JP4655442B2 - ダブルデッキエレベータの運転装置及び運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダブルデッキエレベータの運転装置或いは運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダブルデッキエレベータでは、かごが上下に2台連結されており、それぞれが呼びに応答できるようになっている。このため、一方のかごの呼びが他方のかごに影響を与え、他方のかごが無駄に停止してしまう問題が発生する。
【0003】
そこで、予め運転モードを定め無駄な停止が生じないようにすることが考えられる。一般には、ダブル運転、シングル運転、セミダブル運転と呼ばれるものが考えられる。
【0004】
ここで、ダブル運転は上かごが偶数階の乗場呼びにサービスし、下かごは奇数階の乗場呼びに固定してサービスする運転モードで、シングル運転は一方のかごを閉鎖して、片方のかごのみで全ての階床呼びに応ずるものである。又、セミダブル運転は出発基準階でのみ、偶数階へ行く乗客を上かごに、奇数階へ行く乗客を下かごに乗車させ、出発後は上下かご共に任意の階床に停止できるようにする運転モードである。これらの運転モードは、乗客の人数や移動方向などを考慮して時間帯毎に切替えて運用するのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このうちダブル運転は、乗客が奇数階と偶数階との間を自由に移動できない欠点があり、セミダブル運転にはダブル運転と比べて、停止階数が増えるため、ダブルデッキエレベータとしてのメリットに乏しく、又シングル運転では通常のエレベータと何ら変わらない不満があった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、ダブルデッキエレベータとしてのメリットを発揮できる運転装置或いは運転方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上下かごを連結し複数階床間を運行するダブルデッキエレベータにおいて、
1.どの中間階も第一種中間階か第二種中間階かのどちらかであるものとし、上かごを中間階に停止させる場合、前記第一種中間階には必ず上昇運転時に停止させ、前記第二種中間階には必ず下降運転時に停止させると共に、下かごを中間階に停止させる場合、前記第一種中間階には必ず下降運転時に停止させ、前記第二種中間階には必ず上昇運転時に停止させることとする手段を備える。
2.どの中間階も第一種中間階か第二種中間階かのどちらかであるものとし、上かごを中間階に停止させる場合、前記第一種中間階には必ず上昇運転時に停止させ、前記第二種中間階には必ず下降運転時に停止させると共に、下かごを中間階に停止させる場合、前記第一種中間階には必ず下降運転時に停止させ、前記第二種中間階には必ず上昇運転時に停止させる。
3.各かご内にはかご呼びを登録する手段を設け、どの中間階も第一種中間階か第二種中間階かのどちらかであるものとし、上かごを中間階のかご呼びに応答させる場合、前記第一種中間階のかご呼びには必ず上昇運転時に応答させ、前記第二種中間階のかご呼びには必ず下降運転時に応答させると共に、下かごを中間階のかご呼びに応答させる場合、前記第一種中間階のかご呼びには必ず下降運転時に応答させ、前記第二種中間階のかご呼びには必ず上昇運転時に応答させることとする手段を備える。
4.中間階の乗場に上昇乗場呼びおよび下降乗場呼びを登録する手段または行先階を登録する手段を設け、行先階が登録されたときは上昇乗場呼びと下降乗場呼びのどちらかを自動登録することとし、どの中間階も第一種中間階か第二種中間階かのどちらかであるものとし、前記第一種中間階の乗場呼びをかごに割付ける場合、上昇乗場呼びは必ず上かごに割付け、下降乗場呼びは必ず下かごに割付けると共に、前記第二種中間階の乗場呼びをかごに割付ける場合、上昇乗場呼びは必ず下かごに割付け、下降乗場呼びは必ず上かごに割付けることとする手段を備える。
5.前記4.において、行先階が上方にあるか下方にあるかに関係なく上昇乗場呼びと下降乗場呼びのどちらを登録すれば行先階へ最短時間で行けるのかを案内する案内手段を備える。
6.前記4.において、行先階が登録されたとき、その階が上方にあるか下方にあるかに関係なく上昇乗場呼びと下降乗場呼びのどちらを自動登録すれば行先階へ最短時間で行けるのかを判断する。
ものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、偶数階、奇数階にかかわらず自分の乗ったかごが一周する間に、必ず行きたい階床に行けるものである。又、乗場呼び登録の仕方を工夫することによって、短時間で呼びにサービスできるようにするものである。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図面を用いて説明する。
最下階が1階で9階建ての建物にダブルデッキエレベータが据付けられている例について述べることとする。図1は本発明の一実施例を示す全体構成図、図2は本発明に係る呼び登録動作を示すフローチャート図、図3は本発明に係るダブルデッキエレベータの一周運転状態の一例を表す全体図、図4は本発明に係るダブルデッキエレベータの下かごと上かごのサービス階床の一例を示す概略図である。
【0010】
図1に示すように、ダブルデッキエレベータのかご10は下かご11と上かご12とで構成され、エレベータの制御装置20はかご呼び登録手段21、乗場呼び登録手段22、乗場呼び割当て手段23、運転制御手段24、案内装置制御手段25とからなり、乗場呼び釦30i(但し、iは1〜9)が押されると、乗場呼び登録手段22に入力され登録される。乗場呼び登録手段22が乗場呼びが発せられたことを検出すると、その情報を乗場呼び割当て手段23に伝える。この乗場呼び割当て手段23は、呼びが入力された階床、その呼びの方向、その時のエレベータの運転状態に応じて図2に示すフローチャートに従って上下かごの何れかに呼びを割当てることになる。
【0011】
即ち、ステップ1において、乗場呼びが存在するかどうかをチェックし、呼びがあれば何階床の呼びであるかを順次チェックしてゆく。つまり、ステップ2でi=1かどうかをチェック、即ち最下階の呼びであるかをチェックし、呼びがあれば当然下かごにその呼びを割付ける。次に、ステップ3においてi=2、即ち2階の呼びであればその呼びが上昇呼びか下降呼びかを判別し、上昇呼びであれば例えば上かご12(一方のかご)、下降呼びであれば下かご11(他方のかご)に呼びを割当てる。次に、ステップ4において、i=3、即ち3階の呼びであれば同様に上昇呼びか下降呼びかを判別し、上昇呼びであれば今度は下かご11(他方のかご)、下降呼びであれば上かご12(一方のかご)に呼びを割付ける。このような呼びの割付けを各中間階床において行い、最後に最上階の9階(i=9)の呼びがあれば、当然上かご12にその呼びを割付けることになる。
【0012】
一方、上下かご内の中間階床へのかご呼びについては、何れの階床の呼び登録も受け付けるが、その呼びに答えるのは、例えば奇数階床のかご呼びでは下かご11が上昇運転時に、上かご12が下降運転時に応じる(偶数階床のかご呼びの場合は、下かご11が下降運転時、上かご12が上昇運転時に応じる)。
【0013】
したがって、図3に示すように実施例の建物(9階建て)の場合には、図4に示すように下かご11は上昇運転時に1階、3階、5階、7階の呼び(かご及び乗場呼びの両方)に答えると共に、下降運転時には8階、6階、4階、2階の呼び(かご及び乗場呼びの両方)に答える。一方上かご12は上昇運転時に、2階、4階、6階、8階の呼び(かご及び乗場呼びの両方)に答えると共に、下降運転時に屋上、7階、5階、3階の呼び(かご及び乗場呼びの両方)に答えるものである。
【0014】
故にこの場合、奇数階から奇数階へ、或いは偶数階から偶数階へは今まで通り自由に迅速に移動できると共に、奇数階から偶数階へ、或いは偶数階から奇数階へ行きたい場合でも、到着して来たかご(下かご或いは上かごの何れであっても良い)にとにかく乗り込めば、エレベータが完全に一周する間に必ず自分の行きたい階床(最上階と最下階を除いて)に到達できるものである。
【0015】
即ち、下かご11と上かご12への乗場呼びの割付け方法及びかご呼びへの応答をこのように工夫することによって、乗客にとって利便性の極めて高いダブルデッキエレベータを得ることができる。
【0016】
ところで、例えば図4において、2階から3階へ乗客が移動したい場合、このままでは上昇運転の上かご12に乗ると、2F→4F→6F→8F→R→7F→5F→3Fと言う経路を経ることになり、サービス時間があまりにも掛かりすぎる不都合が認められる。
【0017】
このような問題を解消するため、案内装置制御手段25は案内装置40i(iは2〜8)に例えば図5(3階の場合の例)に示す最短サービス階床を表示して、行きたい階床毎に上昇呼びか下降呼びかを選び分けられるようにしてもよい。つまり、2階から3階へ行きたい場合は、呼び釦302の下降呼びを押すことになる。この表示については、その時々のエレベータかご10の位置や運転方向によって決定すればよいものである。
【0018】
即ち、案内装置制御手段25は運転制御手段24を介して乗場呼び割当てを受け、またかご呼び登録の状態、エレベータの運転状態に応じて案内装置40iにより乗客にどの呼びを登録すべきかの案内を行なう。一方、かご呼び登録手段21は運転制御手段24にかご呼び登録情報を渡し、運転制御手段24が乗場呼び登録情報とかご呼び登録情報から次の停止階床を判断し、ダブルデッキエレベータを運転させる。
【0019】
この呼びの割当て方法は、建物の構造に応じて、どのようにすれば良いかを決めれば良い。つまり、地下に階床が存在して最下階が何階になるのかによっても変わり、最上階が何階であるかによっても変わってくることになる。呼びの割当て方法については、その現場に応じて適宜決定すれば良い。又、最上階と最下階については、乗れるかごに制約があるため、着床してきたかごに乗ってもよいかどうかを別途、音声や表示などにより乗客に案内するようにすればよい。
【0020】
尚、以上の説明では単独のダブルデッキエレベータについて述べているが、これは複数台のダブルデツキエレベータを備え、周知の群管理制御運転を行なう場合にも容易に適用できるものである。又、乗場行先階呼登録のできるエレベータにおいて、本発明を実施することも容易である。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、各かごについては二階床毎のスキップ運転になるので、セミダブル運転の場合に比べて一周時間を短縮でき、輸送能力を向上できる。又、階床間の輸送に際して、従来と比べ極めて自由度が増すため、利用者の利便性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】図1に示す装置における呼び登録動作を示すフローチャート図である。
【図3】本発明に係るダブルデッキエレベータの一周運転状態の一例を表す全体図である。
【図4】本発明に係るダブルデッキエレベータの下かごと上かごのサービス階床の一例を示す概略図である。
【図5】2階床の案内装置302の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 ダブルデッキエレベータのかご
11 ダブルデッキエレベータ10の下かご
12 ダブルデッキエレベータ10の上かご
20 エレベータの制御装置
21 かご呼び登録手段
22 乗場呼び登録手段
23 乗場呼び割当て手段
24 運転制御手段
25 案内装置制御手段
30i 乗場呼び釦
40i 案内装置
Claims (10)
- 上下かごを連結し複数階床間を運行するダブルデッキエレベータにおいて、
どの中間階も第一種中間階か第二種中間階かのどちらかであるものとし、上かごを中間階に停止させる場合、前記第一種中間階には必ず上昇運転時に停止させ、前記第二種中間階には必ず下降運転時に停止させると共に、下かごを中間階に停止させる場合、前記第一種中間階には必ず下降運転時に停止させ、前記第二種中間階には必ず上昇運転時に停止させることとする手段を備えたことを特徴とするダブルデッキエレベータの運転装置。 - 上下かごを連結し複数階床間を運行するダブルデッキエレベータにおいて、
どの中間階も第一種中間階か第二種中間階かのどちらかであるものとし、上かごを中間階に停止させる場合、前記第一種中間階には必ず上昇運転時に停止させ、前記第二種中間階には必ず下降運転時に停止させると共に、下かごを中間階に停止させる場合、前記第一種中間階には必ず下降運転時に停止させ、前記第二種中間階には必ず上昇運転時に停止させることを特徴とするダブルデッキエレベータの運転方法。 - 上下かごを連結し複数階床間を運行するダブルデッキエレベータにおいて、
各かご内にはかご呼びを登録する手段を設け、
どの中間階も第一種中間階か第二種中間階かのどちらかであるものとし、上かごを中間階のかご呼びに応答させる場合、前記第一種中間階のかご呼びには必ず上昇運転時に応答させ、前記第二種中間階のかご呼びには必ず下降運転時に応答させると共に、下かごを中間階のかご呼びに応答させる場合、前記第一種中間階のかご呼びには必ず下降運転時に応答させ、前記第二種中間階のかご呼びには必ず上昇運転時に応答させることとする手段を備えたことを特徴とするダブルデッキエレベータの運転装置。 - 偶数階の中間階がいずれも前記第一種中間階であり、奇数階の中間階がいずれも前記第二種中間階であることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のダブルデッキエレベータの運転装置。
- 偶数階の中間階がいずれも前記第二種中間階であり、奇数階の中間階がいずれも前記第一種中間階であることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のダブルデッキエレベータの運転装置。
- 上下かごを連結し複数階床間を運行するダブルデッキエレベータにおいて、
中間階の乗場に上昇乗場呼びおよび下降乗場呼びを登録する手段または行先階を登録する手段を設け、
行先階が登録されたときは上昇乗場呼びと下降乗場呼びのどちらかを自動登録することとし、どの中間階も第一種中間階か第二種中間階かのどちらかであるものとし、前記第一種中間階の乗場呼びをかごに割付ける場合、上昇乗場呼びは必ず上かごに割付け、下降乗場呼びは必ず下かごに割付けると共に、前記第二種中間階の乗場呼びをかごに割付ける場合、上昇乗場呼びは必ず下かごに割付け、下降乗場呼びは必ず上かごに割付けることとする手段を備えたことを特徴とするダブルデッキエレベータの運転装置。 - 偶数階の中間階がいずれも前記第一種中間階であり、奇数階の中間階がいずれも前記第二種中間階であることを特徴とする請求項6に記載のダブルデッキエレベータの運転装置。
- 偶数階の中間階がいずれも前記第二種中間階であり、奇数階の中間階がいずれも前記第一種中間階であることを特徴とする請求項6に記載のダブルデッキエレベータの運転装置。
- 行先階が上方にあるか下方にあるかに関係なく上昇乗場呼びと下降乗場呼びのどちらを登録すれば行先階へ最短時間で行けるのかを案内する案内手段を備えたことを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のダブルデッキエレベータの運転装置。
- 行先階が登録されたとき、その階が上方にあるか下方にあるかに関係なく上昇乗場呼びと下降乗場呼びのどちらを自動登録すれば行先階へ最短時間で行けるのかを判断することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のダブルデッキエレベータの運転装置。
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