JP4654459B2 - 開放型ガス燃焼器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、元止め式湯沸器等、燃焼用空気を室内から採り、燃焼ガスをそのまま室内に排出する開放型ガス燃焼器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
開放型ガス燃焼器具、例えば、台所等に設置される元止め式湯沸器では、室内の換気が不十分な場合や熱交換器のフィンの間が燃焼生成物等の付着によって閉塞を起こした場合には、燃焼用空気が採り込みにくくなり、不完全燃焼を起こすおそれがあることから、これらを事前に検知してガスの供給を遮断する不完全燃焼防止装置(以下、不燃防装置と略称する)が備えられる。
具体的には、湯沸器のバーナの近傍に設置した一次熱電対と、バーナと熱交換器との間の燃焼室の側壁に開口された燃焼室窓に臨ませた二次熱電対とを、極性が逆向きになるように直列に接続し、ここで得られる合成起電力を、ガス流路に設けたマグネット電磁弁の保持に直接利用し、あるいはマグネット電磁弁を開閉制御するコントローラに監視させる構成となっている。これによって、室内の酸素濃度が低下してきた場合は、バーナの炎のリフトや立ち消えにより一次熱電対の起電力(一次起電力)が低下することで、また、長期使用により熱交換器のフィン閉塞が進行した場合は、燃焼室窓からあふれ出る燃焼ガスに加熱されることにより一次起電力を打ち消すように働く二次熱電対の起電力(二次起電力)が高くなることで、何れも合成起電力が低下するため、マグネット電磁弁が直接、あるいはコントローラを介して閉弁され、ガスの供給が遮断されるものとなる。
【0003】
一般に、不完全燃焼の原因としては、酸素不足とフィン閉塞とがある。酸素不足の場合は、室内の換気を行えば簡単に燃焼異常の原因を解消できる。これに対して、フィン閉塞の場合は、メンテナンスを行わずに使用を続けると、閉塞が進行し、熱交換器等に損傷を与えたり、炎が燃焼室の外部にあふれたりするおそれがある。このため、フィン閉塞の場合と酸素不足の場合とでは、異なる処置が必要となるので、不完全燃焼が生じた際には、バーナへのガスの供給を停止すると共に、不完全燃焼の原因がフィン閉塞によるものなのか酸素不足によるものなのかを使用者に知らせるために、お知らせランプ等を点灯させることが望ましい。
しかし、上述したような従来の不燃防装置では、室内の酸素不足もフィンの閉塞も共に、同じ合成起電力の低下で検知しているため、両者の区別ができないものであった。
【0004】
そこで本出願人は、不完全燃焼の原因がフィン閉塞によるものなのか、酸素不足によるものなのかを区別することが可能な次のような2つの開放型ガス燃焼器具を提案している。
1つめの開放型ガス燃焼器具は、特開平11−304144号に開示されたものであり、酸素不足の場合とフィン閉塞の場合とでは、その合成起電力の立上り特性に相違が見られることに着目し、この相違を検知することで、不完全燃焼の原因を区別するものである。
具体的にいえば、図10に示すように、酸素不足状態での使用開始の場合では、図9に示す通常時の場合と比べて、一次起電力Vの立上りが遅いため、合成起電力Vはゆるやかに上昇するので第一判定時間T’において合成起電力Vが判定起電力Vrに達していないときは、酸素不足によるものであると判別できる。
これに対して図11に示すように、フィン閉塞状態の場合では、一次起電力Vと共に二次起電力Vも大きく立上り、一次起電力Vよりも二次起電力Vの方が安定するのに時間がかかるため、合成起電力Vは途中でピークをむかえた後に降下するように変化する。このため、第一判定時間T’においては合成起電力Vが判定起電力Vrに達しているものの、第二判定時間T’において合成起電力Vが判定起電力Vrに達していないときは、フィン閉塞によるものであると判別できる。尚、ここでの熱電対の起電力の立上り特性については、器具が冷えた状態から使用を開始した、いわゆるコールドスタートの場合での説明である。
2つめの開放型ガス燃焼器具は、特開平11−311412号に開示されたものであり、一次熱電対と二次熱電対との起電力をそれぞれ個別に監視することで、酸素不足とフィン閉塞とをそれぞれ検知するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者では、フィン閉塞が生じた場合には、ある程度の時間(第二判定時間T’)をおいてピークが終わった後の合成起電力Vを判定起電力Vrと比較しなければならないために、フィン閉塞による合成起電力の変化を検知するのに時間がかかるという欠点があった。従って、不燃防装置が働いて燃焼を停止できるとはいっても、点火開始から不完全燃焼を検知するまでの所定期間においては、器具を使用できるため、この無検知時間帯である所定期間の燃焼を利用して、何回も連続して点火操作を繰り返せば所望のお湯を得ることができてしまう。そして、このような無茶な使い方をすると、室内の一酸化炭素濃度がどんどん上昇して、一酸化炭素中毒になるおそれがあった。
後者では、正常値に対して一次起電力と二次起電力との変化がそれぞれすこしづつしか生じないような、フィン閉塞と酸素不足との複合要因による不完全燃焼の場合には、その少ない変化量によって不完全燃焼を検知しなければならないため、起電力のバラツキにより検知レベルに誤差が生じやすいという問題があった。また、検出した一次起電力と二次起電力とから合成起電力を演算することによって不完全燃焼を検知しようとすると、合成起電力を直接検出している場合と比較して演算回路が余分に必要となり、さらに不完全燃焼に対する安全性を担保するためには、この演算回路が故障した場合も考慮して冗長設計しなければならずコスト的に高価なものとなってしまう。
本発明の開放型ガス燃焼器具は上記課題を解決し、不完全燃焼の原因が酸素不足によるものなのかフィン閉塞によるものなのかをすばやく判別すると共に、不完全燃焼を高い信頼性で防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の開放型ガス燃焼器具は、
燃料ガスを燃焼させるバーナと、
バーナからの炎を検出する炎検出回路と、
上記バーナの上方に設けられ、該バーナの燃焼ガスにより通水を加熱するフィンチューブ式の熱交換器と、
上記バーナの近傍に設けられ、上記バーナの炎により直接加熱される第一熱電素子と、
上記バーナと上記熱交換器との間の燃焼室の側壁に開口された燃焼室窓に臨んで設けられ、上記熱交換器のフィンの間が燃焼生成物等の付着によって閉塞した際に、該燃焼室窓からあふれ出る燃焼ガスにより加熱される第二熱電素子と
を備え、上記第一熱電素子と上記第二熱電素子とを直列に且つ極性を逆向きに接続し、上記2つの熱電素子から得られる合成起電力に基づいて、上記バーナの不完全燃焼を検出する開放型ガス燃焼器具において、
上記炎検出回路により炎を検出してから第一判定時間T が経過し、第二判定時間T が経過するまでの時間帯においては、上記第二熱電対素子の起電力に基づく熱交換器のフィン閉塞の検出動作と、第一熱電対素子の起電力に基づく室内の酸素不足の検出動作を行い、
第二判定時間T が経過した後は、第一熱電素子と第二熱電素子の合成起電力に基づく不完全燃焼の検出動作を行うとともに、上記第二熱電対素子の起電力に基づく熱交換器のフィン閉塞の検出動作と、第一熱電対素子の起電力に基づく室内の酸素不足の検出動作を行うことを要旨とする。
【0007】
また、本発明の請求項2記載の開放型ガス燃焼器具は、上記請求項1記載の開放型ガス燃焼器具において、
上記第一熱電素子あるいは上記第二熱電素子のいずれか一方の単独起電力を検出し、他方の熱電素子の単独起電力を上記検出した単独起電力と合成起電力とから演算する演算手段を備えたことを要旨とする。
【0008】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の開放型ガス燃焼器具は、第一熱電素子と第二熱電素子とを直列に且つ極性を逆向きに接続して得られた合成起電力に基づいて、不完全燃焼を高い信頼性で検知でき、かつ第一熱電素子の単独起電力あるいは第二熱電素子の単独起電力あるいは両方の単独起電力と合成起電力とに基づいて、不完全燃焼が酸素不足によるものなのか熱交換器のフィン閉塞によるものなのかをすばやく判別できる。
【0009】
本発明の請求項2記載の開放型ガス燃焼器具は、第一熱電素子あるいは第二熱電素子の検出しなかった方の単独起電力を、演算回路が合成起電力と検出した方の単独起電力とにより演算によって求めることにより、フィン閉塞と酸素不足とをより正確に判別可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の開放型ガス燃焼器具の好適な実施形態について説明する。
【0011】
図1は、開放型ガス燃焼器具としての元止め式湯沸器1(以下、単に湯沸器1という)の構造図で、図2はそのシステム構成図である。
湯沸器1は、燃焼室2内に、上水道に接続される給水管3からの水をバーナ4の燃焼熱で加熱し、出湯管6から湯として送り出すフィンチューブ式の熱交換器5を備える。そして、給水管3の上流には順に、操作ボタン7の押し操作によりレバー8を介して開閉制御される水栓9と、水圧応動装置14が設けられる。この水圧応動装置14には、前後に移動自在なダイアフラム10が設けられ、このダイアフラム10で仕切って一次圧室11と二次圧室12とが形成される。
給水管3の途中にはベンチュリー13が設けられる。ベンチュリー13は、流路を絞ると共に、流路と直角方向に横孔が設けられ水圧応動装置14の二次圧室12に通じている。
ダイアフラム10には、突棒15が連結されており、水栓9の開弁により給水管3内に通水されると、ベンチュリー13での通水によって二次圧室12の圧力が一次圧室11より低下してダイアフラム10が二次圧室12側へ動作することで、突棒15がその動作に連動し、バーナ4へのガス流路に配置されたマグネット電磁弁16の開弁機構16aを動作させてこれを開弁させ、続いて水圧応動弁17を開弁させるようになっている。また、突棒15の両側には、突棒15の動作に連動して、ON/OFFする第一水圧スイッチ19,第二水圧スイッチ20が設けられ、レバー8の片側には、レバー8の動作に連動してON/OFFするレバースイッチ21が設けられる。そして、それぞれのスイッチのON信号はコントローラ22へ入力される。更に、ガス流路における水圧応動弁17の下流側には、操作ボタン7の押し操作に伴いガス流路を開く器具栓18が設けられる。
【0012】
一方、コントローラ22には、バーナ点火用の点火電極23とイグナイタ24、炎検知用のフレームロッド25がそれぞれ接続される他、バーナ4に併設したセンシングバーナ4aの近傍に設けられ、バーナ4およびセンシングバーナ4aの炎により直接加熱される第一熱電素子としての一次熱電対26と、バーナ4と熱交換器5との間の燃焼室2の側壁に開口される燃焼室窓44に臨ませて設けられ、熱交換器5のフィンの間が燃焼生成物等の付着により閉塞した際に、燃焼室窓44からあふれ出る燃焼ガスにより加熱される第二熱電素子としての二次熱電対27とが、(+)(−)の極性を逆向きにして直列に接続され、一次,二次熱電対26,27の合成起電力がコントローラ22へ入力されるようになっている。更に、直列に接続された一次熱電対26と二次熱電対27の中間位置もコントローラ22に接続されており、二次熱電対27の起電力が独立してコントローラ22へ入力されるようになっている。
尚、コントローラ22へは、電源供給用の乾電池28、この乾電池28の残りの蓄電量が少なくなったことを知らせる電池ランプ29、不燃防装置が働いた際の不完全燃焼の原因が酸素不足によるものかフィン閉塞によるものかを知らせる不燃防ランプ43が接続される。
【0013】
コントローラ22は、図3に示すようにマイクロコンピュータ30(以下、単にマイコン30と呼ぶ)を利用して、後述する点火制御及び不完全燃焼防止制御(以下、不燃防制御と略称する)を行うもので、各入力ポート(PIで示す)には、レバースイッチ21、第一水圧スイッチ19、第二水圧スイッチ20のON信号及び乾電池28の電圧監視回路33からの電圧検知信号がそれぞれ入力されると共に、フレームロッド25の電流値を検知する炎検知回路34と、一次熱電対26と二次熱電対27との合成起電力を検知する合成起電力判定回路35と、二次熱電対27の起電力を検知する二次起電力判定回路36とを介して、バーナ4の燃焼状態の検知及び判定信号がそれぞれ入力される。さらに、入力ポートPIには、後述する不燃防制御の際に使用される判定時間T,Tや判定起電力Vr,Vr,Vr等の各種設定値をガスの種類に応じて変更させるガス種切替用抵抗39、40が接続され、入力ポートPI10には、判定時間T,Tや判定起電力Vr,Vr,Vr等の各種設定値を器具の能力調整(ガス量調整)に応じて変更させる能力切替連動抵抗41、42が接続される。
一方、各出力ポート(POで示す)には、イグナイタ24を動作させる点火回路37、マグネット電磁弁16への吸着及び保持電流を供給する電磁弁駆動回路38がそれぞれ接続されて、マイコン30からの出力に応じてそれぞれ作動制御されるようになっている。
尚、マイコン30は、電池電圧を監視して電池電圧が設定値以下のときにマイコン30をリセットするリセット回路31とクロック回路32とを備える。
【0014】
以上のように構成された湯沸器の動作を図4のフローチャートに従って説明する。まず、操作ボタン7を押し操作すると、レバースイッチ21がONすると共に、器具栓18及び水栓9がそれぞれ開弁し、上述したように給水管3の通水に伴う突棒15の動作でマグネット電磁弁16も開弁され、器具内への通水が行われる(S1)。次に、突棒15の動作に伴い第一水圧スイッチ19がONすると(S2)、電圧監視回路33から入力される電池電圧が2.1V以上か否かを判断する(S3)。ここで2.1Vを下回っていれば、電池ランプ29を点灯させて、乾電池28がきれていることを使用者に知らせる(S4)。一方、2.1V以上であれば、イグナイタ24を動作させて点火電極23を連続スパークさせると共に、マグネット電磁弁16へ吸着電流を通電させる(S5)。
次に、第二水圧スイッチ20のON信号を確認するが(S6)、このON信号がステップ2での第一水圧スイッチ19のONから2秒以内に得られなければ、突棒15による水圧応動弁17の開弁がなされなかったと判別して(S6:NO)、イグナイタ24をOFFさせてマグネット電磁弁16を閉弁させ(S7)、点火制御を終了させる。逆に、第二水圧スイッチ20のON信号が適正に得られれば、水圧応動弁17の開弁でガスの供給がなされたとしてイグナイタ24のみをOFFさせる(S8)。こうしてバーナ4に点火され、フレームロッド25から炎検知回路34を介してバーナ4の燃焼が確認されると(S9:YES)、マグネット電磁弁16への吸着電流を保持電流2に下げる(S10)。尚、着火ミスや立ち消えが生じると、炎検出信号が得られないため(S9:NO)、マイコン30は電磁弁駆動回路38への出力によってマグネット電磁弁16への吸着電流の供給を停止し、マグネット電磁弁16を閉弁させてガスの供給を遮断して(S15)、点火制御を終了させる。
【0015】
こうした点火制御の後、マイコン30は、一次熱電対26と二次熱電対27との合成起電力と二次熱電対27の起電力とをそれぞれ合成起電力判定回路35と二次起電力判定回路36とを介して監視して、室内の酸素不足や熱交換器5のフィン閉塞あるいはそれらの複合要因による不完全燃焼の発生を防止し、かつその不完全燃焼が酸素不足によるものなのかフィン閉塞によるものなのかを判別するために、ステップ11以下の不燃防制御を実行している。
【0016】
この不燃防制御では、まずステップ9の炎検出から第一判定時間Tを経過するまで待機し(S11)、第一判定時間T経過後は第二判定時間Tが経過するまでの間、以下の単独起電力の判定処理を行う。まず、二次熱電対27から得られる二次起電力Vが、判定起電力Vr以下(|V|≧|Vr|)か否かを判別する(S13)。これは図7に示すように、フィンの閉塞状態での使用開始の場合は、二次起電力Vが図5に示す通常時の二次起電力V(2)より大きく立上ることから、第一判定時間Tで判定起電力Vrに達したか否かを確認することで、フィン閉塞の検知を可能としたものである。よって、ここでYES、即ち二次起電力Vが判定起電力Vr以下(|V|≧|Vr|)であれば、フィン閉塞が生じているとして、不燃防ランプ43を点滅させて(S14)、フィン閉塞が生じていることを使用者に知らせる。そして、マグネット電磁弁16への保持電流の供給を停止してこれを閉弁させ(S15)、ガスの供給を遮断し、制御を終了する。この場合は、二次起電力Vを判定起電力Vrと比較するだけであるから、従来の合成起電力Vにピーク値がありそのピーク値が過ぎるのを待ってフィン閉塞を判別する場合と比べてすばやく判別することができ、不完全燃焼状態での燃焼時間を短くできる。このため、使用者が不燃防装置が働いた後も器具を何回も再使用するような無茶な使い方をしても一酸化炭素中毒になる危険性を抑えることができる。
一方、二次起電力Vが判定起電力Vrより大きければ(|V|<|Vr|)、二次起電力Vと合成起電力Vとから一次熱電対26から得られるであろう一次起電力Vを次式を用いて算出する(S16)。
一次起電力V=合成起電力V−二次起電力V
そして、一次起電力Vが、判定起電力Vr以上か否かを判別する(S17)。これは、図6に示すように、室内の酸素不足状態での使用開始の場合は、一次起電力Vの立上りが図5に示す通常時の一次起電力V(1)の立上りより遅く、緩やかに上昇することから、第一判定時間Tで判定起電力Vrに達したか否かを確認することで、酸素不足の検知を可能としたものである。よって、ここでNO、即ち一次起電力Vが判定起電力Vr以下であれば、酸素不足による炎のリフトや立ち消え等が生じたとして、不燃防ランプ43を点灯させて(S18)、酸素不足が生じていることを使用者に知らせる。そして、マグネット電磁弁16への保持電流の供給を停止してこれを閉弁させ(S15)、ガスの供給を遮断し、制御を終了する。
【0017】
こうした、フィン閉塞か酸素不足かの判定処理を繰り返している状態において、第二判定時間Tが経過すると、更に、合成起電力を監視することによる不完全燃焼を防止する制御も行われるようになる。
つまり、ステップ12で第二判定時間Tが経過したことを判別すると、合成起電力Vが、判定起電力Vr以上か否かを判別する(S20)。合成起電力Vが判定起電力Vrを下回っていれば(S20:NO)、酸素不足かフィン閉塞あるいはそれらの複合要因によって不完全燃焼が生じたとしてマグネット電磁弁16を閉弁させ(S15)、ガスの供給を遮断し制御を終了する。合成起電力Vが判定起電力Vr以上であれば、ステップ13以降の上述したフィン閉塞と酸素不足とを判定する処理を行う。こうして不燃防制御処理は、ステップ2の第一水圧スイッチ19のON検知後20分経過したことを判別し(S19:YES)、マグネット電磁弁16を閉弁する消忘れタイマが働くまで繰り返し行われる。
【0018】
以上説明したように、本実施形態の元止め式湯沸器1によれば、一次熱電対26と二次熱電対27との合成起電力を直接測定し監視することによって、酸素不足、フィン閉塞あるいはそれらの複合要因による不完全燃焼を高い信頼性で防止することができる。さらに、この時同時に測定した二次熱電対27の二次起電力と、この二次起電力と合成起電力とから算出した一次熱電対26の一次起電力とにより、不完全燃焼が酸素不足によるものなのかフィン閉塞によるものなのかをすばやく判別できる。
また、判別した不完全燃焼の原因を、酸素不足の場合は不燃防ランプ43を点灯させ、フィン閉塞の場合は不燃防ランプ43を点滅させて、使用者に知らせることにより、使用者はそれぞれの原因に応じた最適な処置を行うことが可能となる。しかも、この際1つの不燃防ランプ43で、原因が酸素不足かフィン閉塞かを知らせているので、器具を製造するコストの上昇を抑制することができる。
【0019】
尚、上記形態においては、図3に示すようにマイコン30の入力ポートPI(A/D変換ポート)に、ガス種切替用抵抗としての2つの分割抵抗39,40による分圧値が入力可能となっている。これは、上記不燃防制御に使用する判定時間T,Tや判定起電力Vr,Vr,Vrをガスの種類に応じて予め複数用意しておき、ガスの種類に応じて分割抵抗39,40を取り替えることで、入力される分圧値に合わせてこれらの判定時間T,Tや判定起電力Vr,Vr,Vrを変更して、ガスの種類に応じた適正な起電力の判定を可能としたものである。同様に、入力ポートPI10(A/D変換ポート)には、一方を可変抵抗器42とした能力切替連動抵抗としての分割抵抗41,42による分圧値が入力可能となっている。これも、上記可変抵抗器を、器具の能力調整(ガス量調整)に連動して変化させることで、入力される抵抗値に合わせて判定時間T,Tや判定起電力Vr,Vr,Vrを変更(例えば、能力が小さければ判定時間を遅くし、判定起電力を小さくする等)し、器具の能力に応じた適正な起電力の判定を可能としたものである。
【0020】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施形態では、二次熱電対27の起電力と合成起電力とを直接測定し、その値から一次熱電対26の起電力を算出して、不完全燃焼の原因が酸素不足によるものなのかフィン閉塞によるものなのかを判別するようにしているが、一次熱電対26の起電力と合成起電力とを直接測定し、その値から二次熱電対27の起電力を算出するようにしてもかまわない。さらに、一次起電力と二次起電力と合成起電力とをそれぞれ直接測定してもかまわない。
また、不完全燃焼がフィン閉塞によるものであると判別された際には、一般の使用者では、その処置をすることが困難であるから、器具の再使用を禁止する(いわゆるインターロックをかける)ようにしてもかまわない。
また、二次起電力Vを判定起電力Vrと比較し始める時間Tと、合成起電力Vを判定起電力Vrと比較し始める時間Tとを別の時間にしてあるが、同じ時間Tで比較し始めても構わない。
【0021】
また、直接測定している二次起電力と合成起電力とから一次起電力を算出しているが、一次起電力を算出しなくてもかまわない。この場合には、合成起電力の値から不完全燃焼か否かを判別し、二次起電力の値から不完全燃焼の原因がフィン閉塞であるか否かを判別し、フィン閉塞ではないにもかかわらず不完全燃焼であると判別したときには、その不完全燃焼は、酸素不足によるものであると判別する。
【0022】
この場合の不燃防制御のフローチャートを図8に示す。尚、上述した制御と異なる箇所のみを説明する。
この制御では、上述した制御のS16で行われる一次起電力Vを算出する演算は行わず、一次起電力Vを判定起電力Vrと比較することによる酸素不足の判別は行わない。その代わりに、ステップ21で合成起電力Vを判定起電力Vrと比較することによって不完全燃焼と判別された場合は、酸素不足によって不完全燃焼が生じたと判断し、S22で不燃防ランプ43を点灯させる。そして、S15でマグネット電磁弁16への保持電流の供給を停止してこれを閉弁させ、ガスの供給を遮断し、制御を終了する。
尚、この場合には、酸素不足とフィン閉塞との複合要因による不完全燃焼を酸素不足によるものであると判断してしまうおそれがある。これに対して、上述した制御のように、一次起電力Vを演算によって求めると不完全燃焼の原因がフィン閉塞か酸素不足かをより正確に判別可能となり、信頼性が増す。
また、逆に、一次起電力と合成起電力だけから、不完全燃焼と酸素不足を判別し、不完全燃焼であるにもかかわらず酸素不足でないと判別したときには、フィン閉塞であると判別するようにしてもかまわない。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の開放型ガス燃焼器具によれば、第一熱電素子と第二熱電素子との合成起電力により不完全燃焼を高い信頼性で検知可能であるから安全に使用することができる。しかも、第一熱電素子の単独起電力あるいは第二熱電素子の単独起電力あるいは両方の単独起電力と合成起電力とにより不完全燃焼が酸素不足によるものなのか熱交換器のフィン閉塞によるものなのかを、従来の合成起電力の立上り特性の違いから判別する器具に比べてすばやく判別可能となり、不完全燃焼状態での燃焼時間を短くできる。このため、使用者が不燃防装置が働いた後も器具を何回も再使用するような無茶な使い方をしても一酸化炭素中毒になる危険性を抑えることができる。
【0024】
更に、本発明の請求項2記載の開放型ガス燃焼器具によれば、第一熱電素子あるいは第二熱電素子の検出しなかった方の単独起電力を演算によって求めることにより、フィン閉塞と酸素不足とをより正確に判別可能となり、信頼性が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】湯沸器の構造図である。
【図2】湯沸器の概略図である。
【図3】コントローラにおける制御回路のブロック図である。
【図4】点火制御及び不燃防制御のフローチャートである。
【図5】通常時の合成起電力の立上りの変化を示すグラフである。
【図6】酸素不足時の合成起電力の立上りの変化を示すグラフである。
【図7】フィン閉塞時の合成起電力の立上りの変化を示すグラフである。
【図8】不燃防制御のフローチャートである。
【図9】通常時の合成起電力の立上りの変化を示すグラフである。
【図10】酸素不足時の合成起電力の立上りの変化を示すグラフである。
【図11】フィン閉塞時の合成起電力の立上りの変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…湯沸器、2…燃焼室、4…バーナ、5…熱交換器、22…コントローラ、26…一次熱電対、27…二次熱電対、30…マイコン、44…燃焼室窓。

Claims (2)

  1. 燃料ガスを燃焼させるバーナと、
    バーナからの炎を検出する炎検出回路と、
    上記バーナの上方に設けられ、該バーナの燃焼ガスにより通水を加熱するフィンチューブ式の熱交換器と、
    上記バーナの近傍に設けられ、上記バーナの炎により直接加熱される第一熱電素子と、
    上記バーナと上記熱交換器との間の燃焼室の側壁に開口された燃焼室窓に臨んで設けられ、上記熱交換器のフィンの間が燃焼生成物等の付着によって閉塞した際に、該燃焼室窓からあふれ出る燃焼ガスにより加熱される第二熱電素子と
    を備え、上記第一熱電素子と上記第二熱電素子とを直列に且つ極性を逆向きに接続し、上記2つの熱電素子から得られる合成起電力に基づいて、上記バーナの不完全燃焼を検出する開放型ガス燃焼器具において、
    上記炎検出回路により炎を検出してから第一判定時間T が経過し、第二判定時間T が経過するまでの時間帯においては、上記第二熱電対素子の起電力に基づく熱交換器のフィン閉塞の検出動作と、第一熱電対素子の起電力に基づく室内の酸素不足の検出動作を行い、
    第二判定時間T が経過した後は、第一熱電素子と第二熱電素子の合成起電力に基づく不完全燃焼の検出動作を行うとともに、上記第二熱電対素子の起電力に基づく熱交換器のフィン閉塞の検出動作と、第一熱電対素子の起電力に基づく室内の酸素不足の検出動作を行うことを特徴とする開放型ガス燃焼器具。
  2. 上記第一熱電素子あるいは上記第二熱電素子のいずれか一方の単独起電力を検出し、他方の熱電素子の単独起電力を上記検出した単独起電力と合成起電力とから演算する演算手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の開放型ガス燃焼器具。
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