JP4654994B2 - 吸気流動制御弁の診断装置 - Google Patents

吸気流動制御弁の診断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4654994B2
JP4654994B2 JP2006190393A JP2006190393A JP4654994B2 JP 4654994 B2 JP4654994 B2 JP 4654994B2 JP 2006190393 A JP2006190393 A JP 2006190393A JP 2006190393 A JP2006190393 A JP 2006190393A JP 4654994 B2 JP4654994 B2 JP 4654994B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ignition timing
ignition
discharge time
tscv
intake flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006190393A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008019738A (ja
Inventor
博英 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2006190393A priority Critical patent/JP4654994B2/ja
Publication of JP2008019738A publication Critical patent/JP2008019738A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4654994B2 publication Critical patent/JP4654994B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、吸気流動制御弁の診断装置に関する。
吸気通路に配設されて、その開閉作動により燃焼室内の吸気流動を制御する吸気流動制御弁の故障を診断する方法として、従来よりその制御弁の開度を検出するセンサを設け、そのセンサの検出値に基づいて故障診断を行う方法が知られている。
また、そうしたセンサ設けることなく吸気流動制御弁の故障診断を行うために、例えば特許文献1には、正トルクの発生期間に基づいて吸気流動制御弁の故障を診断する技術が開示されている。
特開2006−77637号公報
ところで、燃焼室内の状態を検出する手段の一つとして、従来よりイオン電流を検出することが知られており、イオン電流検出回路を利用して吸気流動強さを検出し、吸気流動制御弁の作動状態を判定することが考えられる。そうした場合は、例えば気筒毎に吸気流動制御弁の作動状態を判定することが可能になるといった、前記特許文献に記載された正トルクの発生期間に基づく故障診断では不可能なことが実現する。
しかしながら従来、イオン電流検出回路の出力信号に基づいて吸気流動制御弁の作動状態を精度よく判定する具体的な方法は見出されていなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、イオン電流検出回路の出力信号に基づいて、吸気流動制御弁の作動状態を精度よく判定することにある。
本願発明者は、前記課題を解決すべく検討した結果、燃焼室内の吸気流動の強さと、点火プラグの点火放電時間との間に相関関係があり、特定の条件下では、その吸気流動の強弱が点火放電時間の差として十分な有為差を持って現れることを見出して、本願発明を完成するに至ったのである。
つまり、イオン電流検出回路の出力信号は一般的に、図2(b)に示すような波形であり、放電開始時と放電終了時とのそれぞれにおいてノイズが発生する。このノイズ間の時間が点火プラグの点火放電時間に相当する。
ここで、点火プラグの点火放電は、それの電極の絶縁抵抗が小さいほど早く終了する(つまり、点火放電時間が短くなる)。絶縁抵抗の影響因子としては(1)空気密度、(2)プラグ温度、(3)燃料の微粒子、の3点が挙げられ、空気密度が高いほど絶縁抵抗が大きくなって放電時間が長くなり、プラグ温度が高いほど絶縁抵抗が小さくなって放電時間が短くなり、プラグ周りの液滴燃料が濃いほど絶縁抵抗が小さくなって放電時間が短くなる。
本願発明者は、運転条件を変えながらイオン電流検出回路の出力信号に基づいて点火放電時間を検出する実験を行うことにより、点火タイミングに対する点火放電時間の関係を得た(図3参照)。これによると、圧縮行程後半の所定のクランク角範囲、具体的には、ATDC−30°付近を中心とした所定の範囲では、吸気流動制御弁が開状態のときと閉状態のときとで点火放電時間が大きく異なることが判明した。このことは以下のように推測される。
まず、圧縮行程前半はピストンが十分に上昇していないため、燃焼室内の空間が大きく、混合気の単位体積当たりの燃料密度が小さい。そのため、吸気流動による燃料の偏りが小さくて点火プラグ周りの液滴燃料の量が少なく、吸気流動の強さの差が点火放電時間の差として現れにくい。
また、圧縮上死点近傍では、燃料が気化することによって絶縁抵抗に影響を及ぼしにくくなり、吸気流動の強さの差が点火放電時間の差として現れにくい。
これに対し、圧縮行程後半における圧縮上死点近傍を除く所定のクランク角範囲では、ピストンが上昇していることで混合気の単位体積当たりの燃料密度が大きくなる。このことに加えて、吸気流動制御弁が閉状態であるときには吸気流動が強くなることで、遠心力により燃焼室の壁付近に液滴燃料が飛ばされて、点火プラグ近傍に液滴燃料が多量に存在するようになり、絶縁抵抗が小さくなって放電時間が短くなるのに対し、吸気流動制御弁が開状態であるときには吸気流動が弱いため、点火プラグ近傍の液滴燃料が少量であるから絶縁抵抗が大きく、放電時間が長くなる、と考えられる。
従って、点火時期が所定範囲に設定されているときに点火放電時間を検出することによって、吸気流動制御弁の作動状態を判定することができる。
すなわち、本発明の一側面によると、吸気流動制御弁の診断装置は、吸気通路に配設されかつ、エンジンの運転状態に応じて開閉制御されることにより燃焼室内の吸気流動を制御する吸気流動制御弁と、前記燃焼室内に臨んで配設されかつ、当該燃焼室内で点火放電を行う点火プラグと、前記燃焼室内に発生するイオン電流を検出するためのイオン電流検出回路を含み、該イオン電流検出回路の出力信号に基づいて前記点火プラグの点火放電時間を検出する放電時間検出手段と、前記点火プラグの点火時期が、圧縮行程後半における所定のクランク角範囲である判定可能範囲内に設定されているときに、前記放電時間検出手段が検出した点火放電時間に基づいて、前記吸気流動制御弁の作動状態を判定する判定手段と、を備える。
この構成によると、前述したように、点火時期が圧縮行程後半における所定のクランク角範囲内に設定されているときに、放電時間検出手段が検出した点火放電時間に基づいて吸気流動制御弁の作動状態を判定することで、その作動状態を精度よく判定することが可能になる。
前記診断装置は、前記点火時期を、その目標値から遅角又は進角することによって、当該点火時期を前記判定可能範囲内に設定する点火時期変更手段をさらに備え、前記判定手段は、前記点火時期変更手段によって点火時期が前記判定可能範囲内に設定されたときに、前記放電時間検出手段によって検出された点火放電時間に基づいて、前記吸気流動制御弁の作動状態を判定する、としてもよい。
こうすることで、点火時期が判定可能範囲内に設定されていないときでも、点火時期変更手段によって点火時期を遅角又は進角することによって当該点火時期を前記判定可能範囲内に設定することで、吸気流動制御弁の作動状態を精度よく判定することが可能になる。
前記点火時期変更手段は、前記判定可能範囲と、前記点火時期の制御目標値と、燃焼安定性を考慮して設定された遅角限界との比較に基づいて、前記点火時期の遅角を禁止又はその遅角量を制限する、ことが好ましい。
こうすることで、点火時期を遅角することによって燃焼安定性が低下するときには、その点火時期の遅角を禁止又はその遅角量を制限することによって、燃焼性の悪化が未然に防止される。
前記点火時期変更手段は、前記判定可能範囲と、前記点火時期の制御目標値と、ノック発生を考慮して設定された進角限界との比較に基づいて、前記点火時期の進角を禁止又はその進角量を制限する、ことが好ましい。
こうすることで、点火時期を進角することによってノックが発生するときには、その点火時期の進角を禁止又はその進角量を制限することによって、ノックの発生が未然に防止される。また、点火時期の進角に起因する燃焼性の悪化も未然に防止される。
前記判定手段は、予め設定された、点火放電時間と吸気流動制御弁の開度との関係に従って前記吸気流動制御弁の開度を予測し、その予測と前記吸気流動制御弁の制御目標値とに基づいて前記吸気流動制御弁の故障の状態を判定する、としてもよい。
こうすることで、吸気流動制御弁が、全開状態で固着している、全閉状態で固着している、中間位置で固着している、又は全開又は全閉前で引っ掛かっている、等の故障の状態が判定可能になる。
以上説明したように、本発明によれば、イオン電流検出回路の出力信号に基づく点火放電時間を検出して吸気流動制御弁の作動状態を判定する際に、点火プラグの点火時期が所定の判定可能範囲内に設定されているときの点火放電時間に基づいて判定することで、スイッチ等を設けなくても、吸気流動制御弁の作動状態を精度よく判定することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
(エンジンの概略構成)
図1は、本発明に係る診断装置を備えた実施形態のエンジン1を模式的に示し、この例ではエンジン1は、複数のシリンダ2,2,…(図には1つのみ示す)が直列に配置された火花点火式エンジンである。図示の如く、シリンダ2の上端はシリンダブロック3の上端面に開口し、そこに載置されたシリンダヘッド4の下面により閉塞されている。シリンダ2内にはピストン5が往復動可能に嵌挿されていて、このピストン5の上面とシリンダヘッド4の下面との間に燃焼室6が区画される。一方、ピストン5の下方のクランクケース内には、図示しないがクランク軸が配設され、コネクティングロッドによってピストン5と連結されている。
前記シリンダヘッド4には各シリンダ2毎に点火プラグ7が配設され、その先端の電極が燃焼室6に臨む一方、該点火プラグ7の基端部は点火回路8に接続されている。この点火回路8には、図2(a)にのみ示すが、パワートランジスタからなるイグナイタ8aとイグニッションコイル8bとが含まれており、後述のPCM30からの制御信号を受けて各シリンダ2毎に所定のタイミング(点火時期)で点火プラグ7に通電するようになっている。この例では点火回路8にイオン電流検出回路33が接続されていて、同図(b)のように、点火プラグ7の点火放電時間を検出できるようになっているが、これについては後述する。
また、シリンダヘッド4には、各シリンダ2毎の燃焼室6に臨んで開口するように吸気ポート9及び排気ポート10がそれぞれ形成され、その各ポート開口部にはそれぞれカム軸により開閉されるように吸気及び排気弁11,12が配設されている。同図には示さないが、カム軸は、吸気側及び排気側に1本ずつ設けられていて、共通のカムチェーンによりクランク軸に駆動連結されており、このクランク軸の回転に同期して吸気側及び排気側のカム軸がそれぞれ回転されることにより、吸気及び排気弁11,12がそれぞれ所定のタイミングで開閉されるようになっている。
前記シリンダヘッド4の一側(同図の左側)には、下流端が吸気ポート9に連通するように吸気通路15が配設されている。この吸気通路15の上流端は外部から導入される新気を濾過するためのエアクリーナ16に接続されており、そこから下流側に向かって順に、吸気流量を検出するエアフローセンサ17と、電動モータ18aにより駆動されて吸気通路15を絞るスロットル弁18と、燃焼室6内の吸気流動の強さを制御するTSCV(Tunble Swirl Conrol Valve)29と、各シリンダ2毎に燃料を噴射供給するインジェクタ19,19,…(図には1つのみ示す)とが配設されている。
前記TSCV29は、シリンダ2内へ流入する吸気の流れを絞って燃焼室6内の吸気流動の強さを調節する絞り弁であり、例えばステッピングモータ等のアクチュエータによって開閉作動される。このTSCV29の弁体には一部に切り欠きが形成されており、全閉状態ではその切り欠き部のみから下流側に流れる吸気の流速が高くなって、この高速の吸気流が燃焼室6において強い空気流動を生成する。一方、TSCV29が開かれるに従い、吸気は切り欠き部以外からも流通するようになって、その流速が徐々に低下し、燃焼室6内の空気流動の強さも徐々に低下するようになる。
一方、シリンダヘッド4の反対側(図1の右側)には、排気ポート10に連通して各シリンダ2内の燃焼室6から既燃ガス(排気ガス)を排出するように、排気通路20が配設されている。この排気通路20には上流側から順に、排気ガス中の酸素濃度を基に混合気の空燃比を検出するための酸素濃度センサ(以下、O2センサ)21と、排気ガスを浄化するための触媒コンバータ22とが配設されている。
また、前記O2センサ21よりも上流側の排気通路20には、排気ガスの一部を吸気通路15に還流するための排気還流通路24(以下、EGR通路)が分岐接続されていて、このEGR通路24の下流端が前記スロットル弁18よりも下流側の吸気通路15に連通している。このEGR通路24の下流端寄りには開度調節可能な電気式の流量制御弁25(以下、EGR弁)が配設されていて、EGR通路24を還流される排気ガス(以下、外部EGR)の流量を調節するようになっている。
さらにまた、エンジン1のシリンダブロック3下部のクランクケース内には、クランク軸の回転角(クランク角)を検出する電磁ピックアップ等からなるクランク角センサ26が設けられている。このクランク角センサ26は、クランク軸の端部に一体に回転するように取り付けられたロータ27の回転に伴い、その外周部に設けられた凸部の通過に対応して信号を出力する電磁ピックアップコイル26からなる。また、シリンダブロック3のウォータジャケット(図示せず)には、冷却水の温度状態を検出する水温センサ28が臨設されている。
前記エアフローセンサ17、O2センサ21、クランク角センサ26、水温センサ28等からの出力信号は、それぞれPCM(Power-train Control Module)30に入力されるようになっている。このPCM30は、周知の如くCPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース回路等を備えており、前記各センサ以外に、少なくとも、アクセルペダルの操作量を検出するアクセル開度センサ32から出力される信号を受け入れる。
そして、PCM30は、前記各センサ等から入力した信号に基づいてエンジン1の運転状態を判定し、これに応じてエンジン1の運転制御を行うようになっている。すなわち、PCM30は、点火回路8に対し各シリンダ2毎の点火時期の制御信号を出力し、スロットル弁18に対し吸気流量を制御するための信号を出力するとともに、各シリンダ2毎のインジェクタ19,19,…に対し燃料噴射量及び噴射タイミングを制御するためのパルス信号を出力し、さらに、EGR通路24によって吸気系に環流する排気ガス(外部EGR)の量を制御するため信号をEGR弁25に対し出力する。また、PCM30は、TSCV29に対し吸気流動の強さを制御するための信号を出力する。
そして、本実施形態のエンジン1では、上述の如く点火回路8に接続したイオン電流検出回路33の出力信号によって点火プラグ7の点火放電時間を検出し、これによりTSCV29の作動状態を判定して、その故障の診断を行う。
(イオン電流検出回路信号によるTSCVの故障診断)
前述したように、この実施形態では、エンジン1の点火回路8にイオン電流検出回路33が接続されている(図2(a)参照)。図の例では、イオン電流検出回路33は、イグニッションコイル8bの2次側が設置される点火プラグ7とは反対側の端部に直列に接続された電源コンデンサ33aと、検出回路33bとからなり、イグナイタ8aの作動によって点火プラグ7に通電される際(点火)に電源コンデンサ33aに蓄えられた電荷と、その後、燃焼室において発生したイオンとで回路が構成されて電流が流れ、この電流を検出回路33bが検出するようになっている。検出回路33bからの信号はPCM30へ出力される。
図2(b)は、イオン電流検出回路の出力信号の一例であり、この出力信号に含まれる2つのノイズの内、最初のノイズが、点火プラグ7の放電開始に対応し、次のノイズが点火プラグ7の放電終了に対応する。従って最初のノイズと次のノイズとの間の時間が、点火放電時間となる。
点火放電時間は、点火プラグ7の電極の絶縁抵抗に関係し、絶縁抵抗が小さいほど放電時間は短くなる。ここで、絶縁抵抗の影響因子としては、(1)空気密度、(2)プラグ温度、(3)燃料の微粒子、の3点が挙げられ、空気密度が高いほど絶縁抵抗が大きくなって放電時間が長くなり、プラグ温度が高いほど絶縁抵抗が小さくなって放電時間が短くなり、プラグ周りの液滴燃料が濃いほど絶縁抵抗が小さくなって放電時間が短くなる。
図3は、所定のエンジン回転数(1500rpm)で点火時期を変化させながら、TSCV29が全開のときと、TSCV29が全閉のときとのそれぞれにおいて、点火放電時間(放電期間)を計測した実験データである。図において実線のグラフは、空気のみの場合(燃料を含まない場合)の予想変化を示し、一点鎖線のグラフは、実験データに基づいて予想されるTSCV全開時の変化であり、二点鎖線のグラフは、実験データに基づいて予想されるTSCV全閉時の変化である。
同図によると、空気のみの場合は、点火放電時間の影響因子としては空気密度が主であるため、点火時期が圧縮上死点であるときに点火放電時間が最も長くなり、その前後では放電時間が次第に短くなる。つまり、空気のみの場合のグラフは圧縮上死点を頂点とした山形になる。
これに対し、燃料を含む混合気の場合は、点火放電時間の影響因子としては空気密度に加えて燃料の微粒子が含まれる。ここで、点火時期が圧縮上死点近傍からそれ以降の場合は、液滴燃料が気化することで、燃料の微粒子影響因子が次第になくなり、点火放電時間は空気のみの場合に次第に近づく。
一方、点火時期が圧縮上死点前の領域では、液滴燃料が気化する前であるため、燃料の微粒子の影響によって点火放電時間は、空気のみの場合に比べて短くなる。
しかしながら、点火時期が圧縮工程の前半である場合は、ピストン5が十分に上昇しておらず、単位体積当たりの燃料密度は小さいため、点火プラグ7周りの液滴燃料も少ない。そのため、TSCV29の開状態と閉状態とでの点火放電時間の差は比較的小さくなる。
これに対し、点火時期が圧縮行程後半である場合は、ピストン5が十分に上昇して燃料密度が大きくなると共に、吸気流動の強さによって点火プラグ7周りの液滴燃料の量が変化する。つまり、吸気流動が強いときにはその遠心力によって、点火プラグ7周りに液滴燃料が多量に存在するのに対し、吸気流動が弱いときには、そうはならない。そのため、点火時期が圧縮行程後半の所定のクランク角範囲(具体的には、ATDC−30°付近を中心とした所定のクランク角範囲(TSCV29の作動状態の差が、点火放電時間の差として十分な有為差を持って現れる範囲であり、例えばATDC−30°±30°、好ましくはATDC−40°〜−20°の範囲)、以下、判定可能範囲と呼ぶ)内では、TSCV29が開状態のときと、TSCV29が閉状態のときとで、点火放電時間に大きな差が生じる(同図の両端矢印を参照)。すなわち、点火時期がこのクランク角範囲内に設定されているときに、前記イオン電流検出回路33の出力信号に基づく点火放電時間を検出することによって、TSCV29の作動状態を精度よく判定することが可能であることがわかる。特に、TSCV29が開状態のときとTSCV29が閉状態のときとで点火放電時間の差が最も大きくなる点火時期においてTSCV29の作動状態を判定すれば、S/N比が最も高くなる。
次に、図4に示すフローチャートを参照しながら、前記PCM30によるTSCV29の故障診断の手順について説明する。先ず、ステップS11では、TSCV故障診断実行のフラグを立て、続くステップS12では、TSCV故障診断の実行条件が成立したか否かを判定する。この実行条件としては、エンジン回転数、充填効率、及び空燃比等が所定の範囲内に入ると共に、前述した、点火時期が前記判定可能範囲内であること、が挙げられる。実行条件が成立したのYESのときにはステップS13に移行し、実行条件が成立していないのNOのときにはステップS12を繰り返して、実行条件が成立するのを待つ。
ステップS13では、イオン電流検出回路33の出力信号から点火放電時間Sdを検出すると共に、PCM30に予め記憶されている点火放電時間とTSCV開度との関係を示すマップ(図5参照)から、その検出した点火放電時間Sdに対応するTSCV開度(予測OA)を算出する。また、TSCV29の制御目標値である制御OAを得ておく。
ここで、図5に示すマップは、実験等によって得たデータに基づいて予め設定された点火放電時間Sdに対するTSCV開度(予測OA)を示すマップであり、点火時期毎に設定されている。このようなデータは、図5に示すようにマップの形式でPCM30に保存しておく以外に、テーブルの形式や関数の形式でPCM30に保存しておいてもよい。
続くステップS14では、ステップS13で得た予測OAと制御OAとの差の絶対値を算出する。そして、制御目標値がTSCV全開であるときには、その絶対値をΔOAopとして記憶し、制御目標がTSCV全閉であるときにはその絶対値をΔOAclとして記憶する。
ステップS15では、TSCV29の開状態の判定及び閉状態の判定がそれぞれ所定回数行われたか、つまり、開状態のデータと閉状態のデータとのそれぞれについて所定個のデータが取得できたか否かを判定し、取得できていないのNOのときにはステップS12に戻って前述したデータの取得を繰り返し、取得できたのYESのときにはステップS16に移行する。
ステップS16では、前記ステップS13及びS14で得られたΔOAopの平均値ΔOAopAveと、ΔOAclの平均値ΔOAclAveと、をそれぞれ算出する。
そうして、ステップS17で、前記ΔOAclAveが、ΔOAmaxと等しいか否かを判定する。ここで、ΔOAmaxは、前記TSCV29の全開状態と全閉状態との間の角度差を示しており、ΔOAclAveが、ΔOAmaxと同じであるのYESのときには、TSCV29が開状態で固着している(故障している)と判定する(ステップS112)。
一方、ステップS17でNOのときには、続くステップS18で前記ΔOAopAveが、ΔOAmaxと等しいか否かを判定する。ΔOAopAveが、ΔOAmaxと同じであるのYESのときには、TSCV29が閉状態で固着している(故障している)と判定する(ステップS113)。
ステップS18でNOのときには、続くステップS19で、前記ΔOAopAve+ΔOclAveが、ΔOAmaxと等しいか否かを判定する。そして、ΔOAopAve+ΔOclAve=ΔOAmaxのYESのときにはステップS114に移行して、TSCV29が全開と全閉との中間位置で固着した状態である(故障している)と判定する。
ステップS19でNOのときには、続くステップS110でΔOAopAve=0でかつ、ΔOAclAve=0であるか否かを判定する。YESのときにはステップS111に移行してTSCV29の故障がないと判定する。一方、ΔOAopAve=0でない、又はΔOAclAve=0でないのNOのときには、開固着故障、閉固着故障、及び中間固着故障以外の故障、例えば全閉前の状態又は全開前の状態で引っ掛かっている故障であると判定する。
ここで、前記ステップS17〜S110における判定について、より具体的に説明する。TSCV29の全閉状態のときの開度を「0」、TSCV29の全開状態のときの開度を「100」と仮定する。この場合、TSCV29の全開状態と全閉状態との間の角度差ΔOAmaxは100−0=100である。
TSCV29が開状態で固着しているときには、制御目標値が全閉のとき(つまり制御OAが「0」のとき)でも、予測OAは常に「100」になる。従って、ΔOAclAve=100となるため、ΔOAclAve=ΔOAmaxとなる。つまり、ステップS17においてΔOAclAve=ΔOAmaxであるときには、TSCV29が開固着故障であると判定することができる(ステップS112)。
また、TSCV29が閉状態で固着しているときには、制御目標値が全開のとき(つまり制御OAが「100」のとき)でも、予測OAは常に「0」になる。従って、ΔOAopAve=100となるため、ΔOAopAve=ΔOAmaxとなる。つまり、ステップS18においてΔOAopAve=ΔOAmaxであるときには、TSCV29が閉固着故障であると判定することができる(ステップS113)。
また、TSCV29が中間位置(例えば開度「50」)で固着しているときには、制御目標値が全閉のとき(つまり制御OAが「0」のとき)でも、予測OAは常に「50」になると共に、制御目標値が全開のとき(つまり制御OAが「100」のとき)でも、予測OAは常に「50」になる。従って、ΔOAclAve=50、ΔOAclAve=50となるため、ΔOAclAve+ΔOAopAve=ΔOAmaxとなる。つまり、ステップS19においてΔOAclAve+ΔOAopAve=ΔOAmaxであるときには、TSCV29が中間固着故障であると判定することができる(ステップS114)。
また、TSCV29が故障していないときには、制御目標値が全開のとき(つまり制御OAが「100」のとき)には、予測OAは「100」になり、制御目標値が全閉のとき(つまり制御OAが「0」のとき)には、予測OAは「0」になる。従って、ΔOAclAve=ΔOAopAve=0となる。つまり、ステップS110においてΔOAclAve=ΔOAopAve=0であるときには、TSCV29が故障していないと判定することができ(ステップS111)、ΔOAclAve≠0又はΔOAopAve≠0のときには、何らかの故障が発生していると判定することができる(ステップS115)。
このように、イオン電流検出回路33の出力信号に基づいてTSCV29の作動状態を判定する際に、点火時期が圧縮行程後半における所定のクランク角範囲内に設定されているときの点火放電時間に基づいてTSCV29の作動状態を判定することで、その作動状態を精度よく判定することが可能になる。
また、点火放電時間からTSCV29の開度を予測することによって、その予測とTSCV29の制御目標値とに基づいて、TSCV29が全開状態で固着している、全閉状態で固着している、中間位置で固着している、又は全開又は全閉前で引っ掛かっている、等の、TSCV29の故障の状態を判定することができる。尚、こうしてTSCV29が故障していることを判定したときには、それをPCM30に記憶したり、必要に応じて報知したりすればよい。
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係るTSCV29の故障診断の手順を示すフローチャートである。
前述したように、点火時期がATDC−30°付近を中心とした所定のクランク角範囲(判定可能範囲)内であるときには、TSCV29の作動状態の差が、点火放電時間の差として有為差を持って現れるため、TSCV29の故障診断は、エンジン1が、点火時期が判定可能範囲内にある運転状態のときに限って行われる。
実施形態2では、エンジン1の運転状態が、TSCV29の故障診断を精度よく行うことができない状態であるときにも、点火時期を進角又は遅角させることによって、TSCV29の故障診断を精度よく行うことを可能にする。
図6に示すフローチャートにおいて、ステップS21,S22,S27〜S219はそれぞれ、図4に示すフローチャートにおけるステップS11,S12,S13〜115と同じである。
同図においてステップS21では、TSCV故障診断実行のフラグを立て、続くステップS22では、TSCV故障診断の実行条件が成立したか否かを判定する。ここでの実行条件としては、エンジン回転数、充填効率、及び空燃比等が所定の範囲内に入ることが挙げられ、点火時期が判定可能範囲内であることはステップS22における実行条件からは除かれる。
ステップS23では、TSCV故障診断を実行するための点火時期(診断実行点火時期)SAdtと、点火時期の制御目標値SAoとの差が、燃焼安定性を考慮した遅角限界SArsl(−SArsl)よりも大きいか否かが判定され、大きいのYESのときにはステップS24に移行し、大きくないのNOのときには、ステップS22に戻る。
尚、実施形態2では、TSCV故障診断を実行するときの点火時期を一点に定めており(つまり、診断実行点火時期SAdt)、その診断実行点火時期SAdtは、前記判定可能範囲内において、TSCV29の開状態と閉状態とで点火放電時間の差が最も大きくなる時(ATDC−30°付近)とすればよい。
また前記遅角限界SArslは、燃焼安定性から予め実験により得られた遅角限界であり、エンジン回転数、充填効率、エンジン水温に基づいて設定される。
ステップS24では、診断実行点火時期SAdtと、点火時期の制御目標値SAoとの差が、燃焼安定性を考慮した進角限界SAaslよりも小さいか否かが判定され、小さいのYESのときにはステップS25に移行し、小さくないのNOのときには、ステップS22に戻る。
尚、前記進角限界SAaslは、燃焼安定性から予め実験により得られた進角限界であり、エンジン回転数、充填効率、エンジン水温に基づいて設定される。
ステップS25では、診断実行点火時期SAdtと、点火時期の制御目標値SAoとの差が、ノック発生を考慮した進角限界SAaklよりも小さいか否かが判定され、小さいのYESのときにはステップS26に移行し、小さくないのNOのときには、ステップS22に戻る。尚、ノック発生を考慮した進角限界SAaklは、実験値又はノックセンサ(図示省略)の検出値によって得られるものであり、エンジン回転数、充填効率、エンジン水温に基づいて設定される。
そうしてステップS26では、点火時期の制御目標値SAoを、診断実行点火時期SAdtに設定して、点火プラグ7の点火放電を実行する。ステップS27で、イオン電流検出回路33の出力信号から点火放電時間Sdを検出すると共に、PCM30に予め記憶されている点火放電時間とTSCV開度との関係を示すマップ(図5参照)から、その検出した点火放電時間Sdに対応するTSCV開度(予測OA)を算出する。また、TSCV29の制御目標値である制御OAを得ておく。
以降のステップS28〜S219は、図4に示すフローのステップS14〜S115と同じであるため、その説明は省略する。
次に、前記フローのステップS23〜S26における点火時期の変更制御について、図7に示すタイムチャートを参照しながら説明する。同図(a)は、TSCV故障診断の実行フラグを示し、時刻t1でフラグが立ち上がり故障診断の実行が行われる。同図(c)は、エンジン回転数、充填効率、空燃比等の実行条件(ステップS22の実行条件)の成立・非成立を示し、ここでは、時刻t2〜t5の間で実行条件が成立しているとする。
同図(b)は、点火プラグ7の点火時期を示しており、運転状態に応じて設定される点火時期の制御目標値SAoが、同図に破線で示すように、時間に対して変化していると仮定する。その場合に、燃焼安定性を考慮した遅角限界SArsl及び進角限界SAaslはそれぞれ、同図に一点鎖線で示すように、制御目標値SAoに対して所定の間隔を空けて、その制御目標値SAoと同様に時間に対して変化するとする。また、ノック発生を考慮したノック進角限界SAaklも、同図に破線で示すように設定されるとする。
この状態において、TSCV29の故障診断を実行するための診断実行点火時期SAdtが、同図に点線で示すように設定される場合、時刻t2〜t3の間は、診断実行点火時期SAdtが遅角限界SAo−SArslを超えないため、点火時期を診断実行点火時期SAdtに変更することが可能である。そこで、点火時期を制御目標値SAoから診断実行点火時期SAdtまで遅角させ(太実線参照)、TSCV故障診断を実行する。
これに対し、時刻t3〜t4の間は、診断実行点火時期SAdtが遅角限界SAo−SArslを超えてしまう。そのため、点火時期を診断実行点火時期SAdtまで遅角させることはできず、TSCV29の故障診断は中止する。この場合、点火時期は制御目標値SAoにする(太実線参照)。
そして、時刻t4〜t5では再び診断実行点火時期SAdtが遅角限界SAo−SArslを超えなくなるため、点火時期を制御目標値SAoから診断実行点火時期SAdtまで遅角させて(太実線参照)、TSCV29の故障診断を実行する。
このように、実施形態2では、点火時期が判定可能範囲内に設定されていないときでも、点火時期を遅角又は進角することによって当該点火時期を判定可能範囲内に設定することで、TSCV29の作動状態を精度よく判定することが可能になる。
そして、その点火時期を変更することによって燃焼安定性が低下するとき、又はノックが発生するときには、その点火時期の遅角又は進角を禁止することによって、燃焼性の悪化及びノックの発生を未然に防止することができる。
尚、実施形態2では、TSCV29の故障診断を実行する点火時期を、診断実行点火時期SAdtの一点に定めていたが、例えば図8に示すように、診断実行点火時期SAdtを中心とした所定範囲を診断可能範囲として設定しておき、点火時期が、遅角又は進角によって当該範囲内に設定されたときには、TSCV29の故障診断を実行するようにしてもよい。
その場合に、点火時期が診断実行点火時期SAdtであるときが最もS/N比が高くなるため、点火時期は可能な限りSAdtに近づける一方で、遅角限界SArsl及び進角限界SAasl,SAaklを超えることでSAdtまで近づけることができないときには、制御目標値SAoからの遅角量又は進角量を遅角限界SArsl及び進角限界SAasl,SAaklを超えないよう制限することによって(同図の実線の矢印参照)、燃焼性を悪化させない範囲でTSCV29の故障診断を行うようにしてもよい。尚、同図においては、点火時期を遅角する場合のみを図示しているが、点火時期を進角する場合についても同様である。
(実施形態3)
本発明の診断装置は、各気筒のイオン電流検出回路33の出力信号に基づいてTSCV29の作動状態(吸気流動強さ)を判定するため、気筒毎に、その燃焼室6内の吸気流動の強さを予測することが可能である。
そこで、例えばTSCV29の組み付け誤差等に起因する開度ばらつきによって生じる、各気筒の流動強さのばらつきを予測し、そのばらつきによって生じる気筒間の燃焼速さのばらつきを無くすようにすることが考えられる。
実施形態3は、そのTSCV29の気筒別開度ばらつき補正の手順に係り、図9は、そのためのフローチャートを示している。
同図のフローにおいて、ステップS31では、ばらつき補正の実行条件が成立したか否かを判定する。実行条件としては、前記実施形態1又は2において示したTSCV故障診断の実行条件に加えて、TSCV29を閉じた時の開度ばらつきの影響が大きくでる運転領域、例えばアイドル時等であることが挙げられる。つまり、TSCV29が開いて吸気流動が相対的に弱い状態における状態よりも、TSCV29が閉じて吸気流動が相対的に強い状態の方が、気筒間のばらつきの影響が大きいためである。
続くステップS32では、TSCV開度ばらつき補正制御の実行フラグを立て、ステップS33で、気筒毎に、イオン電流検出回路33の出力信号に基づいて点火放電時間Sdを検出し、図5に示すマップからTSCV29の予測開度を計算する(予測OA−1、予測OA−2、予測OA−3、…、尚、−1、−2、−3、…は気筒番号を示す)。
ステップS34では、ステップS33で得たTSCV29の予測開度の平均を求め(予測OA−1、予測OA−2、予測OA−3、…の平均)、その平均に対する各気筒の開度ずれ(Δ予測OA−1、Δ予測OA−2、Δ予測OA−3、…)を算出する(図10(a)参照)。
ステップS35では、TSCV29の開度を判定する回数が所定回数行われたか、つまり所定個のデータが取得できたか否かを判定し、取得できていないのNOのときにはステップS33に戻って前述したデータの取得を繰り返す一方、取得できたのYESのときにはステップS36に移行する。
ステップS36では、ステップS34で得た各気筒の、平均値に対するTSCV29の開度ずれに基づき点火時期の補正量を設定する。つまり、気筒毎の、TSCV29の開度ばらつきによって生じる各気筒の燃焼速さのばらつきがなくなるように、各気筒の点火時期を補正する。
これは、図10(b)に示すように、TSCV開度の大きさに対する点火時期を予め設定しておき、開度平均値に対する各気筒の開度のずれ量に応じた補正量を設定すればよい。例えば同図の例では、気筒1は、開度平均値よりも開度が大きく、流動強さが弱い。この場合、点火時期を進角側に補正して(同図の上向きの矢印参照)、燃焼速さが速くなるようにする。一方、気筒2は、開度平均値よりも開度が小さく、流動強さが強い。この場合、点火時期を遅角側に補正して(同図の下向きの矢印参照)、燃焼速さが遅くなるようにする。そうすることで、TSCV29の開度がばらついていて各気筒の燃焼速さに差が生じていても、燃焼速さを気筒間で同じにすることができる。
尚、各気筒の点火時期を補正する代わりに、各気筒の空燃比(A/F)を補正するようにしてもよい。例えば同図の例は、気筒1については、空燃比をリッチ側の補正して、燃焼速さが速くなるようにする。一方、気筒2については、空燃比をリーン側に補正して、燃焼速さが遅くなるようにする。そうすることでも、TSCV29の開度がばらついていて各気筒の燃焼速さに差が生じていても、燃焼速さを気筒間で同じにすることができる。
このように、実施形態3では、気筒毎の吸気流動強さを予測することが可能なことを利用して、例えばTSCV29の組み付け誤差等に起因する気筒間の燃焼速さのばらつきを同じにすることができる。
尚、実施形態3と、実施形態1又は2とは組み合わせることが可能であることは言うまでもない。
以上説明したように、本発明は、スイッチ等を設けることなく、吸気流動制御弁の作動状態を精度よく判定することができるから、例えば自動車等に搭載されるエンジンの吸気流動制御弁の作動状態を判定する装置として有用である。
本発明の実施形態に係る吸気流動制御弁の診断装置を備えたエンジンの概略構成図である。 (a)イオン電流検出回路の構成、(b)イオン電流検出回路の出力信号の一例である。 実験により得られた、点火時期に対する点火放電時間の関係である。 実施形態1に係るTSCVの故障診断の手順を示すフローチャートである。 点火放電時間とTSCV開度との関係を示すマップの一例である。 実施形態2に係るTSCVの故障診断の手順を示すフローチャートである。 点火時期の変更の考え方を示すタイミングチャートである。 点火時期の変更(遅角量)を制限する考え方を示す説明図である。 実施形態3に係るTSCV開度ばらつきの補正手順を示すフローチャートである。 (a)点火放電時間に対するTSCV開度の関係を示すマップの一例、(b)TSCV開度に対する点火時期の補正量又は空燃比の補正量の関係を示すマップの一例である。
符号の説明
1 エンジン
15 吸気通路
29 TSCV(吸気流動制御弁)
30 PCM(放電時間検出手段、判定手段、点火時期変更手段)
33 イオン電流検出回路(放電時間検出手段)
6 燃焼室
7 点火プラグ

Claims (5)

  1. 吸気通路に配設されかつ、エンジンの運転状態に応じて開閉制御されることにより燃焼室内の吸気流動を制御する吸気流動制御弁と、
    前記燃焼室内に臨んで配設されかつ、当該燃焼室内で点火放電を行う点火プラグと、
    前記燃焼室内に発生するイオン電流を検出するためのイオン電流検出回路を含み、該イオン電流検出回路の出力信号に基づいて前記点火プラグの点火放電時間を検出する放電時間検出手段と、
    前記点火プラグの点火時期が、圧縮行程後半における所定のクランク角範囲である判定可能範囲内に設定されているときに、前記放電時間検出手段が検出した点火放電時間に基づいて、前記吸気流動制御弁の作動状態を判定する判定手段と、
    を備えた吸気流動制御弁の診断装置。
  2. 請求項1に記載の診断装置において、
    前記点火時期を、その目標値から遅角又は進角することによって、当該点火時期を前記判定可能範囲内に設定する点火時期変更手段をさらに備え、
    前記判定手段は、前記点火時期変更手段によって点火時期が前記判定可能範囲内に設定されたときに、前記放電時間検出手段によって検出された点火放電時間に基づいて、前記吸気流動制御弁の作動状態を判定する診断装置。
  3. 請求項2に記載の診断装置において、
    前記点火時期変更手段は、前記判定可能範囲と、前記点火時期の制御目標値と、燃焼安定性を考慮して設定された遅角限界との比較に基づいて、前記点火時期の遅角を禁止又はその遅角量を制限する診断装置。
  4. 請求項2に記載の診断装置において、
    前記点火時期変更手段は、前記判定可能範囲と、前記点火時期の制御目標値と、ノック発生を考慮して設定された進角限界との比較に基づいて、前記点火時期の進角を禁止又はその進角量を制限する診断装置。
  5. 請求項1に記載の診断装置において、
    前記判定手段は、予め設定された、点火放電時間と吸気流動制御弁の開度との関係に従って前記吸気流動制御弁の開度を予測し、その予測と前記吸気流動制御弁の制御目標値とに基づいて前記吸気流動制御弁の故障の状態を判定する診断装置。
JP2006190393A 2006-07-11 2006-07-11 吸気流動制御弁の診断装置 Expired - Fee Related JP4654994B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006190393A JP4654994B2 (ja) 2006-07-11 2006-07-11 吸気流動制御弁の診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006190393A JP4654994B2 (ja) 2006-07-11 2006-07-11 吸気流動制御弁の診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008019738A JP2008019738A (ja) 2008-01-31
JP4654994B2 true JP4654994B2 (ja) 2011-03-23

Family

ID=39075891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006190393A Expired - Fee Related JP4654994B2 (ja) 2006-07-11 2006-07-11 吸気流動制御弁の診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4654994B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4930612B2 (ja) * 2010-02-23 2012-05-16 三菱電機株式会社 内燃機関の燃焼状態検出装置
JP2013151926A (ja) * 2012-01-26 2013-08-08 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP5911547B1 (ja) * 2014-10-20 2016-04-27 三菱電機株式会社 内燃機関の制御装置
JP6248980B2 (ja) 2015-05-15 2017-12-20 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の気流の流速算出装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006077637A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃焼改善手段の故障診断装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH048285Y2 (ja) * 1985-03-04 1992-03-03
JPH0783101A (ja) * 1993-09-17 1995-03-28 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の故障検出装置
JP3347231B2 (ja) * 1994-12-20 2002-11-20 ダイヤモンド電機株式会社 イオン電流による燃焼状態検出方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006077637A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃焼改善手段の故障診断装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008019738A (ja) 2008-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5554295B2 (ja) 内燃機関の燃焼騒音検出方法及び燃焼騒音検出装置並びに内燃機関の制御装置
JP4306642B2 (ja) 内燃機関の制御システム
US9194313B2 (en) Spark-ignition engine and method of controlling the spark-ignition engine
US6354264B1 (en) Control system for self-ignition type gasoline engine
US7654133B2 (en) Malfunction diagnostic apparatus and malfunction diagnostic method for combustion improvement device
JP4873249B2 (ja) 車両用エンジンの制御装置
JP4873250B2 (ja) 車両用エンジンのプリイグニッション検出装置
JP6405405B1 (ja) Egr異常検出装置
US9494101B2 (en) Control system for internal combustion engine and controlling method for internal combustion engine
US20040055571A1 (en) Control system and method for internal combustion engine with variable valve mechanism
JP4799200B2 (ja) 内燃機関のイオン電流に基づく運転制御方法
US9556816B2 (en) System for controlling combustion condition in vehicle engine
JP4654994B2 (ja) 吸気流動制御弁の診断装置
US20240110848A1 (en) Misfire determination apparatus for internal combustion engine
JP2014020265A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4692357B2 (ja) バルブタイミング制御装置の診断装置
WO2012086398A1 (ja) 内燃機関の制御装置
US8000853B2 (en) Method and device for operating an internal combustion engine
JP2007270716A (ja) バルブタイミング制御装置の診断装置
JP2007270719A (ja) 排気ガス還流装置の診断装置
JP5012960B2 (ja) 内燃機関の異常判定装置
JP2009138691A (ja) 内燃機関のバルブ制御装置及び異常検出装置
JP4715725B2 (ja) 吸気流動制御弁の診断装置
JP2015031241A (ja) 内燃機関の燃焼状態制御装置
JP2007170198A (ja) 内燃機関のトルク制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4654994

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees