JP4654405B2 - 油生分解方法及び油生分解装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、油含有液(油成分のみの場合も含む。)を、好気性の油分解微生物を着床させた生物保持体(濾床)を内設させた生分解処理浴に導入して油生分解処理する方法及び装置に関する。特に、化学系脱脂剤を含む金属製品の水系脱脂処理浴から発生する油含有液を連続的に処理してリサイクル使用するのに好適な発明である。
【0002】
ここでは、メッキの前処理として行う連続水系脱脂処理から発生する油含有廃液を再生循環使用(リサイクル使用)する際に適用する油生分解法について主として説明するがこれに限られるものではない。すなわち、水系脱脂処理浴ないし機械加工、さらには、他の琺瑯や塗装下地(例えばリン酸亜鉛被膜)等の湿式表面処理加工の前処理等からバッチ的に発生する油含有廃液を再生循環使用又は廃棄前処理をする場合等にも本発明は勿論適用できる。
【0003】
【背景技術】
メッキ処理を行う前に金属製品は、めっき処理に適した被処理面とするための一工程として、脱脂処理が必然的である。そして、脱脂処理としては、溶剤系があるが、環境汚染等の見地から水系脱脂処理が主流である。
【0004】
そして、これらの脱脂処理前の金属製品は、一般に、切削・鍛造・プレス加工等の機械加工により製造する。これらの機械加工には、スピンドル油(鉱物油)を含む加工油を使用するため、被処理物(金属製品)には、加工油が付着している。なお、加工油には、鉱物油(スピンドル油)の他に植物油、ワックス類、さらには種々の界面活性剤や、高級脂肪酸類、高級アルコール類、その他薬剤が含まれている。
【0005】
それらが、脱脂処理浴に溶出してくると(いわゆる汚れてくると)、脱脂処理浴の脱脂(洗浄)能力が低下してくる。このため、油水分離して、油成分を廃棄していた。
【0006】
しかし、当該油成分は、土壌・海洋汚染等の環境汚染の一因となり、そのまま廃棄できず、また、鉱物油、植物油、界面活性剤等の種々の成分を含んでいるため、再生利用も困難であり、油水分離を行い、油成分を燃焼廃棄しているのが現状であった。
【0007】
また、昨今多用されているO/W型(水中油滴型)の水性加工油は、エマルション安定性が高く、脱脂浴からの油水分離が困難で、浴液(脱脂洗浄液)全体の廃棄・入れ替えの必要があった。即ち、脱脂処理浴の寿命が短かいとともに、定期的に脱脂処理運転を止める必要があった。
【0008】
本発明は、上記にかんがみて、水系脱脂浴等から発生した油含有液を再生循環使用する場合の再生処理又は廃棄する場合の前処理に好適な油生分解方法が希求されていた。
【0009】
このため、本願出願人は、先に下記構成の金属製品用水系脱脂処理浴及びその運転方法を提案した(特開平11−323391号参照)。
【0010】
即ち、当該公開公報に係る金属製品用水系脱脂処理浴は、化学系脱脂剤を含む金属製品の水系脱脂処理浴において、さらに、鉱物油及び/又は植物油を分解可能な酵素、バクテリア及び菌類(バイオ油分解剤)の群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とするものである。
【0011】
同金属製品用水系脱脂処理浴の運転方法は、化学系脱脂剤を含む金属製品の連続水系脱脂処理浴の運転方法において、
連続水系脱脂処理浴から油水分離により油含有成分を連続的に取り出すとともに、該油含有成分にバイオ油分解剤を添加・混合してバイオ油分解剤による油分解を行い、更に、発生したスラッジを系外へ排出するとともに、残液を連続水系脱脂処理浴に戻すことを特徴とするものである。
【0012】
しかし、上記公知発明における油生分解法は、油分解効率が余り良好でないことが分かった。
【0013】
【発明の開示】
本発明は、油分解効率を向上させることができる油生分解方法及び油生分解装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
当該目的を達成するために、本発明の油生分解方法は、下記構成とする。
【0015】
油含有液(油成分のみの場合も含む。)を、好気性の油分解微生物を着床させた生物保持体(濾床)を内設させた生分解処理浴に導入して油生分解処理する方法において、生分解処理浴を攪拌するとともに界面活性剤(乳化剤)を添加して油を微細乳化させて前記油生分解処理を行なうことを特徴とする。
【0016】
油成分を微細乳化することにより油分解微生物の油分解能力が格段に向上する、即ち油分解効率が向上する。
【0017】
油含有液としては、水系脱脂処理浴から連続的に発生する油含有液を、又は、水系脱脂処理浴若しくは機械加工等から回分的(バッチ的)に発生する油含有液をあげることができる。
【0018】
この構成において濾床として合成樹脂製又は合成繊維製の通液構造体を使用することが望ましい。合成樹脂製又は合成繊維製とすることにより、濾床の特性を油分解微生物に最適な空隙率・比重・油滴接触面積(比表面積)とすることが容易となる。成形手段及び織成手段が多様なためである。
【0019】
また、上記構成において通液構造体を、極性ポリマー(繊維)と非極性ポリマー(繊維)との複合体とすることが望ましい。極性材部と非極性材部とが近接して存在することにより、極性材部に微生物が付着し、非極性材部に油成分が付着し易いため、微生物と油成分との接触効率がより増大することが期待できる。
【0020】
生分解処理浴の攪拌を、前記油分解微生物に対する酸素供給のためのエア吹込みで兼ねることが望ましい。機械式攪拌装置が不要となるとともに、そのエア吹込み圧(量)を調節することにより、攪拌力の調節が機械式攪拌装置に比して容易となる。
【0021】
乳化剤(界面活性剤)として水系脱脂処理用の界面活性剤を兼ねることが望ましい。脱脂処理浴と油生分解処理浴との間を脱脂処理浴の運転時に循環させる場合において、脱脂処理浴及び油生分解処理浴に対する界面活性剤を共用でき、相対的に界面活性剤の使用量を削減できる。
【0022】
油分解微生物に対する酸素供給のためのエア吹込みを、気泡の大きさの異なるものを組み合わせて行なうことが望ましい。攪拌力の調整が容易となるとともに、脱脂処理浴の非運転時及び/又は運転時における、酸素供給を攪拌力の小さい気泡で行えば、微生物の濾床からの液攪拌(強制攪拌)に伴う脱落を抑制できる。
【0023】
油分解微生物の死骸を部分還元雰囲気で分解させて栄養成分に変換させれば、実質的にスラッジレスで行なうことが可能となり、かつ、栄養成分の補給も低減若しくは実質的に不要とでき、場合によっては、メインテナンスフリー(栄養管理不要)とすることができる。
【0024】
濾床として多数のリング状タワシを揺動可能に固定して又は浮遊させて使用することが望ましい。リング状タワシを使用することにより、リング状タワシの内部が微生物過剰となり酸素供給不足により還元雰囲気となる。これにより微生物が還元分解されて窒素(N)や燐(P)の栄養成分に変換され易くなる。
【0025】
上記各生分解処理浴における設定運転条件は、温度:室温〜60℃、pH:6〜9、溶存酸素濃度:2mg/L以上とする。
【0026】
脱脂処理浴の運転方法において、上記本発明の油生分解方法で処理した処理済み液は水系脱脂処理浴に戻して循環再使用することが望ましい。脱脂処理浴からの油含有液(廃液)の廃棄が実質的に不要となり、脱脂処理浴の運転のクローズドシステム化を図ることが容易となる。
【0027】
上記油分解方法を適用する装置の構成は、下記の如くになる。
【0028】
油含有液(油成分のみを含む。)を導入した被処理液を、好気性の油分解微生物により油生分解させるために使用する油生分解装置であって、
油分解微生物を保持させる生物保持体(濾床)、
油分解微生物に酸素供給とともに攪拌作用を担うエア吹込み手段、及び、被処理液の温度、 pH 及び/又は溶存酸素を検知して、それぞれのパラメータ調節をを行なう各制御手段、
を備えていることを特徴とする油生分解装置。
【0029】
【構成の詳細な説明】
本発明は、油含有液(いわゆる油汚染液)を、好気性の油分解微生物を着床させた生物保持体(濾床)を内設させた生分解処理浴に導入して油生分解処理する方法において、生分解処理浴に界面活性剤(乳化剤)を添加して攪拌することにより油成分を微細乳化させて油生分解処理を行なうことを基本的構成とする。
【0030】
図1に、本発明を適用するメッキ前処理システム(メッキ前処理浴:水系脱脂処理浴)Aについて説明する。
【0031】
図例では、メッキ前処理浴は、基本的に工程順に、水系脱脂処理浴12、水洗浴14、酸洗い浴16から成り立っている。また、水系脱脂処理浴(以下、単に「脱脂処理浴」という。)12は、一次・二次槽12a、12bの二槽構成となっているが、必然的ではない。そして、図示しないが、金属メッキ対象製品(処理品)をハンガーで吊り下げて搬送しながら、各浴へ下降浸漬/上昇引き上げをすることができるメッキ製品搬送ラインが上方に位置して配設されている。
【0032】
また、脱脂処理浴12の一次・二次槽12a、12bは、脱脂処理(脱脂洗浄)を促進するために、エアブロー装置(曝気装置:エア吹込み手段)18(液攪拌より脱脂効率を増大させる。)及び、加熱手段(図例ではスチーム)20(昇温させて脱脂効率を増大させる。)がそれぞれ付設されている。
【0033】
当然、水洗浴14及び脱脂処理浴12には、第一・第二レベルセンサー(液位検出計)22、24がそれぞれ付設されている。そして、水洗浴14の水位が設定値以下となったとき、第一レベルセンサー22の信号により、水道配管と接続された補水配管25の電磁弁26が作動して(開となって)、水洗浴14に補水可能となっている。さらに、水洗浴14の水を脱脂処理浴12の二次槽12bへ前送りポンプ28を介して前送り可能となっている。この前送りシステムにより、水洗水の廃棄レス(無排水システム)が可能となる。なお、この前送りポンプ28は、脱脂処理浴(一次槽12a)12の水位が設定値以下となると作動して、脱脂処理浴(二次槽12b)12に補水する役割を担うものである。
【0034】
なお、循環ポンプ27は、メッキ前処理システムA(脱脂処理浴12)の稼働中は、常時運転(連続的ないし間欠的)させる。その結果、脱脂処理浴12の浴液(油含有液)は、油分解処理浴(バイオリアクター)Bへ流入した後、油分解処理浴Bを通過して再び脱脂処理浴(二次槽12b)に戻り循環する。
【0035】
すなわち、水系脱脂処理システムA(脱脂処理浴12)と油分解処理浴(バイオリアクター)Bとの間は、下記の如くに配管接続されて、循環路が形成されている。
【0036】
脱脂処理浴12の一次槽12aはオーバフロー部12cを介して油分解処理浴Bと送り(往路)配管30で接続されているともに、脱脂処理浴12の二次槽12bはクッションタンク12dを介して戻り(復路)配管32と接続されている。送り配管30には循環ポンプ27が配されている。クッションタンク12dは、必然的ではないが、液の流れを均一にし、乱流等の発生を防止する作用を奏する。
【0037】
なお、前記循環ポンプ27及び前送りポンプ28は、液送り用であればタイプは特に限定されないが、自吸式ポンプ型を使用することが望ましい。
【0038】
上記構成により、本発明の油生分解方法で処理した処理済み液は水系脱脂処理浴12に戻して循環再使用することとなり、脱脂処理浴12からの油含有液(廃液)の廃棄が実質的に不要となり、脱脂処理浴の運転のクローズドシステム化を図ることが容易となる。そして、当然のことながら、脱脂処理浴の良好な洗浄力(脱脂処理能)を長時間維持可能となり、実質的に脱脂処理浴の運転を止めて脱脂処理浴の液を入れ替える必要がなくなる(長時間の連続運転が可能となる。)。
【0039】
上記において油分解処理浴(バイオリアクター)Bは、図2〜4に示すような構成を備えている。図2は正面概略断面図、図3は側面概略断面図、図4は平面概略断面図である。
【0040】
油分解微生物を保持させる生物保持体(濾床)34、油分解微生物に酸素供給とともに攪拌作用を担うエア吹込み手段(第一・第二曝気管)38、38A、及び、被処理液の温度、 pH 及び/又は溶存酸素濃度を検知して、それぞれのパラメータ調節を行なう各制御手段(温度検知器40a、 pH 検知器40b、溶存酸素(DO)検知器40c)を備えている。
【0041】
具体的には、油分解処理浴Bは、槽本体42に液流入口44と液流出口46とを備え、液流入口44と連通する槽本体42内には流れを拡散させるための溢流(オーバフロー)樋(液拡散部)48が設けられ、液流出口46と連通する槽本体42内に流れを分解済処理液を集液する堰樋(液集め部)50が設けられている。なお、41は、ドレン/スラッジ抜き口である。
【0042】
前述の如く、液流入口44は循環ポンプ27を介して往路配管30と接続され、液流出口46は復路配管32と接続されている。そして、該液流出口46は、脱脂処理浴Bの液面に対して1m前後の水位差を有する位置にある。このため、オーバフローにより液集め口50に流入した浴液は連通管原理で脱脂処理浴12へ循環流入する。
【0043】
そして、微生物を着床させる濾床(接触材、生物保持体)34は、図例では矩形の蓋付きかご54に多数の充填材(濾床要素)56を充填させて形成されている。
【0044】
例えば、油分解処理浴の容量:2000L、設定液量:1500Lとしたとき、編みかごの充填材(濾床要素)充填率:約30〜80%(見かけ容積充填率)とする。充填材(濾床要素)の充填率が低いと、油分解処理浴中における微生物存在密度が小さ過ぎて、全体として油分分解能が不十分となり易い。逆に、濾床要素56の充填率が高すぎると、微生物存在密度が大き過ぎて、微生物の活力が低下して、結果的に微生物生存率が低下するとともに、油分解能も低下する。
【0045】
ここで濾床要素としては、通液構造体を使用することが望ましい。合成樹脂製又は合成繊維製とすることにより、濾床の特性を油分解微生物に最適な空隙率・比重・油滴接触面積(比表面積)とすることが容易となる。成形手段及び織成手段が多様なためである。
【0046】
具体的には、塊状形態としては、合成繊維糸を絡めて部分接着させるとともに内側に貫通孔を設けたリング状タワシ体56A(図5)、試験管洗いのような形状とした棒状タワシ体56B(図6)、更には、それらの、合成樹脂を網管状に押出成形したものを所定長に裁断した裁断筒体56C(図7)、さらに裁断筒体を中央部で接着された扁平筒体56D等を挙げることができる。リング状タワシ体は円環でなくても角環でもよい。
【0047】
また、帯状または布状形態としては、目の荒い不織布やまたは上記網管体を扁平化したもの等を挙げることができる。帯状または布状形態としたときは、ステンレス等の金属枠体に張設して、通常、縦方向になるように、油分解浴に所定間隔を設けて配設する。
【0048】
このとき、濾床要素(通液構造体)56、56A…を、極性ポリマー(繊維)と非極性ポリマー(繊維)との複合体とすることが望ましい。極性材部と非極性材部とが近接して存在することにより、極性材部に微生物が付着し易く、他方非極性材部に油成分が付着し易いため、微生物と油成分との接触効率がより増大することが期待できる。ここで、極性ポリマーとしては、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等)、飽和ポリエステル(PET、PBT)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、アクリル繊維、等を挙げることができる。非極性ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン等を挙げることができる。
【0049】
極性ポリマーと非極性ポリマーとの比率は、油含有液の油組成及び油分解微生物の種類にもよるが、通常、前者/後者=3/7〜7/3とする。
【0050】
また、内側と外側における各極性・非極性ポリマーの比率は均一であってもよいが、内側と外側における主体ポリマーを替えて、外側と内側における微生物付着率を変化させる構成としてもよい。
【0051】
当該作用は図5に示すようなリング状タワシ体56Aでも同様に得られる。即ち、リング状タワシを使用することにより、リング状タワシ体56Aの内部が微生物過剰となり酸素供給不足により還元雰囲気となる。これにより微生物が還元分解されて窒素(N)や燐(P)の栄養成分に変換され易くなる。例えば、リング状タワシ体の寸法は、中心径D:100mm、断面径d:35mmとする。
【0052】
そして、図例では、濾床要素であるリング状タワシ体56Aを矩形の蓋付き金属網かご(蓋付きかご)54に充填させて濾床34としている。網かごに入れるのは、エア吹込みにより浮遊して上方へ押し上げられ、液に接触しない濾床要素が発生するのを防止するとともに、濾床要素の動きが速過ぎることによる微生物脱落を防止するためである。
【0053】
本実施形態では、生分解処理浴の攪拌を、油分解微生物に対する酸素供給のためのエア吹込み手段38、38Aで兼ねている。機械式攪拌装置が不要となるとともに、そのエア吹込み圧(量)を調節することにより、攪拌力の調節が機械式攪拌装置に比して容易である。
【0054】
油分解微生物に対する酸素供給のためのエア吹込みを、気泡の大きさの異なるものを組み合わせて行なうことが望ましい。攪拌力の調整が容易となるとともに、脱脂処理浴の非運転時及び/又は運転時における、酸素供給を攪拌力の小さい気泡で行えば、微生物の濾床からの液攪拌に伴う脱落を抑制できる。
【0055】
具体的には、エアブローワー35に接続された第一・第二曝気管38、38Aが、それぞれ、液流入側の底部で横方向に、また、液排出側の底部で縦方向にそれぞれ配されている。更に、本実施形態では、微細起泡発生ポンプ37に接続された補助曝気管(微細気泡吐出管)39が液排出側の底部に配されている。この補助曝気管39は、攪拌作用が弱く、濾床要素からの活性微生物の脱落をほとんど促進させず油分解浴の非運転時及び/又は運転時における微生物に対する酸素供給及び増殖(成長)の役割を担うものである。
【0056】
上記微細気泡発生ポンプ37としては、うず流タービン型ポンプを使用する。該うず流タービン型ポンプは、インペラー部でポンプ入口側から導入された空気を攪拌して微細化(泡径:約20〜40μm)する機構を備えている。微細化された気泡(空気)は長い間液中を漂うことができるため、空気と液との酸素交換率を高め、油分解処理浴内の隅々まで空気(酸素)が拡散する結果となる。すなわち、微生物の成育に好ましい環境となる。
【0057】
次に、上記構成の油分解処理浴(バイオリアクター)をメッキ前処理システムに適用する場合の使用方法、すなわち油生分解処理方法について説明をする。
【0058】
本発明における油生分解装置としては、例えば下記仕様のものを好適に使用できる。
【0059】
Figure 0004654405
(1) 本発明を適用するメッキ前処理システム(金属製品用水系脱脂処理浴)Aは、通常の化学系脱脂剤を含み、さらに、油分解バクテリア(微生物)を少量含む。なお、運転当初は、微生物を含まなくても、油分解処理浴(リアクター)に含まれる微生物が液循環を介して侵入してくるため必然的ではない。
ここで、金属製品としては、ボルト、ナット等の切削製品、プレス製品、鍛造製品を問わず、さらには、材料的には、鉄系、非鉄系を問わない。
【0060】
なお、金属製品がCuやAg等の場合においては、それらの金属イオンがバイオ毒であるため、濃度が高くなってバイオ毒として作用するおそれがあるときは、キレート剤を入れてブロックすることが望ましい。
【0061】
化学系脱脂剤(界面活性剤)としては、中性洗剤が、アルカリ系や酸系洗浄剤に比して、後述のバイオ油分解剤を活性化させるためのpH調整が容易となり望ましい。ただし、アルカリ系洗浄剤の方が、脱脂処理効果が大きいため、可能な限り、中性洗剤の内で、アルカリ度の高いものを使用することが望ましい。
【0062】
例えば、中性洗剤として、特開平8−245991号公報に記載されているものにおいて、pHを中性領域(pH7〜9、望ましくはpH7〜8)に調整した下記界面活性剤、ビルダー及び他の副薬剤を含むものを好適に使用できる。
【0063】
界面活性剤としては、下記非イオン・陰イオン・両性イオン界面活性剤等を使用可能である。ここで、非イオン系界面活性剤が、▲1▼起泡性が小さく(泡切れ性が良好)、▲2▼HLBの調整が容易、▲3▼広いpH域で使用でき、さらには、イオン性界面活性剤と併用できるため望ましい。
【0064】
界面活性剤の配合量は0.5〜10w/v%(望ましくは1〜7w/v%)とする。過少では洗浄能力を得難く、過多であると、ノンリンス洗浄で、被洗浄物に界面活性剤が残留して吸湿性・保湿性を与え、錆発生の一因となる。
【0065】
▲1▼非イオン界面活性剤:
ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル
(R=C8〜13、EO付加モル数=3〜20)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル
(R=C11〜18、EO付加モル数=5〜15)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル
(R=C11〜18、EO付加モル数=5〜15、PO付加モル数=1〜20)
アルキルアミンオキサイド(R=C12〜14)
▲2▼陰イオン界面活性剤:
アルキル硫酸エステル塩(R=C12〜18)
アルキルスルホン酸塩(R=C12〜18)
▲3▼両性界面活性剤:
アルキルベタイン型(R=C12〜18)
アルキルグリシン型(R=C12〜18)
ビルダーとしては下記有機ビルダ及び無機ビルダーの中から、1種または2種以上を適宜選択して使用する。特に、有機ビルダーが、機械加工部品(金属製品)に対する洗浄・防錆の補助効果が大きく、洗浄外観に優れる。
【0066】
通常、有機ビルダー0〜30w/v%(望ましくは5〜20w/v%)、無機ビルダー0〜10w/v%(望ましくは0〜5w/v%)、ビルダー合計量2〜35w/v%(望ましくは5〜25w/v%)とする。これら数値は製品自体(液体・粉体洗浄剤のみ)における組成である。
【0067】
ビルダーが過少では、ビルダー効果(界面活性剤の界面活性能を強める効果)を奏し難く、過多では、洗浄対象物(機械加工部品)に付着して、ノンリンス洗浄が困難となる。
【0068】
▲1▼有機ビルダー:
アルカノールアミン…モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、モノイソプロパノールアミン(MIPA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)等
ポリアルキレンポリアミン…エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等、
第四級アンモニウムヒドロキサイド…水酸化テトラメチルアンモニウム等
▲2▼無機ビルダー:
アルカリ水酸化物…水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
炭酸塩…炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等
燐酸塩…第三燐酸ナトリウム・カリウム、第二燐酸ナトリウム・ナトリウム等
重合燐酸塩…トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム等
ケイ酸塩…メタ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム等
ホウ酸塩…ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等
硫酸塩…硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等
上記各必須薬剤に加えて、下記補助的薬剤を添加することが、それぞれ各理由から望ましい。
【0069】
▲1▼抗菌剤…通常、機械加工に際して雑菌が混入した加工油を介してまたは空気中の雑菌が使用時の洗浄液に混入するため、洗浄液の腐敗を防止する必要がある。その配合量は、通常、0.1〜5w/v%(望ましくは1〜3w/v%)とする。具体的には、下記例示のものを使用可能である。ただし、バイオ油分解剤として、バクテリアを使用する場合、該油分解バクテリアに対して活性がなく、雑菌に対して活性(抗菌性)があるものを使用する必要がある。
【0070】
四級アンモニウム系界面活性剤:塩化ベンザルコニウム等
イミダゾール系:2−ベンゾイミダゾール、2−ベンゾイミダゾールカルバミン酸メチル等
チアゾール系:1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン等
その他:モルホリン等、無機塩類やアルカリ類、
▲2▼防錆剤…ノンリンス洗浄する場合は、機械加工部品の腐食(錆化)を防止することが望ましい。その配合量は、通常、0.5〜10w/v%(望ましくは1〜7w/v%)とする。具体的には、下記例示のものを使用可能である。
【0071】
脂肪族アミン塩:
脂肪酸(C12−18)のアミン塩
アミンは、トリ−(またはモノ−、ジ−)エタノールアミン、シクロヘキシルアミン等
亜硝酸塩:
ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩、
亜硝酸アルカリ塩等
▲3▼消泡剤…洗浄に際して泡切れ性を良好にすることが望ましい。その配合量は、通常、0.1〜5w/v%(望ましくは0.2〜3w/v%)とする。具体的には、下記例示のものを使用可能である。シリコーン系のものは剥離剤として作用するため、対象金属製品によっては望ましくなく、炭化水素系、特にその中でも下記構造式で示されるアセチレン誘導体系のものが望ましい。
【0072】
炭化水素系:アルキルエーテルポリオキシエチレン等
【0073】
【化1】
Figure 0004654405
【0074】
シリコーン系:ジメチルシリコーン等
▲4▼キレート剤…本発明の洗浄剤の希釈に使用する水(硬水)の中に含まれ洗浄能を低下させる及び/又はバイオ毒(触媒毒)となる金属イオンを捕獲するためである。その配合量は、通常、0.5〜10w/v%(望ましくは0.7〜5w/v%)とする。具体的には、下記例示のものを使用可能である。
【0075】
Figure 0004654405
(2) 上記水系洗浄剤組成物の水で希釈されて洗浄液としたときのpHは、通常pH6〜12、望ましくはpH7〜9、更に望ましくは、pH7〜8となるように各薬剤が混合されている。
【0076】
pHが酸性側にあると、機械加工部品が腐食し易い。また、アルカリ度が高い場合は、前述の如く脱脂処理能は増大するが、脱脂処理浴中でのバイオ活性(微生物活性)が付与できない。脱脂処理浴中でも、バイオ油分解を行わせることが望ましく、また、液循環を原則とするため、微生物の活性化を前提とする油分解浴との pH バランスが困難となる。即ち、pH調整剤を多量に使用する必要があり望ましくない。
【0077】
なお、水で希釈したときの洗浄液濃度は、洗浄剤組成物含有率0.1〜10w/v%(望ましくは0.3〜5w/v%)とする。
【0078】
以下に、脱脂処理浴12/油分解処理浴Bの組成の一例(両者は循環使用するため原則的に同じ)を示す。
【0079】
ラウリルアルコールEO12モル付加物体 20g/L
シリコーン系消泡剤 0.5g/L
リン酸カリウム(K3 PO4 )(ビルダー) 15g/L
硫酸マグネシウム(ビルダー) 2g/L
酵母エキス(栄養剤) 2g/L
塩化アンモニウム(栄養剤) 2g/L
グルタミン酸ソーダ(栄養剤) 3g/L
微生物 少量0.1g/L
なお、微生物及びその栄養剤は、脱脂処理浴に当初から入れておかなくても、本実施形態では液循環により侵入してくるため、それらは必然的ではない。
【0080】
脱脂処理浴12では、例えば、メッキ処理品(金属製品)を浸漬/攪拌により脱脂洗浄をする。そして、該脱脂洗浄により油成分が増大した洗浄液は、循環ポンプ27により油分解処理浴Bへ導入され、油分解処理浴Bで油分解された後、オーバーフロー(位置落差)原理により脱脂処理浴12へ戻す。
【0081】
なお、脱脂処理浴/油分解処理浴には適宜、洗浄剤の各成分を補充する必要がある。微生物(バイオ油分解剤)は、油成分とともに他の洗浄剤成分も分解するためである。
【0082】
ここで、脱脂処理浴における洗浄剤(界面活性剤)が生分解処理浴における乳化剤として作用する。
【0083】
そして、油分解微生物(バクテリア)としては、特に限定されないが、例えば下記の内から1種または2種以上を適宜選択して使用することができる。
【0084】
Phodococcus Chlorophenolicus(フォドコッカス クロロフェノリカス)
Pseudomonas Fluorescens (セドモナス フルオレセンス)
Pseudomonas Putida(セドモナス プチーダ)
Purple non-sulfur Bacteria(パープル ノンサルファー バクテリア)
Bacillus Subtilis (パチラス サブチラス)
Bacillus Sphareicus (バチラス スハエリカス)
一般的に微生物は保存・安定性に優れ、あらかじめ、化学系脱脂剤と混合しておくことも可能である。バクテリア系には、幅広い種類の油類・有機物に対して分解性(異化・同化代謝)を有するものを入手し易い。
【0085】
また、微生物の成長(増殖)のために、通常、窒素(N)、リン(P)などの栄養剤を添加する。
【0086】
窒素源としては、アンモニウム塩、尿素、メラミン、酵母エキス、アミノ酸(塩を含む。)等を使用できる。また、リン源としては、りん酸塩、酵母エキス等を使用できる。
【0087】
特にこれらの内で酵母エキスが、窒素、リンの他に、微量のミネラルを含み、微生物の成長や活動の活性化に寄与するため望ましい。
【0088】
なお、油分解微生物の死骸を部分還元雰囲気で分解させて栄養成分に変換させれば、実質的にスラッジレスで行なうことが可能となり、かつ、栄養成分の補給も低減若しくは実質的に不要とでき、場合によっては、メインテナンスフリー(栄養管理不要)とすることができる。
【0089】
なお、通常、本実施形態では、スラッジはほとんど発生しないが、発生したとしても、バイオ分解で生成したものであるので、該スラッジは、無毒で土壌・海洋汚染のおそれがなく、そのまま、肥料として使用できる。
【0090】
まず、被処理物である機械加工部品(メッキ予定製品)を脱脂処理浴12に浸漬洗浄する。
【0091】
被処理物である金属製品に付着している油は、洗浄剤成分(界面活性剤及びビルダー等)の脱脂作用(油吸着作用)と曝気管(エアブロー)による攪拌作用との協働により脱脂される。また、同時に金属製品から遊離した油も分解されるため、浴の汚れも抑制されて、洗浄剤成分の洗浄力の低下も小さい。
【0092】
そして、油含有液(油汚染液)は、集液口(オーバフロー受け口)12cを経て循環ポンプ27により油分解処理浴(バイオリアクター)Bへ送液される。そして、油分解処理浴B内では油成分は各濾床要素56に付着して、該濾床要素に保持されている微生物により資化(代謝)されて分解される。このとき、曝気攪拌と乳化剤により油成分はさらに微細乳化されるため、微生物による資化がされ易く、さらに、濾床要素の内側まで侵入して資化され、油分解効率が格段に上昇する。
【0093】
ここで、微生物の活性を良好に維持するため、温度、 pH 及び溶存酸素量をそれぞれ検知器で検知して、スチームの電磁バルブ(図示せず)、 pH 調整剤の供給ポンプ(図示せず)、及び、補助曝気管の微細起泡発生ポンプ37をそれぞれ作動させて、それらの所定値とする。なお、必要により、栄養剤や洗浄剤を補給したりする。
【0094】
また、このときの油分解の運転条件は、温度:室温〜60℃(望ましくは40〜50℃)、pH6〜9(望ましくは7〜8)、溶存酸素濃度:2mg/L以上(望ましくは5mg/L以上)とする。これらの範囲外では、微生物(バクテリア)活性が得難い。
【0095】
pH調整剤としては、上記ビルダー又は各種無機酸(塩酸、硫酸、りん酸等)、有機酸(酢酸、クエン酸、酒石酸等)を使用できる。
【0096】
油分解処理浴Bの処理液はオーバフローにより、連通管原理により脱脂処理浴12の二次槽12bへ循環させる。この循環液は、油成分が少なく、洗浄剤成分を含んでいるとともに浮遊微生物を含んでいるため、脱脂処理浴の洗浄液として再使用できる。なお、油分解処理浴では、鉱物油・植物油、他の有機化合物は、微生物(バクテリア)に資化(代謝)されて、分解酵素の触媒作用により、油成分のみならず、界面活性剤、その他ビルダー(栄養剤成分となるものが含まれている。)も分解される。この際、洗浄液中の成分濃度が変化するため、適宜、界面活性剤、ビルダー及び他の副薬剤を、脱脂処理浴及び/又は油分解処理浴に適宜追加する。
【0097】
上記では脱脂処理浴で発生する油含有液を、循環処理する場合を例に採ったが、本発明の油分解処理浴(油生分解装置)は、水系脱脂処理浴若しくは機械加工、さらには、前記湿式表面処理からバッチ的に発生する油含有廃液ないし該油含有廃液か油水分離した汚染油を油分解処理するに際して、バッチ的ないし連続的に単独使用する場合にも、適用できる。
【0098】
この場合の運転条件等は、上記連続分解処理の場合と、基本的には同じである。
【0099】
油分解処理浴Bを単独使用する場合の浴組成の一例を下記に示す。
【0100】
ラウリルルアルコールEO12モル付加体 2g/L
シリコーン系消泡剤 0.5g/L
リン酸カリウム(K3 PO4 ) 2g/L
硫酸マグネシウム 1g/L
酵母エキス 2g/L
塩化アンモニウム 2g/L
グルタミン酸ソーダ 3g/L
微生物 少量0.1g/L
ここで、脱脂処理浴との間を液循環させて使用する場合の油分解処理浴と異なる点は、脱脂が目的でない(乳化が目的である。)ため、界面活性剤(非イオン系:ラウリルアルコールEO12モル付加体)の量が少ない無機ビルダーの量が少ない。
【0101】
【発明の作用・効果】
本発明の油生分解処理方法は、上記の如く、油成分に対して積極的に乳化作用と攪拌作用を与えることにより微細乳化が可能となり、その結果、微生物に資化され易くなるとともに、微生物が繁殖し易い微小空間にも侵入して資化され易いため、油分解効率が格段に向上する。
【0102】
ちなみに、2000Lの前記浴組成の油分解処理浴(連続処理、油:鉱物油)において、積極的に曝気攪拌しなかった場合(前記実施形態で処理液入口側のみ)、油滴の大きさ:10〜30μmで油分解速度:1〜2kg/dayであったのに対し、上記実施形態の曝気攪拌を行なった場合、油滴の大きさ:0.5〜10μmで油分解速度:4〜6kg/dayであった。
【0103】
当該脱脂処理浴は、油水分離をしなくても、油成分の分解処理が可能であり、油成分で汚染された洗浄液を連続的に処理して再使用することができ、連続脱脂水系処理浴の運転を止める必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油分解処理浴を適用する脱脂処理システムの一例を示す概略システム図
【図2】本発明の油分解処理浴の概略正面断面図
【図3】同じく概略側面断面図
【図4】同じく概略平面断面図
【図5】本発明の油処理浴に使用する濾床要素の一例を示す斜視図
【図6】同じく他の例の示す斜視図
【図7】同じくさらに他の例を示す斜視図
【図8】同じくさらに他の例を示す斜視図
【符号の説明】
12 水系脱脂処理浴
16 酸洗浴
27 循環ポンプ
30 送り(往路)配管
32 戻り(復路)配管
34 生物保持体(濾床)
35 エアブロワー(エア吹込み手段)
37 微細起泡発生ポンプ(エア吹込み手段)
38 第一曝気管(エア吹込み手段)
38A 第二曝気管(エア吹込み手段)
39 補助曝気管(エア吹込み手段)
40a 温度検知器
40b pH 検知器
40c 溶存酸素検知器
42 油分解処理浴の槽本体
54 蓋付きかご
56、56A、56B、56C 濾床要素(通液構造体)
A メッキ前処理システム
B 油分解処理浴(バイオリアクター)

Claims (9)

  1. 水系脱脂処理浴から連続的に発生する油含有液を、好気性の油分解微生物を着床させた生物保持体(濾床)を内設させた生分解処理浴に連続的に導入して油生分解処理する方法において、
    前記生分解処理浴を攪拌するとともに界面活性剤(乳化剤)を添加して油を微細乳化させて前記油生分解処理を行なうに際し、
    前記生分解処理浴の攪拌を、前記油分解微生物に対する酸素供給のためのエア吹込みで兼ねるとともに、前記界面活性剤を非イオン界面活性剤とし、かつ、前記微細乳化の油滴大きさを0.5〜10μmとし、
    前記油生分解処理による処理済み液を前記水系脱脂処理浴に戻して再使用する、
    ことを特徴とする油生分解方法。
  2. 前記濾床として合成樹脂製又は合成繊維製の通液構造体(濾床要素)を使用することを特徴とする請求項1記載の油生分解方法。
  3. 前記通液構造体が極性ポリマー(繊維)と非極性ポリマー(繊維)との複合体であることを特徴とする請求項2記載の油生分解方法。
  4. 前記界面活性剤が前記水系脱脂処理の界面活性剤を兼ねることを特徴とする請求項1記載の油生分解方法。
  5. 前記油分解微生物に対する酸素供給のためのエア吹込みを、気泡の大きさの異なるものを組み合わせて行なうことを特徴とする請求項1記載の油生分解方法。
  6. 前記油分解微生物の死骸を部分還元雰囲気で分解させて栄養成分に変換させて、実質的にスラッジレスで行なうことを特徴とする請求項1記載の油生分解方法。
  7. 前記濾床として多数のリング状タワシ体(濾床要素)を揺動可能に固定して又は、浮遊させて使用することを特徴とする請求項6記載の油生分解方法。
  8. 前記生分解処理浴における設定運転条件が、温度:室温〜60℃、pH6〜9、溶存酸素:2mg/L以上とすることを特徴とする請求項1記載の油生分解方法。
  9. 請求項1〜8いずれか一記載の油生分解方法に使用する油生分解装置であって、前記油分解微生物を保持(着床)させる生物保持体(濾床)、前記油分解微生物に酸素供給とともに攪拌作用を担うエア吹込み手段、及び、被処理液の温度、pH及び/又は溶存酸素濃度を検知して、それぞれのパラメータ調節を行なう各制御手段、を備えていることを特徴とする油生分解装置。
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