JP4205940B2 - 振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄の製造方法に関する。本発明は、例えば、オイルポンプ等のボディ、ケース、カバー、トランスミッションケース、クラッチケース、振動インシュレータ、軸受け、機械装置のベッド、ブレーキ部品等といった振動減衰能及び強度が要請される部品に適用されるねずみ鋳鉄に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
ねずみ鋳鉄で形成された代表的な部品として、オイルポンプ等のボディ、ケース、カバー等が挙げられる。これらは軽量化のニーズにより薄肉化を図りつつ強度を高めることが要請されていると共に、静粛性のニーズにより振動減衰能を高めることが要請されている。薄肉化を図りつつ強度を高めるには、パーライト基地を主体とすることが好ましい。振動減衰能を高めるためには、片状黒鉛の長さを長くすることが好ましい。これらは相反する要請であり、両立させることは必ずしも容易ではない。
【0003】
従来、振動減衰能及び強度を高めたねずみ鋳鉄として、特許文献1に記載のものが知られている。この文献には、重量比で、Cが3.5〜3.90%、Siが2.3〜3.0%、Mnが0.7〜1.1%、Pが0.05%未満、Sが0.08〜0.12%、Cuが0.7〜1.2%、CE値が4.3〜4.7の組成を有し、引張強さが15〜20kgf/mm2、振動減衰能が(12〜20)×10-3であり、硬さがHRB90〜105となるように高周波焼き入れ熱処理を施したブレーキ部品に係る技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−214480号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記文献に記載のねずみ鋳鉄は、振動減衰能及び強度を両立させているものの、鋳放し状態で、振動減衰能及び強度の両立を図っているものではなく、高周波焼き入れ熱処理を施すことにより強度を高め、これにより振動減衰能及び強度の両立を図ることにしている。この場合、高周波焼き入れ熱処理を行うため、鋳鉄を900℃以上の高温領域に加熱する必要があり、省エネルギ化の面において好ましくない。
【0006】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、高周波焼き入れ熱処理を施すことなく、鋳放し状態で、振動減衰能及び強度の両立を図ることができる振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記した課題のもとに、振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄について長年にわたり鋭意開発を進めている。そして、砂粒子とレジンとが混合した混合物を成形し、レジン含有量を重量比で4.0%以上に設定したレジン富化部分を少なくとも砂表面層に有するシェルモールド砂型を用いて形成した鋳造キャビティに溶湯を鋳造すれば、レジン富化部分の吸熱作用により、チルの発生を抑制しつつ、溶湯部分または凝固部分の冷却速度を早めることができ、これにより鋳放し状態で、振動減衰能及び強度の両立を図ることができる振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄を製造できることを知見し、試験で確認し、本発明方法を完成した。なお、レジン富化部分による吸熱作用はレジンの熱分解により行われるものと推察される。
【0008】
即ち、本発明に係る振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄の製造方法は、砂粒子とレジンとが混合した混合物を成形し、レジン含有量を重量比で4.0%以上に設定したレジン富化部分を少なくとも砂表面層に有する冷却促進用のシェルモールド砂型を準備する準備工程と、
前記冷却促進用のシェルモールド砂型を鋳型にセットし、鋳造キャビティのうち溶湯の冷却を促進させる部位に前記シェルモールド砂型のレジン富化部分を対面させるセット工程と、
重量比で炭素:3.2〜4.5%、シリコン:1.4〜4.0%を含む組成をもつ溶湯を前記鋳型の前記鋳造キャビティに注湯して凝固させ、片状黒鉛が基地に分散した振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄を形成する鋳造工程とを実施し、
前記振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄は、
平均黒鉛長さが8μm以下、パーライト面積率が90%以上の鋳鉄表面層を有すると共に、平均黒鉛長さが20μm以上、パーライト面積率が90%以上の鋳鉄内層を有することを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄の製造方法によれば、レジン含有量を重量比で4.0%以上に設定したレジン富化部分を少なくとも砂表面層に有する冷却促進用のシェルモールド砂型を準備する。そして、この冷却促進用のシェルモールド砂型を鋳型にセットし、鋳造キャビティのうち溶湯の冷却を促進させる部位にシェルモールド砂型のレジン富化部分を対面させる。その状態で鋳造キャビティに溶湯を鋳造するため、チルの発生を抑制しつつ、レジン富化部分の吸熱作用により、溶湯部分または凝固部分の冷却速度を適度な冷却速度に促進させることができる。しかも、ねずみ鋳鉄の鋳鉄内層における平均黒鉛長さが主に20μm以上となるように鋳鉄内層における片状黒鉛を成長させつつ、鋳鉄内層の基地をパーライト面積率90%以上とすることができ、振動減衰能及び強度の両立を図ることができる。
【0010】
なお、鋳造キャビティのうち溶湯の冷却を促進させる部位に冷やし金を配置することも考えられる。しかしこの場合には、冷やし金に対面する部分の冷却速度が早くなり過ぎ、チルを過剰に生成させるおそれがあり、チルを消失させる熱処理が別途必要とされる不具合がある。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄の製造方法によれば、準備工程では、砂粒子とレジンとが混合した混合物を成形し、レジン含有量を重量比で4.0%以上に設定したレジン富化部分を少なくとも砂表面層に有する冷却促進用のシェルモールド砂型を準備する。この場合、シェルモールド砂型の全体がレジン富化部分であっても良い。あるいは、シェルモールド砂型の砂表面層の全体がレジン富化部分であっても良い。あるいは、シェルモールド砂型の砂表面層の一部のみがレジン富化部分であっても良い。レジン富化部分のレジン含有量が多いと、レジン富化部分による吸熱作用が向上し、溶湯部分または鋳鉄部分の冷却速度を早めることができ、パーライトの割合を増加させるのに有利であるが、発生するガス量が増加するため、ガスの排出を良好にしないと、ガス欠陥が発生するおそれがある。また、シェルモールド砂型におけるレジン富化部分のレジン含有量が少なすぎると、レジン富化部分による吸熱作用が充分でなくなり、パーライトの割合が低下し、満足できる強度が得られないおそれがある。このため、シェルモールド砂型におけるレジン富化部分としては、レジン富化部分を重量比で100%としたとき、レジン4.0〜20.0%に設定されていることが好ましい。この場合、必要に応じて、レジン富化部分におけるレジン含有量としては重量比で4.2〜15%、4.4〜12%とすることができる。また、鋳鉄の用途によっては、レジン富化部分におけるレジン含有量としては重量比で4.5〜20.0%、4.7〜18.0%とすることもできる。但し、レジン富化部分におけるレジン含有量が多いと、ガス量が増加するため、ガス抜きを良好に行うことが好ましい。
【0012】
レジンとしては、砂粒子を結合させるバインダ機能を有する樹脂系材料であれば良く、フェノール樹脂、尿素樹脂、キシロール樹脂、メラミン樹脂、クレソドール樹脂等の熱硬化性樹脂を例示できる。フェノール樹脂としてはレゾール系、ノボラック系を例示できる。レジン富化部分は溶湯部分、凝固部分と直接接触できるように、シェルモールド砂型の最表面に形成されていることが好ましい。シェルモールド砂型におけるレジン富化部分の厚みとしては、要請される吸熱作用、ねずみ鋳鉄の用途、レジンの種類、シェルモールド砂型の厚み等によって変更されるが、一般的には0.5〜30mm、0.8〜15mm、1.1〜5mm等を例示できるが、これらに限定されるものではない。砂粒子としては、珪砂、ジルコン砂、オリビン砂等の公知のものを採用できる。
【0013】
レジン富化部分をもつシェルモールド砂型としては、中子であっても、主型であっても良く、要するに鋳造キャビティを形成する鋳型を形成できるものであれば良い。
【0014】
本発明に係る準備工程としては、砂粒子とレジンとが混合した混合物を金型で成形しつつ加熱することにより、シェルモールド砂型を直接に形成しても良い。また準備工程としては、砂粒子とレジンとが混合した混合物を金型で成形しつつ加熱し、中間砂型を形成する第1工程と、中間砂型の表面にレジンを含浸させることにより中間砂型の表面におけるレジンを増量させてレジン富化部分を形成する第2工程とを含む形態を採用することができる。この場合には、レジン富化部分におけるレジン含有量をかなり高くすることができ、レジン富化部分による吸熱作用を高めることができる。中間砂型に増量させたレジンは、例えば、中間砂型が有する熱、あるいは、金型等の熱保有部材から伝達される熱により熱硬化させることができる。
【0015】
本発明に係る振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄の製造方法によれば、シェルモールド砂型におけるレジン富化部分は、シェルモールド砂型の砂表面層に形成されており、シェルモールド砂型の砂内層よりもレジン含有量が相対的に高く設定されていると共に、シェルモールド砂型の砂内層はレジン富化部分よりもレジン含有量が相対的に低く設定されている形態を採用することができる。この場合には、レジン富化部分を形成するものの、シェルモールド砂型の砂内層はレジン富化部分よりもレジン含有量が相対的に低く設定されているため、溶湯部分または凝固部分の冷却速度を早めつつ、発生するガス量を抑えることができる。
【0016】
鋳造工程では、重量比で炭素:3.2〜4.5%、シリコン:1.4〜4.0%を含む組成をもつ溶湯を鋳型の鋳造キャビティに注湯して凝固させ、片状黒鉛が基地に分散した振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄を形成する。溶湯としては亜共晶組成でも、共晶組成でも良く、過共晶組成でも良く、具体的にはFC100〜300相当のもの、FC100〜200相当のものとすることができ、殊にFC150相当とすることができる。
【0017】
上記した組成において炭素が過少であると、振動減衰性に有効な片状黒鉛の成長が充分でなくなり、チルも過剰となり易い。炭素が過剰であると、強度が低下するおそれがある。シリコンが過少であると、振動減衰性に有効な片状黒鉛の成長が充分でなくなり、チルも過剰となり易い。シリコンが過剰であると、強度が低下するおそれがあり、コストも高くなる。これらの事情を考慮して炭素としては重量比で3.3〜4.4%、3.4〜4.2%とすることができ、シリコンとしては重量比で1.5〜3.5%、1.6〜3.4%とすることができる。マンガンとしては重量比で0.4〜2.0%、0.5〜1.2%とすることができる。マンガンが過少であると、パーライトの生成が充分でなくなり、強度が低下するおそれがある。マンガンが過剰であると、黒鉛の成長を妨げるおそれがあり、振動減衰性に有効な片状黒鉛の生成にあたり好ましくない。リンとしては重量比で1.0%以下、0.5%以下、0.01〜0.2%とすることができる。硫黄としては重量比で0.3%以下、0.2%以下、殊に0.01〜0.15%とすることができる。パーライトの生成を促進させる合金を添加すると、振動減衰性に有効な片状黒鉛の成長が妨げられるおそれがあり、また、ねずみ鋳鉄のリサイクル性が低下する。これらを考慮すると、合金元素を溶湯に添加しない形態、合金元素を添加しても少量とする形態を採用することができる。上記した鋳造工程により、振動減衰能及び強度を両立させたねずみ鋳鉄が得られる。
【0018】
このねずみ鋳鉄は、平均黒鉛長さが8μm以下、パーライト面積率が90%以上の鋳鉄表面層を有すると共に、平均黒鉛長さが20μm以上、パーライト面積率が90%以上の鋳鉄内層を有する。『平均黒鉛長さが8μm以下、パーライト面積率が90%以上の鋳鉄表面層』とは、レジン富化部分に直接的に対面して冷却された鋳鉄部分に相当する。なお、平均黒鉛長さが8μm以下、パーライト面積率が90%以上の鋳鉄表面層と、平均黒鉛長さが20μm以上、パーライト面積率が90%以上の鋳鉄内層との間には、該鋳鉄表面層及び該鋳鉄内層の厚みよりも薄い鋳鉄内層(平均黒鉛長さが8μmを越え、且つ、20μm未満、パーライト面積率が90%以上)を有している。
【0019】
ねずみ鋳鉄としては、厚みが比較的薄い薄肉鋳造品が好ましい。薄肉鋳造品では、相反する特性である強度及び振動減衰能の双方が要請されることが多いためである。ねずみ鋳鉄の厚みとしては、20mm以下、15mm以下、10mm以下を例示することができ、厚みの範囲としては1.5〜20mm、2.5〜15mm,2.6〜10mmを例示することができる。強度を高めるためには、パーライトの割合を面積率で93%以上、95%以上とすることが好ましい。
【0020】
本発明に係る振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄によれば、振動減衰能が高くなり、対数減衰率を高くすることができる。対数減衰率を例えば5×10E−3以上、6×10E−3以上にすることができる。10E−3とは10-3の意味である。なお、片状黒鉛が振動減衰能の向上に有効であるのは、ヤング率の差が生じている微視的部位が組織内部に多数存在しており、微視的な変形を伴う応力集中を引き起こし、その部分の微視的な変形が振動エネルギの内部損失を誘発するためと推察される。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を具体化した第1実施例について図面を参照しつつ具体的に説明する。本実施例では、砂粒子(平均粒径:100〜400μm)にレジンが被覆されたレジンコーテッドサンドを用いる。レジンはフェノールレジン(レゾール系)である。このレジンコーテッドサンドでは、レジンコーテッドサンドを重量比で100%としたとき、レジン含有量は4.0%〜9.0%の範囲内、殊に4.4%〜9.0%の範囲内に設定されている。このレジンコーテッドサンドを金型(180〜250℃)内に装填し、所定時間経過後に、未硬化のレジンコーテッドサンドを金型内から排出し、シェルモールド砂型100を造型する。このシェルモールド砂型100の全体はレジンリッチであり、シェルモールド砂型100の全体がレジン富化部分とされている。そして、このシェルモールド砂型100を鋳型にセットし、鋳造キャビティのうち溶湯の冷却を促進させる部位にシェルモールド砂型100を対面させる。
【0022】
更に説明を加える。図1は本実施例に係る形態Aの概念を示す。形態Aでは、図1に示すように、シェルモールド砂型100A(100)は、レジン富化部分に相当する第1シェルモールド砂型101Aと、レジン富化部分に相当する第2シェルモールド砂型102Aと、レジン富化部分に相当する第3シェルモールド砂型103Aとを有する。第2シェルモールド砂型102A,第3シェルモールド砂型103Aの外側には通常砂型200A(生砂型、CO2型等)が配置され、これにより鋳造キャビティ300Aをもつ鋳型400Aが形成されている。鋳造キャビティ300Aは、第1シェルモールド砂型101A,第2シェルモールド砂型102A,第3シェルモールド砂型103Aにそれぞれ対面する。
【0023】
図2は本実施例に係る形態Bの概念を示す。形態Bでは、図2に示すように、シェルモールド砂型100B(100)は、レジン富化部分に相当する第1シェルモールド砂型101Bと、第1シェルモールド砂型101Bの片側に配置されレジン富化部分に相当する第2シェルモールド砂型102Bとを有する。第1シェルモールド砂型101Bの他の片側には通常砂型200B(生砂型、CO2型等)が配置され、これにより鋳造キャビティ300Bをもつ鋳型400Bが形成されている。鋳造キャビティ300Bは、第1シェルモールド砂型101B,第2シェルモールド砂型102B、通常砂型200Bに対面する。
【0024】
図3は本実施例に係る形態Cの概念を示す。形態Cでは、図3に示すように、シェルモールド砂型100C(100)の両側には通常砂型200C(生砂型、CO2型等)が配置され、これにより鋳造キャビティ300Cをもつ鋳型400Cが形成されている。鋳造キャビティ300Cは、シェルモールド砂型100C,通常砂型200Cに対面する。
【0025】
そして、重量比で炭素:3.2〜4.5%、シリコン:1.4〜4.0%を含む組成をもつ溶湯を、上記した形態A〜形態Cに係る鋳造キャビティ300A,300B,300Cにそれぞれ注湯して凝固させ、片状黒鉛が基地に分散した振動減衰能及び強度に優れた鋳鉄を形成する。この場合、レジン富化部分(第1シェルモールド砂型101A,第2シェルモールド砂型102A,第3シェルモールド砂型103A,第1シェルモールド砂型101B,第2シェルモールド砂型102B,シェルモールド砂型100C)による吸熱作用により、チルの発生を抑制しつつ、溶湯部分または凝固部分の冷却速度を早めることができる。
【0026】
このように形成されたねずみ鋳鉄のレジン富化部分と接触した鋳鉄表面層では、平均黒鉛長さが8μm以下、パーライト面積率が90%以上または95%以上とされている。また、このねずみ鋳鉄の鋳鉄内層では、主に平均黒鉛長さが20μm以上、パーライト面積率が90%以上または95%以上とされている。これにより振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄が得られる。
【0027】
更に本実施例によれば、前述したように、レジン富化部分により溶湯部分または凝固部分の冷却速度を早めてパーライト化を促進できるため、銅、スズ、クロム等の合金元素の添加量をできるだけ抑えることができ、ねずみ鋳鉄のリサイクル性を高めることができ、産業利用上の優位性を高めることができる。
【0028】
(第2実施例)
図4は第2実施例の要部を示す。第2実施例は前記した第1実施例と基本的には同様であり、基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例では、第1実施例と同様に、砂粒子にレジンが被覆されたレジンコーテッドサンドを用いる。このレジンコーテッドサンドでは、レジン含有量は重量比で4.5%〜9.0%の範囲内に設定されている。このレジンコーテッドサンドを金型(180〜250℃)内に装填し、所定時間経過後に、未硬化のレジンコーテッドサンドを排出し、図4(A)に示した中間砂型500を造型する。その後、図4(B)に示すように、流動性をもつレジン510を中間砂型500の表面のポア部分に含浸させることにより、中間砂型500の表面におけるレジンを増量させ、図4(C)に示すように、砂表面層をレジン富化部分520としたシェルモールド砂型550を形成する。このレジン富化部分520においては、レジン富化部分520を重量比で100%としたとき、レジン含有量としては7.0〜18.0%の範囲内とすることができる。
【0029】
即ち、第2実施例に係るシェルモールド砂型550によれば、レジン富化部分520は、シェルモールド砂型550の砂表面層に形成されており、砂内層540よりもレジン含有量が相対的に高く設定されている。換言すると、砂内層540はレジン富化部分520よりもレジン含有量が相対的に低く設定されている。
【0030】
第2実施例においても、レジン富化部分520の吸熱作用により、溶湯部分または凝固部分の冷却速度を早めることができる。殊にレジン富化部分520はレジンの含浸によりレジン含有量が増量されているため、レジン富化部分520による吸熱作用を一層高めることができる。これにより溶湯を鋳造すれば、チル発生を抑えつつ、溶湯部分または凝固部分の冷却速度を更に早めることができ、振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄が得られる。
【0031】
このように製造したねずみ鋳鉄のレジン富化部分520と接触した鋳鉄表面層では、平均黒鉛長さが8μm以下、パーライト面積率が90%以上または95%以上とされている。また、このねずみ鋳鉄の鋳鉄内層では、主に平均黒鉛長さが20μm以上、パーライト面積率が90%以上または95%以上とされている。なお、シェルモールド砂型550の砂内層540のレジン含有量は、レジン富化部分520よりも少な目に抑えられているため、溶湯部分または凝固部分の冷却速度を早めつつも、レジンに起因するガス発生量を抑制することができる。
【0032】
(試験例)
本発明の試験例について説明を加える。本試験例では、準備工程において、砂粒子(平均粒径:100〜400μm)にレジンが被覆されたレジンコーテッドサンド(混合物)を用いた。レジンはフェノールレジン(レゾール系)とした。レジンコーテッドサンドでは、レジンコーテッドサンドを重量比で100%としたとき、レジン含有量としては4.8%に設定されている。そして、加熱された金型(約180〜250℃)内にレジンコーテッドサンドを装填して、所定時間経過後に、未硬化のレジンコーテッドサンドを金型内から排出し、シェルモールド砂型を造型した。シェルモールド砂型は全体がレジンリッチであるため、全体がレジン富化部分とされている。
【0033】
そしてセット工程では、このシェルモールド砂型により、試験片用の鋳造キャビティ(200mm×150mm×6mm)をもつ鋳型を形成した。鋳造工程では、重量20kg溶解用の高周波誘導加熱式の溶解炉を用い、この溶解炉で鋳鉄材を大気中において溶解し、溶湯を形成した。溶湯の基本組成としては、重量比で、炭素:3.38%、シリコン:2.22%、マンガン:0.57%、リン:0.07%、硫黄:0.086%とした。更に、成分調整材として、加炭材、Fe−Si合金、Fe−Mn合金、Fe−P合金を溶湯(約1500℃)に適宜添加した。本実施例に係る溶湯では、銅、スズ、クロム等は積極的に添加されておらず、重量比で、銅は0.06%以下と少なく、スズは0.02%以下、クロムは0.04%以下と少ない。溶解炉における溶解温度の目標値としては約1500℃とした。上記ように溶解した高温の溶湯を鋳造キャビティに注入して凝固させ、試験片を形成した。
【0034】
図5は本発明に相当する試験片(試験片の厚みT:6mm)の断面を模式的に示す(ハッチングせず)。この試験片に係る鋳鉄表面層500及び鋳鉄内層600(後述する境界層を除く)について光学顕微鏡で観察した。更に試験片を切削加工し、対数減衰率測定用の試験片(幅20mm)、引張試験用の試験片(平行部の幅10mm:板状引張試験片)をそれぞれ作製した。この場合、試験片の200mm×150mmの2つの鋳肌面を各0.5mmずつ切削加工した。
【0035】
引張試験では、島津万能試験機を用い、JIS Z−2241「金属引張試験法」に準じて実行した。対数減衰率測定試験では、図11に示すような対数減衰率測定装置を用い、最大ひずみ振幅が100μmとなるように、試験片10(サイズ:200mm×20mm×5mm)を加振器12により加振し、加振停止後に即座に、加速度ピックアップ20により減衰波形(図12に例示)を得た。その減衰波形において、加振振幅に対して1/3の振幅をもつ波形部位を基準振幅A1とし、基準振幅A1からn個目(n=10)の振幅Anを求め、式1に基づいて対数減衰率を算出した。
【0036】
式1…対数減衰率=(1/n)×ln(A1/An)
比較例としては、同種の砂粒子にレジンを被覆したレジンコーテッドサンドを用いた。この場合、レジンコーテッドサンドを重量比で100%としたとき、レジン含有量は2.3%とした。比較例に係るレジンコーテッドサンドによりシェルモールド砂型を形成した。そして上記した溶湯を同様に鋳造し、比較例に係る試験片を同様に形成した。比較例に係る試験片についても、顕微鏡観察を行い、引張強度、振動減衰率を求めた。
【0037】
上記した本発明に相当する試験片について、引張強度が178MPaであり、対数減衰率が6.8×10E−3であった。これに対して、比較例に係る試験片については、引張強度が153MPaであり、対数減衰率が7.1×10E−3であった。このように本発明に相当する試験片によれば、比較例に相当する減衰性を獲得しつつ、引張強度を更に高めることができた。
【0038】
本発明に相当する試験片について、平均黒鉛長さが8μmを基準とし、平均黒鉛長さが8μm以下の鋳鉄表面層500と、平均黒鉛長さが8μmを越える鋳鉄内層600とに区分けすると、レジン富化部分の吸熱作用により冷却が促進される鋳鉄表面層500の厚みは、約0.9mmであった。なお、図5では示さなかったが、鋳鉄内層600において、その鋳鉄表面層500側には、平均黒鉛長さが8μmを越え、且つ、20μm未満の部分(境界層)があり、その厚みは、約0.2mm以下であった。
【0039】
図6は本発明に相当する試験片の鋳鉄表面層500の組織を示し、図7は本発明に相当する試験片の鋳鉄内層600(境界層を除く)の組織を示す。図6に示すように、本発明に相当する試験片の鋳鉄表面層500では、片状黒鉛が成長しており、平均黒鉛長さが4.6μm(8μm以下)、パーライト面積率が95%以上であった。図7に示すように、本発明に相当する試験片の鋳鉄内層600(境界層を除く)では、片状黒鉛が良好に成長しており、平均黒鉛長さが23.4μm(20μm以上)、パーライト面積率が95%以上であった。このことからも、本発明に相当する試験片は、振動減衰能及び強度に優れているねずみ鋳鉄であることがわかる。
【0040】
図8は上記した比較例に係る試験片(試験片の厚みT:6mm)の断面を模式的に示す(ハッチングせず)。図9は比較例に係る試験片の鋳鉄表面層に相当する部分の組織を示し、図10は比較例に係る試験片の鋳鉄内層に相当する部分の組織を示す。図9に示すように、比較例に係る試験片の鋳鉄表面層に相当する部分では、パーライト面積率が95%以上であるものの、平均黒鉛長さが8μmを越えており、9.7μmであった。また図10に示すように、比較例に係る試験片の鋳鉄内層に相当する部分では、平均黒鉛長さが25.1μm以上、パーライト面積率が95%以上であった。なお、図6,図7,図9,図10の組織における倍率は100倍とした。
【0041】
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。上記した実施の形態に記載した語句、実施例に記載した語句は一部であっても各請求項に記載できるものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係る振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄の製造方法によれば、レジン富化部分による吸熱作用により、溶湯部分または凝固部分の冷却を促進させることができるため、ねずみ鋳鉄の鋳鉄内層における平均黒鉛長さが20μm以上となるように鋳鉄内層における片状黒鉛を成長させつつ、ねずみ鋳鉄の鋳鉄内層の基地をパーライト90%以上とすることができる。これにより振動減衰能及び強度の両立を図ることができる。更にレジン富化部分による吸熱作用を利用しているため、冷やし金を用いた場合に比較して、ねずみ鋳鉄の鋳鉄表面層にチルが過剰に生成されることが抑制され、ねずみ鋳鉄を鋳放し状態で使用することができる。このため、チルを消失させる熱処理を廃止または軽減させることができ、熱処理コストを低減させることができる。更にレジン富化部分により溶湯部分または凝固部分の冷却速度を早めてパーライト化を促進できるため、銅、クロム等の合金元素の添加量を抑えることができ、ねずみ鋳鉄のリサイクル性を高めることができ、産業利用上の優位性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る形態Aの概念を示す断面図を示す。
【図2】第1実施例に係る形態Bの概念を示す断面図を示す。
【図3】第1実施例に係る形態Cの概念を示す断面図を示す。
【図4】(A)〜(C)は第2実施例に係るシェルモールド砂型の製造過程の概念を示し、(A)は中間砂型の概念を示す断面図であり、(B)は中間砂型の表面にレジンを含浸させている概念を示す断面図であり、(C)は中間砂型の表面にレジンを含浸させて形成したシェルモールド砂型の概念を示す断面図である。
【図5】本発明に相当する試験片の断面を模式的に示す構成図である。
【図6】本発明に相当する試験片の鋳鉄表面層の金属組織を示す光学顕微鏡写真である。
【図7】本発明に相当する試験片の鋳鉄内層の金属組織を示す光学顕微鏡写真である。
【図8】比較例に相当する試験片の断面を模式的に示す構成図である。
【図9】比較例に相当する試験片の鋳鉄表面層の金属組織を示す光学顕微鏡写真である。
【図10】比較例に相当する試験片の鋳鉄内層の金属組織を示す光学顕微鏡写真である。
【図11】対数減衰率測定装置の概念を示す構成図である。
【図12】減衰波形を模式的に示すグラフである。
【符号の説明】
図中、100及び550はシェルモールド砂型、500は鋳鉄表面層、520はレジン富化部分、540は砂内層、600は鋳鉄内層を示す。

Claims (4)

  1. 砂粒子とレジンとが混合した混合物を成形し、レジン含有量を重量比で4.0%以上に設定したレジン富化部分を少なくとも砂表面層に有する冷却促進用のシェルモールド砂型を準備する準備工程と、
    前記冷却促進用のシェルモールド砂型を鋳型にセットし、鋳造キャビティのうち溶湯の冷却を促進させる部位に前記シェルモールド砂型の前記レジン富化部分を対面させるセット工程と、
    重量比で炭素:3.2〜4.5%、シリコン:1.4〜4.0%を含む組成をもつ溶湯を前記鋳型の前記鋳造キャビティに注湯して凝固させ、片状黒鉛が基地に分散した振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄を形成する鋳造工程とを実施し、
    前記振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄は、
    平均黒鉛長さが8μm以下、パーライト面積率が90%以上の鋳鉄表面層を有すると共に、平均黒鉛長さが20μm以上、パーライト面積率が90%以上の鋳鉄内層を有することを特徴とする振動減衰能に優れた振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄の製造方法。
  2. 請求項1において、前記シェルモールド砂型における前記レジン富化部分は重量比でレジン4.0〜20.0%に設定されていることを特徴とする振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2において、前記シェルモールド砂型における前記レジン富化部分は、前記シェルモールド砂型の前記砂表面層に形成されており、前記シェルモールド砂型の砂内層よりもレジン含有量が相対的に高く設定されていると共に、前記シェルモールド砂型の砂内層は前記レジン富化部分よりもレジン含有量が相対的に低く設定されていることを特徴とする振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、前記準備工程は、前記砂粒子と前記レジンとが混合した前記混合物を加熱し、中間砂型を形成する第1工程と、前記中間砂型の前記表面にレジンを含浸させることにより前記中間砂型の前記表面におけるレジンを増量させて前記レジン富化部分を形成する第2工程とを含むことを特徴とする振動減衰能及び強度に優れたねずみ鋳鉄の製造方法。
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