JP4659387B2 - 超臨界水又は亜臨界水の製造方法及びその装置 - Google Patents

超臨界水又は亜臨界水の製造方法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は、圧力が22MPa以上で温度が374℃以上の超臨界条件にして成る超臨界水、又はこの超臨界水に近い状態の亜臨界水を製造する方法と、その装置とに関するものである。
内燃機関における排気ガスのクリーン化を図るために、その燃焼室に、超臨界水又は亜臨界水を供給することが行われており、また、ダイオキシン等の有害物質を分解することに、超臨界水又は亜臨界水を使用することが行われている。
この場合、従来は、例えば、特許文献1及び特許文献2等に記載されているように、原料水を、ポンプ等の加圧手段にて所定の圧力まで加圧したのち、集光した大陽光、内燃機関からの排気ガス等を熱源として、所定の温度に間接的に加熱することによって、超臨界水又は亜臨界水に状態変化するように構成していることが良く知られている。
特開2000−263634号公報 特開2003−148254号公報
しかし、従来は、前記特許文献1及び2に記載されているように、前記加圧箇所を経て前記加熱箇所において間接的に加熱することで製造した超臨界水又は亜臨界水に状態変化したものを、そのまま、当該超臨界水又は亜臨界水を使用する箇所に送り出すようにしている。
このために、前記超臨界水又は亜臨界水を使用する箇所において、当該超臨界水又は亜臨界水の使用量に変動があると、この変動がそのまま、常温の原料水から超臨界水又は亜臨界水に状態変化させなければならなくなり、圧力及び温度の変化が瞬時に系全体に及ぶことになるから、原料水を所定の超臨界水又は亜臨界水にする状態を、一定に維持するようにコントロールすることがきわめて困難であり、超臨界水又は亜臨界水を安定して製造することができないという問題があった。本発明は、この問題を解消した製造方法と装置とを提供することを技術的課題とするものである。
この技術的課題を達成するため本発明の製造方法は、
「原料水を加圧手段で所定の圧力に加圧し、次いで、加熱手段で所定の温度に間接加熱するようにした超臨界水又は亜臨界水の製造方法において、
前記加熱手段からの超臨界水又は亜臨界水のうち一部を前記超臨界水又は亜臨界水の使用箇所へ取り出し、残りの前記超臨界水又は亜臨界水を前記加圧手段に戻す。」
ことを特徴としている。
次に、本発明の製造装置は、
「原料水を所定の圧力に加圧する加圧手段と、この加手段で加圧した原料水を所定の温度に間接加熱する加熱手段とを備えて成る超臨界水又は亜臨界水の製造装置において、
前記加熱手段からの超臨界水又は亜臨界水を前記加圧手段に戻すようにした戻し循環管路を設けて、前記加熱手段と前記加圧手段との間を循環経路に構成し、更に、前記加熱手段から前記加圧手段に至る超臨界水又は亜臨界水の一部を前記戻し循環管路から前記超臨界水又は亜臨界水の使用箇所へ取り出すようにした取出管路と、原料水を前記加圧手段に供給するようにした供給管路とを備えている。」
ことを特徴としている。
前記した方法によると、原料水は、加圧手段と加熱手段との間を循環する間に超臨界水又は亜臨界水に状態変化し、そして、この超臨界水又は亜臨界水の一部が取り出されてその使用箇所に供給される。
つまり、所定の使用箇所に供給される超臨界水又は亜臨界水は、加圧手段と加熱手段との間を循環する超臨界水又は亜臨界水の一部であることにより、この超臨界水又は亜臨界水を使用する箇所における使用量の変動が、原料水を超臨界水又は亜臨界水に状態変化する箇所に圧力及び温度の変化として及ぶことを確実に低減できるから、原料水を所定の超臨界水又は亜臨界水にする状態を、一定に維持するようにコントロールすることが容易になり、超臨界水又は亜臨界水を安定して製造することができる。
特に、製造装置において、請求項に記載したように、バッファタンクを設けることにより、循環経路に保有される超臨界水又は亜臨界水の量が多くなるから、超臨界水又は亜臨界水を使用する箇所における使用量の変動が、原料水を超臨界水又は亜臨界水にする箇所に圧力及び温度の変化として及ぶことを更に確実に低減できて、前記した効果を、より助長できる。
また、製造装置において、請求項に記載したように、前記戻し循環管路のうち前記取出管路と前記供給管路との間に、前記加熱手段から加圧手段への方向にのみ開くようにした逆止弁を設けることにより、前記供給管路から供給した原料水が、前記取出管路から取り出される超臨界水又は亜臨界水に混ざることを前記逆止弁にて確実に阻止できるから、超臨界水又は亜臨界水の製造を確実に達成できる。
更にまた、製造装置において、請求項に記載したように、前記循環経路のうち前記加圧手段から前記加熱手段に至る部位に、この方向にのみ開くようにした逆止弁を設けることにより、前記加熱手段において状態変化した超臨界水又は亜臨界水がこの加熱手段から前記加圧手段への方向に逆流することを前記逆止弁にて確実に阻止できるから、正規の流れ方向への循環を確保できる利点がある。
以下、本発明の実施の形態を、図1の図面ついて説明する。
この図において、符号1は、加圧手段としての加圧ポンプを、符号2は、加熱手段としての間接熱交換式の加熱器を各々示す。
前記加圧ポンプ1の吐出側と前記加熱器2の入り口側との間を行き循環管路3を介して接続する一方、前記加熱器2の出口側と前記加圧ポンプ1の吸い込み側との間を戻循環管路4を介して接続することにより、前記加圧ポンプ1で22MPa以上の圧力に加圧した原料水を行き循環管路3を介して前記加熱器2に送り、ここで、例えば、集めた陽光、又は、内燃機関における排気ガス等を熱源として、374℃以上の温度に間接加熱して超臨界水又は亜臨界水にし、次いで、前記加熱器2の出口側からの超臨界水又は亜臨界水を、戻循環管路4を介して前記加圧ポンプ1に吸い込ませるというように、前記加圧ポンプ1と、前記加熱器2との間を原料水の循環経路に構成する。
前記循環経路のうち前記加圧ポンプ1から前記加熱器2に至る前記行き循環管路3の途中には、この方向にのみ開くようにした第1逆止弁5が設けられている。
一方、前記循環経路のうち前記加熱器2から前記加圧ポンプ1に至る前記戻循環管路4の途中には、この方向にのみ開くようにした第2逆止弁6が設けられている。
また、前記戻循環管路4には、前記第2逆止弁6よりも上流側の部位に、適宜内容積のバッファタンク7を備えているほか、超臨界水又は亜臨界水の取出管路8を備えている。
この取出管路8は、その途中に開閉弁9を備え、図示のように、前記バッファタンク7に接続するという構成にするか、或いは、前記戻循環管路4に直接接続するという構成にしても良い。
次に、符号10は、原料水を入れたタンクを示し、このタンク10内の原料水を管路11を介して供給ポンプ12にてくみ出し、この供給ポンプ12において、前記した22MPa以上の圧力、又は、これに近い圧力に加圧するようにしている。
前記供給ポンプ12の吐出側からの管路は、前記戻循環管路4のうち前記第2逆止弁6よりも下流側の部位への供給管路13と、前記タンク10内への戻り管路14とに分岐されており、前記供給管路13の途中には、前記戻循環管路4への方向にのみ開くようにした逆止弁15が設けられている一方、前記戻り管路14の途中には、流量制御弁16が設けられている。
前記流量制御弁16は、前記戻循環管路4のうち前記第2逆止弁6よりも上流側の部位に位置する圧力センサー17に関連し、前記圧力センサー17の箇所における圧力が前記した22MPaに近づくように下がると、これに運動して閉じるように構成されており、この流量制御弁16の閉により、前記供給管路13内の圧力が高くなるから、前記戻循環管路4に対して、原料水が、当該戻循環管路4における圧力が下がった分だけ供給されるという構成になっている。
なお、戻循環管路4には、安全弁18が設けられている。この安全弁18は、前記循環経路内における圧力が異常に高くなった場合に、この圧力で自動的に開いて超臨界水又は亜臨界水を大気中に放出し圧力を下げることにより、前記加圧ポンプ1、加熱器2及び循環管路3,4の全体を含む循環経路の全体の破損を回避するという働きを成す。
この構成において、前記加圧ポンプ1における吸い込み側に供給管路13から供給された原料水は、前記加圧ポンプ1において、22MPa以上の圧力に加圧したのち、行き循環管路3を介して加熱器2に送られる。
次いで、この加熱器2において、374℃以上の温度になるように間接加熱されることにより、超臨界水又は亜臨界水に状態変化する。
このようにして状態変化した超臨界水又は亜臨界水は、バッファタンク7内に一時的に溜められ、その一部が、取出管路8から当該超臨界水又は亜臨界水を使用する箇所に送出される一方、残りの超臨界水又は亜臨界水は、戻循環管路4を介して前記加圧ポンプ1に戻り、この加圧ポンプ1から前記加熱器2に送られるという循環を行う。
つまり、原料水は、加圧ポンプ1と加熱器2との間を循環する間に超臨界水又は亜臨界水に状態変化し、そして、この超臨界水又は亜臨界水の一部が取り出されてその使用箇所に供給されるもので、所定の使用箇所に供給される超臨界水又は亜臨界水は、加圧ポンプ1と加熱器2との間を循環する超臨界水又は亜臨界水の一部であることにより、この超臨界水又は亜臨界水を使用する箇所における使用量の変動が、原料水を超臨界水又は亜臨界水に状態変化する箇所に圧力及び温度の変化として及ぶことを確実に低減できる。
この場合において、前記超臨界水又は亜臨界水の加圧ポンプ1への戻循環管路4にバッファタンク7を設けることにより、循環経路に保有される超臨界水又は亜臨界水の量が多くなるから、超臨界水又は亜臨界水を使用する箇所における使用量の変動が、原料水を超臨界水又は亜臨界水にする箇所に圧力及び温度の変化として及ぶことを更に確実に低減できる。
また、前記戻循環管路4には、当該戻循環管路4に対する原料水の供給管路13の接続箇所よりも上流側の部位に、前記加熱器2から加圧ポンプ1への方向のみに開くようにした第2逆止弁6が設けられていることにより、前記供給管路13から供給した原料水が、前記取出管路8から取り出される超臨界水又は亜臨界水に混ざることを確実に阻止できる。
更にまた、前記循環経路のうち加圧ポンプ1から加熱器2への行き循環管路3には、この方向にのみ開くようにした第1逆止弁5が設けられていることにより、前記加熱器2において状態変化した超臨界水又は亜臨界水がこの加熱器2から前記加圧ポンプ1への方向に逆流することを確実に阻止できる。
これに加えて、前記供給管路13には、前記戻循環管路4への方向にのみ開くようにした逆止弁15が設けられていることにより、前記戻循環管路4における超臨界水又は亜臨界水が、この供給管路13の上流側に逆流することを確実に阻止できる。
本発明の実施の形態を示すフローシートである。
1 加圧手段としての加圧ポンプ
2 加熱手段としての加熱器
3 行き循環管路
4 戻循環管路
5 第1逆止弁
6 第2逆止弁
7 バッファタンク
8 超臨界水又は亜臨界水の取出管路
10 原料水タンク
12 原料水の供給ポンプ
13 原料水の供給管路

Claims (6)

  1. 原料水を加圧手段で所定の圧力に加圧し、次いで、加熱手段で所定の温度に間接加熱するようにした超臨界水又は亜臨界水の製造方法において、
    前記加熱手段からの超臨界水又は亜臨界水のうち一部を前記超臨界水又は亜臨界水の使用箇所へ取り出し、残りの前記超臨界水又は亜臨界水を前記加圧手段に戻すことを特徴とする超臨界水又は亜臨界水の製造方法。
  2. 前記請求項1の記載において、前記加圧手段には、当該加圧手段に戻す前記超臨界水又は亜臨界水の圧力が下がった分だけ原料水が供給されることを特徴とする超臨界水又は亜臨界水の製造方法。
  3. 原料水を所定の圧力に加圧する加圧手段と、この加圧手段で加圧した原料水を所定の温度に間接加熱する加熱手段とを備えて成る超臨界水又は亜臨界水の製造装置において、
    前記加熱手段からの超臨界水又は亜臨界水を前記加圧手段に戻すようにした戻し循環管路を設けて、前記加熱手段と前記加圧手段との間を循環経路に構成し、更に、前記加熱手段から前記加圧手段に至る超臨界水又は亜臨界水の一部を前記戻し循環管路から前記超臨界水又は亜臨界水の使用箇所へ取り出すようにした取出管路と、原料水を前記加圧手段に供給するようにした供給管路とを備えていることを特徴とする超臨界水又は亜臨界水の製造装置。
  4. 前記請求項3の記載において、前記戻し循環管路に前記加熱手段からの超臨界水又は亜臨界水を一時溜めるようにしたバッファタンクを設けることを特徴とする超臨界水又は亜臨界水の製造装置。
  5. 前記請求項3又は4の記載において、前記戻し循環経路の途中に、前記加熱手段から加圧手段への方向にのみ開くようにした逆止弁を設け、前記戻し循環経路のうち前記逆止弁よりも上流側の部位に前記取出管路を備え、前記戻し循環経路のうち前記逆止弁よりも下流側の部位に前記供給管路を備えていることを特徴とする超臨界水又は亜臨界水の製造装置。
  6. 前記請求項3、4又は5のいずれかの記載において、前記循環経路のうち前記加圧手段から前記加熱手段に至る部位に、この方向のみに開くようにした逆止弁を設けることを特徴とする超臨界水又は亜臨界水の製造装置。
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