JP4659225B2 - シリンダブロックの鋳造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダブロックの鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの重量軽減を図るために、アルミ合金を鋳造成形したシリンダブロックが知られている。このシリンダブロックには、複数のジャーナル部が設けられており、これらに介装された軸受メタルによって鉄製のクランク軸が軸支されている。そして、エンジン作動時には、シリンダ内における混合気の燃焼により発生した熱がジャーナル部に伝達される。ジャーナル部の温度が上昇すると、アルミ合金と鉄との熱膨張率の差によって、アルミ合金製のジャーナル部と鉄製のクランク軸との間のクリアランス(隙間)が大きくなる。その結果、車両走行時における振動や騒音の発生を招く。
【0003】
そこで、例えば、特開平10−159648号公報には、個々の軸受部(ジャーナル部)に、低熱膨張率、高剛性、かつ軽量なアルミ合金製のベアリングキャップを、超音波はんだ付により接合した構成が開示されている。また、一例として、ベアリングキャップの材質が繊維強化アルミニウム合金である点も開示されている。ベアリングキャップは、ジャーナル部と同じ幅を有し、ジャーナル部毎に一つのベアリングキャップが接合されている。このような構成では、ベアリングキャップを低熱膨張率のアルミニウム合金製とすることにより、それとクランク軸との熱膨張率の差を小さくできる。したがって、温度変化に拘わらず、クランク軸と軸受面との間のクリアランスが適切に保たれるため、振動や騒音の問題を解決できる。
【0004】
また、特開2000−205037号公報には、アルミ合金製のシリンダブロックの左右の外側壁を連結し、かつ、クランク軸のジャーナル部をなす個々のバルクヘッドに、強化繊維からなり左右の外側壁を横断するプリフォームを鋳込んだ構成が開示されている。それぞれのバルクヘッドに、その左右全長に亘るような形状を有する単一のプリフォームを鋳込む。これにより、プリフォームが鋳込まれた領域が繊維強化金属(FRM)化されるため、バルクヘッドが高剛性化される。その結果、左右の外側壁の振動が抑制されるとともに、軸受面の熱膨張も抑えられる。
【0005】
一方、繊維強化金属よりなる複合部材を鋳包む手法に関しては、以下の技術が知られている。まず、特開2000−38645号公報には、シリンダブロックの鋳型内における補強部分に、プリフォーム(繊維強化予備成形体)を配置した上で、鋳込みを行う点が記載されている。このプリフォームは、強化繊維がバインダーによって結合固定されたものである。シリンダブロックの鋳造プロセスにおいて、鋳型内にアルミ合金金属の溶湯を注湯加圧すると、この溶湯がマトリックス金属としてプリフォーム内に含浸するため、プリフォームが繊維強化金属化する。
【0006】
また、特開平5ー337631号公報および特開平9−122888号公報には、アルミ系のマトリックス金属で繊維強化金属化した被鋳包み材(金属基複合材料)を金型内に配置した上で、マトリックス金属と同系のアルミ合金溶湯を注湯する点が記載されている。これにより、被鋳包み材がマトリックス金属と同種の金属によって良好に鋳包まれるため、両者の接合強度が向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、クランク軸を軸支するジャーナル部は、混合気の燃焼により発生した衝撃的な高荷重を直接受けるため、十分な強度・剛性が要求される。しかしながら、上述した特開2000−2057037号公報のように、バルクヘッドの左右全長に亘るような形状を有する単一のプリフォームを鋳込む手法では、ジャーナル部に要求される強度・剛性を確保できない可能性がある他、製造された製品間で熱膨張のばらつきが生じやすい。なぜなら、個々のジャーナル部に単一のプリフォームを鋳込む場合、プリフォーム自体の体積が大きくなるため、鋳込まれたプリフォームの内部までアルミ溶湯が十分に含浸せず、空孔が生じるケースが想定されるからである。一方、プリフォームの体積を小さくした場合、かかる不都合は回避できる反面、クランク軸と軸受面との間のクリアランスを適切に保つという本来の目的を達成することが困難になる。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、クランク軸と軸受面との間のクリアランスを適切に保持し得るシリンダブロックの新規な鋳造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本発明は、シリンダブロックとは熱膨張率が異なるクランク軸を軸支するジャーナル部を有するシリンダブロックの鋳造方法において、シリンダブロックの鋳型内におけるジャーナル部の形成部分に、強化繊維材をマトリックス金属で繊維強化金属化した複合部材を、クランク軸の軸方向において互いに離間した状態で複数配置するステップと、マトリックス金属と同系金属を含む溶湯を、鋳型内に流し込み、複数の複合部材間を含む複合部材の周囲に溶湯を配置させるステップと、鋳型を開いて、ジャーナル部に複合部材が鋳込まれたシリンダブロックを取り出すステップとを有するシリンダブロックの鋳造方法を提供する。
【0011】
ここで、本発明において、上記複合部材を配置するステップは、所定の板厚を有するプレート形状の複合部材のそれぞれを、クランク軸を横断する方向に配向させた状態で配置するステップであることが好ましい。
【0012】
また、本発明において、シリンダブロックがアルミ合金製の場合、マトリックス金属は、アルミ系金属であることが好ましく、クランク軸が鉄製の場合、強化繊維材は、Fe−Cr系またはFe−Mn系の金属細線であることが好ましい。
【0013】
本発明において、強化繊維材によって構成され、所定の板厚を有するシート状のプリフォームを形成するステップと、プリフォームにマトリックス金属を含浸させることにより、強化繊維材が繊維強化金属化された複合材シートを形成するステップと、複合材シートを所定の形状に分割することにより、同一のプレート形状を有する複数の複合部材を得るステップとをさらに有することが好ましい。また、複合部材は、クランク軸を軸支可能な半円形状の軸支面を有することが好ましい。
【0014】
ここで、本発明において、上記プリフォームを形成するステップは、複数の金属細線を所定の間隔でメッシュ状に並べることにより、金網メッシュを形成するステップと、金網メッシュを板厚方向に多層化することにより、プリフォームを得るステップとを有することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、水平対向4気筒エンジンの要部展開図である。左右のシリンダブロック1,2は、アルミ合金(例えば、熱膨張率が21.0×10-6/℃)により別個に鋳造成形される。左シリンダブロック1には、中央部が半円状の切欠部を有する複数の左側ジャーナル部3が設けられているとともに、右シリンダブロック2には、同様の切欠部を有する複数の右側ジャーナル部4が設けられている。これらのジャーナル部3,4のそれぞれには、軸受メタル5,6が介装されている。クランク軸7は、左右の半円状の切欠部に介装された軸受メタルを軸受面としてクランク軸7を挟み込むことにより、軸支されている。一例として、このクランク軸7は、炭素0.5%を含有する鉄等の鋼材(熱膨張率:12.0×10-6/℃)で形成されている。クランク軸7は、シリンダ内における混合気の燃焼によるピストンの往復運動がコンロッド8を介して伝達されることにより回転する。この回転時において、ジャーナル部3,4は、大きな衝撃的な高荷重を常時受けると共に、混合気の燃焼熱の伝搬により熱膨張する。
【0018】
図2は、右シリンダブロック2におけるクランクジャーナル構造の上面図であり、図3は、ジャーナル部4の拡大斜視図である。なお、左シリンダブロック1についても同様のクランクジャーナル構造を有しているため、ここでの説明を省略する。
【0019】
シリンダブロック2に設けられた5つのジャーナル部4は、クランク軸7の軸方向Lに対して直角に横断するように延在しており、ジャーナル部4のそれぞれに設けられた半円状の軸支面9の中心は軸方向Lと一致している。また、それぞれのジャーナル部4には、3つの繊維強化金属領域10が並列に設けられている。この繊維強化金属領域10は、高強度の強化繊維材を含んでおり、アルミ合金と一体的に複合して繊維強化金属化(FRM化)された領域である。本実施形態では、強化繊維材は、例えば、熱膨張率が11.6×10-6/℃のFe−Cr系耐熱鋼材(Fe−Cr−Si)で、線径0.1mm程度の金属細線を用いている。また、熱膨張率が8.8×10-6/℃のFe−Mn系耐熱鋼材(Fe−Mn−Si)で、線径0.1mm程度の金属細線を用いててもよい。ただし、適用可能な強化繊維材は、これらに限定されるものではなく、強化繊維材として周知な各種材料を用いてもよい。
【0020】
隣接した繊維強化金属領域10は、繊維強化金属化されていないアルミ合金を介して、互いに離間している。また、それぞれの繊維強化金属領域10は、同一のプレート幅W1を有するプレート形状を有しており、軸方向Lを横断する方向に配向されている。このような繊維強化金属領域10のサンドイッチ構造によって、図4に示すジャーナル部4とクランク軸7との間のクリアランスDの変化を有効に調整・保持できる。なお、クリアランスを適切に保つという観点でいえば、それぞれの繊維強化金属領域10は、クランク軸7の軸方向Lと直角方向に配向されることが特に好ましい。
【0021】
あるジャーナル部4における3つの繊維強化金属領域10のいずれも、ジャーナル部4の上面を除く外周囲において、十分な肉を残すアルミ合金で埋設されている。換言すれば、繊維強化金属領域10は、ジャーナル部4における軸方向Lの端部に露出していない。これにより、繊維強化金属領域10は、軸方向Lの両側からアルミ溶湯が含浸してくるため、後述する空孔の発生を効果的に抑制できる。
【0022】
つぎに、上述した構造を有するシリンダブロック1,2の鋳造方法について説明する。繊維強化金属領域10のサンドイッチ構造は、シリンダブロック1,2を鋳造する際に、複合部材(強化繊維材をマトリックス金属によって繊維強化金属化した部材)を鋳込むことによって得られる。図5は、かかる複合部材の製造プロセスの説明図である。なお、同図は、一枚のプリフォーム20から16個の複合部材22を同時に作成する例を示している。
【0023】
まず、強化繊維材の綿状の固まりを圧縮成形し、所定の空孔率を有するシート状のプリフォーム20を生成する(同図(a))。プリフォーム20の形成ベースとなる綿状の固まりは、ジャーナル部3,4の熱膨張を調整するために選択された強化繊維材である金属細線で構成されている。ここで、「空孔率」とは、プリフォーム20の単位体積当たりに占める空孔(未充填部分)の体積比率をいう。後述するように、プリフォーム20中の空孔にマトリックス金属が含浸することによりプリフォーム20がFRM化するため、空孔率はFRMの強度・剛性、熱膨張率を決定する重要な要素の一つとなる。したがって、綿状の金属細線の圧縮の程度を適切にコントロールして、所定の空孔率を有するプリフォーム20を形成する。
【0024】
なお、以上のような観点でいえば、空孔率の他にも、金属細線の材料、線径、シート重量、シート形状、鋳込むシートの枚数、シート間隔等も重要であり、要求されるジャーナル部4の仕様(強度・剛性、熱膨張率等)に鑑みて、これらの要素も考慮されるべきである。また、強化繊維材としては、長繊維または短繊維のいずれを用いてもよいが、生成されるプリフォーム20は、全体的に均一な空孔率が得られるように加工する必要がある。
【0025】
また、このプリフォーム20は、図6に示す手順で作成してもよい。まず、長繊維である金属細線を、所定の間隔で縦横に、換言すれば、メッシュ状に並べることにより、金網メッシュ23を形成する(同図(a))。そして、金網メッシュ23を板厚方向に積層し、多層化することによって、プリフォーム20を作成する。この手法によれば、金網メッシュ23の調整等で空孔率を容易に設定することができ、かつ、比較的均一な空孔率を有するプリフォーム20を容易に得ることができる。このことは、クリアランス調整のばらつきを小さくできる点で有利である。
【0026】
つぎに、先の工程で作成されたプリフォーム20に、シリンダブロック1,2と同系金属であるマトリックス金属(アルミまたはアルミ合金)を加圧鋳造法によって鋳込む。これにより、プリフォーム20中に存在する無数の空孔に、マトリックス金属が十分に含浸するため、強化繊維材が繊維強化金属化された複合材シート21が得られる(図5(b))。
【0027】
そして、所定の厚さW1となるように複合材シート21に機械加工を施した後、プレス等によって、複合材シート21を図5(b)に示した点線に沿って分割する。これにより得られる個々のピースは、同一のプレート形状を有しており、クランク軸7を軸支可能な半円形状の軸支面24を有している。個々のピースは、シリンダブロックに鋳込まれる複合部材22として用いられる。上述したように、均一な空孔率を有する一枚のプリフォーム20をベースとして、16個の複合部材22を同時に作成する。したがって、強化繊維材をマトリックス金属で繊維強化金属化した複合部材22は、ほぼ同様の強度・剛性特性およびほぼ同様の熱膨張率特性を有する。
【0028】
以上の製造プロセスで製造された複合部材22は、シリンダブロック1,2を鋳造成形する際に、クリアランス調整部材としてジャーナル部3,4に鋳込まれる。具体的には、シリンダブロック2の鋳型内におけるジャーナル部3,4の形成部分に、クランク軸7の軸方向Lにおいて互いに離間した状態で、複数の複合部材22を等間隔で配置する。なお、ジャーナル部4の形状が複雑な場合には、温度上昇に伴う熱膨張を考慮して、複合部材22を不等間隔で鋳込み、ジャーナル部3,4の熱膨張をコントロールする。
【0029】
つぎに、マトリックス金属と同系の金属(すなわち、アルミ合金)を溶融した溶湯を鋳型内に流し込んで、複合部材22を鋳包む。そして、一般的な鋳造プロセスと同様に、冷却・凝固したら鋳型を開いて製品を取り出し、これを仕上げることによって、シリンダブロック1,2が完成する。
【0030】
このように、本実施形態に係るシリンダブロック1,2の鋳造方法によれば、繊維強化金属領域10のサンドイッチ構造を効率的に製造できる。そして、製造されたシリンダブロック1,2では、強度・剛性を維持しながら、車両走行時における振動や騒音の発生を低減することができる。また、一つのジャーナル部3,4に複数の繊維強化金属領域10を離間して形成されるため、複数の繊維強化金属領域10(複合部材22)における全体的な表面積を大きくすることができる。これにより、強化繊維とマトリックス金属との界面の面積も大きくなるため、界面全体としての強度が向上する。また、個々の繊維強化金属領域10については、軸受部位を除く全周がアルミ合金と接合しているので、十分な接合強度が確保される。その結果、ジャーナル部3,4に要求される強度・剛性とクリアランス調整とを高いレベルで両立できる。
【0031】
一例として、繊維強化金属領域10のプレート幅W1の総和(3×W1)が、ジャーナル部3,4のジャーナル幅W2の半分以上を占める構造では、軸支面9付近における繊維強化金属領域10の体積比率が50%以上となる(熱膨張率は約16.4×10-6/℃以下)。これにより、ジャーナル部3,4の強度・剛性の確保と、クリアランスのコントロールとの高い次元で両立でき、実効性のあるものにすることができる。
【0032】
また、上述した製造方法で複合部材22を製造すれば、多数の複合部材22を効率的に製造でき、かつ、個体間における特性のばらつきを有効に抑えることができる。すなわち、本実施形態では、空孔率が均一なプリフォーム20をベースに複合材シート21を形成し、この複合材シート21から複数の複合部材22が得られるため、量産性に優れている。それとともに、ベースとなるプリフォーム20の空孔率をほぼ均一に設定できるため、そこから得られる個々の複合部材22の強度・剛性、熱膨張率はほぼ一様となる。
【0033】
さらに、各ジャーナル部4には、プレート形状を有する複合部材22を複数鋳込むため、一枚当たりの複合部材22の厚さW1は、ジャーナル部3,4のジャーナル幅W2に対して薄くすることができる(図3参照)。したがって、個々の複合部材22の体積を小さくすることができるため、複合部材22の周囲から内部にアルミ溶湯が十分に含浸する。その結果、内部に空孔が殆ど存在せず、かつ、アルミ合金と強化繊維材とが強固に結合した密着性の高い繊維強化金属領域10が形成される。
【0034】
なお、上述した実施形態では、水平対向エンジンに適用した例について説明したが、本発明に係るクランクジャーナル構造はこれに限定されるものではなく、各種のシリンダブロックに適用可能である。例えば、直列エンジンのように、シリンダブロックとクランクロアケースとによってクランク軸を軸支する構造や、シリンダブロックとベアリングキャップとによってクランク軸を軸支する構造に適用してもよい。
【0035】
また、本発明は、鉄製のクランク軸を軸支するアルミ合金製のジャーナル部を有するクランクジャーナル構造に限定されるものではなく、熱膨張率が異なる各種の異種金属部材の組み合わせに対して、広く適用することができるのは当然である。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、シリンダブロックの鋳型内におけるジャーナル部の形成部分に、繊維強化金属化された複合部材を、クランク軸の軸方向において互いに離間した状態で複数配置した上で、マトリックス金属と同系金属を含む溶湯を、鋳型内に流し込む。これにより、ジャーナル部の強度・剛性を確保しつつ、クランク軸と軸受面との間のクリアランスを適切に保持し得るシリンダブロックを鋳造することができる。
【0037】
また、シリンダブロック等に鋳込まれる複合部材は、空孔率がほぼ均一なシート状のプリフォームをベース材とし、それを繊維強化金属化した複合材シートより製造される。また、一枚の複合材シートより複数の複合部材を製造することができる。したがって、複合部材の量産性を高めることができると共に、個体間の特性のばらつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水平対向4気筒エンジンの要部展開図
【図2】クランクジャーナル構造の上面図
【図3】ジャーナル部の拡大斜視図
【図4】クランク軸とジャーナル部との間のクリアランスの説明図
【図5】複合部材の製造プロセスの説明図
【図6】プリフォームの作成手法の説明図
【符号の説明】
1 左シリンダブロック、
2 右シリンダブロック、
3 左側ジャーナル部、
4 右側ジャーナル部、
5,6 軸受メタル、
7 クランク軸、
8 コンロッド、
9 軸支面、
10 繊維強化金属領域、
20 プリフォーム
21 複合材シート、
22 複合部材、
23 金網メッシュ、
24 軸支面

Claims (6)

  1. シリンダブロックとは熱膨張率が異なるクランク軸を軸支するジャーナル部を有するシリンダブロックの鋳造方法において、
    シリンダブロックの鋳型内におけるジャーナル部の形成部分に、強化繊維材をマトリックス金属で繊維強化金属化した複合部材を、クランク軸の軸方向において互いに離間した状態で複数配置するステップと、
    前記マトリックス金属と同系金属を含む溶湯を、前記鋳型内に流し込み、前記複数の複合部材間を含む前記複合部材の周囲に前記溶湯を配置させるステップと、
    前記鋳型を開いて、前記ジャーナル部に前記複合部材が鋳込まれたシリンダブロックを取り出すステップと
    を有することを特徴とするシリンダブロックの鋳造方法。
  2. 上記複合部材を配置するステップは、所定の板厚を有するプレート形状の複合部材のそれぞれを、前記クランク軸を横断する方向に配向させた状態で配置するステップであることを特徴とする請求項1に記載されたシリンダブロックの鋳造方法。
  3. 前記シリンダブロックは、アルミ合金製であって、
    前記マトリックス金属は、アルミ又はアルミ合金であることを特徴とする請求項1または2に記載されたシリンダブロックの鋳造方法。
  4. 前記シリンダブロックは、アルミ合金製であって、
    前記マトリックス金属は、アルミ又はアルミ合金であり、
    前記クランク軸は、鉄製であって、
    前記強化繊維材は、Fe−Cr系またはFe−Mn系の金属細線であることを特徴とする請求項1に記載されたシリンダブロックの鋳造方法。
  5. 前記強化繊維材によって構成され、所定の板厚を有するシート状のプリフォームを形成するステップと、
    前記プリフォームにマトリックス金属を含浸させることにより、前記強化繊維材が繊維強化金属化された複合材シートを形成するステップと、
    前記複合材シートを所定の形状に分割することにより、同一のプレート形状を有する複数の前記複合部材を得るステップとをさらに有し、
    前記複合部材は、クランク軸を軸支可能な半円形状の軸支面を有することを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの鋳造方法。
  6. 上記プリフォームを形成するステップは、
    複数の金属細線を所定の間隔でメッシュ状に並べることにより、金網メッシュを形成するステップと、
    前記金網メッシュを板厚方向に多層化することにより、前記プリフォームを得るステップと
    を有することを特徴とする請求項5に記載されたシリンダブロックの鋳造方法。
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