脂シート素材製の鶏卵包装用容器は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で形成されたシート素材を使用して、周知の圧空成形手段と真空成形手段とを両用した周知の金型成形手段によって加熱膨出させた容器である。
而して、該実施例に示した容器は、容器本体1が、図1において上下方向に2段、左右方向に3列、合計6個の、鶏卵の下半部を収容させる鶏卵収容凹部11,11を備えた鶏卵包装用容器であって、これらの各鶏卵収容凹部11,11内に鶏卵を個別に収容させて封緘した後、シュリンク包装して販売に供される容器である。
該容器は、同図1において、容器本体1の上下に対向する側縁部15,15に形成したヒンジ部4,4を介して折り曲げ自在に一体的に連設形成した二つの覆い体2,3を備えていて、これらの覆い体2,3で容器本体1に収容した鶏卵の外側と上面とを覆う形状としたものである。
該実施例の容器本体1は、四つの前記鶏卵収容個別凹部11…に囲まれた中心部に、図2,図3に示したように、容器本体1の外周面から上方に向かって突出している支柱12を、該実施例の容器では2本備えていて、それぞれの天面13に凹形に窪んだ円形の嵌合部14を備えたものとしてある。
また、前記二つの覆い体2,3は、平板状に形成した天板部21,31を有していて、その遊端側近く部分22,32で、図5〜8に示した閉蓋姿勢において、容器本体1の二つの支柱12,12の天面13,13と接当する箇所に、一方の覆い体2は、前記支柱天面の凹形嵌合部14と嵌合する凸部形の嵌合体24を備え、他方の覆い体3は、該凸部形の嵌合体24に嵌合する凸部形の嵌合体34を備えている構造としたものである。なお、図中に示した符号5は、容器どうしの積載時に滑り止め作用を果たす突出体である。
この場合、支柱12の天面13に形成した嵌合部14の形状を、上方に向かって突出する凸部形の嵌合体とし、二つの覆い体2,3に形成する嵌合体24,34を外嵌する凹部形の嵌合体や外嵌穴を備えたものとしたり、先行外嵌する嵌合体24のみを外嵌穴とし、後続外嵌する嵌合体34のみを凹部形嵌合体としたり、支柱天面に形成した嵌合部14を貫通穴とし、二つの覆い体2,3に形成する嵌合体24,34を該貫通穴に挿入係止させて嵌合する凸部形の嵌合体としたり、先行嵌合体24を貫通穴とし、後続外嵌する嵌合体34のみを凸部形嵌合体としたりして実施することができるものである。
乃至図1は第実施例を示した図であって、図は開蓋状態の平面図、図1は図の正面図、図1は図の右側面図、図1は図の斜視図、図1は閉蓋状態を示す斜視図である。
該実施例に示した鶏卵容器は、前記第1実施例の場合と同様に、鶏卵6個収容用の容器を示したものであって、容器本体1の鶏卵収容凹部11の深さを図1,1に鎖線で示したように鶏卵Eの上下方向全体がスッポリと収まる深さに形成したものである。
また、該容器本体1の四つの鶏卵収容個別凹部11…に囲まれた中心部に形成された上方に向かって突出する二つの支柱12,12は、図1,1のようにその天面13,13の高さを本体側縁部15の高さとほぼ同高さに形成してあり、同天面13,13には周面に切り込みを設けた円形の貫通穴とした嵌合部14,14を形成してある。
該容器本体1の対向する両側縁部15,15に、ヒンジ部4,4を介して折り曲げ自在に連設してある二つの覆い体2,3は、全体をほぼ平坦な平板状に形成してあり、それぞれの遊端側近く部分22,32には、前記第1実施例の容器で説明したのと同様の円形凸形に形成した嵌合体24,34が、これらの覆い体2,3を閉蓋姿勢にした時、前記貫通穴とした嵌合部14,14と対応する箇所に形成してある。その他の点は、前記第1実施例に準ずる。
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例に示した図示の構造のみに限定されるものではなく、例えば嵌合体の形状を釦形やホック形としたり分銅形やスライド係止形として実施する等、本発明にいう前記の構成要件を備えていて、本発明にいう目的を達成し、効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
本発明にいう樹脂シート製鶏卵包装用容器は、シュリンク包装して世上に提供することを目的とした容器であるが、容器とシュリンク包装との間にラベル等の印刷物を接着剤を使用することなく介在させておくことによって、容器に接着してあるラベル等の印刷物を剥離する手間を必要とせず、容器と印刷物等とを容易に分別廃棄できるので、これを実施すると世上に受け入れられて重宝に使用される可能性が大なるものである。
第1実施例の開蓋状態を示す平面図。 図1の正面図。 図1の右側面図。 図1の斜視図。 第1実施例の閉蓋状態を示す平面図。 図5の正面図。 図5の右側面図。 図5の斜視図。 実施例の開蓋状態を示す平面図。 の正面図。 の右側面図。 の斜視図。 実施例の閉蓋状態を示す斜視図。 特許文献2に記載の従来技術を示す正面図。 同部分正面図。
1 容器本体
11 個別凹部
12 支柱
13 天面
14 嵌合部
15 側縁部
2 覆い体
21 天板部
22 遊端側近く部分
24 係合部
3 覆い体
31 天板部
32 遊端側近く部分
34 係合部
4 ヒンジ部

Claims (2)

  1. 鶏卵を個々に収容する個別凹部(11)を備えた容器本体(1)と、
    該容器本体(1)の対向する両側縁部(15,15)のそれぞれからヒンジ部(4,4)を介して折り曲げ自在に一体的に連設形成された二つの覆い体(2,3)とを備え、
    容器本体(1)が、四つの鶏卵収容個別凹部(11)…に囲まれた中心部に上方に向かって突出する支柱(12)と、
    その天面(13)に形成された凹形・凸形または貫通穴とした嵌合部(14)とを備え、
    二つの覆い体(2,3)が、それぞれの遊端側近く部分(22,32)に、閉蓋姿勢において、前記支柱(12)の天面(13)に形成された嵌合部(14)と直接的に嵌合する凸部・凹部または貫通穴形の係合部(24)か、または相手側係合部(24)を介して間接的に嵌合する係合部(34)を備えている構造とした樹脂シート製鶏卵包装用容器。
  2. 器本体(1)に形成された鶏卵収容個別凹部(11)が、鶏卵のほぼ下半部のみか鶏卵全部を収容するに足る深さを備えている構造とした請求項1記載の樹脂シート製鶏卵包装用容器。
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