JP4660208B2 - 抗白癬菌外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、抗白癬菌外用剤に関し、より詳細には抗白癬菌症の治療のための外用剤に関する。
水虫は、水虫菌が皮膚角質層に寄生し、そこで増殖するために生じる皮膚疾患である。水虫には、例えば、手足の指の間または手足の裏にできる手・足白癬、「たむし」という俗名で知られる体部白癬などがある。水虫菌としては、単細胞真菌である酵母および多細胞真菌であるカビが挙げられる。代表的には、酵母ではカンジダ(Candida)、カビではトリコフィトン(torichophytin)属菌種、いわゆる白癬菌である。
これらの酵母またはカビは、皮膚角質層を分解する酵素を分泌し、その分解産物を栄養源として角質層内で増殖する。この増殖によって、生体防御としての炎症応答が惹起され、湿潤、発赤、かゆみなどの炎症を呈する。
水虫菌が体表の角質や爪に寄生して発症する表在性真菌症に対する治療は、病原の真菌の除去を目的として主に抗真菌作用をもつ薬物を、液剤や軟膏などの外用剤として局所的に投与して行われる。この経皮的に投与されている薬物としては、脂肪酸系、サリチル酸系、含硫有機化合物、タール、抗生物質類、イミダゾール系、その他がある。このうち、イミダゾール系薬物が抗真菌作用の効果が比較的優れることから汎用されている。
これらの薬物には、単に外用製剤化して投与するのみならず、真菌の生息する角質層に薬物を大量に到達させるための薬物吸収促進技術(例えば、特許文献1参照)、組成を改良したり貼付剤化して皮膚への付着時間を持続させる技術(例えば、特許文献2、特許文献3参照)など、薬物の抗真菌作用を最大限に発揮させるための種々の製剤化技術が提案されている。
特開平5−306223号公報 特開平7−242567号公報 特開平7−309755号公報
しかしながら、その治療効果は必ずしも満足されるものではなく、いわゆる水虫、その他として知られる表在性真菌症は、特に多湿な日本においては、いまだ悩み多い疾病となっている。
本発明は上記問題点を解決するものであり、その目的は、抗白癬菌効果を増強し治癒を促進する抗白癬菌外用剤を提供することである。
本発明は、水虫の予防および治療用外用剤になり得る物質について鋭意検討した結果、ユーカリが焼成されてなる灰が優れた抗菌作用を有することを見出し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、ユーカリが焼成されてなる灰を含有する抗白癬菌外用剤により上記課題を解決する。
本発明の抗白癬菌外用剤は、前記灰を含有することにより、水虫の原因菌である白癬菌に対して優れた抗菌作用を有する。従って、本発明の抗白癬菌外用剤は、水虫の他、爪白癬など、真菌増殖に基づく皮膚病に対する予防および治療に有用である。
以下、本発明の抗白癬菌作用を有する外用剤について説明する。ここで、抗白癬菌作用とは、好ましくは、トリコフィトン属菌種、マイクロスポラム属菌種、またはエピデルモフィトン属菌種などの皮膚や爪などに感染し得る糸状菌に対する抗菌作用をいう。また、外用剤とは、皮膚や爪等の患部に外用で投与する組成物の総称であって、連続的に患部上に貯留する化粧料、医薬部外品、皮膚外用医薬品等を包含した概念を示すものである。
本発明の抗白癬菌外用剤は、必須成分としてユーカリが焼成されてなる灰を含有することを特徴とする。これにより、前記抗白癬菌外用剤は高い抗白癬菌作用を有する。このような作用が得られる理由は明らかではないが、以下のことが考えられる。
ユーカリ、特にブラジル産のユーカリはヨウ素含有量が高い。ヨウ素は元素であるため化学合成して製造することができず、ヨウ素を含有する資源から取り出す以外に方法がない貴重な資源である。また、ヨウ素は、抗微生物作用を有し、これを利用して一般的には殺菌消毒剤などに広く用いられている。かようなユーカリを焼成して得られた灰もヨウ素を豊富に含むことから、前記灰を含有する抗白癬菌外用剤は水虫などの白癬菌に対しても高い抗菌作用を発揮すると考えられる。
また、ユーカリを焼成した「灰」として用いることにより、無機物質による抗菌効果が得られ、アルコール、界面活性剤などの有機物質による抗菌効果と比べて持続性、安全性などに優れる。なお、ヨウ素は、昇華性のIとして抗菌効果を示すほどの量では灰中に存在し得ず、他の金属元素と結合した金属ヨウ化物またはその酸化物等のヨウ素酸化合物として灰中に存在すると考えられる。
本発明の抗白癬菌外用剤に用いられる前記灰は、ヨウ素(ヨウ素原子(I)に換算)を、好ましくは0.05〜16質量%、より好ましくは0.1〜12質量%、特に好ましくは0.3〜10質量%含有するものを用いるのが好ましい。これにより、高い抗白癬菌作用を有する外用剤が得られる。ヨウ素はヨウ素化合物として灰中に含まれ得るため、前記ヨウ素の含有量はヨウ素原子(I)で換算した値とする。なお、前記灰に含まれるヨウ素の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
ただし、本発明の抗白癬菌外用剤が有する抗白癬菌作用がヨウ素化合物により得られるというのは推測であり、抗白癬菌作用がヨウ素化合物により得られるとは限定されず、他の無機物と複合的に作用していることも考えられる。
具体的には、本発明の抗白癬菌外用剤は、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カルシウム(CaI)、ヨウ化マグネシウム(MgI)などヨウ素化合物、ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)、ヨウ素酸カリウム(KIO)などのヨウ素酸化合物が有効成分として作用していることが考えられる。これらの有効成分の含有量は、前記抗白癬菌外用剤の全量に対して、好ましくは0.001〜16質量%、より好ましくは0.002〜12質量%であるとよい。
本発明の抗白癬菌外用剤に用いられる前記灰は、ユーカリを、酸素存在下、400〜1500℃にて0.02〜20時間、より好ましくは500〜1100℃にて0.1〜5時間、加熱焼成することにより得られる。前記焼成は、通常は、電気炉、焼成炉、または大気開放下のか焼などを用いて行われる。
前記ユーカリは、特に制限されないが、フトモモ科のユーカリ属、ブラシノキ属、エウゲニア属、バンジウロ属などに属する樹木であればよい。前記ユーカリは、得られる抗白癬菌外用剤が高い抗白癬菌作用を有することから、ブラジル産、なかでもサンパウロ産のユーカリを用いるのが好ましい。
前記ユーカリにおいて、花、葉、根、種子、幼芽、木部、果皮、樹皮などのいずれの部分も好ましく用いられるが、なかでも抗白癬菌作用が高く、製造が容易であることから樹皮が特に好ましく用いられる。ユーカリの樹皮は、ユーカリの幹や枝の最外層の皮のことである。
前記ユーカリは、焼成前に、水洗などを行ってもよく、乾燥、細切、破砕、圧搾等されたものを用いてもよい。
また、焼成により得られた前記灰は、さらに、使用感、塗布性などを向上させるために、各種ボールミル、ジェットミル等を用いて所定の粒径に調整してもよい。前記灰の平均粒子径は、特に制限されないが、好ましくは500μm以下、より好ましくは200〜1μm程度とするのがよい。
本発明の抗白癬菌外用剤は、前記灰のみからなるものであってもよく、剤形、用途等に応じて基剤等が適宜配合されていてもよい。
本発明の抗白癬菌外用剤が上述した灰のみからなる場合、前記抗白癬菌外用剤を患部に塗布するには、特に限定されず、患部に直接塗布する他、患部に水、ポリエチレングリコールなどを先に塗布した後に前記抗白癬菌外用剤を塗布したり、前記抗白癬菌外用剤を水、コロイドケイ酸などに分散させて液状またはスラリー状にしたものを患部に塗布したりすればよい。その後、塗布した部分を、靴下、手袋、ガーゼ、織布、不織布などで覆うのが望ましい。これにより、安定性、有効成分の患部への浸透性、作用効果などを向上させることができる。
本発明の抗白癬菌外用剤が、上述した灰と基剤とからなる場合、前記抗白癬菌外用剤における前記灰の含有量は、前記抗白癬菌外用剤の全量に対して、好ましくは2〜95質量%、より好ましくは10〜95質量%、特に好ましくは20〜95質量%とするのがよい。これにより、抗白癬菌外用剤の塗布性、密着性などを向上させることができる他、抗菌作用を向上させる効果が得られる。
前記基剤としては、薬学的に許容しうるものであればよく、液剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤等の基剤として従来公知のものを用いることができる。例えば、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、カルボキシメチルデンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、メトキシエチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン等のポリマー;ミツロウ、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、ダイズ油、ツバキ油、ラッカセイ油、牛油、豚油、ラノリン等の油脂類;白色ワセリン;パラフィン;ハイドロカーボンゲル軟膏(例えば、商品名プラスチベース、大正製薬社製);ステアリン酸等の高級脂肪酸;セチルアルコール、オクチルドデカノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ポリエチレングリコール;モノステアリン酸グリセリン;ポリオキシエチレンセチルエーテル;自己乳化型プロピレングリコールモノステアレート、エタノールアミン、トリエタノールアミン;水などが挙げられる。
前記基剤としては、抗白癬菌外用剤の安定性、有効成分の患部への浸透性などを考慮すると、ポリエチレングリコール、エタノールアミンなどの親水性基剤が配合されるのが好ましい。
さらに、本発明の抗白癬菌外用剤には、上記成分の他にも、必要に応じて、通常の皮膚外用剤に配合される各種成分、例えば界面活性剤、水溶性高分子、無機粉体、有機粉体、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、低級アルコール、色素、、痒み止め剤、抗炎症剤、血行促進剤、止血剤、抗菌剤、局所麻酔剤、抗ヒスタミン剤、凝血剤等が適宜配合されてもよい。
本発明の抗白癬菌外用剤の剤型は、特に限定されるものではなく、上述した粉剤、軟膏剤の他、ローション剤、乳液剤、ジェル剤、ジェルローション剤、クリーム剤、水−油二層剤、および水−油−粉末三層剤等の塗布剤としても良好に使用される。
本発明の抗白癬菌外用剤の剤型は、上記したものの他、基剤中に前記抗白癬菌外用剤を混合分散させたものを支持体上に展延したもの(パップ剤等)、膏体層を支持体上に展延したもの(プラスター剤、テープ剤等の貼付剤)などが挙げられる。
前記支持体は、例えば、パップ剤、プラスター剤、テープ剤等の剤型に応じて適宜選択されるが、前記抗白癬菌外用剤が不透過又は難透過性で柔軟なものが好ましく、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂フィルム、アルミニウムシート、織布、不織布など、及びこれらの積層シートが挙げられる。上記樹脂フィルムは発泡していてもよい。また、支持体には、通気のための孔が設けられてもよい。
前記膏体層に用いられる粘着剤は、皮膚に付着する粘着力を有し薬学的に許容しうるものであればよく、従来公知のものを用いることができ、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤等が挙げられる。また上記支持体上に展延する際には、粘着剤の性状としては、溶剤系、エマルジョン系、ホットメルト系等の任意のものを用いることができる。前記粘着剤には、粘着力、安定性、透湿性促進、薬物の皮膚への移行促進などの目的に応じて、テルペン系の樹脂、脂環族系合成樹脂、ロジン系樹脂、ポリブテン類、流動パラフィン、長鎖脂肪酸類、高級アルコール類、カオリン、ベントナイト、酸化チタン、亜鉛華、酸化防止剤、防腐剤、痒み止め剤または抗炎症剤などが配合されてもよい。また、膏体層の上には、この層を保護する目的で、剥離紙が貼付されてもよい。
本発明の抗白癬菌外用剤の剤型は、粉剤、軟膏剤が好ましく挙げられる。これは、抗白癬菌外用剤の剤型が粉剤、軟膏剤であると、後述する実施例に記載する通り、高い抗白癬菌作用が得られるためである。なお、前記灰を水などで抽出して得られる抽出物は、後述する実施例に記載するように、所望するほどの抗白癬菌作用を発揮しない。従って、前記抽出物を前記抗白癬菌外用剤に用いるのは望ましくない。
本発明の抗白癬菌外用剤は、粉剤、軟膏剤などについては、特に制限されないが、1日に1〜20回、0.1〜10g程度を患部に塗布すればよい。貼付剤の場合には、特に制限されないが、1日1枚を患部に塗布すればよい。
本発明の抗白癬菌外用剤は、通常pH3.5〜9.5の液性を有していればよいが、正常な皮膚のpHバランス乱さず、皮膚に対して刺激を与えないという観点からは、好ましくはpH4〜8、より好ましくは4.5〜7の弱酸性から中性であるのがよい。
本発明の前記抗白癬菌外用剤は、それ自体を、医薬品、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品などとして使用可能である。さらに、抗菌剤として任意に医薬品、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品などに混合してもよい。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ユーカリ樹皮(ブラジル・サンパウロ産生、フトモモ科ユーカリ属)30kgを、600〜700℃、2kgずつを30分間かけて、シェラスコ燃焼炉を用いて焼成することにより、前記ユーカリ樹皮の灰を得た。
(組成分析)
実施例1で得た灰1gを、90℃の濃硫酸100mlに添加し、15時間放置後、10μmの孔径を有するテフロン(登録商標)フィルターを用いてろ過した。得られたろ液を、蒸留水を用いてろ液が蒸留水に対して1/10体積倍となるように希釈し、誘導結合プラズマ発光(ICP)分析装置(株式会社島津製作所社製 ICPS−1000IV)により分析を行った。結果を表1に示す。
なお、表1に示す各元素は、前記灰に前記元素を含む酸化物、水酸化物として含まれていると考えられる。従って、表1に示す結果において、残渣は、前記酸化物および前記水酸化物における酸素(O)および水素(H)の他、不完全燃焼に基づく炭素(C)、および難溶性のケイ素(Si)等であると考えられる。
Figure 0004660208
(比較例1)
ヤマモモ樹皮(大阪府泉南市産生、ヤマモモ科ヤマモモ属)1kgを、燃焼炉を用いて600〜700℃、5分間焼成することにより、前記ヤマモモ樹皮の灰を得た。
(性能評価1)
(1)白癬菌の培養
サブロー・デキストロース寒天培地(栄研化学株式会社製 E−MF03)65gを、蒸留水1000mlに添加した後に60℃の温浴上で溶解させた。得られた混合液25mlを、蓋付シャーレに分取し、121℃の飽和水蒸気で15分間加熱することにより滅菌した後、冷却固化させてサブロー培地とした。
次に、白癬菌保菌者から採取した白癬菌を前記サブロー培地に植菌し、孵卵器を用いて37℃で4日間培養した。サブロー培地には白色の白癬菌が増殖していることが確認された。
(2)試験例1
上記と同様にして作製したサブロー培地を121℃の飽和水蒸気で15分間加熱することにより滅菌した後、孵卵器を用いて37℃で4日間放置した。放置後の前記サブロー培地は、淡白色半透明であった。
(3)評価1
サブロー・デキストロース寒天培地(栄研化学株式会社製 E−MF03)2gを、蒸留水30mlに添加した後に60℃の温浴上で溶解させた。得られた混合液を、121℃の飽和水蒸気で15分間加熱することにより滅菌した後、冷却固化させて試験用サブロー培地1とした。この試験用サブロー培地1に、火炎滅菌した白金耳を用いて上記白癬菌を植菌した後、実施例1で作製したユーカリ樹皮の灰0.3gを散布し、37℃で50時間培養することにより、菌の発育の有無を確認した。
上記培養終了後、試験用サブロー培地1上での菌の発育を観察したところ、前記灰が散布された部位には菌の増殖は認められず、前記灰が散布されなかった部位には菌の増殖が認められた。
(4)評価2
サブロー・デキストロース寒天培地(栄研化学株式会社製 E−MF03)2gと、実施例1で作製したユーカリ樹皮の灰0.3gとを、蒸留水30mlに添加した後に60℃の温浴上で混合分散させた。得られた混合液25mlを、蓋付シャーレに分取し、121℃の飽和水蒸気で15分間加熱することにより滅菌した後、冷却固化させて試験用サブロー培地2とした。この試験用サブロー培地2に、火炎滅菌した白金耳を用いて上記白癬菌を植菌した後、37℃で50時間培養することにより、菌の発育の有無を確認した。
上記培養終了後、試験用サブロー培地2上での菌の発育を観察したところ、菌の増殖は認められなかった。
(5)評価3
実施例1で作製したユーカリ樹皮の灰3gを蒸留水500mlに混合分散し、室温(18℃)において攪拌しつつ15時間放置した後、上澄み液のみを分取することにより、灰の抽出液を得た。この抽出液30mlにサブロー・デキストロース寒天培地(栄研化学株式会社製 E−MF03)2gを添加した後に60℃の温浴上で溶解させた。得られた混合液を、121℃の飽和水蒸気で15分間加熱することにより滅菌した後、冷却固化させて試験用サブロー培地3とした。この試験用サブロー培地3に、火炎滅菌した白金耳を用いて上記白癬菌を植菌した後、37℃で50時間培養することにより、菌の発育の有無を確認した。
上記培養終了後、試験用サブロー培地3上での菌の発育を観察したところ、菌の増殖が認められた。
(性能評価2)
(1)評価1
両足の全ての指の間に白癬症を発症し、特に足の小指の辺りでは皮膚が切れて症状が重い被験者Aの左足の患部に、水を0.2g塗布して湿潤させた後に実施例1で作製したユーカリ樹皮の灰0.5gを散布して、これを一日3回、数日間繰り返した。この間、被験者Aは散布した灰を患部に貯留させるため靴下を着用した。10日後に症状が改善し、20日後には白癬症が治癒し、その後は白癬症の再発は見られなかった。
(2)評価2
両足の指の先端および爪に白癬症を発症している被験者Bの左足の患部に、水を0.2g塗布して湿潤させた後に実施例1で作製したユーカリ樹皮の灰0.2gを散布して、これを一日3回、数日間繰り返した。この間、被験者Bは散布した灰を患部に貯留させるため靴下を着用した。3日後に痒みが消失し、10日後には白癬症が治癒し、その後は白癬症の再発は見られなかった。
(3)評価3
両手の掌および指間に白癬症を発症している被験者Cの左手の患部に、水を0.2g塗布して湿潤させた後に実施例1で作製したユーカリ樹皮の灰0.5gを散布して、これを一日3回、数日間繰り返した。この間、被験者Cは散布した灰を患部に貯留させるため手袋を着用した。これにより、4日後に白斑が消失し、8日後には白癬症が治癒し、その後は白癬症の再発は見られなかった。
(4)比較評価1
上記被験者Aの右足の患部に、市販の抗白癬菌外用剤(エスエス製薬株式会社製 ベンハーEX液)0.1gを1日3回塗布し、これを数日間繰り返した。7日後に痒みがとれ一時的に症状が和らいだが20日が経過しても白癬症は治癒しなかった。
(5)比較評価2
上記被験者Bの右足の患部に、市販のヨードチンキ(健栄製薬株式会社製 希ヨードチンキ)0.1gを1日2回塗布し、これを数日間繰り返した。10日後に痒みがとれ一時的に白癬症が治癒したが、20日後に白癬症が再発した。
(6)比較評価3
上記被験者Cの右手の患部に、水を0.1g塗布して湿潤させた後に比較例1で作製したヤマモモ樹皮の灰0.2gを散布して、これを一日3回、数日間繰り返した。この間、被験者Eは散布した灰を患部に貯留させるため靴下を着用した。20日が経過しても白癬症は治癒しなかった。
本発明の抗白癬菌外用剤は、高い抗白癬菌作用を有し、特に水虫などの表在性真菌症の予防、治療を促進する抗白癬菌外用剤として有用である。

Claims (4)

  1. ユーカリが焼成されてなる灰を含有する抗白癬菌外用剤。
  2. 前記ユーカリが、ユーカリ樹皮である請求項1記載の抗白癬菌外用剤。
  3. 前記灰は、ヨウ素(I)を0.05〜16質量%含有する請求項1または2記載の抗白癬菌外用剤。
  4. 前記抗白癬菌外用剤が、前記灰と基剤とからなり、前記抗白癬菌外用剤の全量に対して、前記灰を2〜95質量%含む請求項1〜3のいずれかに記載の抗白癬菌外用剤。
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