JP4655907B2 - 燃料噴射弁取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射弁の取付構造に関する。
燃料噴射弁の取付方法としては、燃料噴射弁を先端から筒内直噴式エンジンのシリンダヘッドに設けた収容孔に挿入し、燃焼室内で生じる燃焼圧に抗して燃料供給用配管により燃料噴射弁の後端からシリンダヘッドに押圧して固定する方法が知られている。
しかしながら、上記方法では、エンジン始動直後から燃料供給用配管内の燃料の圧力(以下「燃圧」と称する)が上昇するまでの間は、その燃圧よりも燃焼圧の方が上回り、燃料噴射弁は燃焼時の燃焼圧による力によって軸方向に押し上げられる。そして、エンジン始動時からある程度経過すると燃圧が燃焼圧を上回り、燃料噴射弁は燃圧による力によって軸方向に押し下げられる。エンジンを始動するたびに、このように燃料噴射弁が上下動し、燃料供給用配管に対して摺動する。すると、燃料噴射弁と燃料供給用配管とをシールするシール部材の磨耗が進展して燃料漏れが発生するという問題がある。
特許文献1では、燃料噴射弁と燃料供給用配管との間にスリーブを介して接続する。そして、燃料噴射弁に設けたフランジと燃料供給用配管に設けた座面との間にバネを介装し、燃焼圧に抗して燃料噴射弁を取付する構造が開示されている。
特表2001−511867号公報
ところで、電磁式の燃料噴射弁は、噴射孔の開閉を制御する信号を伝達する電気配線を接続するコネクタを備える。燃料噴射弁の後端に燃料供給用配管を接続するトップフィード型の場合には、コネクタは燃料噴射弁本体の側面に突出するように設けられる。
特許文献1に用いられるトップフィード型の燃料噴射弁では、側面に突出したコネクタとバネとの干渉を避けるため、コネクタより上部にバネ受け部として作用するフランジを設ける。そして、燃料噴射弁の後端に接続する燃料供給用配管とフランジとの間にはバネを介装する。かかる構成においては、バネの介装やフランジを形成するためのスペースが必要となり、その構造が大形化するという問題がある。
そこで、本発明では、簡素な構成で燃料噴射弁の持ち上げを抑制することのできる取付装置を提供することを目的とする。
本発明は、燃焼室と連通する収容孔に挿入される燃料噴射弁と、燃料噴射弁の後端と摺動可能に接続するボスを有し、シリンダヘッドに固定される燃料供給用配管と、燃料供給用配管のボスと対向するように燃料噴射弁の外周面の一部に形成された受け部と、燃料噴射弁の側面に突出し、ボスと対向する位置にボスの先端と当接可能な当接面を有する突出部と、突出部を挿通するように円筒の一部が切欠かれ、燃料噴射弁の外周に嵌められた状態でボスと受け部との間に介装される筒状部材と、突出部に一部が係止すると共に筒状部材の外周に装着され、筒状部材が径方向に拡がることを防止する拡がり防止手段とを備え、燃料供給用配管が筒状部材を後端から軸方向に押圧して収容孔に燃料噴射弁を固定するようにし、燃料噴射弁は、シール部材を介してボスに接続されており、ボスと突出部の当接面との間隔は、燃料噴射弁がボスに対して摺動することを想定した場合におけるエンジン始動時のエンジン回転速度から算出される燃料噴射弁の摺動回数とシール部材の摩耗特性とに基づいて設定されることを特徴とする。
本発明では、燃料噴射弁のバネ受け部と燃料供給用配管のボスとの間に、軸方向に弾性特性を有するC形断面の筒状部材を、突出部と切欠きとが一致するように燃料噴射弁に介装する。また、筒状部材が押し縮められた場合に、筒状部材が径方向に拡がることを防止するため、筒状部材には拡がり防止部材を介装する。本発明によれば、かかる簡素な構造により、筒状部材の弾性力を燃料噴射弁へ作用させることができる。これにより、燃料噴射弁の持ち上がりを抑制でき、Oリングの磨耗による燃料漏れを防止することが可能である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明による燃料噴射弁取付構造の一実施形態を示す概略図である。
シリンダブロック15はシリンダ15aを設ける。シリンダ15a内部には、ピストン12が摺動可能に収納される。そして、シリンダヘッド5の下面、ピストン12の頂面、及びシリンダ15aの壁面により燃焼室13が画成される。
シリンダヘッド5の中央には、燃焼室13内に形成された混合気に点火するための点火栓11が設けられる。
シリンダヘッド5は吸気ポート7と排気ポート8を備える。吸気ポート7はシリンダヘッド5の図示しない一方の側面と燃焼室13とを連通する。排気ポート8は図示しない他方の側面と燃焼室13とを連通する。
吸気ポート7の燃焼室13側の開口7aには吸気弁9を設ける。また、排気ポート8の燃焼室13側の開口8aには排気弁10を設ける。吸気弁9は図示しないカムシャフトにより駆動し、ピストン12の上下動に応じて吸気ポート7を開閉する。排気弁10も同様に図示しないカムシャフトにより駆動し、ピストン12の上下動に応じて排気ポート8を開閉する。
吸気ポート7の下側には、燃焼室13と連通するように収容孔18を設ける。収容孔18には、燃料噴射弁1が先端から挿入される。燃料噴射弁1は後端から供給された燃料を先端の噴射孔1aから噴射するトップフィード型の燃料噴射弁である。燃料噴射弁1の噴射孔1aは、吸気ポート7の開口7aの下側から点火栓11に向けて燃料を噴射する。
燃料を圧縮工程の後半で点火栓11付近に向けて噴射するため、少ない燃料噴射量であっても点火栓11周辺の混合気は理論空燃比付近の燃焼に適した空燃比となる。これにより、いわゆるリーン燃焼運転を行うことが可能となる。
燃料供給用配管3は、ボルト4によりシリンダヘッド5に締結する。燃料供給用配管3は、燃料噴射弁1の軸方向に弾性特性を持つホルダ30を介して燃料噴射弁1をシリンダヘッド5に押圧する。
上述したエンジンにおいては、ピストン12が下降するときに吸気弁9が開いて、空気が燃焼室13に吸気される(吸気行程)。燃焼室13に吸入された空気は、吸気弁9が閉じると共にピストン12によって圧縮される(圧縮行程)。そして、圧縮工程中に、燃料噴射弁1から燃料が点火栓11に向けて噴射されて、点火栓11の付近に混合気が形成される。この混合気は、点火栓11で点火されて爆発的に燃焼してピストン12を押し下げる(燃焼行程)。そして、燃焼ガスはピストン12の上昇に合わせて開いた排気弁10により排気ポート8から排出される(排気行程)。
図2は本実施形態の燃料噴射弁1を示す概略図である。
図2に示すように、燃料噴射弁1は、先端に燃料を噴射するための噴射孔1aを有する。また、燃料噴射弁1の後端には、燃料を燃料噴射弁1内に導入するための燃料導入孔1bを有する。
燃料噴射弁1は、噴射孔1aを設けた先端から段付部1cまでが段階的に径が大きくなる段付円柱形状である。また、段付部1cから後端までは段階的に段付部1cよりも径が小さくなる形状であり、後述するホルダ30が介装される軸部1dと円柱形状の円柱部1fからなる。この段付部1cと軸部1dとの段差がホルダ30のバネ受け部1eとなる。
燃料噴射弁1の側面には、図示しないコントロールユニットと電気的に接続するためのコネクタ2が径方向に突出する。コネクタ2と燃料噴射弁1とを接続する接続部2aは、後述する拡がり防止部材40を支持するための一対のガイド溝2cを有する。このガイド溝2cは、燃料噴射弁1の軸方向に沿って設けられている。
次に、燃料噴射弁1の取付構造について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は燃料噴射弁1の取付構造を示した図である。図4(A)はホルダ30の斜視図である。また、図4(B)は拡がり防止部材40を示す斜視図である。
図3に示すように、燃料噴射弁1の段付部1cは収容孔18に挿入される。収容孔18は、段付部1cに対応する段付形状となっている。収容孔18の各部の径は対応する段付部1cの径よりも僅かに大きい程度にする。
燃料噴射弁1の先端付近の側面にはシール材19が設けられる。このシール材19が収容孔18の壁面との隙間をシールして、燃焼ガス漏れを防止する。
燃料噴射弁1の円柱部1fは燃料供給用配管3のボス3aと接続する。円柱部1fの側面に設けられたOリング17は、ボス3aの内壁面と円柱部1fの側面との隙間をシールして、燃料漏れを防止する。燃料噴射弁1には、図示しない燃料タンクから燃料ポンプによって吸い上げられた燃料が燃料供給用配管3を通って供給される。
燃料供給用配管3をシリンダヘッド5に締結した状態では、ボス3aの下面3bとコネクタ2の接続部2aの上面2bとは平行になる。また、ボス3aの下面3bとバネ受け部1eとの間の距離は、後述するホルダ30の自由長よりも短くなる。そのため、ホルダ30はボス3aの下面3bとバネ受け部1eとの間に圧縮されて、軸部1dに介装することができる。
ホルダ30は、図4(A)に示すように、筒の一部に切欠き30aを設けたC形断面を有する。このホルダ30は、図3に示す通り、燃料噴射弁1のコネクタ2の背面から装着される。ホルダ30の切欠き30aは、燃料噴射弁1のコネクタ2の接続部2aの周方向の幅と同程度とする。これにより、ホルダ30を燃料噴射弁1に装着した場合に、接続部2bとホルダ30との干渉を防止できる。ホルダ30の外径はバネ受け部1eの外径と同一またはそれ以下とする。燃料噴射弁1の周辺には燃料供給用配管3等が近接しており、可能な限り簡素な構成にするためである。また、ホルダ30は、拡がり防止部材40を介して燃料噴射弁1に固定される。
拡がり防止部材40は、図4(B)に示すように、切欠き40cを有する円弧形状の部材(保持部40a)を有する。拡がり防止部材40の保持部40aには、燃料噴射弁1の軸方向に起立し、コの字形状に屈曲する屈曲部40bが一体形成される。この屈曲部40bには、燃料噴射弁1の接続部2aのガイド溝2cと摺接するフランジ40eが設けられる。また、保持部40aの一端は、燃料噴射弁1の位置決めをするための突起40dを有する。
拡がり防止部材40は、図3に示す通り、保持部40aがホルダ30の外周に沿って同軸に保持した状態で、燃料噴射弁1に装着される。拡がり防止部材40をホルダ30に装着する場合には、切欠き40cの幅が広い方が装着時の作業性が向上する。しかしながら、切欠き40cの幅を広くしすぎるとホルダ30を保持できなくなるため、その幅はホルダ30の外周の半分よりも僅かに小さくする。これにより、拡がり防止部材40はホルダ30を確実に保持できると共に装着時の作業性も向上する。ホルダ30が押し縮められた場合に、ホルダ30のバネ受け部1eからの脱落を防止するには、バネ受け部1e付近でホルダ30を保持するのがよいが、突起40dの長さが長くなる。そのため、拡がり防止部材40は、ホルダ30の軸方向の中央付近でホルダ30を固定する。なお、ホルダ30の軸方向の中央から先端のいずれかの位置で保持するようにしてもよい。
拡がり防止部材40の屈曲部40bに設けられたフランジ40eは、コネクタ2の接続部2aのガイド溝2cに沿って摺接する。そして、屈曲部40bとコネクタ2の上面2bが当接する。これにより、拡がり防止部材40が燃料噴射弁1に対して固定される。ここで、ガイド溝2cは、ホルダ30が押し縮められた場合においても、屈曲部40bがボス3aと干渉しない位置に設けられている。
保持部40aの一端に形成された突起40dは、ボス3aの下面3bから軸方向に伸びる図示しない位置決め穴に係合する。これにより、燃料噴射弁1の回転方向の動きを抑制する。
図5は、燃料噴射弁1を燃料供給用配管3及びシリンダヘッド5に取付けるときの取付け順序を示す図である。
図5に示す通り、ホルダ30と拡がり防止部材40とを装着した複数の燃料噴射弁1を、燃料供給用配管3とシリンダヘッド5に取付ける。まず、図5(A)に示すように、燃料噴射弁1の後端を燃料供給用配管3のボス3aに挿入する。その後、エンジン側に移動して、図5(B)を示すように、燃料噴射弁1の先端からシリンダヘッド5の収容孔18に挿入して組み立てられる。
このように取付けられた燃料噴射弁1は燃料供給用配管3によりホルダ30の後端から軸方向に押圧される。そして、燃料噴射弁1には、ホルダ30の弾性力と燃圧による力が軸方向の下向きに作用する。これにより、燃料噴射弁1は燃焼圧に抗してシリンダヘッド5に押圧される。また、ホルダ30は押し縮められた場合でも、拡がり防止部材40の保持部40aがホルダ30の径方向への拡がりを防止するよう作用する。このため、ホルダ30の弾性力は常に燃料噴射弁1に作用する。
しかしながら、ホルダ30が燃料噴射弁1に正確に装着されていない場合には、燃料噴射弁1が軸方向に持ち上げられるという問題がある。
図6は、本実施形態における通常運転時及びエンジン始動直後の燃圧−燃焼圧特性図である。横軸は燃圧を示す。また、縦軸は燃焼圧を示す。
領域Aは通常運転時の燃圧−燃焼圧特性を示す領域である。領域B及び領域Cはエンジン始動直後の燃圧−燃焼圧特性を示す領域である。領域Aにおいては、エンジン回転に応じて駆動する高圧ポンプの作用により燃圧が高圧となるため、領域Aでの燃圧の最低値は領域B及び領域Cよりも高くなる。
ここで、直線Dはホルダ30が燃料噴射弁1に正確に装着されている場合の、ホルダ30と燃圧とにより燃料噴射弁1が受ける力と燃焼圧により受ける力とが等しくなるときの燃圧−燃焼圧の関係を示す。この直線Dよりも下側にある燃圧及び燃焼圧では、ホルダ30と燃圧とにより燃料噴射弁1が受ける力は燃焼圧により受ける力よりも常に大きくなる。したがって、燃料噴射弁1にホルダ30が装着されている場合には、領域A、B、Cのどの領域においても、燃料噴射弁1は常に燃焼圧に抗してシリンダヘッド5に押圧される。
直線Eは、ホルダ30が燃料噴射弁1に正確に装着されていない場合の、燃圧により燃料噴射弁1が受ける力と燃焼圧により受ける力とが等しくなるときの燃圧−燃焼圧の関係を示す。ここで、直線Eの下側にある燃圧及び燃焼圧では、燃圧により燃料噴射弁1が受ける力が燃焼圧により受ける力よりも大きくなる。そのため、領域A及び領域Bにおいては、ホルダ30が燃料噴射弁1に装着されていなくても、燃料噴射弁1は常に燃焼圧に抗してシリンダヘッド5に押圧される。
しかし、エンジン始動直後においては、シリンダ内の空気量が多いため燃焼圧が高くなることがある。また、燃圧を高圧にする燃料ポンプは、エンジン回転によって駆動するため、エンジン始動直後の燃圧は低くなる。このような場合には、領域Cに示す通り、直線Eの上側にある燃圧及び燃焼圧になることがある。領域Cにおいては、燃圧により燃料噴射弁1が受ける力は燃焼圧により受ける力よりも小さくなる。さらに、ホルダ30の弾性力も燃料噴射弁1に作用しないため、燃焼時の燃焼圧により燃料噴射弁1が軸方向に持ち上げられる。その後、エンジンが通常運転状態に向かい燃圧が高くなると、燃料噴射弁1は軸方向に押し下げられる。このようなエンジン始動時の燃料噴射弁1の上下摺動が繰返し起きると、燃料噴射弁1と燃料供給用配管3とをシールするOリング17の磨耗が進展して燃料漏れが発生する。
図7は事前の漏れ試験により得た燃料噴射弁1の摺動距離Dと摺動回数NによるOリング17の磨耗特性を示す図である。横軸は燃料噴射弁1の摺動距離Dを示す。また、縦軸はその摺動回数Nを示す。実線A、B、Cは、それぞれ異なる磨耗量の等磨耗線図である。この磨耗量はOリング17の直径の変化から得ることができる。Oリング17の磨耗量は等磨耗線Aから等磨耗線Cに向けて大きくなる。等磨耗線Bの磨耗量までは、Oリング17が磨耗しても燃料漏れは見られない。
ところで、ホルダ30が機能しないために燃料噴射弁1が燃焼圧によって持ち上げられた場合には、コネクタ2の接続部2aの上面2bがボス3aの下面3bに当接してストッパーとして作用する。したがって、燃料噴射弁1の上下摺動の距離は、コネクタ2の上面2bとボス3aの下面3bとの間隔で決まる。この間隔は、コネクタ2の接続部2aの高さにより調整できる。そのため、事前の漏れ試験に基づいて摺動距離Dを決定することで、その間隔を設定することができる。この摺動距離Dは、燃料噴射弁1の摺動回数Nに基づいて磨耗特性から最適化することができる。
図8はエンジン始動直後の燃焼圧、燃圧、エンジン回転速度をそれぞれ示すタイムチャートである。図8(B)及び図8(C)に示すように、エンジン始動直後の燃焼圧は燃圧よりも高く、この場合には燃圧により燃料噴射弁1が受ける力は燃焼圧により受ける力よりも小さくなる。そのため、燃焼時の燃焼圧により燃料噴射弁1が軸方向に持ち上げられる。ここで、1回のエンジン始動による燃料噴射弁1の摺動回数N1は、図8(D)のエンジン回転速度の斜線領域の平均エンジン回転速度Neとその時の平均時間tから下記の数式(1)により算出できる。
Figure 0004655907
(1)式により得られた摺動回数N1と必要とされる所定の始動回数とから生涯摺動回数Ntを決定する。この生涯摺動回数Ntに基づいて、漏れ試験により燃料漏れが見られない等磨耗線Bの磨耗量を満たすように摺動距離Dtを決定できる(図9)。そして、燃料供給用配管3のボス3aの下面3bとコネクタ2の接続部2aの上面2bとの間隔が、摺動距離Dt以下となるように、コネクタ2aの高さを設定する。これにより、ホルダ30が燃料噴射弁1に正確に装着されず燃料噴射弁1が上下摺動しても、Oリング17の磨耗に基づく燃料漏れの発生が抑制される。
また、燃料噴射弁1の摺動する距離を決定した後に、燃料噴射弁1の先端のシール部材19の端部19aを、図3に示すシール長さの範囲内に設定する。これにより、燃料噴射弁1の持ち上げられた場合においても燃焼ガス漏れを防止する。
以上により、本実施形態では下記の効果を得ることができる。
本実施形態では、燃料噴射弁1のバネ受け部1eとボス3aとの間に、軸方向に弾性特性を有するC形断面のホルダ30を、コネクタ2と切欠き30aとが一致するように燃料噴射弁1に介装する。ホルダ30の径方向への拡がりを防止する拡がり防止部材40により、ホルダ30は燃料噴射弁1に対して固定される。このような簡素な構造で、ホルダ30の弾性力を燃料噴射弁1に作用させることができる。これにより、燃料噴射弁1の持ち上がりが抑制でき、Oリング17の磨耗による燃料漏れを防止することが可能となる。
ホルダ30はC形断面を有するため、コネクタ2とホルダ30との干渉を防止できる。これにより、燃料噴射弁1の取付構造をコンパクトにすることが可能となる。また、拡がり防止部材40に設けられた切欠き40cの幅はホルダ30の外周の半分よりも僅かに小さくする。そのため、拡がり防止部材40は、ホルダ30を確実に保持できると共に、取付時の作業性向上を図ることができる。さらに、拡がり防止部材40は、コネクタ2側から燃料噴射弁1に装着するため、コネクタ2の背面から燃料噴射弁1に介装されるホルダ30の径方向の拡がりを確実に抑制することが可能となる。
燃料供給用配管3のボス3aに設けた位置決め穴に、拡がり防止部材40の突起40dを係合することにより燃料噴射弁1の位置決めが可能となる。これにより、燃料噴射弁1からの燃料噴霧を燃焼室13内の所望の方向に形成することが可能である。また、燃料噴射弁1の燃料供給用配管3への取付作業における電気配線時にコネクタ2の向きを矯正する工程を省略することができる。
燃料噴射弁1の摺動する距離は、Oリング17の磨耗量に基づき摺動距離Dt以下に設定する。これにより、ホルダ30が燃料噴射弁1に正確に装着されていない場合であっても、Oリング17の磨耗による燃料漏れを防止することが可能となる。また、燃料噴射弁1の摺動する距離を決定した後に、シール部材19の端部19aをシール長さの範囲内に設定する。そのため、燃料噴射弁1が持ち上げられたとしても燃焼ガス漏れを防止することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。
例えば、本実施形態では燃料噴射弁1を吸気ポート7の下側に設けているが、吸気ポート7の上側、すなわちシリンダヘッド5の中央付近に燃料噴射弁1を設けるようにしてもよい。また、突起40dは燃料噴射弁1の軸方向下向きに形成し、それと係合する位置決め穴をシリンダヘッド5に設けるようにしてもよい。
本実施形態に係る燃料噴射弁取付構造を適用するエンジンの概略図である。 同じく燃料噴射弁の概略図である。 燃料噴射弁取付構造を示す概略図である。 (A)はホルダを示す斜視図である。(B)は拡がり防止部材を示す斜視図である。 燃料噴射弁の燃料供給用配管、シリンダヘッドへの取付けを示す図である。 エンジンの燃圧−燃焼圧特性を示す図である。 Oリングの磨耗量を示す摺動距離−摺動回数特性図である。 エンジン回転速度に基づいて摺動回数を算出するためのタイムチャートである。 Oリングの磨耗量を示す摺動距離−摺動回数特性図である。
符号の説明
1 燃料噴射弁
1c 段付部
1d 軸部
1e バネ受け部(受け部)
1f 円柱部
2 コネクタ
2a 接続部(突出部)
2b 上面
2c ガイド溝
3 燃料供給用配管
3a ボス
3b 下面
5 シリンダヘッド
13 燃焼室
17 Oリング
18 収容孔
19 シール材
30 ホルダ(筒状部材)
30a 切欠き
40 拡がり防止部材(拡がり防止手段)
40a 保持部
40b 屈曲部
40c 切欠き
40d 突起
40e フランジ

Claims (6)

  1. 燃焼室と連通する収容孔に挿入される燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁の後端と摺動可能に接続するボスを有し、シリンダヘッドに固定される燃料供給用配管と、
    前記燃料供給用配管の前記ボスと対向するように前記燃料噴射弁の外周面の一部に形成された受け部と、
    前記燃料噴射弁の側面に突出し、前記ボスと対向する位置に前記ボスの先端と当接可能な当接面を有する突出部と、
    前記突出部を挿通するように円筒の一部が切欠かれ、前記燃料噴射弁の外周に嵌められた状態で前記ボスと前記受け部との間に介装される筒状部材と、
    前記突出部に一部が係止すると共に前記筒状部材の外周に装着され、筒状部材が径方向に拡がることを防止する拡がり防止手段とを備え、
    前記燃料供給用配管が前記筒状部材を後端から軸方向に押圧して前記収容孔に前記燃料噴射弁を固定するようにし
    前記燃料噴射弁は、シール部材を介して前記ボスに接続されており、
    前記ボスと前記突出部の前記当接面との間隔は、前記燃料噴射弁が前記ボスに対して摺動することを想定した場合におけるエンジン始動時のエンジン回転速度から算出される前記燃料噴射弁の摺動回数と前記シール部材の摩耗特性とに基づいて設定されることを特徴とする燃料噴射弁取付構造。
  2. 前記拡がり防止手段は、
    内径が前記筒状部材の外径と略同一であるとともに、一部が切欠かれて、その切欠きが前記突出部の反対側に配置される保持部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁取付け構造。
  3. 前記保持部に設けられた切欠きは、
    前記筒状部材の外周の半分よりも小さくなるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁取付構造。
  4. 前記拡がり防止手段は、
    前記保持部の一端に、前記燃料供給用配管に設けられた位置決め穴と係合する突起を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の燃料噴射弁取付構造。
  5. 前記拡がり防止手段は、
    前記保持部に対して軸方向に起立するように一体形成された屈曲部と、
    前記突出部のガイド溝に沿って接するように前記屈曲部に形成されたフランジとを備えたことを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載の燃料噴射弁取付構造。
  6. 前記筒状部材は、
    前記燃料噴射弁の軸方向に弾力性を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の燃料噴射弁取付構造。
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