JP4660041B2 - 突然変異体の脂肪酸デサチュラーゼおよび特異的突然変異誘発の方法 - Google Patents

突然変異体の脂肪酸デサチュラーゼおよび特異的突然変異誘発の方法 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の背景)
高等植物における脂肪酸生合成は、最近、還元炭素の再生できる供給源としての植物油の可能な使用のため、増大された興味を引き寄せている。野生植物における脂肪酸の形態の多様性は、作物植物で見出されるものと広く匹敵する。これは、それらの鎖長、二重結合の数および位置、ならびに多様な他の官能基の位置および存在に反映される。
【0002】
植物において、脂肪酸生合成は、緑色組織の葉緑体もしくは非光合成組織のプラスチド中で起こる。大部分の植物における一次産物は、飽和のパルミチン酸およびステアリン酸のアシルキャリヤータンパク質(ACP)エステルである。不飽和脂肪酸、可溶性および内在性膜タンパク質の産生に、2つの型のデサチュラーゼ分子が関与する。デサチュラーゼは特定の基質の炭素鎖長に特異的であり、そして脂肪酸のカルボキシル端から数えることにより特定の炭素原子間に二重結合を導入し;例えば、Δ9デサチュラーゼはステアロイル−ACPに特異的であり、そして炭素9と10との間に二重結合を導入する。農作物への、特徴的な鎖長の好みおよびこれらの分子の二重結合位置をもつデサチュラーゼのアイソフォームの導入および使用は、慣習的な植物油の物理特性および商業的用途を操作する方法を提供する。残念ながら、非本来の宿主植物へのアシル−ACPデサチュラーゼのアイソフォームの導入は、依然として、異常なモノエン類の効率的な産生につながらなくてはならない。
【0003】
より多くのデサチュラーゼ酵素をコードする遺伝子が同定される際に、多様な活性の多くが可溶性および膜の分類のデサチュラーゼをコードする比較的少ない普遍的な始原型(archetype)由来であることが明らかになってきている。可溶性のアシル−ACPデサチュラーゼの分子模型製作は、脂肪酸基質に対し非常に緊密な近接にある基質結合チャンネル内のアミノ酸残基を同定した。こうした残基は「接触残基」と称される。以前の研究は、接触残基(およびいくつかの場合においては他の残基)の改変がアシル−ACPデサチュラーゼの鎖長および二重結合の位置の特異性を変える可能性があることを示した。デサチュラーゼの鎖長の好みおよび二重結合位置を操作する能力は、一不飽和脂肪酸の豊富な植物油のような商業的に有用な製品の製造における改変されたデサチュラーゼの生成および使用に関して大きな潜在能力を有する。こうした植物油はヒトの栄養において重要であり、そして工業的化学物質の再生できる供給源として使用することができる。
【0004】
(発明の要約)
本発明は脂肪酸デサチュラーゼの突然変異体の製造方法に関し、元のデサチュラーゼは18炭素鎖の基質特異性を有し、生じられた突然変異体は、元のデサチュラーゼに関して18より少ない炭素を含有する鎖をもつ脂肪酸基質に対する実質的に増大された活性を有する。該方法は、元のデサチュラーゼをコードする核酸配列中の1個もしくはそれ以上の突然変異を誘導すること、突然変異された核酸配列を不飽和脂肪酸の栄養要求体である細胞に形質転換すること、および減少された炭素鎖長の基質特異性をもつ突然変異体の脂肪酸デサチュラーゼを受容したレシピエント細胞について選択することを必要とする。好ましい一態様において、突然変異された核酸配列をMH13大腸菌(E.coli)に形質転換し、その後それを外因性の不飽和脂肪酸の非存在下で成長させて、所望の突然変異体を発現するレシピエントMH13細胞について選択する。
【0005】
本発明の別の局面は製造される突然変異体である。トウゴマ(castor)Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼの突然変異体が、特定の残基でのアミノ酸置換から生じる。これらの突然変異体は16もしくはより少ない炭素鎖という変えられた基質特異性を有する。本発明の他の態様は、特定の脂肪酸産物の製造のための個別の細胞およびまたトランスジェニック植物における突然変異体のデサチュラーゼ分子の発現を包含する。
【0006】
本発明の別の局面は、特異的(directed)突然変異誘発によるタンパク質の機能を特異的に変える方法である。該方法は、突然変異される場合に機能を変えると予測されるタンパク質の候補のアミノ酸位置を同定することを必要とする。すべての他の候補の位置の無作為化と組み合わせのそれぞれの候補の位置でのアミノ酸の無作為化により生じられるタンパク質の突然変異体のライブラリーを生成させ、そして機能の所望の特定の変化を表す突然変異体をライブラリーから同定する。好ましい一態様において、候補のアミノ酸位置は方法の組み合わせにより同定され、いくつかの例は無作為突然変異誘発、タンパク質の構造分析およびタンパク質の配列分析である。変えるために該方法を使用することができる機能の例は、酵素機能、結合機能および構造的機能を包含する。本発明の方法は、トウゴマΔ9 18:0−ACPデサチュラーゼの基質特異性の変化において、無作為突然変異誘発の方法に匹敵する。
【0007】
(発明の詳細な記述)
本発明は、突然変異の導入前に18炭素の鎖長の基質特異性を有する突然変異体のデサチュラーゼ分子の選択のための細菌選択系の使用に基づく。同定された突然変異体は、デサチュラーゼ分子の鎖長の基質特異性を低下させる突然変異を有する。該選択系で使用される好ましい細菌株、大腸菌(E.coli)MH13は、不飽和脂肪酸栄養要求体である。MH13は、増殖するために外因性の不飽和脂肪酸を必要とする。16もしくはより少ない炭素を含有する鎖をもつ脂肪酸基質に対する実質的な活性を有する機能的デサチュラーゼ酵素の導入が、この栄養要求性を補完し、外来性の不飽和脂肪酸の非存在下での該細菌の成長および増殖を見込む。18炭素の鎖長の基質を特異的に利用するデサチュラーゼ酵素は、該細菌におけるこうした基質の低レベルにより栄養要求性を補完することができない。この観察結果は、16炭素もしくは14炭素の基質を利用することができる18炭素特異的な脂肪酸デサチュラーゼの突然変異体を同定するための選択系として活用されている。大腸菌(E.coli)MH13は好ましい宿主細胞である一方、当業者は、他の宿主細胞型を使用することができることを認識するであろう。
【0008】
本発明は脂肪酸デサチュラーゼの突然変異体の製造方法を提供し、該突然変異体は元の脂肪酸デサチュラーゼから減少された炭素鎖長の基質特異性を有することを特徴とする。該方法は、18炭素鎖長の基質特異性をもつ脂肪酸デサチュラーゼをコードする核酸配列を必要とする。突然変異体を生じさせるため、脂肪酸デサチュラーゼをコードする核酸配列中で突然変異を誘導する。その後、突然変異された核酸配列を、突然変異された配列の発現に適切な条件下でMH13大腸菌(E.coli)細胞に形質転換する。その後、形質転換されたMH13大腸菌(E.coli)細胞を、補充された減少された(reduced)脂肪酸の非存在下で成長する能力について選択する。形質転換されたMH13大腸菌(E.coli)の生存は、MH13の脂肪酸の栄養要求性を補完する突然変異体の脂肪酸デサチュラーゼの獲得を示す。
【0009】
上の選択アッセイにより同定される突然変異体の脂肪酸デサチュラーゼは、元のデサチュラーゼに関して、18より少ない炭素を含有する鎖をもつ脂肪酸基質に対する活性の実質的な増大を有する。元のデサチュラーゼに関して基質特異性の実質的な増大は、宿主生物体内の突然変異体のデサチュラーゼによる脱飽和から生じる不飽和脂肪酸の蓄積を生じさせるものである。活性の実質的な増大は、突然変異を起こされない(non−mutagenized)前駆体デサチュラーゼのものより最低3倍より大きいように定義される。好ましい一態様において、突然変異体のデサチュラーゼの活性の増大は、突然変異を起こされない前駆体デサチュラーゼより最低10倍より大きい。
【0010】
該方法は、18炭素の鎖の基質特異性をもついずれかの脂肪酸デサチュラーゼの突然変異体を生じさせるのに適し、そのために核酸配列が利用可能である。該核酸配列の発現は成熟した脂肪酸デサチュラーゼの産生をもたらすはずである。該核酸配列は、野性型配列に対応することができるか、もしくは転写される産物のアミノ酸配列に影響を及ぼさない沈黙突然変異を有することができる。あるいは、使用される核酸配列は、そのアミノ酸配列が野性型から変動する(例えば、炭素鎖長の基質特異性に関して機能に変化をもたらさない保存的アミノ酸置換をもつ)機能的な脂肪酸デサチュラーゼをコードすることができる。こうした突然変異体のデサチュラーゼは、1種の突然変異体に数個の異なる機能的突然変異を組込む場合に望ましいことができる。
【0011】
好ましい態様において、脂肪酸デサチュラーゼは植物の脂肪酸デサチュラーゼである。可溶性(アシル−ACPデサチュラーゼ)および内在性膜(アシル脂質デサチュラーゼ)の2つの型の植物の脂肪酸デサチュラーゼが存在し、その双方が本発明での使用に適する。以前の分子模型製作および構造機能研究は、Cahoonら、米国特許第5,705,391号明細書(1998)(その内容は引用により本明細書に組み込まれる)に記述されるとおり、アシル−ACPデサチュラーゼの基質特異性に関与する領域を特徴づけた。大腸菌(E.coli)中で発現される場合、変異体のデサチュラーゼのアイソフォーム(例えば、18:1 Δ9以外のモノエンを蓄積する種における異常な脂肪酸の蓄積の原因であると考えられるアイソフォーム)は、乏しい蓄積を示し、不安定であり、そしてΔ9 18:0−ACPデサチュラーゼに比較してより低い特異的活性を有する。これの理由は未だ十分に理解されないが、しかし、最近の結果は、特定のアシル−ACPデサチュラーゼの活性を強化することができる「特異性因子」の存在を示唆する。これらの理由から、Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼは、大腸菌(E.coli)を利用するインビトロ実験に最良に適する。
【0012】
一態様において、MH13大腸菌(E.coli)は外因性の植物フェレドキシンを有する。これは、植物型のフェレドキシン(例えばアラバエナ属(Arabaena)の植物性フェレドキシン)をコードする配列を含有する発現ベクターの導入、および生じる細菌への選択圧の適用により達成することができる。植物デサチュラーゼの酸化還元パートナー、植物型のフェレドキシンの存在は、大腸菌(E.coli)における植物デサチュラーゼの機能を助長する。選択系中の植物型のフェレドキシンの存在は、より低い特異的活性をもつ突然変異体の選択を見込む一方、植物型のフェレドキシンの非存在下にMH13を補完する突然変異体は、比較的より高い特異的活性を有すると期待される。上述される選択系は、不均一な突然変異体の脂肪酸デサチュラーゼ分子の集団からの所望の基質特異性をもつ突然変異体の選択における使用に最も適切である。突然変異された核酸配列の集団を形質転換することにより、突然変異体のライブラリー全体を、MH13の栄養要求性を補完する能力についてスクリーニングすることができる。
【0013】
改変された脂肪酸デサチュラーゼタンパク質産物をもたらす潜在能力を有するいかなる型の突然変異も、核酸配列中で誘導することができる。基質と相互作用する残基へアミノ酸置換を導入するという論理に基づくアプローチは、論理的に正しいが、しかし非常に労働集約的である可能性があり;そして構造の情報が利用可能である場合にのみ適する。こうした方法は、可溶性デサチュラーゼの鎖長に、および膜分類の酵素のヒドロキシル基に対する二重結合の導入に成功裏に利用されている(Cahoonら、Proc Natl Acad Sci USA 94:4872−4877(1997);Shanklinら、Annu.Rev.Plant Physiol.Plant Mol Biol.49:611−641(1998))。後に続く例示の節に記述される実験は、タンパク質産物内の特定の位置(1個もしくは複数)でアミノ酸の無作為化を生じさせる特定の1つのコドンもしくは複数のコドンに特異的に標的を定める部位特異的突然変異誘発の一形態を立証する。これらの実験は、基質特異性に関与する付加的アミノ酸を同定する潜在能力を有する無作為突然変異誘発の利用もまた記述する。無作為突然変異誘発の使用は、どの残基が重要であるかについての推定にそれが頼らないため、おそらく最も強力な方法である。本方法は、アミノ酸接触残基である位置(結合チャンネル内で基質に最も近く配置される位置)、およびまた基質を直接接触することなく基質特異性に影響を及ぼす位置の置換突然変異を同定する能力を有する(Cahoonら、Proc Natl Acad Sci USA 94:4872−4877(1997))。
【0014】
突然変異されれば、核酸配列をMH13細胞に形質転換する。形質転換は、好ましくは電気穿孔法により達成するが、しかし当業者に既知の代替法もまた使用することができる。形質転換後に、突然変異体の脂肪酸デサチュラーゼの存在について細胞を選択する。これは選択培地(例えば、外因性に供給される不飽和脂肪酸を欠く培地)上での成長により達成される。培地は固形もしくは液体のいずれかであることができる。数回の選択を使用すること、および/または必要とされる選択圧を変動もしくは増強することもまた、該方法により同定される突然変異体の数の増大において有用である。
【0015】
本発明は、特徴的な基質の鎖長の好みをもつデサチュラーゼタンパク質の工作において有用である。こうしたアイソフォームは、細胞もしくは生物体(例えば農作物)中に導入される場合に、慣習的植物油の物理特性および商業的用途を操作するのに使用することができる。これらの工作されたデサチュラーゼを発現する細胞および生物体は、例えばヒトの栄養においてもしくは工業的化学物質として多くの潜在的用途を有する、一不飽和脂肪酸の豊富な植物油のような商業的に有用な製品の製造で有用である。
【0016】
下の例示の節は、改変された基質特異性を有するトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼの突然変異体を同定するのに上述された方法を使用した実験を詳述する。位置114、117、118、179、181もしくは188のアミノ酸置換、ならびに位置114および188の組み合わせられた置換をもたらすコーディング領域中の突然変異を、野性型と比較したこれらの突然変異体タンパク質の生じる変えられた特異性と一緒に記述する。全6個の位置でのアミノ酸置換の組み合わせを生じさせるトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼのコーディング領域中の突然変異もまた同定され、コードされる突然変異体タンパク質はcom2、com3、com4、com9およびcom10と称される。図2は、アミノ酸置換、および多様な基質に対するこれらの突然変異体タンパク質の特異的活性を列挙する。
【0017】
図2中に列挙される全5種の突然変異体タンパク質は、残存する4個の位置での多様な置換とともに、アミノ酸置換T117RおよびG188Lを有する。これら2種の突然変異が減少する鎖長の特異性のためのそれらのそれぞれの位置での至適の変化であるという事実は、それらがcom2における変えられた特異性の主決定子であることがありそうであることを示唆する。突然変異のこの対を含有する数種の他の突然変異体はより低い特異的活性を有するという観察結果は、残存する4個の無作為化された部位の突然変異の組み合わせもまた突然変異体の特異的活性に影響を及ぼす可能性があることを示唆する。この保存は、置換T117RおよびG118Lが図2中の5種の突然変異体の基質特異性の変化の原因であることを示唆する。T117RおよびG118L置換の組み合わせをもつ突然変異体のデサチュラーゼは、16もしくはより少ない炭素をもつ1種もしくはそれ以上の基質に対する高められた活性を有すると期待される。
【0018】
本発明の別の局面は、図2に列挙される突然変異体タンパク質のアミノ酸置換の一サブセットを有する突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼである。こうした突然変異体は、異なる基質に対する変えられた活性もまた有すると期待される。本発明は、いずれかの可能な組み合わせでのcom2突然変異体のアミノ酸置換の1個と6個との間を有する突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼタンパク質を包含する。好ましい一態様において、該組み合わせはcom2突然変異体のアミノ酸置換の最低3個を包含する。好ましくは、これらのアミノ酸置換のうち2個はT117RおよびG188Lである。加えて、本発明は、いずれかの可能な組み合わせでの、それぞれcom3突然変異体、com4突然変異体、com9突然変異体もしくはcom10突然変異体のアミノ酸置換のうち1個と6個との間を有する突然変異体のΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼタンパク質を包含することを意図している。好ましい一態様において、該組み合わせは突然変異体のアミノ酸置換のうち最低3個を包含する。好ましくは、これらの置換のうち2個はT117RおよびG188Lである。いずれかの他のアミノ酸の置換、挿入もしくは欠失と組み合わせの、上に列挙されたアミノ酸置換およびその組み合わせを有する突然変異体もまた、本発明に包含される。これらの付加的置換、挿入もしくは欠失は沈黙である(例えば、酵素の機能に影響を及ぼさない)ことができるか、もしくは酵素機能をさらに変えることができる。
【0019】
他のACPデサチュラーゼ、とりわけ18:0−ACPデサチュラーゼ、および好ましくはΔ9 18:0−ACPデサチュラーゼ中の類似の位置で作成された、上に列挙されたアミノ酸置換は、開示されたデサチュラーゼ突然変異体におけると類似の効果をこれらのタンパク質における基質特異性に対して有すると予測される。
【0020】
上述された突然変異体タンパク質をコードする核酸配列をDNA発現ベクター中に挿入することができ、それはその後、細胞中で突然変異体タンパク質を発現するのに使用することができる。原核生物および真核生物のいずれかもしくは双方の細胞中で機能する発現ベクターが存在し、かつ、当業者に既知である。適切な発現ベクターを、それらのコーディング配列の発現に適切な条件下で、原核生物細胞(例えば細菌)または真核生物細胞(例えば動物細胞もしくは植物細胞)のいずれかに導入する。突然変異体タンパク質を発現する植物細胞は、突然変異体タンパク質を発現しそしてデサチュラーゼの対応する脂肪酸産物を産生するトランスジェニック植物を生じさせるのに使用することができる。
【0021】
本発明の別の局面は、特異的突然変異誘発によりタンパク質の機能を特異的に変える方法である。変えられるべきである特定の機能の決定に際して、突然変異される場合に機能を変えると予測されるタンパク質の候補のアミノ酸位置を同定する。候補の位置のいくつかの同定方法を下述する。タンパク質の突然変異体のライブラリーを、各突然変異体内のすべての他の候補の位置の無作為化とともに、それぞれの候補の位置でコードされるアミノ酸の無作為化により生じさせる。これは、一般に、各突然変異体内のすべての他の候補の位置の無作為化とともに、それぞれの候補の位置のコドンの同時の無作為化により、突然変異体タンパク質をコードする突然変異体の核酸配列のライブラリーを生成させることにより達成する。その後、機能の所望の変化を表す突然変異された核酸配列によりコードされる突然変異体タンパク質を、ライブラリーから同定する。
【0022】
多種多様な機能がタンパク質により実施される。いくつかのタンパク質は反応を触媒する酵素として機能し(例えば異化、同化)、いくつかのタンパク質は結合タンパク質として機能し(例えばリガンド結合受容体、抗体、アダプタータンパク質)、いくつかのタンパク質は構造タンパク質として機能する(例えば細胞外マトリックスタンパク質)。本発明は、いずれかの所定のタンパク質のいずれかの所定の機能を変えるのに有用である。多くのタンパク質は1つ以上の機能を有するため、変えられるべきである特定の機能を最初に決定しなければならない。しばしば、多機能タンパク質の機能は相互に依存せず、該タンパク質の他の機能(1つもしくは複数)に影響を及ぼすことなく1つの機能を変えることを可能にする。他の場合には、機能は連結されるかもしくは互いに依存し、単一の機能の変化をより複雑にする。機能の変化は、本明細書で、機能のいずれかの指向された(directed)変化を包含するとして広範に定義される。こうした変化は、機能の至適化(例えば、酵素の特異的活性を増大させること、結合タンパク質の結合親和性を増大させること、タンパク質の構造の完全性もしくは安定性を増大させること)、タンパク質の機能的特性を再指向(redirection)(例えば、酵素の基質特異性を改変すること、結合タンパク質の結合特異性を改変すること、タンパク質の構造的成分を改変すること)、および機能の低下(例えば廃すること)を制限なしに包含する。明示された機能の完全な変化は、機能の個々の成分の連続的変化により段階的に必ず達成することができ、一連の中間の突然変異体を生じさせ、全体の過程は最後の至適の突然変異体の生成において最高潮に達する。従って、本明細書に記述されるところのタンパク質の機能を変える方法は、至適化すること、既に変えられたタンパク質の機能を再指向することもしくは低下させることを包含することを意図している。
【0023】
候補の位置は、機能に(直接にもしくは間接的にのいずれかで)関与する野性型タンパク質のアミノ酸の位置を包含する。重要なことには、機能への関与の表示は候補の位置の選択に必要とされる全部である。別個の突然変異が機能に対し有するもしくは有すると期待される方向は、候補の位置の同定において重要でない。例えば、別個に突然変異される場合に機能の低下をもたらす残基を候補として同定することができる。機能と直接関与するアミノ酸の例は、機能に関与する他の分子(例えば基質もしくはリガンド)と接触する残基、およびまた結合部位の概略を描くもしくはそれを定義する残基を制限なしに包含する。間接的関与を有するアミノ酸の例は、直接関与する残基に隣接するもしくはそれに近い残基のような、それらの直接関与する残基に影響する残基を制限なしに包含する。近接は一次配列に限定される必要はないが、しかし、二次もしくは三次構造の関係からであることができる。加えて、残基は、分子内もしくは分子間の複合体の形成により直接関与する残基近くに配置されることができる。間接的に関与するアミノ酸が有することができる影響は、立体効果、化学的効果もしくは組み合わせの効果であることができる。間接的に関与するアミノ酸は、機能に決定的に重要であるタンパク質構造の要素(例えば、タンパク質の必要なコンホメーション)の定義に関与する残基もまた包含する。
【0024】
候補の位置は、野性型タンパク質の機能に(直接もしくは間接的に)有意に関与しないがしかし突然変異誘発により機能においてある役割(直接もしくは間接の)を引き受けるアミノ酸の位置もまた包含する。野性型という用語は、突然変異誘発前のタンパク質の元の配列を指すのに本明細書で使用し、該用語は既に変えられた配列を含める。以前に関与していない残基に、機能においてある役割を賦与する突然変異誘発は、その特定の位置での別のアミノ酸の置換を普遍的に必要とする。しかしながら、機能への新たな関与を、別の位置での突然変異誘発によりある位置に賦与することもまたできる。
【0025】
タンパク質、変えられるべきであるタンパク質の機能、および機能に関与する残基に関してより多くの情報を有するほど、より生産的に機能の変化に取りかかることができる。タンパク質の候補のアミノ酸位置は、いずれかの数の手段により同定する。こうした手段は、制限なしに、関係するタンパク質との比較としばしば連結される、該タンパク質をコードする核酸配列の無作為突然変異誘発、タンパク質の構造分析、およびタンパク質の配列分析を包含する。候補の位置の同定方法は、天然に存在するタンパク質、あるいは該タンパク質の突然変異体のバージョンで実施することができる。加えて、関係するタンパク質の分析(例えば配列分析、構造分析、突然変異誘発)は、変えられるべき機能に関与することがありそうである目的のタンパク質内の類似の候補の位置を示すことができる。本明細書で使用されるところの関係するタンパク質という用語は、タンパク質の多様な異性体、タンパク質の多様な表現型(例えば同一のタンパク質の天然に存在する突然変異体)、およびその特定の機能が変えられるべきであるタンパク質に対する有意の相同性を有するいずれかの他のタンパク質もしくはそのフラグメントを包含する。
【0026】
機能喪失突然変異体についてのスクリーニングと連結された無作為突然変異誘発は、野性型タンパク質の機能に決定的に重要であるアミノ酸位置を同定することができる。機能の獲得もしくは増強の突然変異体についてのスクリーニングと連結された無作為突然変異誘発は、これらの決定的に重要な位置、ならびに野性型の機能に最小限にのみ関与するがしかし突然変異誘発により増大された役割を獲得した位置を同定することができる。
【0027】
タンパク質の構造分析もまた、それで候補の残基を同定する非常に強力なツールである。構造の情報は、X線結晶学、もしくは核磁気共鳴のような他の方法から得ることができる。しばしば、該機能を実施するタンパク質の構造(例えば、基質もしくは阻害剤に結合された酵素、またはリガンドに結合された結合タンパク質)は、機能に関与するアミノ酸位置に関するかなりの量の情報を提供する。
【0028】
好ましくは、候補のアミノ酸位置を同定するために方法の組み合わせを使用する。好ましい一態様においては、可能な限り多くの候補の位置の同定を確実にするために、全部の利用可能な手段を使用する。
【0029】
候補の位置を同定すれば、20種の可能なアミノ酸の1種で無作為に置換された各突然変異体内のすべての候補の位置を有する突然変異体タンパク質のライブラリー。あるタンパク質内の特定の位置での20種の可能なアミノ酸のうち1種のこの置換方法を、本明細書でアミノ酸の無作為化と称する。別個の特定のタンパク質内のそれぞれのかつすべての候補のコドンでコードされるアミノ酸の無作為化は、本明細書で、組み合わせの完全な位置の無作為化(combinatorial full positional randomization)と称する。組み合わせの完全な位置の無作為化から生じる突然変異体タンパク質のライブラリーは、すべての候補の位置内でコードされる20種の可能なアミノ酸のうち1種を有するタンパク質の、突然変異されたコーディング配列の核酸ライブラリーを生成させることにより、最も容易に生じられる。この型の突然変異誘発は、それぞれの候補の位置で野性型残基ならびに他の19種の残基のコドンの挿入を見込むため、これは最も広範な可能な突然変異の組み合わせを生じさせる。コドンの組み合わせの完全な位置の無作為化は、多様な方法により達成することができる。1つのこうした方法は、NNKもしくはNNNで候補の位置のアミノ酸の全部のコドンを置き換えるオーバーラップ伸長PCR(overlap−extension PCR)の使用である。オーバーラップ伸長PCRの方法は、特定のコーディング配列中に最低9種の独立した突然変異を同時に導入するのに使用されている。
【0030】
別の態様において、1種もしくはそれ以上の候補の位置の一サブセットが不完全に無作為化される一方、他の候補の位置が完全に無作為化される。すなわち、20種より少ない可能なアミノ酸を、1種もしくはそれ以上の明示された候補の位置で導入して、突然変異誘発をより特異的に指図する。これは、他の候補の位置で全20種のアミノ酸をコードするコドンを導入しつつ、アミノ酸の所望のサブセットをコードするコドンで、該タンパク質をコードする核酸配列の候補の位置のコドンのサブセットを無作為に置き換えることにより達成する。
【0031】
ライブラリーを生成すれば、所望の変えられた機能を表す突然変異体タンパク質を同定する。これは、機能的選択方法を使用することにより最も効率的に達成される。突然変異された核酸配列は、好ましくは発現に適切な条件下での単細胞生物体への個別の導入により、別個に発現させる。発現されれば、所望の機能を表す突然変異体タンパク質をそれらの機能により選択することができる(例えば補完(complementation)アッセイ)。あるいは、生じられた突然変異体の集団を、所望の変えられた機能について(例えば迅速スクリーニング法により)スクリーニングすることができる。生じられた各突然変異体は、所望の変えられた機能について個々にアッセイすることもまたできる。
【0032】
後に続く例示の節で詳述される実験は、トウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼの基質特異性および特異的活性を改変するために実施した。該タンパク質の構造分析を無作為突然変異誘発と組み合わせて、候補の残基を同定した。
【0033】
無作為突然変異誘発を使用して、機能的アッセイによりデサチュラーゼの候補の残基を同定した。理論的には、この同定方法は、基質結合空間(cavity)の概略を描いても描かなくてもよい残基を同定する潜在能力を有し、それらは機能アッセイにより単に同定され、従って、機能に参画することがありそうな残基のこの同定方法は、構造が既知である酵素および構造が未知である酵素の双方に応用可能である。全部の関連する知識が、無作為化されるべき候補のアミノ酸位置の一覧の編集において包含されるべきである。
【0034】
本発明の1つの顕著な特徴は、組み合わせの完全な位置の無作為化を、同定される全部の候補の位置で同時に実施することである。あるタンパク質の1機能を特別に変えるための特異的突然変異誘発への以前のアプローチは多段階アプローチを使用し、ここでは、1残基を突然変異し、該突然変異体を特徴づけ、そしてその後、その突然変異体を別の回の単一位置の突然変異誘発にかける。この標準的アプローチは、すぐ前の突然変異体産物からの特定の突然変異を持ち越す、それぞれのその後に生じられる突然変異体をもたらす。従って、同定されるそれぞれのその後の突然変異体は、それが生じられる突然変異体から受け継がれる特性により必ず束縛され、従って所望の機能を達成するために突然変異誘発がとることができる方向を制限する。本発明の方法は、この制限を除外することにより、所望の活性を立証するより広範な突然変異体を生じさせ、これから至適の突然変異体を選択することができる。
例示
節I:予備研究
突然変異誘発および選択のアプローチを使用して、基質特異性を改変する植物脂肪酸デサチュラーゼ中のアミノ酸置換突然変異を同定した。アシル−ACPデサチュラーゼは、大腸菌(E.coli)中で発現される場合に機能的に活性である。Δ9−18:0−ACPデサチュラーゼは、適切な基質の欠如により大腸菌(E.coli)の脂肪酸プロフィルを変えることが不可能である(Thompsonら、Proc Natl Acad Sci U S A 88:2578−2582(1991);Cahoonら、Proc Natl Acad Sci U S A 94:4872−4877(1997))。しかしながら、16:0の特異性をもつデサチュラーゼは、大腸菌(E.coli)の脂肪酸プロフィルを変えることが示された。従って、18:0デサチュラーゼは、大腸菌(E.coli)の突然変異体MH13(不飽和脂肪酸栄養要求体)を補完することができないが、しかし、16もしくはより少ない炭素との特異性をもつデサチュラーゼはこの栄養要求性を補完することが可能である。従って、MH13大腸菌(E.coli)株を使用して、16もしくは14炭素の基質を利用することができる18炭素のデサチュラーゼの突然変異体について、補完アッセイで選択した。
【0035】
大腸菌(E.coli)における植物アシル−ACPデサチュラーゼの機能を助長するため、植物型フェレドキシン(植物デサチュラーゼの酸化還元パートナー)の遺伝子を含有する発現ベクターをHM13大腸菌(E.coli)に形質転換し、そして選択圧下で維持した。これらの細胞、MH13(pACYC/LacAnFd)を以下の実験で使用した。
【0036】
トウゴマ−Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼを、MH13細胞への導入前に、2つの型の突然変異誘発(部位特異的もしくは無作為突然変異誘発)の1つにかけた。部位特異的突然変異誘発でPCRを使用して、トウゴマ−Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼのアミノ酸配列中の明記された残基に対応する標的を定められたコドンを無作為化した。Met 114、Leu 118、Pro 179およびGly 188に対応する標的コドンを、それぞれ独立した無作為化にかけた。これらの残基は基質結合空間に隣接して配置されるため、これらの位置でのアミノ酸置換は基質特異性に影響を及ぼすことが高度にありそうである。これらの突然変異誘発反応は4集団を生じ、各自が明示された突然変異部位で全20種の潜在的アミノ酸より成る置換突然変異をもつコーディング配列のライブラリーを含んだ。無作為突然変異誘発は、単一遺伝子DNAシャッフリングにより、トウゴマ−Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼをコードする配列で実施した。
【0037】
MH13(pACYC/LacAnFd)を、発現に適切な条件下で、突然変異された18:0−ACPデサチュラーゼの生じるライブラリーで形質転換し、そしてその後、外因性の不飽和脂肪酸の非存在下での成長により、不飽和脂肪酸の栄養要求性を補完する能力をもつ突然変異体の発現について選択した。選択的条件下で生存を賦与するためには、突然変異体のデサチュラーゼは、16、14もしくはより少ない炭素の変えられた基質の鎖長の特異性を必ず有するとみられる。部位特異的突然変異体の選択は、液体培地中もしくはアガープレート上のいずれかで実施した。無作為に生じられた突然変異体の選択はアガープレート上で実施した。液体培地中での成長は、最良の補完をもたらした突然変異について濃縮するために、数回の希釈および再成長を必要とした。部位特異的突然変異誘発での変法において、位置179および114(基質結合チャンネル内の2個の隣接する接触残基)のアミノ酸の全400種の可能な組み合わせをコードするライブラリーから突然変異体を選択した。これは、位置179での全部の可能なアミノ酸をコードするライブラリーの読取り枠から制限フラグメントを摘出すること、および位置114について無作為化された同等のプラスミド集団にこのフラグメントを挿入することにより達成した。この方法を使用して突然変異体M114I−G188Lを選択した。選択されたデサチュラーゼのコーディング配列を配列決定して、脂肪酸の栄養要求性に補完を賦与した特定の突然変異を同定した。同定された突然変異体の基質特異性をインビトロ酵素アッセイにより決定した(Cahoonら、Proc Natl Acad Sci U S A 94:4872−4877(1997))。
【0038】
表1は、最初に同定された突然変異体、および賦与された変えられた鎖長の基質特異性を列挙する。
【0039】
【表1】
Figure 0004660041
【0040】
表1。突然変異誘発/選択により得られた突然変異。カッコ内の数字はwtトウゴマのトウゴマD9 18:0−デサチュラーゼ活性に関して最も高められる鎖長の特異性を表す。既知の場合は特異性の比の倍数変化もまた示す。例えば、16炭素に関する活性が10倍増大し、かつ、18:0に関する活性が1/5に減少した場合、16:18に対するwtに関しての特異性の「倍数変化は50となるとみられる。
【0041】
上の明示されたアミノ酸位置は、Lindqvistら、EMBO J 15:4081−4092(1996)に定義されるような成熟したトウゴマ酵素に対応し、その配列を図1に列挙する。
【0042】
構造に導かれる(もしくは指向される)突然変異誘発の使用は、16もしくはより少ない炭素の脂肪酸の基質特異性をもつ7種の突然変異体の同定に有効であった一方、該方法は突然変異誘発のための標的残基の適切な選択に頼る。基質特異性に影響を及ぼす残基は、直接的および間接的の2つの広範な分類に分かれることが十分に文書で報告されている。従って、無作為突然変異誘発の選択は、より短いアシル鎖に対する増大された特異性をもたらす変化の偏りを含まない同定方法を提供する。この方法の使用で、5個のアミノ酸位置を同定し、構造に導かれる突然変異誘発のための標的であった部位で3個、ならびに2個の新しい部位(T117およびT181)を同定した。
【0043】
トウワタ(Milkweed)およびドクサンタ(Doxantha)からの天然に存在する16:0−ACPデサチュラーゼは、インビトロでアッセイされる場合に非常に乏しい活性を有する。(それぞれ31および3nM/分/mg)。しかしながら、選択された突然変異体G188Lは、親の野性型トウゴマ−Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼのものにずっとより近い(175nM/分/mg)という活性を有する。
【0044】
選択アッセイで同定される変えられた酵素が、植物中で発現される場合に異常な脂肪酸の蓄積をもたらすことができるかどうかを試験するために、発現を駆動させるナピン(napin)プロモーターを使用して、G188L突然変異体をシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)(fab1バックグラウンド)に導入した。G188Lトランスジェニック体(transgenics)の第一世代(T1)は、導入されたデサチュラーゼにより改変されたおよそ10%の脂肪酸を含有した種子を生じさせた。T1種子はヘテロ接合性であるため、所望の脂肪酸のレベルはホモ接合性のT2植物で増大することができると予期される。これらの結果は、トウゴマ−Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼ由来の突然変異体が油作物の今後の代謝工学に有用であることができることを示唆する。
節Iの材料および方法
細胞系。大腸菌(E.coli)K12の大腸菌(E.coli)不飽和脂肪酸栄養要求体のMH13突然変異体(Henry,M.F.、Ph.D.論文、イリノイ大学、アーバナ シャンペイン(Urbana−Champaign)(1992))は、細胞系DC308のfadR::Tn5突然変異体であり(Clarkら、Biochemistry 22:5897−5902(1983))、これは株RS3069(Simonsら、J.Bacteriol.142:621−632(1980))からファージP1形質導入により構築した。MH13は、fabA中の温度感受性の損傷およびfadRのトランスポゾン中断により、全部の成長温度で外因性の不飽和脂肪酸を必要とする。アナバエナ属(Anabaena)の植物性フェレドキシン(Fd)のコーディング配列を含有するpET9d発現プラスミド(Chengら、Arch.Biochem.Biophys.316:619−634(1995))からのXbaI/EcoRIフラグメントを、pLac3dの対応する部位に挿入して、プラスミドpLacAnFdを生じさせた。pLac3dは、T7 RNAポリメラーゼプロモーターが、既に記述された(Cahoonら、J.Bacteriol.178:936−939(1996))とおり大腸菌(E.coli)のRNAポリメラーゼのlacUV5プロモーターで置き換えられていることを除き、pET3dに類似である。その後、pLacAnFdからのBglII/HindIIIフラグメントを、pACYC184のBamHI/HindIII部位に挿入した。その後、この構築物(pACYC/LacAnFd)を、電気穿孔法によりMH13細胞に導入した。
補完分析/選択。pACYC/LacAnFdをもつ大腸菌(E.coli)MH13株を、アシル−ACPデサチュラーゼの発現のための宿主として使用した。これらの研究のために、野性型のコーディング配列および突然変異体の成熟したアシル−ACPデサチュラーゼをpLac3dに挿入した。生じるプラスミド構築物で細胞を形質転換し、そしてその後、アンピシリン(100μg/ml)、クロラムフェニコール(35μg/ml)およびカナマイシン(40μg/ml)選択を伴う、ルリア−ベルタニ(LB)培地を含有するプレート上もしくは液体培地中で成長させた。非選択的成長のため、250μg/mlオレイン酸および2%(v/v)テルギトール(Tergitol)の最終濃度を含むテルギトール(Tergitol)NP−40(シグマ(Sigma))中で可溶化された脂肪酸、オレイン酸をプレートに補充した。液体培地は、100μg/mlの最終濃度のオレイン酸(テルギトール(Tergitol)NP−40中で可溶化された)を補充した。オレイン酸は、最初にエタノール中での1000×ストック溶液として調製し、そして培地への添加前に溶融されたテルギトール(Tergitol)中で可溶化した。補完について試験するのに使用された培地は、添加されたオレイン酸を含まず、0.4mMの濃度のIPTG(アシル−ACPデサチュラーゼの発現を誘導するため)を含有した。
形質転換。形質転換は、pACYC/LacAnFdをもつコンピテントなMH13細胞の50μlアリコート、および所定のアシル−ACPデサチュラーゼの発現プラスミド0.1ないし0.5μgを使用する電気穿孔法により実施した。電気穿孔法の後に、細胞を500μlのKB培地に再懸濁し、そして37℃で45分ないし1時間振とう(250rpm)した。その後、細胞を上述されたとおり培地上でプレート培養した。あるいは、形質転換された細胞の75μlのアリコートを、上述された濃度のIPTGおよび抗生物質を含有する25mlのLB培地に添加した。その後、これらの細胞を振とうしながら30°ないし37℃で維持した。
【0045】
カナマイシン(40μg/ml)およびクロラムフェニコール(35μg/ml)を含有しかつオレイン酸(100μg/ml)および2%テルギトール(Tergitol)(v/v)を補充された低塩LB培地(10mg/mlバクト(Bacto)トリプトン、5mg/ml酵母抽出物、および5mg/ml塩化ナトリウム)中で、単一コロニーからの培養物を成長させることにより、電気コンピテントの(electrocompetent)MH13(pACYC/LacAnFd)を調製した。大腸菌(E.coli)の高効率電気形質転換のためのバイオラッド(BioRad)のプロトコルに記述されるとおりに細胞を形質転換のため調製し、そして電気穿孔した。
突然変異誘発。2つの方法を突然変異誘発に使用した。第一は、トウゴマ−Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼのアミノ酸配列中の特定の位置の1個の標的残基を無作為化した。4個の標的残基、すなわちMet 114、Leu 118、Pro 179およびGly 188を選んだ。PCRを使用してDNAの4集団を生成させた。各集団は、残基114、118、179もしくは188の無作為化されたコドンを含むトウゴマ−Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼをコードする配列より成った。4集団のそれぞれは、標的コドンの各位置で4種のヌクレオチドのそれぞれの等モルの比率を有するDNA産物を生じさせるPCR部位特異的突然変異誘発を使用して生成させた。4種の無作為化された産物のそれぞれについて、標的コドンに隣接する配列にハイブリダイズしかつ標的コドン配列の場所に無作為化されたコドンを含有したオリゴヌクレオチドプライマーを合成し、プライマー集団は、置換コドン内の3個の位置で4種のヌクレオチド、G、A、TおよびCのそれぞれの等モルの比率を含有した。このプライマーを、該遺伝子の5’末端に相同なプライマーとともに使用して、2個のプライマー結合部位の間の遺伝子セグメントを増幅した。その後、4種のPCR反応産物のそれぞれのコーディング配列の残余を増幅するために、PCRを使用して、第二の重なり合うフラグメントを合成した。その後、オーバーラップ伸長ポリメラーゼ連鎖反応(Hoら、Gene 77:51−59(1989))を使用して、該フラグメントをより大きな遺伝子フラグメントに組込んだ。無作為化された標的コドンを含有する遺伝子フラグメントをpLac3に挿入した。
【0046】
第二の突然変異誘発方法は、トウゴマ−Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼのコーディング領域をDNアーゼで消化すること、およびPCRを使用して再集成すること(W.P.Stemmer、Proc Natl Acad Sci U S A 91:10747−10751(1994))により、コーディング領域の配列中に無作為突然変異を導入した。コーディング領域全体をpLac3に再挿入して、コーディング領域全体に無作為突然変異をもつpLac3−トウゴマ−Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼ遺伝子のライブラリーを作成した。
節II:完全な位置の無作為化の他の方法との比較
単一位置の突然変異誘発
トウゴマΔ9−18:0−デサチュラーゼ中の4個のアミノ酸位置、すなわち114、118、179および188を、基質特異性に参画することがありそうとして、構造分析(結晶構造モデルの検査による演繹的推論)により同定した。独立に、5個の位置、すなわち114、118、179、117および181を、基質特異性に参画することがありそうとして、無作為突然変異誘発により同定した。これは、一緒に、基質特異性に参画することがありそうとして、合計6個の位置、すなわち114、117、118、179、181、188を生じた。標的位置に挿入された20種の可能なアミノ酸のどれが14および16炭素の基質で最高の活性をもつ突然変異体を産生することができるかを同定するために、一度にこれらの位置の1つの無作為化により突然変異体のライブラリーを生成させた。無作為化は、標的位置の全20種の可能なアミノ酸の1つの挿入をもたらした。6個のライブラリーを生成させた(各標的位置につき1個)。これらのライブラリーをMH13細菌に導入して、14もしくは16炭素の鎖長の高められた基質特異性をもつ突然変異体について選択した。大腸菌(E.coli)の脂肪酸栄養要求体MH13の補完は、デサチュラーゼが14もしくは16炭素の鎖長(またはおそらくより少ない)に対する高められた基質特異性を有することを必要とする。選択的条件下で成長することが可能であったレシピエントコロニーを単離した。突然変異体のデサチュラーゼをコロニーの培養物の粗ライセートから精製し、そして、タンパク質のアッセイにより、選択された突然変異体について、14および16炭素の鎖長の基質に対する特異的活性を測定した。いくつかの突然変異体については、18炭素の鎖長の基質の特異的活性を測定した。
【0047】
2つの型の突然変異誘発から生じられた突然変異体を同定かつ比較した。表2は、各方法により同定された最も活性の突然変異体を列挙する。表3は、双方の形態の突然変異誘発から同定された、位置117の突然変異体および位置181の突然変異体の活性を比較する。標的位置の無作為化された突然変異体(完全な位置の無作為化)のライブラリーから同定された突然変異体は、14および16炭素の基質に対する最高の特異的活性を立証した。無作為突然変異誘発を1回のみ飽和させることにより生じられたライブラリーからの突然変異体の選択(L118F)は、完全な位置の無作為化により同定される最良の突然変異体を生じさせた。無作為突然変異誘発から生じた他の選択された突然変異体は、完全な位置の無作為化により生じられる突然変異体の速度より下の触媒速度を有した。これの理由は、使用された無作為突然変異誘発法が位置あたり4と7個の間のアミノ酸置換を生成させることのみができたことである。6個の位置に関して、これらの位置のうち5個で、完全な位置の無作為化により全19種の置換が提供された場合により高い特異的活性をもつ突然変異体の酵素が得られ、そして第六の場合には同等な活性が得られた。これは、単一位置について試験されたより大きい数の置換が、特定の基質に対する特異的活性のより大きな増大の増大された見込みを助長したことを立証した。
表2。無作為点突然変異誘発および完全な位置の無作為化を使用するトウゴマΔ9−18:0−デサチュラーゼの再改造
【0048】
【表2】
Figure 0004660041
【0049】
記号:1トウゴマΔ9−18:0−デサチュラーゼ全体の無作為化された点突然変異誘発。2全20種のアミノ酸をコードするコドンとの32倍の縮重を与える、NNKをコードするプライマーを使用する完全な位置の無作為化。3リン画像形成定量とともに14C−銀化(argentation)薄層クロマトグラフィーアッセイを使用して測定された特異的活性。4成熟したトウゴマの読取り枠に関するアミノ酸位置の部位。数字の定義については後に続く印刷物(sheet)を参照されたい。5標準的な3文字形式での置換。6下線を付けられる、単一点突然変異誘発により達成できなかったアミノ酸置換。
【0050】
【表3】
Figure 0004660041
【0051】
記号:1リン画像形成定量とともに14C−銀化薄層クロマトグラフィーアッセイを使用して測定された特異的活性。2成熟したトウゴマの読取り枠に関するアミノ酸位置の部位。数字の定義については後に続く印刷物を参照されたい。3RPM(トウゴマΔ9−18:0−デサチュラーゼ全体の無作為化された点突然変異誘発)。4完全な位置の無作為化(全20種のアミノ酸をコードするコドンとの32倍の縮重を与える、NNKをコードするプライマーを使用する)。5下線を付けられる、単一点突然変異誘発により達成できなかったアミノ酸置換。
組み合わせの完全な位置の無作為化
14および16炭素の基質に対する高められた活性を有した突然変異体のデサチュラーゼタンパク質を生じさせるための努力において、同時に全6個の標的部位すなわち114、117、118、179、179および188を無作為化することにより、突然変異体のライブラリーを生成させた。この手順は組み合わせの完全な位置の無作為化と命名される。該ライブラリーをMH13に導入し、それをその後選択培地上でプレート培養した。選択培地上で成長した19個のコロニーの一組のサンプルを拾った。プラスミドDNAを各コロニーから単離し、そしてMH13を再形質転換するのに使用して、該プラスミドが改変されたデサチュラーゼをコードしたことを確認した。選択されたコロニーのそれぞれからのプラスミドを精製し、そしてコードされるそれぞれの選択された突然変異体のDNA配列を決定した。
【0052】
DNA配列の概念的翻訳(conceptual translation)は、全19種の突然変異体が6個の標的部位でアミノ酸の別個の組み合わせを有したことを示した。全19種の突然変異体のデサチュラーゼ酵素を産生させかつ精製し、そしてインビトロ酵素アッセイにかけた。図2は、産生された突然変異体の5種、および多様な基質に対するそれらの特異的活性を列挙する。試験された基質に対する最高の特異的活性を有する突然変異はcom2であった。この突然変異体は、単一位置の突然変異体のいずれが有したよりも14および16炭素の基質に対しはるかにより高い特異的活性を有し、それぞれの基質に対する野性型の活性の74および23倍を表した(図3)。com2中のアミノ酸置換の2種すなわちT117RおよびG188Lは、上述された独立した無作為化研究により、それらの位置について至適の置換であることが決定された。この相関は、com2突然変異体の特異性の増大がこれら2残基での置換によることを示す。注目すべきことに、これらの変化のいずれも点突然変異誘発を介して入手可能でなかった。図2に示されるとおり、分析された19種の組み合わせ突然変異体のうち5種が、これら2種の特定の突然変異すなわちT117RおよびG188Lを含有したが、しかし、他の4位置では異なる置換を含有した。これら5種の突然変異体は、2種の基質に対する特異的活性における多様な変化を表した。従って、位置114、118、179および181での置換は、位置117および188での変化の影響に対する甚大な効果を有した。従って、他の4部位での置換の組み合わせは、T117RおよびG188Lが活性に対して有した正の効果を強調することができたか、あるいは該効果を封鎖することができたかのいずれかであった。別個に基質特異性に影響を及ぼすのに最適に及ばないアミノ酸置換を包含する、基質特異性に影響を及ぼすとして同定される(例えば別個に置換される場合)全部の位置のアミノ酸の可能な組み合わせの数を増大させることは、至適の活性をもつ突然変異体を生じさせる。
【0053】
事実、順に負の変化を引き起こすことなく正の変化を生じさせる突然変異の適応は、至適の性能を得るために非常に重要であることがありそうである。ある意味において、アミノ酸を構造中の分子の詰め木(shim)として見ることができ、構造を調節するのに使用することができる異なる大きさおよび特性の詰め木が多くなるほど、いずれかの特定の構造が至適の活性を有することができる見込みがより大きくなる。従って、タンパク質の特定の特性に影響を及ぼすことができる可能な限り多くの位置を同定すること、およびその後、適切なスクリーニング方法と連結された、それらの位置のそれぞれで可能な限り多くの組み合わせを提示することというアプローチは、至適の活性を有する突然変異体タンパク質を同定することができる。この実施例で突然変異された位置について、点突然変異誘発は限定された数のアミノ酸置換をもたらすことができた。すなわち、M114で6個;T117で5個;L118で5個;P179で6個;T181で6個;およびG188で5個。従って、全体の組み合わせの数は、63×53=27,000個の独特の突然変異体となるとみられる。組み合わせの完全な位置の無作為化法においてのように全20種の組み合わせが許される場合、その数は196=47,045,881種、もしくはそれから特定の特質について至適の突然変異体を選択する1742倍より多い組み合わせまで上昇するとみられる。わずかな変化がタンパク質の活性に劇的に影響を及ぼす可能性があるため、触媒作用の速度に影響を及ぼすことが示されるアミノ酸の位置のより少ないよりはむしろより多い突然変異をもたらす方法は、常に、より多くの制限的点突然変異誘発を使用する方法に等しいかもしくはより優れた結果を生み出すことができる。
節IIの材料および方法は、別に下述されない限り、節Iに使用されたものと同一である。
完全な位置の無作為化。トウゴマ−Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼを、MH13細胞への導入の前に突然変異誘発にかけた。トウゴマ−Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼのアミノ酸配列中の明記された残基に対応するコドンを含んで成る3残基を無作為化するために、部位特異的突然変異誘発でPCRを使用した。Met 114、Thr 117、Leu 118、Pro 179、Thr 181およびGly 188に対応する標的コドンを、それぞれ、独立した無作為化にかけた。これらの残基は基質結合空間に隣接して配置されるため、これらの位置のアミノ酸置換が基質特異性に影響を及ぼすことが高度にありそうであると考えられる。これらの突然変異誘発反応は4集団を生じさせ、各1つは明示された突然変異部位で全20種の潜在的なアミノ酸より成る置換突然変異をもつコーディング配列のライブラリーを含んだ。オーバーラップ伸長PCRによる位置117の全部の可能なアミノ酸置換の導入のための一例を図4に図解する。使用されたプライマーは、1:GTGAGCGGATAACAATTTCACACAG−TCTAGAAAT(読取り枠の5’端の唯一のXbaI部位に隣接する配列);2:CCAAATTGCCCAAGACGTCGGAC−TTGCACCTGTTTCATCCCGAACTCCATCCAAMNNATTCAGCATTGTTTG(位置117についての非コーディング突然変異誘発性オリゴヌクレオチド);3:GAAACAGGTGCAAGTCCGACGTCTTGGGCAA(突然変異誘発性の177プライマーに対する重なり合いをもつ非突然変異誘発性のコーディング鎖プライマー);4:GTTTTCTGTCCGCGGATCCATTCCTG(読取り枠の唯一のSacII部位に隣接する非コーディング鎖プライマー)であった。プライマー1および4を使用するフラグメントaおよびbのオーバーラップ伸長により、1種のPCRフラグメントを生じさせた。このフラグメントをXbaIおよびSacIIにより制限し、そして野性型のトウゴマΔ9−18:0−デサチュラーゼを含有するpLac3に同等な部位に導入した。トウゴマΔ9−18:0−デサチュラーゼの他の5個の位置は、位置117に使用された方法に同等な様式で独立に突然変異させた。
無作為点突然変異誘発。無作為突然変異誘発は、単一遺伝子DNAシャッフリング(W.P.Stemmer、Proc Natl Acad Sci U S A 91:10747−10751(1994))により、トウゴマ−Δ9 18:0−ACPデサチュラーゼをコードする配列で実施した。プライマー、すなわちコーディング鎖に対応するGTGAGCGGATAACAATTTCACACAGTCTAGAAAT、および非コーディング鎖に対応するCACGAGGCCCTTTCGTCTTCAAGAATTCTCを使用するPCRにより、読取り枠を最初に増幅した。野性型のトウゴマの読取り枠からのおよそ50〜200bpをDNアーゼIで消化して、読取り枠内の無作為の位置でフラグメントを作成した。その後、プライマーなし(primerless)PCR、次いで5’および3’特異的プライマーを使用する完全な読取り枠の増幅により、遺伝子を集成した。この方法は、高頻度で主に点突然変異を組込んだ。ここで使用された突然変異誘発方法は任意に選ばれ、同等な結果を生じさせるためにいずれかの点突然変異誘発方法を使用することができた。
組み合わせの完全な位置の無作為化。組み合わせの6部位に特異的な完全な位置の無作為化のため、6個の標的コドンのそれぞれについてNNK(ここで、NはGATおよびCの等モル混合物を指し、また、KはGおよびTの等モル混合物を指す)を含有するようプライマーを工作した。完全な読取り枠を集成し、そして図5に示されるとおりオーバーラップ伸長PCRにより増幅した。図に対応するプライマーは、1:GTGAGCGGATAACAATTTCACACAGTCTAGAAAT(読取り枠の5’端の唯一のXbaI部位に隣接する配列);2:TTGATAAGTGGGAAGGGCTTCTTCCGTT(非突然変異誘発性の非コーディングプライマー);3:AACGGAAGAAGCCCTTCCCACTTATCAAACANNKCTGAATNNKNNKGATGGAGTTCGGGATGAAAC(突然変異誘発性のコーディング鎖プライマー);4:TCCATTCCTGAACCAATCAAATATTG(非突然変異誘発性の非コーディング鎖プライマー);5:TTGATTGGTTCAGGAATGGATNNKCGGNNKGAAAACAGTCCATACCT−TNNKTTCATCTATACATCATTCC(突然変異誘発性のコーディング鎖プライマー);6:GCAAAAGCCAAAACGGTACCATCAGGATCA(KpnI部位に隣接する非コーディングの非突然変異誘発性プライマー)であった。図5に示されるとおり3種のフラグメントを最初に増幅した。それらを単離し、そしてT117の完全な位置の無作為化のため、上述されるようなオーバーラップ伸長PCRにより増幅した。XbaIおよびKpnIを使用して最後のフラグメントを制限し、そして野性型のトウゴマΔ9−18:0−デサチュラーゼを含有するpLac3中の同等の部位に導入した。
変えられた鎖長の特異性をもつ突然変異体のデサチュラーゼの選択。大腸菌(E.coli)中での植物アシル−ACPデサチュラーゼの機能の決定を助長するため、植物型のフェレドキシン(植物デサチュラーゼの酸化還元パートナー)の遺伝子を含有する発現ベクターをMH13大腸菌(E.coli)に形質転換し、そして選択圧下で維持した。これらの細胞、MH13(pACYC/LacAnFd)を、後に続く実験で使用した。MH13(pACYC/LacAnFd)を、発現に適切な条件下で、突然変異された18:0−ACPデサチュラーゼの生じるライブラリーで形質転換した。これを達成するために、クローンをXbaIおよびKpnI、もしくはXbaIおよびEcoRIのいずれかで制限し、そして成熟したトウゴマΔ9−デサチュラーゼの読取り枠を含有するプラスミドpLac3の対応する部位に導入した。プラスミドpLacは、化学的誘導物質イソプロピルβ−チオガラクトピラノシド(IPTG)を使用して誘導することができるLacプロモーターを含有する。不飽和脂肪酸を欠く選択培地を使用して、不飽和脂肪酸の栄養要求性を補完する能力をもつ突然変異体を同定した。選択条件下で生存を賦与するためには、突然変異体のデサチュラーゼは、16、14もしくはより少ない炭素の変えられた基質の鎖長の特異性を必ず有するとみられる。部位特異的突然変異体の選択は、液体培地中もしくはアガープレート上のいずれかで実施した。無作為に生成された突然変異体の選択はアガープレート上で実施した。液体培地中での成長は、最良の補完をもたらした突然変異について濃縮するために、数回の希釈および再成長を必要とした。この様式で同定された全部の突然変異体のDNAを単離し、そして突然変異体の大腸菌(E.coli)細胞系に再導入し、これを別の回の選択にかけて表現型を確認した。選択されたデサチュラーゼのDNAを配列決定し、そして概念的に翻訳して、受けられた特定の突然変異を同定した。
酵素分析。デサチュラーゼ突然変異体の生化学的パラメータの決定のため、XbaIおよびKpnIでの制限により読取り枠を摘出し、そしてプラスミドpLac3の対応する部位に連結し、これは成熟したトウゴマΔ9−デサチュラーゼの読取り枠をT7ポリメラーゼプロモーターの制御下においた。発現のための細胞系BL21DE3 ゴールド(Gold)(ノヴァジェン(Novagen))中で該プラスミドを発現させた。細胞を0.5 OD600まで成長させ、0.4mM IPTGの添加により誘導し、そして4時間後に収穫した。デサチュラーゼ酵素を抽出し、そしてポロス(Poros)20CM媒体(パースペクティブ バイオシステムズ(Perspective Biosystems))を使用するHPLC陽イオン交換クロマトグラフィーにより均一近く(90%)まで精製した。精製されたデサチュラーゼは、適切な鎖長のCl−14Cアシル−ACPを使用してアッセイした。基質および産物をメチルエステルに転化し、そして銀化薄層クロマトグラフィーおよびリン画像形成により分析した。多様な基質との特異的活性を計算した(Cahoonら、Proc Natl Acad Sci U S A 94:4872−4877(1997))。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明にかかる、成熟したトウゴマ酵素のアミノ酸配列、および対応する核酸コーディング配列を列挙する。
【図2】 発明にかかる、組み合わせの位置の無作為化により生じられた5種の突然変異体、ならびに14、16および18炭素の基質とのそれらのそれぞれの活性を列挙する表である。
【図3】 発明にかかる、単一位置の無作為化により得られる突然変異体および無作為突然変異誘発により得られる突然変異体と、組み合わせの位置の無作為化により生じられる突然変異体を比較する表である。
【図4】 発明にかかる、トウゴマΔ9 18:0−ACPデサチュラーゼの部位117の完全な位置の無作為化に使用されるプライマーを具体的に説明する図である。
【図5】 発明にかかる、位置114、117、118、179、181および188の完全な位置の無作為化を伴うトウゴマΔ9 18:0−ACPデサチュラーゼの組み合わせライブラリーの生成に使用されるプライマーを具体的に説明する図である。
【配列表】
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Claims (32)

  1. a)配列番号1の残基114におけるMetの代わりのAla;
    b)配列番号1の残基117におけるThrの代わりのArg;
    c)配列番号1の残基118におけるLeuの代わりのGly;
    d)配列番号1の残基179におけるProの代わりのVal;
    e)配列番号1の残基181におけるThrの代わりのVal;および
    f)配列番号1の残基188におけるGlyの代わりのLeu
    より成る群から選択される1個もしくはそれ以上のアミノ酸置換を有する、突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼ。
  2. アミノ酸置換、配列番号1の残基117におけるThrの代わりのArgを有する、請求項1記載の突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼ。
  3. 以下のアミノ酸置換:
    a)配列番号1の残基114におけるMetの代わりのAla;
    b)配列番号1の残基117におけるThrの代わりのArg;
    c)配列番号1の残基118におけるLeuの代わりのGly;
    d)配列番号1の残基179におけるProの代わりのVal;
    e)配列番号1の残基181におけるThrの代わりのVal;および
    f)配列番号1の残基188におけるGlyの代わりのLeu
    のそれぞれを含有する、請求項1記載の突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼ。
  4. a)配列番号1の残基114におけるMetの代わりのAla;
    b)配列番号1の残基117におけるThrの代わりのArg;
    c)配列番号1の残基118におけるLeuの代わりのGly;
    d)配列番号1の残基179におけるProの代わりのVal;
    e)配列番号1の残基181におけるThrの代わりのVal;および
    f)配列番号1の残基188におけるGlyの代わりのLeu
    より成る群から選択される1個もしくはそれ以上のアミノ酸置換を有する突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼをコードする核酸配列を発現可能な形態で含んで成るDNA発現構築物。
  5. 突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼが、以下のアミノ酸置換:
    a)配列番号1の残基114におけるMetの代わりのAla;
    b)配列番号1の残基117におけるThrの代わりのArg;
    c)配列番号1の残基118におけるLeuの代わりのGly;
    d)配列番号1の残基179におけるProの代わりのVal;
    e)配列番号1の残基181におけるThrの代わりのVal;および
    f)配列番号1の残基188におけるGlyの代わりのLeu
    のそれぞれを含有する、請求項4記載のDNA発現構築物。
  6. a)配列番号1の残基114におけるMetの代わりのAla;
    b)配列番号1の残基117におけるThrの代わりのArg;
    c)配列番号1の残基118におけるLeuの代わりのGly;
    d)配列番号1の残基179におけるProの代わりのVal;
    e)配列番号1の残基181におけるThrの代わりのVal;および
    f)配列番号1の残基188におけるGlyの代わりのLeu
    より成る群から選択される1個もしくはそれ以上のアミノ酸置換を有する突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼをコードする核酸配列を発現可能な形態で含んで成るDNA発現構築物で形質転換された細胞。
  7. 原核生物細胞である、請求項6記載の細胞。
  8. 真核生物細胞である、請求項6記載の細胞。
  9. 植物細胞である、請求項8記載の細胞。
  10. a)配列番号1の残基114におけるMetの代わりのAla;
    b)配列番号1の残基117におけるThrの代わりのArg;
    c)配列番号1の残基118におけるLeuの代わりのGly;
    d)配列番号1の残基179におけるProの代わりのVal;
    e)配列番号1の残基181におけるThrの代わりのVal;および
    f)配列番号1の残基188におけるGlyの代わりのLeu
    より成る群から選択される1個もしくはそれ以上のアミノ酸置換を有する突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼをコードする核酸配列を発現するトランスジェニック植物。
  11. シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)である、請求項10記載のトランスジェニック植物。
  12. 突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼが、以下のアミノ酸置換:
    a)配列番号1の残基114におけるMetの代わりのAla;
    b)配列番号1の残基117におけるThrの代わりのArg;
    c)配列番号1の残基118におけるLeuの代わりのGly;
    d)配列番号1の残基179におけるProの代わりのVal;
    e)配列番号1の残基181におけるThrの代わりのVal;および
    f)配列番号1の残基188におけるGlyの代わりのLeu
    のそれぞれを含有する、請求項10記載のトランスジェニック植物。
  13. シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)である、請求項12記載のトランスジェニック植物。
  14. アミノ酸置換、配列番号1の残基117におけるThrの代わりのArgを有する突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼをコードする核酸配列を発現可能な形態で含んで成るDNA発現構築物。
  15. アミノ酸置換、配列番号1の残基117におけるThrの代わりのArgを有する突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼをコードする核酸配列を発現可能な形態で含んで成るDNA発現構築物で形質転換された細胞。
  16. 原核生物である、請求項15記載の細胞。
  17. 真核生物である、請求項15記載の細胞。
  18. 植物細胞である、請求項17記載の細胞。
  19. アミノ酸置換、配列番号1の残基117におけるThrの代わりのArgを有する突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼをコードする核酸配列を発現するトランスジェニック植物。
  20. シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)である、請求項19記載のトランスジェニック植物。
  21. 以下のアミノ酸置換:
    a)配列番号1の残基114におけるMetの代わりのAla;
    b)配列番号1の残基117におけるThrの代わりのArg;
    c)配列番号1の残基118におけるLeuの代わりのGly;
    d)配列番号1の残基179におけるProの代わりのVal;
    e)配列番号1の残基181におけるThrの代わりのVal;および
    f)配列番号1の残基188におけるGlyの代わりのLeu
    のそれぞれを含有する突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼをコードする核酸配列を発現可能な形態で含んで成るDNA発現構築物で形質転換された細胞。
  22. 原核生物である、請求項21記載の細胞。
  23. 真核生物である、請求項21記載の細胞。
  24. 植物細胞である、請求項23記載の細胞。
  25. 配列番号1の残基181におけるThrの代わりのPheのアミノ酸置換を有する、突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼ。
  26. 配列番号1の残基181におけるThrの代わりのPheのアミノ酸置換を有する突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼをコードする核酸配列を発現可能な形態で含んで成る、DNA発現構築物。
  27. 配列番号1の残基181におけるThrの代わりのPheのアミノ酸置換を有する突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼをコードする核酸配列を発現可能な形態で含んで成るDNA発現構築物で形質転換された細胞。
  28. 原核生物細胞である、請求項27記載の細胞。
  29. 真核生物細胞である、請求項27記載の細胞。
  30. 植物細胞である、請求項29記載の細胞。
  31. 配列番号1の残基181におけるThrの代わりのPheのアミノ酸置換を有する突然変異体のトウゴマΔ9−18:0−ACPデサチュラーゼをコードする核酸配列を発現するトランスジェニック植物。
  32. シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)である、請求項31記載のトランスジェニック植物。
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