以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる弾球遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1から図8を用いて説明を行う。
図1に示すように、本実施形態の弾球遊技機100は、遊技店の島設備に固定される矩形枠状に構成された機枠110を備えている。この機枠110の前面における左側部の上下にはそれぞれ、上下方向に沿って延在するヒンジ軸111が形成されたヒンジ部材112が設けられており、これによって、機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に前面枠120が軸着されるようになっている。
図1,2に示すように、前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支された透明部材保持枠140と、前面枠本体130の前面の透明部材保持枠140の下側に取り付けられた開閉パネルユニット150とを有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状であり、その前面における左側部の上下にはそれぞれ、機枠110に形成されたヒンジ軸111を受け入れ可能なヒンジ穴121が形成されたヒンジ部材122が設けられていて、機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に軸着されるようになっている。また、前面枠本体130の中央から上端部にわたる部分には、後述する遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部131が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部131から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部131、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うように透明部材保持枠140が配置されている。
この透明部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部131をほぼ閉塞するように、該開口部131に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重の透明部材としてのガラス板141が固定されている。そして、透明部材保持枠140において、弾球遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、透明部材保持枠140の前面であって、ガラス板141が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、枠装飾装置142としてのランプやLEDなどが設けられている。
前面枠本体130の前面であって、遊技盤1が嵌め込まれた開口部131の左側部の上下にはヒンジ部材132,133が設けられており、下側のヒンジ部材133には透明部材保持枠ヒンジ軸133aが形成され、上側のヒンジ部材132には透明部材保持枠ヒンジ穴132aが形成されている。そして、透明部材保持枠140には、その前面側から見た左側部の上下に、前面枠本体130に形成された透明部材保持枠ヒンジ軸133a、透明部材保持枠ヒンジ穴132aとそれぞれ嵌合可能な図示しないヒンジ軸、ヒンジ穴が形成されている。これによって、透明部材保持枠140は、前面枠本体130に対して前方向へ扉状に回動可能に軸着され、透明部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域の前側を開放可能となっている。
また、透明部材保持枠の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、透明部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すと透明部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
前面枠本体130の開口部131に嵌め込まれる遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面に、遊技領域区画壁9で囲まれた遊技領域1aを有し、この遊技領域1a内に後述する発射装置160から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。そして、遊技盤1の前面側から見て左側部には、発射装置160から発射された遊技球を遊技領域1aの上部に誘導する遊技球誘導部10が配設されている。
この遊技球誘導部10は、遊技盤1の上下方向に延在する略円弧状の筒状の流路で、発射装置160から発射された遊技球を上方に誘導する第1誘導部10aと、第1誘導部10aの上端部と連通し、該第1誘導部10aからの遊技球を遊技領域1aの中央方向に誘導する第2誘導部10bとを備えている。第1誘導部10aは、遊技盤本体1bの後面側の下端に、発射装置160からの遊技球を受け入れる流入口を有し、ここから上方へ延在するように遊技盤本体1bの後面側に配されている。そして第2誘導部10bは、第1誘導部10aからの遊技球を遊技盤本体1bの前面側に誘導するように前後に蛇行した蛇行誘導部を有し、その上方端部は遊技領域1aに現出している。この第2誘導部10bの遊技領域1aに現出した部分、すなわち、遊技球誘導部10の上方端部は、遊技領域1aに設けられた流出口形成部材24によって形成され、該流出口形成部材24に形成された遊技球流出口25から遊技盤本体1b(遊技領域1a)の面方向に沿って遊技球が遊技領域1aに流出するようになっている。
図2に示すように、遊技盤本体1bの前面側には、遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9を備える遊技領域区画部材8,8,…、遊技領域1aの一部を形成する遊技領域形成部材17が取り付けられている。
遊技領域形成部材17は、遊技盤本体1bの前面に沿って配される平板状の遊技領域形成部18と、該遊技領域形成部18に対して垂直に形成され、遊技盤本体1bの左端に沿って前方に突出するように配される矩形板状の遊技領域区画壁9とを備えている。この遊技領域形成部18は、遊技盤本体1bの後面側に遊技球誘導部10が配設された部分の前面側にあって、この部分は、従来は遊技球誘導部10が設けられていて遊技領域1aとして利用できなかった部分である。すなわち、遊技球誘導部10を遊技盤本体1bの後面側に配設したことで、遊技領域1aとして利用可能な範囲が拡大されている。
この遊技領域形成部18の前面には、ここを流下する遊技球の流下方向を変更する板状の流下誘導部材19が突設されている。この流下誘導部材19は、その板面が遊技領域1aの中央方向に向かって下る斜面となるように設けられており、遊技盤本体1bの左端部に設けられた遊技領域形成部18の前面を流下する遊技球を、遊技領域1aの中央方向に誘導するものである。
また、遊技領域形成部18の下部の一部には装飾部材20が設けられている。この装飾部材20は、光を透過可能な材質からなり、遊技領域形成部18の前面側に膨出するように配されるレンズ部材21と、このレンズ部材21の裏面側に配された図示しない電気的発光部材(例えばLED)を備えている。これにより、この部分において光による装飾が可能となっている。なお、前面側に膨出したレンズ部材21の上面は、遊技球を遊技領域1aの中央方向に誘導する誘導面となっている。
遊技盤本体1bの左側端に沿って配される遊技領域区画壁9は、遊技盤1の前面側に形成される遊技領域1aの左端を区画するものであって、この遊技領域区画壁9よりも遊技盤1の中央側が遊技領域1aとなっている。すなわち、遊技領域形成部材17が配された部分においては、遊技盤1の左端までが遊技領域1aとされている。この遊技領域区画壁9の上下端部は、遊技領域形成部材17の上下にそれぞれ配される遊技領域区画部材8に形成された遊技領域区画壁9と連続するようになっている。
また、遊技領域区画部材8,8,…は所定の厚みを有し、遊技盤本体1bの前面の四隅に配されて遊技領域1aを区画するものであって、遊技盤1の中心側に配される側面は、遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9をなしている。この遊技領域区画部材8,8,…のうち、遊技盤1の前面側から見て左側の上下に配される二つの遊技領域区画部材8,8は、上述の遊技領域形成部材17を挟むように上下に隣接して配されるようになっている。
このうち、遊技領域形成部材17の上側に配された遊技領域区画部材8に形成された遊技領域区画壁9は、遊技球誘導部10の遊技球流出口25を形成する流出口形成部材24に隣接して配されるようになっており、遊技球誘導部10から流出した遊技球がこの遊技領域区画壁9に沿って遊技領域1aの中央方向へ案内されるようになっている。
さらに、遊技盤本体1bの四隅に配された遊技領域区画部材8,8,…には、遊技盤1を前面枠本体130に形成された開口部131に対して着脱可能とする係合凹部8b、固定凹部8cが形成されている。前面側から見て左側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた係合部材130aが係合可能な係合凹部8bが形成され、遊技盤1の前面側から見て右側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた固定部130bが係合可能な固定凹部8cが形成されている。そして、前面枠本体130に形成された開口部131に対して、前面側から係合凹部8b,8bを係合部材130a,130aに係合させ、この係合部分を軸として他端部を後方に回動させて開口部131に収容し、固定凹部8c,8cに固定部130b,130bを係合させることで遊技盤1が前面枠本体130に固定されるようになっている。
また、遊技領域1a内には、普図始動ゲート2、この普図始動ゲート2を遊技球が通過して普図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を表示する普図始動記憶表示器(図示略)、普通図柄の変動表示ゲームを表示する普図変動表示器(図示略)が設けられている。また、普通変動入賞装置3と、この普通変動入賞装置3に遊技球が入賞して特図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を点灯表示する特図始動記憶表示器(図示略)、特図変動表示ゲームを表示する特図変動表示器(図示略)、特図変動表示器での特図変動表示ゲームに対応する表示ゲームを表示する変動表示装置4が設けられている。さらに、特別遊技状態において開放される特別変動入賞装置5、一般入賞口(図示略)、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示略)、入賞口に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口6などが設けられている。
普図始動ゲート2内には、該普図始動ゲート2を通過した遊技球を検出するためのゲートセンサが設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、普図始動ゲート2内を通過すると、図示しない普図変動表示器において普図の変動表示ゲームが行われる。ここで、普図変動表示器は、例えば、LEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)の変動表示ゲームは、普図変動表示器の点灯状態を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようになっている。なお、変動表示装置4の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良い。この普図の変動表示ゲームの結果、普図変動表示器における停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置3の開閉部材3a,3aが所定時間(例えば、0.5秒間)後述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置3に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置3は左右一対の開閉部材3a,3aを具備し、この開閉部材3a,3aは、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示器の普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置3に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化されるようになっている。この普通変動入賞装置3は、特図の始動入賞口も兼ねており、遊技球が入賞することに基づき始動条件が成立し、特図変動表示ゲームが開始されるようになっている。
特別変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた特図変動表示器(たとえば、7セグからなる)で実行され、ここで実行される特図変動表示ゲームに対応する表示ゲームが変動表示装置4に表示されるようになっている。なお、弾球遊技機100に特図変動表示器を備えずに、変動表示装置4のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。そして、特図の変動表示ゲームの結果として、特図変動表示器の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して変動表示装置4の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。
変動表示装置4は、例えば液晶表示パネルを有し、特図変動表示ゲームに対応する表示ゲームのほか、様々な情報などを表示可能となっている。また、変動表示装置4の上部には、遊技盤本体1bの前面に突出するように鎧部材7が配されており、遊技領域1aを流下する遊技球が直接変動表示装置4の前面側に流下しないようになっている。
特別変動入賞装置5は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉によって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせるようになっている。
また、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口、始動入賞口(普通変動入賞装置)、大入賞口(特別変動入賞装置)等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球としての遊技球が排出装置205から排出され、供給皿156に排出される(払い出される)ようになっている。
前面枠本体130の遊技盤1が取り付けられた開口部131の下側となる前面枠本体130の下部には、各種部材の取付ベースとなる取付盤134が設けられている。この取付盤134の前面には、遊技領域1aに遊技球を発射する発射装置160や、発射したにもかかわらず戻ってきた遊技球(ファール球)を回収するファール球回収部135、賞球、貸球、ファール球を前面側から見て右方向に流下させる排出流路136などが取り付けられている。また、取付盤134の前面側から見て右上部には、前面枠120の裏面側に設けられた排出装置205より排出されて排出流路136を流下した賞球、貸球や、ファール球回収部135で回収されて排出流路136を流下したファール球を供給皿156に排出する流出口137が形成されている。
この取付盤134の前面側には、前面枠本体130に対して前方向へ扉状に回動可能に開閉パネルユニット150が取り付けられている。また、前面枠本体130の前面であって、取付盤134の左側部の上下にはヒンジ部材133,138が設けられている。下側のヒンジ部材138には開閉パネルユニットヒンジ穴138aが形成され、上側のヒンジ部材133には開閉パネルユニットヒンジ軸133bが形成されている。そして、開閉パネルユニット150には、その前面側から見た左側部の上下に、この前面枠本体130に形成された開閉パネルユニットヒンジ軸133b、開閉パネルユニットヒンジ穴138aとそれぞれ嵌合可能なヒンジ軸(図示略)、ヒンジ穴157(図4(a)に図示)が形成されている。これによって、開閉パネルユニット150は、前面側から見た左端部が前面枠本体130に回動可能に軸着され、開閉パネルユニット150を前方向へ扉状に開くことにより、取付盤134の前側を開放可能となっている。なお、取付盤134には開閉パネルユニット開放検出器209(図6に図示)が設けられており、開閉パネルユニット150が開放された状態において検出信号を出力するようになっている。
なお、取付盤134の上側に位置するヒンジ部材133は、透明部材保持枠140を軸支するヒンジ部材133と共通であって、上面に透明部材保持枠ヒンジ軸133aが形成され、下面に開閉パネルユニットヒンジ軸133bが形成されている。よって、透明部材保持枠140と開閉パネルユニット150は、前面枠本体130の前面を覆うように上下に隣接して配されることとなる。
このような開閉パネルユニット150には、図1に示すように、取付盤134に形成された流出口137と対向する位置に、前後に貫通する開口が形成され、開閉パネルユニット150の前面側に流出口137が開口するようになっている。そして、開閉パネルユニット150の前面には、この開閉パネルユニット150の前面側に開口した流出口137から流出した遊技球を受け入れて貯留するとともに、発射装置160へ送る遊技球貯留部151が形成されている。
この遊技球貯留部151は開閉パネルユニット150の前面側に膨出するように形成され、その上部には、左右方向に延在するとともに所定の前後幅を有し、かつ、所定の深さを有する供給皿156が形成されている。供給皿156の前面側から見て右側の端部には流出口137が隣接しており、流出口137から流出した遊技球は供給皿156に流入するようになっている。また、供給皿156の遊技球流下部156a(底面)は、前面側から見て左側へ下るように傾斜しており、遊技球はこの傾斜に沿って流下するようになっている。
供給皿156は、流出口137が隣接する右端部から中央部にかけて、遊技球が前後に複数並ぶことが可能な前後幅を有し、複数の遊技球を貯留できるようになっている。そして、図5に示すように、中央部から左端部にかけては、遊技球を一列に整列させるように徐々に幅が狭くなるように形成され、左端部においては、遊技球が一列に並ぶように遊技球の直径程度の前後幅に形成されている。供給皿156の左端部は、取付盤134に設けられた発射装置160へ遊技球を誘導する図示しない発射球流路に連通しており、傾斜に沿って左側へ流下した遊技球は、この発射球流路に流入することとなる。
また、遊技球貯留部151の内部には、上下に延在する図示しない余剰球排出流路が形成されており、その上流側端部が、供給皿156の遊技球流下部156a(底面)であって左右方向の中央よりも流出口寄りの位置に、余剰球排出口として開口している。余剰球排出流路の下流側端部は遊技球貯留部151の下面に開口しており、供給皿156に形成された余剰球排出口から余剰球排出流路に流入した遊技球は遊技球貯留部151の下方に排出されるようになっている。これによって、例えば、特別遊技状態において供給皿156上に多量の賞球が排出された際に、余剰した遊技球を弾球遊技機100の外部に抜き取ることができる。すなわち、遊技球貯留部151は、従来の遊技機における発射球を貯留する上皿と、余剰球を貯留する下皿の機能をあわせ持つものである。
余剰球排出口には、余剰球排出口を開放して遊技球が余剰球排出流路に流入可能な開状態と、余剰球排出口を閉鎖して遊技球が余剰球排出流路に流入不能な閉状態とに変換可能な開閉部材が設けられている。この開閉部材は、遊技球貯留部の前面に設けられた操作部152を操作する(側方にスライドさせる)ことにより変換できるようになっている。なお、開閉部材は図示しない付勢部材によって、常に余剰球排出口を閉じた閉状態となるように付勢されており、操作部152を付勢力に抗して操作することで、開閉部材を閉状態から開状態に変換できるようになっている。
また、遊技球貯留部151の前面には、供給皿156上において余剰球排出口よりも下流側(前面側から見て左側)にある遊技球を抜き取るための抜き取り操作部153が設けられている。この抜き取り操作部153を操作する(側方にスライドさせる)ことで、供給皿156上において余剰球排出口よりも下流側にある遊技球が、余剰球排出流路に連通した図示しない抜き取り流路に誘導され、遊技球貯留部151の下方から排出されるようになっている。
また、開閉パネルユニット150の前面には、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル154や灰皿155が設けられている。操作ハンドル154は図示しない付勢手段により、前面側から見て反時計回り方向に付勢されており、外部から力が加わっていない状態においては、所定の常態位置で停止するようになっている。そして、後述するようにこの操作ハンドル154は、遊技者が付勢力に抗して時計回り方向に回動することで、その回動角度に応じて遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節できるようになっている。また、操作ハンドル154にはタッチ検出器207(図6に図示)が設けられており、遊技者が操作ハンドル154に触れていることを検出できるようになっている。
また、図6に示すように、本実施形態の弾球遊技機100は、その制御系において、遊技の進行を制御するメイン制御装置としての遊技制御装置200を備え、該遊技制御装置200からの賞球制御指令や、球貸機(図示略)からの球貸制御指令に基づいて所要数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御や、遊技球の発射制御を行う排出発射制御装置201を有する。
排出発射制御装置201は、CPU202a、RAM202b、ROM202c等を有する遊技用マイクロコンピュータ202、入出力インタフェース203、クロック(発振器)204等により構成されている。CPU202aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行い、後述する発射禁止処理やカム位置補正処理などの制御処理を行う。RAM202bは、各種データを一時的に記憶する記憶領域、並びに、CPU202aの作業領域を備えている。ROM202cには、制御プログラムや制御データが書き込まれている。
クロック204は、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力する。
また、入出力インタフェース203には、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置200、排出装置205、タッチ検出器207、モータ位置検出器208、開閉パネルユニット開放検出器209などが接続されており、これらからの各種信号が入力される。
そして、これら各種信号は、該入出力インタフェース203により中継されて、CPU202aに対し出力される。さらに、入出力インタフェース203には、CPU202aから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェース203により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバーを介して、遊技制御装置200、排出装置205、発射モータ206に出力されている。
また、図2に示すように、前面枠120に設けられた取付盤134には、開閉パネルユニット150の開閉軸を形成するヒンジ部材133,138に近い前面側から見た左側に発射装置160が設けられている。この発射装置160は、取付盤134における開閉パネルユニット150と対向する前面側に、発射装置本体160aを備えている。そして、発射装置本体160aは、取付盤134に固定される金属製の板状の発射ベース部材161と、この発射ベース部材161の前面に固定されたガイド部162と、該ガイド部162上の遊技球を打撃して遊技領域1aへ発射する発射部材としての発射杵163とを備える。
さらに、図4(a)に示すように、開閉パネルユニット150の裏面を形成する裏面板158の発射装置本体160aと対向する部分(裏面側から見て右側の端部)には、発射装置160の駆動源をなす発射モータ206および駆動力を伝達する伝達部材としてのカム176、操作ハンドル154と連動する連動歯車175、供給皿156に連通する発射球流路の下流側端部である供給口158bが設けられている。また、裏面板158の前面側であって供給口158bが形成された部分には、発射装置160に遊技球を順次供給する球送り装置156bが設けられている。
遊技盤本体1bのガイド部162は合成樹脂製の矩形筒状の部材であって、その内部の空間を遊技球が通過可能となっている。このガイド部162は、遊技盤1に形成された遊技球誘導部10の真下となる位置に配置されており、この遊技球誘導部10に遊技球を誘導するように上下に延在するとともに、弾球遊技機100の前面側から見て下端部より上端部が左側に位置するように斜めに配置されている。
ガイド部162の上端部は開放端となっており、遊技盤1に形成された遊技球誘導部10の下端部に形成された流入口に接続して連通するようになっている。また、ガイド部162の下端部の前面側には、遊技球を受け入れる球供給口162aが開口しており、開閉パネルユニット150の供給口158bと対向するように配されることで、ここから遊技球が一つずつ供給されるようになっている。
さらに、ガイド部162の下端部であって底面には、遊技球は通過しないが発射杵163の杵部163aは通過可能な大きさの開口162bが形成されており、球供給口162aからガイド部162内に流入した遊技球が、ガイド部162の下端部に保持されるとともに、一部がこの開口162bから下方に露出した状態となる。そして、この開口162bの下側から発射杵163の杵部163aが遊技球を打撃し、遊技球が上方へ発射されるようになっている。
このガイド部162の上端部の左右には、発射されたにもかかわらず、遊技領域1aへ至らずに発射装置側(下側)160へ戻ってしまったファール球を回収するファール球回収部135が設けられている。このファール球回収部135は上側に開口した樋状に形成され、落下した遊技球を受け入れるとともに、その後方に接続した排出流路136に流下案内するようになっている。そして、排出流路136は、ファール球回収部135から受け入れた遊技球を流出口137へ誘導するように配されており、これによって、ファール球として回収された遊技球が再び発射可能となる。なお、ガイド部162とその左右に設けられたファール球回収部135によって、遊技球誘導部10の流入口がちょうど閉鎖されるようになっており、発射されたにもかかわらず戻ってきた遊技球を確実に回収できるようになっている。
また、発射装置本体160aは、発射ベース部材161の前面側に回動可能に配された発射杵163と、発射杵163の回動角度を規制するストッパ部材164を備え、さらに、発射杵163の前面側に、発射勢を調節するための発射勢調整部170を備えている。
発射杵163は、発射ベース部材161の前面側に所定間隔をおいて平行に配されるベース部材171の後面に、回動可能に取り付けられている。この発射杵163は、ベース板171の後面に回動可能に取り付けられる回転軸部163bと、その回転軸部163bからほぼ半径方向に延出するアーム部163cと、アーム部163cの先端からほぼ回転方向(半径方向にほぼ直交する方向)に延出する丸棒状の杵部163aと、を備えている。この発射杵163は、発射ベース部材161に形成された二つのストッパ部材164の間を回動可能となっている。すなわち、図2に点線で示す下限位置では、下面にストッパ部材164が当接することでこれ以上の下方への移動を規制され、図2に実線で示す上限位置では、上面にストッパ部材(図示略)が当接することでこれ以上の上方への移動が規制されるようになっている。そして、外部から力が加わっていない通常時は、発射勢調整部170に設けられた図示しない付勢部材(ねじりコイルばね)によって杵部163aの延出方向に付勢され、上限位置(図2に実線で示す状態)で停止している。この上限位置では、杵部163aがガイド部の開口162bに挿通された状態となっている。
図2,3に示すように、発射勢調整部170は、矩形板状のベース板171の前面に、発射杵163と接続するとともに駆動源(発射モータ206)からの駆動力を受ける被伝達部材172と、該被伝達部材172の後方に位置し、発射勢の調節を行うための調節歯車173と、該調節歯車173および操作ハンドル154に連動する連動歯車175との間に配される中継歯車174を備える。さらに、開閉パネルユニット150に、操作ハンドル154と連動して動作する連動歯車175と、発射モータ206に取り付けられた伝達部材としてのカム176を備え、開閉パネルユニット150を閉鎖することで、連動歯車175、カム176が所定位置に配されて発射勢調整部170が構成されるようになっている。
上述したように、発射杵163はベース板171の後面に回動可能に取り付けられる回転軸部163bを有しているが、この回転軸部163bは、前後方向に沿って発射杵163の前面よりも前方に延出するように形成されている。そして、ベース板171には、この回動軸部163bを回動可能に固定するとともに、回動軸部163bをベース板171の前面側に挿通可能な挿通穴(図示略)が形成されており、回動軸部163bは、ベース板171に対して垂直に、前後方向に沿ってベース板171の前面側に延出するように取り付けられている。
ベース板171の前面側に延出した回転軸部163bには、被伝達部材172が取り付けられている。この被伝達部材172は、ベース板171の前面と平行に配される略円形板状の部材であって、中心が回転軸部163bに固定されており、この被伝達部材172を回動させることで回転軸部163bが回動し、発射杵163が回動するようになっている。
この略円形の被伝達部材172の外周面には、径方向に沿って突出する腕部172aが形成されており、被伝達部材172は腕部172aが前面側から見て右側に延出するように配されている。さらに、腕部172aの先端部には、前方に向かって腕部172aに対して垂直に、すなわち回転軸部163bの延出方向に沿って延出する円柱状の軸部172bが形成されている。この軸部172bは、後述するように伝達部材としてのカム176の外周に接してカム176に従動するカムフォロアとして機能する。
被伝達部材172の後方には、扇型板状の歯車である調節歯車173が被伝達部材172と平行に重なるように配されている。この調節歯車173は、歯車の回動中心となる軸部である扇型の径方向に沿った側面が交わる図示しない頂点部分が、回転軸部163bに対して回動自在に取り付けられており、ベース板171の前面と平行に回動可能となっている。また、歯が形成された円弧状の周面が前面側から見て右側に位置するように取り付けられている。これによって調節歯車173は、調節歯車173の右側に隣接して配された、ベース板171の前面と平行に回動可能な中継歯車174と噛み合うようになっている。
また、ベース板171の前面には、回転軸部163bの径方向に沿って延在する図示しないリブ状の規制部材が、調節歯車173の径方向に沿った側面に当接可能な位置に形成されており、これによって調節歯車173の回動範囲が規制されるようになっている。なお、このリブによって規制される調節歯車173の回動範囲は、調節歯車173の円弧状の周面に形成された歯が中継歯車174と噛み合う所定範囲内とされている。
そして、被伝達部材172と調節歯車173との間には、付勢部材としての図示しないねじりコイルばねが配されている。なお、より詳細には、ねじりコイルばねは被伝達部材172の内部に収納されており、被伝達部材172の後方に調節歯車173が重なるように配されることで、両者の間にねじりコイルばねが配されるようになっている。このねじりコイルばねは、コイル状に形成された部分に回転軸部163bが挿通され、さらにコイル状に形成された部分の両端から延出する腕部が前面側から見て右側へ延出するように配されて、それぞれ被伝達部材172の裏面と調節歯車173の前面に固定されている。このねじりコイルばねによって、被伝達部材172は前面側から見て時計回り方向に付勢され、調節歯車173は反時計回り方向に付勢されている。
そして、ねじりコイルばねによって反時計回り方向に付勢された調節歯車173は、図2に示すように歯に外部から力がかかっていない状態において、ベース板171の前面に形成された図示しないリブによって、回動範囲の上限位置で係止された状態となる。このとき、調節歯車173とは逆に時計回り方向に付勢された被伝達部材172は、回転軸部163bを介して接続した発射杵163が、上側のストッパ部材に押し付けられて図2に実線で示す上限位置で係止されることにより、所定位置で停止した状態となる。この状態における各部材の位置が、発射装置160が動作していない状態における常態位置となる。
図4(a)に示すように、開閉パネルユニット150の裏面を形成する裏面板158には、開閉パネルユニット150を閉鎖した際に、発射装置本体160aと対向する部分(軸着部分に近い裏面側から見て右側の端部)に、矩形板状の取付部材158aが取り付けられている。そして、この取付部材158aには、駆動源としてのモータ206と伝達部材としてのカム176および連動歯車175が配されている。
駆動源としての発射モータ206は、取付部材158aの前面側に取り付けられており、取付部材158aを裏面板158に取り付けることで、開閉パネルユニット150の内部に収納されるようになっている。この発射モータ206は、その駆動軸206aが後方に延出するように取り付けられており、この駆動軸206aは取付部材158aに形成された挿通穴を通じて後面側に延出している。そして、取付部材158aの後面側に延出した駆動軸206aの先端には伝達部材としてのカム176が取り付けられている。なお、発射モータ206の配設位置は、開閉パネルユニット150を閉鎖した際に、伝達部材としてのカム176が被伝達部材172の腕部172aに形成された軸部172bに係合可能な位置とされている。
また、図5に示すように、発射モータ206の前側に位置する面には、供給皿156の遊技球流下部156aの下面側に、前後方向に揺動可能に取り付けられた振動伝達部材159が接触しており、発射モータ206の振動が遊技球流下部156aに伝達するようになっている。特に、発射モータ206が配設された開閉パネルユニット150の前面側から見て左側の端部近傍においては、遊技球流下部156aの前後幅が徐々に狭くなるように形成され、球詰まりが発生する可能性が高いが、この振動伝達部材159によって振動が伝達されることで球詰まりを防止することができる。また、振動伝達部材159は金属(例えば、鉄やアルミ)からなり、発射モータ206の熱を放熱するヒートシンクとしての機能も有する。
以上のことから、開閉パネルユニット150には、駆動源(発射モータ206)と接触して当該駆動源からの振動を供給皿156の遊技球流下部156aに伝達可能な振動伝達部材159を設けたこととなる。
また、振動伝達部材159を金属により形成して、駆動源(発射モータ206)の熱を放熱するようにしたこととなる。
また、開閉パネルユニット150には、発射モータ206の駆動軸206aの回動角度を検出することで、駆動軸206aに取り付けられたカム176の回動角度を検出可能なモータ位置検出器208(図6に図示)が設けられている。このモータ位置検出器208は、伝達部材としてのカム176の回動角度が、開閉パネルユニット150を閉鎖する際に、被伝達部材172の軸部172bと適正に係合可能な回動角度である場合に検出信号を出力するようになっている。
また、取付部材158aの後面側には、連動歯車175が配設されている。この連動歯車175は、調節歯車173と同じく扇型板状の歯車であって、開閉パネルユニット150を閉鎖した際に、中継歯車174の前面側から見て右側に噛み合うように、歯が形成された円弧状の周面が前面側から見て左側に位置するように配設されている。
また、図4(b)に示すように、この連動歯車175の歯は、発射装置本体160aと対向する後面が、後方に向かって尖った錐状に形成されており、開閉パネルユニット150を閉鎖した際に中継歯車174と容易に噛み合うようにされている。なお、中継歯車174の開閉パネルユニット150と対向する側を錐状に形成しても良いし、連動歯車175、中継歯車174の対向する側の両方を錐状に形成しても良い。
また、連動歯車175の回動中心となる軸部である扇型の径方向に沿った側面が交わる頂点部分は、操作ハンドル154の動作が伝導される従動プーリ177の中心にある回動軸に固定されている。従動プーリ177は、取付部材158aの前面側に回動可能に取り付けられており、取付部材158aの前面側に配され、取付部材158aを裏面板158に取り付けることで、開閉パネルユニット150の内部に収納されるようになっている。そして、その回動軸は取付部材158aに形成された挿通穴を通じて後面側に延出していて、その先端に連動歯車175が取り付けられている。この従動プーリ177には、操作ハンドル154の図示しない回動軸に設けられた駆動プーリに巻き架けられたベルト部材178が巻き架けられており、操作ハンドル154を操作(回動)することに伴い、その回動角度に応じて従動プーリ177が回動し、連動歯車175が回動するようになっている。
なお、連動歯車175の回動範囲も、連動歯車175の円弧状の周面に形成された歯が中継歯車174と噛み合う所定範囲内とされている。この回動範囲は操作ハンドル154の回動範囲と関連しており、操作ハンドル154が常態位置にあるときは、連動歯車175は回動範囲の下限位置に位置するようになっている。また、図3に示すように、ベース板171の前面には、連動歯車175が常態位置である下限位置にある状態で、その下部側面に接するリブ状の規制部材171aが形成されている。そして、連動歯車175は、操作ハンドル154の回動に応じて上限位置へ向けて回動するようになっており、操作ハンドル154を時計回り方向に回動範囲の限界まで回動させると、連動歯車175が回動範囲の上限位置に達するようになっている。
また、開閉パネルユニット150の裏面を形成する裏面板158には、開閉パネルユニット150を閉鎖した際に、ガイド部162の球供給口162aと対向する部分に、供給皿156に連通する発射球流路の下流側端部である供給口158bが開口している。そして、裏面板158の前面側であって供給口158bが形成された部分には、球送り装置156bが設けられている。この球送り装置156bは、発射モータ206によって駆動されるようになっており、図示しない発射球流路を流下した遊技球を係止して発射球流路内で待機させるとともに、発射タイミングに合わせて1個ずつ供給口158bへ送り出すようになっている。
以上のように構成された発射勢調整部170は、開閉パネルユニット150を閉鎖することにより、図3に示すように、伝達部材としてのカム176が被伝達部材172と係合するように配され、さらに、連動歯車175と中継歯車174が係合する。これにより、遊技球の発射および発射勢の調整が可能となる。すなわち、以上のように構成された発射装置160の構成部材は、前面枠120の取付盤134と開閉パネルユニット150とに分散して配され、開閉パネルユニット150を閉鎖することにより構成部材が組み合わさって発射装置160が構成されるようになっている。
以上のことから、発射装置160に供給する遊技球を貯留するための供給皿156を備えた開閉パネルユニット150を、遊技盤1が収納された前面枠120の前面下部に開閉可能に装着するようにした弾球遊技機100において、発射位置の遊技球を発射する発射部材(発射杵163)と発射された遊技球を案内するガイド部162とを有する発射装置本体160aを、前面枠120における開閉パネルユニット150に対向する部位に配設する一方、発射装置160の駆動源(発射モータ206)を、開閉パネルユニット150の裏面側に配設し、開閉パネルユニット150を閉鎖したときに、当該開閉パネルユニット150の裏面側に配設された駆動源からの駆動力を伝達するための伝達部材(カム176)が、発射装置本体160aにおける被伝達部材172に係合するように構成したこととなる。
また、発射装置160を、開閉パネルユニット150の開閉軸側に配設したこととなる。
また、以上のような構成を有する弾球遊技機100においては、開閉パネルユニット150が開放された状態で発射装置160が動作することがないように、排出発射制御装置201において図7に示すような発射禁止処理が所定時間ごとに繰り返し行われるようになっている。
この発射禁止処理においては、まず、開閉パネルユニット150の開放操作の有無の判定(ステップS1)が行われる。この開閉パネルユニット150の開放操作の有無の判定(ステップS1)においては、開閉パネルユニット150を開放した際に、開閉パネルユニット開放検出器209から排出発射制御装置201に入力される検出信号の有無を判定することで開閉パネルユニット150の状態を判定している。
開閉パネルユニット150の開放操作の有無の判定(ステップS1)において、開閉パネルユニット150の開放操作がない場合、すなわち開閉パネルユニット150が開放されていない場合(ステップS1;N)は、発射禁止処理を終了する。また、開閉パネルユニット150の開放操作の有無の判定(ステップS1)において、開閉パネルユニット150の開放操作があった場合、すなわち開閉パネルユニット150が開放されている場合(ステップS1;Y)は、遊技者の操作による発射モータ206の作動を禁止する処理(ステップS2)を行い、発射禁止処理を終了する。
遊技者の操作による発射モータ206の作動を禁止する処理(ステップS2)においては、操作ハンドルが操作されても発射モータ206を作動しないようにする処理を行い、発射装置160の動作を不能動化する。すなわち、排出発射制御装置201が、開閉パネルユニット150の開放時に発射装置160の動作を禁止する発射動作禁止制御手段をなす。なお、この発射モータ206の作動が禁止された状態は、開閉パネルユニット150が閉鎖され、開閉パネルユニット開放検出器209からの検出信号の入力がなくなった時点で解除されるようになっている。
以上のことから、開閉パネルユニット150の開放時に、発射装置160の作動を禁止する発射動作禁止制御手段(排出発射制御装置201)を備えたこととなる。
また、開閉パネルユニット150が開放された場合には、再度閉鎖する際に伝達部材としてのカム176が被伝達部材172の軸部172bと適正に係合するように、排出発射制御装置201においては図8に示すようなカム位置補正処理が所定時間ごとに繰り返し行われるようになっている。
このカム位置補正処理においては、まず、開閉パネルユニット150の開放操作の有無の判定(ステップS3)が行われる。この開閉パネルユニット150の開放操作の有無の判定(ステップS3)においては、上述したように、開閉パネルユニット150を開放した際に、開閉パネルユニット開放検出器209から排出発射制御装置201に入力される検出信号の有無を判定することで開閉パネルユニット150の状態を判定している。
開閉パネルユニット150の開放操作の有無の判定(ステップS3)において、開閉パネルユニット150の開放操作がない場合、すなわち開閉パネルユニット150が開放されていない場合(ステップS3;N)は、カム位置補正処理を終了する。また、開閉パネルユニット150の開放操作の有無の判定(ステップS3)において、開閉パネルユニット150の開放操作があった場合、すなわち開閉パネルユニット150が開放されている場合(ステップS3;Y)は、モータ位置検出信号の有無の判定(ステップS4)を行う。
モータ位置検出信号の有無の判定(ステップS4)においては、伝達部材としてのカム176の回動角度が、開閉パネルユニット150を閉鎖する際に被伝達部材172の軸部172bと適正に係合する回動角度である場合に出力されるモータ位置検出器208からの検出信号の有無を判定する。これにより、カム176が被伝達部材172の軸部172bと適正に係合する状態にあるか否かが判定される。
モータ位置検出信号の有無の判定(ステップS4)において、モータ位置検出信号の入力がなかった場合(ステップS4;N)は、発射モータ206を規定方向に作動させる処理を行い、カム位置補正処理を終了する。すなわち、この場合は、カム176の回動角度が被伝達部材172の軸部172bと適正に係合する回動角度でないため、発射モータ206を作動させてカム176を回動し、次回以降のカム位置補正処理において、適正位置に至るようにする。また、モータ位置検出信号の有無の判定(ステップS4)において、モータ位置検出信号の入力があった場合(ステップS4;Y)は、発射モータ206の作動を停止する処理を行い、カム位置補正処理を終了する。すなわち、この場合は、カム176の回動角度が被伝達部材172の軸部172bと適正に係合可能な回動角度であり、その状態で保持するようにする。よって、排出発射制御装置201が、開閉パネルユニット150の開放時に伝達部材としてのカム176の位置を補正する伝達部材位置補正制御手段をなす。
以上のことから、開閉パネルユニット150の開放時に、伝達部材(カム176)が被伝達部材172に適正に係合する位置となるように駆動源(発射モータ206)を作動させる伝達部材位置補正制御手段(排出発射制御装置201)を備えたこととなる。
次に、以上のように構成された発射勢調整部170を備える発射装置160の動作態様について説明する。なお、ここでは、開閉パネルユニット150が閉鎖され、開閉パネルユニット開放検出器209からの信号が入力されていないものとする。
まず、遊技者が操作ハンドル154に触れると、操作ハンドル154に設けられたタッチ検出器207で検出され、その検出信号が排出発射制御装置201に入力される。排出発射制御装置201においては、この検出信号に基づき発射モータ206を作動する。
図3に示すように、発射モータ206の駆動軸206aに取り付けられたカム176の形状は、勾玉のような形状をしている。前面側から見たカム176の形状は、駆動軸206aを中心として軸部172bと係合開始する部位を0度(図3では真下の位置)とすると、時計回り方向に略270度までは径方向の長さが徐々に長くなるように形成されている。なお、0度の部位における径方向の長さは、被伝達部材172が常態位置にある場合の駆動軸206aと軸部172bとの距離と略等しいか若干短い長さとされ、カム176と軸部172bが適切に係合開始できるようにされている。そして、ここからカム176の外周面に係合した軸部172bを駆動軸206aから離れる方向に案内するようになっている。また、略270度から360度(0度)までの範囲においては、径方向の長さが、駆動軸206aと軸部172bとの距離より短く、軸部172bと係合しないようになっている。
発射モータ206を作動して駆動軸206aを前面側から見て反時計回り方向に回動すると、カム176の上述した0度から略270までの間の部位が軸部172bに係合して上方に押し上げ、被伝達部材172をねじりコイルばねの付勢力に抗して反時計回り方向に回動させる。これに伴って、被伝達部材172と回転軸部163bを介して接続した発射杵163は、図2に実線で示す常態位置から、点線で示す下限位置へ向かって移動する。そして、カム176における最も径方向の距離が長い部位である略270度の部位が軸部172bに係合した状態では、軸部172bが最も上方に押し上げられて被伝達部材172が最も反時計回り方向に回動した状態となる。このとき発射杵163は、図2に点線で示すように、下方のストッパ部材164に当接した下限位置に配された状態となるようになっている。
カム176がさらに回動し、軸部172bとの係合部位が、最も径方向の距離が長い部位である略270度の部位を超えると、カム176と軸部172bが係合しない状態となり、被伝達部材172はねじりコイルばねの付勢力によって時計回り方向に回動して常態位置に戻る。これにより、発射杵163は下限位置から上限位置へ戻るように回動し、杵部163aがガイド部の開口162bから露出した遊技球を下側から打撃することで遊技球が上方向に発射される。
以降、カム176が回転することで、上述した動作が繰り返される。また、発射モータ206を駆動することによって発射球流路の下流側端部に設けられた球送り装置156bも動作する。これによって、発射球流路で待機していた遊技球が一個ずつ供給口158bから送り出され、対向して配された球供給口162aからガイド部162内に供給されるようになっている。これによって、連続して遊技球が発射されるようになっている。
そして、このような発射動作を行う発射装置160における発射勢の調整は、発射勢調整部170にて行われる。遊技者が操作ハンドル154を時計回り方向に回動することによって、操作ハンドル154の図示しない回動軸に設けられた駆動プーリが回動してベルト部材178を介して従動プーリ177を回動し、操作ハンドル154の回動角度に応じて連動歯車175が時計回り方向(上方向)に回動する。
図3に示すように、連動歯車175が時計回り方向に回動するのに伴い、中継歯車174は反時計回り方向に回動し、調節歯車173は時計回り方向(下方向)に回動する。調節歯車173には、被伝達部材172との間に配されたねじりコイルばねの付勢力が反時計回り方向にかかっており、付勢力に抗して調節歯車173を時計回り方向に回動させることにより、被伝達部材172にかかるねじりコイルばねの付勢力がより強くなることとなる。
これによって被伝達部材172においては、カム176と軸部172bとの係合が解除された際に、ねじりコイルばねの付勢力によって常態位置に戻る勢いが強くなり、発射杵163が遊技球を打撃する強さが強くなる。すなわち、操作ハンドル154を時計回り方向に回動させることにより、その回動角度に応じて遊技球の発射勢が強くなるようになっている。
なお、上述した実施形態においては、発射装置160の駆動源としての発射モータ206にACモータ等を使用して、発射モータ206の回転力により付勢部材の付勢力に抗して発射杵163を動作し、バネの復帰力により発射するようにしているが、発射方式はこれに限られるものではない。例えば、駆動源としてロータリーソレノイドを使用し、ロータリーソレノイド自体の力で発射杵163を作動させて発射する方式のものに本発明を適応しても良い。
この場合には、カム176等は必要なく、ロータリーソレノイドを開閉パネルユニット150に配設し、ロータリーソレノイドの回動軸に係合部を形成するとともに、前面枠120側に配設された発射部材(発射杵163)の回転軸部163bに被係合部を形成し、開閉パネルユニット150の閉鎖時に係合部が被係合部に係合するように構成する。なお、この場合係合部あるいは被係合部に両者の係合を補助する案内部材を備えることが望ましい。
このように、ロータリーソレノイドを使用した場合には、ロータリーソレノイドへの電力量により発射の強弱を調整することとなるので、上述の実施形態のような発射勢の強弱を調整するような機械式の係合機構等が必要なくなりより装置を簡素化することができる。
また、上述した実施形態においては、弾球遊技機100の前方から見て右側に操作ハンドル154を備えて、この操作ハンドル154の回動量により発射勢の強弱を調整するようにしているがこれに限られるものではない。例えば、操作ハンドル154には遊技者の接触を検出するタッチ検出器207のみを備え、弾球遊技機100の前方から見て左側(供給皿156の前方部など)に発射勢の強弱を調整する調整部を設けるようにしても良い。このようにすれば、強弱調整部から発射装置160までの距離が短くなり、伝達機構を簡素化することができる。(実施形態のベルト部材178等を不要にできる)
また、上述した実施形態においては、開閉パネルユニット150の開放時に発射モータ206を作動させてカム176の回転位置を適正位置に補正するようにしているが、カム176の回転位置を機械的に補正するようにしてもよい。例えば、開閉パネルユニット150の裏面に開閉パネルユニット150の開放時には、バネ等の力により作動してカム176を適正位置に強制的に固定可能な固定部材を備え、開閉パネルユニット150の閉鎖時には、該固定部材に連結された変換部材が前面枠120の所定部位(開閉パネルユニット150の裏面に対向する面に位置する部位)に当接することで、バネの力に抗して固定部材の固定状態を解除するように変換するようにする。このようにすれば、電気的機器を使用しないでもカム176を適正位置に補正することが可能となる。
以上のような弾球遊技機100は、発射装置160に供給する遊技球を貯留するための供給皿156を備えた開閉パネルユニット150を、遊技盤1が収納された前面枠120の前面下部に開閉可能に装着するようにした弾球遊技機100であって、発射位置の遊技球を発射する発射部材(発射杵163)と発射された遊技球を案内するガイド部162とを有する発射装置本体160aを、前面枠120における開閉パネルユニット150に対向する部位に配設する一方、発射装置160の駆動源(発射モータ206)を、開閉パネルユニット150の裏面側に配設し、開閉パネルユニット150を閉鎖したときに、当該開閉パネルユニット150の裏面側に配設された駆動源からの駆動力を伝達するための伝達部材(カム176)が、発射装置本体160aにおける被伝達部材172に係合するように構成している。
したがって、発射部材やガイド部162を有する発射装置本体160aを、開閉パネルユニット150に対向する部位に配設する一方、駆動源を開閉パネルユニット150の裏面側に配設し、開閉パネルユニット150を閉鎖したときに、駆動源からの駆動力を伝達する伝達部材が、発射装置本体160aにおける被伝達部材172に係合するように構成したので、発射装置本体160aと駆動源を別々に組み立ておよび取り付けすることができ、遊技機100の組み立て作業性を向上することができる。また、開閉パネルユニット150を開放すれば、発射装置160の内部が露出するので、駆動源やその他電気的機器の点検がし易く、また故障した際にも交換作業を効率よく行うことが可能となる。しかも、ガイド部162や発射部材は前面枠120側に配設されるので、これらの部材を遊技盤1に対して正確な位置に取り付けることも可能である。さらに、開閉パネルユニット150に、球貸操作部やカード残額表示器等の電気的機器が配設される場合には、それらの機器からのリード線と、駆動源からのリード線とを一緒に効率よく配線処理が行えるようなる。
また、発射装置160を、開閉パネルユニット150の開閉軸側に配設している。
したがって、発射装置160を開閉パネルユニット150の開閉軸側に配設したことにより、開閉パネルユニット150の閉鎖時に、伝達部材(カム176)と被伝達部材172の位置的なズレを小さくすることが可能となり、確実に係合させることが可能となる。また、駆動源(発射モータ206)も開閉パネルユニット150における軸端側に配置することとなり、駆動源の重さにより開閉軸に加わる力を小さくできるし、軸端部を介して前面枠120に延ばすリード線も短くて済むようになる。
また、開閉パネルユニット150の開放時に、発射装置160の作動を禁止する発射動作禁止制御手段(排出発射制御装置201)を備えている。
したがって、開閉パネルユニット150の開放時に、発射装置160の作動を禁止するようにしたので、発射装置160が作動中に伝達部材(カム176)と被伝達部材172が係合したり係合が解除されたりすることを防止できる。また、開閉パネルユニット150を開放する点検中に、発射装置160が動作することがなく、点検を安全かつ確実に行うことができる。さらに、伝達部材と被伝達部材172が正しくかみ合っていない状態で発射装置160が動作することを防止でき、発射装置160で不具合が発生することを防止できる。
また、開閉パネルユニット150の開放時に、伝達部材(カム176)が被伝達部材172に適正に係合する位置となるように駆動源(発射モータ206)を作動させる伝達部材位置補正制御手段(排出発射制御装置201)を備えている。
したがって、開閉パネルユニット150の開放時に、伝達部材が被伝達部材172に適正に係合する位置となるように駆動源を作動させる伝達部材位置補正制御手段を備えたので、開閉パネルユニット150の閉鎖の不具合や発射駆動力の伝達の不具合を防止できる。すなわち、開閉パネルユニット150の開放時に、伝達部材の位置が係合するのに不適正な位置となっていても適正位置に自動的に補正されるので、開閉パネルユニット150の閉鎖時に、伝達部材と被伝達部材172が前後方向に重合して適正に係合しない状態となることを防止でき、開閉パネルユニット150の閉鎖の不具合や発射駆動力の伝達の不具合を防止できる。また、開閉パネルユニット150の閉鎖時に、作業員が伝達部材の位置を補正する必要がないので、作業性を向上することができる。
また、開閉パネルユニット150には、駆動源(発射モータ206)と接触して当該駆動源からの振動を供給皿156の遊技球流下部156aに伝達可能な振動伝達部材159を設けている。
したがって、開閉パネルユニット150には、駆動源と接触して当該駆動源からの振動を供給皿156の遊技球流下部156aに伝達可能な振動伝達部材159を設けたので、比較的球詰まりしやすい遊技球流下部156aに対して振動を与えることができ、駆動源の振動を効率よく利用して供給皿の球詰まりを防止できる。
また、振動伝達部材159を金属により形成して、駆動源(発射モータ206)の熱を放熱するようにしている。
したがって、振動伝達部材159を金属により形成して、駆動源の熱を放熱するようにしたので、振動の伝達の他、駆動源の発熱対策にもなる。
なお、本発明の弾球遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。