JP4658766B2 - 円形カッター固定具 - Google Patents

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Description

本発明は、舗装道路における走行車両の振動や経年劣化等により沈下又は破損したマンホール周辺の舗装路面を補修する際に用いられる円形カッターの回動中心軸を位置決めし、回動自在に支持する円形カッター固定具に関するものである。
舗装道路に設置されたマンホールやその周囲の舗装路面は、走行車両の振動の影響や経年劣化等によって陥没、沈下、クラックの発生、或いは破損等の劣化が生じ易く、その修復工事が必要となる。その補修工法として従来は、まず円形カッターによりマンホール周囲の舗装路面を円形に切断し、その切断舗装路面のアスファルトをブレーカー等で破砕してから取除いている。
マンホール周辺の舗装路面を鉄蓋と略同心円状に切断するには、円形カッターの回動中心軸を位置決めし、回動自在に支持する必要がある。
例えば(特許文献1)には、「支持脚部と、支持脚部に立設された支持部と、支持脚部に固定部材を介して摺動及び/又は回動自在に配設された固定脚部と、を備えたことを特徴とする円形カッター固定具」が開示されている。
また、(特許文献2)には、「マンホール蓋よりも小径の円板の中心に支軸を起立して設け、マンホール蓋の周縁部に欠切された複数の切り欠き凹処に掛止可能な掛止部を有するアームを円板上に放射状を形成して複数周設し、アームは少なくとも一つが伸縮・締結機能を有する調節部を備えて成ることを特徴とする路面用カッターの切断円芯出し装置」が開示されている。
特願2004−002509号公報 特開2004−044127号公報
しかしながら上記従来の技術では、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に記載の技術は、本願出願人が出願したものであり、マンホールの大きさや外周の舗装路面の凹凸や亀裂等の表面状態等に応じて固定脚部を摺動及び/又は回動させることで固定位置を任意に選択でき、固定脚部を舗装路面に固定するだけで柔軟かつ確実に円形カッター固定具を舗装路面に位置決め固定することができ、円形カッターを回動自在に支持して補修を行なうマンホールの外周と略同心円状の切断を行なうことができる汎用性に優れた円形カッター固定具であるが、固定脚部の端部に穿設した固定孔にピンやアンカー等を挿通し舗装路面に打ち込むことにより固定する方式であるため路盤によっては固定力が弱く、その場合に大型で重量のある円形カッターを用いる場合には、切断作業中に支持脚部や固定脚部の浮き等が発生し易く、円形カッターの回動中心軸を確実に支持することができず、固定力の強化による信頼性の向上と位置決め及び固定作業の簡素化による施工性の改善が望まれていた。
(2)(特許文献2)では、複数のアームが伸縮・締結機能を有する調節部を備えている場合、マンホール蓋の大きさに合わせて各々のアームの調節部を個別に伸縮させて長さ調整及び掛止固定を行わなければならず、作業が煩雑で施工性に欠けるという課題を有していた。また、複数のアームの伸縮・締結を個別に行うので、各々の掛止部をマンホール蓋の切り欠き凹処に対し均一な力で固定することが困難であり、支軸の傾きや位置ずれが発生し易く、芯出しの信頼性に欠けるという課題を有していた。更に、アームの角度を調整することができないので、切り欠き凹処の位置が異なるマンホール蓋には固定することができず汎用性に欠けるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、位置決め及び固定作業が容易で作業工数を低減でき施工性に優れると共に、マンホールの鉄蓋に形成された切欠き部に係合させて均一かつ強固に固定することができ信頼性に優れ、鉄蓋の大きさや切欠き部の位置によらず確実に固定することができ汎用性に優れる円形カッター固定具の提供を目的とする。
上記課題を解決するために本発明の円形カッター固定具は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の円形カッター固定具は、マンホールの鉄蓋上に載置される基部と、前記基部に立設された支持部と、を有し、前記支持部で前記マンホール周辺の舗装路面を円形に切断する円形カッターの回動中心軸を支持する円形カッター固定具であって、(a)前記基部に形成又は配設され前記鉄蓋の周縁部に形成された切欠き部に係合される仮止め係止部と、(b)前記基部に装設された軸支固定部に一端が回動自在に軸支された回動部と、回動軸支部を介して一端が前記回動部に回動自在に軸支され他端に形成又は配設された固定係止部で前記鉄蓋の周縁部に形成された他の切欠き部に係合されるリンク部と、を有する2つの調整固定部と、(c)前記2つの調整固定部の前記回動軸支部を連結して前記2つの回動軸支部の間隔を調整することにより前記2つの調整固定部の前記固定係止部の位置を調整するリンク調整部と、を有する構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)基部に形成又は配設され鉄蓋の周縁部に形成された切欠き部に係合される仮止め係止部を有するので、仮止め係止部を切欠き部に係合させて基部をマンホールの鉄蓋上に載置するだけで容易に位置決めでき施工性に優れる。
(2)1つの仮止め係止部と2つの調整固定部の固定係止部をそれぞれ鉄蓋の周縁部に形成された切欠き部に係合させることができるので、基部と鉄蓋を3点で確実に固定することができ、円形カッターの回動中心軸を安定して支持し舗装路面の切断を行うことができる。
(3)2つの調整固定部が、基部に装設された軸支固定部に一端が回動自在に軸支された回動部と、回動軸支部を介して一端が回動部に回動自在に軸支され他端に形成又は配設された固定係止部で鉄蓋の周縁部に形成された他の切欠き部に係合されるリンク部を有するので、回動部の開度を調整すると共に、回動部に対してリンク部を回動させて固定係止部の位置を調整することができ、鉄蓋の寸法や切欠き部の位置に柔軟に対応して確実に固定することができる。
(4)2つの調整固定部の回動軸支部を連結して2つの回動軸支部の間隔を調整することにより2つの調整固定部の固定係止部の位置を調整するリンク調整部を有するので、リンク調整部を操作することにより2つの調整固定部の回動軸支部間の距離が変化し、それに伴って回動軸支部を介して互いに回動自在に軸支された回動部とリンク部が回動し、基部の軸支固定部に対して固定係止部の位置を変化させることができ、鉄蓋に形成された切欠き部への固定と解除を切替えることができる。
(5)1つの仮止め係止部とリンク調整部で連結された2つの調整固定部を有することにより、1つの仮止め係止部で位置決めして仮止めした上で、リンク調整部を調整して2つの調整固定部の固定係止部で固定することができるので、固定作業が容易で作業性に優れる。
ここで、円形カッター固定具の基部の形状は任意に選択できるが、鉄蓋上の中央に形成された円形や矩形、三角形等の模様に合わせて形成した場合、円形カッター固定具を設置する際に位置合わせが容易で施工性に優れる。また、支持部の中央に基部を貫通する中心確認孔を穿設した場合、鉄蓋の中心を確認しながら位置決め作業を行うことができ作業性、信頼性に優れる。
基部に永久磁石や電磁石を配設した場合、鉄蓋に着磁させて強固に固定することができ、円形カッター固定具を確実に支持することができ固定の安定性に優れる。特に、電磁石は容易に固定と解除を切替えることができ実用性に優れる。
支持部は基部に円筒状又は円柱状等に形成される。円形カッターの回動中心軸が中実の円柱状の場合、円筒状に形成された支持部の中空部に挿通され回動自在に支持される。円形カッターの回動中心軸が円筒状の場合、円柱状に形成された支持部を回動中心軸の中空部に挿通し回動自在に支持する。また、支持部が円筒状に形成されている場合、中空部に雌ねじを形設することにより、円形カッターの回動中心軸の形状や寸法に応じた円筒部や円柱部を備えたジョイント部材を螺着して種々の円形カッターの回動中心軸を回動自在に支持することができ汎用性に優れる。
仮止め係止部及び調整固定部の固定係止部の形状は、鉄蓋の周縁部に形成された切欠き部の形状に応じて選択することができるが、少なくとも切欠き部の端面に当接して係止されるものであればよい。仮止め係止部及び固定係止部は、それぞれ基部及び調整固定部の裏面側に突出するように形成又は配設される。基部及び調整固定部の端部を折り曲げて略L字型や略コ字型に形成したものや、略L字型や略コ字型の金具或いはピンやボルト等の略円柱状の棒材を基部及び調整固定部の端部にねじ止めや溶接等により配設したもの等が好適に用いられる。
仮止め係止部及び固定係止部の形状を略円柱状に形成した場合、切欠き部の端面と面接触させることができ固定力を高めることができる。
また、仮止め係止部及び固定係止部の形状を略コ字型に形成するか、円柱状の下端部に大径部を設けたものは、鉄蓋の切欠き部の端面に加え裏面にも仮止め係止部及び固定係止部を当接させてより確実に係止することができ、さらに強固に固定することができる。
仮止め係止部及び固定係止部と切欠き部との当接面に合成ゴム等の弾性体を配設した場合、仮止め係止部及び固定係止部と切欠き部との寸法や形状の誤差を吸収することができると共に、摩擦力により更に強固に固定することができる。
仮止め係止部の位置は、鉄蓋の寸法及び鉄蓋に形成されている切欠き部の位置や寸法に合わせて形成することができる。仮止め係止部の位置が異なる複数の円形カッター固定具を用意することにより、鉄蓋の寸法等に応じて使い分けることができる。
また、基部に対して仮止め係止部の位置を可変にした場合、1つの円形カッター固定具で種々の鉄蓋に対応することができ汎用性に優れる。例えば、仮止め係止部自体を伸縮自在に形成したもの、基部と仮止め係止部をピン嵌合やねじ止め等で摺動自在に固定したもの等が好適に用いられる。
調整固定部の回動軸支部は、回動部又はリンク部のいずれか一方に配設され、他方に穿設された軸支孔に挿通される。
リンク調整部は、2つの調整固定部の回動軸支部の間隔を調整できるものであればよく、例えばリンク調整部自体を伸縮或いは折曲させて長さを変化させ回動軸支部の間隔を調整するものや、2つの回動軸支部の少なくとも一方を長孔状等に形成された摺動保持部に摺動自在に保持し回動軸支部を摺動保持部に沿って摺動させて回動軸支部の間隔を調整するもの等が好適に用いられる。尚、2つの回動軸支部は、それぞれリンク調整部に対して回動自在に保持される。これにより、リンク調整部の変形に伴って2つの回動軸支部が左右に移動し、両者の間隔が変化しても、回動軸支部を中心としてリンク部を回動させることができるので、固定係止部の位置を調整することができ、確実な固定を行うことができる。鉄蓋が4箇所以上の切欠き部を有する場合は、それらの中から3箇所を選択し、仮止め係止部及び固定係止部を係止すればよい。
2つの調整固定部が、仮止め係止部と支持部の中心を通る軸線に対し左右対称に配設されている場合、2つの調整固定部を連結するリンク調整部を操作することにより、2つの調整固定部を略均等に伸縮させることができ、ほぼ均一な力で鉄蓋に対する固定を行うことができ施工性、固定の信頼性に優れる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の円形カッター固定具であって、一端に前記仮止め係止部が形成又は配設され他端が前記基部又は前記基部に延設された摺動支持部に摺動自在に配設された位置決め固定部を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)一端に仮止め係止部が形成又は配設された位置決め固定部の他端が基部又は基部に延設された摺動支持部に摺動自在に配設されているので、鉄蓋の大きさに応じて位置決め固定部を摺動させ、仮止め係止部の位置を鉄蓋の周縁部に形成された切欠き部に合わせて係合させることができ汎用性に優れる。
ここで、仮止め係止部は、基部の代わりに位置決め固定部の一端に前述と同様に形成又は配設される。また、位置決め固定部の他端は基部又は基部に延設された摺動支持部に対しピン嵌合やねじ止め等により摺動自在に固定される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の円形カッター固定具であって、前記位置決め固定部が、略長尺板状に形成され一端に前記仮止め係止部が形成又は配設された摺動部と、前記摺動部の他端に長手方向と平行に形成された長孔状の位置決め孔と、を有し、前記基部又は前記摺動支持部が、前記基部又は前記摺動支持部の上面に突設され前記位置決め孔に挿通される固定ボルト軸を備えている構成を有している。
この構成により、請求項2の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)位置決め固定部が、略長尺板状に形成され一端に仮止め係止部が形成又は配設された摺動部と、摺動部の他端に長手方向と平行に形成された長孔状の位置決め孔と、を有し、基部又は基部に延設された摺動支持部の上面に位置決め孔に挿通される固定ボルト軸が突設されているので、固定ボルト軸で確実に摺動部を案内して容易に位置決めすることができ施工性を向上させることができる。
(2)基部又は基部に延設された摺動支持部の上面に摺動部の位置決め孔に挿通される固定ボルト軸が突設されているので、固定ボルト軸に固定ナットを螺着するだけで容易に位置決め固定部を基部に固定することができ、固定作業性に優れる。
ここで、固定ボルト軸を二本以上設けた場合、基部又は摺動支持部に対し摺動部が回動するのを防止でき、確実に基部又は摺動支持部と位置決め固定部を固定して位置決めの信頼性に優れると共に、確実に仮止め係止部を鉄蓋の切欠き部に係合させて固定することができる。
また、固定ボルト軸に螺着する固定ナットとして蝶ナットを用いた場合、工具を用いることなく素手で容易に固定することができ、固定作業性に優れる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の円形カッター固定具であって、前記リンク調整部が、前記2つの回動軸支部にそれぞれ回動自在に配設された連結部と、両端部で前記2つの連結部に接続された伸縮部と、を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)リンク調整部が、2つの回動軸支部にそれぞれ回動自在に配設された連結部を接続する伸縮部を有するので、伸縮部を伸縮させることにより連結部で連結された2つの回動軸支部の距離を調整することができると共に、各々の回動軸支部を中心にリンク部を回動させ、固定係止部を鉄蓋の周縁部に形成された他の切欠き部に位置合わせして係合させることができる。
(2)リンク調整部の伸縮部が、両端部の連結部で2つの回動軸支部に回動自在に連結されているので、伸縮部を伸縮させるだけで2つの調整固定部を左右対称に動作させることができ、簡便かつ確実に鉄蓋への固定を行うことができる。
ここで、リンク調整部の伸縮部の両端部には略円筒状の連結部が形設され、中空部に調整固定部の回動軸支部が回動自在に枢軸される。リンク調整部の伸縮部としては、長さを調整して2つの調整固定部の回動軸支部の位置を固定できるものであればよく、例えば2つの回動軸支部にそれぞれ連設された連結部材をピン嵌合やねじ止め等により摺動自在に固定するもの等を用いることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の円形カッター固定具であって、前記リンク調整部の前記伸縮部が、ターンバックルである構成を有している。
この構成により、請求項4の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)リンク調整部の伸縮部がターンバックルであることにより、回転させるだけで容易に長さを調整して2つの調整固定部の回動軸支部の位置を固定することができる。
(2)リンク調整部の伸縮部として既製品のターンバックルを使用することにより、動作安定性に優れると共に、量産性、組立作業性に優れる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の円形カッター固定具であって、前記リンク調整部が、(a)長手方向の一端側に形成され前記2つの回動軸支部の内のいずれか一方の回動軸支部に回動自在に保持された連結孔と、長手方向の他端側に形成され前記2つの回動軸支部の内の他方の回動軸支部を摺動自在に保持する長孔状の摺動保持部と、を有する連結板と、(b)前記連結板の他端に螺着され前記摺動保持部の長手方向と平行に移動して先端部で前記他方の回動軸支部を水平方向に押圧する固定ねじと、を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)リンク調整部の連結板が、長手方向の一端側に形成され2つの回動軸支部の内のいずれか一方の回動軸支部に回動自在に保持された連結孔と、長手方向の他端側に形成され2つの回動軸支部の内の他方の回動軸支部を摺動自在に保持する長孔状の摺動保持部と、を有するので、他方の回動軸支部を摺動保持部に沿って摺動させることにより、2つの回動軸支部の間隔を簡便に調整することができ、取扱い性、施工性に優れる。
(2)リンク調整部が、連結板の他端に螺着され摺動保持部の長手方向と平行に移動して先端部で他方の回動軸支部を水平方向に押圧する固定ねじを有するので、固定ねじを回動させるだけで連結板の摺動保持部に対して他方の回動軸支部を相対的に移動させると共に、任意の位置に確実に固定することができ、調整固定部の固定係止部が鉄蓋の切欠き部から外れるのを防止して固定の信頼性に優れる。
ここで、固定ねじの頭部には、一文字や十文字、六角形や星形等の工具嵌合部を形成するか、頭部の外形を六角形等の多角形状に形成することが好ましい。これにより、ドライバーやレンチ等の工具で固定ねじを回動させることができ、容易に固定ねじを締付けたり緩めたりすることができ、回動軸支部の位置を調整することができる。
尚、調整固定部の回動軸支部は、連結板の連結孔や摺動保持部に直接挿通して、連結孔や摺動保持部に対して回動自在に保持してもよいし、回動軸支部に回動部とリンク部とを回動自在に保持する略円筒状の連結部を配設した上で、連結板の連結孔や摺動保持部に挿通して、連結孔や摺動保持部に対して回動自在に保持してもよい。連結部により回動軸支部が回動部から抜けるのを防止できると共に、回動部及びリンク部の回動動作の安定性に優れる。また、連結部は回動軸支部に固定してもよいが、回動軸支部に対して回動自在とした場合は、特に回動部及びリンク部の回動動作時の負荷を低減でき、回動動作が滑らかで施工性に優れる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の円形カッター固定具であって、前記支持部が、前記円形カッターの前記回動中心軸を支持する中空部を有し、前記基部が、前記中空部の略中心位置に穿設された中心確認孔を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)支持部が円形カッターの回動中心軸を支持する中空部を有し、基部が中空部の略中心位置に穿設された中心確認孔を有するので、中心確認孔から鉄蓋の中心を確認して位置決め固定を行うことができ施工性、信頼性に優れる。
ここで、鉄蓋の略中心部に予め中心を示す目印を付けておくことにより、中心確認孔から容易に鉄蓋の中心を確認することができる。
以上のように、本発明の円形カッター固定具によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)基部に形成又は配設され鉄蓋の周縁部に形成された切欠き部に係合される仮止め係止部を有するので、仮止め係止部を切欠き部に係合させて基部をマンホールの鉄蓋上に載置するだけで容易に位置決めできる施工性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
(2)1つの仮止め係止部と2つの調整固定部の固定係止部をそれぞれ鉄蓋の周縁部に形成された切欠き部に係合させることができるので、基部と鉄蓋を3点で確実に固定することができ、円形カッターの回動中心軸を安定して支持し舗装路面の切断を行うことができる施工性、信頼性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
(3)2つの調整固定部が、基部に装設された軸支固定部に一端が回動自在に軸支された回動部と、回動軸支部を介して一端が回動部に回動自在に軸支され他端に形成又は配設された固定係止部で鉄蓋の周縁部に形成された他の切欠き部に係合されるリンク部を有するので、回動部の開度を調整すると共に、回動部に対してリンク部を回動させて固定係止部の位置を調整することができ、鉄蓋の寸法や切欠き部の位置に柔軟に対応して確実に固定することができる汎用性、取扱い性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
(4)2つの調整固定部の回動軸支部を連結するリンク調整部で2つの調整固定部の回動軸支部間の距離を変化させることで、回動軸支部を介して互いに回動自在に軸支された回動部とリンク部が回動し、基部の軸支固定部に対して固定係止部の位置を変化させることができ、鉄蓋に形成された切欠き部への固定と解除を切替えることができる施工性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
(5)2つの調整固定部が、仮止め係止部と支持部の中心を通る軸線に対し左右対称に配設されている場合、2つの調整固定部を連結するリンク調整部を操作することにより、2つの調整固定部を均等に伸縮させることができ、固定係止部を確実に鉄蓋の切欠き部に係合させて均一な力で固定を行うことができる信頼性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
(6)1つの仮止め係止部とリンク調整部で連結された2つの調整固定部を連結するリンク調整部を有することにより、1つの仮止め係止部で位置決めして仮止めした上で、リンク調整部を調整して2つの調整固定部の固定係止部で固定することができる固定作業が容易で作業性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)一端に仮止め係止部が形成又は配設された位置決め固定部の他端が、基部又は基部に延設された摺動支持部に摺動自在に配設されているので、鉄蓋の大きさに応じて位置決め固定部を摺動させ、仮止め係止部の位置を鉄蓋の周縁部に形成された切欠き部に合わせて係合させることができる汎用性、確実性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)位置決め固定部が、略長尺板状に形成され一端に仮止め係止部が形成又は配設された摺動部と、摺動部の他端に長手方向と平行に形成された長孔状の位置決め孔と、を有し、基部又は基部に延設された摺動支持部の上面に位置決め孔に挿通される固定ボルト軸が突設されていることにより、固定ボルト軸で確実に摺動部を案内して容易に位置決めすることができる施工性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
(2)基部又は基部に延設された摺動支持部の上面に摺動部の位置決め孔に挿通される固定ボルト軸が突設されていることにより、固定ボルト軸にナットを螺着するだけで容易に位置決め固定部を基部に固定することができる固定作業性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)リンク調整部の伸縮部を伸縮させることにより両端部の連結部で連結された2つの回動軸支部の距離を調整することができると共に、各々の回動軸支部を中心にリンク部を回動させ、固定係止部を鉄蓋の周縁部に形成された他の切欠き部に容易に位置合わせして係合させることができる固定作業性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
(2)リンク調整部の伸縮部が、両端部の連結部で2つの回動軸支部に回動自在に連結されているので、伸縮部を伸縮させるだけで2つの調整固定部を左右対称に動作させることができ、簡便かつ確実に鉄蓋への固定を行うことができる信頼性、施工性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)リンク調整部の伸縮部がターンバックルであることにより、回転させるだけで容易に長さを調整して2つの調整固定部の回動軸支部の位置を固定することができる施工性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
(2)リンク調整部の伸縮部として既製品のターンバックルを使用することにより、動作安定性に優れると共に、低コストで量産性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)リンク調整部の連結板の長手方向の一端側に2つの回動軸支部の内のいずれか一方の回動軸支部に回動自在に保持された連結孔が形成され、他端側に2つの回動軸支部の内の他方の回動軸支部を摺動自在に保持する長孔状の摺動保持部が形成されているので、他方の回動軸支部を摺動保持部に沿って摺動させることにより、2つの回動軸支部の間隔を簡便に調整することができる取扱い性、施工性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
(2)リンク調整部が、連結板の他端に螺着され摺動保持部の長手方向と平行に移動して先端部で他方の回動軸支部を水平方向に押圧する固定ねじを有するので、固定ねじを回動させるだけで連結板の摺動保持部に対して他方の回動軸支部を相対的に移動させると共に、任意の位置に確実に固定することができ、調整固定部の固定係止部が鉄蓋の切欠き部から外れるのを防止できる固定の信頼性、施工性に優れた円形カッター固定具を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)支持部が円形カッターの回動中心軸が挿通される挿通孔を有し、基部が挿通孔の略中心位置に穿設された中心確認孔を有することにより、中心確認孔から鉄蓋の中心を確認して位置決め固定を行うことができる施工性、信頼性に優れたマンホール補修方法を提供することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における円形カッター固定具について、以下図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1における円形カッター固定具を示す斜視図であり、図2は図1におけるA−A線の要部断面矢視図である。
図1及び図2中、1は本発明の実施の形態1における円形カッター固定具、2は平板で略円形状に形成された円形カッター固定具1の基部、2aは基部2に延設され後述する位置決め固定部4を摺動自在に支持する長尺板状の摺動支持部、3は中空部3aの内周に雌ねじ3bが形設された長ナットを基部2に立設して形成された円形カッター固定具1の支持部、4は基部2の摺動支持部2aに摺動自在に配設された円形カッター固定具1の位置決め固定部、4aは略長尺板状に形成された位置決め固定部4の摺動部、5aは摺動部4aの一端にボルトにより形成されマンホール等の鉄蓋の周縁部に形成された切欠き部に係合される仮止め係止部、5bは略円筒状に形成され仮止め係止部5aの軸部に挿通されて鉄蓋の切欠き部の端面に当接するスリーブ、5cは仮止め係止部5aに螺着され基部2に仮止め係止部5aを固定するナット、6a、6bは摺動部4aの他端及び略中央部にそれぞれ長手方向と平行に形成された長孔状の位置決め孔、7a、7bはそれぞれ基部2の摺動支持部2aの上面に突設され位置決め孔6a、6bに挿通される固定ボルト軸、8a、8bはそれぞれ固定ボルト軸7a、7bに螺着され摺動部4aを基部2の摺動支持部2aに位置決め固定する固定ナット、9a、9bは仮止め係止部5aと支持部3の中心を通る軸線に対し左右対称に基部2に配設された円形カッター固定具1の2つの調整固定部、10a、10bは基部2に装設された軸支固定部11a、11bに一端が回動自在に軸支された調整固定部9a、9bの回動部、13a、13b(図2参照)は一端に配設された回動軸支部14a、14bが回動部10a、10bの他端に穿設された軸支孔12a、12bに回動自在に軸支された調整固定部9a、9bのリンク部、15a、15bはリンク部13a、13bの一端にボルトにより形成され鉄蓋の周縁部に形成された他の切欠き部に係合される固定係止部、16a、16bは略円筒状に形成され固定係止部15a、15bの軸部に挿通されて鉄蓋の切欠き部の端面に当接するスリーブ、17a、17bは固定係止部15a、15bに螺着されリンク部13a、13bに固定係止部15a、15bを固定するナット、18は軸支固定部11a、11b及び回動軸支部14a、14bの外周に環装された座金、19は軸支固定部11a、11b及び回動軸支部14a、14bの上端部に貫設され抜けを防止する割ピン、20は両端部に形設された略円筒状の連結部20a、20bで回動軸支部14a、14bに回動自在に連結され後述する伸縮部21の伸縮により2つの調整固定部9a、9bの固定係止部15a、15bの位置を調整するリンク調整部、21はターンバックルで形成されたリンク調整部20の伸縮部、21a、21bは外周にそれぞれ左ねじ、右ねじが形設され一端が連結部20a、20bに溶接等により固定された伸縮部21の伸縮用ボルト軸、22a、22bは操作部23の両端にそれぞれ固設され伸縮用ボルト軸21a、21bの他端側に螺合された伸縮部21の螺合ナット、23は回動により螺合ナット22a、22bに対し伸縮用ボルト軸21a、21bを前後動させ伸縮部21の全長を伸縮させて調整固定部9a、9bの回動軸支部14a、14b及び固定係止部15a、15bの位置を調整する伸縮部21の操作部である。
支持部3として中空部3aに雌ねじ3bが形設された長ナットを使用した。これにより、円形カッターの回動中心軸の形状や寸法に応じた円筒部や円柱部を備えたジョイント部材(図示せず)の雄ねじ部を雌ねじ3bに着脱自在に螺着固定することができ、形状や寸法の異なる回動中心軸を回動自在に支持することができ汎用性を向上させる。
尚、円形カッターの回動中心軸が中実の円柱状の場合、円筒状の支持部3の中空部3aの孔径を予め回動中心軸の外形よりもやや大き目に形成することにより、直接、回動中心軸を挿通して回動自在に支持することができる。また、円形カッターの回動中心軸が円筒状の場合、円柱状の支持部の外形を回動中心軸の中空部の孔径よりもやや小さめに形成することにより、直接、回動中心軸の中空部に挿通して回動自在に支持することができる。
位置決め固定部4の摺動部4aには長手方向と平行に2つの長孔状の位置決め孔6a、6bを形設した。これにより、摺動部4aを二本の固定ボルト軸7a、7bで摺動自在に案内できると共に、基部2の摺動支持部2aに対し摺動部4aが回動するのを防止できるので、確実に基部2と位置決め固定部4を固定でき位置決めの信頼性に優れ、仮止め係止部5aを鉄蓋の切欠き部に係合させて強固に固定することができる。
本実施の形態では摺動支持部2aを長尺板状に形成したが、略三角形状や略台形状等の摺動部4aを支持することができる形状であれば、どの様な形状でもよい。また、2つの長孔状の位置決め孔6a、6bを独立して摺動部4aに形設したが、これらは連続する1つの長孔状に形成してもよい。
尚、固定ボルト軸7a、7bに螺着するナットとして固定ナット8a、8bの代りに蝶ナットを用いた場合、工具を用いることなく素手で容易に固定することができ、作業性に優れる。
仮止め係止部5a及び固定係止部15a、15bのそれぞれの軸部に外周面で鉄蓋の切欠き部の端面に当接する円筒状のスリーブ5b、16a、16bを挿通した。スリーブ5b、16a、16bの高さ及び外径を切欠き部の大きさ及び深さに合わせて変更することにより、確実に切欠き部の端面と面接触させることができ、強固に固定できる。
本実施の形態では、スリーブ5b、16a、16bをステンレス鋼等の金属で形成したが、スリーブ5b、16a、16bを硬質性の合成樹脂や合成ゴムで形成してもよいし、金属製のスリーブ5b、16a、16bの外周に合成ゴム等の弾性体を配設してもよい。これにより、仮止め係止部5a及び固定係止部15a、15bと鉄蓋の切欠き部との寸法や形状の誤差を吸収することができると共に、摩擦力により更に強固に固定することができ信頼性に優れる。
軸支固定部11a、11b及び回動軸支部14a、14bの上端部に割ピン19を貫設することにより、軸支固定部11a、11b及び回動軸支部14a、14bが回動部10a、10bや連結部20a、20bから抜けるのを防止している。また、割ピン19の下端に当接するように軸支固定部11a、11b及び回動軸支部14a、14bの上端外周に座金18を環装した。これにより、回動部10a、10b及びリンク部13a、13bが回動する際に、割ピン19を座金18で支持することができ、割ピン19が座金18上を滑るように回動させることができるので、調整固定部9a、9bの動作安定性に優れ、確実に調整固定部9a、9bの固定係止部15a、15bを鉄蓋の切欠き部に係合させ強固に固定できる。
尚、本実施の形態では、軸支固定部11a、11b及び回動軸支部14a、14bの抜け防止に割ピン19を用いたが、これ以外にも抜けを防止できるものであればよく、例えば軸支固定部11a、11b及び回動軸支部14a、14bの少なくとも上端部に雄ねじを形設し、ナットを螺合して溶接等により固定してもよい。
リンク調整部20の伸縮部21は既製品のターンバックルにより形成した。これにより、操作部23を回動させるだけで伸縮部21(リンク調整部20)の全長を伸縮させることができ、回動軸支部14a、14b間の距離が変動し、基部2に対し回動部10a、10bが軸支固定部11a、11bを中心に回動すると共に、リンク部13a、13bが回動軸支部14a、14bを中心に回動する。この結果、軸支固定部11a、11bから固定係止部15a、15bまでの距離を変化させることができるので、固定係止部15a、15bの切欠き部への係合状態を調整することができ、鉄蓋への円形カッター固定具1の固定と解除を容易に切替えることができる。また、2つの調整固定部9a、9bが左右対称に配設されているので、リンク調整部20の伸縮部21による伸縮動作が安定し、固定係止部15a、15bを均等な力で切欠き部へ係合させ強固に固定することができる。
以上のように構成された実施の形態1における円形カッター固定具の使用方法について、以下、図面を用いて説明する。
図3は本発明の実施の形態1における円形カッター固定具を鉄蓋に仮止めした状態を示す平面図であり、図4は図3におけるB−B線の要部断面矢視図であり、図5は本発明の実施の形態1における円形カッター固定具の固定状態を示す平面図であり、図6は図5におけるC−C線の要部断面矢視図である。
図3乃至図6中、2b(図4)は支持部3の中空部の略中心位置で基部2に穿設された中心確認孔、4b(図4)は位置決め固定部4の摺動部4aの裏面に突設され基部2との高さを調整する高さ調整部、25は補修を行うマンホールの鉄蓋、26は鉄蓋25の周縁部に形成された長孔状の切欠き部、26a(図4)は切欠き部26の端面、27a、27bは鉄蓋25の周縁部に左右対称に形成された他の切欠き部、27cは切欠き部27a、27bの端面である。
まず、固定ナット8a、8bを緩め、位置決め固定部4の摺動部4aを摺動可能にする。また、伸縮部21の操作部23を回動させ、予め調整固定部9a、9bの固定係止部15a、15bが切欠き部27a、27bの開口側の端部にかかる程度にリンク調整部20(伸縮部21)を伸縮させて、固定係止部15a、15bの位置を調整する。
次に、図3に示すように、位置決め固定部4の仮止め係止部5aを切欠き部26に係合させるようにして基部2を鉄蓋25上に載置する。基部2の円形状の外径を鉄蓋25の中央の円形状マーク(模様)と同等か、やや小さめに形成しておくことにより、鉄蓋25の中心との位置決めを容易に行うことができる。また、鉄蓋25の表面に予め中心を示す目印をつけておけば、中心確認孔2bから目印を確認しながら円形カッター固定具1を位置決めすることができる。その後、図4に示すように、スリーブ5bの外周面が切欠き部26の端面26aに当接するまで摺動部4aを摺動させ、固定ナット8a、8bを締めて基部2の摺動支持部2aと摺動部4aを固定する。位置決め固定部4の仮止め係止部5aにより、円形カッター固定具1が鉄蓋25に仮止めされる。
このとき、位置決め固定部4の摺動部4aの裏面に基部2との高さを調整する高さ調整部4bが突設されているので、摺動部4aが撓むのを防止でき施工性に優れる。
尚、本実施の形態では、基部2を円形状に形成したが、鉄蓋25の中央のマーク(模様)の形状に応じて三角形状や矩形状等の任意の形状に形成することができる。
次に、図5に示すように、リンク調整部20の全長が短くなる方向に伸縮部21の操作部23を回動させ、調整固定部9a、9bの固定係止部15a、15bが切欠き部27a、27bに沿って鉄蓋25の中心に近づくように調整固定部9a、9bを収縮(くの字型に変形)させる。図6に示すように、調整固定部9a、9bの固定係止部15a、15bをスリーブ16a、16bの外周面で切欠き部27a、27bの端面27cに当接させることにより、円形カッター固定具1と鉄蓋25が強固に固定される。
本実施の形態ではリンク調整部20の伸縮部21としてターンバックルを用いたが、これに限定されるものではなく、長さを調整して2つの調整固定部9a、9bの回動軸支部14a、14bの位置を固定できるものであればよく、例えば2つの回動軸支部14a、14bにそれぞれ連設された連結部材をピン嵌合やねじ止め等により摺動自在に固定するもの等を用いてもよい。
円形カッターの回動中心軸の形状や寸法に応じた円筒部や円柱部を備えたジョイント部材(図示せず)の雄ねじ部を雌ねじ3aに螺着し、円形カッターの回動中心軸を回動自在に支持することにより、鉄蓋25周辺の舗装路面を鉄蓋25と略同心円の円形に切断することができる。
実施の形態1における円形カッター固定具は以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(1)位置決め固定部4が、摺動部4aを介して基部2の摺動支持部2aに配設され鉄蓋25の周縁部に形成された切欠き部26に係合される仮止め係止部5aを有するので、仮止め係止部5aを切欠き部26に係合させて基部2をマンホールの鉄蓋25上に載置するだけで容易に位置決め固定でき施工性に優れる。
(2)1つの位置決め固定部4に配設された仮止め係止部5aと2つの調整固定部9a、9bに配設された固定係止部15a、15bをそれぞれ鉄蓋25の周縁部に形成された切欠き部27a、27bに係合させることができるので、基部2と鉄蓋25を3点で確実に固定することができ、円形カッターの回動中心軸を安定して支持し舗装路面の切断を行うことができる。
(3)2つの調整固定部9a、9bが、基部2に装設された軸支固定部11a、11bに一端が回動自在に軸支された回動部10a、10bと、回動軸支部14a、14bを介して一端が回動部10a、10bに回動自在に軸支され他端に形成又は配設された固定係止部15a、15bで鉄蓋25の周縁部に形成された他の切欠き部27a、27bに係合されるリンク部13a、13bを有するので、回動部10a、10bの開度を調整すると共に、回動部10a、10bに対してリンク部13a、13bを回動させて固定係止部15a、15bの位置を調整することができ、鉄蓋25の寸法や切欠き部26、27a、27bの位置に柔軟に対応して確実に固定することができる。
(4)リンク調整部20が、2つの調整固定部9a、9bの回動軸支部14a、14bに両端部で回動自在に連結され伸縮により2つの調整固定部9a、9bの固定係止部15a、15bの位置を調整する伸縮部21を有するので、伸縮部21を伸縮させることにより2つの調整固定部9a、9bの回動軸支部4a、14b間の距離が変化し、それに伴って回動軸支部4a、14bを介して互いに回動自在に軸支された回動部10a、10bとリンク部13a、13bが回動し、基部2の軸支固定部11a、11bに対して固定係止部15a、15bの位置を変化させることができ、鉄蓋25に形成された切欠き部27a、27bへの固定と解除を切替えることができる。
(5)2つの調整固定部9a、9bが、仮止め係止部5aと支持部3の中心を通る軸線に対し左右対称に配設されていることにより、2つの調整固定部9a、9bを連結するリンク調整部20の伸縮部21を操作することにより、2つの調整固定部9a、9bを均等に伸縮させることができ、均一な力で鉄蓋に対する固定を行うことができる。
(6)円形カッター固定具1が、1つの位置決め固定部4と、リンク調整部20により連結された2つの調整固定部9a、9b有することにより、1つの位置決め固定部4の仮止め係止部5aで位置決めして仮止めした上で、リンク調整部20を調整して2つの調整固定部9a、9bの固定係止部15a、15bで固定することができるので、固定作業が容易で作業性に優れる。
(7)一端に仮止め係止部5aが配設された位置決め固定部4の摺動部4aが基部2の摺動支持部2aに摺動自在に配設されているので、鉄蓋25の大きさに応じて摺動部4aを摺動させ、仮止め係止部5aの位置を鉄蓋25の周縁部に形成された切欠き部26に合わせて係合させることができ汎用性に優れる。
(8)位置決め固定部4が、略長尺板状に形成され一端に仮止め係止部5aが配設された摺動部4aと、摺動部4aの他端及び略中央部に長手方向と平行に形成された長孔状の位置決め孔6a、6bと、を有し、基部2の摺動支持部2aの上面に位置決め孔6a、6bに挿通される固定ボルト軸7a、7bが突設されているので、固定ボルト軸7a、7bで確実に摺動部4aを案内して容易に位置決めすることができ施工性を向上させることができる。
(9)基部2の摺動支持部2aの上面に摺動部4aの位置決め孔6a、6bに挿通される固定ボルト軸7a、7bが突設されているので、固定ボルト軸7a、7bに固定ナット8a、8bを螺着するだけで容易に位置決め固定部4を基部2に固定することができ、固定作業性に優れる。
(10)固定ボルト軸7a、7bを二本設けることにより、基部2の摺動支持部2aに対し摺動部4aが回動するのを防止でき、確実に基部2と位置決め固定部4を固定して位置決めの信頼性に優れると共に、確実に仮止め係止部5aを鉄蓋25の切欠き部26に係合させて固定することができる。
(11)支持部3の中空部3aに雌ねじ3bを形設することにより、雌ねじ3bに円形カッターの回動中心軸の形状や寸法に応じた円筒部や円柱部を備えたジョイント部材を螺着して種々の円形カッターの回動中心軸を回動自在に支持することができ汎用性に優れる。
(12)リンク調整部20の伸縮部21をターンバックルで形成することにより、操作部23を回転させるだけで容易に長さを調整して2つの調整固定部9a、9bの回動軸支部14a、14bの位置を固定することができる。
(13)リンク調整部20の伸縮部21として既製品のターンバックルを使用することにより、動作安定性に優れると共に、低コストで量産性に優れる。
(14)支持部3が円形カッターの回動中心軸を支持する中空部3aを有し、基部2が中空部の略中心位置に穿設された中心確認孔2bを有するので、中心確認孔2bから鉄蓋25の中心を確認して位置決め固定を行うことができ施工性、信頼性に優れる。
(15)仮止め係止部5a及び固定係止部15a、15bのそれぞれの軸部に、切欠き部26、27a、27bの大きさ及び深さに合わせて外径及び高さを変更した円筒状のスリーブ5b、16a、16bを挿通することにより、その外周面を鉄蓋25の切欠き部26、27a、27bの端面26a、27cに確実に面接触させることができ、強固に固定できる。
(16)円形カッター固定具1が鉄蓋25に強固に固定されることにより、円形カッターが大型で重量のある場合でも確実に支持することができ、切断作業の信頼性、動作安定性に優れる。
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2における円形カッター固定具を鉄蓋に仮止めした状態を示す平面図であり、図8は図7におけるD−D線の要部断面矢視図であり、図9は本発明の実施の形態2における円形カッター固定具の固定状態を示す平面図である。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図7乃至9中、実施の形態2における円形カッター固定具1aが実施の形態1と異なるのは、リンク調整部30が、長手方向の一端側に形成された連結孔31aで2つの回動軸支部14a、14bの内の一方の回動軸支部14aに配設された連結部20aに回動自在に保持され、長手方向の他端側に形成された長孔状の摺動保持部31bで2つの回動軸支部14a、14bの内の他方の回動軸支部14bに配設された連結部20bを摺動自在に保持する連結板31と、連結板31の他端に形設された固定ねじ保持部31cに螺着され摺動保持部31bの長手方向と平行に移動して先端部32aで他方の回動軸支部14bを水平方向に押圧する固定ねじ32と、を有する点である。
以上のように構成された実施の形態2における円形カッター固定具の使用方法について、以下、図面を用いて説明する。
まず、実施の形態1と同様に固定ナット8a、8bを緩め、位置決め固定部4の摺動部4aを摺動可能にする。また、図7、8に示すように固定ねじ32を緩め、調整固定部9a、9bの固定係止部15a、15bが切欠き部27a、27bの開口側の端部にかかる程度に回動軸支部14a、14bの間隔を拡げ、固定係止部15a、15bの位置を調整する。
次に、図7に示すように、位置決め固定部4の仮止め係止部5aを切欠き部26に係合させるようにして基部2を鉄蓋25上に載置する。その後、実施の形態1と同様に、スリーブ5bの外周面が切欠き部26の端面26aに当接するまで摺動部4aを摺動させ、固定ナット8a、8bを締めて基部2の摺動支持部2aと摺動部4aを固定する(図4参照)。位置決め固定部4の仮止め係止部5aにより、円形カッター固定具1aが鉄蓋25に仮止めされる。
次に、図9に示すように、固定ねじ32を締めることにより、連結部20bを介して回動軸支部14bを水平方向に押圧し、摺動保持部31bに沿って回動軸支部14a側に移動させ、調整固定部9a、9bの固定係止部15a、15bが切欠き部27a、27bに沿って鉄蓋25の中心に近づくように回動軸支部14a、14bの間隔を狭める。実施の形態1と同様に、調整固定部9a、9bの固定係止部15a、15bをスリーブ16a、16bの外周面で切欠き部27a、27bの端面27cに当接させることにより、円形カッター固定具1aと鉄蓋25が強固に固定される(図6参照)。
尚、固定ねじ32の頭部には、一文字や十文字、六角形や星形等の工具嵌合部を形成するか、頭部の外形を六角形等の多角形状に形成した。これにより、ドライバーやレンチ等の工具で固定ねじ32を回動させることができ、容易に固定ねじ32を締付けたり緩めたりすることができ、回動軸支部14a、14bの位置を調整することができる。
本実施の形態では、実施の形態1と同様に回動軸支部14a、14bに回動部10a、10bとリンク部13a、13bとを回動自在に保持する略円筒状の連結部20a、20bを配設した上で、連結板31の連結孔31aや摺動保持部31bに挿通して、連結孔31aや摺動保持部31bに対して回動自在に保持した。これにより、回動軸支部14a、14bが回動部10a、10bから抜けるのを防止できると共に、回動部10a、10b及びリンク部13a、13bの回動動作の安定性に優れる。連結部20a、20bは回動軸支部14a、14bに固定してもよいが、回動軸支部14a、14bに対して回動自在とした場合は、回動部10a、10b及びリンク部13a、13bの回動動作時の負荷を低減でき、回動動作が滑らかで施工性に優れる。尚、連結部20a、20bを設けず、回動軸支部14a、14bを連結板31の連結孔31aや摺動保持部31bに直接挿通し、連結孔31aや摺動保持部31bに対して回動自在に保持してもよい。
また、摺動保持部31bの内部に固定ねじ32と反対側で回動軸支部14bを固定ねじ32側に付勢するコイルばね等のばね材を配設した場合、固定ねじ32を緩めるだけで回動軸支部14bが自動的に図7に示した仮止め状態の位置に復帰するので施工性に優れる。尚、固定ねじ保持部31cは連結板31の端部を折曲する等して連結板31と一体に形成してもよいし、連結板31の端部に別部材を溶接する等して形成してもよい。
実施の形態2における円形カッター固定具は以上のように構成されているので、実施の形態1の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)リンク調整部30の連結板31が、長手方向の一端側に形成され2つの回動軸支部14a、14bの内の一方の回動軸支部14aに配設された連結部20aに回動自在に保持された連結孔31aと、長手方向31の他端側に形成され2つの回動軸支部14a,14bの内の他方の回動軸支部14bに配設された連結部20bを摺動自在に保持する長孔状の摺動保持部31bと、を有するので、他方の連結部20bと共に回動軸支部14bを摺動保持部31bに沿って摺動させることにより、2つの回動軸支部14a、14bの間隔を簡便に調整することができ、取扱い性、施工性に優れる。
(2)リンク調整部30が、連結板31の他端に螺着され摺動保持部31bの長手方向と平行に移動して先端部32aで他方の回動軸支部14bに配設された連結部20bを水平方向に押圧する固定ねじ32を有するので、固定ねじ32を回動させるだけで連結板31の摺動保持部31bに対して他方の回動軸支部14bを相対的に移動させると共に、任意の位置に確実に固定することができ、調整固定部9a、9bの固定係止部15a、15bが鉄蓋25の切欠き部27a、27bから外れるのを防止して固定の信頼性に優れる。
本発明は、舗装道路における走行車両の振動や経年劣化等により沈下又は破損したマンホール周辺の舗装路面を補修する際に用いられる円形カッターの回動中心軸を位置決めし、回動自在に支持する円形カッター固定具に関するものであり、位置決め及び固定作業が容易で作業工数を低減でき施工性に優れると共に、マンホールの鉄蓋に形成された切欠き部に係合させて均一かつ強固に固定することができ信頼性に優れ、鉄蓋の大きさや切欠き部の位置によらず確実に固定することができ汎用性に優れる円形カッター固定具を提供することができ、円形カッターによる路面切断作業を効率的に行うことができる。
(a)本発明の実施の形態1における円形カッター固定具を示す斜視図 図1におけるA−A線の要部断面矢視図 本発明の実施の形態1における円形カッター固定具を鉄蓋に仮止めした状態を示す平面図 図3におけるB−B線の要部断面矢視図 本発明の実施の形態1における円形カッター固定具の固定状態を示す平面図 図5におけるC−C線の要部断面矢視図 本発明の実施の形態2における円形カッター固定具を鉄蓋に仮止めした状態を示す平面図 図7におけるD−D線の要部断面矢視図 本発明の実施の形態2における円形カッター固定具の固定状態を示す平面図
符号の説明
1,1a 円形カッター固定具
2 基部
2a 摺動支持部
2b 中心確認孔
3 支持部
3a 中空部
3b 雌ねじ
4 位置決め固定部
4a 摺動部
4b 高さ調整部
5a 仮止め係止部
5b スリーブ
5c ナット
6a、6b 位置決め孔
7a、7b 固定ボルト軸
8a、8b 固定ナット
9a、9b 調整固定部
10a、10b 回動部
11a、11b 軸支固定部
12a、12b 軸支孔
13a、13b リンク部
14a、14b 回動軸支部
15a、15b 固定係止部
16a、16b スリーブ
17a、17b ナット
18 座金
19 割ピン
20,30 リンク調整部
20a、20b 連結部
21 伸縮部
21a、21b 伸縮用ボルト軸
22a、22b 螺合ナット
23 操作部
25 鉄蓋
26 切欠き部
26a 端面
27a、27b 切欠き部
27c 端面
31 連結板
31a 連結孔
31b 摺動保持部
31c 固定ねじ保持部
32 固定ねじ

Claims (7)

  1. マンホールの鉄蓋上に載置される基部と、前記基部に立設された支持部と、を有し、前記支持部で前記マンホール周辺の舗装路面を円形に切断する円形カッターの回動中心軸を支持する円形カッター固定具であって、
    (a)前記基部に形成又は配設され前記鉄蓋の周縁部に形成された切欠き部に係合される仮止め係止部と、
    (b)前記基部に装設された軸支固定部に一端が回動自在に軸支された回動部と、回動軸支部を介して一端が前記回動部に回動自在に軸支され他端に形成又は配設された固定係止部で前記鉄蓋の周縁部に形成された他の切欠き部に係合されるリンク部と、を有する2つの調整固定部と、
    (c)前記2つの調整固定部の前記回動軸支部を連結して前記2つの回動軸支部の間隔を調整することにより前記2つの調整固定部の前記固定係止部の位置を調整するリンク調整部と、
    を有することを特徴とする円形カッター固定具。
  2. 一端に前記仮止め係止部が形成又は配設され他端が前記基部又は前記基部に延設された摺動支持部に摺動自在に配設された位置決め固定部を有することを特徴とする請求項1に記載の円形カッター固定具。
  3. 前記位置決め固定部が、略長尺板状に形成され一端に前記仮止め係止部が形成又は配設された摺動部と、前記摺動部の他端に長手方向と平行に形成された長孔状の位置決め孔と、を有し、前記基部又は前記摺動支持部が、前記基部又は前記摺動支持部の上面に突設され前記位置決め孔に挿通される固定ボルト軸を有することを特徴とする請求項2に記載の円形カッター固定具。
  4. 前記リンク調整部が、前記2つの回動軸支部にそれぞれ回動自在に配設された連結部と、両端部で前記2つの連結部に接続された伸縮部と、を有することを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の円形カッター固定具。
  5. 前記リンク調整部の前記伸縮部が、ターンバックルであることを特徴とする請求項4に記載の円形カッター固定具。
  6. 前記リンク調整部が、(a)長手方向の一端側に形成され前記2つの回動軸支部の内のいずれか一方の回動軸支部に回動自在に保持された連結孔と、長手方向の他端側に形成され前記2つの回動軸支部の内の他方の回動軸支部を摺動自在に保持する長孔状の摺動保持部と、を有する連結板と、(b)前記連結板の他端に螺着され前記摺動保持部の長手方向と平行に移動して先端部で前記他方の回動軸支部を水平方向に押圧する固定ねじと、を有することを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の円形カッター固定具。
  7. 前記支持部が、前記円形カッターの前記回動中心軸を支持する中空部を有し、前記基部が、前記中空部の略中心位置に穿設された中心確認孔を有することを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の円形カッター固定具。
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